説明

乗客コンベア

【課題】乗客コンベアのサイズやレイアウトに拘わらず、乗降口付近を照明して乗降口で乗り降りする乗客に対して注意喚起を行えるようにする。
【解決手段】欄干8の乗降口付近に「照明モード」と「操作モード」の2つの動作モードを有する液晶ディスプレイ10を設置し、エスカレータの通常運転時はこの液晶ディスプレイ10を「照明モード」で動作させて乗降口付近を照明する照明装置として機能させ、エスカレータの運転操作が必要なときは、液晶ディスプレイ10を「操作モード」で動作させて各種操作スイッチを集めた操作盤として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアは、無端状に連結された複数の踏段を一方の乗降口と他方の乗降口との間で循環移動させて、踏段上の乗客を一方の乗降口から他方の乗降口へと搬送するものである。この種の乗客コンベアでは、乗降口で乗り降りする乗客に対して注意を促すために、踏段の移動経路に沿って立設された欄干のスカートガード部などに照明装置を設置して、乗降口付近を照明することも行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−97659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、欄干のスカートガード部には、通常、乗客コンベアの管理者や保守作業員などの操作者が乗客コンベアの起動や停止、運転方向の指定、ブザー鳴動などの操作を行うための各種の操作スイッチを集めた操作盤が設置されており、特に、この操作盤は、操作者が各種の操作スイッチを操作し易いように、乗降口付近に設けられることが多い。
【0004】
このため、乗客コンベアのサイズやレイアウトによっては、欄干のスカートガード部の乗降口付近は操作盤の設置によってスペースが大きく占有されて、乗降口付近を照明するための照明装置を設置できず、乗客に対して乗り降りの際の注意喚起を行えない場合があった。
【0005】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、サイズやレイアウトに拘わらず、乗降口付近を照明して乗降口で乗り降りする乗客に対して注意喚起を行うことができる乗客コンベアを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗客コンベアは、無端状に連結されて一方の乗降口と他方の乗降口との間を循環移動する複数の踏段と、この複数の踏段の移動経路に沿って立設された欄干と、タッチパネル及び当該タッチパネルを照明する光源を有し、欄干の乗降口付近に設置された液晶ディスプレイとを備える。そして、欄干の乗降口付近に設置された液晶ディスプレイが、タッチパネルを照明する光源により乗降口付近を照明する照明モードと、タッチパネルに少なくとも乗客コンベアを起動させる起動ボタンと乗客コンベアを停止又は減速させる停止ボタンとを含む複数の操作ボタンを表示する操作モードとの2つの動作モードを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る乗客コンベアによれば、欄干の乗降口付近に設置された液晶ディスプレイが照明モードと操作モードとの2つの動作モードを有し、この液晶ディスプレイによって照明装置としての機能と操作盤としての機能との双方が実現されるので、乗客コンベアのサイズやレイアウトに拘わらず、乗降口付近を照明して乗降口で乗り降りする乗客に対して注意喚起を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では本発明を適用した乗客コンベアの例として、多数の踏段が連続して階段状に上下に移動することで乗客を上下階に亘って搬送するエスカレータを例示するが、本発明は、多数の踏段が連続して水平に移動することで乗客を搬送する動く歩道(オートロード)に対しても有効に適用可能である。
【0009】
図1は、本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図である。
【0010】
本発明を適用したエスカレータは、図1に示すように、上階と下階とに跨って支持金具を介して建造物に固定支持された主枠1を備える。この主枠1の上階側には機械室が設けられており、この機械室内に図示しない駆動装置や、この駆動装置によって回転操作される駆動スプロケット2、エスカレータの動作を制御するエスカレータ制御盤3などが配設されている。また、主枠1の下階側にも機械室が設けられており、この下階側の機械室内には、上階側の駆動スプロケット2と対をなす従動スプロケット4が配設されている。そして、上階側の駆動スプロケット2と下階側の従動スプロケット4とに亘って、多数の踏段5を等間隔で連結した無端状の踏段チェーン6が巻き掛けられている。
【0011】
各踏段5にはその前後に前輪及び後輪が設けられており、これら前輪及び後輪が主枠1内に設けられた図示しないガイドレール上に支持されている。そして、エスカレータ制御盤3の制御のもとで駆動装置が駆動スプロケット2を回転操作して踏段チェーン6が駆動されると、この踏段チェーン6の動きに連動して、多数の踏段5がガイドレールに案内されながら上階と下階との間を循環移動するようになっている。
【0012】
上階側及び下階側の踏段5が反転する位置の近傍は、乗客が乗り降りする乗降口となり、これら上階側及び下階側の乗降口には乗降板7が設置されている。また、主枠1の幅方向両側には、多数の踏段5の移動経路に沿ってスカートガード8aと欄干パネル8bとからなる欄干8が立設されており、欄干パネル8bの周囲には、多数の踏段5と同期して循環移動する手摺ベルト9が装着されている。また、欄干8のスカートガード8bには、上階側及び下階側の乗降口付近の位置に液晶ディスプレイ10が設置されている。
【0013】
図2は、液晶ディスプレイ10の構成を示すブロック図であり、図3及び図4は、液晶ディスプレイ10が設置された乗降口付近のスカートガード8aを拡大して示す図である。
【0014】
液晶ディスプレイ10は、図2に示すように、タッチセンサ11aと液晶パネル11bとが一体化されてなるタッチパネル11と、このタッチパネル11を照明するバックライト(光源)12と、タッチパネル11及びバックライト12の動作を制御するコントローラ13とを備えて構成される。コントローラ13は、電気配線によりエスカレータ制御盤3に接続されており、エスカレータ制御盤3との間で信号伝送が行えるようになっている。このように構成された液晶ディスプレイ10は、図3及び図4に示すように、乗降口付近のスカートガード8aに形成された開口部8cからタッチパネル11を乗降板7側に臨ませるようにして、スカートガード8aの内部に配設されている。
【0015】
この液晶ディスプレイ10は、コントローラ13により動作制御される動作モードとして、「照明モード」と「操作モード」との2つの動作モードを有している。「照明モード」は、バックライト12の照度を高めてバックライト12により乗降口付近を照明する動作モードである。「操作モード」は、図3に示すように、エスカレータを上昇運転で起動させるUP運転ボタン14aやエスカレータを下降運転で起動させるDN運転ボタン14b(起動ボタン)、エスカレータの運転を停止又は減速させる停止ボタン14c、ブザーを鳴動させるブザーボタン14dの各種操作ボタンをタッチパネル11に表示して、エスカレータの管理者や保守作業員などの操作者による操作ボタンの操作入力を受け付ける動作モードである。
【0016】
エスカレータが動作中、液晶ディスプレイ10は、通常は「照明モード」で動作しており、コントローラ13の制御によってバックライト12の照度が「操作モード」時よりも高められて、この照度が高められたバックライト12により乗降口付近を照明している。これにより、エスカレータの乗客に対して乗り降りの際の注意を喚起することができ、安全性が向上する。なお、コントローラ13は、液晶ディスプレイ10を「照明モード」で動作させているとき、エスカレータ制御盤10からの信号に基づいてエスカレータの運転状態を判断し、バックライト12による照明の色調をエスカレータの運転状態に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、エスカレータが上昇運転しているときと下降運転しているときとでバックライト12の光源の発光色を変化させたたり、また、混雑する時間帯にはバックライト12の光源を黄色などの目立つ色で発光、或いは点滅させたりすることが可能である。これにより、エスカレータの乗降口の位置や運転方向などを乗客に対してより的確に伝えて、乗客が乗り降りする際の安全性をさらに向上させることができる。
【0017】
また、液晶ディスプレイ10を「照明モード」で動作させている間、コントローラ13は、図4に示すように、タッチパネル11の所定の位置にエスカレータを緊急停止させるための非常停止ボタン15を表示させる。そして、このタッチパネル11上の非常停止ボタン15の押圧操作が検知されると、コントローラ13からエスカレータ制御盤3に対して非常停止信号を伝送し、エスカレータを緊急停止させる。なお、液晶ディスプレイ10のタッチパネル11上には、「照明モード」時に非常停止ボタン15が表示される領域を覆うように透明樹脂押し破りカバー16が配設されており、例えば乗客の足先などが非常停止ボタン15に触れることによってエスカレータが緊急停止してしまうといった不都合を防止している。
【0018】
エスカレータが停止している間は液晶ディスプレイ10も動作を停止するが、液晶ディスプレイ10には動作停止中にも微小な待機電力が供給されており、タッチパネル11を所定時間以上押圧する操作が行われると、液晶ディスプレイ10はこれを検知して起動し、「操作モード」による動作を開始する。また、エスカレータが運転中で液晶ディスプレイ10が「照明モード」で動作しているときに、タッチパネル11を所定時間以上押圧する操作を検知すると、コントローラ13が動作モードを「照明モード」から「操作モード」に切り換えて、「操作モード」による動作を開始する。
【0019】
液晶ディスプレイ10が「操作モード」による動作を開始すると、コントローラ13は、図3に示したように、タッチパネル11にUP運転ボタン14a、DN運転ボタン14b、停止ボタン14c、ブザーボタン14dの各操作ボタンを表示させる。そして、まず、操作者が正規の操作者であるか否かを判断するための認証処理を行う。具体的には、例えば、起動後の所定時間の間に、タッチパネル11に表示している各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを事前に登録した所定の順序で押圧する操作が検知されれば操作者が正規の操作者であると判断し、各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを所定の順序で押圧する操作がないまま所定時間が経過した場合は正規の操作者でないと判断する。
【0020】
そして、コントローラ13は、操作者が正規の操作者であると判断した場合は、その後、各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを有効にし、押圧操作された操作ボタンに応じた信号をエスカレータ制御盤3に伝送する。具体的には、UP運転ボタン14aの押圧操作が検知されると、エスカレータ制御盤3にUP運転信号を伝送してエスカレータを上昇運転で起動させる。また、DN運転ボタン14bの押圧操作が検知されると、エスカレータ制御盤3にDN運転信号を伝送してエスカレータを下降運転で起動させる。また、停止ボタン14cの押圧操作が検知されると、エスカレータ制御盤3に停止信号を伝送して運転中のエスカレータを停止させる。また、ブザーボタン14dの押圧操作が検知されると、エスカレータ制御盤3にブザー鳴動信号を伝送してブザーを鳴動させる。一方、操作者が正規の操作者ではないと判断した場合は、コントローラ13は「操作モード」による動作を終了して、エスカレータが運転中であれば運転モードを「照明モード」に切り換え、エスカレータが停止中であれば液晶ディスプレイ10の動作を停止する。
【0021】
図5は、液晶ディスプレイ10のコントローラ13による処理の流れを示すフローチャートである。なお、この図5に示す処理フローは、液晶ディスプレイ10の動作停止中にタッチパネル11を所定時間T1以上押圧する操作が行われたときにスタートする。
【0022】
図5の処理フローがスタートすると、液晶ディスプレイ10のコントローラ13は、まずステップS1において、「操作モード」での動作制御を開始して、タッチパネル11にUP運転ボタン14a、DN運転ボタン14b、停止ボタン14c、ブザーボタン14dの各操作ボタンを表示させる。そして、コントローラ13は、ステップS2において、タッチパネル11に表示している各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを所定の順序で押圧する操作がなされたかどうかを判定し、各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを所定の順序で押圧する操作を検知した場合には、操作者が正規の操作者であると判断して、ステップS3において、タッチパネル11に表示している各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを有効にして入力待ちの状態となる。一方、各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを所定の順序で押圧する操作を検知することなく所定時間T2が経過した場合には(ステップS4でYESの判定)、操作者が正規の操作者でないと判断して処理を終了し、液晶ディスプレイ10の動作を停止させる。
【0023】
次に、コントローラ13は、ステップS5において、タッチパネル11に表示している各種操作ボタン14a,14b,14c,14dの押圧操作があるかどうかを判定し、操作ボタンの押圧操作を検知したら、ステップS6において、押圧操作された操作ボタンに応じた信号をエスカレータ制御盤3に伝送する。その後、コントローラ13は所定時間T3の間は入力待ちの状態を継続し、操作ボタンの押圧操作を検知しないまま所定時間T3が経過すると(ステップS7でYESの判定)、次のステップS8に移行する。
【0024】
ステップS8では、コントローラ13は、エスカレータが運転状態に移行しているかどうか、すなわち、ステップS5でUP運転ボタン14a又はDN運転ボタン14bの押圧操作を検知して、ステップS6でUP運転信号又はDN運転信号をエスカレータ制御盤3に伝送しているかどうかを判定する。ここで、エスカレータが運転状態に移行していない場合、つまり、操作者による操作ボタンの押圧操作がエスカレータの起動を指示するものではない場合や、操作者により操作ボタンが押圧操作されていない場合には、コントローラ13は処理を終了して、液晶ディスプレイ10の動作を停止させる。
【0025】
一方、エスカレータが運転状態に移行していると判断した場合には、コントローラ13は、液晶ディスプレイ10の動作モードを「操作モード」から「照明モード」に切り換えて、「照明モード」による動作制御を開始する。すなわち、コントローラ13は、ステップS9において、バックライト12の照度を「操作モード」時よりも高めて(例えば照度最大)、このバックライト12により乗降口付近を照明させるとともに、ステップS10において、タッチパネル11に非常停止ボタン15を表示させる。
【0026】
そして、コントローラ13は、液晶ディスプレイ10を「照明モード」で動作させている間、タッチパネル11を所定時間T1以上押圧する操作があるかどうかを常に監視し、「証明モード」での動作時にタッチパネル11を所定時間T1以上押圧する操作を検知したら(ステップS11でYESの判定)、液晶ディスプレイ10の動作モードを「照明モード」から「操作モード」に切り換えて、ステップS1に戻って「操作モード」での動作制御を開始する。また、コントローラ13は、液晶ディスプレイ10を「照明モード」で動作させている間、タッチパネル11に表示している非常停止ボタン15の押圧操作があるかどうかを常に監視し、非常停止ボタン15の押圧操作を検知したら(ステップS12でYESの判定)、ステップS13において、エスカレータ制御盤3に対して非常停止信号を伝送してエスカレータを緊急停止させた後、処理を終了して液晶ディスプレイ10の動作を停止させる。
【0027】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態のエスカレータによれば、乗降口付近に設置された液晶ディスプレイ10が「照明モード」と「操作モード」の2つの動作モードを有し、「照明モード」で動作しているときは乗降口付近を照明する照明装置として機能し、「操作モード」で動作しているときはエスカレータの管理者や保守作業員などが操作する各種操作スイッチを集めた操作盤として機能するので、エスカレータのサイズやレイアウトによる制約により照明装置の設置スペースを確保することが難しい場合であっても、乗降口付近を液晶ディスプレイ10により照明して、乗降口で乗り降りする乗客に対して適切に注意喚起を行うことができる。
【0028】
また、操作盤に集約する各種操作スイッチを、液晶ディスプレイ10のタッチパネル11上の各種操作ボタン14a,14b,14c,14dで代替するようにしているので、キーレスによる操作を実現することができ、キーの保管や管理などの煩雑な手間を不要にすることができる。
【0029】
また、液晶ディスプレイ10は、「照明モード」動作時にはバックライト12の照度を「操作モード」動作時よりも高めるようにしているので、乗降口付近を明るく照らして乗客の乗り降りを補助することができ、さらに、エスカレータの運転状態に応じてバックライト12による照明の色調を変化させるようにすれば、乗降口の位置や運転方向などをより的確に伝えて、乗り降りの際の安全性をさらに向上させることができる。
【0030】
また、液晶ディスプレイ10は、「照明モード」動作時にエスカレータを緊急停止させるための非常停止ボタン15をタッチパネル11上に表示するようにしているので、緊急停止用の非常停止スイッチを別途設置する必要がなく、部品設置スペースのさらなる省スペース化できるとともに、美観の向上を図ることができる。また、タッチパネル11上の非常停止ボタン15を表示する位置には透明樹脂押し破りカバー16を配設するようにしているので、例えば乗客の足先などが非常停止ボタン15に触れることによってエスカレータが不用意に緊急停止してしまうといった不都合を有効に防止することができる。なお、透明樹脂押し破りカバー16は、非常停止ボタン15を押圧操作する際に破壊されるが、エスカレータを緊急停止させた後、再起動する前に新しい部品と交換するようにすればよい。
【0031】
また、液晶ディスプレイ10は、「操作モード」による動作を開始した後、タッチパネル11に表示されている各種操作ボタン14a,14b,14c,14dを予め登録しておいた所定の順序で押圧する操作があるか否かにより、操作者が正規の操作者であるか否かを判断する認証処理を行うようにしているので、いたずらや誤作動などでエスカレータの運転操作が行われる不都合を有効に防止することができる。
【0032】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の一適用例を具体的に説明したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容をもとに一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。例えば、以上説明した実施形態では、液晶ディスプレイ10が「操作モード」による動作を開始する条件として、タッチパネル11を所定時間以上に亘って押圧する操作を検知することを例示しているが、液晶ディスプレイ10に専用のスイッチを設け、このスイッチが操作されたときに「操作モード」による動作を開始させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図。
【図2】液晶ディスプレイの構成を示すブロック図。
【図3】液晶ディスプレイが設置された乗降口付近のスカートガードを拡大して示す図であり、液晶ディスプレイが「操作モード」のときのタッチパネルの表示例を示す図。
【図4】液晶ディスプレイが設置された乗降口付近のスカートガードを拡大して示す図であり、(a)は液晶ディスプレイが「照明モード」のときのタッチパネルの表示例を示す図、(b)は(a)におけるA−A断面図。
【図5】液晶ディスプレイのコントローラにより実行される一連の処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0034】
3 エスカレータ制御盤
5 踏段
8 欄干
8a スカートガード
10 液晶ディスプレイ
11 タッチパネル
12 バックライト
13 コントローラ
14a UP運転ボタン
14b DN運転ボタン
14c 停止ボタン
14d ブザーボタン
15 非常停止ボタン
16 透明樹脂押し破りカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結されて一方の乗降口と他方の乗降口との間を循環移動する複数の踏段と、
前記複数の踏段の移動経路に沿って立設された欄干と、
タッチパネル及び当該タッチパネルを照明する光源を有し、前記欄干の乗降口付近に設置された液晶ディスプレイとを備え、
前記液晶ディスプレイは、前記光源により前記乗降口付近を照明する照明モードと、前記タッチパネルに少なくとも乗客コンベアを起動させる起動ボタンと乗客コンベアを停止又は減速させる停止ボタンとを含む複数の操作ボタンを表示する操作モードとの2つの動作モードを有することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記液晶ディスプレイは、前記照明モードで動作しているときは、前記操作モードで動作しているときに比べて前記光源の照度が高められることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記液晶ディスプレイは、前記照明モードで動作しているときに、前記光源による照明の色調を乗客コンベアの運転状態に応じて変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記液晶ディスプレイは、前記照明モードで動作しているときに、前記タッチパネルの所定の位置に、乗客コンベアを緊急停止させるための非常停止ボタンを表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記液晶ディスプレイのタッチパネル上に、前記照明モードで動作しているときに前記非常停止ボタンが表示される領域を覆うように透明樹脂押し破りカバーが配設されていることを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記液晶ディスプレイは、乗客コンベアの停止中で動作を停止しているとき又は乗客コンベアの運転中で前記照明モードで動作しているときに、前記タッチパネルを所定時間以上押圧する操作を検知したときに、前記操作モードによる動作を開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記液晶ディスプレイは、前記操作モードによる動作を開始した後、前記複数の操作ボタンを所定の順序で押圧する操作があるか否かにより操作者が正規の操作者か否かを判断し、正規の操作者であると判断した場合はその後の前記複数の操作ボタンによる操作入力を受け付ける共に、正規の操作者でないと判断した場合は前記操作モードによる動作を終了することを特徴とする請求項6に記載の乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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