乗客コンベヤ
【課題】 スカートガード照明装置の防水性の向上を図った乗客コンベヤを提供する。
【解決手段】 循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって欄干パネル1が立設されている。この欄干パネルの内側には内レッジ4が設けられ、その下方にはスカートガードパネル5が設けられている。このスカートガードパネルの上部と内レッジの下部との間には目地部材6が設けられている。スカートガードパネルの外側で且つ内レッジの下方に位置するように、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置7が設けられている。このスカートガード照明装置の光源部をスカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成された防滴カバー8が設けられ、その上壁の先端部が目地部材に接続されている。
【解決手段】 循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって欄干パネル1が立設されている。この欄干パネルの内側には内レッジ4が設けられ、その下方にはスカートガードパネル5が設けられている。このスカートガードパネルの上部と内レッジの下部との間には目地部材6が設けられている。スカートガードパネルの外側で且つ内レッジの下方に位置するように、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置7が設けられている。このスカートガード照明装置の光源部をスカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成された防滴カバー8が設けられ、その上壁の先端部が目地部材に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スカートガード照明装置の防水性の向上を図った乗客コンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置を備えたエスカレータや動く歩道を屋外に設置する場合、ランプやソケット等の光源部に水滴(雨滴)が付着しないようにする必要がある。
【0003】
そこで、従来から、ランプやソケットの上部にカバーを設置する等の対策がとられてきた。以下、その従来例を図12乃至図14に基づいて説明する。図12は従来例(エスカレータ)の要部縦断面図、図13は図12のE部拡大図、図14は図12の防滴カバーの上部の内側から見た側面図である。
【0004】
図12において、欄干パネル101の内側には、内側に向かって下方に傾斜した内レッジ102が設けられ、その下方にはスカートガードパネル103が設けられている。このスカートガードパネル103の上部と内レッジ102の下部との間には目地部材104が設けられている。
【0005】
この目地部材104はアルミニウム等により形成され、図13に示すように、内レッジ102の下端部が挿入される第1の挿入溝104aと、スカートガードパネル103の上端部が挿入される第2の挿入溝104bとを有している。
【0006】
スカートガード照明装置105は、スカートガードパネル103の外側で且つ内レッジ102の下方となる位置に設けられ、防滴カバー106により、ランプやソケット等の光源部105aに雨水等の水滴が付着するのを防止している。
【0007】
防滴カバー106は、光源部105aをスカートガードパネル103との間に囲うように縦断面略コの字形に形成されている。この防滴カバー106はステップの移動方向に沿って複数個配列されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の防滴カバー106は、その上壁106a全体が平坦であると共に、その先端部が目地部材104に接続されておらず、目地部材104との間に隙間107が生じているため、上壁106aの上面に付着した水滴が隙間107に向かって流れると、この隙間107からスカートガード照明装置105内部に侵入し、光源部105aに付着する恐れが有った。
【0009】
また、図14に示すように、従来は、互いに隣接する防滴カバー106の端部同士が突き合わされていて、これらの間に隙間108が生じている。エスカレータは、通常、30乃至35°程度傾斜しており、防滴カバー106の上壁106aの上面に付着した水滴は下階方向へ流れようとする。したがって、防滴カバー106間の継目の隙間108から防滴カバー106内部に水が侵入する恐れが有った。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スカートガード照明装置の防水性の向上を図った乗客コンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に接続された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る第2の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に前記上壁の上面に付着した水を前記光源部に近づかない方向に導くように下向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る第3の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に上向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、防滴カバーの上壁の上面に付着した水が防滴カバー内部に侵入するのを防止することができるため、スカートガード照明装置の防水性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態の側面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB部拡大図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4のC方向矢視図である。
【0016】
図1において、1は欄干パネルで、循環移動するステップ列(図示せず)の両側において、一方の乗降口から他方の乗降口にわたってステップの移動方向に沿って複数枚立設されている。
【0017】
図2に示すように、この欄干パネル1の上端には手摺りデッキ2が取り付けられ、この手摺デッキ2には、ステップ列と同期して循環移動する手摺ベルト3(図1参照)が摺動自在に支持されている。
【0018】
欄干パネル1の内側には、内側に向かって下方に傾斜した内レッジ4が設けられ、その下方にはスカートガードパネル5が設けられている。このスカートガードパネル5の上部と内レッジ4の下部との間には目地部材6が設けられている。
【0019】
この目地部材6はアルミニウム等により形成され、図3乃至図5に示すように、内レッジ4の下端部が挿入される第1の挿入溝6aと、スカートガードパネル5の上端が挿入される第2の挿入溝6bと、後述する防滴カバー8の上壁8aの先端部が挿入される第3の挿入溝6cと、この第3の挿入溝6cの底部からスカートガードパネル5の外側面に向けて斜め下方に延びる貫通孔6dとを有している。
【0020】
スカートガードパネル5の外側で且つ内レッジ4の下方となる位置には、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置7が設けられている。8はスカートガード照明装置のランプやソケット等の光源部7aに雨水等の水滴が付着するのを防止する防滴カバーで、光源部7aをスカートガードパネル5との間に囲うように縦断面略コの字形に形成されている。この防滴カバー8は、ステップの移動方向に沿って複数個配列されている。
【0021】
防滴カバー8の上壁8aの先端部は下向きに略直角に折曲され、目地部材6の第3の挿入溝6cに挿入されている。このようにすることで、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8に向かって流れても、防滴カバー8内部に侵入することがなく、光源部7aに水が付着することがない。なお、上壁8aの先端部と第3の挿入溝6cの一方の側面との間にはステップの進行方向に延びる隙間が生じている。
【0022】
また、上壁8aは第3の挿入溝6cに向かって若干斜め下方に傾斜しており、その上面に付着した水滴が第3の挿入溝6cに流れ込むようにしている。そして、第3の挿入溝6cに流れ込んだ水は貫通孔6dを介してスカートガードパネル5側に導かれ、その外側を下方に流れる。このように、水を光源部7aに近づかないように排出することで、光源部7aに水が付着しないようにしている。
【0023】
また、この貫通孔6dは、防滴カバー8の内部と外部を連通する通気孔を兼ねており、スカートガード照明装置7に結露による水滴が付着するのを防止するという機能も有している。
【0024】
なお、本実施形態では、防滴カバー8の内面がスカートガード照明装置7の光を反射する反射板を兼ねており、このようにすることで、乗客の足元をより明るく照明することができるようになるため、安全性が向上する。また、スカートガード照明装置7の消費電力を低減することもできる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図6は第2の実施形態の防滴カバーの上部の内側から見た側面断面図、図7は図6のD−D線断面図である。なお、以下の各実施形態において、第1の実施形態と同一又は類似の部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。
【0026】
図6に示すように、本実施形態では、互いに隣接する防滴カバー8、8間の隙間10を塞ぐべく、板材を略L字形に折曲した塞ぎ部材9を防滴カバー8の内側に接するように設けている。このような構成によれば、防滴カバー8、8間の隙間10から防滴カバー8内部に水が侵入するのを防ぐことができるため、スカートガード照明装置7に水が付着するのをより確実に防ぐことができる。
【0027】
また、塞ぎ部材9を設ける代わりに、隣接する防滴カバー8、8の端部同士をオーバーラップせるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0028】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図8は第3の実施形態の要部拡大図である。
【0029】
本実施形態では、防滴カバー8の上壁8aの先端部を目地部材6に接続する代わりに、上壁8aの先端部が目地部材6に近接すると共に下向きに略直角に折曲されている。上壁8aの上面に付着した水は進行方向と平行に流れるが、一部は目地部材6に向かって流れ、上壁8aの先端部と目地部材6の間の隙間11に流れ込む。
【0030】
この隙間11に流れ込んだ水は、上壁8aの先端部が下向きに略直角に折曲されているので、垂直下方に向かって導かれる。したがって、この水が照明装置7の光源部7aに近づくことはなく、目地部材6の側面とスカートガードパネル5の外側に沿って下方に流れることになる。よって、光源部7aに水が付着するのを防ぐことができる。
【0031】
なお、図9(a)に示すように、上壁8aを目地部材6に向かって上方に傾斜させることで、上壁8aの上面に付着した水を主としてステップ進行方向と平行な方向に流すようにしてもよい。また、図9(b)に示すように、上壁8aを目地部材6に向かって下方に傾斜させることで、上壁8aの上面に付着した水を積極的に目地部材6に向けて導くようにしてもよい。
【0032】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図10は第4の実施形態の要部拡大図である。
【0033】
本実施形態では、防滴カバー8の上壁8aの先端部が目地部材6に近接すると共に上向きに略直角に折曲されている。
【0034】
この場合、上壁8aの上面に付着した水は、上壁8aの先端部と目地部材6の間の隙間11に流れ込むことはなく、上壁8aの上面に沿ってステップ進行方向と平行に流れることになる。
【0035】
したがって、この場合も、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8内部に流れ込むのを防ぐことができ、スカートガード照明装置7の防水性の向上を図ることができる。
【0036】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図11は第5の実施形態の要部拡大図である。
【0037】
本実施形態では、上壁8aの先端部の厚みと目地部材6の第3の挿入溝6cの溝幅とをほぼ等しくして、第3の挿入溝6cの両側面と上壁8aの先端部との間に隙間が生じないようにしている。この場合、上壁8aの上面に付着した水は上壁8aの上面に沿って下方に流れることになる。
【0038】
したがって、この場合も、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8内部に流れ込むのを防ぐことができ、スカートガード照明装置7の防水性の向上を図ることができる。
【0039】
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態の側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB部拡大図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図4のC方向矢視図。
【図6】第2の実施形態の防滴カバーの上部の内側から見た側面断面図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】第3の実施形態の要部拡大図。
【図9】第3の実施形態の変形例の要部拡大図。
【図10】第4の実施形態の要部拡大図。
【図11】第5の実施形態の要部拡大図。
【図12】従来例の要部縦断面図。
【図13】図12のE部拡大図
【図14】図12の防滴カバーの上部の内側から見た側面図。
【符号の説明】
【0041】
1 欄干パネル
4 内レッジ
5 スカートガードパネル
6 目地部材
6d 貫通孔
7 スカートガード照明装置
7a 光源
8 防滴カバー
9 塞ぎ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、スカートガード照明装置の防水性の向上を図った乗客コンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置を備えたエスカレータや動く歩道を屋外に設置する場合、ランプやソケット等の光源部に水滴(雨滴)が付着しないようにする必要がある。
【0003】
そこで、従来から、ランプやソケットの上部にカバーを設置する等の対策がとられてきた。以下、その従来例を図12乃至図14に基づいて説明する。図12は従来例(エスカレータ)の要部縦断面図、図13は図12のE部拡大図、図14は図12の防滴カバーの上部の内側から見た側面図である。
【0004】
図12において、欄干パネル101の内側には、内側に向かって下方に傾斜した内レッジ102が設けられ、その下方にはスカートガードパネル103が設けられている。このスカートガードパネル103の上部と内レッジ102の下部との間には目地部材104が設けられている。
【0005】
この目地部材104はアルミニウム等により形成され、図13に示すように、内レッジ102の下端部が挿入される第1の挿入溝104aと、スカートガードパネル103の上端部が挿入される第2の挿入溝104bとを有している。
【0006】
スカートガード照明装置105は、スカートガードパネル103の外側で且つ内レッジ102の下方となる位置に設けられ、防滴カバー106により、ランプやソケット等の光源部105aに雨水等の水滴が付着するのを防止している。
【0007】
防滴カバー106は、光源部105aをスカートガードパネル103との間に囲うように縦断面略コの字形に形成されている。この防滴カバー106はステップの移動方向に沿って複数個配列されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の防滴カバー106は、その上壁106a全体が平坦であると共に、その先端部が目地部材104に接続されておらず、目地部材104との間に隙間107が生じているため、上壁106aの上面に付着した水滴が隙間107に向かって流れると、この隙間107からスカートガード照明装置105内部に侵入し、光源部105aに付着する恐れが有った。
【0009】
また、図14に示すように、従来は、互いに隣接する防滴カバー106の端部同士が突き合わされていて、これらの間に隙間108が生じている。エスカレータは、通常、30乃至35°程度傾斜しており、防滴カバー106の上壁106aの上面に付着した水滴は下階方向へ流れようとする。したがって、防滴カバー106間の継目の隙間108から防滴カバー106内部に水が侵入する恐れが有った。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スカートガード照明装置の防水性の向上を図った乗客コンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に接続された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る第2の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に前記上壁の上面に付着した水を前記光源部に近づかない方向に導くように下向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る第3の乗客コンベヤは、循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に上向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、防滴カバーの上壁の上面に付着した水が防滴カバー内部に侵入するのを防止することができるため、スカートガード照明装置の防水性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態の側面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB部拡大図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4のC方向矢視図である。
【0016】
図1において、1は欄干パネルで、循環移動するステップ列(図示せず)の両側において、一方の乗降口から他方の乗降口にわたってステップの移動方向に沿って複数枚立設されている。
【0017】
図2に示すように、この欄干パネル1の上端には手摺りデッキ2が取り付けられ、この手摺デッキ2には、ステップ列と同期して循環移動する手摺ベルト3(図1参照)が摺動自在に支持されている。
【0018】
欄干パネル1の内側には、内側に向かって下方に傾斜した内レッジ4が設けられ、その下方にはスカートガードパネル5が設けられている。このスカートガードパネル5の上部と内レッジ4の下部との間には目地部材6が設けられている。
【0019】
この目地部材6はアルミニウム等により形成され、図3乃至図5に示すように、内レッジ4の下端部が挿入される第1の挿入溝6aと、スカートガードパネル5の上端が挿入される第2の挿入溝6bと、後述する防滴カバー8の上壁8aの先端部が挿入される第3の挿入溝6cと、この第3の挿入溝6cの底部からスカートガードパネル5の外側面に向けて斜め下方に延びる貫通孔6dとを有している。
【0020】
スカートガードパネル5の外側で且つ内レッジ4の下方となる位置には、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置7が設けられている。8はスカートガード照明装置のランプやソケット等の光源部7aに雨水等の水滴が付着するのを防止する防滴カバーで、光源部7aをスカートガードパネル5との間に囲うように縦断面略コの字形に形成されている。この防滴カバー8は、ステップの移動方向に沿って複数個配列されている。
【0021】
防滴カバー8の上壁8aの先端部は下向きに略直角に折曲され、目地部材6の第3の挿入溝6cに挿入されている。このようにすることで、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8に向かって流れても、防滴カバー8内部に侵入することがなく、光源部7aに水が付着することがない。なお、上壁8aの先端部と第3の挿入溝6cの一方の側面との間にはステップの進行方向に延びる隙間が生じている。
【0022】
また、上壁8aは第3の挿入溝6cに向かって若干斜め下方に傾斜しており、その上面に付着した水滴が第3の挿入溝6cに流れ込むようにしている。そして、第3の挿入溝6cに流れ込んだ水は貫通孔6dを介してスカートガードパネル5側に導かれ、その外側を下方に流れる。このように、水を光源部7aに近づかないように排出することで、光源部7aに水が付着しないようにしている。
【0023】
また、この貫通孔6dは、防滴カバー8の内部と外部を連通する通気孔を兼ねており、スカートガード照明装置7に結露による水滴が付着するのを防止するという機能も有している。
【0024】
なお、本実施形態では、防滴カバー8の内面がスカートガード照明装置7の光を反射する反射板を兼ねており、このようにすることで、乗客の足元をより明るく照明することができるようになるため、安全性が向上する。また、スカートガード照明装置7の消費電力を低減することもできる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図6は第2の実施形態の防滴カバーの上部の内側から見た側面断面図、図7は図6のD−D線断面図である。なお、以下の各実施形態において、第1の実施形態と同一又は類似の部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。
【0026】
図6に示すように、本実施形態では、互いに隣接する防滴カバー8、8間の隙間10を塞ぐべく、板材を略L字形に折曲した塞ぎ部材9を防滴カバー8の内側に接するように設けている。このような構成によれば、防滴カバー8、8間の隙間10から防滴カバー8内部に水が侵入するのを防ぐことができるため、スカートガード照明装置7に水が付着するのをより確実に防ぐことができる。
【0027】
また、塞ぎ部材9を設ける代わりに、隣接する防滴カバー8、8の端部同士をオーバーラップせるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0028】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図8は第3の実施形態の要部拡大図である。
【0029】
本実施形態では、防滴カバー8の上壁8aの先端部を目地部材6に接続する代わりに、上壁8aの先端部が目地部材6に近接すると共に下向きに略直角に折曲されている。上壁8aの上面に付着した水は進行方向と平行に流れるが、一部は目地部材6に向かって流れ、上壁8aの先端部と目地部材6の間の隙間11に流れ込む。
【0030】
この隙間11に流れ込んだ水は、上壁8aの先端部が下向きに略直角に折曲されているので、垂直下方に向かって導かれる。したがって、この水が照明装置7の光源部7aに近づくことはなく、目地部材6の側面とスカートガードパネル5の外側に沿って下方に流れることになる。よって、光源部7aに水が付着するのを防ぐことができる。
【0031】
なお、図9(a)に示すように、上壁8aを目地部材6に向かって上方に傾斜させることで、上壁8aの上面に付着した水を主としてステップ進行方向と平行な方向に流すようにしてもよい。また、図9(b)に示すように、上壁8aを目地部材6に向かって下方に傾斜させることで、上壁8aの上面に付着した水を積極的に目地部材6に向けて導くようにしてもよい。
【0032】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図10は第4の実施形態の要部拡大図である。
【0033】
本実施形態では、防滴カバー8の上壁8aの先端部が目地部材6に近接すると共に上向きに略直角に折曲されている。
【0034】
この場合、上壁8aの上面に付着した水は、上壁8aの先端部と目地部材6の間の隙間11に流れ込むことはなく、上壁8aの上面に沿ってステップ進行方向と平行に流れることになる。
【0035】
したがって、この場合も、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8内部に流れ込むのを防ぐことができ、スカートガード照明装置7の防水性の向上を図ることができる。
【0036】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図11は第5の実施形態の要部拡大図である。
【0037】
本実施形態では、上壁8aの先端部の厚みと目地部材6の第3の挿入溝6cの溝幅とをほぼ等しくして、第3の挿入溝6cの両側面と上壁8aの先端部との間に隙間が生じないようにしている。この場合、上壁8aの上面に付着した水は上壁8aの上面に沿って下方に流れることになる。
【0038】
したがって、この場合も、上壁8aの上面に付着した水が防滴カバー8内部に流れ込むのを防ぐことができ、スカートガード照明装置7の防水性の向上を図ることができる。
【0039】
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態の側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB部拡大図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図4のC方向矢視図。
【図6】第2の実施形態の防滴カバーの上部の内側から見た側面断面図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】第3の実施形態の要部拡大図。
【図9】第3の実施形態の変形例の要部拡大図。
【図10】第4の実施形態の要部拡大図。
【図11】第5の実施形態の要部拡大図。
【図12】従来例の要部縦断面図。
【図13】図12のE部拡大図
【図14】図12の防滴カバーの上部の内側から見た側面図。
【符号の説明】
【0041】
1 欄干パネル
4 内レッジ
5 スカートガードパネル
6 目地部材
6d 貫通孔
7 スカートガード照明装置
7a 光源
8 防滴カバー
9 塞ぎ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に接続された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項2】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に前記上壁の上面に付着した水を前記光源部に付着しない方向に導くように下向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項3】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に上向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項4】
前記防滴カバーが、前記光源の光を反射させる部材を兼ねることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項5】
複数個の前記防滴カバーが前記ステップの移動方向に沿って配列されると共に互いに隣接する前記防滴カバーの端部同士をオーバーラップさせたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項6】
複数個の前記防滴カバーが前記ステップの移動方向に沿って配列されると共に互いに隣接する前記防滴カバー間の隙間を塞ぐ塞ぎ部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項7】
前記上壁の先端部が下向きに折曲され、前記目地部材には前記先端部を挿入する溝が設けられると共にこの溝は前記前記先端部が挿入された状態において前記ステップの移動方向に延びる隙間が生じるように形成され、前記防滴カバーの上壁は、その上面に付着した水が前記隙間に流れ込むように前記目地部材に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤ。
【請求項8】
前記溝に流れ込む水を前記光源部に付着しない方向に導く貫通孔が前記目地部材に設けられたことを特徴とする請求項7記載の乗客コンベヤ。
【請求項9】
前記貫通孔は、前記防滴カバーの内部と外部を連通する通気孔を兼ねることを特徴とする請求項8記載の乗客コンベヤ。
【請求項1】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に接続された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項2】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に前記上壁の上面に付着した水を前記光源部に付着しない方向に導くように下向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項3】
循環移動するステップ列の両側において一方の乗降口から他方の乗降口にわたって立設された欄干パネルと、この欄干パネルの内側に設けられた内レッジと、この内レッジの下方に設けられたスカートガードパネルと、このスカートガードパネルの上部と前記内レッジの下部との間に設けられた目地部材と、前記スカートガードパネルの外側で且つ前記内レッジの下方に位置するように設けられ、搬送中の乗客の足元を照らすスカートガード照明装置と、このスカートガード照明装置の光源部を前記スカートガードパネルとの間に囲うように縦断面略コの字形に形成され、上壁の先端部が前記目地部材に近接すると共に上向きに折曲された防滴カバーと、を備えたことを特徴とする乗客コンベヤ。
【請求項4】
前記防滴カバーが、前記光源の光を反射させる部材を兼ねることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項5】
複数個の前記防滴カバーが前記ステップの移動方向に沿って配列されると共に互いに隣接する前記防滴カバーの端部同士をオーバーラップさせたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項6】
複数個の前記防滴カバーが前記ステップの移動方向に沿って配列されると共に互いに隣接する前記防滴カバー間の隙間を塞ぐ塞ぎ部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の乗客コンベヤ。
【請求項7】
前記上壁の先端部が下向きに折曲され、前記目地部材には前記先端部を挿入する溝が設けられると共にこの溝は前記前記先端部が挿入された状態において前記ステップの移動方向に延びる隙間が生じるように形成され、前記防滴カバーの上壁は、その上面に付着した水が前記隙間に流れ込むように前記目地部材に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤ。
【請求項8】
前記溝に流れ込む水を前記光源部に付着しない方向に導く貫通孔が前記目地部材に設けられたことを特徴とする請求項7記載の乗客コンベヤ。
【請求項9】
前記貫通孔は、前記防滴カバーの内部と外部を連通する通気孔を兼ねることを特徴とする請求項8記載の乗客コンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−119227(P2007−119227A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316850(P2005−316850)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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