乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置
【課題】 簡単な構成で背面テーブルの衝撃を吸収でき、かつ耐久性が向上する、乗物用座席の背面テーブル装置を提供する。
【解決手段】 座席1の背面側に配備される背面テーブル2は、座席1に回動可能に軸支されるテーブル支持アーム3を有する。そして、衝撃吸収装置4は、テーブル支持アーム3が起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する。この衝撃吸収装置4は、流体圧ダンパー6と、その流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材7と、その伝達部材7をピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内する案内部8とを備える。一方、テーブル支持アーム3は、伝達部材7の、ピストンロッド6a側とは反対の伝達部材先端7aを、ピストンロッド6a側へと押圧する押圧部3aを有する。
【解決手段】 座席1の背面側に配備される背面テーブル2は、座席1に回動可能に軸支されるテーブル支持アーム3を有する。そして、衝撃吸収装置4は、テーブル支持アーム3が起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する。この衝撃吸収装置4は、流体圧ダンパー6と、その流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材7と、その伝達部材7をピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内する案内部8とを備える。一方、テーブル支持アーム3は、伝達部材7の、ピストンロッド6a側とは反対の伝達部材先端7aを、ピストンロッド6a側へと押圧する押圧部3aを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗物用座席の背面テーブルを倒したときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置を備えた、背面テーブル装置、および、その衝撃吸収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用座席の背面テーブルにおいて、テーブル支持アームが起立位置から使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収機構が設けられることがあった(例えば、特許文献1参照)。この衝撃吸収機構においては、図11に示されるように、下端部軸支点31で回動可能に軸支されたテーブル支持アーム32に対して、リンク33が、軸ピン34により回動可能に軸支された。そして、リンク33の下端部には、ピン35が設けられ、このピン35が、案内部材36の長孔37内をスライドおよび回動可能に支持された。そこで、リンク33の下方には、ゴム製の緩衝受座38が配置され、テーブル支持アーム32が使用位置に倒れたときには、この緩衝受座38がリンク33の下端を受け止めた。また、案内部材36には、板ばね39が取り付けられ、この板ばね39がリンク33の側面に接することで、リンク33に制動をかけた。
【0003】
【特許文献1】実開昭58−188338
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の衝撃吸収機構にあっては、リンク33や案内部材36、そして緩衝受座38や板ばね39を要して、構成が複雑となっていた。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で背面テーブルの衝撃を吸収でき、かつ耐久性が向上する、乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、乗物用座席の背面側に配備されて、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームを有する、背面テーブルと、前記乗物用座席に配備されて前記テーブル支持アームが起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置とを、備える。ここで、前記衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材とは、ピストンロッドの先端部に、伝達部材がはじめから当接している場合の他に、伝達部材がスライドしたときにはじめて当接する場合を含むものである。また、前記テーブル支持アームは、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端を、前記ピストンロッド側へと押圧する押圧部を有する。そこで、前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材先端が、前記押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させる。
【0007】
この背面テーブル装置によると、テーブル支持アームが倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパーが用いられるが、この流体圧ダンパーのピストンロッドの先端部側には、伝達部材が設けられて、テーブル支持アームの運動は、この伝達部材を介してピストンロッドに伝えられる。ここにおいて、テーブル支持アームが回動運動するのに対し、伝達部材は、案内部によって、ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アームの押圧部がピストンロッドを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材によって、ピストンロッドは、その可動方向に押される。このため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1に記載の背面テーブル装置において、前記衝撃吸収装置は、前記乗物用座席に固定される支持体を備える。そして、前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備える。このように、取付部と案内部とを備える支持体を設けることで、流体圧ダンパーにおけるピストンロッドの可動方向と、案内部によって案内される伝達部材のスライド方向とを、正確に合わせることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項2に記載の背面テーブル装置において、前記支持体には、前記流体圧ダンパーの外筒が挿入されるダンパー挿入孔と、棒状部材からなる前記伝達部材が挿入される伝達部材挿入孔とが、それらの孔の軸心が一直線となるように並んで明けられていて、前記伝達部材挿入孔が、前記案内部となっている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項2または3に記載の背面テーブル装置において、前記支持体には、前記伝達部材を、前記ピストンロッド側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部が設けられる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の背面テーブル装置において、前記伝達部材には、前記ピストンロッドの先端部が挿入される穴が設けられる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の背面テーブル装置において、前記テーブル支持アームは、前記起立位置から前記使用位置に達したときに前記乗物用座席のフレームに突き当たる当接部を有して、その当接部が前記乗物用座席のフレームに突き当たることで、前記テーブル支持アームは、それ以上の回動が制止される。このように、使用位置において、テーブル支持アームの当接部が乗物用座席のフレームに突き当たって回動が制止されるため、伝達部材とか流体圧ダンパーに過剰な荷重がかかることがない。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、乗物用座席の背面側に配備される背面テーブルの、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームが、起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する、衝撃吸収装置である。この衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材とは、ピストンロッドの先端部に、伝達部材がはじめから当接している場合の他に、伝達部材がスライドしたときにはじめて当接する場合を含むものである。そこで、前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端が、前記テーブル支持アームの押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させる。
【0014】
この衝撃吸収装置によると、テーブル支持アームが倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパーが用いられるが、この流体圧ダンパーのピストンロッドの先端部側には、伝達部材が設けられて、テーブル支持アームの運動は、この伝達部材を介してピストンロッドに伝えられる。ここにおいて、テーブル支持アームが回動運動するのに対し、伝達部材は、案内部によって、ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アームの押圧部がピストンロッドを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材によって、ピストンロッドは、その可動方向に押される。このため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止される。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、請求項7に記載の衝撃吸収装置において、前記乗物用座席に固定される支持体を備える。そして、前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備える。このように、取付部と案内部とを備える支持体を設けることで、流体圧ダンパーにおけるピストンロッドの可動方向と、案内部によって案内される伝達部材のスライド方向とを、正確に合わせることができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置によれば、流体圧ダンパーと伝達部材という簡単な構成で背面テーブルの衝撃を吸収できる。そして、伝達部材により、流体圧ダンパーのピストンロッドがその可動方向に押されるため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止され、このため、流体圧ダンパーの寿命が延びて、この衝撃吸収装置とか背面テーブル装置の耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図10は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、乗物用座席、例えば、鉄道車両とか、バス、船舶、航空機とか、その他の乗物に用いられる座席である。2は、前記座席1の背面側に配備される背面テーブルであって、前記座席1に回動可能に軸支されるテーブル支持アーム3を有する。4は、前記座席1に、詳しくは前記座席1の下部側に配備される衝撃吸収装置であって、前記テーブル支持アーム3が起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する吸収装置である。5は、乗物用座席の背面テーブル装置であって、前記背面テーブル2と前記衝撃吸収装置4とを備える。なお、図1においては、前記起立位置における背面テーブル2を実線で示し、前記使用位置における背面テーブル2を二点鎖線で示す。また、図5〜図7は、テーブル支持アーム3(背面テーブル2)が起立位置の状態を示し、図8〜図10は、使用位置の状態を示す。
【0019】
ここで、衝撃吸収装置4は、ピストンロッド6aを有する流体圧ダンパー6と、ピストンロッド6aの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材7と、その伝達部材7をピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内する案内部8とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材7とは、ピストンロッド6aの先端部に、伝達部材7がはじめから当接している場合の他に、伝達部材7がスライドしたときにはじめて当接する場合を含む。一方、テーブル支持アーム3は、伝達部材7の、ピストンロッド6a側とは反対の伝達部材先端7aを、ピストンロッド6a側へと押圧する押圧部3aを有する。そこで、テーブル支持アーム3が前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間(図示実施の形態においては、前記起立位置から前記使用位置に倒れる途中位置から前記使用位置に達するまでの間)、伝達部材先端7aが、前記押圧部3aによってピストンロッド6a側へと押されることで、伝達部材7は、前記スライド方向S1にスライドし、そのスライドする伝達部材7が、ピストンロッド6aを押してそのピストンロッド6aを前記可動方向K1に移動させる。
【0020】
詳細には、衝撃吸収装置4は、流体圧ダンパー6と伝達部材7の他に、座席1に固定される支持体9を備える。そこで、この支持体9が、前記案内部8を備え、さらに、支持体9は、流体圧ダンパー6が取付け固定される取付部9aを備える。また、この支持体9には、伝達部材7を、ピストンロッド6a側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部9bが設けられる。
【0021】
具体的には、座席1は、図1に示すように、座部1aと背当て1b(図5〜図10において、上張りを外した状態で示す)と肘掛け1cと脚部1dとを備える。この座席1のフレーム1eは、図5および図8に示すように、座部1aの骨組となる座部フレーム1fと、背当て1bの骨組となる背当てフレーム1gとからなる。座部フレーム1fは、前部フレーム1hと、後部フレーム1iと、左右各端のサイドフレーム1j(図5、図8では省略)とが枠状に組まれ、さらに、両サイドフレーム1j、1j間にて、中間板1k、1kが、前部フレーム1hと後部フレーム1iとを連結するように固定されている。
【0022】
そして、この座席1の背面側(詳細には、背当て1bの背面側)に、後方座席に座る人用に前記背面テーブル2が配備される。
【0023】
背面テーブル2は、左右一対の前記テーブル支持アーム3、3と、そのテーブル支持アーム3、3の上端部で支持されるテーブル本体2aとを有する。そして、テーブル支持アーム3は、その下端部において、軸部材10により、座席1の下部に回動可能に軸支される。ここにおいて、軸部材10は、座席1のフレーム1e(詳細には、前記座部フレーム1fであって、より詳細には、前記後部フレーム1iに設けられたブラケット1m)によって支持され、こうして、テーブル支持アーム3は、座席1のフレーム1e、特に座部フレーム1fに回動可能に軸支されることとなる。なお、前記ブラケット1mは、一対のテーブル支持アーム3、3に合わせて、座席1の左右各側に設けられるが、このブラケット1mは、図6、図7、および、図9、図10では、省略してあり、また、図5および図8では、一方が省略してある。
【0024】
このテーブル支持アーム3は、縦に延びる本体部3bと、その本体部3bの下端から横に延びる基部3cとが一体に形成されている。そして、基部3cの先端上部に、前記軸部材10が設けられ、先端下部が、衝撃吸収装置4における伝達部材7(詳細には、伝達部材先端7a)を押圧する前記押圧部3aとなる。
【0025】
また、テーブル支持アーム3は、前記起立位置から前記使用位置に達したときに座席1のフレーム1e(詳細には、前記座部フレーム1fであって、より詳細には、前記後部フレーム1i)に突き当たる当接部3dを有して、その当接部3dが座席1のフレーム1e(後部フレーム1i)に突き当たることで、このテーブル支持アーム3は、それ以上の回動が制止される。図示実施の形態においては、当接部3dは、テーブル支持アーム3における基部3cの下端に設けられている。この当接部3dは、前記使用位置でのテーブル支持アーム3の傾き、つまり背面テーブル2の傾きを調整できるように、高さ調整可能な調整ボルトからなる。
【0026】
衝撃吸収装置4においては、前記流体圧ダンパー6は、例えば油圧ダンパーからなり、外筒6bと、その外筒6b内に基端側が進入する前記ピストンロッド6aとを備える。そして、外筒6bの外周には、雄ねじ6cが設けられており、その雄ねじ6cには、取付けのための後述の調整ナット9e、9eが螺合する。また、図示実施の形態においては、ピストンロッド6aは、ロッド本体6eと、そのロッド本体6eの先端に固定された、ロッド本体6eよりも径大な、ピストンロッド6aの先端部としての頭部6fとからなる。
【0027】
前記伝達部材7は、例えば合成樹脂製であって、段付き柱状に形成された棒状部材からなる。すなわち、伝達部材7は、先端側の径小に形成された第1柱部7bと、基端側の径大に形成された第2柱部7cとからなり、それら第1柱部7bと第2柱部7cとの間が、段部7dとなっている。そして、伝達部材7には、ピストンロッド6aの頭部6f(つまり、ピストンロッド6aの先端部)が挿入されることで、その頭部6fに当接するように係合する有底の穴7fが設けられる。詳細には、この穴7fは、第2柱部7cに、その第2柱部7cと同心となるように明けられている。
【0028】
前記支持体9は、第1支持部材11と第2支持部材12とからなる。第1支持部材11は、ブロック状であって、流体圧ダンパー6の外筒が、詳しくは流体圧ダンパー6における外筒6bの先端部分が挿入される、ダンパー挿入孔としての外筒挿入孔11aと、伝達部材7が挿入される伝達部材挿入孔11bとが、それらの孔11a、11bの軸心が一直線となるように並んで明けられている。そして、伝達部材挿入孔11bにおいては、伝達部材7の第1柱部7bが挿入される径小な第1挿入孔11cと、第2柱部7cが挿入される径大な第2挿入孔11dとからなる。そこで、これら第1挿入孔11cと第2挿入孔11dとが、つまり伝達部材挿入孔11bが、伝達部材7を前記スライド方向S1に案内する案内部8となり、また、第1柱部7bの先端側が、第1挿入孔11cから突出して、その先端である伝達部材先端7aが、テーブル支持アーム3の押圧部3aによって押圧される。そして、これら第1挿入孔11cと第2挿入孔11dとの間の段部は、伝達部材7における段部7dと対向して、その伝達部材7を抜け止めする前記抜止め部9bとなる。また、第1支持部材11には、伝達部材7の、流体圧ダンパー6側の端面や、ピストンロッド6aを確認するための、切欠き凹部からなる確認窓11eが設けられている。この確認窓11eは、伝達部材挿入孔11bにおける外筒挿入孔11aに近い側と外部とを連通するように明けられる。さらに、第1支持部材11は、確認窓11eとは反対側に延設された連結部11fを有し、この連結部11fに、上下に貫通する第1孔11gが明けられる。
【0029】
第2支持部材12は、板材を折り曲げて形成されており、第1支持部材11における連結部11fの側面に当接する第1片12aと、連結部11fの下面に当接するよう第1片12aから直角に折れ曲がった第2片12bと、外筒挿入孔11aの軸心に直交するよう第1片12aから直角に折れ曲がった第3片12cとからなる。そして、第2片12bには、第1支持部材11における第1孔11gと連通するように第2孔12dが明けられ、さらに、第3片12cには、流体圧ダンパー6における外筒6bの雄ねじ6cが挿通する通孔12eが明けられる。そこで、第1支持部材11の第1孔11gと第2支持部材12の第2孔12dとを貫通する連結ボルト9cが、ナット9dにねじ込まれて、これら第1支持部材11と第2支持部材12とが連結される。また、第3片12cの通孔12eを挿通する雄ねじ6cには、第3片12cを挟む両側に調整ナット9eが螺合する。そして、この調整ナット9eによって、第2支持部材12に対する(つまりは、支持体9に対する)、流体圧ダンパー6の軸方向位置が調整され、かつ、この流体圧ダンパー6(詳細には、外筒6b)は、第3片12cに取付け固定される。すなわち、この第3片12cが、前記取付部9aとなり、この取付部9a部分で、流体圧ダンパー6(詳細には、外筒6b)は、支持体9に固定される。
【0030】
そして、この衝撃吸収装置4は、前記連結ボルト9cおよびナット9dを用いて、座席1のフレーム1e(詳細には、座部フレーム1fにおけるサイドフレーム1j)に固定される。すなわち、前記連結ボルト9cおよびナット9dは、第1支持部材11と第2支持部材12とを連結する連結具であり、また、衝撃吸収装置4を座席1に固定する固定具でもある。衝撃吸収装置4をサイドフレーム1jに固定するにあたっては、第1支持部材11における連結部11fと連結ボルト9cの頭部で、サイドフレーム1jの側板部1nから折れ曲がった天板部1pを挟み込むことで、この衝撃吸収装置4は、サイドフレーム1j、つまりは座部フレーム1fに固定される。
【0031】
次に、以上の構成からなる衝撃吸収装置4を備えた背面テーブル装置5の作用効果について説明する。この背面テーブル装置5によると、テーブル支持アーム3が倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパー6が用いられる。そして、この流体圧ダンパー6のピストンロッド6aの先端部側には、伝達部材7が設けられて、テーブル支持アーム3の運動は、この伝達部材7を介してピストンロッド6aに伝えられる。こうして、この背面テーブル装置5は、流体圧ダンパー6と伝達部材7という簡単な構成で背面テーブル2の衝撃を吸収することができる。ここにおいて、テーブル支持アーム3が回動運動するのに対し、伝達部材7は、案内部8によって、ピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アーム3の押圧部3aがピストンロッド6aを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材7によって、ピストンロッド6aは、その可動方向K1に押される。このため、ピストンロッド6aに曲げ荷重がかかることが防止される。これにより、流体圧ダンパー6の寿命が延びて、この衝撃吸収装置4とか背面テーブル装置5の耐久性が向上する。
【0032】
また、衝撃吸収装置4において、流体圧ダンパー6が取付け固定される取付部9aと、伝達部材7を案内する案内部8とを備える、支持体9を設けることで、流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aの可動方向K1と、案内部8によって案内される伝達部材7のスライド方向S1とを、正確に合わせることができる。
【0033】
また、前記使用位置において、テーブル支持アーム3の当接部3dが座席1のフレーム1e(詳細には、座部フレーム1fにおける後部フレーム1i)に突き当たって回動が制止されるため、伝達部材7とか流体圧ダンパー6とか支持体9に過剰な荷重がかかることがない。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、衝撃吸収装置4は、座席1における、座部フレーム1fのサイドフレーム1jに固定されているが、センターフレームとか、その他の部位に固定されてもよい。
【0035】
また、衝撃吸収装置4は、座席1に固定される支持体9を備えて、この支持体9により、流体圧ダンパー6と伝達部材7とが支持されるが、これら流体圧ダンパー6と伝達部材7とを別々に、座席1に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、衝撃吸収装置4は、一対あるテーブル支持アーム3、3のうちの、一方のテーブル支持アーム3に対して設けられているが、両方のテーブル支持アーム3、3に対して設けられてもよい。
【0037】
また、流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aは、ロッド本体6eよりも径大な頭部6fを備えているが、この頭部6fは無くともよい。この場合、ロッド本体6eの先端部が、ピストンロッド6aの先端部を構成することとなる。また、伝達部材7には、穴7fが設けられているが、この穴7fは、無くともよい。
【0038】
また、衝撃吸収装置4における伝達部材7は、起立位置から使用位置に倒れる途中位置から使用位置に達するまでの間、テーブル支持アーム3の押圧部3aによって押されるが、起立位置から使用位置までの間、押圧部3aによって押されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施の形態の、座席の概略側面図である。
【図2】衝撃吸収装置の斜視図である。
【図3】同じく、平面図である。
【図4】図3における、A矢視図である。
【図5】起立位置に位置する背面テーブルと、座部フレームと背当てとを示す、斜視図である。
【図6】同じく、側面図である。
【図7】図6における要部拡大図である。
【図8】使用位置に位置する背面テーブルと、座部フレームと背当てとを示す、斜視図である。
【図9】同じく、側面図である。
【図10】図9における要部拡大図である。
【図11】従来の背面テーブルにおける衝撃吸収機構を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 座席(乗物用座席)
1e フレーム
2 背面テーブル
3 テーブル支持アーム
3a 押圧部
3d 当接部
4 衝撃吸収装置
5 背面テーブル装置
6 流体圧ダンパー
6a ピストンロッド
6b 外筒
6e ロッド本体
6f 頭部
7 伝達部材
7a 伝達部材先端
8 案内部
9 支持体
9a 取付部
9b 抜止め部
11a 外筒挿入孔(ダンパー挿入孔)
11b 伝達部材挿入孔
K1 可動方向
S1 スライド方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗物用座席の背面テーブルを倒したときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置を備えた、背面テーブル装置、および、その衝撃吸収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用座席の背面テーブルにおいて、テーブル支持アームが起立位置から使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収機構が設けられることがあった(例えば、特許文献1参照)。この衝撃吸収機構においては、図11に示されるように、下端部軸支点31で回動可能に軸支されたテーブル支持アーム32に対して、リンク33が、軸ピン34により回動可能に軸支された。そして、リンク33の下端部には、ピン35が設けられ、このピン35が、案内部材36の長孔37内をスライドおよび回動可能に支持された。そこで、リンク33の下方には、ゴム製の緩衝受座38が配置され、テーブル支持アーム32が使用位置に倒れたときには、この緩衝受座38がリンク33の下端を受け止めた。また、案内部材36には、板ばね39が取り付けられ、この板ばね39がリンク33の側面に接することで、リンク33に制動をかけた。
【0003】
【特許文献1】実開昭58−188338
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の衝撃吸収機構にあっては、リンク33や案内部材36、そして緩衝受座38や板ばね39を要して、構成が複雑となっていた。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で背面テーブルの衝撃を吸収でき、かつ耐久性が向上する、乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、乗物用座席の背面側に配備されて、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームを有する、背面テーブルと、前記乗物用座席に配備されて前記テーブル支持アームが起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置とを、備える。ここで、前記衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材とは、ピストンロッドの先端部に、伝達部材がはじめから当接している場合の他に、伝達部材がスライドしたときにはじめて当接する場合を含むものである。また、前記テーブル支持アームは、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端を、前記ピストンロッド側へと押圧する押圧部を有する。そこで、前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材先端が、前記押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させる。
【0007】
この背面テーブル装置によると、テーブル支持アームが倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパーが用いられるが、この流体圧ダンパーのピストンロッドの先端部側には、伝達部材が設けられて、テーブル支持アームの運動は、この伝達部材を介してピストンロッドに伝えられる。ここにおいて、テーブル支持アームが回動運動するのに対し、伝達部材は、案内部によって、ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アームの押圧部がピストンロッドを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材によって、ピストンロッドは、その可動方向に押される。このため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1に記載の背面テーブル装置において、前記衝撃吸収装置は、前記乗物用座席に固定される支持体を備える。そして、前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備える。このように、取付部と案内部とを備える支持体を設けることで、流体圧ダンパーにおけるピストンロッドの可動方向と、案内部によって案内される伝達部材のスライド方向とを、正確に合わせることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項2に記載の背面テーブル装置において、前記支持体には、前記流体圧ダンパーの外筒が挿入されるダンパー挿入孔と、棒状部材からなる前記伝達部材が挿入される伝達部材挿入孔とが、それらの孔の軸心が一直線となるように並んで明けられていて、前記伝達部材挿入孔が、前記案内部となっている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項2または3に記載の背面テーブル装置において、前記支持体には、前記伝達部材を、前記ピストンロッド側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部が設けられる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の背面テーブル装置において、前記伝達部材には、前記ピストンロッドの先端部が挿入される穴が設けられる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の背面テーブル装置において、前記テーブル支持アームは、前記起立位置から前記使用位置に達したときに前記乗物用座席のフレームに突き当たる当接部を有して、その当接部が前記乗物用座席のフレームに突き当たることで、前記テーブル支持アームは、それ以上の回動が制止される。このように、使用位置において、テーブル支持アームの当接部が乗物用座席のフレームに突き当たって回動が制止されるため、伝達部材とか流体圧ダンパーに過剰な荷重がかかることがない。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、乗物用座席の背面側に配備される背面テーブルの、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームが、起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する、衝撃吸収装置である。この衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材とは、ピストンロッドの先端部に、伝達部材がはじめから当接している場合の他に、伝達部材がスライドしたときにはじめて当接する場合を含むものである。そこで、前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端が、前記テーブル支持アームの押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させる。
【0014】
この衝撃吸収装置によると、テーブル支持アームが倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパーが用いられるが、この流体圧ダンパーのピストンロッドの先端部側には、伝達部材が設けられて、テーブル支持アームの運動は、この伝達部材を介してピストンロッドに伝えられる。ここにおいて、テーブル支持アームが回動運動するのに対し、伝達部材は、案内部によって、ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アームの押圧部がピストンロッドを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材によって、ピストンロッドは、その可動方向に押される。このため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止される。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置は、請求項7に記載の衝撃吸収装置において、前記乗物用座席に固定される支持体を備える。そして、前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備える。このように、取付部と案内部とを備える支持体を設けることで、流体圧ダンパーにおけるピストンロッドの可動方向と、案内部によって案内される伝達部材のスライド方向とを、正確に合わせることができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置によれば、流体圧ダンパーと伝達部材という簡単な構成で背面テーブルの衝撃を吸収できる。そして、伝達部材により、流体圧ダンパーのピストンロッドがその可動方向に押されるため、ピストンロッドに曲げ荷重がかかることが防止され、このため、流体圧ダンパーの寿命が延びて、この衝撃吸収装置とか背面テーブル装置の耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明に係る乗物用座席の背面テーブル装置、および、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図10は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、乗物用座席、例えば、鉄道車両とか、バス、船舶、航空機とか、その他の乗物に用いられる座席である。2は、前記座席1の背面側に配備される背面テーブルであって、前記座席1に回動可能に軸支されるテーブル支持アーム3を有する。4は、前記座席1に、詳しくは前記座席1の下部側に配備される衝撃吸収装置であって、前記テーブル支持アーム3が起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する吸収装置である。5は、乗物用座席の背面テーブル装置であって、前記背面テーブル2と前記衝撃吸収装置4とを備える。なお、図1においては、前記起立位置における背面テーブル2を実線で示し、前記使用位置における背面テーブル2を二点鎖線で示す。また、図5〜図7は、テーブル支持アーム3(背面テーブル2)が起立位置の状態を示し、図8〜図10は、使用位置の状態を示す。
【0019】
ここで、衝撃吸収装置4は、ピストンロッド6aを有する流体圧ダンパー6と、ピストンロッド6aの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材7と、その伝達部材7をピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内する案内部8とを備える。ここにおいて、その先端部に当接する伝達部材7とは、ピストンロッド6aの先端部に、伝達部材7がはじめから当接している場合の他に、伝達部材7がスライドしたときにはじめて当接する場合を含む。一方、テーブル支持アーム3は、伝達部材7の、ピストンロッド6a側とは反対の伝達部材先端7aを、ピストンロッド6a側へと押圧する押圧部3aを有する。そこで、テーブル支持アーム3が前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間(図示実施の形態においては、前記起立位置から前記使用位置に倒れる途中位置から前記使用位置に達するまでの間)、伝達部材先端7aが、前記押圧部3aによってピストンロッド6a側へと押されることで、伝達部材7は、前記スライド方向S1にスライドし、そのスライドする伝達部材7が、ピストンロッド6aを押してそのピストンロッド6aを前記可動方向K1に移動させる。
【0020】
詳細には、衝撃吸収装置4は、流体圧ダンパー6と伝達部材7の他に、座席1に固定される支持体9を備える。そこで、この支持体9が、前記案内部8を備え、さらに、支持体9は、流体圧ダンパー6が取付け固定される取付部9aを備える。また、この支持体9には、伝達部材7を、ピストンロッド6a側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部9bが設けられる。
【0021】
具体的には、座席1は、図1に示すように、座部1aと背当て1b(図5〜図10において、上張りを外した状態で示す)と肘掛け1cと脚部1dとを備える。この座席1のフレーム1eは、図5および図8に示すように、座部1aの骨組となる座部フレーム1fと、背当て1bの骨組となる背当てフレーム1gとからなる。座部フレーム1fは、前部フレーム1hと、後部フレーム1iと、左右各端のサイドフレーム1j(図5、図8では省略)とが枠状に組まれ、さらに、両サイドフレーム1j、1j間にて、中間板1k、1kが、前部フレーム1hと後部フレーム1iとを連結するように固定されている。
【0022】
そして、この座席1の背面側(詳細には、背当て1bの背面側)に、後方座席に座る人用に前記背面テーブル2が配備される。
【0023】
背面テーブル2は、左右一対の前記テーブル支持アーム3、3と、そのテーブル支持アーム3、3の上端部で支持されるテーブル本体2aとを有する。そして、テーブル支持アーム3は、その下端部において、軸部材10により、座席1の下部に回動可能に軸支される。ここにおいて、軸部材10は、座席1のフレーム1e(詳細には、前記座部フレーム1fであって、より詳細には、前記後部フレーム1iに設けられたブラケット1m)によって支持され、こうして、テーブル支持アーム3は、座席1のフレーム1e、特に座部フレーム1fに回動可能に軸支されることとなる。なお、前記ブラケット1mは、一対のテーブル支持アーム3、3に合わせて、座席1の左右各側に設けられるが、このブラケット1mは、図6、図7、および、図9、図10では、省略してあり、また、図5および図8では、一方が省略してある。
【0024】
このテーブル支持アーム3は、縦に延びる本体部3bと、その本体部3bの下端から横に延びる基部3cとが一体に形成されている。そして、基部3cの先端上部に、前記軸部材10が設けられ、先端下部が、衝撃吸収装置4における伝達部材7(詳細には、伝達部材先端7a)を押圧する前記押圧部3aとなる。
【0025】
また、テーブル支持アーム3は、前記起立位置から前記使用位置に達したときに座席1のフレーム1e(詳細には、前記座部フレーム1fであって、より詳細には、前記後部フレーム1i)に突き当たる当接部3dを有して、その当接部3dが座席1のフレーム1e(後部フレーム1i)に突き当たることで、このテーブル支持アーム3は、それ以上の回動が制止される。図示実施の形態においては、当接部3dは、テーブル支持アーム3における基部3cの下端に設けられている。この当接部3dは、前記使用位置でのテーブル支持アーム3の傾き、つまり背面テーブル2の傾きを調整できるように、高さ調整可能な調整ボルトからなる。
【0026】
衝撃吸収装置4においては、前記流体圧ダンパー6は、例えば油圧ダンパーからなり、外筒6bと、その外筒6b内に基端側が進入する前記ピストンロッド6aとを備える。そして、外筒6bの外周には、雄ねじ6cが設けられており、その雄ねじ6cには、取付けのための後述の調整ナット9e、9eが螺合する。また、図示実施の形態においては、ピストンロッド6aは、ロッド本体6eと、そのロッド本体6eの先端に固定された、ロッド本体6eよりも径大な、ピストンロッド6aの先端部としての頭部6fとからなる。
【0027】
前記伝達部材7は、例えば合成樹脂製であって、段付き柱状に形成された棒状部材からなる。すなわち、伝達部材7は、先端側の径小に形成された第1柱部7bと、基端側の径大に形成された第2柱部7cとからなり、それら第1柱部7bと第2柱部7cとの間が、段部7dとなっている。そして、伝達部材7には、ピストンロッド6aの頭部6f(つまり、ピストンロッド6aの先端部)が挿入されることで、その頭部6fに当接するように係合する有底の穴7fが設けられる。詳細には、この穴7fは、第2柱部7cに、その第2柱部7cと同心となるように明けられている。
【0028】
前記支持体9は、第1支持部材11と第2支持部材12とからなる。第1支持部材11は、ブロック状であって、流体圧ダンパー6の外筒が、詳しくは流体圧ダンパー6における外筒6bの先端部分が挿入される、ダンパー挿入孔としての外筒挿入孔11aと、伝達部材7が挿入される伝達部材挿入孔11bとが、それらの孔11a、11bの軸心が一直線となるように並んで明けられている。そして、伝達部材挿入孔11bにおいては、伝達部材7の第1柱部7bが挿入される径小な第1挿入孔11cと、第2柱部7cが挿入される径大な第2挿入孔11dとからなる。そこで、これら第1挿入孔11cと第2挿入孔11dとが、つまり伝達部材挿入孔11bが、伝達部材7を前記スライド方向S1に案内する案内部8となり、また、第1柱部7bの先端側が、第1挿入孔11cから突出して、その先端である伝達部材先端7aが、テーブル支持アーム3の押圧部3aによって押圧される。そして、これら第1挿入孔11cと第2挿入孔11dとの間の段部は、伝達部材7における段部7dと対向して、その伝達部材7を抜け止めする前記抜止め部9bとなる。また、第1支持部材11には、伝達部材7の、流体圧ダンパー6側の端面や、ピストンロッド6aを確認するための、切欠き凹部からなる確認窓11eが設けられている。この確認窓11eは、伝達部材挿入孔11bにおける外筒挿入孔11aに近い側と外部とを連通するように明けられる。さらに、第1支持部材11は、確認窓11eとは反対側に延設された連結部11fを有し、この連結部11fに、上下に貫通する第1孔11gが明けられる。
【0029】
第2支持部材12は、板材を折り曲げて形成されており、第1支持部材11における連結部11fの側面に当接する第1片12aと、連結部11fの下面に当接するよう第1片12aから直角に折れ曲がった第2片12bと、外筒挿入孔11aの軸心に直交するよう第1片12aから直角に折れ曲がった第3片12cとからなる。そして、第2片12bには、第1支持部材11における第1孔11gと連通するように第2孔12dが明けられ、さらに、第3片12cには、流体圧ダンパー6における外筒6bの雄ねじ6cが挿通する通孔12eが明けられる。そこで、第1支持部材11の第1孔11gと第2支持部材12の第2孔12dとを貫通する連結ボルト9cが、ナット9dにねじ込まれて、これら第1支持部材11と第2支持部材12とが連結される。また、第3片12cの通孔12eを挿通する雄ねじ6cには、第3片12cを挟む両側に調整ナット9eが螺合する。そして、この調整ナット9eによって、第2支持部材12に対する(つまりは、支持体9に対する)、流体圧ダンパー6の軸方向位置が調整され、かつ、この流体圧ダンパー6(詳細には、外筒6b)は、第3片12cに取付け固定される。すなわち、この第3片12cが、前記取付部9aとなり、この取付部9a部分で、流体圧ダンパー6(詳細には、外筒6b)は、支持体9に固定される。
【0030】
そして、この衝撃吸収装置4は、前記連結ボルト9cおよびナット9dを用いて、座席1のフレーム1e(詳細には、座部フレーム1fにおけるサイドフレーム1j)に固定される。すなわち、前記連結ボルト9cおよびナット9dは、第1支持部材11と第2支持部材12とを連結する連結具であり、また、衝撃吸収装置4を座席1に固定する固定具でもある。衝撃吸収装置4をサイドフレーム1jに固定するにあたっては、第1支持部材11における連結部11fと連結ボルト9cの頭部で、サイドフレーム1jの側板部1nから折れ曲がった天板部1pを挟み込むことで、この衝撃吸収装置4は、サイドフレーム1j、つまりは座部フレーム1fに固定される。
【0031】
次に、以上の構成からなる衝撃吸収装置4を備えた背面テーブル装置5の作用効果について説明する。この背面テーブル装置5によると、テーブル支持アーム3が倒れたときの衝撃を吸収するために、流体圧ダンパー6が用いられる。そして、この流体圧ダンパー6のピストンロッド6aの先端部側には、伝達部材7が設けられて、テーブル支持アーム3の運動は、この伝達部材7を介してピストンロッド6aに伝えられる。こうして、この背面テーブル装置5は、流体圧ダンパー6と伝達部材7という簡単な構成で背面テーブル2の衝撃を吸収することができる。ここにおいて、テーブル支持アーム3が回動運動するのに対し、伝達部材7は、案内部8によって、ピストンロッド6aの可動方向K1を向くスライド方向S1に案内される。したがって、回動運動するテーブル支持アーム3の押圧部3aがピストンロッド6aを直接押圧する場合とは異なり、伝達部材7によって、ピストンロッド6aは、その可動方向K1に押される。このため、ピストンロッド6aに曲げ荷重がかかることが防止される。これにより、流体圧ダンパー6の寿命が延びて、この衝撃吸収装置4とか背面テーブル装置5の耐久性が向上する。
【0032】
また、衝撃吸収装置4において、流体圧ダンパー6が取付け固定される取付部9aと、伝達部材7を案内する案内部8とを備える、支持体9を設けることで、流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aの可動方向K1と、案内部8によって案内される伝達部材7のスライド方向S1とを、正確に合わせることができる。
【0033】
また、前記使用位置において、テーブル支持アーム3の当接部3dが座席1のフレーム1e(詳細には、座部フレーム1fにおける後部フレーム1i)に突き当たって回動が制止されるため、伝達部材7とか流体圧ダンパー6とか支持体9に過剰な荷重がかかることがない。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、衝撃吸収装置4は、座席1における、座部フレーム1fのサイドフレーム1jに固定されているが、センターフレームとか、その他の部位に固定されてもよい。
【0035】
また、衝撃吸収装置4は、座席1に固定される支持体9を備えて、この支持体9により、流体圧ダンパー6と伝達部材7とが支持されるが、これら流体圧ダンパー6と伝達部材7とを別々に、座席1に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、衝撃吸収装置4は、一対あるテーブル支持アーム3、3のうちの、一方のテーブル支持アーム3に対して設けられているが、両方のテーブル支持アーム3、3に対して設けられてもよい。
【0037】
また、流体圧ダンパー6におけるピストンロッド6aは、ロッド本体6eよりも径大な頭部6fを備えているが、この頭部6fは無くともよい。この場合、ロッド本体6eの先端部が、ピストンロッド6aの先端部を構成することとなる。また、伝達部材7には、穴7fが設けられているが、この穴7fは、無くともよい。
【0038】
また、衝撃吸収装置4における伝達部材7は、起立位置から使用位置に倒れる途中位置から使用位置に達するまでの間、テーブル支持アーム3の押圧部3aによって押されるが、起立位置から使用位置までの間、押圧部3aによって押されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施の形態の、座席の概略側面図である。
【図2】衝撃吸収装置の斜視図である。
【図3】同じく、平面図である。
【図4】図3における、A矢視図である。
【図5】起立位置に位置する背面テーブルと、座部フレームと背当てとを示す、斜視図である。
【図6】同じく、側面図である。
【図7】図6における要部拡大図である。
【図8】使用位置に位置する背面テーブルと、座部フレームと背当てとを示す、斜視図である。
【図9】同じく、側面図である。
【図10】図9における要部拡大図である。
【図11】従来の背面テーブルにおける衝撃吸収機構を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 座席(乗物用座席)
1e フレーム
2 背面テーブル
3 テーブル支持アーム
3a 押圧部
3d 当接部
4 衝撃吸収装置
5 背面テーブル装置
6 流体圧ダンパー
6a ピストンロッド
6b 外筒
6e ロッド本体
6f 頭部
7 伝達部材
7a 伝達部材先端
8 案内部
9 支持体
9a 取付部
9b 抜止め部
11a 外筒挿入孔(ダンパー挿入孔)
11b 伝達部材挿入孔
K1 可動方向
S1 スライド方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用座席の背面側に配備されて、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームを有する、背面テーブルと、前記乗物用座席に配備されて前記テーブル支持アームが起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置とを、備え、
前記衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備え、
前記テーブル支持アームは、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端を、前記ピストンロッド側へと押圧する押圧部を有し、
前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材先端が、前記押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させることを特徴とする、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項2】
前記衝撃吸収装置は、前記乗物用座席に固定される支持体を備え、
前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項3】
前記支持体には、前記流体圧ダンパーの外筒が挿入されるダンパー挿入孔と、棒状部材からなる前記伝達部材が挿入される伝達部材挿入孔とが、それらの孔の軸心が一直線となるように並んで明けられていて、前記伝達部材挿入孔が、前記案内部となっていることを特徴とする、請求項2に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項4】
前記支持体には、前記伝達部材を、前記ピストンロッド側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部が設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項5】
前記伝達部材には、前記ピストンロッドの先端部が挿入される穴が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項6】
前記テーブル支持アームは、前記起立位置から前記使用位置に達したときに前記乗物用座席のフレームに突き当たる当接部を有して、その当接部が前記乗物用座席のフレームに突き当たることで、前記テーブル支持アームは、それ以上の回動が制止されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項7】
乗物用座席の背面側に配備される背面テーブルの、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームが、起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する、衝撃吸収装置であって、
ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備え、
前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端が、前記テーブル支持アームの押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させることを特徴とする、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置。
【請求項8】
前記乗物用座席に固定される支持体を備え、
前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置。
【請求項1】
乗物用座席の背面側に配備されて、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームを有する、背面テーブルと、前記乗物用座席に配備されて前記テーブル支持アームが起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置とを、備え、
前記衝撃吸収装置は、ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備え、
前記テーブル支持アームは、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端を、前記ピストンロッド側へと押圧する押圧部を有し、
前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材先端が、前記押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させることを特徴とする、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項2】
前記衝撃吸収装置は、前記乗物用座席に固定される支持体を備え、
前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項3】
前記支持体には、前記流体圧ダンパーの外筒が挿入されるダンパー挿入孔と、棒状部材からなる前記伝達部材が挿入される伝達部材挿入孔とが、それらの孔の軸心が一直線となるように並んで明けられていて、前記伝達部材挿入孔が、前記案内部となっていることを特徴とする、請求項2に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項4】
前記支持体には、前記伝達部材を、前記ピストンロッド側とは反対の方向に抜け止めする抜止め部が設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項5】
前記伝達部材には、前記ピストンロッドの先端部が挿入される穴が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項6】
前記テーブル支持アームは、前記起立位置から前記使用位置に達したときに前記乗物用座席のフレームに突き当たる当接部を有して、その当接部が前記乗物用座席のフレームに突き当たることで、前記テーブル支持アームは、それ以上の回動が制止されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の、乗物用座席の背面テーブル装置。
【請求項7】
乗物用座席の背面側に配備される背面テーブルの、前記乗物用座席に回動可能に軸支されるテーブル支持アームが、起立位置から後方に傾く使用位置に倒れたときの衝撃を吸収する、衝撃吸収装置であって、
ピストンロッドを有する流体圧ダンパーと、前記ピストンロッドの先端部側に位置してその先端部に当接する伝達部材と、その伝達部材を前記ピストンロッドの可動方向を向くスライド方向に案内する案内部とを備え、
前記テーブル支持アームが前記起立位置から前記使用位置に倒れる少なくとも途中位置から前記使用位置に達するまでの間、前記伝達部材の、前記ピストンロッド側とは反対の伝達部材先端が、前記テーブル支持アームの押圧部によって前記ピストンロッド側へと押されることで、前記伝達部材は、前記スライド方向にスライドし、そのスライドする前記伝達部材が、前記ピストンロッドを押してそのピストンロッドを前記可動方向に移動させることを特徴とする、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置。
【請求項8】
前記乗物用座席に固定される支持体を備え、
前記支持体は、前記流体圧ダンパーが取付け固定される取付部と、前記案内部とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の、乗物用座席の背面テーブル用の衝撃吸収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−143405(P2010−143405A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322800(P2008−322800)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(309034490)天龍工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(309034490)天龍工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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