説明

乗用リールモアのリアモアユニット支持機構

【課題】リアモアユニットを支持し、かつ側方への取出する為の取出回動支持軸の垂直度を得ることが困難だったのである。その為に、該取出回動支持軸からの支持ストロークが長くなり、リアモアユニットの回動外側の端部の位置が垂れ下がった姿勢となり、上下位置係止杆と凹部の係合位置が一致しなくなったり、ロック係止凹部体に対してロック鉤板が係合しなくなったり、地面に接触してしまうという不具合を解消する。
【解決手段】車体の腹部に配置するモアユニット1Cを、作業状態の車体下部への格納位置と、メンテナンス状態の車体側方への取出位置とに、取出回動支持軸85を中心にリアモアユニット支持アーム80を回動することにより、移動可能とした構成において、前記取出回動支持軸85の角度を機体フレーム6に対して調整可能とする機構を、前記取出回動支持軸85の下端を支持する角度調整板84に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアモアユニットを車体の腹部に装着した乗用リールモアの、リアモアユニットを、側方へ取出自在に支持する支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
前部に、複数のフロントモアユニットを配置し、後部である車体の腹部の、該複数のフロントモアユニットの間の芝生を刈取る為に、車体の腹部にリアモアユニットを配置すべく構成している。
該リアモアユニットは、狭い場所に吊り下げ支持するので、部品の交換などのメンテナンスや、刈り高さの調節や、受刃とリール回転刃の研磨等の為のメンテナンスにおいて、車体の腹部からの取り出しが可能なように支持する必要があるのである。
従来は、このリアモアユニットを支持し、かつ側方への取出部分とする為の、取出回動支持軸の、垂直度を得ることが困難だったのである。その為に、該取出回動支持軸からの支持ストロークが長くなる、リアモアユニットの回動外側の端部の位置が、垂れ下がった姿勢となり、上下位置係止杆と凹部の係合位置が一致しなくなったり、ロック係止凹部体に対して、ロック鉤板が係合しなくなったり、地面に接触してしまうという不具合があったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−235320号公報
【特許文献2】特開2000−245224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が、解決しようとする課題は次の如くである。
上記従来技術の不具合を解消する為に、本発明は、リアモアユニットを取出回動支持軸により左右に回動自在に支持した構成において、該リアモアユニットの端部が下降することの無いような、乗用リールモアのリアモアユニット支持機構を構成したものである。
また、取出回動支持軸の角度を得る為に、取出回動支持軸の傾きを簡単に調整することが出来るように、機体フレームに対する取出回動支持軸の支持部において、簡単に調整が可能なように構成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、以下の手段をとる。
【0006】
請求項1においては、車体の腹部に配置するモアユニット(1C)を、作業状態の車体下部への格納位置と、メンテナンス状態の車体側方への取出位置とに、取出回動支持軸(85)を中心にリアモアユニット支持アーム(80)を回動することにより、移動可能とした構成において、前記取出回動支持軸(85)の角度を機体フレーム(6)に対して調整可能とする機構を、前記取出回動支持軸(85)の下端を支持する角度調整板(84)に構成したものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、前記角度調整板(84)を前記機体フレーム(6)に固定する位置を調整可能とすることにより、前記取出回動支持軸(85)の機体フレーム(6)に対する角度を調整可能としたこと特徴とする乗用リールモアのリアモアユニット支持機構ものである。
【0008】
請求項3においては、請求項2記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、前記取出回動支持軸(85)を挿入孔(74b)に前記機体フレーム(6)の上板(117)の上方から挿入可能とし、前記角度調整板(84)を前記取出回動支持軸(85)が前記機体フレーム(6)の下板(118)から突出した位置に下から嵌装して、前記角度調整板(84)を前記下板(118)に固定すべく構成したものである。
【0009】
請求項4においては、請求項3記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、前記機体フレーム(6)の上板(117)に挿入孔(74b)を穿設し、前記機体フレーム(6)の下板(118)に挿入孔(74a)を穿設して、前記取出回動支持軸(85)を前記上板(117)と前記下板(118)とにそれぞれの挿入孔(74b・74a)を介して貫通挿入可能とし、前記上板(117)の挿入孔(74b)を小径(b)の孔とし、前記下板(118)の挿入孔(74a)を大径(a)として、前記取出回動支持軸(85)の角度を前記挿入孔(74a)の部分で調整可能としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0011】
請求項1に記載の如く、車体の腹部に配置するモアユニット(1C)を、作業状態の車体下部への格納位置と、メンテナンス状態の車体側方への取出位置に、取出回動支持軸(85)を中心にリアモアユニット支持アーム(80)を回動することにより、移動を可能とした構成において、前記取出回動支持軸(85)の角度を、機体フレーム(6)に対して調整可能とする機構を、該取出回動支持軸(85)の下端を支持する角度調整板(84)に構成したので、取出回動支持軸(85)からの支持ストロークが遠い部分のリアモアユニット(1C)が、垂れる場合において、該角度調整板(84)により、取出回動支持軸(85)の角度を調整することにより、リアモアユニット(1C)を浮いた状態に支持するように調節することが出来るのである。
【0012】
請求項2に記載の如く、請求項1記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、該角度調整板(84)を、機体フレーム(6)に固定する位置を、調整可能とすることにより、取出回動支持軸(85)の機体フレーム(6)に対する角度を調整可能としたので、該機体フレーム(6)の下板(118)と上板(117)に穿設した孔径を大径(a)と小径(b)に構成することにより、取出回動支持軸(85)の下方の位置を動かして、傾斜角度を調整することが出来るので、角度調整板(84)の取付け位置の調整のみで、取出回動支持軸(85)の角度を調整することが可能となったのである。
【0013】
請求項3に記載の如く、機体フレーム(6)の上板(117)の上方から、取出回動支持軸(85)を挿入孔(74b)に挿入可能とし、該取出回動支持軸(85)が機体フレーム(6)の下板(118)から突出した位置に、角度調整板(84)を下から嵌装して、角度調整板(84)を下板(118)に固定すべく構成したので、従来から必要であっ、取出回動支持軸(85)と角度調整板(84)を用いて、取出回動支持軸(85)の角度調整機構を構成することが出来たものである。
【0014】
請求項4に記載の如く、請求項3記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、前記取出回動支持軸(85)は、該機体フレーム(6)の上板(117)と下板(118)に、該上板(117)の挿入孔(74b)と、該下板(118)の挿入孔(74a)を穿設し、取出回動支持軸(85)を貫通挿入可能とし、該上板(117)の挿入孔(74b)を小径(b)の孔とし、下板(118)の挿入孔(74a)を大径(a)に構成し、取出回動支持軸(85)の角度を挿入孔(74a)の部分で調整可能としたので、下板(118)に設けた大径(a)の孔内で、取出回動支持軸(85)を傾斜させることが出来るので、他の部分を大きく改造することなく、取出回動支持軸(85)の角度調整機構とすることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の乗用リールモアの進行方向左側の前方からの全体斜視図。
【図2】本発明の乗用リールモアの進行方向左側の後方からの全体斜視図。
【図3】本発明の乗用リールモアの全体平面図。
【図4】本発明のリアモアユニット(1C)の支持機構を示す平面図。
【図5】同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す前面図。
【図6】同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す側面図。
【図7】格納操作ハンドル(79)と車体の関係位置を示す斜視図。
【図8】格納操作ハンドル(79)とロック解除レバー(78)を示す斜視図。
【図9】リアモアユニット(1C)を車体の腹部の格納状態から取り出した状態の平面斜視図。
【図10】リアモアユニット(1C)を回動して取り出した状態でそれ以上の回動を阻止する回動停止アーム(82)の係止状態の平面斜視図。
【図11】リアモアユニット(1C)を吊り上げた状態で左右への揺動を阻止する上下揺動ストッパー(100)の斜視図。
【図12】本発明の要部を構成する取出回動支持軸(85)の部分の前面図。
【図13】同じく取出回動支持軸(85)の部分の平面図。
【図14】同じく取出回動支持軸(85)の部分の前面断面図。
【図15】同じく取出回動支持軸(85)と角度調整板(84)とリアモアユニット支持アーム(80)と鉛直支持筒(83)の部分の部品斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の乗用リールモアの進行方向左側の前方からの全体斜視図であり、図2は、本発明の乗用リールモアの進行方向左側の後方からの全体斜視図であり、図3は、本発明の乗用リールモアの全体平面図である。
【0018】
図1と図2と図3において、乗用リールモアは、左右の前輪(11L・11R)と、操向輪である1輪の後輪(15)により機体フレーム(6)を支持し、該機体フレーム(6)上に、エンジンを搭載し、該エンジンをボンネット(14)で被覆している。
該ボンネット(14)の前方に、オペレータが座る座席シート(13)を配置し、該座席シート(13)の前部にフロントコラム(17)をステップ(18)から立設し、該フロントコラム(17)より上方へステアリングハンドル(12)を突設している。
【0019】
該フロントコラム(17)の左側のステップ(18)の上に、ブレーキペダル(20)を配置し、該フロントコラム(17)の右側のステップ(18)上に前進走行変速ペダル(21)と、後進走行変速ペダル(22)を配置している。
また、座席シート(13)の左側の機体フレーム(6)上に、バッテリー(16)を搭載し、座席シート(13)の右側の機体フレーム(6)の上に、燃料タンク(19)を搭載している。
【0020】
以上のように構成した乗用リールモアの車体に対して、機体の前部に、右フロントモアユニット(1R)と左フロントモアユニット(1L)を、左右に並べて配置し、車体の中央の下方に、前記右フロントモアユニット(1R)と左フロントモアユニット(1L)の間の部分の刈り残しを、刈り取る為のリアモアユニット(1C)を配置している。
該左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)は、左リフトアーム(9L)と右リフトアーム(9R)により吊り下げ支持しており、昇降操作可能としている。
該左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)の上方への回動時に、揺動するのを阻止する為の揺動ストッパ(5L・5R)が、機体フレーム(6)から突設され、フロントモアユニット(1L・1R)が上昇した状態で接当し、揺動を固定するように構成している。
【0021】
該左リフトアーム(9L)と右リフトアーム(9R)の先端に、左右の左右回動軸(35L・35R)が水平方向の軸心回りで回動可能に枢支されており、左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)を支持している。
また、リアモアユニット(1C)は、車体の中央下方の位置から、車体の側方へ水平回動して取り出し、メンテナンスを可能としている。
左フロントモアユニット(1L)には、モア駆動モータ(23L)が外側の側面に付設されており、また、前方へはバケット(24L)が脱着可能に付設されている。
【0022】
図4は、本発明のリアモアユニット(1C)の支持機構を示す平面図、図5は、同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す後面図、図6は、同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す側面図である。
【0023】
本発明のリアモアユニット(1C)は、その構造を詳細に図示していないが、前ローラとサッチングローラとリール回転刃と受刃と後ローラ等により構成されている。
該前ローラと後ローラにより前後を支持した状態で、その間に配置した平行状態のリール回転刃を、油圧式のリール回転刃により駆動して、受刃との間で芝生を切断する構成となっている。
【0024】
車体を構成する機体フレーム(6)の後部に、リアモアユニット(1C)を格納と取出状態に回動可能とする取出回動支持軸(85)による枢支部が構成されている。
該回動可能枢支部は、取出回動支持軸(85)とリアモアユニット支持アーム(80)の鉛直支持筒(83)と、該取出回動支持軸(85)に下方から嵌装する角度調整板(84)とから構成されている。該取出回動支持軸(85)の角度の調整機構は、後述する。
【0025】
該取出回動支持軸(85)を挿入する機体フレーム(6)の嵌装孔(74)は、機体フレーム(6)の機体左右中心線(X)に対して、進行方向の左側に、ややずれた位置に配置されている。
そして、該取出回動支持軸(85)により鉛直支持筒(83)を枢支し、該鉛直支持筒(83)にリアモアユニット支持アーム(80)が固設されており、該リアモアユニット支持アーム(80)の先端にリアモアユニット(1C)が吊り下げ支持されている。
【0026】
該リアモアユニット支持アーム(80)は、図4に示す如く、平面視において、機体フレーム(6)の前後方向の部分の下方まで、左方向に突出された後に、該機体フレーム(6)の前後方向の部材の下方を、前方に突設されている。図5の前面視と、図6の側面視において図示する如く、機体フレーム(6)の後隅部が角を取ったように後退した構成とされており、該部分を左方向に出た後に、前後方向の機体フレーム(6)の下方に曲がり落ちて、前方方向の機体フレーム(6)の下方にまで延出されている。該前方へ曲がり落ちて水平方向に延出された前端に、平行支持フレーム(106・106)に嵌入して固定されている。
【0027】
該平行支持フレーム(106・106)は、頑丈に構成されており、該平行支持フレーム(106・106)の間に、上下位置係止杆(103)が前後方向に架設されている。該上下位置係止杆(103)は、リアモアユニット(1C)を作業位置に格納した状態で、リアモアユニット支持アーム(80)のみによる上下支持状態では、リアモアユニット支持アーム(80)のストロークが大きくなり、揺動を回避した固定状態が得られないので、機体フレーム(6)の下面に、図9の如く突設した上下位置係止凹部体(108)の凹部(104)に嵌入して、上下位置を維持すべく構成している。
【0028】
図5の前面図において図示する如く、上下位置係止凹部体108の該凹部(104)は、上下位置係止杆(103)が側方から嵌入される際のガイド溝となるように、入口側が広く、作業姿勢とした格納位置の最深位置で、狭くなり揺動幅が狭くなるように、段々狭まる凹部(104)に構成している。
該リアモアユニット(1C)が作業姿勢である格納位置へ、車体の腹部に回動された姿勢でロックするロック機構が構成されている。該ロック機構は、ロック解除レバー(78)により解除可能である。該格納姿勢に入れる場合には、前記した凹部(104)に上下位置係止杆(103)が完全に嵌装された位置で、自動的にロック状態となるように、ロック鉤板(110)と、ロック係止杆(102)が設けられている。
該ロック係止杆(102)は、機体フレーム(6)の側に付設されて突出されている。また、該ロック鉤板(110)は、平行支持フレーム(106・106)の上面に固設したロック鉤板(110)の支持板(109)上に枢支されている。
【0029】
前記支持板(109)の上に、枢支したロック鉤板(110)には、格納操作ハンドル(79)の部分に設けたロック解除レバー(78)からの操作ワイヤー(111)が連結されており、ロック解除レバー(78)を握ることにより、ロック鉤板(110)がロック係止杆(102)から外れて、リアモアユニット(1C)を側方のメンテナンス位置に取出回動可能に構成している。
該ロック鉤板(110)は、常時、付勢バネによりロック係止杆(102)を係止する側に押圧されており、作業格納姿勢にリアモアユニット(1C)を回動して行くと、上下位置係止杆(103)が凹部(104)に嵌入すると同時に、自動的にロック鉤板(110)がロック係止杆(102)に係合して、該格納状態をロックするように構成している。
【0030】
図6に示す如く、該平行支持フレーム(106・106)から、前方方向へ、格納操作ハンドル(79)の基部が突設されている。該格納操作ハンドル(79)は最初は、平行支持フレーム(106・106)から前方に突設されて、途中から、上方へ延設されて、上端部にロック解除レバー(78)が併設されている。該格納操作ハンドル(79)と並行して、操作ワイヤー(111)が延設されている。
該平行支持フレーム(106・106)から下方へ、リアモアユニット(1C)の上面に接当して、該リアモアユニット(1C)の振動を阻止する振動阻止弾性体(114)を支持する振動体支持アーム(113)が突設されている。
【0031】
また、平行支持フレーム(106・106)から前方へ、リアモアユニット(1C)の上下回動枢支軸(107)が突設されている。該上下回動枢支軸(107)に、リフトアーム(93)の基部が外嵌枢支されている。該リフトアーム(93)に延設して、昇降補助付勢バネ(99)が介装されている。
また、該リフトアーム(93)の昇降補助付勢バネ(99)とは反対の後面側に、昇降油圧シリンダ(98)が配置されている。
【0032】
該昇降油圧シリンダ(98)のピストンの先端に摺動ガイド(94)が連結されており、該摺動ガイド(94)はU字杆により構成されて溝部を構成し、該溝部の内部にガイドピン(115)が嵌装されている。該ガイドピン(115)は、リフトアーム(93)から突設されており、刈取り作業の為にリアモアユニット(1C)が芝生面に接地している状態で、リアモアユニット(1C)が上下に自由に芝生に追随する為のフローティングを可能としている。
即ち、昇降油圧シリンダ(98)が伸長している状態でも、該摺動ガイド(94)の溝の内部でガイドピン(115)が自由に移動することにより、リアモアユニット(1C)のフローティングが可能となっているのである。
【0033】
該摺動ガイド(94)の先端に連結リンク(95)が連結されており、該連結リンク(95)にチエーン昇降アーム(112)が連結されている。該チエーン昇降アーム(112)は、リフトアーム(93)から前後方向に突設した枢支軸(96)に遊嵌枢支されている。また、該チエーン昇降アーム(112)に、前後揺動阻止チエーン(97)が連結されている。該前後揺動阻止チエーン(97)により、リアモアユニット(1C)の後部を吊り下げ支持することにより、昇降油圧シリンダ(98)が縮小して、リアモアユニット(1C)を上昇した場合に、後部が垂れ下がり、リフトストロークを低くするのを阻止しているのである。
【0034】
前記リフトアーム(93)の先端が、車体の左右の中央位置にまで延出した位置に、左右回動枢支筒(92)が固設されており、該左右回動枢支筒(92)の内部に左右回動軸(90)が内嵌枢支されている。該左右回動枢支筒(92)と左右回動軸(90)の間に、左右端上下回動ストッパー(116)が構成されている。また、該左右回動軸(90)の先端に水平回動枢支ピン(91)が立設されており、リアモアユニット(1C)の牽引杆(89)の前端部分を左右回動自在に枢支している。
【0035】
そして、該牽引杆(89)の奥側の位置から、バケット(図示せず)を脱着する際に容易にする為の、バケット挿入案内杆(87)が突設されている。また、牽引杆(89)の左側の端部には、バケット(図示せず)の他端を係止する係止機構(88)が設けられている。
また、図5に示す如く、リアモアユニット(1C)を上昇させた状態で移動走行する際に、リアモアユニット(1C)の上下への振動を回避する為の上下揺動ストッパー(100)が下方に向けて突設されている。該上下揺動ストッパー(100)は、機体フレーム(6)の下面からストッパー支持杆(101)により突設支持されている。該上下揺動ストッパー(100)の構成は図11において図示されており、ストッパー支持杆(101)と上下揺動ストッパー(100)との間で、長孔とボルトにより高さ調整を自在としている。
【0036】
図7は、格納操作ハンドル(79)と車体の関係位置を示す斜視図、図8は、格納操作ハンドル(79)とロック解除レバー(78)を示す斜視図、図9は、リアモアユニット(1C)を車体の腹部の格納状態から取り出した状態の平面斜視図、図10は、リアモアユニット(1C)を回動して取り出した状態でそれ以上の回動を阻止する回動停止アーム(82)の係止状態の平面斜視図、図11は、リアモアユニット(1C)を吊り上げた状態で左右への揺動を阻止する上下揺動阻止ストッパー(100)の斜視図である。
【0037】
図4と図10に図示する如く、機体フレーム(6)の下面と、リアモアユニット(1C)の後面との間に、リアモアユニット(1C)の解除と固定との状態を維持する為に、回動停止アーム(81・82)が介装されている。該回動停止アーム(81)の方は、機体フレーム(6)の下面に枢支されており、他の回動停止アーム(82)は、リアモアユニット(1C)の側のブラケット(122)の部分に枢支されている。該ブラケット(122)に係止突起(121)が突設されており、該係止突起(121)に、回動停止アーム(82)の端部が接当することにより、リアモアユニット(1C)が解除状態で、機体の外方へと回動された場合に、それ以上の外側への回動を阻止すべく構成している。
【0038】
ロック解除レバー(78)と連動した操作ワイヤー(111)とロック鉤板(110)と支持板(109)の構成は、図9の斜視図において、図示されている。また、ロック係止杆(102)と上下位置係止凹部体(108)についても、図9の斜視図において図示している。
【0039】
図12は、本発明の要部を構成する取出回動支持軸(85)の部分の前面図、図13は、同じく取出回動支持軸(85)の部分の平面図、図14は、同じく取出回動支持軸(85)の部分の前面断面図、図15は、同じく取出回動支持軸(85)と角度調整板(84)とリアモアユニット支持アーム(80)と鉛直支持筒(83)の部品の斜視図である。
【0040】
本発明の要部は、リアモアユニット(1C)を回動可能に枢支する取出回動支持軸(85)の支持部の構造である。
前記リアモアユニット支持アーム(80)の後端に鉛直支持筒(83)が固設されており、該鉛直支持筒(83)の内部に上方から、取出回動支持軸(85)を挿入して、機体フレーム(6)にリアモアユニット支持アーム(80)を枢支すべく構成している。
該取出回動支持軸(85)の角度が出し難く、また、リアモアユニット(1C)の重みにより、リアモアユニット(1C)の部分がたれて、取出回動支持軸(85)から最も遠い部分が、地面と接触する方向に垂れてしまうのである。
【0041】
このような、リアモアユニット(1C)の他端が下がる状態を回避する為に、取出回動支持軸(85)の姿勢を調整可能とする機構を、角度調整板(84)に設けている。
取出回動支持軸(85)は、上方から挿入して、固定するように、図14と図15に示すように、上端に係止アーム(86)が水平方向に突設されており、挿入した状態で、ボルト孔にボルトを螺装して、機体フレーム(6)の上面に固定すべく構成している。
【0042】
該取出回動支持軸(85)を挿入する機体フレーム(6)の上下板(117・118)には、上板(117)の挿入孔(74b)と、下板(118)の挿入孔(74a)が穿設されている。そして、上板(117)の挿入孔(74b)と、下板(118)の挿入孔(74a)の間に、鉛直支持筒(83)を嵌入させて、取出回動支持軸(85)を挿入する構成としている。
そして、下板(118)の下側に、角度調整板(84)を当てて、該角度調整板(84)を、下板(118)の上からボルトをボルト孔(84a)に挿入することにより、角度調整板(84)を固定すべく構成している。
【0043】
該構成において、上板(117)の挿入孔(74b)は、取出回動支持軸(85)の径に近い小径(b)に構成し、下板(118)の挿入孔(74a)は、角度を調整可能な、大径(a)の孔に構成したものである。
即ち、上板(117)の上方から鉛直支持筒(83)を貫通した状態に、取出回動支持軸(85)を挿入し、該取出回動支持軸(85)の下端に、下板(118)の下面から嵌装する角度調整板(84)は、左右に移動して、角度を調整可能としているのである。
その為に、角度調整板(84)のボルト孔(84a)、又は、下板(118)のボンネット孔を、長孔に構成して、角度調整板(84)の固定位置を調整可能としたものである。
【符号の説明】
【0044】
1C リアモアユニット
6 機体フレーム
74a 挿入孔
74b 挿入孔
78 ロック解除レバー
79 格納操作ハンドル
80 リアモアユニット支持アーム
83 鉛直支持筒
84 角度調整板
84a ボルト孔
85 取出回動支持軸
86 係止アーム
87 バケット挿入案内杆
88 係止機構
89 牽引杆
90 左右回動軸
91 水平回動枢支ピン
92 左右回動枢支筒
93 リフトアーム
94 摺動ガイド
95 連結リンク
96 枢支軸
97 前後揺動阻止チエーン
98 昇降油圧シリンダ
100 上下揺動ストッパー
101 ストッパー支持杆
102 ロック係止杆
103 上下位置係止杆
104 凹部
106 平行支持フレーム
107 上下回動枢支軸
108 上下位置係止凹部体
109 支持板
110 ロック鉤板
111 操作ワイヤー
112 チエーン昇降アーム
113 振動体支持アーム
114 振動阻止弾性体
117 上板
118 下板
121 係止突起
122 ブラケット
a 大径
b 小径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の腹部に配置するモアユニット(1C)を、作業状態の車体下部への格納位置と、メンテナンス状態の車体側方への取出位置とに、取出回動支持軸(85)を中心にリアモアユニット支持アーム(80)を回動することにより、移動可能とした構成において、
前記取出回動支持軸(85)の角度を機体フレーム(6)に対して調整可能とする機構を、前記取出回動支持軸(85)の下端を支持する角度調整板(84)に構成したことを特徴とする乗用リールモアのリアモアユニット支持機構。
【請求項2】
請求項1記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、
前記角度調整板(84)を前記機体フレーム(6)に固定する位置を調整可能とすることにより、前記取出回動支持軸(85)の機体フレーム(6)に対する角度を調整可能としたこと特徴とする乗用リールモアのリアモアユニット支持機構。
【請求項3】
請求項2記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、
前記取出回動支持軸(85)を挿入孔(74b)に前記機体フレーム(6)の上板(117)の上方から挿入可能とし、前記角度調整板(84)を前記取出回動支持軸(85)が前記機体フレーム(6)の下板(118)から突出した位置に下から嵌装して、前記角度調整板(84)を前記下板(118)に固定すべく構成したことを特徴とする乗用リールモアのリアモアユニット支持機構。
【請求項4】
請求項3記載の乗用リールモアのリアモアユニット支持機構において、
前記機体フレーム(6)の上板(117)に挿入孔(74b)を穿設し、前記機体フレーム(6)の下板(118)に挿入孔(74a)を穿設して、前記取出回動支持軸(85)を前記上板(117)と前記下板(118)とにそれぞれの挿入孔(74b・74a)を介して貫通挿入可能とし、前記上板(117)の挿入孔(74b)を小径(b)の孔とし、前記下板(118)の挿入孔(74a)を大径(a)として、前記取出回動支持軸(85)の角度を前記挿入孔(74a)の部分で調整可能としたことを特徴とする乗用リールモアのリアモアユニット支持機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−206027(P2011−206027A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79901(P2010−79901)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000198330)株式会社IHIシバウラ (74)
【Fターム(参考)】