乗用田植機の予備苗載置構造
【課題】予備苗載置構造に簡単な改良を施して乗降性及び作業効率の向上を図れるようにする。
【解決手段】走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置44を備え、予備苗載置装置44を、複数の予備苗台55を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、予備苗載置装置44に、少なくとも、展開状態で最前に位置する予備苗台55を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段64と、展開状態で最後に位置する予備苗台55を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段65とのいずれか一つを装備してある。
【解決手段】走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置44を備え、予備苗載置装置44を、複数の予備苗台55を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、予備苗載置装置44に、少なくとも、展開状態で最前に位置する予備苗台55を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段64と、展開状態で最後に位置する予備苗台55を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段65とのいずれか一つを装備してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用田植機の予備苗載置構造としては、前後の予備苗台(予備苗載せ台)を予備苗載置用の倒伏姿勢から上方に90度程度まで揺動させた起立姿勢での保持を可能にする角度保持機構を備えて、前後の予備苗台を倒伏姿勢と起立姿勢とに切り換え可能に構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−261364号公報(段落番号0050、図4、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態では、予備苗の脱落を招くことから前後の予備苗台を起立姿勢に切り換えることができず、そのため、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態で乗降する必要が生じた場合には、前後の予備苗台が倒伏姿勢であることで制限された乗降空間から乗降する、あるいは、前後の予備苗台から予備苗を取り出して前後の予備苗台を起立姿勢に切り換えてから乗降することになり、乗降性の向上を図る上において改善の余地がある。
【0005】
又、前後の予備苗台を倒伏姿勢に切り換えた状態では、前側の予備苗台が走行車体の前方に大きく張り出すようになっており、そして、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態では、その張り出し量を減少させることができないことから、圃場際に電柱などが立設されている圃場での植え付け作業においては、その電柱などが隣接する畦際で車体を旋回させる場合に前側の予備苗台を電柱などに接触させる虞がある。そのため、植え付け作業での畦際旋回を慎重に行う必要が生じることになり、作業効率の向上を図る上において改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、予備苗載置構造に簡単な改良を施して乗降性及び作業効率の向上を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置装置に、少なくとも、前記展開状態で最前に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段と、前記展開状態で最後に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段とのいずれか一つを装備してある。
【0008】
第1の発明によると、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合は、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢に切り換えることで、予備苗を載置した状態のままで最前の予備苗台の車体前方への張り出し量を減少させることができる。
【0009】
これにより、左右の乗降ステップを利用して走行車体の前端部から乗降する際の乗降空間において最前の予備苗台によって制限される範囲を減少させることができる。又、圃場際に電柱などが立設されている圃場での植え付け作業において、その電柱などが隣接する畦際で車体を旋回させる場合に最前の予備苗台が電柱などに接触し難くなる。
【0010】
一方、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合は、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢に切り換えることで、予備苗を載置した状態のままで最後の予備苗台の後方への張り出し量を減少させることができる。
【0011】
これにより、走行車体の横側端部から乗降する際の乗降空間において最後の予備苗台によって制限される範囲を減少させることができる。
【0012】
従って、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合には車体前端部からの乗降性及び作業効率の向上を図ることができ、又、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合には車体横側端部からの乗降性の向上を図ることができ、更に、双方の固定手段を装備した場合には車体前端部及び車体横側端部からの乗降性並びに作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記固定手段を、前記予備苗載置装置における車体内側の横側部に装備してある。
【0014】
第2の発明によると、固定手段を予備苗載置装置における車体外側の横側部に装備する場合に比較して、搭乗した運転者による固定手段の操作が行い易くなり、これにより、乗降性及び作業効率の向上を更に図ることができる。
【0015】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、
前記走行車体の後部に、その後部に備えた苗補給用のステップを後方から囲む状態となる平面視U字状に形成した手摺りを備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台の後端が前記手摺りの左右両端部に近接するように構成してある。
【0016】
第3の発明によると、左右の予備苗台に載置した各予備苗を苗載台に供給する場合には、各予備苗を、予備苗台に載置した状態のまま、車体前側から車体後方の苗植付装置の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができ、その搬送後は、苗補給用のステップ及び手摺りを使用しながら苗植付装置に簡単に供給することができる。
【0017】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を向上させることができる。
【0018】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記手摺りの左右両端部に、それらの前下方に設けた車体側との連結箇所に向けて延出する延出部分を備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台が前記延出部分と平面視で重なり合うように構成してある。
【0019】
第4の発明によると、予備苗載置装置の展開状態では、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給時には使用しない手摺りにおける下側の延出部分の上方に最後の予備苗台を位置させることができ、これにより、最後の予備苗台を車体後方の苗植付装置に更に近づけた状態にすることができる。
【0020】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を更に向上させることができる。
【0021】
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、
前記展開状態では、前記複数の予備苗台の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する前記乗降ステップの車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように、前記予備苗載置装置を構成して、前記走行車体の左右で一直線上に前後に並ぶ前記複数の予備苗台の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成してある。
【0022】
第5の発明によると、予備苗載置装置を展開状態に切り換えた植え付け作業中においては、左右の乗降ステップ上の領域を予備苗供給用の作業領域として確保することができる。
【0023】
これにより、左右の予備苗台に載置した各予備苗を苗植付装置に供給する場合には、前後に並ぶ予備苗台に沿った予備苗供給用の作業領域での作業で、各予備苗を、予備苗台に載置した状態のままで、車体前側から車体後方の苗植付装置の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができる。
【0024】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ミッドマウント施肥仕様の乗用田植機の全体左側面図である。
【図2】ミッドマウント施肥仕様の乗用田植機の全体平面図である。
【図3】車体後部の構成を示す要部の左側面図である。
【図4】繰出機構の構成を示す要部の縦断左側面図である。
【図5】手摺りの構成を示す要部の左側面図である。
【図6】手摺りの連結部材の構成を示す要部の横断平面図である。
【図7】予備苗載置装置の展開状態を示す要部の平面図である。
【図8】予備苗載置装置の展開状態を示す要部の左側面図である。
【図9】最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持し最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持した状態を示す要部の左側面図である。
【図10】本発明をペースト施肥仕様の乗用田植機に採用した別実施形態での要部の左側面図である。
【図11】予備苗載置装置を予備苗2枚載置仕様に構成した別実施形態での要部の左側面図である。
【図12】予備苗載置装置を予備苗2枚載置仕様に構成した別実施形態での予備苗台の各姿勢切り換え状態を示す要部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る乗用田植機の予備苗載置構造を、乗用田植機の一例であるミッドマウント施肥仕様の6条植え乗用田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する乗用田植機は、4輪駆動型に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動で上下揺動する平行四連リンク式のリンク機構3を装備し、このリンク機構3の後端部に6条用の苗植付装置4を連結してある。又、走行車体1の後端部に6条用の施肥装置5を搭載してある。そして、これらによって最大6条の植え付け及び施肥が可能な6条植え用のミッドマウント施肥仕様に構成してある。
【0028】
走行車体1は、前車軸ケース6よりも車体前側に配備した前部フレーム7にエンジン8を防振搭載してあり、このエンジン8からの動力を主変速装置としての静油圧式無段変速装置(図示せず)にベルト伝動し、静油圧式無段変速装置による変速後の動力を、トランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)9の内部において走行用と作業用とに分岐する。そして、走行用の動力は、T/Mケース9に副変速装置として内蔵した走行用のギア式変速装置(図示せず)などを介して左右の前輪10及び左右の後輪11に伝達する。又、作業用の動力は、T/Mケース9に株間変速装置として内蔵した作業用のギア式変速装置(図示せず)及び植付クラッチ(図示せず)などを介して苗植付装置4に伝達する。施肥装置5には、走行用のギア式変速装置による変速後の動力を施肥作業用として伝達してある。
【0029】
苗植付装置4は、走行車体1からの作業用の動力により、最大6条のマット状苗を載置する苗載台12が横送り機構(図示せず)の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動するように構成してある。又、苗載台12の各マット状苗に対応して左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したロータリ式の6基の植付機構13が、苗載台12の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート14で整地した圃場の泥土部に植え付け供給するように構成してある。そして、苗載台12が左右のストローク端に到達するごとにベルト式の縦送り機構15が作動して、苗載台12に載置した各マット状苗を苗載台12の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0030】
図1〜4に示すように、施肥装置5は、施肥作業用の動力で走行車体1の後端部に搭載した4基の繰出機構16が作動して、それらの上部に連通装備した左右のホッパ17に貯留した粒状肥料をホッパ17から所定量ずつ繰り出すように構成してある。又、走行車体1の後端部に配備した電動式のブロワ18が走行車体1からの電力で作動して搬送風を発生させることで、各繰出機構16が繰り出した粒状肥料を、ブロワ18から給気管19を介して供給される搬送風に乗せて、各繰出機構16に連通接続した施肥ホース20を介して、各整地フロート14の左右両側部にそれぞれ備えた作溝器21のうちの対応するものに供給し、各作溝器21により圃場の泥土内に埋没させるように構成してある。
【0031】
各繰出機構16は、最大2条の粒状肥料を繰り出すことが可能な2条用に構成してある。そして、左右両端の繰出機構16が2条の粒状肥料の繰り出しを行い、左右中央側の2つの繰出機構16が1条の粒状肥料の繰り出しを行うように設定することで、4基の繰出機構16で6条の粒状肥料の繰り出しを行うように構成してある。
【0032】
各繰出機構16において、左右のホッパ17に連通接続した上部ケース22は、吸気管20及び施肥ホース20に連通接続した下部ケース23に、それらの後端部に形成した係合部24を支点にした上下方向への開閉揺動が可能となる状態に連結してある。下部ケース23には、その側面に突設した左右向きの支軸部23Aを支点にした揺動操作で上部ケース22に備えた係合部22Aに係合することで上部ケース22を閉じ位置に係合保持するロックアーム25を備えてある。
【0033】
左右のホッパ17及び各繰出機構16の上部ケース22は、走行車体1の後部に装備した施肥フレーム26で支持してある。施肥フレーム26は、左右のホッパ17及び各上部ケース22を開閉揺動可能に支持する揺動フレーム部27と、各上部ケース22の閉じ状態において揺動フレーム部27の前端部分を受け止め支持する固定フレーム部28と、揺動フレーム部27の閉じ状態での固定フレーム部28との係合保持を可能にするロック機構(図示せず)とを備えている。
【0034】
つまり、ロック機構及びロックアーム25を解除操作して上部ケース22を揺動フレーム部27とともに開放揺動させることで、各繰出機構16の内部に備えた繰出ロール29の清掃やブラシ30の交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0035】
図1及び図3に示すように、施肥フレーム26の揺動フレーム部27は、その揺動支点となる左右向きの支軸部分27Aを、左右のホッパ17及び各繰出機構16の重心に近くなるように車体前側に変位させてある。これにより、上部ケース22及び揺動フレーム部27の後方への開放揺動操作が行い易くなっている。
【0036】
図1〜3に示すように、走行車体1の後半部には搭乗運転部31を形成してある。搭乗運転部31には、前輪操舵用のステアリングホイール32及び運転座席33などを配備してある。搭乗運転部31において、エンジン8を覆うボンネット34の後方箇所には施肥装置5よりも左右幅の狭い搭乗ステップ35を敷設してある。又、ボンネット34の左右の横外側には、走行車体1の前端部からの乗降を可能にする乗降ステップ36を搭乗ステップ35と同じ高さで搭乗ステップ35に連なる状態で敷設してある。走行車体1の後部には、苗載台12への苗補給時やホッパ17への肥料補給時に踏み台として使用可能な後部ステップ37を敷設してある。搭乗ステップ35及び乗降ステップ36に対する横方向の車体外側には、搭乗領域の左右幅を施肥装置5よりも幅広に拡張する拡張ステップ38を、それらのステップ面が同じ高さになる状態で配備してある。左右の拡張ステップ38の後方には、苗載台12への苗補給時やホッパ17への肥料補給時に踏み台として使用可能な補助ステップ39を配備してある。
【0037】
施肥フレーム26の固定フレーム部28は、走行車体1に連結する下端の連結部分28Aが後部ステップ37よりも車体後方側に位置するように、その下部側が上部側よりも車体後方側に位置する状態に屈曲させてある。これにより、後部ステップ37に固定フレーム部挿通用の開口などを形成することなく、固定フレーム部28を、その上端部で揺動フレーム部27の前端部分を受け止め支持することが可能な状態で装備することができる。
【0038】
図1〜3、図5及び図6に示すように、走行車体1の後部には、その後部に備えた後部ステップ37及び左右の補助ステップ39などを後方から囲む状態となる平面視「U」字状に形成して、左右の拡張ステップ38における横方向の車体外側の後端部にわたって架設した丸パイプ材などからなる手摺り40を装備してある。手摺り40は、左右の補助ステップ39に対する横方向の車体外側に固定装備した左右の横手摺り部41の後部に、それらにわたる横長で施肥装置5の左右のホッパ17を後方から囲むことが可能な形状に形成した後手摺り部42を、左右の連結部材43を介して高さ調節可能に連結して構成してある。
【0039】
左右の横手摺り部41は、左右のホッパ17の前端部横外方箇所で起立する起立部分41Aと、この起立部分41Aの下端から前下方の左右の拡張ステップ38との連結箇所に向けて延出する延出部分としての前下がり傾斜部分41Bとを有するように形成してある。
【0040】
左右の連結部材43は、横手摺り部41と後手摺り部42との連結箇所における車体外側部分を覆う外側部材43Aと車体内側部分を覆う内側部材43Bとに左右に分割可能な2分割構造の鋳物製である。外側部材43A及び内側部材43Bには、横手摺り部41又は後手摺り部42の連結箇所に接合する凹部43Aa,43Baと、横手摺り部41の連結箇所に上下に一定間隔をあけて穿設した4つの係合孔41C又は後手摺り部42の連結箇所に一定間隔をあけて穿設した上下一対の係合孔42Aに係入する上下一対の係合突起43Ab,43Bbとを形成してある。外側部材43Aの前後中間部には、ボルト頭部埋設用の大径部を備えたボルト挿通用の貫通孔43Acを形成してある。内側部材43Bの前後中間部にはネジ孔43Bcを形成してある。
【0041】
上記の構成から、手摺り40は、後手摺り部42の高さ位置を、後手摺り部42の横向き部分42Bが施肥装置5のホッパ上端よりも上方に位置して左右のホッパ17及び各上部ケース22の後方への開放揺動を許容するミッドマウント施肥仕様の高さ位置(図1及び図3参照)と、ミッドマウント施肥仕様での高さ位置よりも低い施肥無し仕様などの高さ位置(図5参照)とに、車体横外側からのボルト操作で容易に変更することができる。
【0042】
又、後手摺り部42の高さ変更を車体横外側からのボルト操作で容易に行えるようにしながらも、ボルト頭部が車体横外方に突出しない見栄えの良い状態にすることができる(図6参照)。
【0043】
図1、図2及び図7〜9に示すように、走行車体1の前部において、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側には、それぞれ、3枚の予備苗を育苗箱ごと載置する予備苗載置装置44を配備してある。左右の予備苗載置装置44は、走行車体1から延出した支持フレーム45の上端部に予備苗載置部46を高さ調節可能にボルト連結して構成してある。
【0044】
支持フレーム45は、前部フレーム7から延出した丸パイプ材からなる前支柱47、及び、前車軸ケース6に立設したブラケット48から延出した丸パイプ材からなる後支柱49、などを備えて構成してある。
【0045】
予備苗載置部46は、前後の支柱47,48の上端部にそれらにわたる状態で高さ調節可能にボルト連結した丸パイプ材などからなる固定フレーム50と、固定フレーム50の左右の前端部に左右一対で左右向きの連結軸51を介してそれらの連結軸51を支点にした相対揺動が可能となるように連結した丸パイプ材などからなる前可動フレーム52と、固定フレーム50の左右の後端部に左右一対で左右向きの連結軸53を介してそれらの連結軸53を支点にした相対揺動が可能となるように連結した丸パイプ材などからなる後可動フレーム54とを備えている。
【0046】
各フレーム50,52,54の上面には、予備苗の左右方向への移動を阻止しながら前後方向への移動を許容する前後方向視「U」字状に形成した樹脂製の予備苗台55をビス止めしてある。各予備苗台55には、予備苗の前後方向での移動を円滑にする6つのローラ56を装備してある。
【0047】
固定フレーム50の左右の前端部及び前可動フレーム52の左右の後端部は、それらを連結する左右の連結軸51の高さ位置が、固定フレーム50の予備苗台55に対する上方への前可動フレーム52の予備苗台55の折り重なりを許容する高さ位置となるように、固定フレーム50と前可動フレーム52とが前後に並ぶ状態において斜め上向きに延出する形状に屈曲形成してある。又、固定フレーム50の左右の後端部及び後可動フレーム54の左右の前端部は、それらを連結する左右の連結軸53の高さ位置が、固定フレーム50の予備苗台55の上方に折り重ねた前可動フレーム52の予備苗台55に対する上方への後可動フレーム54の予備苗台55の折り重なりを許容する高さ位置となるように、固定フレーム50と後可動フレーム54とが前後に並ぶ状態において斜め上向きに延出する形状に屈曲形成してある。
【0048】
固定フレーム50は、その左右中央の前端部と後端部のそれぞれに、前可動フレーム52又は後可動フレーム54との当接で、前可動フレーム52又は後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持する平面視「U」字状の受止具57,58を装備してある。そして、前可動フレーム52及び後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持させた状態では、各フレーム50,52,54に備えた各予備苗台55の載置面が段差のない状態で前後に並ぶように構成してある。
【0049】
つまり、左右の予備苗載置装置44において、それらの予備苗載置部46は、前後の可動フレーム52,54をそれらが固定フレーム50の上方に折り重なる折り畳み姿勢に揺動操作することで、前後の可動フレーム52,54の予備苗台55を固定フレーム50の予備苗台55に対して上方に折り重ねた折り畳み状態とすることができ、又、前後の可動フレーム52,54をそれらが固定フレーム50の前後に位置する展開姿勢に揺動操作することで、各フレーム52,54,56の予備苗台55をそれらの載置面において段差が生じない状態で一直線上に前後に並べた展開状態とすることができるように構成してある。
【0050】
左右の予備苗載置部46において、それらの展開状態での前可動フレーム52の前端と後可動フレーム54の後端には、展開状態の予備苗載置部46の前後両端からの予備苗の脱落を阻止するストッパ59,60を配備してある。そして、後可動フレーム54のストッパ60は、後可動フレーム54に備えた予備苗台55の後端に位置する退避位置と、その後方に位置する手摺り40の横手摺り部41における前上部側の起立部分41Aに近接する後方延出位置とにわたる出退移動が可能となるように、後可動フレーム54に前後摺動可能に備えた摺動部材61の後端に装備してある。
【0051】
左右の予備苗載置部46は、それらの展開状態では、それらの車体内側の前端での離間距離L1が搭乗ステップ35の左右幅W1と同じ又は略同じ長さになり、かつ、それらの車体内側の後端での離間距離L2が走行車体1の後端部に搭載した施肥装置5の左右幅W2と同じ又は略同じ長さになり、更に、それらの車体外側の後端での離間距離L3が苗植付装置4の左右幅W3と同じ又は略同じ長さになって、平面視においては、搭乗ステップ35及び左右の乗降ステップ36とは重なり合わずに、左右の拡張ステップ30における車体横方向の外側端部と重なり合う先窄まり姿勢で、それらの後端が手摺り40の左右の前端に近接した状態となり、又、前後方向視においては、それらが手摺り40と重なり合う状態となるように構成してある。
【0052】
そして、それらの後端のストッパ60が後方延出位置に位置するように後可動フレーム54の摺動部材61を後方に延出させた状態では、それらの後部が手摺り40の横手摺り部41における前下部側の前下がり傾斜部分41Bと平面視で重なり合って、それらの後端が横手摺り部41における前上部側の起立部分41Aに近接するように構成してある。
【0053】
上記の構成から、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側に配備した左右の予備苗載置装置44は、それらの予備苗載置部46を折り畳み状態から展開状態に切り換えた植え付け作業中においては、田植機全体としての左右幅を大きくすることなく、搭乗ステップ上の領域、左右の乗降ステップ上の領域、及び、左右の拡張ステップ上の領域のうちの車体内側領域のそれぞれを予備苗供給用の作業領域として確保しながら、左右の予備苗載置部46を走行車体1の前方箇所から車体後部の手摺り40にわたる前後長さの長い状態にすることができる。
【0054】
これにより、左右の予備苗載置部46に載置した各予備苗を苗載台12に供給する場合には、予備苗載置部46に沿った予備苗供給用の作業領域での作業で、各予備苗を、予備苗載置部46に載置した状態のまま、車体前側から車体後方の苗載台12の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができ、その搬送後は、後部ステップ37又は左右の補助ステップ39を踏み台として利用しながら、又、手摺り40を使用しながら、苗載台12に簡単に供給することができる。
【0055】
又、左右の予備苗載置部46を展開状態とした植え付け作業中に左右のホッパ17に対して肥料を補給する場合において、左右の予備苗載置部46が邪魔になる虞を防止することができる。
【0056】
図1に示すように、左右の各予備苗載置装置44における前側の受止具46は、予備苗載置部46の折り畳み状態においては、予備苗載置部46から前方に延出することで、走行車体1の前端部からの乗降を行い易くする取っ手として利用することができる。又、後側の受止具47は、予備苗載置部46の折り畳み状態においては、予備苗載置部46から後方に延出することで、走行車体1の横側部からの乗降を行い易くする取っ手として利用することができる。
【0057】
図7〜9に示すように、固定フレーム50の左右の前端部及び前可動フレーム52の左右の後端部には、前可動フレーム52を、その上面の予備苗台55に予備苗を載置した状態で前可動フレーム52の車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢での固定保持を可能にする貫通孔50A,52Aを穿設してあり、これらの貫通孔50A,52Aに連結ピン62を挿通して抜け止めすることで、前可動フレーム52を前上がり傾斜姿勢で固定保持することができる。
【0058】
固定フレーム50の左右の前端部及び後可動フレーム54の左右の後端部には、後可動フレーム54を、その上面の予備苗台55に予備苗を載置した状態で後可動フレーム54の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢での固定保持を可能にする貫通孔50B,54Aを穿設してあり、これらの貫通孔50B,54Aに連結ピン63を挿通して抜け止めすることで、後可動フレーム54を後上がり傾斜姿勢で固定保持することができる。
【0059】
つまり、固定フレーム50における前側の左右の貫通孔50Aと前可動フレーム52の左右の貫通孔52Aと左右の連結ピン62により、前可動フレーム52とともにそれに備えた予備苗台55を、予備苗の載置が可能な状態でありながら、その前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢に固定保持する固定手段64を構成してある。
【0060】
又、固定フレーム50における後側の左右の貫通孔50Bと後可動フレーム54の左右の貫通孔54Aと左右の連結ピン63により、後可動フレーム54とともにそれに備えた予備苗台55を、予備苗の載置が可能な状態でありながら、その後方への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢に固定保持する固定手段65を構成してある。
【0061】
上記の構成から、左右の各予備苗載置部46の全体にそれぞれ3枚の予備苗を載置した状態において走行車体1の前端部から乗降する場合には、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、前可動フレーム52の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、ボンネット34と左右の予備苗載置部46との間及び左右の予備苗載置部46の間に形成される車体前側の乗降空間を広くすることができ、走行車体1の前端部からの乗降を行い易くすることができる。
【0062】
又、左右の各予備苗載置部46の全体にそれぞれ3枚の予備苗を載置した状態において走行車体1の横側部から乗降する場合には、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを後上がり傾斜姿勢で固定保持することで、後可動フレーム54の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、左右の補助ステップ39と左右の予備苗載置部46との間に形成される車体横側の乗降空間を広くすることができ、走行車体1の横側部からの乗降を行い易くすることができる。
【0063】
更に、圃場際に電柱などが立設された圃場で植え付け作業を行う場合には、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、前可動フレーム52の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、左右の各予備苗載置部46の車体前方への張り出し量を減少させることができ、左右の予備苗載置部46を展開状態とする植え付け作業での畦際旋回時に、左右の予備苗載置部46が圃場際の電柱などに接触する不都合の発生を抑制することができる。
【0064】
〔別実施形態〕
【0065】
〔1〕図10に示すように、乗用田植機としては、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側にそれぞれ配備した予備苗載置装置44の予備苗台55の下方に、ペースト状の肥料を貯留する肥料タンク66を配備することなどでペースト施肥仕様に構成したものであってもよい。そして、この構成では、肥料タンク66の前端上部に備えた補給口66Aから予備タンク67の肥料を補給する場合に、その上方の各予備苗台55に予備苗を載置した状態であったとしても、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、肥料タンク66と前可動フレーム52及び予備苗台55との間に肥料補給用の空間を確保することができ、予備タンク67から肥料タンク66への肥料補給を簡単に行うことができる。
【0066】
〔2〕左右の予備苗載置装置44としては、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段64のみを備えたもの、又は、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段65のみを備えたものであってもよい。
【0067】
〔3〕左右の予備苗載置装置44としては、予備苗載置部46を、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した固定フレーム50、固定フレーム50の左右の前端部に左右一対で左右向きの連結軸51を介してそれらの連結軸51を支点にした相対揺動が可能となるように連結した前可動フレーム52、及び、それらの上面にビス止めした予備苗台55などによって、折り畳み状態と展開状態とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0068】
〔4〕左右の予備苗載置装置44としては、予備苗載置部46を、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した固定フレーム50、固定フレーム50の左右の後端部に左右一対で左右向きの連結軸53を介してそれらの連結軸53を支点にした相対揺動が可能となるように連結した後可動フレーム54、及び、それらの上面にビス止めした予備苗台55などによって、折り畳み状態と展開状態とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0069】
〔5〕図11及び図12に示すように、左右の予備苗載置装置44としては、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した支持部材68、支持部材68の左右両端部に左右一対で左右向きの連結軸69を介してそれらの連結軸69を支点にした相対揺動が可能となるように連結した前可動フレーム52と後可動フレーム54、及び、それら前後の可動フレーム52,54の上面にビス止めした予備苗台55などによって、前可動フレーム52に後可動フレーム54を折り重ねた前折り畳み状態〔図12の(a)参照〕と、後可動フレーム54に前可動フレーム52を折り重ねた後折り畳み状態〔図12の(b)参照〕と、展開状態〔図12の(c)参照〕とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢〔図12の(d)参照〕で固定保持することができ、かつ、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢〔図12の(d)参照〕で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0070】
尚、図11及び図12に示す符号70は、前可動フレーム52及び後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持する受止具である。そして、この構成では、前側の固定手段64を、前可動フレーム52に穿設した貫通孔52Aと、支持部材68の前側に穿設した貫通孔68Aと、それらに挿通する連結ピン62とで構成してある。又、後側の固定手段65を、後可動フレーム54に穿設した貫通孔54Aと、支持部材68の後側に穿設した貫通孔68Bと、それらに挿通する連結ピン63とで構成してある。
【0071】
〔6〕左右の予備苗載置装置44としては、それらにおける車体内側の横側部のみに固定手段64,65を装備するように構成して、搭乗した運転者による固定手段64,65の操作を行い易くしたものであってもよい。
【0072】
〔7〕乗用田植機としては、搭乗ステップ35及び乗降ステップ36に対する横方向の車体外側に拡張ステップ38を配備していないものであってもよい。そして、このような乗用田植機においては、左右の予備苗載置装置44を、それらの展開状態では、各予備苗台55の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する乗降ステップ36の車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように構成して、走行車体1の左右で一直線上に前後に並ぶ複数の予備苗台55の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成することが考えられる。
【0073】
〔8〕固定手段64,65の構成は種々の変更が可能であり、例えば、固定ピンとフック金具で構成したものなどであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る乗用田植機の予備苗載置構造は、走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した粒状施肥仕様やペースト施肥仕様あるいは施肥無し仕様などの乗用田植機に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 走行車体
3 リンク機構
4 苗植付装置
36 乗降ステップ
37 苗補給用のステップ(後部ステップ)
39 苗補給用のステップ(補助ステップ)
40 手摺り
41B 延出部分
44 予備苗載置装置
55 予備苗台
64 固定手段
65 固定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用田植機の予備苗載置構造としては、前後の予備苗台(予備苗載せ台)を予備苗載置用の倒伏姿勢から上方に90度程度まで揺動させた起立姿勢での保持を可能にする角度保持機構を備えて、前後の予備苗台を倒伏姿勢と起立姿勢とに切り換え可能に構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−261364号公報(段落番号0050、図4、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態では、予備苗の脱落を招くことから前後の予備苗台を起立姿勢に切り換えることができず、そのため、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態で乗降する必要が生じた場合には、前後の予備苗台が倒伏姿勢であることで制限された乗降空間から乗降する、あるいは、前後の予備苗台から予備苗を取り出して前後の予備苗台を起立姿勢に切り換えてから乗降することになり、乗降性の向上を図る上において改善の余地がある。
【0005】
又、前後の予備苗台を倒伏姿勢に切り換えた状態では、前側の予備苗台が走行車体の前方に大きく張り出すようになっており、そして、全ての予備苗台に予備苗を載置している状態では、その張り出し量を減少させることができないことから、圃場際に電柱などが立設されている圃場での植え付け作業においては、その電柱などが隣接する畦際で車体を旋回させる場合に前側の予備苗台を電柱などに接触させる虞がある。そのため、植え付け作業での畦際旋回を慎重に行う必要が生じることになり、作業効率の向上を図る上において改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、予備苗載置構造に簡単な改良を施して乗降性及び作業効率の向上を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置装置に、少なくとも、前記展開状態で最前に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段と、前記展開状態で最後に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段とのいずれか一つを装備してある。
【0008】
第1の発明によると、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合は、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢に切り換えることで、予備苗を載置した状態のままで最前の予備苗台の車体前方への張り出し量を減少させることができる。
【0009】
これにより、左右の乗降ステップを利用して走行車体の前端部から乗降する際の乗降空間において最前の予備苗台によって制限される範囲を減少させることができる。又、圃場際に電柱などが立設されている圃場での植え付け作業において、その電柱などが隣接する畦際で車体を旋回させる場合に最前の予備苗台が電柱などに接触し難くなる。
【0010】
一方、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合は、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢に切り換えることで、予備苗を載置した状態のままで最後の予備苗台の後方への張り出し量を減少させることができる。
【0011】
これにより、走行車体の横側端部から乗降する際の乗降空間において最後の予備苗台によって制限される範囲を減少させることができる。
【0012】
従って、最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合には車体前端部からの乗降性及び作業効率の向上を図ることができ、又、最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段を装備した場合には車体横側端部からの乗降性の向上を図ることができ、更に、双方の固定手段を装備した場合には車体前端部及び車体横側端部からの乗降性並びに作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記固定手段を、前記予備苗載置装置における車体内側の横側部に装備してある。
【0014】
第2の発明によると、固定手段を予備苗載置装置における車体外側の横側部に装備する場合に比較して、搭乗した運転者による固定手段の操作が行い易くなり、これにより、乗降性及び作業効率の向上を更に図ることができる。
【0015】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、
前記走行車体の後部に、その後部に備えた苗補給用のステップを後方から囲む状態となる平面視U字状に形成した手摺りを備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台の後端が前記手摺りの左右両端部に近接するように構成してある。
【0016】
第3の発明によると、左右の予備苗台に載置した各予備苗を苗載台に供給する場合には、各予備苗を、予備苗台に載置した状態のまま、車体前側から車体後方の苗植付装置の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができ、その搬送後は、苗補給用のステップ及び手摺りを使用しながら苗植付装置に簡単に供給することができる。
【0017】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を向上させることができる。
【0018】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記手摺りの左右両端部に、それらの前下方に設けた車体側との連結箇所に向けて延出する延出部分を備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台が前記延出部分と平面視で重なり合うように構成してある。
【0019】
第4の発明によると、予備苗載置装置の展開状態では、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給時には使用しない手摺りにおける下側の延出部分の上方に最後の予備苗台を位置させることができ、これにより、最後の予備苗台を車体後方の苗植付装置に更に近づけた状態にすることができる。
【0020】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を更に向上させることができる。
【0021】
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、
前記展開状態では、前記複数の予備苗台の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する前記乗降ステップの車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように、前記予備苗載置装置を構成して、前記走行車体の左右で一直線上に前後に並ぶ前記複数の予備苗台の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成してある。
【0022】
第5の発明によると、予備苗載置装置を展開状態に切り換えた植え付け作業中においては、左右の乗降ステップ上の領域を予備苗供給用の作業領域として確保することができる。
【0023】
これにより、左右の予備苗台に載置した各予備苗を苗植付装置に供給する場合には、前後に並ぶ予備苗台に沿った予備苗供給用の作業領域での作業で、各予備苗を、予備苗台に載置した状態のままで、車体前側から車体後方の苗植付装置の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができる。
【0024】
従って、予備苗載置装置から苗植付装置への予備苗供給作業での作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ミッドマウント施肥仕様の乗用田植機の全体左側面図である。
【図2】ミッドマウント施肥仕様の乗用田植機の全体平面図である。
【図3】車体後部の構成を示す要部の左側面図である。
【図4】繰出機構の構成を示す要部の縦断左側面図である。
【図5】手摺りの構成を示す要部の左側面図である。
【図6】手摺りの連結部材の構成を示す要部の横断平面図である。
【図7】予備苗載置装置の展開状態を示す要部の平面図である。
【図8】予備苗載置装置の展開状態を示す要部の左側面図である。
【図9】最前の予備苗台を前上がり傾斜姿勢で固定保持し最後の予備苗台を後上がり傾斜姿勢で固定保持した状態を示す要部の左側面図である。
【図10】本発明をペースト施肥仕様の乗用田植機に採用した別実施形態での要部の左側面図である。
【図11】予備苗載置装置を予備苗2枚載置仕様に構成した別実施形態での要部の左側面図である。
【図12】予備苗載置装置を予備苗2枚載置仕様に構成した別実施形態での予備苗台の各姿勢切り換え状態を示す要部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る乗用田植機の予備苗載置構造を、乗用田植機の一例であるミッドマウント施肥仕様の6条植え乗用田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する乗用田植機は、4輪駆動型に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動で上下揺動する平行四連リンク式のリンク機構3を装備し、このリンク機構3の後端部に6条用の苗植付装置4を連結してある。又、走行車体1の後端部に6条用の施肥装置5を搭載してある。そして、これらによって最大6条の植え付け及び施肥が可能な6条植え用のミッドマウント施肥仕様に構成してある。
【0028】
走行車体1は、前車軸ケース6よりも車体前側に配備した前部フレーム7にエンジン8を防振搭載してあり、このエンジン8からの動力を主変速装置としての静油圧式無段変速装置(図示せず)にベルト伝動し、静油圧式無段変速装置による変速後の動力を、トランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)9の内部において走行用と作業用とに分岐する。そして、走行用の動力は、T/Mケース9に副変速装置として内蔵した走行用のギア式変速装置(図示せず)などを介して左右の前輪10及び左右の後輪11に伝達する。又、作業用の動力は、T/Mケース9に株間変速装置として内蔵した作業用のギア式変速装置(図示せず)及び植付クラッチ(図示せず)などを介して苗植付装置4に伝達する。施肥装置5には、走行用のギア式変速装置による変速後の動力を施肥作業用として伝達してある。
【0029】
苗植付装置4は、走行車体1からの作業用の動力により、最大6条のマット状苗を載置する苗載台12が横送り機構(図示せず)の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動するように構成してある。又、苗載台12の各マット状苗に対応して左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したロータリ式の6基の植付機構13が、苗載台12の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート14で整地した圃場の泥土部に植え付け供給するように構成してある。そして、苗載台12が左右のストローク端に到達するごとにベルト式の縦送り機構15が作動して、苗載台12に載置した各マット状苗を苗載台12の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0030】
図1〜4に示すように、施肥装置5は、施肥作業用の動力で走行車体1の後端部に搭載した4基の繰出機構16が作動して、それらの上部に連通装備した左右のホッパ17に貯留した粒状肥料をホッパ17から所定量ずつ繰り出すように構成してある。又、走行車体1の後端部に配備した電動式のブロワ18が走行車体1からの電力で作動して搬送風を発生させることで、各繰出機構16が繰り出した粒状肥料を、ブロワ18から給気管19を介して供給される搬送風に乗せて、各繰出機構16に連通接続した施肥ホース20を介して、各整地フロート14の左右両側部にそれぞれ備えた作溝器21のうちの対応するものに供給し、各作溝器21により圃場の泥土内に埋没させるように構成してある。
【0031】
各繰出機構16は、最大2条の粒状肥料を繰り出すことが可能な2条用に構成してある。そして、左右両端の繰出機構16が2条の粒状肥料の繰り出しを行い、左右中央側の2つの繰出機構16が1条の粒状肥料の繰り出しを行うように設定することで、4基の繰出機構16で6条の粒状肥料の繰り出しを行うように構成してある。
【0032】
各繰出機構16において、左右のホッパ17に連通接続した上部ケース22は、吸気管20及び施肥ホース20に連通接続した下部ケース23に、それらの後端部に形成した係合部24を支点にした上下方向への開閉揺動が可能となる状態に連結してある。下部ケース23には、その側面に突設した左右向きの支軸部23Aを支点にした揺動操作で上部ケース22に備えた係合部22Aに係合することで上部ケース22を閉じ位置に係合保持するロックアーム25を備えてある。
【0033】
左右のホッパ17及び各繰出機構16の上部ケース22は、走行車体1の後部に装備した施肥フレーム26で支持してある。施肥フレーム26は、左右のホッパ17及び各上部ケース22を開閉揺動可能に支持する揺動フレーム部27と、各上部ケース22の閉じ状態において揺動フレーム部27の前端部分を受け止め支持する固定フレーム部28と、揺動フレーム部27の閉じ状態での固定フレーム部28との係合保持を可能にするロック機構(図示せず)とを備えている。
【0034】
つまり、ロック機構及びロックアーム25を解除操作して上部ケース22を揺動フレーム部27とともに開放揺動させることで、各繰出機構16の内部に備えた繰出ロール29の清掃やブラシ30の交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0035】
図1及び図3に示すように、施肥フレーム26の揺動フレーム部27は、その揺動支点となる左右向きの支軸部分27Aを、左右のホッパ17及び各繰出機構16の重心に近くなるように車体前側に変位させてある。これにより、上部ケース22及び揺動フレーム部27の後方への開放揺動操作が行い易くなっている。
【0036】
図1〜3に示すように、走行車体1の後半部には搭乗運転部31を形成してある。搭乗運転部31には、前輪操舵用のステアリングホイール32及び運転座席33などを配備してある。搭乗運転部31において、エンジン8を覆うボンネット34の後方箇所には施肥装置5よりも左右幅の狭い搭乗ステップ35を敷設してある。又、ボンネット34の左右の横外側には、走行車体1の前端部からの乗降を可能にする乗降ステップ36を搭乗ステップ35と同じ高さで搭乗ステップ35に連なる状態で敷設してある。走行車体1の後部には、苗載台12への苗補給時やホッパ17への肥料補給時に踏み台として使用可能な後部ステップ37を敷設してある。搭乗ステップ35及び乗降ステップ36に対する横方向の車体外側には、搭乗領域の左右幅を施肥装置5よりも幅広に拡張する拡張ステップ38を、それらのステップ面が同じ高さになる状態で配備してある。左右の拡張ステップ38の後方には、苗載台12への苗補給時やホッパ17への肥料補給時に踏み台として使用可能な補助ステップ39を配備してある。
【0037】
施肥フレーム26の固定フレーム部28は、走行車体1に連結する下端の連結部分28Aが後部ステップ37よりも車体後方側に位置するように、その下部側が上部側よりも車体後方側に位置する状態に屈曲させてある。これにより、後部ステップ37に固定フレーム部挿通用の開口などを形成することなく、固定フレーム部28を、その上端部で揺動フレーム部27の前端部分を受け止め支持することが可能な状態で装備することができる。
【0038】
図1〜3、図5及び図6に示すように、走行車体1の後部には、その後部に備えた後部ステップ37及び左右の補助ステップ39などを後方から囲む状態となる平面視「U」字状に形成して、左右の拡張ステップ38における横方向の車体外側の後端部にわたって架設した丸パイプ材などからなる手摺り40を装備してある。手摺り40は、左右の補助ステップ39に対する横方向の車体外側に固定装備した左右の横手摺り部41の後部に、それらにわたる横長で施肥装置5の左右のホッパ17を後方から囲むことが可能な形状に形成した後手摺り部42を、左右の連結部材43を介して高さ調節可能に連結して構成してある。
【0039】
左右の横手摺り部41は、左右のホッパ17の前端部横外方箇所で起立する起立部分41Aと、この起立部分41Aの下端から前下方の左右の拡張ステップ38との連結箇所に向けて延出する延出部分としての前下がり傾斜部分41Bとを有するように形成してある。
【0040】
左右の連結部材43は、横手摺り部41と後手摺り部42との連結箇所における車体外側部分を覆う外側部材43Aと車体内側部分を覆う内側部材43Bとに左右に分割可能な2分割構造の鋳物製である。外側部材43A及び内側部材43Bには、横手摺り部41又は後手摺り部42の連結箇所に接合する凹部43Aa,43Baと、横手摺り部41の連結箇所に上下に一定間隔をあけて穿設した4つの係合孔41C又は後手摺り部42の連結箇所に一定間隔をあけて穿設した上下一対の係合孔42Aに係入する上下一対の係合突起43Ab,43Bbとを形成してある。外側部材43Aの前後中間部には、ボルト頭部埋設用の大径部を備えたボルト挿通用の貫通孔43Acを形成してある。内側部材43Bの前後中間部にはネジ孔43Bcを形成してある。
【0041】
上記の構成から、手摺り40は、後手摺り部42の高さ位置を、後手摺り部42の横向き部分42Bが施肥装置5のホッパ上端よりも上方に位置して左右のホッパ17及び各上部ケース22の後方への開放揺動を許容するミッドマウント施肥仕様の高さ位置(図1及び図3参照)と、ミッドマウント施肥仕様での高さ位置よりも低い施肥無し仕様などの高さ位置(図5参照)とに、車体横外側からのボルト操作で容易に変更することができる。
【0042】
又、後手摺り部42の高さ変更を車体横外側からのボルト操作で容易に行えるようにしながらも、ボルト頭部が車体横外方に突出しない見栄えの良い状態にすることができる(図6参照)。
【0043】
図1、図2及び図7〜9に示すように、走行車体1の前部において、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側には、それぞれ、3枚の予備苗を育苗箱ごと載置する予備苗載置装置44を配備してある。左右の予備苗載置装置44は、走行車体1から延出した支持フレーム45の上端部に予備苗載置部46を高さ調節可能にボルト連結して構成してある。
【0044】
支持フレーム45は、前部フレーム7から延出した丸パイプ材からなる前支柱47、及び、前車軸ケース6に立設したブラケット48から延出した丸パイプ材からなる後支柱49、などを備えて構成してある。
【0045】
予備苗載置部46は、前後の支柱47,48の上端部にそれらにわたる状態で高さ調節可能にボルト連結した丸パイプ材などからなる固定フレーム50と、固定フレーム50の左右の前端部に左右一対で左右向きの連結軸51を介してそれらの連結軸51を支点にした相対揺動が可能となるように連結した丸パイプ材などからなる前可動フレーム52と、固定フレーム50の左右の後端部に左右一対で左右向きの連結軸53を介してそれらの連結軸53を支点にした相対揺動が可能となるように連結した丸パイプ材などからなる後可動フレーム54とを備えている。
【0046】
各フレーム50,52,54の上面には、予備苗の左右方向への移動を阻止しながら前後方向への移動を許容する前後方向視「U」字状に形成した樹脂製の予備苗台55をビス止めしてある。各予備苗台55には、予備苗の前後方向での移動を円滑にする6つのローラ56を装備してある。
【0047】
固定フレーム50の左右の前端部及び前可動フレーム52の左右の後端部は、それらを連結する左右の連結軸51の高さ位置が、固定フレーム50の予備苗台55に対する上方への前可動フレーム52の予備苗台55の折り重なりを許容する高さ位置となるように、固定フレーム50と前可動フレーム52とが前後に並ぶ状態において斜め上向きに延出する形状に屈曲形成してある。又、固定フレーム50の左右の後端部及び後可動フレーム54の左右の前端部は、それらを連結する左右の連結軸53の高さ位置が、固定フレーム50の予備苗台55の上方に折り重ねた前可動フレーム52の予備苗台55に対する上方への後可動フレーム54の予備苗台55の折り重なりを許容する高さ位置となるように、固定フレーム50と後可動フレーム54とが前後に並ぶ状態において斜め上向きに延出する形状に屈曲形成してある。
【0048】
固定フレーム50は、その左右中央の前端部と後端部のそれぞれに、前可動フレーム52又は後可動フレーム54との当接で、前可動フレーム52又は後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持する平面視「U」字状の受止具57,58を装備してある。そして、前可動フレーム52及び後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持させた状態では、各フレーム50,52,54に備えた各予備苗台55の載置面が段差のない状態で前後に並ぶように構成してある。
【0049】
つまり、左右の予備苗載置装置44において、それらの予備苗載置部46は、前後の可動フレーム52,54をそれらが固定フレーム50の上方に折り重なる折り畳み姿勢に揺動操作することで、前後の可動フレーム52,54の予備苗台55を固定フレーム50の予備苗台55に対して上方に折り重ねた折り畳み状態とすることができ、又、前後の可動フレーム52,54をそれらが固定フレーム50の前後に位置する展開姿勢に揺動操作することで、各フレーム52,54,56の予備苗台55をそれらの載置面において段差が生じない状態で一直線上に前後に並べた展開状態とすることができるように構成してある。
【0050】
左右の予備苗載置部46において、それらの展開状態での前可動フレーム52の前端と後可動フレーム54の後端には、展開状態の予備苗載置部46の前後両端からの予備苗の脱落を阻止するストッパ59,60を配備してある。そして、後可動フレーム54のストッパ60は、後可動フレーム54に備えた予備苗台55の後端に位置する退避位置と、その後方に位置する手摺り40の横手摺り部41における前上部側の起立部分41Aに近接する後方延出位置とにわたる出退移動が可能となるように、後可動フレーム54に前後摺動可能に備えた摺動部材61の後端に装備してある。
【0051】
左右の予備苗載置部46は、それらの展開状態では、それらの車体内側の前端での離間距離L1が搭乗ステップ35の左右幅W1と同じ又は略同じ長さになり、かつ、それらの車体内側の後端での離間距離L2が走行車体1の後端部に搭載した施肥装置5の左右幅W2と同じ又は略同じ長さになり、更に、それらの車体外側の後端での離間距離L3が苗植付装置4の左右幅W3と同じ又は略同じ長さになって、平面視においては、搭乗ステップ35及び左右の乗降ステップ36とは重なり合わずに、左右の拡張ステップ30における車体横方向の外側端部と重なり合う先窄まり姿勢で、それらの後端が手摺り40の左右の前端に近接した状態となり、又、前後方向視においては、それらが手摺り40と重なり合う状態となるように構成してある。
【0052】
そして、それらの後端のストッパ60が後方延出位置に位置するように後可動フレーム54の摺動部材61を後方に延出させた状態では、それらの後部が手摺り40の横手摺り部41における前下部側の前下がり傾斜部分41Bと平面視で重なり合って、それらの後端が横手摺り部41における前上部側の起立部分41Aに近接するように構成してある。
【0053】
上記の構成から、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側に配備した左右の予備苗載置装置44は、それらの予備苗載置部46を折り畳み状態から展開状態に切り換えた植え付け作業中においては、田植機全体としての左右幅を大きくすることなく、搭乗ステップ上の領域、左右の乗降ステップ上の領域、及び、左右の拡張ステップ上の領域のうちの車体内側領域のそれぞれを予備苗供給用の作業領域として確保しながら、左右の予備苗載置部46を走行車体1の前方箇所から車体後部の手摺り40にわたる前後長さの長い状態にすることができる。
【0054】
これにより、左右の予備苗載置部46に載置した各予備苗を苗載台12に供給する場合には、予備苗載置部46に沿った予備苗供給用の作業領域での作業で、各予備苗を、予備苗載置部46に載置した状態のまま、車体前側から車体後方の苗載台12の近くまで簡単かつ円滑に搬送することができ、その搬送後は、後部ステップ37又は左右の補助ステップ39を踏み台として利用しながら、又、手摺り40を使用しながら、苗載台12に簡単に供給することができる。
【0055】
又、左右の予備苗載置部46を展開状態とした植え付け作業中に左右のホッパ17に対して肥料を補給する場合において、左右の予備苗載置部46が邪魔になる虞を防止することができる。
【0056】
図1に示すように、左右の各予備苗載置装置44における前側の受止具46は、予備苗載置部46の折り畳み状態においては、予備苗載置部46から前方に延出することで、走行車体1の前端部からの乗降を行い易くする取っ手として利用することができる。又、後側の受止具47は、予備苗載置部46の折り畳み状態においては、予備苗載置部46から後方に延出することで、走行車体1の横側部からの乗降を行い易くする取っ手として利用することができる。
【0057】
図7〜9に示すように、固定フレーム50の左右の前端部及び前可動フレーム52の左右の後端部には、前可動フレーム52を、その上面の予備苗台55に予備苗を載置した状態で前可動フレーム52の車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢での固定保持を可能にする貫通孔50A,52Aを穿設してあり、これらの貫通孔50A,52Aに連結ピン62を挿通して抜け止めすることで、前可動フレーム52を前上がり傾斜姿勢で固定保持することができる。
【0058】
固定フレーム50の左右の前端部及び後可動フレーム54の左右の後端部には、後可動フレーム54を、その上面の予備苗台55に予備苗を載置した状態で後可動フレーム54の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢での固定保持を可能にする貫通孔50B,54Aを穿設してあり、これらの貫通孔50B,54Aに連結ピン63を挿通して抜け止めすることで、後可動フレーム54を後上がり傾斜姿勢で固定保持することができる。
【0059】
つまり、固定フレーム50における前側の左右の貫通孔50Aと前可動フレーム52の左右の貫通孔52Aと左右の連結ピン62により、前可動フレーム52とともにそれに備えた予備苗台55を、予備苗の載置が可能な状態でありながら、その前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢に固定保持する固定手段64を構成してある。
【0060】
又、固定フレーム50における後側の左右の貫通孔50Bと後可動フレーム54の左右の貫通孔54Aと左右の連結ピン63により、後可動フレーム54とともにそれに備えた予備苗台55を、予備苗の載置が可能な状態でありながら、その後方への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢に固定保持する固定手段65を構成してある。
【0061】
上記の構成から、左右の各予備苗載置部46の全体にそれぞれ3枚の予備苗を載置した状態において走行車体1の前端部から乗降する場合には、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、前可動フレーム52の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、ボンネット34と左右の予備苗載置部46との間及び左右の予備苗載置部46の間に形成される車体前側の乗降空間を広くすることができ、走行車体1の前端部からの乗降を行い易くすることができる。
【0062】
又、左右の各予備苗載置部46の全体にそれぞれ3枚の予備苗を載置した状態において走行車体1の横側部から乗降する場合には、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを後上がり傾斜姿勢で固定保持することで、後可動フレーム54の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、左右の補助ステップ39と左右の予備苗載置部46との間に形成される車体横側の乗降空間を広くすることができ、走行車体1の横側部からの乗降を行い易くすることができる。
【0063】
更に、圃場際に電柱などが立設された圃場で植え付け作業を行う場合には、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、前可動フレーム52の予備苗台55に予備苗を載置した状態であっても、予備苗を前可動フレーム52の予備苗台55から脱落させることなく、左右の各予備苗載置部46の車体前方への張り出し量を減少させることができ、左右の予備苗載置部46を展開状態とする植え付け作業での畦際旋回時に、左右の予備苗載置部46が圃場際の電柱などに接触する不都合の発生を抑制することができる。
【0064】
〔別実施形態〕
【0065】
〔1〕図10に示すように、乗用田植機としては、左右の乗降ステップ36に対する横方向の車体外側にそれぞれ配備した予備苗載置装置44の予備苗台55の下方に、ペースト状の肥料を貯留する肥料タンク66を配備することなどでペースト施肥仕様に構成したものであってもよい。そして、この構成では、肥料タンク66の前端上部に備えた補給口66Aから予備タンク67の肥料を補給する場合に、その上方の各予備苗台55に予備苗を載置した状態であったとしても、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを前上がり傾斜姿勢で固定保持することで、肥料タンク66と前可動フレーム52及び予備苗台55との間に肥料補給用の空間を確保することができ、予備タンク67から肥料タンク66への肥料補給を簡単に行うことができる。
【0066】
〔2〕左右の予備苗載置装置44としては、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段64のみを備えたもの、又は、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段65のみを備えたものであってもよい。
【0067】
〔3〕左右の予備苗載置装置44としては、予備苗載置部46を、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した固定フレーム50、固定フレーム50の左右の前端部に左右一対で左右向きの連結軸51を介してそれらの連結軸51を支点にした相対揺動が可能となるように連結した前可動フレーム52、及び、それらの上面にビス止めした予備苗台55などによって、折り畳み状態と展開状態とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0068】
〔4〕左右の予備苗載置装置44としては、予備苗載置部46を、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した固定フレーム50、固定フレーム50の左右の後端部に左右一対で左右向きの連結軸53を介してそれらの連結軸53を支点にした相対揺動が可能となるように連結した後可動フレーム54、及び、それらの上面にビス止めした予備苗台55などによって、折り畳み状態と展開状態とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0069】
〔5〕図11及び図12に示すように、左右の予備苗載置装置44としては、支持フレーム45の上端部に高さ調節可能にボルト連結した支持部材68、支持部材68の左右両端部に左右一対で左右向きの連結軸69を介してそれらの連結軸69を支点にした相対揺動が可能となるように連結した前可動フレーム52と後可動フレーム54、及び、それら前後の可動フレーム52,54の上面にビス止めした予備苗台55などによって、前可動フレーム52に後可動フレーム54を折り重ねた前折り畳み状態〔図12の(a)参照〕と、後可動フレーム54に前可動フレーム52を折り重ねた後折り畳み状態〔図12の(b)参照〕と、展開状態〔図12の(c)参照〕とに切り換え可能で、展開状態において2枚の予備苗を育苗箱ごと載置するように構成したものにおいて、固定手段64により、前可動フレーム52とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で車体前方への張り出し量を減少させることができる前上がり傾斜姿勢〔図12の(d)参照〕で固定保持することができ、かつ、固定手段65により、後可動フレーム54とその上面の予備苗台55とを、予備苗を載置した状態で後方の搭乗運転部31への張り出し量を減少させることができる後上がり傾斜姿勢〔図12の(d)参照〕で固定保持できるように構成したものであってもよい。
【0070】
尚、図11及び図12に示す符号70は、前可動フレーム52及び後可動フレーム54を展開姿勢で受け止め支持する受止具である。そして、この構成では、前側の固定手段64を、前可動フレーム52に穿設した貫通孔52Aと、支持部材68の前側に穿設した貫通孔68Aと、それらに挿通する連結ピン62とで構成してある。又、後側の固定手段65を、後可動フレーム54に穿設した貫通孔54Aと、支持部材68の後側に穿設した貫通孔68Bと、それらに挿通する連結ピン63とで構成してある。
【0071】
〔6〕左右の予備苗載置装置44としては、それらにおける車体内側の横側部のみに固定手段64,65を装備するように構成して、搭乗した運転者による固定手段64,65の操作を行い易くしたものであってもよい。
【0072】
〔7〕乗用田植機としては、搭乗ステップ35及び乗降ステップ36に対する横方向の車体外側に拡張ステップ38を配備していないものであってもよい。そして、このような乗用田植機においては、左右の予備苗載置装置44を、それらの展開状態では、各予備苗台55の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する乗降ステップ36の車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように構成して、走行車体1の左右で一直線上に前後に並ぶ複数の予備苗台55の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成することが考えられる。
【0073】
〔8〕固定手段64,65の構成は種々の変更が可能であり、例えば、固定ピンとフック金具で構成したものなどであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る乗用田植機の予備苗載置構造は、走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した粒状施肥仕様やペースト施肥仕様あるいは施肥無し仕様などの乗用田植機に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 走行車体
3 リンク機構
4 苗植付装置
36 乗降ステップ
37 苗補給用のステップ(後部ステップ)
39 苗補給用のステップ(補助ステップ)
40 手摺り
41B 延出部分
44 予備苗載置装置
55 予備苗台
64 固定手段
65 固定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置装置に、少なくとも、前記展開状態で最前に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段と、前記展開状態で最後に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段とのいずれか一つを装備してある乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項2】
前記固定手段を、前記予備苗載置装置における車体内側の横側部に装備してある請求項1に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項3】
前記走行車体の後部に、その後部に備えた苗補給用のステップを後方から囲む状態となる平面視U字状に形成した手摺りを備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台の後端が前記手摺りの左右両端部に近接するように構成してある請求項1又は2に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項4】
前記手摺りの左右両端部に、それらの前下方に設けた車体側との連結箇所に向けて延出する延出部分を備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台が前記延出部分と平面視で重なり合うように構成してある請求項3に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項5】
前記展開状態では、前記複数の予備苗台の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する前記乗降ステップの車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように、前記予備苗載置装置を構成して、前記走行車体の左右で一直線上に前後に並ぶ前記複数の予備苗台の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項1】
走行車体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を連結し、前記走行車体の前端部からの乗降を可能にする左右の乗降ステップに対する横方向の車体外側にそれぞれ予備苗載置装置を備え、前記予備苗載置装置を、複数の予備苗台を上下に折り重ねた折り畳み状態と一直線上に前後に並べた展開状態とに切り換え可能に構成した乗用田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置装置に、少なくとも、前記展開状態で最前に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な前上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段と、前記展開状態で最後に位置する予備苗台を予備苗の載置が可能な後上がり傾斜姿勢で固定保持する固定手段とのいずれか一つを装備してある乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項2】
前記固定手段を、前記予備苗載置装置における車体内側の横側部に装備してある請求項1に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項3】
前記走行車体の後部に、その後部に備えた苗補給用のステップを後方から囲む状態となる平面視U字状に形成した手摺りを備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台の後端が前記手摺りの左右両端部に近接するように構成してある請求項1又は2に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項4】
前記手摺りの左右両端部に、それらの前下方に設けた車体側との連結箇所に向けて延出する延出部分を備え、
前記展開状態では、最後に位置する予備苗台が前記延出部分と平面視で重なり合うように構成してある請求項3に記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【請求項5】
前記展開状態では、前記複数の予備苗台の車体横方向内側端縁が、前側ほど車体横方向内側に位置する状態で傾斜する前記乗降ステップの車体横方向外側端縁と平面視で略一致する状態となるように、前記予備苗載置装置を構成して、前記走行車体の左右で一直線上に前後に並ぶ前記複数の予備苗台の姿勢が先窄まり姿勢となるように構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の乗用田植機の予備苗載置構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74841(P2013−74841A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216896(P2011−216896)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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