乱流誘発構造体を有する混合ボウル用冷却ジャケット
【課題】混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットが十分な冷却効果を提供する。
【解決手段】冷却ジャケット100は、複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路と、所定の規則的又はランダム状態の態様の何れかにて通路内に配置された複数のピンとを画成する。複数のピンは、冷却表面積を拡張させ、ジャケット100の通路を通って流れる液体冷却剤の対流効果を増加させることにより、混合ボウルのジャケットの冷却能力を増大させる。
【解決手段】冷却ジャケット100は、複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路と、所定の規則的又はランダム状態の態様の何れかにて通路内に配置された複数のピンとを画成する。複数のピンは、冷却表面積を拡張させ、ジャケット100の通路を通って流れる液体冷却剤の対流効果を増加させることにより、混合ボウルのジャケットの冷却能力を増大させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、全体として、練り粉(ドウ)のような粘性の物質を混合するシステム及び装置に関し、より特定的には、混合過程中、混合される物質の温度を制御するために工業用ミキサの混合ボウルの構成要素内に組み込まれた冷却ジャケットに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 混合中に経験する摩擦及び粘性せん断は、通常、混合する物質の温度を上昇させる。この温度上昇は、混合速度の増加と共に、より顕著となり、物質を粘着性にし且つ処理を困難にすることにより、混合過程に悪影響を与える可能性がある。従って、ミキサ、特に、練り粉のミキサには、何らかの型式の温度制御手段が設けられ、これにより、混合すべき物質の温度が所定のレベルに安定化され又は所定の閾値以下に維持されるようにすることが最も効果的となる。例えば、パンの練り粉は、約25.56−26.67℃(約78−80°F)の温度にて混合する必要がある。混合する物質の温度を制御する既知の手段は、ミキサの混合ボウルの構成要素に装着した冷却ジャケットを使用することによる。「クーリングジャケット」とも呼ばれるボウル用冷却ジャケットは、通常、混合ボウルの両端部に対して垂直に配置された多数の冷却剤用通路を含み、該多数の冷却剤用通路は、混合ボウルの輪郭外形の周りに配列されている。選択的に、混合ボウルの両端部にも追加的な冷却剤用通路を含めることができる。
【0003】
[0003] 大型の商業的規模の練り粉ミキサは、主として、混合すべき練り粉のタイプ及び量に基づいて、混合ボウル用冷却ジャケットを備え又は備えずに、製造することができる。ボウル用冷却ジャケットを備えて製造した練り粉ミキサは、「間接的」又は「直接的」冷却機能の何れかを有するものに分類される。間接的な冷却システムは、冷却用流体として冷水、グリコール又は塩水を利用する。この冷却用流体は、最初に、ミキサとは別個の圧縮冷媒システムにより冷却され、次に、ミキサに圧送される。次に、冷却用流体は、混合ボウル用冷却ジャケット内を循環するが、この冷却ジャケットは、通常、混合ボウルの外側に直接取り付けた一連の互いに平行な通路から構成されている。混合過程中に生成された熱は、練り粉から混合ボウルの材料を通じ、その後、冷却用流体中に伝達される。混合過程が完了した後、冷却用流体は、再使用のため、貯蔵タンクに管を通じて戻される。この原理は、「直接的な」冷却システムに適用することもできる。直接的な膨張冷却システムは、冷媒を直接、ミキサの冷却ジャケット内に導入し、混合される練り粉から余剰な熱を除去する。この型式の冷却システムは、通常、圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、受け皿とを含む。ボウル用冷却ジャケットは、この形態において蒸発器として機能し、また、この形態において使用される冷媒のタイプは、通常、R134a及びMP−39を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,275,568号公報
【特許文献2】米国特許第4,159,740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004] 大型の商業的規模の練り粉ミキサは、主として、混合すべき練り粉の型式及び量に基づいて、混合ボウル用冷却ジャケットを備え、また、備えずに製造することができる。商業的規模のミキサと共に使用される冷却システムの性能、すなわち冷却容量は、バッチサイクルの間、混合ボウル内から熱を除去する混合ボウル用冷却ジャケットの能力である。上述したように、混合過程中に生成された熱の主要な源は、練り粉成分の温度、ミキサの周囲の雰囲気温度、及び、練り粉を処理するときの混合ボウル内の摩擦及びせん断力から生成された熱である。幾つかの状況にて、これらの可変要素は、混合ボウル用冷却ジャケットが十分な冷却効果を提供することを困難にし又は不可能にする。この型式のシステム内の熱伝達は、伝導及び対流の双方を含む。対流は、等式q=hAΔTにより規定され、ここにおいて、hは、流体の対流係数cal/h/m2/℃(BTU/sec・in2・°F)であり、Aは、冷却用流体と接触する表面積cm2(in2)である。該対流係数は、流体の組成、温度、速度及び乱流を含む因子により決定される。練り粉の冷却という用途において、対流係数は、最も容易に増大させることができ、それによって、冷却用流体の速度又は冷却用流体の乱流の増加を通じて、練り粉温度を低下させることができる。このように、対流係数を増すことは、特定の混合システム内の温度を低下させる効果的な手段であるから、最小限、混合過程の間、対流係数を増加させる手段を含む、混合ボウルの冷却システムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005] 以下に、本発明の特定の一例としての実施の形態の概要を記載する。この概要は、広範囲に渡る概説ではなく、また、本発明の中核的な又は重要な特徴又は要素を特定し若しくはその範囲を限定することを意図するものではない。
【0007】
[0006] 本発明の1つの特徴に従い、粘性な物質と共に使用される混合システムが提供される。該混合システムは、混合装置と、該混合装置内に取り付けられた混合ボウルとを含む。該混合ボウルは、ボウルシートと、該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを更に含む。該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる複数の通路形成構造体を更に含み、該複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。これらのピンは、ボウルシートの表面に対して垂直に配置されている。冷却ジャケットと流体的に連通した液体冷却剤の源も提供される。
【0008】
[0007] 本発明の別の特徴によれば、混合システムと共に使用される混合ボウルが提供される。この混合ボウルは、ボウルシートと、該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを含む。該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる複数の通路形成構造体を更に含み、複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。これらのピンは、ボウルシートの表面に対して垂直に配置されている。
【0009】
[0008] 本発明の更に別の特徴において、混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットが提供される。この冷却ジャケットは、複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。
【0010】
[0009] 本発明の追加的な特徴及び特色は、一例としての実施の形態の以下の詳細な説明を読み且つ理解することにより、当該技術の当業者に明らかになるであろう。当業者により理解されるように、本発明の範囲及び思想から逸脱することなく、本発明の更なる実施の形態が可能である。従って、図面及び関係した説明は、説明のためであり、性質上、限定的なものではないとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0010] 本明細書に含め且つ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の1つ又はより多くの一例としての実施の形態を概略図的に示し、また、上述した全体的な説明及び以下の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する機能を果たすものである。
【図1】冷却ジャケットが混合ボウルの外側に取り付けられた、一例としての混合ボウルの斜視図である。
【図2】図1の混合ボウル及び冷却ジャケットの側面図である。
【図3】通路内のピンの一例としての配置を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケットの1つの通路の側面図である。
【図4】通路内のピンの、第一の一例としての取り付け状態を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケット2つの通路の断面図である。
【図5】通路内のピンの、第二の一例としての取り付け状態を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケットの2つの通路の断面図である。
【図6】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第一の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図7】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第二の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図8】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第三の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図9】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第四の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図10】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第五の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図11】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第六の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図12】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第七の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023] 本発明の一例としての実施の形態について、図面に関して以下に説明する。色々な要素及び構造体を説明するため、詳細な説明の全体にわたって参照番号を使用する。以下の詳細な説明は、説明の目的のため、多くの特定的な事項に言及するが、当該技術の当業者には、以下の詳細な説明の多数の変更例及び改変例が本発明の範囲に属することが理解されよう。従って、本発明の以下の実施の形態は、権利請求した発明の一般性を何ら失わず且つその発明に何らの限定を付することなく、記述するものである。
【0013】
[0024] 本発明は、商業的ミキサにおいて、混合ボウルに取り付けた混合ボウル用冷却ジャケットと共に通常使用される冷却用流体の乱流を増加させると共に、冷却用流体が接触する、混合ボウル用冷却ジャケットの表面積を増加させる構造的手段を含む、冷却型混合システムに関する。上述したように、本発明の第一の全体的な実施の形態は、粘性物質と共に使用される混合システムを提供する。本発明の第二の全体的な実施の形態は、混合システムと共に使用される混合ボウルを提供する。本発明の第三の全体的な実施の形態は、混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットを提供する。本明細書にて使用した「ピン」という語は、ロッド、ポスト、留め釘、軸、ポール又はピンに類似した何れのものをも意味する。本明細書にて使用した「通路」(チャネル)という語は、液体が流れることのできるパイプライン、導管、容器、又は通路の何れの形態のものをも意味する。次に、図面を参照して、本発明の1つ又はより多くの特定的な実施の形態について以下に詳細に説明する。
【0014】
[0025] 図1−2に示したように、本発明は、米国特許第4,275,568号公報、米国特許第4,159,740号公報(両方とも全ての目的のため、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めるものとする)に記載した型式の大型の商業的又は工業的ミキサと共に使用される、混合ボウル30を含む。混合ボウル30は、通常、混合装置(図面に図示せず)内に取り付けられており、また、ボウル用の冷却ジャケット100により取り囲まれたボウルシート40を含む。ボウル用冷却ジャケット100は、ボウルシート40の表面に亘って長さ方向に延びると共に、ボウルシート40両端部に対して垂直な複数の平行な冷却剤用通路102を更に含む。図面に図示していないが、追加的な冷却剤用通路をボウル用冷却ジャケット100内に含めることができ、これらの通路は、ボウルシート40の両端部に対して平行に延びるようにする。図3に示したように、ボウル用冷却ジャケット100の通路形成構造体103の各々は、少なくとも1つの垂直な部分104と、水平な部分106とを含む。幾つかの実施の形態において、水平な部分106は、複数の互いに平行なリッジ108と、複数の互いに平行な谷部110とを含む、一連の「ブレークライン」を更に含む。図1−2に示したように、通路形成構造体103は、ボウルシート40の表面上にて互いに平行に配置され且つ該表面に溶接されて、冷却剤流体が通路102を通って流れるための密封した流路を形成する。
【0015】
[0026] 図3−4に図示したように、複数の垂直な(すなわち、流体の流れに対して垂直な)金属ピンは、ボウルシート40の外面上に取り付けられて、通路102を通る液体冷却剤の流れ中に乱流を誘発させ、これにより冷却用流体の対流係数(すなわち、熱伝導)を増加させ且つボウル用冷却ジャケット100の冷却容量を向上させる。ピン120は、また、冷却用流体と接触する冷却ジャケットの表面を増大させることによりボウル用冷却ジャケット100の伝導特性を増大させ、このため、「熱伝導性」であるということもできる。図5に示したように、ピン120は、水平な部分106の内面に取り付けることもできる。幾つかの実施の形態において、ピン120は、双方の表面40、106に取り付けられ、また、更にその他の実施の形態において、ピン120は、表面106から表面40まで延びて、これにより、通路102内にて流体冷却剤の流れを完全に貫通して延びて、通路形成構造体103に対する追加的な構造的支持体を提供する。
【0016】
[0027] 本発明は、冷却表面積を拡張させ、ジャケット100の通路を通って流れる液体冷却剤の対流効果を増加させることにより、混合ボウルのジャケットの冷却能力を増大させる。ピン120は、液体冷却剤の乱流を最大にする一方にて、ボウルのジャケットの冷却面積を1ピン当たり約3.26平方センチメートル(0.5平方インチ)だけ増大させる。1000本以上のピンが使用される大型のミキサにおいては、このような増大は、冷却表面積を追加的に約3225.8平方センチメートル(500平方インチ)広げるに等しい。ピン120を備え、又は、備えないジャケット通路にて実施した数値流体力学(CFD)解析の結果、冷却剤の流量及び混合した成分の温度が一定のままであるとき、2つの実施の形態の間にて顕著な相違があることが示された。ピンの無い形態において、通路102内の液体冷却剤の層状流れは、対流効果によって、顕著な追加の冷却効果を発生させなかった。液体冷却剤の経路内に障害物がないとき、冷却剤の分子は、実質的に真直ぐな経路上にて連続し、表面の摩擦効果は、冷却剤を、流れに対する抵抗が少ない通路の中心に付勢する傾向がある。しかし、ピン120を含む実施の形態において、液体冷却剤の流れ方向は、液体冷却剤がピンに遭遇する毎に変化した。こうした方向の不断の変化は、より多くの流体分子がボウルシート40と接触し、これによりシステムの熱伝達容量を向上させることを許容する乱流を生じさせる。以下の表に掲げたように、ボウル用冷却ジャケット内にピン120を含める結果、総合熱透過率(U−因子)は、約122.896cal/sec・m2・℃から約149.212cal/sec・m2・℃(90.6BTU/Hr・Ft2・°Fから110BTU/Hr・Ft2・°F)に、すなわち21.4%だけ増加する。このU因子は、数字的に、所定の表面積から引き出すことのできる最大の熱量を表わす。これらのU因子の利得は、以下に示した表に含めた冷却計算シートに示してある。また、練り粉の最終温度は約27.78℃から約24.72℃(82°Fから76.5°F)に降下することも分かる。
表1.ボウル用冷却ジャケットの通路内にピン無し
採取データ 値 単位
グリコールの入口温度 約−8.9 ℃ (16.0 °F)
グリコールの出口温度 約−4.7 ℃ (23.5 °F)
流量 80.0 GPM
平均ジャケット温度 約−6.8 ℃ (19.8 °F)
熱伝達量 約76111.5 kcal/h
(302035.0 BTU/Hr)
総合熱透過率 約112.896 cal/sec・m2・℃
(90.6 BTU/Hr−ft2−°F)
練り粉の最終温度 約27.8 ℃ (82.0 °F)
表2.ボウル用冷却ジャケットの通路内に含めたピンは有り
採取データ 値 単位
グリコールの入口温度 約−8.9 ℃ (16.0 °F)
グリコールの出口温度 約−4.3 ℃ (24.3 °F)
流量 80.0 GPM
平均ジャケット温度 約−6.6 ℃ (20.2 °F)
熱伝達量 約84026 kcal/h
(333442.0 BTU/Hr)
総合熱透過率 約149.89 cal/sec・m2・℃
(110.5 BTU/Hr−ft2−°F)
練り粉の最終温度 約24.7 ℃ (76.5 °F)
[0028] 図6A、Bから図12A、Bに示したように(非限定的な態様ではあるが)ピン102は、通路102内にて多数のランダム状態又は非ランダム状態(すなわち、所定の整列された状態)の、種々異なる形態にて配置することができる。更に、ピン102の断面の幾何学的形態は、実質的に曲線状、直線状、又はこれらの組み合わせとすることができる。図面に示したように、断面が円形、三角形、四角形、矩形及び六角形のピンのみならず、その他の幾何学的形態の断面を有するピンも本発明に適合可能である。
【0017】
[0029] 本発明は、その一例としての実施の形態を説明することにより示し、また、実施の形態は、ある程度詳細に説明したが、添付した請求の範囲をかかる詳細に限定することは当該出願人の意図するところではない。当該技術の当業者には、追加的な有利な効果及び改変例が容易に明らかになるであろう。このため、本発明は、その広い形態にて、任意の特定の詳細、代表的な装置及び方法並び図示し且つ説明した一例としての例にのみ限定されるものではない。従って、当該出願人の全体的に発明思想の範囲から逸脱することなく、かかる詳細からの変更を為すことが可能である。
【符号の説明】
【0018】
30 混合ボウル
40 ボウルシート/表面
100 冷却ジャケット
102 冷却剤用通路
103 通路形成構造体
104 垂直な部分
106 水平な部分/表面
108 平行なリッジ
110 平行な谷部
120 ピン
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、全体として、練り粉(ドウ)のような粘性の物質を混合するシステム及び装置に関し、より特定的には、混合過程中、混合される物質の温度を制御するために工業用ミキサの混合ボウルの構成要素内に組み込まれた冷却ジャケットに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 混合中に経験する摩擦及び粘性せん断は、通常、混合する物質の温度を上昇させる。この温度上昇は、混合速度の増加と共に、より顕著となり、物質を粘着性にし且つ処理を困難にすることにより、混合過程に悪影響を与える可能性がある。従って、ミキサ、特に、練り粉のミキサには、何らかの型式の温度制御手段が設けられ、これにより、混合すべき物質の温度が所定のレベルに安定化され又は所定の閾値以下に維持されるようにすることが最も効果的となる。例えば、パンの練り粉は、約25.56−26.67℃(約78−80°F)の温度にて混合する必要がある。混合する物質の温度を制御する既知の手段は、ミキサの混合ボウルの構成要素に装着した冷却ジャケットを使用することによる。「クーリングジャケット」とも呼ばれるボウル用冷却ジャケットは、通常、混合ボウルの両端部に対して垂直に配置された多数の冷却剤用通路を含み、該多数の冷却剤用通路は、混合ボウルの輪郭外形の周りに配列されている。選択的に、混合ボウルの両端部にも追加的な冷却剤用通路を含めることができる。
【0003】
[0003] 大型の商業的規模の練り粉ミキサは、主として、混合すべき練り粉のタイプ及び量に基づいて、混合ボウル用冷却ジャケットを備え又は備えずに、製造することができる。ボウル用冷却ジャケットを備えて製造した練り粉ミキサは、「間接的」又は「直接的」冷却機能の何れかを有するものに分類される。間接的な冷却システムは、冷却用流体として冷水、グリコール又は塩水を利用する。この冷却用流体は、最初に、ミキサとは別個の圧縮冷媒システムにより冷却され、次に、ミキサに圧送される。次に、冷却用流体は、混合ボウル用冷却ジャケット内を循環するが、この冷却ジャケットは、通常、混合ボウルの外側に直接取り付けた一連の互いに平行な通路から構成されている。混合過程中に生成された熱は、練り粉から混合ボウルの材料を通じ、その後、冷却用流体中に伝達される。混合過程が完了した後、冷却用流体は、再使用のため、貯蔵タンクに管を通じて戻される。この原理は、「直接的な」冷却システムに適用することもできる。直接的な膨張冷却システムは、冷媒を直接、ミキサの冷却ジャケット内に導入し、混合される練り粉から余剰な熱を除去する。この型式の冷却システムは、通常、圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、受け皿とを含む。ボウル用冷却ジャケットは、この形態において蒸発器として機能し、また、この形態において使用される冷媒のタイプは、通常、R134a及びMP−39を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,275,568号公報
【特許文献2】米国特許第4,159,740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004] 大型の商業的規模の練り粉ミキサは、主として、混合すべき練り粉の型式及び量に基づいて、混合ボウル用冷却ジャケットを備え、また、備えずに製造することができる。商業的規模のミキサと共に使用される冷却システムの性能、すなわち冷却容量は、バッチサイクルの間、混合ボウル内から熱を除去する混合ボウル用冷却ジャケットの能力である。上述したように、混合過程中に生成された熱の主要な源は、練り粉成分の温度、ミキサの周囲の雰囲気温度、及び、練り粉を処理するときの混合ボウル内の摩擦及びせん断力から生成された熱である。幾つかの状況にて、これらの可変要素は、混合ボウル用冷却ジャケットが十分な冷却効果を提供することを困難にし又は不可能にする。この型式のシステム内の熱伝達は、伝導及び対流の双方を含む。対流は、等式q=hAΔTにより規定され、ここにおいて、hは、流体の対流係数cal/h/m2/℃(BTU/sec・in2・°F)であり、Aは、冷却用流体と接触する表面積cm2(in2)である。該対流係数は、流体の組成、温度、速度及び乱流を含む因子により決定される。練り粉の冷却という用途において、対流係数は、最も容易に増大させることができ、それによって、冷却用流体の速度又は冷却用流体の乱流の増加を通じて、練り粉温度を低下させることができる。このように、対流係数を増すことは、特定の混合システム内の温度を低下させる効果的な手段であるから、最小限、混合過程の間、対流係数を増加させる手段を含む、混合ボウルの冷却システムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005] 以下に、本発明の特定の一例としての実施の形態の概要を記載する。この概要は、広範囲に渡る概説ではなく、また、本発明の中核的な又は重要な特徴又は要素を特定し若しくはその範囲を限定することを意図するものではない。
【0007】
[0006] 本発明の1つの特徴に従い、粘性な物質と共に使用される混合システムが提供される。該混合システムは、混合装置と、該混合装置内に取り付けられた混合ボウルとを含む。該混合ボウルは、ボウルシートと、該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを更に含む。該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる複数の通路形成構造体を更に含み、該複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。これらのピンは、ボウルシートの表面に対して垂直に配置されている。冷却ジャケットと流体的に連通した液体冷却剤の源も提供される。
【0008】
[0007] 本発明の別の特徴によれば、混合システムと共に使用される混合ボウルが提供される。この混合ボウルは、ボウルシートと、該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを含む。該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる複数の通路形成構造体を更に含み、複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。これらのピンは、ボウルシートの表面に対して垂直に配置されている。
【0009】
[0008] 本発明の更に別の特徴において、混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットが提供される。この冷却ジャケットは、複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受け入れる通路を画成する。複数の乱流誘発ピンが通路内に配置されている。
【0010】
[0009] 本発明の追加的な特徴及び特色は、一例としての実施の形態の以下の詳細な説明を読み且つ理解することにより、当該技術の当業者に明らかになるであろう。当業者により理解されるように、本発明の範囲及び思想から逸脱することなく、本発明の更なる実施の形態が可能である。従って、図面及び関係した説明は、説明のためであり、性質上、限定的なものではないとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0010] 本明細書に含め且つ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の1つ又はより多くの一例としての実施の形態を概略図的に示し、また、上述した全体的な説明及び以下の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する機能を果たすものである。
【図1】冷却ジャケットが混合ボウルの外側に取り付けられた、一例としての混合ボウルの斜視図である。
【図2】図1の混合ボウル及び冷却ジャケットの側面図である。
【図3】通路内のピンの一例としての配置を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケットの1つの通路の側面図である。
【図4】通路内のピンの、第一の一例としての取り付け状態を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケット2つの通路の断面図である。
【図5】通路内のピンの、第二の一例としての取り付け状態を示す、図1の混合ボウル用冷却ジャケットの2つの通路の断面図である。
【図6】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第一の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図7】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第二の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図8】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第三の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図9】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第四の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図10】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第五の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図11】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第六の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【図12】AおよびBは、混合ボウル用冷却ジャケットの通路内における乱流誘発ピンの第七の例としての配置状態を示す、それぞれ頂面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023] 本発明の一例としての実施の形態について、図面に関して以下に説明する。色々な要素及び構造体を説明するため、詳細な説明の全体にわたって参照番号を使用する。以下の詳細な説明は、説明の目的のため、多くの特定的な事項に言及するが、当該技術の当業者には、以下の詳細な説明の多数の変更例及び改変例が本発明の範囲に属することが理解されよう。従って、本発明の以下の実施の形態は、権利請求した発明の一般性を何ら失わず且つその発明に何らの限定を付することなく、記述するものである。
【0013】
[0024] 本発明は、商業的ミキサにおいて、混合ボウルに取り付けた混合ボウル用冷却ジャケットと共に通常使用される冷却用流体の乱流を増加させると共に、冷却用流体が接触する、混合ボウル用冷却ジャケットの表面積を増加させる構造的手段を含む、冷却型混合システムに関する。上述したように、本発明の第一の全体的な実施の形態は、粘性物質と共に使用される混合システムを提供する。本発明の第二の全体的な実施の形態は、混合システムと共に使用される混合ボウルを提供する。本発明の第三の全体的な実施の形態は、混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットを提供する。本明細書にて使用した「ピン」という語は、ロッド、ポスト、留め釘、軸、ポール又はピンに類似した何れのものをも意味する。本明細書にて使用した「通路」(チャネル)という語は、液体が流れることのできるパイプライン、導管、容器、又は通路の何れの形態のものをも意味する。次に、図面を参照して、本発明の1つ又はより多くの特定的な実施の形態について以下に詳細に説明する。
【0014】
[0025] 図1−2に示したように、本発明は、米国特許第4,275,568号公報、米国特許第4,159,740号公報(両方とも全ての目的のため、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めるものとする)に記載した型式の大型の商業的又は工業的ミキサと共に使用される、混合ボウル30を含む。混合ボウル30は、通常、混合装置(図面に図示せず)内に取り付けられており、また、ボウル用の冷却ジャケット100により取り囲まれたボウルシート40を含む。ボウル用冷却ジャケット100は、ボウルシート40の表面に亘って長さ方向に延びると共に、ボウルシート40両端部に対して垂直な複数の平行な冷却剤用通路102を更に含む。図面に図示していないが、追加的な冷却剤用通路をボウル用冷却ジャケット100内に含めることができ、これらの通路は、ボウルシート40の両端部に対して平行に延びるようにする。図3に示したように、ボウル用冷却ジャケット100の通路形成構造体103の各々は、少なくとも1つの垂直な部分104と、水平な部分106とを含む。幾つかの実施の形態において、水平な部分106は、複数の互いに平行なリッジ108と、複数の互いに平行な谷部110とを含む、一連の「ブレークライン」を更に含む。図1−2に示したように、通路形成構造体103は、ボウルシート40の表面上にて互いに平行に配置され且つ該表面に溶接されて、冷却剤流体が通路102を通って流れるための密封した流路を形成する。
【0015】
[0026] 図3−4に図示したように、複数の垂直な(すなわち、流体の流れに対して垂直な)金属ピンは、ボウルシート40の外面上に取り付けられて、通路102を通る液体冷却剤の流れ中に乱流を誘発させ、これにより冷却用流体の対流係数(すなわち、熱伝導)を増加させ且つボウル用冷却ジャケット100の冷却容量を向上させる。ピン120は、また、冷却用流体と接触する冷却ジャケットの表面を増大させることによりボウル用冷却ジャケット100の伝導特性を増大させ、このため、「熱伝導性」であるということもできる。図5に示したように、ピン120は、水平な部分106の内面に取り付けることもできる。幾つかの実施の形態において、ピン120は、双方の表面40、106に取り付けられ、また、更にその他の実施の形態において、ピン120は、表面106から表面40まで延びて、これにより、通路102内にて流体冷却剤の流れを完全に貫通して延びて、通路形成構造体103に対する追加的な構造的支持体を提供する。
【0016】
[0027] 本発明は、冷却表面積を拡張させ、ジャケット100の通路を通って流れる液体冷却剤の対流効果を増加させることにより、混合ボウルのジャケットの冷却能力を増大させる。ピン120は、液体冷却剤の乱流を最大にする一方にて、ボウルのジャケットの冷却面積を1ピン当たり約3.26平方センチメートル(0.5平方インチ)だけ増大させる。1000本以上のピンが使用される大型のミキサにおいては、このような増大は、冷却表面積を追加的に約3225.8平方センチメートル(500平方インチ)広げるに等しい。ピン120を備え、又は、備えないジャケット通路にて実施した数値流体力学(CFD)解析の結果、冷却剤の流量及び混合した成分の温度が一定のままであるとき、2つの実施の形態の間にて顕著な相違があることが示された。ピンの無い形態において、通路102内の液体冷却剤の層状流れは、対流効果によって、顕著な追加の冷却効果を発生させなかった。液体冷却剤の経路内に障害物がないとき、冷却剤の分子は、実質的に真直ぐな経路上にて連続し、表面の摩擦効果は、冷却剤を、流れに対する抵抗が少ない通路の中心に付勢する傾向がある。しかし、ピン120を含む実施の形態において、液体冷却剤の流れ方向は、液体冷却剤がピンに遭遇する毎に変化した。こうした方向の不断の変化は、より多くの流体分子がボウルシート40と接触し、これによりシステムの熱伝達容量を向上させることを許容する乱流を生じさせる。以下の表に掲げたように、ボウル用冷却ジャケット内にピン120を含める結果、総合熱透過率(U−因子)は、約122.896cal/sec・m2・℃から約149.212cal/sec・m2・℃(90.6BTU/Hr・Ft2・°Fから110BTU/Hr・Ft2・°F)に、すなわち21.4%だけ増加する。このU因子は、数字的に、所定の表面積から引き出すことのできる最大の熱量を表わす。これらのU因子の利得は、以下に示した表に含めた冷却計算シートに示してある。また、練り粉の最終温度は約27.78℃から約24.72℃(82°Fから76.5°F)に降下することも分かる。
表1.ボウル用冷却ジャケットの通路内にピン無し
採取データ 値 単位
グリコールの入口温度 約−8.9 ℃ (16.0 °F)
グリコールの出口温度 約−4.7 ℃ (23.5 °F)
流量 80.0 GPM
平均ジャケット温度 約−6.8 ℃ (19.8 °F)
熱伝達量 約76111.5 kcal/h
(302035.0 BTU/Hr)
総合熱透過率 約112.896 cal/sec・m2・℃
(90.6 BTU/Hr−ft2−°F)
練り粉の最終温度 約27.8 ℃ (82.0 °F)
表2.ボウル用冷却ジャケットの通路内に含めたピンは有り
採取データ 値 単位
グリコールの入口温度 約−8.9 ℃ (16.0 °F)
グリコールの出口温度 約−4.3 ℃ (24.3 °F)
流量 80.0 GPM
平均ジャケット温度 約−6.6 ℃ (20.2 °F)
熱伝達量 約84026 kcal/h
(333442.0 BTU/Hr)
総合熱透過率 約149.89 cal/sec・m2・℃
(110.5 BTU/Hr−ft2−°F)
練り粉の最終温度 約24.7 ℃ (76.5 °F)
[0028] 図6A、Bから図12A、Bに示したように(非限定的な態様ではあるが)ピン102は、通路102内にて多数のランダム状態又は非ランダム状態(すなわち、所定の整列された状態)の、種々異なる形態にて配置することができる。更に、ピン102の断面の幾何学的形態は、実質的に曲線状、直線状、又はこれらの組み合わせとすることができる。図面に示したように、断面が円形、三角形、四角形、矩形及び六角形のピンのみならず、その他の幾何学的形態の断面を有するピンも本発明に適合可能である。
【0017】
[0029] 本発明は、その一例としての実施の形態を説明することにより示し、また、実施の形態は、ある程度詳細に説明したが、添付した請求の範囲をかかる詳細に限定することは当該出願人の意図するところではない。当該技術の当業者には、追加的な有利な効果及び改変例が容易に明らかになるであろう。このため、本発明は、その広い形態にて、任意の特定の詳細、代表的な装置及び方法並び図示し且つ説明した一例としての例にのみ限定されるものではない。従って、当該出願人の全体的に発明思想の範囲から逸脱することなく、かかる詳細からの変更を為すことが可能である。
【符号の説明】
【0018】
30 混合ボウル
40 ボウルシート/表面
100 冷却ジャケット
102 冷却剤用通路
103 通路形成構造体
104 垂直な部分
106 水平な部分/表面
108 平行なリッジ
110 平行な谷部
120 ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性物質と共に使用される混合システムにおいて、
(a)混合装置と、
(b)該混合装置内に取り付けられた混合ボウルと、を備え、該混合ボウルは、
(i)ボウルシートと、
(ii)該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを更に含み、該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる、複数の通路形成構造体を更に含み、
該複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して実質的に垂直な少なくとも1つの部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、
前記複数の通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成しており、
(iii)前記通路内に配置された複数のピンであって、前記ボウルシートの表面に対して垂直に配置された複数のピンを更に含み、
(c)液体冷却剤の源であって、混合過程中、混合される粘性な物質の温度を降下させ得るように前記冷却ジャケットと流体的に連通している液体冷却剤の源を更に備える、混合システム。
【請求項2】
請求項1に記載の混合装置において、パンの練り粉と共に使用し得るようになされている混合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の混合装置において、前記冷却ジャケットは、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、混合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の混合装置において、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向全長に亘って延びる、互いに平行な複数のリッジ及び互いに平行な複数の谷部を更に含む、混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、円形、三角形、四角形、矩形、六角形又はこれらの組み合わせである、混合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、混合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピン内のピンは、各通路内で乱状態に配置される、混合装置。
【請求項8】
粘性システムと共に使用される混合ボウルにおいて、
(a)ボウルシートと、
(b)該ボウルシートに取り付けられた冷却ジャケットと、を備え、該冷却ジャケットは、前記ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる、複数の通路形成構造体を更に含み、
該複数の通路形成構造体の各々は、前記ボウルシートの表面に対して実質的に垂直な少なくとも1つの部分と、前記ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、
前記通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成し、
(c)前記通路内に配置された複数のピンであって、前記ボウルシートの表面に対して垂直に配置された複数のピンを更に備える、混合ボウル。
【請求項9】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記冷却ジャケットは、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、混合ボウル。
【請求項10】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向全長に亘って延びる複数の互いに平行なリッジ及び複数の互いに平行な谷部を更に含む、混合ボウル。
【請求項11】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、円形、三角形、四角形、矩形、六角形又はこれらの組み合わせである、混合ボウル。
【請求項12】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、混合ボウル。
【請求項13】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンは、各通路内でランダム状態に配置されている、混合ボウル。
【請求項14】
混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットにおいて、
(a)複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、前記複数の通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成し、
(b)前記通路内に配置された複数のピンを更に備える、冷却ジャケット。
【請求項15】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、液体冷却剤の源と流体的に連通し得るようになされている、冷却ジャケット。
【請求項16】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、冷却ジャケット。
【請求項17】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向の全長に亘って延びる複数の互いに平行なリッジ及び複数の互いに平行な谷部を更に含む、冷却ジャケット。
【請求項18】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、直線状、曲線状、又はこれらの組み合わせである、冷却ジャケット。
【請求項19】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、冷却ジャケット。
【請求項20】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンは、各通路内でランダム状態に配置される、冷却ジャケット。
【請求項1】
粘性物質と共に使用される混合システムにおいて、
(a)混合装置と、
(b)該混合装置内に取り付けられた混合ボウルと、を備え、該混合ボウルは、
(i)ボウルシートと、
(ii)該ボウルシートに取り付けた冷却ジャケットとを更に含み、該冷却ジャケットは、ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる、複数の通路形成構造体を更に含み、
該複数の通路形成構造体の各々は、ボウルシートの表面に対して実質的に垂直な少なくとも1つの部分と、ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、
前記複数の通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成しており、
(iii)前記通路内に配置された複数のピンであって、前記ボウルシートの表面に対して垂直に配置された複数のピンを更に含み、
(c)液体冷却剤の源であって、混合過程中、混合される粘性な物質の温度を降下させ得るように前記冷却ジャケットと流体的に連通している液体冷却剤の源を更に備える、混合システム。
【請求項2】
請求項1に記載の混合装置において、パンの練り粉と共に使用し得るようになされている混合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の混合装置において、前記冷却ジャケットは、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、混合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の混合装置において、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向全長に亘って延びる、互いに平行な複数のリッジ及び互いに平行な複数の谷部を更に含む、混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、円形、三角形、四角形、矩形、六角形又はこれらの組み合わせである、混合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、混合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の混合装置において、前記複数のピン内のピンは、各通路内で乱状態に配置される、混合装置。
【請求項8】
粘性システムと共に使用される混合ボウルにおいて、
(a)ボウルシートと、
(b)該ボウルシートに取り付けられた冷却ジャケットと、を備え、該冷却ジャケットは、前記ボウルシートの長さに亘って互いに平行に延びる、複数の通路形成構造体を更に含み、
該複数の通路形成構造体の各々は、前記ボウルシートの表面に対して実質的に垂直な少なくとも1つの部分と、前記ボウルシートの表面に対して実質的に水平な部分とを更に含み、
前記通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成し、
(c)前記通路内に配置された複数のピンであって、前記ボウルシートの表面に対して垂直に配置された複数のピンを更に備える、混合ボウル。
【請求項9】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記冷却ジャケットは、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、混合ボウル。
【請求項10】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向全長に亘って延びる複数の互いに平行なリッジ及び複数の互いに平行な谷部を更に含む、混合ボウル。
【請求項11】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、円形、三角形、四角形、矩形、六角形又はこれらの組み合わせである、混合ボウル。
【請求項12】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、混合ボウル。
【請求項13】
請求項8に記載の混合ボウルにおいて、前記複数のピンは、各通路内でランダム状態に配置されている、混合ボウル。
【請求項14】
混合ボウルと共に使用される冷却ジャケットにおいて、
(a)複数の通路形成構造体を含み、該複数の通路形成構造体の各々は、少なくとも1つの実質的に垂直な部分と、実質的に水平な部分とを更に含み、前記複数の通路形成構造体の各々は、液体冷却剤を受ける通路を画成し、
(b)前記通路内に配置された複数のピンを更に備える、冷却ジャケット。
【請求項15】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、液体冷却剤の源と流体的に連通し得るようになされている、冷却ジャケット。
【請求項16】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、間接的な冷却システム又は直接的な冷却システムの何れとも共に使用し得るようになされている、冷却ジャケット。
【請求項17】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記水平な部分の各々は、該水平な部分に形成され且つ長さ方向の全長に亘って延びる複数の互いに平行なリッジ及び複数の互いに平行な谷部を更に含む、冷却ジャケット。
【請求項18】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンの各ピンの断面の幾何学的形態は、実質的に、直線状、曲線状、又はこれらの組み合わせである、冷却ジャケット。
【請求項19】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンは、各通路内で所定の規則的なパターンにて配置されている、冷却ジャケット。
【請求項20】
請求項14に記載の冷却ジャケットにおいて、前記複数のピンは、各通路内でランダム状態に配置される、冷却ジャケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−67206(P2011−67206A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−215311(P2010−215311)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(510256861)シェーファー・マニュファクチャリング・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215311(P2010−215311)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(510256861)シェーファー・マニュファクチャリング・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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