説明

乳酸発酵飼料とその製造方法

【課題】食品廃棄物を有効利用した乳酸発酵飼料を提供する。また、血漿中のβカロテン濃度を高め、乳汁中の体細胞数を低減する効果の大きい乳酸発酵飼料を提供する。
【解決手段】本発明の乳酸発酵飼料は、緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、原料を乳酸発酵して得られる飼料であって、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品廃棄物等を有効利用した乳酸発酵飼料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化等により穀物生産量が低下し、バイオエタノール生産の拡大と、中国およびインド等での消費の増加により、世界的規模で穀物の不足が顕在化している。穀物の不足は、飼料価格の高騰を招き、飼料自給率が約25%である我が国の畜産業は大きな打撃を受けている。
【0003】
また、食品の製造、流通、消費の各過程から生じる余剰食品および食品残さ等の食品廃棄物は、そのほとんどが焼却処分されているが、処理にかかる経費と環境に及ぼす負担が大きく、食品廃棄物のリサイクル利用が資源の有効利用の観点から必要である。
【0004】
したがって、食品廃棄物等の未利用資源をリサイクルし、飼料化する方向は、飼料自給率を高め、資源の有効利用を図る上で必要であるとともに、焼却処分により発生する二酸化炭素の排出抑制にも貢献するものである。
【0005】
ところで、従来より飼料添加物は、飼料の安全性の確保および品質の改善に関する法律に規定されている(非特許文献1参照)。飼料添加物には、抗酸化剤、防かび剤、粘結剤等の試料の品質の低下を防止するための添加物、アミノ酸、ビタミン、ミネラル等の飼料の栄養成分を補給するための添加物、抗菌剤、抗生物質、酵素等の飼料中の栄養成分の利用を促進するための添加物が規定されている。
【0006】
これらの飼料添加物のうち、ビタミンにはβカロテンが規定されている。βカロテンは、たとえば乳牛の繁殖性や抗病性に重要な影響を及ぼし、妊娠後期にβカロテンが不足すると、流産、死産が増加し、虚弱な子牛が生まれやすくなる。また、繁殖障害の1/3を占める卵胞のう腫は、血漿中のβカロテン濃度が低くなると発生しやすくなる。βカロテンは、紫外線により破壊されるため、乾牧草中にはほとんど含まれていないことから、乾牧草を主飼料として給与している場合には、ビタミン製剤等により補給する必要がある。
【0007】
βカロテン製剤を配合した飼料としては、たとえば、βカロテンとビタミンA等を含有する家畜用飼料が知られている(特許文献1参照)。この飼料は、家畜の繁殖障害、下痢等の治療および予防に効果があり、βカロテンとビタミンEを1:5〜15の割合で配合し、さらにビタミンAを配合した飼料を家畜に給与すると、繁殖性と抗病性を一層高めることができると開示され、βカロテン製剤を、300mg/1頭・1日の割合で配合した飼料の例が記載されている。
【0008】
一方、乳牛で最も被害の大きい病気の一つに乳房炎がある。乳房炎は、搾乳牛の乳房内に細菌等の微生物が侵入し、増殖して起こり、感染牛では乳量が低下し、死亡する場合もある。乳房炎に感染すると、乳汁中の体細胞数が上昇することが知られており、乳汁中の体細胞は、剥離した乳腺上皮細胞や好中球等であるため、体細胞数の増加は乳質を悪化し、取引価格に反映することもある。したがって、乳汁中の体細胞数の低減は重要である(非特許文献2参照)。
【0009】
乳房炎を防止する効果のある飼料として、たとえば、βカロテン製剤と緑色植物を含有する小粒ペレットが知られている(特許文献2参照)。このペレットは、取扱いが容易で、乳房炎のほか、繁殖障害、下痢等の治療および予防に効果があり、緑色植物を含有するため、家畜の嗜好性が良好である。βカロテンを300mg/日・頭の割合で給与することにより、乳汁中の体細胞数を低減できることが開示されている。
【0010】
また、βカロテンを含有する植物を配合した飼料としては、たとえば、朝鮮ニンジン、そのエキスまたは絞り粕等を含有する牛用飼料が知られている(特許文献3参照)。この飼料は、牛の種類や生育段階を問わず有効で、牛の成長促進および乳量増加に効果があり、乳脂肪率が増加するため、乳質が改善し、繁殖時の受胎率が向上する。また、ビタミンA製剤を併用すると、これらの効果を高めることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平6−98687号公報
【特許文献2】特開平6−98692号公報
【特許文献3】特開昭57−63057号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】昭和28年法律第35号第2条第3項
【非特許文献2】松井 司、外3名、「搾乳前後の乳汁中の体細胞数の変動」、福井県畜産試験場研究報告第20号、2007、p.15−21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、食品廃棄物等を有効利用した乳酸発酵飼料を提供することにある。また、本発明の課題は、効率的に血漿中のβカロテン濃度を高め、乳汁中の体細胞数を低減する効果の大きい乳酸発酵飼料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の乳酸発酵飼料は、緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、原料を乳酸発酵して得られる飼料であって、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である。この乳酸発酵飼料は、乳酸を100mモル/kg以上含有し、pHが5以下である態様が好ましく、使用する原料は、豆腐粕を20質量%以上含むものが好ましい。また、原料にニンジン屑を含む場合、乳酸発酵によりニンジン臭をマスキングした飼料が好ましい。
【0015】
原料に配合する乳酸菌は、ラクトバチルス プランタラムと、ラクトバチルス ガリナルムと、エンテロコッカス フェシウムとを含むものが好適である。この乳酸発酵飼料は、粗脂肪率が3質量%以下である態様が好ましく、ビタミンA群製剤を配合する態様がより好ましい。本発明の乳酸発酵飼料の製造方法は、緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、原料を1週間〜2週間乳酸発酵する方法であって、製造される飼料は、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、食品廃棄物を有効利用し、飼料化することができるため、飼料自給率を高め、焼却処分により発生する二酸化炭素の排出を抑制することができる。また、血漿中のβカロテン濃度を高め、乳汁中の体細胞数を低減する効果の大きい多機能飼料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】飼料A中のβカロテン含有量の推移を示す図である。
【図2】飼料Aの発酵特性を示す図である。
【図3】飼料Aの乾物消失率を示す図である。
【図4】乳汁中の体細胞数の変化を示す図である。
【図5】血漿中のβカロテン濃度の推移を示す図である。
【図6】牛乳の色の濃さ、味の濃さと総合評価を示す図である。
【図7】アンモニア濃度、硫化水素濃度と悪臭強度を示す図である。
【図8】血漿中のβカロテン濃度の推移を示す図である。
【図9】アンモニア濃度と硫化水素濃度を示す図である。
【図10】飼料Bの発酵特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、原料を乳酸発酵して得られる飼料であって、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%の乳酸発酵飼料である。飼料中のβカロテン濃度が高いため、卵胞のう腫等の繁殖障害を抑え、抗病性を高めることができる。特に、豆腐粕を多給すると、卵胞のう腫になりやすいため、βカロテン濃度の高い本飼料は有効である。かかる観点から、βカロテンの飼料中における含有量は、3mg/kg以上が好ましく、8mg/kg以上がより好ましく、12mg/kg以上が特に好ましい。
【0019】
緑黄色野菜は、カボチャ、ニンジン等のβカロテンを豊富に含む野菜の総称であり、カボチャ、ニンジンのほか、パセリ、バジル、明日葉、春菊、ほうれん草、小松菜、菜花、クレソン、かぶの葉、大根の葉等が含まれる。特に、ニンジン屑やカボチャ屑は、葉の部分を除去し、食用部分を取った残りの食品廃棄物であり、食品廃棄物を使用することにより未利用資源の有効利用を図ることができる。
【0020】
飼料中のβカロテン濃度を高める点で、原料中の緑黄色野菜の配合量は、原料に対しては14質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、28質量%以上が特に好ましい。ニンジン屑を原料とした場合でも、本発明によれば、乳酸発酵によりニンジン臭を十分にマスキングするため、飼料の嗜好性を高めることができる。一方、原料中の緑黄色野菜の配合割合を大きくすると、豆腐粕等の乳酸発酵用原料の配合割合が減少し、好ましい態様の乳酸発酵を得にくくなり、原料コストも上昇する。かかる観点から、原料中の緑黄色野菜の配合量は、原料に対しては40質量%以下が好ましい。また、原料中の緑黄色野菜の配合割合の上限により、βカロテンの飼料中における含有量は、17mg/kg以下となる傾向がある。本発明によれば、原料中のβカロテン濃度は、飼料調製後も高濃度に維持することができる。
【0021】
本発明の乳酸発酵飼料は、緑黄色野菜を含有する原料を乳酸発酵して製造するため、発酵後の飼料には高濃度のβカロテンが含まれているが、通常の飼料にβカロテン製剤を配合した飼料と比較して、泌乳牛に給与した場合、その作用機序は不明であるが、乳汁中の体細胞数を低く維持することができる。すなわち、本発明の乳酸発酵飼料は、通常の飼料にβカロテン製剤等のビタミンA群製剤を配合した場合に比べ、βカロテンの体内吸収率が高いため、血漿中のβカロテン濃度を高めることができ、乳房炎や卵胞のう腫等の発病を抑えると共に、乳量および乳質を改良することができる。また、本発明の飼料にビタミンA群製剤を配合した場合にも抗病性等が高まる点で好ましい。さらに、本発明の飼料を給与した乳牛が生産する牛乳は、色の濃さおよび味の濃さ等が優れ、排泄するふんは臭気が軽減され、軟便も改善される。したがって、本発明の乳酸発酵飼料は、多機能飼料と言える。
【0022】
本発明の飼料は、水分が好ましくは45質量%〜60質量%であり、より好ましくは50質量%〜55質量%であるため、嗜好性の高い飼料である。また、粗脂肪率が、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であるため、高品質の乳牛用飼料を提供することができる。
【0023】
乳酸菌は、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、ビフィドバクテリウム属、エンテロコッカス属、ペディオコッカス属に含まれる菌株を使用することができる。例えば、ラクトバチルス属としては、L・カゼイ、L・プランタラム、L・ヘルベティカス、L・ブルガリカス、L・ガッセリ、L・アシドフィルス、L・ラクチス、L・サリバリウス、L・ガリナルム、L・アミロボラス、L・ブレビス、L・ファーメンタム、L・マリ、L・デルブルッキィ、L・サンフランシスエンシス、L・パネックス、L・コモエンシス、L・イタリカス、L・ライキマニ、L・カルバタス、L・ヒルガルディ、L・ルテリ、L・パストリアヌス、L・ブクネリ、L・セロビオサス、L・フルクティボランス等に属する菌株を使用することができる。
【0024】
また、ストレプトコッカス属としては、S・サーモフィルス、S・ラクチス、S・ジアセチルラクチス等に属する菌株を使用することができる。ラクトコッカス属としては、L・ラクチス・ラクチス、L・ラクチス・クレモリス等に属する菌株を使用することができる。ロイコノストック属としては、L・メセンテロイデス・クレモリス、L・ラクチス等に属する菌株を使用することができる。ビフィドバクテリウム属としては、B・ビフィダム、B・ロンガム、B・インファンティス、B・ブレーベ、B・アドレセンティス、B・アンギュラータム、B・カテニュラータム、B・シュードカテニュラータム、B・デンティウム、B・グロボズム、B・シュードロンガム、B・クニキュリ、B・コエリナム、B・アニマリス、B・サーモフィラム、B・ボウム、B・マグナム、B・アステロイデス、B・インディカム、B・ガリカム、B・ラクチス、B・イノピナータム、B・デンティコレンス、B・プローラム、B・スイス、B・ガリナラム、B・ルミナンティウム、B・メリシカム、B・サーキュラーレ、B・ミニマム、B・サブチル、B・コリネフォルメ等に属する菌株を使用することができる。エンテロコッカス属としては、E・フェカリス、E・フェシウム、E・サリバリウス、E・ミティス等に属する菌株を使用することができる。また、ペディオコッカス属としては、P・アシディラクティシ、P・ペントサセウス等に属する菌株を使用することができる。
【0025】
乳酸発酵には、1分子のグルコースから2分子の乳酸を生成するホモ乳酸発酵と、1分子のグルコースから1分子の乳酸と1分子のエタノールと二酸化炭素を発生するヘテロ乳酸発酵がある。また、ビヒズス菌は、1分子の乳酸と2分子の酢酸を生成する。このため、乳酸を効率的に生成する点では、ホモ乳酸発酵をする菌を好ましく使用することができ、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、エンテロコッカス属とペディオコッカス属等に含まれる乳酸菌は、ホモ乳酸発酵をするものが多い。菌株は、一般に市販されているものを使用することができ、寄託機関や研究機関等で維持されている各種の菌株を使用することもできる。対象動物別に好適な菌株の例を表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
エンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecium)(HL−5)は、鶏、豚および牛用の飼料に対して、0.05質量%〜0.1質量%配合することにより、腸管内で速やかに増殖し、多量の乳酸を生産し、整腸作用に優れ、腸管内での大腸菌等の有害菌の増殖を抑え、腸管の正常な機能を維持する。また、消化管内容物や糞便中のアンモニアを減少させる点で乳酸菌スターターとして好ましい。
【0028】
ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)により豆腐粕をサイレージ化し、乳牛に給与した場合、豆腐粕をそのまま給与した場合に比べて、牛乳の甘味が増し、辛味、酸味と苦味が減少する。また、食品残さを原料とする乳酸発酵での増殖率が高く、発酵品質が良好で、牛の嗜好性に合ったサイレージができる。ラクトバチルス プランタラム(HL−1)により発酵調製した飼料は、乾物摂取量を増大させ、小腸の絨毛を発達させ、腸内フローラを改善することができる。
【0029】
ラクトバチルス ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)(HL−6)は、ラクトバチルス アシドフィルス コンプレックスに属し、動物の消化管内に生息して腸内環境の改善等の生理作用を持つほか、大腸菌等の雑菌に対して生体への付着を阻害することにより感染防御作用を示す点で好ましい。このため、エンテロコッカス フェシウムと、ラクトバチルス プランタラムと、ラクトバチルス ガリナルムとの混合品を用いる態様が好ましく、配合する原料組成により異なるが、混合比は、5〜3:5〜3:3〜1がより好ましく、4:4:2が特に好ましい。
【0030】
乳酸発酵により、飼料中に、乳酸菌を5×10cfu/g以上含有する態様が好ましく、より好ましくは1×10cfu/g以上含有し、特に好ましくは5×10cfu/g以上含有し、その状態を2週間以上維持する態様が好ましく、4週間以上維持する態様がより好ましい。乳酸菌の増殖により、飼料中の乳酸濃度は、好ましくは100mモル/kg以上となり、より好ましくは200mモル/kg以上となり、特に好ましくは400mモル/kg以上となる。0〜20℃の雰囲気下で発酵するより、25℃程度の高温で発酵させる方が乳酸の発生が増加するため、夏季においても高い品質の発酵飼料を調整することができる。
【0031】
乳酸の発生により、飼料は、好ましくはpHが5以下となり、より好ましくはpHが4.5以下となる。このため、大腸菌等の雑菌の繁殖を抑え、発酵後2週間〜4週間で大腸菌は検出できなくなり、飼料の衛生面における安全性を高めることができる。発酵により乳酸等の有機酸が高濃度になると、乳酸菌自体の生存数が減少する。したがって、飼料中の乳酸菌数は最大約1×1010cfu/gであり、pHは3.5以上であり、乳酸の濃度は800mモル/kg以下であることが多い。
【0032】
豆腐粕(;おから)を原料とすることにより、食品廃棄物の有効利用を図ることができる。また、食品廃棄物のうち豆腐粕は栄養価が高く、穀類や糟糠類と混合することにより、良好な乳酸発酵用の原料をすることができる。原料中の豆腐粕の配合割合は、βカロテンを一定量配合し、好ましい水分割合を維持する点で、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、28質量%以上が特に好ましい。豆腐粕の配合割合を大きくすると、βカロテンの供給源である緑黄色野菜の配合割合が相対的に減少する。このため、βカロテンの配合量を確保する点で、豆腐粕の原料中の配合割合は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
【0033】
本発明は、緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、原料を1週間〜2週間、乳酸発酵して得られる飼料の製造方法であって、飼料は、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である乳酸発酵飼料の製造方法である。
【0034】
本発明の方法により製造される乳酸発酵飼料は、農林水産省により有害物質として飼料中の指導基準値が定められている水銀、ヒ素、カドミウムと鉛の値がいずれも基準値以下の極めて低い値であり、乳酸発酵後開始後56日目の飼料においてもカビ毒アフラトキシンB1が検出されず、ヒナの成長試験において順調に発育を支持することから、安全性の高い飼料の製造方法である。
【0035】
乳酸菌数は、発酵開始後1週間〜2週間以内に高濃度に上昇し、発酵開始後2週間〜4週間で大腸菌群が検出されなくなり、衛生面での安全性に優れ、乳酸等の有機酸を高濃度に生成し、夏季においても高品質の発酵飼料を提供できる。また、in vitro消化試験において、投入12時間経過後に好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上の乾物が消失し、第一胃内有効分解率が50%以上と高く、消化率の良い濃厚な飼料を提供できる。
【0036】
泌乳牛に給与すると、乳汁中の体細胞数の上昇を抑制し、良好な乳質を維持し、肝機能とルーメン機能に影響を与えることはなく、血漿中のβカロテン濃度を高める効果を有する。また、得られる乳汁は、特に色の濃さと味の濃さ等に優れ、排泄するふんの悪臭が軽減され、ふんのしまりを良くすることができる。
(実施例1)
【0037】
原料として、豆腐粕と、ニンジン屑と、ふすま(;小麦ふすま)と、末粉(;小麦粉)と、糖液(糖含有量50%)とを配合し、ニンジン屑は粉砕したものを用いた。原料は、表2に示す割合で混合し、乳酸菌を配合した後、撹拌混合した。乳酸菌は、ヘルスアンドセーフティ社(岡山県)製の3種混合乳酸菌をスターターとして使用した。3種混合乳酸菌は、ラクトバチルス プランタラム(HL−1)と、ラクトバチルス ガリナルム(HL−6)と、エンテロコッカス フェシウム(HL−5)との混合品であり、混合比は、4:4:2である。3種混合乳酸菌は、原料中の乳酸菌数が2×10cfu/gとなるように配合した。調製した原料は、ポリ袋に詰め、掃除機でポリ袋内を脱気した後、密封した。その後、遮光し、0〜20℃で乳酸発酵したものを飼料Aとし、飼料分析および給与試験を行った。
【0038】
【表2】

a.成分
【0039】
飼料Aは、水分が49.0%であり、粗脂肪率が2.03%であった。測定は、公定法(飼料分析基準研究会編著:2004、飼料分析法・解説2004、日本化学飼料協会、東京)に基づき行った。また、飼料A中のβカロテンの含有量をHPLCにより測定した。測定は、五訂日本食品標準成分表分析マニュアルの解説(財団法人日本食品分析センター:2001、中央法規出版、東京)に従って行った。まず、飼料をエタノールで洗浄し、脂溶成分を抽出し、抽出液をケン化後、1%塩化ナトリウム溶液20mL、2−プロパノール4.8mLと、酢酸エチル/n−ヘキサン(1:9)15mLとを加え、窒素ガスを封入した後、5分間振とうした。振とう後、遠心分離(2,500rpm、5分間)を行い、上層部のn−ヘキサン層を得、酢酸エチル/n−ヘキサン(1:9)15mL抽出を3回行い、抽出したn−ヘキサン溶液を40℃窒素気流下で濃縮乾固した後、エタノール1mLに溶解し、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過し、HPLCサンプルとした。
【0040】
図1は、飼料A中のβカロテン含有量の推移を示す。原料であるニンジン屑のβカロテン含有量と、原料中のニンジン屑の配合量から計算すると、βカロテンは飼料中に12mg/kg含有されていることになる。測定の結果、図1に示すように、乳酸発酵開始後14日間のβカロテン含有量は、約13mg/kgで変化がなく、乳酸発酵によるβカロテンの減少は認められなかった。
【0041】
別途、原料として、表3に示すように、豆腐粕と、ニンジン屑と、ふすまと、末粉と、糖液と、白菜とを配合し、ニンジン屑を14質量%に減らし、白菜を14質量%とした以外は、飼料Aと同様にして飼料Cを調製し、同様に飼料分析を行った。その結果、飼料C中のβカロテン含有量は3.4mg/kgであった。
【0042】
【表3】

b.安全性
【0043】
飼料A中の重金属等の有害元素の分析を行った。ヒ素は原子吸光分析法により、水銀は還元気化法により、カドミウム、鉛、銅、マンガン、亜鉛、クロムとスズはICP分析法により測定した。測定値を表4に示す。表4に示すように、測定値は、ヒ素、水銀、カドミウムと鉛は、農林水産省が定める飼料中の有害物質の基準値(2008年1月31日改正)以下の極めて低い濃度であった。また、その他の元素についても一般的に飼料に含まれる濃度(飼料分析基準研究会編著:解説2004、日本科学飼料協会、東京)を越えなかった。
【0044】
【表4】

【0045】
飼料Aの微生物毒性を解析するため、RIDASCREENキット(アズマックス社製)により、アフラトキシンB1を測定し、長期間保管時のカビ毒に対する安全性を確認した。測定の結果、発酵0日目および発酵56日目の飼料からアフラトキシンB1は検出されなかった。
【0046】
成長試験により飼料Aの安全性を検討するため、産卵鶏オスの初生ヒナを使用し、10日間発酵した飼料Aとヒナ用基礎配合飼料を用い、表5のとおり試験区を設定し、6日間の飼料摂取量および増体量と、試験終了後の内臓重量を測定した。表5に示すように、飼料A給与区(20%給与区と40%給与区)は、栄養成分量が対照区より減少するため、蛋白質含量を目安に栄養成分量を飼料Aの40%給与区と一致させた陰性対照区を設けた。測定の結果、各区の増体量と内臓重量に有意な差は見られなかったことから、飼料Aの給与はヒナの成長に問題を与えず、順調な発育を支持し、安全性が確認された。
【0047】
【表5】

c.発酵特性
【0048】
飼料A中の乳酸菌数、大腸菌群数、pHと有機酸組成を測定し、発酵特性を検討した。乳酸菌数は、BCP添加寒天培地によりコロニーカウント法で測定した。また、大腸菌群数は、ニッスイ社製のコンパクトドライEC培地を用いてコロニーカウント法で測定した。有機酸組成は、HPLC(LaChrom Elite有機酸(BTB法)分析システム、HITACHI)により、乳酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸とイソ吉草酸の濃度を測定した。図2は、飼料Aの発酵特性を示す(値は、平均±SDを示す(n=3))。
【0049】
乳酸菌数は、図2(a)(菌数を対数で表示する)に示すように、発酵開始後24時間で、10cfu/g以上の高密度となり、この密度を4週間程度維持できた。pHは、図2(c)に示すように、4.2まで低下した。図2(b)(菌数を対数で表示する)に示すように、大腸菌群数は、発酵開始後2週間で検出されなくなったことから、発酵により雑菌の繁殖が抑えられ、衛生面において安全性の高い飼料であることが確認できた。有機酸は、図2(d)に示すように、乳酸発酵が酢酸発酵より優位に進んだことが確認され、乳酸と酢酸以外の有機酸は検出されなかった。
d.消化特性
【0050】
牛ルーメン液を用いたin vitro消化試験を行い、飼料Aの第一胃内消化特性を検討した。試験は、粗飼料の品質評価ガイドブック(自給飼料品質評価研究会編:2001、改訂版、日本草地畜産種子協会、東京)の方法により行い、10日間発酵した飼料Aについて評価した。乾物中CP水準14に合わせた試験用の飼料Aを含む餌を7日間給与したホルスタイン去勢牛からルーメン液を採取した。つぎに、牛が餌を摂取する前にルーメン液を採取し、遠心、ガーゼろ過し、上澄みを炭酸ガスで飽和させたMcDougallの人工唾液と混合し、消化液とした。飼料Aを消化液中、38℃、0〜96時間消化し、消化後のサンプルをろ過し、乾燥して、乾物消失率を算出した。
【0051】
図3は、飼料Aの乾物消失率を示す図である(値は平均±SDを示す(n=4))。また、オルスコフの式(Orskov. E. R. and McDonald, I. : 1979. The estimation of protein
degradation in the rumen from incubation measurements weighed according to rate
of passage. J. Agric. Sci. 92. 499-503)により、表6に示すように、第一胃分解パラメーター(可溶性画分a、実質分解画分b、分解速度定数c)(値は平均±SDを示す(n=4))と、第一胃内有効分解率を算出した。飼料Aは、図3に示すように、消化開始後、すぐに分解が始まり、12時間後には60%以上の乾物が消失した。また、表6に示すように、第一胃内有効分解率は54.57%と高く、消化率の高い濃厚な飼料として利用できることが確認できた。
【0052】
【表6】

e.牛への給与試験
【0053】
泌乳牛を、乳量、乳期および産次が相応するように対にして、4頭ずつ試験区と対照区へ配置した。飼料Aは、7〜28日発酵したものを用い、試験区の4頭には日量6kgの飼料Aを給与した。したがって、βカロテン量は72mg/頭・日で給与したことになる。また、乳牛用配合飼料の増減によりTDN充足率およびCP充足率を、対照区の4頭と一致させ、給与は馴致期間の後3週間行った。また、対照区の4頭に給与する飼料には、βカロテン製剤等のビタミンA群製剤を配合した。配合量は、βカロテン力価相当量で、馴致を含めて給与開始から6週目までは210mg/頭・日で給与し、7週目〜8週目は無給与とし、9週目以降は300mg/頭・日で給与した。給与期間中、馴致期間を含め、毎週1回、血液および生乳を採取して分析を行った。血液成分として、グルコース、尿素態窒素(BUN)、総コレステロール、総蛋白質、GGT、GOTおよびGPTを、日立ドライケムにより測定した。生乳成分は、生乳検査所に検査を依頼した。また、給与期間中に3回、牛乳の風味試験を実施し、ルーメン液および直腸ふんを採取し、各々有機酸分析およびふん臭気の調査を行った。
【0054】
(1)生乳成分検査の結果、乳量、乳脂率、乳蛋白質率、乳糖および乳中尿素態窒素成分は、試験区と対照区との間で有意な差は認められなかった。一方、図4は、乳汁中の体細胞数の変化を示す(値は平均±SEMを示す(n=4))。図4に示すように、乳汁中体細胞数は、対照区では試験期間中に50万個/mLを超える体細胞数の増加が確認されたが、試験区では、体細胞数の上昇はなく、給与期間中を通して体細胞数は低く抑えられ、乳房炎の発生を抑制し、良好な乳質を維持できることが確認できた。
【0055】
(2)血液中における、グルコース、尿素態窒素(BUN)、総コレステロール、総蛋白質、GGT、GOTおよびGPTは、試験区と対照区との間で有意な差は認められず、飼料Aの給与は、泌乳牛の肝機能へ何ら影響しないことが確認できた。また、ルーメン液のpH、有機酸の組成および濃度と、酢酸/プロピオン酸比は、試験区と対照区との間で有意差はなかったことから、6kg/日の飼料Aの給与は、ルーメン微生物活性のバランスに影響せず、何ら問題のないことが確認された。
【0056】
(3)飼料Aの給与により、繁殖機能および抗病性等に大きな影響を及ぼすβカロテンの保有状態への影響を確認するため、試験区と対照区の泌乳牛について、血漿中のβカロテン濃度を測定した。測定方法は、ビタミン分析法(日本ビタミン学会編:1989、ビタミン分析法、化学同人、京都)に基づき行った。まず、血漿0.5mLにn−ヘキサン5.0mLを加え、抽出後、遠心分離(3,000rpm、10分間)し、40℃で濃縮乾固した後、エタノール1.0mLに溶解し、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過したものをHPLCで測定した。
【0057】
図5は、血漿中のβカロテン濃度の推移を示す(値は平均±SEMを示す(n=4))。試験区の泌乳牛には、前述のとおり日量6kgの飼料Aを給与したため、72mg/頭・日のβカロテンを給与したことになる。これに対して、対照区の4頭に給与する飼料にはβカロテン製剤等のビタミンA群製剤を配合し、給与量は、βカロテン力価相当量で、馴致を含めて給与開始から6週目までは210mg/頭・日とし、7週目〜8週目は無給与とし、9週目以降は300mg/頭・日とした。図5に示すように、飼料Aを給与した試験区は、βカロテン製剤等のビタミンA群製剤を給与した対照区と比較して、馴致2週目から血中のβカロテン濃度が高くなり、試験期間中、常に対照区より高濃度を維持した。特に、βカロテン製剤等のビタミンA群製剤の無給与後の対照区では低値のままであった。1頭・1日当たりのβカロテンの給与量の多少を考慮すると、試験区では飼料A中のβカロテンの体内吸収率が大きく、血漿中のβカロテン濃度を高める効果の高いことが確認できた。なお、馴致7週目に両区ともβカロテン濃度の一過性の低下が認められるが、外気温の低下に基づくストレスによるものである。
【0058】
(4)牛乳の風味試験は、試験区と対照区のそれぞれの合乳を対象にして、男4人と女4人による官能試験を行った。試験は、色の濃さ、味の濃さ、香りの強さ、甘みの強さ、酸味の強さ、苦みの強さと総合評価の合計7項目とし、各々5段階で評価した。評価の結果、試験区は対照区より、色の濃さ、味の濃さと総合評価において有意に高い点数を示し、他の評価項目では有意差はなかった。したがって、飼料Aの給与は、牛乳の乳質を高める効果のあることが分かった。図6は、牛乳の色の濃さ、味の濃さと総合評価を示す(値は平均±SEMを示す(n=8))。図6における*印は、有意に高い点数(p<0.05,paired t−test)を示す。
【0059】
(5)給与期間中3回、牛の直腸ふん100g/頭を採取し、臭気試験を行った。ふんは、試験区と対照区毎に4頭分を等量ずつ混合したもの75gを、無臭空気1Lと合せて、臭気袋に密封し、30℃で1時間放置した後、気層中のアンモニア濃度、硫化水素濃度と総メルカプタン濃度をガス検知管(GASTEC社製)で測定した。また、総合的な悪臭の強度を、男3人と女3による官能試験で5段階評価した。
【0060】
その結果、アンモニア濃度と硫化水素濃度について、対照区が試験区より高値となった。また、悪臭強度の官能試験においても試験区が対照区に比べて有意に悪臭が弱いという結果が得られた。総メルカプタン濃度は、試験期間を通じて検出限界以下であった。図7は、アンモニア濃度、硫化水素濃度と悪臭強度を示す(値は平均±SEMを示す(n=6))。図7(c)における*印は有意に高い点数(p<0.05,paired t−test)を示す。また、通常、飼料給与量と摂取量の増加により軟便になる傾向が強いが、飼料Aの給与により、ふんのしまりが良くなり、軟便が改善することが確認できた。
【0061】
(6)泌乳牛の代わりに、ビタミン製剤非投与の育成牛3頭と、肥育牛3頭を対象にし、泌乳牛への給与プログラムと同様にして、馴致を経る給与試験を行った。飼料Aの1頭当たりの給与量は4kg/日とし、7〜28日間発酵した飼料を用い、血漿中のβカロテンの測定は、上記のe(3)と同様に行った。図8は、血漿中のβカロテン濃度の推移を示す(値は平均±SEMを示す)。図8に示すように、飼料Aを給与することにより血漿中のβカロテン濃度の顕著な上昇が確認された。なお、図8において、8週目にβカロテン濃度の一過性の低下があるが、外気温の低下に基づくストレスによるものである。
【0062】
また、これらの育成牛3頭と肥育牛3頭を対象にし、直腸ふんのアンモニア濃度、硫化水素濃度と総メルカプタン濃度とを上記e(5)と同様にして、2回測定した。図9は、アンモニア濃度と硫化水素濃度を示す。図9に示すように、アンモニア濃度と硫化水素濃度は、1ppm以下の低い濃度であった。なお、総メルカプタンは、検出限界以下の濃度であった。
(実施例2)
【0063】
原料の調製後、25℃の恒温室で発酵した以外は、実施例1と同様にして、飼料Bを得、飼料分析および給与試験を実施例1と同様の方法で行った。
【0064】
飼料Bは、βカロテンを約13mg/kg含有していた。つぎに、飼料Bの微生物毒性を解析するため、アフラトキシンB1を測定し、長期間保管時のカビ毒に対する安全性を確認した。測定の結果、発酵56日目の飼料からアフラトキシンB1は検出されなかった。
【0065】
つぎに、飼料B中の乳酸菌数、大腸菌群数、pHと有機酸組成を測定し、発酵特性を検討した。図10は、飼料Bの発酵特性を示す(値は、平均±SDを示す(n=3))。乳酸菌数は、図10(a)(菌数を対数で表示する)に示すように、発酵開始後24時間で、10cfu/g以上の高密度となり、この密度を2週間程度維持できた。実施例1(0〜20℃で発酵)に比べて、乳酸菌数が早く低下したが、10cfu/gの密度を4週間程度維持でき、図10(b)(菌数を対数で表示する)に示すように、大腸菌群数は、発酵開始後2週間で1×10cfu/g以下の低密度となり、4週間目以降は検出されなかった。したがって、衛生面において安全性の高い飼料であることが確認された。
【0066】
pHは、図10(c)に示すように、4.0以下となり、実施例1に比べて低くなり、図10(d)に示す有機酸の濃度から、実施例1よりも高い濃度で乳酸など有機酸が生成し、発酵後1週間程度で乳酸の濃度は400mモル/kg以上の高濃度となった。実施例1に比べて、pHが低く、有機酸が高濃度になったことにより、乳酸菌の生存数が低下したものと考えられる。これらのデータから、発酵開始後、当初は大腸菌等の雑菌と競合するが、次第に乳酸菌群が優位になり、有機酸の生産が増加し、夏季においても高い品質の発酵飼料を調製できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、飼料自給率を高め、資源の有効利用を図ることができ、食品廃棄物の焼却処分により発生する二酸化炭素の排出抑制にも貢献することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、前記原料を乳酸発酵して得られる飼料であって、
3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である乳酸発酵飼料。
【請求項2】
乳酸が100mモル/kg以上であり、pHが5以下である請求項1に記載の乳酸発酵飼料。
【請求項3】
前記原料は、豆腐粕を20質量%以上含む請求項1または2に記載の乳酸発酵飼料。
【請求項4】
前記原料は、ニンジン屑を含み、乳酸発酵によりニンジン臭をマスキングした請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸発酵飼料。
【請求項5】
前記原料に配合する乳酸菌は、ラクトバチルス プランタラムと、ラクトバチルス ガリナルムと、エンテロコッカス フェシウムとを含む請求項1〜4のいずれかに記載の乳酸発酵飼料。
【請求項6】
粗脂肪率が、3質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の乳酸発酵飼料。
【請求項7】
ビタミンA群製剤を配合した請求項1〜6のいずれかに記載の乳酸発酵飼料。
【請求項8】
緑黄色野菜を14質量%以上含む原料に乳酸菌を配合し、前記原料を1週間〜2週間乳酸発酵して得られる飼料の製造方法であって、
前記飼料は、3mg/kg以上のβカロテンと、5×107cfu/g以上の乳酸菌とを含有し、水分が45質量%〜60質量%である乳酸発酵飼料の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−45251(P2011−45251A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193958(P2009−193958)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名: 全大阪魚蛋白事業協同組合 刊行物名: 平成20年度 中小企業活路開拓調査・実現化事業(中小企業組合等活路開拓事業編)−乳酸発酵技術を用いたリサイクル飼料の調査研究−(報告書) 巻数と号数:なし 発行年月日:平成21年 2月26日
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【出願人】(509240000)有限会社大興 (1)
【Fターム(参考)】