説明

乾燥セラミック成形体の製造方法

【課題】セラミック基体が大型であってもコート層にクラックを発生させることなく、短時間でムラなく均一に乾燥させて高品質の乾燥セラミック成形体を歩留まり良好に製造することが可能な乾燥セラミック成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック原料によって形成された未焼成又は焼成済のセラミック基体と、セラミック基体の外周上に形成された、セラミック粉末を含有するコート材からなるコート層とを備えたセラミック成形体を、その表面温度を80℃以上に保持して乾燥させ、乾燥セラミック成形体を得ることを含む乾燥セラミック成形体の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥工程が短時間で完了し得る乾燥セラミック成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハニカム構造体は、触媒担体や各種フィルター等に広く用いられている。最近では、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質を捕捉するためのディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)としても注目されている。
【0003】
ハニカム構造体は、一般にセラミックを主成分とすることが多い。このようなハニカム構造体を製造するには、先ず、セラミックに対して水、バインダ等の各種添加剤を加えて得られたセラミック原料を坏土状とした後、これを押出成形してハニカム形状の成形体(ハニカム基体)を作製する。このハニカム基体を乾燥等した後に焼成すれば、ハニカム構造体を製造することができる。
【0004】
なお、得ようとするハニカム構造体のサイズや用途等によっては、その外周上に外壁部が形成されたハニカム構造体とすることもある。このような外壁部を備えたハニカム構造体は、例えば、セラミック粉末を含有するコート材をハニカム基体の外周上に層状に塗布してコート層を形成した後、乾燥及び焼成すること等により製造することができる。
【0005】
このようなハニカム基体を乾燥する方法に関連する従来技術としては、単に室温条件下に放置する自然乾燥方法の他、ハニカム基体の上方と下方とに設けた電極間に電流を流すことによって発生させた高周波エネルギーを利用して乾燥を行う誘電乾燥法や、ガスバーナー等で発生させた熱風を導入して乾燥を行う熱風乾燥法がよく知られている。但し、最近はこれらの乾燥法に代わって、又はこれらの乾燥法と併用して、乾燥速度が速い等の利点を有するマイクロ波を利用した乾燥方法(マイクロ波乾燥方法)が行われるようになってきている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
しかしながら、自然乾燥方法では、十分な乾燥状態とするのに他の乾燥方法に比して時間が必要とされる。特に、ハニカム基体が大型である場合には相当長期間が必要であるという問題があった。一方、ハニカム基体の外周上にコート層が形成されたハニカム基体を熱風乾燥法やマイクロ波乾燥方法によって乾燥する場合には、自然乾燥方法に比して短時間で乾燥が完了するという利点がある。しかしながら、乾燥したコート層の表面にクラックが発生し易く、品質や製造歩留まりが低下してしまうという問題があった。このようなクラックの発生を回避すべく、適度に加湿した雰囲気下(調湿雰囲気下)で乾燥を行うといった対策も考えられるが、乾燥時間が長期化してしまうために実用性の面で不十分であった。
【0007】
【特許文献1】特開2002−283329号公報
【特許文献2】特開2002−283330号公報
【特許文献3】国際公開第2005/023503号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、セラミック基体が大型であってもコート層にクラックを発生させることなく、短時間でムラなく均一に乾燥させて高品質の乾燥セラミック成形体を歩留まり良好に製造することが可能な乾燥セラミック成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、セラミック成形体の表面温度を80℃以上に保持して乾燥を行うことによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明によれば、以下に示す乾燥セラミック成形体の製造方法が提供される。
【0011】
[1]セラミック原料によって形成された未焼成又は焼成済のセラミック基体と、前記セラミック基体の外周上に形成された、セラミック粉末を含有するコート材からなるコート層と、を備えたセラミック成形体を、その表面温度を80℃以上に保持して乾燥させ、乾燥セラミック成形体を得ることを含む乾燥セラミック成形体の製造方法。
【0012】
[2]100℃以上であるとともに、その水蒸気分圧が全圧の70%以上である過熱水蒸気の雰囲気下で乾燥させ、前記乾燥セラミック成形体を得る前記[1]に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【0013】
[3]前記セラミック基体が、隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するハニカム形状の構造体である前記[1]又は[2]に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【0014】
[4]前記過熱水蒸気の温度が120〜180℃である前記[2]又は[3]に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【0015】
[5]前記コート層の厚みが0.5mm以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【0016】
[6]前記コート材に、熱硬化材料が更に含有される前記[1]〜[5]のいずれかに記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法によれば、セラミック基体が大型であってもコート層にクラックを発生させることなく、短時間でムラなく均一に乾燥させて高品質の乾燥セラミック成形体を歩留まり良好に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0019】
本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法の一実施形態は、セラミック原料によって形成された未焼成又は焼成済のセラミック基体と、このセラミック基体の外周上に形成された、セラミック粉末を含有するコート材からなるコート層とを備えたセラミック成形体を、その表面温度を80℃以上に保持して乾燥させ、乾燥セラミック成形体を得ることを含むものである。以下、その詳細について説明する。
【0020】
本発明に係る乾燥セラミック成形体の製造方法において乾燥対象となるセラミック成形体の具体例としては、図1及び2に示すようなハニカム成形体1を挙げることができる。なお、乾燥対象となるセラミック成形体は、図1及び2に示すようなハニカム形状の構造体に限られず、例えば柱状、板状、環状、不定形状等の任意の形状であってもよい。
【0021】
図1及び2に示すハニカム成形体1は、隔壁2によって区画された流体の流路となる複数のセル3を有するハニカム形状の構造体(ハニカム基体5)である。また、ハニカム成形体1は、通常、複数のセル3を囲繞するようにハニカム基体5の外周にコート層4が配設されることによって構成されている。なお、セル3の軸方向(流路方向)と直行する断面形状は限定されず、図1に示すような円形のほか、四角形等の形状を任意に選択することができる。
【0022】
ハニカム基体5は、例えば、セラミックに対して、水、バインダ等の各種添加剤加えて得られたセラミック原料によって形成されたものである。セラミックとしては、例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト等の酸化物系セラミック;炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ等の非酸化物系セラミック等を挙げることができる。また、炭化珪素/金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。
【0023】
バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等を挙げることができる。
【0024】
また、ハニカム基体5は、未焼成のもの(未焼成体)であっても焼成済みのもの(焼成体)であってもよい。ここで、「未焼成体」とは、使用したセラミックの粒子が、成形時の粒子形状を維持したままでの状態で存在しており、かつ、セラミックが焼結していない状態のものをいう。これに対して、「焼成体」とは、使用したセラミックが高温に晒されたことにより他の化合物等に変性した状態のもの、或いは同一の物質(セラミック)であっても、高温に晒されたことにより粒成長や粒子間における結合の形成等が生じて粒子形状に変化が生じた状態のものをいう。
【0025】
ハニカム基体5の外周に配設されるコート層4は、骨材としてのセラミック粉末と水を少なくとも含有するコート材を層状に塗布することによって形成することができる。コート材に含有されるセラミック粉末を構成するセラミックの具体例としては、前述のセラミックと同様のものを挙げることができる。コート材には、セラミック粉末と水以外に、例えば、シリカゾルやアルミナゾル等のコロイド状酸化物(無機バインダ)を強化材として含有させてもよい。また、メチルセルロースやポリビニルアルコール等の有機バインダを強化材として含有させてもよい。更に、骨材として、非晶質のムライトやシリカ−アルミナ等から構成されるセラミックファイバをコート材に含有させることも好ましい。
【0026】
ゾル原料、セメント材料等の熱硬化材料、又はファイバを強化材としてコート材に含有させることで、コート層におけるクラック発生をより効果的に抑制することが可能である。また、有機性のバインダをコート材に含有させることも、クラックの抑制に対して効果的である。このため、これらの強化材を含有するコート材を用いることと、過熱水蒸気を使用して乾燥を行うこととを併用することにより、より効率的で効果的な乾燥を行うことができる。なお、これらの強化材を含有するコート材を用いると、コート時の作業性が低下したり、得られる製品の特性が低下したりする場合がある。このため、従来の乾燥セラミック成形体の製造方法では、コート材に強化材を含有させることが必ずしも良いことであるとは限らない。しかしながら、本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法によれば、強化材を含有するコート材を積極的に用いることができる。
【0027】
本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法においては、図1及び2に示すようなハニカム成形体1をはじめとするセラミック成形体を、その表面温度を80℃以上に保持して乾燥する。なお、乾燥時におけるセラミック成形体の表面温度は、セラミック成形体の表面に熱電対を接触させて測定することができる。図1及び2に示すハニカム成形体1を乾燥すると、コート層4に含有される水分が蒸発して外壁部が形成され、乾燥セラミック成形体を得ることができる。なお、ハニカム基体5が水分を含有する未焼成体である場合には、この水分も蒸発して乾燥したハニカム基体5が形成される。このように、表面温度を80℃以上に保持してセラミック成形体を乾燥させると、コート層にクラックを発生させることなく、短時間で乾燥を完了させることができる。
【0028】
セラミック成形体の表面温度を80℃以上に保持する方法としては、適当な温度に調整された過熱水蒸気等の熱媒をセラミック成形体に接触させる方法を挙げることができる。過熱水蒸気を用いる方法以外にも、例えば、加湿雰囲気において、マイクロ波加熱、誘電加熱、又は赤外線加熱によりセラミック成形体を加熱する方法等もある。更には、セラミック成形体に電流を流し、ジュール熱を利用して加熱する方法もある。これらの方法のなかでも、過熱水蒸気を用いてセラミック成形体の乾燥を行うことが、雰囲気制御を容易に行うことができるために好ましい。
【0029】
過熱水蒸気を用いる場合において、この過熱水蒸気の温度は、100℃以上であることが好ましく、120〜180℃であることが更に好ましく、140〜180℃であることが特に好ましい。100℃以上の過熱水蒸気を使用すると、よりコート層にクラックを発生させることなく、更に短時間で乾燥を完了させることができる。なお、過熱水蒸気の温度が100℃未満であると、乾燥に要する時間が長時間となってしまう場合がある。一方、過熱水蒸気の温度が180℃超であっても乾燥することは可能であるが、乾燥速度が著しく速くなるため、コート層にクラックが発生する場合がある。
【0030】
乾燥に使用する過熱水蒸気の水蒸気分圧(水蒸気の体積比率)は、全圧の70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90〜100%である。水蒸気分圧が70%以上の過熱水蒸気を使用することで、よりコート層にクラックを発生させることなく乾燥することができる。なお、過熱水蒸気の水蒸気分圧が70%未満であると、乾燥は短時間で完了するが、コート層にクラックが発生し易くなる場合がある。
【0031】
過熱水蒸気を使用する場合において、乾燥は、所定条件の過熱水蒸気の雰囲気とした乾燥機内にセラミック成形体を載置すればよい。また、セラミック成形体に対してマイクロ波を照射したり、赤外線を照射したりすれば、より迅速に乾燥することが可能となるために好ましい。なお、図1及び2に示すようなハニカム成形体1を乾燥させる場合には、セル3内に過熱水蒸気を通風させることも好ましい実施態様である。セル3内に過熱水蒸気を通風させる方法としては、例えば、(1)ハニカム成形体を垂直に載置し、送風ファン等を使用してセル3の上方又は下方より強制的に過熱水蒸気を送り込む方法、(2)セル3の上方又は下方に排気ファンを設置して過熱水蒸気を吸引する方法、(3)過熱水蒸気の温度差による対流(上昇気流)を利用して、自然に通風させる方法、等を挙げることができる。また、邪魔板等を使用し、セル3の入口又は出口における過熱水蒸気の流れを制御することにより、ハニカム成形体1内における位置毎の通風量を制御し、乾燥速度を調整することも可能である。このように、セル内に過熱水蒸気を通風させることにより、コート層の内表面と外表面の両方から乾燥を促進させることができるので、クラックのないコート層をより迅速に形成することが可能である。
【0032】
本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法において乾燥対象となるセラミック成形体の寸法は特に限定されるものではない。但し、本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法の効果は、比較的大型のセラミック成形体を乾燥する場合に特に顕著に奏される。具体的には、セラミック成形体のコート層の厚みが、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上である場合に効果的である。
【0033】
セラミック成形体を乾燥させるのに要する時間は、セラミック成形体の寸法や形状、コート層の厚みや表面積等、水分含量等によって異なるが、通常、1〜120分、好ましくは1〜20分時間程度である。一般に、乾燥に長時間かければコート層に発生するクラックの数は少なくなるが、生産性に劣るため有効であるとはいえない。
【0034】
なお、図1及び2に示すようなハニカム成形体1を乾燥させる場合においても、このハニカム成形体1のセル密度、隔壁厚み、セル形状、及び寸法等は特に限定されるものではない。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
ハニカム構造を有する、セラミックからなる円筒状の焼成体(外径×流路長:200mm×200mm、セル密度:45セル/cm、隔壁厚み:0.3mm)を用意した。この焼成体の外周上に、セラミック粉末とシリカゾル(強化材)を含有するスラリー状のコート材を塗布し、厚さ=約1.5mmのコート層が形成されたハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体の表面に熱電対を接触配置し、100℃の過熱水蒸気雰囲気下(過熱水蒸気の分圧:100%(過熱水蒸気/熱風(体積比)=100/0))、バッチ式乾燥機を使用して、ハニカム成形体の表面温度を計測しつつ乾燥することにより乾燥ハニカム成形体を得た。乾燥に要する時間は20minであった。なお、「乾燥に要する時間」とは、「ハニカム成形体を完全に乾燥(含水率:0%)した場合の減少質量に対する、実際の乾燥によって減少した質量の割合が、95%以上となるのに要する時間」を意味する。以下、同様の意味である。得られた乾燥ハニカム成形体の外壁部(コート層)表面におけるクラック発生状態を目視観察したところ、クラックの発生は認められなかった。
【0037】
(実施例2〜13、比較例1〜8)
表1に示す種類の強化材を含有するコート材を用いたこと(但し、実施例10及び11では強化材を含有させていない)、及び表1に示す乾燥雰囲気下で乾燥を行ったこと以外は、前述の実施例1と同様にして乾燥ハニカム成形体を得た。得られた乾燥ハニカム成形体の外壁部(コート層)表面におけるクラック発生状態を目視観察した結果を表1に示す。また、実施例11、13、及び比較例8について、乾燥時間(min)に対してハニカム成形体の表面温度(℃)をプロットしたグラフを図3に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1に示すように、実施例1〜13では、比較例1〜8に比して短時間で乾燥可能であるとともに、形成される外壁部の表面にクラックが極めて発生し難いことが明らかである。なお、過熱水蒸気の温度を高めるに従って(実施例1〜4)、より短時間で乾燥が完了することが判明した。また、過熱水蒸気の分圧を70%未満とした場合(比較例4,5)には、クラックが発生することが明らかである。なお、図3に示すグラフから、乾燥雰囲気の温度を80℃に設定した場合(比較例8)であっても、乾燥が進行しているハニカム成形体の表面温度は80℃までには上昇しないことが明らかである。また、実施例11及び13のように、乾燥雰囲気の温度を80℃よりも高温に設定した場合には、ハニカム成形体の表面温度を80℃以上に保持した状態で乾燥させることが可能であり、クラックが発生せず短時間で乾燥が完了できることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法によれば、触媒担体や、DPFをはじめとする各種フィルター等に広く用いられる高品質なハニカム構造体を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の乾燥セラミック成形体の製造方法で用いられるセラミック成形体(ハニカム成形体)の一例を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施例11、13、及び比較例8について、乾燥時間(min)に対してハニカム成形体の表面温度(℃)をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
【0042】
1 ハニカム成形体
2 隔壁
3 セル
4 コート層
5 ハニカム基体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック原料によって形成された未焼成又は焼成済のセラミック基体と、前記セラミック基体の外周上に形成された、セラミック粉末を含有するコート材からなるコート層と、を備えたセラミック成形体を、
その表面温度を80℃以上に保持して乾燥させ、乾燥セラミック成形体を得ることを含む乾燥セラミック成形体の製造方法。
【請求項2】
100℃以上であるとともに、その水蒸気分圧が全圧の70%以上である過熱水蒸気の雰囲気下で乾燥させ、前記乾燥セラミック成形体を得る請求項1に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【請求項3】
前記セラミック基体が、隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するハニカム形状の構造体である請求項1又は2に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【請求項4】
前記過熱水蒸気の温度が120〜180℃である請求項2又は3に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【請求項5】
前記コート層の厚みが0.5mm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。
【請求項6】
前記コート材に、熱硬化材料が更に含有される請求項1〜5のいずれか一項に記載の乾燥セラミック成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−229872(P2008−229872A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68337(P2007−68337)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】