説明

乾燥装置

【課題】本発明は、乾燥装置の熱風発生器で、十分に高温な熱風を発生させることができ、また、熱風を発生させるためのエネルギーを減らすことができる乾燥装置を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明の第1手段は、被乾燥物を乾燥する乾燥室と、該乾燥室に送る熱風を発生させる熱風発生器を備えた乾燥装置において、前記熱風発生器はバーナの燃焼室と、燃焼ガスと乾燥用空気とを熱交換させる熱交換器と、燃焼ガスの排気口と、乾燥用空気を供給する送風ファンとから構成され、排気口から排気される燃焼ガスを送風ファンの吸い込み側に誘導し、乾燥用空気と混合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱風を送風することにより乾燥を行なう乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の乾燥装置の熱風発生器は、次に示すものがある。一つ目には、図2に示すように、送風ファン25の吸い込み側でバーナ24を燃焼させるものがある。二つ目には、図3に示すように、送風ファン35の吹出し側でバーナ34を燃焼させるものがある。三つ目には、図4に示すように、バーナ44を燃焼室45内で燃焼させ、燃焼ガスを送風ファン48で送られてくる乾燥用空気と熱交換させて、加熱された乾燥用空気を乾燥室42へ送り、燃焼ガスは煙突49から排気させるものがある。上記の一つ目と二つ目は、燃焼ガスを乾燥用空気と混合して送風するものであり、三つ目は燃焼ガスと乾燥用空気を混合しないで乾燥用空気のみを送風するものであり、一般的には三つ目の方式をとっていた。特許文献1においても、上記三つ目の熱風発生器を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7−18303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術の一つ目では、バーナの燃焼室がないので、完全に燃焼が行なわれず、未燃焼ガスが乾燥用空気と一緒に送られるという問題があった。従来の技術の二つ目では、送風ファンの吹出し側は空気圧が高いので、ここでバーナを燃焼させるには、供給燃料の圧力を高くする必要があり、燃焼を完全に行なうためには問題点が多かった。従来の技術の一つ目と二つ目は燃焼ガスを乾燥用空気と混合させているので、燃焼ガスの熱量を100%利用しているが、従来の技術の三つ目は、燃焼ガスの熱量の一部を熱交換させて乾燥用空気へ移しているが、多くは排熱として煙突から排出されるので、熱効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、乾燥装置の熱風発生器で、十分に高温な熱風を発生させることができ、また、熱風を発生させるためのエネルギーを減らすことができる乾燥装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1手段は、被乾燥物を乾燥する乾燥室と、該乾燥室に送る熱風を発生させる熱風発生器を備えた乾燥装置において、前記熱風発生器はバーナの燃焼室と、燃焼ガスと乾燥用空気とを熱交換させる熱交換器と、燃焼ガスの排気口と、乾燥用空気を供給する送風ファンとから構成され、排気口から排気される燃焼ガスを送風ファンの吸い込み側に誘導し、乾燥用空気と混合させる。本発明の第2手段は、前記第1手段において、前記排気口にダクトを接続し、ダクト排気口を送風ファンの吸い込み側に配置する。
【発明の効果】
【0007】
煙突から外へ排出される高温の燃焼ガスは高い熱量をもっている。これを本発明のように、乾燥用空気の送風ファンの吸い込み側へ誘導して、吸い込む乾燥用空気と混合することができる。また、燃料を燃焼室で完全に燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の熱風発生器を示した説明図である。
【図2】図2は従来の技術を示した説明図である。(一つ目)
【図3】図3は従来の技術を示した説明図である。(二つ目)
【図4】図4は従来の技術を示した説明図である。(三つ目)
【図5】図5は本発明の概略を示した説明図である。(実施例1)
【図6】図6は本発明の概略を示した説明図である。(実施例2)
【図7】図7は乾燥装置の正面断面図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0009】
乾燥装置1は、少なくとも、被乾燥物を乾燥させる乾燥室2と、熱風発生器3を装備している。熱風発生器3の送風ファン8より外部の乾燥用空気を吸い込み、熱風発生器3により熱交換した熱風を乾燥室2へ送風する。熱風発生器3にて利用された燃焼ガスは、排気口7より排気される。
【0010】
本発明の熱風発生器3について、図1を参照して説明する。熱風発生器3はバーナ4の燃焼室5と、燃焼ガスと乾燥用空気とを熱交換させる熱交換器6と、燃焼ガスの排気口7と、乾燥用空気を供給する送風ファン8とから構成されている。送風ファン8により外部の空気を乾燥用空気として吸い込み、その乾燥用空気を熱交換器6にて加熱し、ダクト9Bにて乾燥室2へ送風する。燃焼室5内でバーナ4を燃焼した燃焼ガスは、熱交換器6にて乾燥用空気を加熱し、燃焼ガスそのものは排気口7より熱風発生器3の外へ排気される。この排気口7から排気される燃焼ガスをダクト10によって送風ファン8の吸い込み側に誘導し、乾燥用空気と混合させる。
【実施例1】
【0011】
図5を参照して、実施例1を説明する。実施例1の場合、燃焼ガスの排気口7が送風ファン8に隣接している。排気口7から排気された燃焼ガスは、乾燥装置1の周りの乾燥用空気に混入し、周りの乾燥用空気をあたためる役割をする。このあたためられた乾燥用空気が送風ファン8より吸い込まれ、熱交換しやすくする。これにより、熱風になりやすく、また、熱風の温度が高くなる。テスト結果の一例として、従来の乾燥装置を従来のように使用した場合に100度だった熱風が、本発明の装置により130度になった。(空気の流れを矢印で示す。)
【実施例2】
【0012】
図6を参照して実施例2を説明する。実施例2の場合、排気口7は送風ファン8と離れた(正反対)位置にあるため、排気口7の先にはダクト10を設け、ダクト排気口10Aを送風ファン8付近に配置する。(空気の流れを矢印で示す。)このようにすることで、実施例1と同様に、熱風発生器3の燃焼ガスが周りの乾燥用空気と混合し、乾燥用空気をあたためる。
【実施例3】
【0013】
図7を参照して、実施例3を説明する。実施例3は製茶用乾燥装置20であるが、被乾燥物は茶に限定しない。乾燥室2内には、複数の透気性の輸送体15があり、モータ16により駆動している。被乾燥物11は投入コンベヤ12により投入口13より乾燥室2内の輸送体15上へ乗せられる。この時、かきならし具14により、被乾燥物11の厚さをほぼ均一にする。被乾燥物11は輸送体15上で熱風を送風されて乾燥し、取出口17より取出コンベヤ18上へ取り出される。
【0014】
次に空気の流れを説明する。(空気の流れを矢印で示す。)実施例3では熱風発生器3は乾燥室2の下部に配置されており、送風ファン8によって吸い込んだ乾燥用空気を熱風発生器3にて熱交換し、熱風を乾燥室2の下部より送風する。被乾燥物11を乾燥した空気は排気ファン19により上部から排気される。熱風発生器3内の燃焼室(図示しない)にて燃焼した燃焼ガスは、排気口7より排気される。実施例3では、排気口7と送風ファン8が離れているため、ダクト10を接続し、ダクト排気口10Aを送風ファン8付近へ配置する。このようにすることで、実施例1、2と同様となり、熱風発生器3の排気が周りの空気をあたためたり、送風ファン8で吸い込む乾燥用空気に混入したりすることができる。
【符号の説明】
【0015】
1 乾燥装置
2 乾燥室
3 熱風発生器
4 バーナ
5 燃焼室
6 熱交換器
7 排気口
8 送風ファン
9A ダクト
9B ダクト
10 ダクト
10A ダクト排気口
11 被乾燥物
12 投入コンベヤ
13 投入口
14 かきならし具
15 輸送体
16 モータ
17 取出口
18 取出コンベヤ
19 排気ファン
20 製茶用乾燥装置
22 乾燥室
23 熱風発生器
24 バーナ
25 送風ファン
26 被乾燥物
32 乾燥室
33 熱風発生器
34 バーナ
35 送風ファン
42 乾燥室
43 熱風発生器
44 バーナ
45 燃焼室
46 熱交換器
48 送風ファン
49 煙突

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を乾燥する乾燥室と、該乾燥室に送る熱風を発生させる熱風発生器を備えた乾燥装置において、前記熱風発生器はバーナの燃焼室と、燃焼ガスと乾燥用空気とを熱交換させる熱交換器と、燃焼ガスの排気口と、乾燥用空気を供給する送風ファンとから構成され、排気口から排気される燃焼ガスを送風ファンの吸い込み側に誘導し、乾燥用空気と混合させることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記排気口にダクトを接続し、ダクト排気口を送風ファンの吸い込み側に配置することを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−127554(P2012−127554A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278266(P2010−278266)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000145116)株式会社寺田製作所 (90)
【Fターム(参考)】