説明

事例データ生成プログラム、方法及び装置

【課題】複数のシステムの管理をより効率的に行う。
【解決手段】システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別子と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別子とを格納するシステムデータ格納部1001から、当該システムについての構成要素の識別子及びテンプレートの識別子を読み出す読み出し、テンプレートの識別子と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別子とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部1005から、読み出されたテンプレートの識別子に対応付けられている定義構成要素の識別子を抽出し、読み出された実構成要素の識別子のうち、抽出された定義構成要素の識別子と一致する識別子を特定し、障害が発生した構成要素の識別子を含む事例データを格納する第1事例データ格納部1011から、特定工程において特定された識別子を含む事例データを抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、システムの管理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザがシステムを保有せず、インターネット等のネットワーク上にあるシステムのリソースを必要な分だけ利用するような、クラウドコンピューティングと呼ばれるコンピュータの利用形態が普及しつつある。一般に、このようなクラウドコンピューティングのサービスを提供する業者は、複数のシステムを管理し、複数のユーザ(テナントとも呼ばれる)に対してサービスを提供する。
【0003】
ところで、システムの管理者は、システムに障害が発生した場合、発生した障害の内容や原因等を記録して蓄積し、再度障害が発生した場合等に利用できるようにすることがある。そして、このようにして蓄積された事例を、障害が発生したシステムだけではなく、他のシステムの管理においても利用することが行われている。従来の技術では、プラントで異常が発生した場合、異常兆候を示した設備と同種類の設備を採用しているプラントを検索し、検出されたプラントの管理者に対して、異常兆候を未然に防ぐための情報を提供する。
【0004】
しかしながら、クラウドコンピューティング等のサービスを提供するために構築されたシステムの場合、上記の従来技術のような基準でシステムを特定したとしても、有効な情報提供をすることができないため、システム管理があまり効率化されないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2002/067069公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、1つの側面では、本技術の目的は、複数のシステムの管理をより効率的に行うための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る事例データ生成方法は、(A)システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、(B)テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、読み出しステップにおいて読み出されたテンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、(C)読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、(D)障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップとを含む。
【0008】
第2の態様に係る事例データ生成方法は、(A)システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、(B)障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、特定ステップにおいて特定された識別子を含む第1事例データを抽出するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
複数のシステムの管理をより効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施の形態の共通事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図3】図3は、第2の実施の形態の共通事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図4】図4は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図5】図5は、第3の実施の形態の前提を説明するための図である。
【図6】図6は、第3の実施の形態の共通事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図7】図7は、機種テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、機種テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、要素テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図10】図10は、接続テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図11】図11は、機種設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図12】図12は、機種設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図13】図13は、機種設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図14A】図14Aは、機種設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図14B】図14Bは、機種設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図15】図15は、要素設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図16】図16は、接続設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図17】図17は、ネットワーク設定テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図18】図18は、事例DBに格納されるデータの一例を示す図である。
【図19】図19は、第3の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図20A】図20Aは、抽象化事例データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図20B】図20Bは、抽象化事例データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図21】図21は、第3の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図22】図22は、第4の実施の形態の共通事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図23】図23は、第4の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図24】図24は、第4の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図25】図25は、第5の実施の形態の事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図26】図26は、第5の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図27】図27は、第6の実施の形態の事例データ生成装置の機能ブロック図である。
【図28】図28は、第6の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図29】図29は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
第1の実施の形態に係る共通事例データ生成装置の機能ブロック図を図1に示す。第1の実施の形態に係る共通事例データ生成装置は、システムデータ格納部1001と、読み出し処理部1003と、テンプレートデータ格納部1005と、抽出処理部1007と、特定処理部1009と、第1事例データ格納部1011と、格納処理部1013と、共通事例データ格納部1015とを有する。読み出し処理部1003は、システムデータ格納部1001に格納されているデータを用いて処理を行う。抽出処理部1007は、テンプレートデータ格納部1005に格納されているデータを用いて処理を行う。特定処理部1009は、読み出し処理部1003の処理結果及び抽出処理部1007の処理結果を用いて処理を行う。格納処理部1013は、特定処理部1009の処理結果及び第1事例データ格納部1011に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通事例データ格納部1015に格納する。
【0012】
次に、図1に示した共通事例データ生成装置の処理内容を図2を用いて説明する。まず、読み出し処理部1003は、システムで実際に使用されている構成要素である実構成要素のIDと当該システムの構築に用いられたテンプレートのIDとを格納するシステムデータ格納部1001から、システムについての実構成要素のID及びテンプレートのIDを読み出す(ステップS1001)。そして、抽出処理部1007は、テンプレートのIDと当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素のIDとを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部1005から、読み出されたテンプレートのIDに対応付けられている定義構成要素のIDを抽出する(ステップS1003)。なお、読み出し処理部1003の処理結果及び抽出処理部1007の処理結果は、特定処理部1009に出力される。
【0013】
次に、特定処理部1009は、読み出し処理部1003により読み出された実構成要素のIDと抽出処理部1007により抽出された定義構成要素のIDとのうち一致するものを共通要素IDとして特定する(ステップS1005)。特定処理部1009の処理結果は、格納処理部1013に出力される。そして、格納処理部1013は、障害が発生した実構成要素のIDを含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部1011から、共通要素IDを含む第1事例データを抽出し、共通事例データ格納部1015に格納する(ステップS1007)。
【0014】
このように、テンプレートを用いて構築されたシステムの実際の構成要素のうち、当該テンプレートにより定義されている構成要素を共通要素として特定し、共通要素で発生した障害のデータを蓄積する。これにより、蓄積された障害のデータを、同じテンプレートを用いて構築された他のシステムの管理に役立てることができる。
【0015】
[実施の形態2]
第2の実施の形態に係る共通事例データ生成装置の機能ブロック図を図3に示す。第2の実施の形態に係る共通事例データ生成装置は、システムデータ格納部3001と、特定処理部3003と、第1事例データ格納部3005と、格納処理部3007と、共通事例データ格納部3009とを有する。特定処理部3003は、システムデータ格納部3001に格納されているデータを用いて処理を行う。格納処理部3007は、特定処理部3003の処理結果及び第1事例データ格納部3005に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通事例データ格納部3009に格納する。
【0016】
次に、図3に示した共通事例データ生成装置の処理内容を図4を用いて説明する。まず、特定処理部3003は、システム毎に当該システムで実際に使用されている装置の種類のIDである機種IDを格納するシステムデータ格納部において、各機種IDの出現回数を計数し、計数された値が所定の条件を満たす機種IDを共通機種IDとして特定する(ステップS3001)。なお、特定処理部3003の処理結果は、格納処理部3007に出力される。そして、格納処理部3007は、障害が発生した装置の機種IDを含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、共通機種IDを含む第1事例データを抽出し、共通事例データ格納部3009に格納する(ステップS3003)。
【0017】
このように、使用されている数が所定の条件を満たす機種を共通機種として特定し、共通機種で発生した障害のデータを蓄積する。これにより、蓄積された障害のデータを、共通機種が使用されているシステムの間で共有できるようになるので、システムの管理を効率化できる。
【0018】
[実施の形態3]
次に、第3の実施の形態について説明する。まず、図5を用いて、テンプレートを用いたシステム構築について説明する。テンプレートとは、システムの構築に必要な情報を定義したものであり、例えば、特定のサービスを提供するために必要なシステムの構成要素や構成要素の接続関係を定義したものである。なお、テンプレートには、テナント毎に設定されるような具体的情報(例えばIP(Internet Protocol)アドレスやホスト名)は含まれない。
【0019】
図5の例では、テンプレート101を利用して、テナントA用システム103及びテナントB用システム105を構築している。テンプレート101には、ロードバランサである装置と、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバの機能を提供する2台のサーバと、ネットワーク装置と、データベースサーバとが構成要素として定義されている。また、図5に示すテンプレートには、DMZ(DeMilitarized Zone)のセグメント及び内部ネットワークが定義されている。そして、テンプレート101に対して、テナント毎に、具体的情報の設定を行い、さらに必要に応じてカスタマイズ(例えばサーバ台数やインストールするアプリケーションの変更)を行うことにより、システムが完成する。図5の例では、テナントB用システムにはカスタマイズが行われ、サーバが1台増えている。このように、予めテンプレートを用意しておくことにより、必要な機能を有するシステムを確実に構築することができ、また短期間でシステムを構築することが可能となる。
【0020】
次に、第3の実施の形態に係る共通事例データ生成装置の機能ブロック図を図6に示す。第3の実施の形態に係る共通事例データ生成装置は、構成管理DB10と、事例DB5と、共通要素抽出部7と、抽象化事例データ生成部9と、共通要素データ格納部11と、抽象化事例データ格納部13と、共通事例抽出部15と、共通事例DB17とを有する。なお、構成管理DB10には、テンプレートデータ格納部1と、テナントデータ格納部3とが含まれる。
【0021】
共通要素抽出部7は、テンプレートデータ格納部1及びテナントデータ格納部3に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通要素データ格納部11に格納する。抽象化事例データ生成部9は、テナントデータ格納部3及び事例DB5に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を抽象化事例データ格納部13に格納する。共通事例抽出部15は、共通要素データ格納部11及び抽象化事例データ格納部13に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通事例DB17に格納する。
【0022】
図7及び図8に、テンプレートデータ格納部1に格納されている機種テーブルの一例を示す。図7及び図8の例では、機種IDと、種別と、OS(Operating System)、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスク、ソフトウェア及びファイルについての情報とが登録されるようになっている。図7の例では、機種IDが「TMPL_WEB_01」である装置の仕様のデータが登録されるようになっており、図8の例では、機種IDが「TMPL_DB_01」である装置の仕様のデータが登録されるようになっている。なお、機種テーブルは機種ID毎に用意されている。
【0023】
図9に、テンプレートデータ格納部1に格納されている要素テーブルの一例を示す。図9の例では、リストIDと、構成要素IDと、機種IDとが登録されるようになっている。構成要素IDは、システムに含まれる構成要素(例えばサーバ、スイッチ)を識別するためのIDである。構成要素は、CI(Configuration Item)とも呼ばれる。これに対して、機種IDは、図7及び図8の説明で述べたように、装置の種類を識別するためのIDである。なお、要素テーブルはリストID毎に用意されている。
【0024】
図10に、テンプレートデータ格納部1に格納されている接続テーブルの一例を示す。図10の例では、接続関係IDと、接続IDと、始点と、終点と、領域とが登録されるようになっている。例えば1行目のデータは、接続IDが「LINK01」である接続は、構成要素IDが「SLB01」である構成要素と構成要素IDが「SW01」である構成要素とを接続しており、「DMZ」の領域に含まれることを表している。なお、接続テーブルは接続関係ID毎に用意されている。
【0025】
このように、「テンプレート」には、装置の仕様を定義するテンプレート(図7及び図8)、システムで使用される構成要素を定義するテンプレート(図9)及びシステムの構成要素の接続関係を定義するテンプレート(図10)が含まれる。但し、本実施の形態では、システムで使用される構成要素を定義するテンプレートを用いた処理について説明している。
【0026】
図15に、テナントデータ格納部3に格納されている要素設定テーブルの一例を示す。図15の例では、リストIDと、構成要素IDと、構成要素名と、インスタンスIDとが登録されるようになっている。インスタンスIDとは、構成要素に対して行われた設定を識別するためのIDであり、具体的な設定の内容は図11乃至図14Bに示すような機種設定テーブルに登録されている。このような要素設定テーブルが、システム毎に用意されている。なお、図15の例では、リストIDが「TMPL_LIST_01」であるテンプレートを用いてシステムを構築したことを表しているが、図9に示した構成要素のリストには、構成要素IDが「SVR04」である構成要素が含まれていない。これは、図15のシステム例には、新たに構成要素を1つ追加し、その構成要素に対して構成要素ID「SVR04」が割り当てられたことを示している。このように、本実施の形態では、構成要素が追加された場合や、構成要素の設定が変更された場合(例えば、インストールするアプリケーションを変更した場合)には、新たに構成要素IDが割り当てられるものとする。これにより、システムで実際に使用されている構成要素が、テンプレートにおいて定義されている構成要素に含まれるかを判断することができるようになっている。一方、構成要素名は、構成要素を識別するための具体的な名称であり、例えばシステムを利用するテナントにとってわかりやすいような名称が設定される。従って、同じテンプレートを用いて構築された複数のシステムにおいて、同じ構成要素IDを有する構成要素が存在したとしても、それらの構成要素名は必ずしも同じではない。
【0027】
図11乃至図14Bに、テナントデータ格納部3に格納されている機種設定テーブルの一例を示す。図11乃至図14Bの例では、インスタンスIDと、機種IDとが登録されるようになっている。また、図12の例のように、ファイルの設定に関する情報が登録される場合もある。
【0028】
図16に、テナントデータ格納部3に格納されている接続設定テーブルの一例を示す。図16の例では、接続関係IDと、接続IDと、始点と、終点と、領域とが登録されるようになっている。このような接続設定テーブルが、システム毎に用意されている。なお、図16の例では、接続関係IDが「TMPL_LINK_01」であるテンプレートを用いてシステムを構築したことを表している。
【0029】
図17に、テナントデータ格納部3に格納されているネットワーク設定テーブルの一例を示す。図17の例では、領域の列と、IPアドレスの列とが含まれる。なお、このようなネットワーク設定テーブルはシステム毎に用意されている。
【0030】
図18に、事例DB5に格納されるデータの一例を示す。図18の例では、番号の列と、トラブル日時の列と、トラブル内容の列と、原因構成要素名の列と、原因の列とが含まれる。なお、このようなデータはシステム毎に用意されている。
【0031】
なお、図7乃至図18に示したテーブル等は、例えば本装置を操作するユーザにより用意される。
【0032】
次に、図19乃至図21を用いて図6に示した共通事例データ生成装置の処理内容について説明する。まず、共通要素抽出部7は、共通事例データ生成装置を操作するユーザから、システムの指定を含む処理要求を受け付ける(図19:ステップS1)。また、ステップS1において、共通要素抽出部7は、処理要求を抽象化事例データ生成部9に出力する。なお、ステップS1の処理を行わず、例えば前回処理を行ってから所定時間が経過しているシステムについて以下の処理を行うようにしても良い。
【0033】
次に、共通要素抽出部7は、ステップS1において指定されたシステムについてのリストID及び構成要素IDを要素設定テーブル(図15)から読み出し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS3)。また、共通要素抽出部7は、読み出されたリストIDに対応する構成要素IDを要素テーブル(図9)から抽出し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS5)。
【0034】
そして、共通要素抽出部7は、ステップS3において読み出された構成要素IDのうち、ステップS5において抽出された構成要素IDと一致するものを共通構成要素IDとして特定し、共通要素データ格納部11に格納する(ステップS7)。
【0035】
一方、抽象化事例データ生成部9は、処理要求において指定されたシステムの事例データを事例DB5(図18)から読み出す(ステップS9)。そして、抽象化事例データ生成部9は、読み出された事例データに含まれる原因構成要素名に対応付けられている構成要素IDを要素設定テーブル(図15)から抽出し、当該構成要素IDと読み出された事例データとを含む抽象化事例データを生成し、抽象化事例データ格納部13に格納する(ステップS11)。そして、処理は端子Aを介してステップS13(図21)に移行する。
【0036】
図20Aに、抽象化事例データ格納部13に格納されるデータの一例を示す。図20Aの例では、番号の列と、トラブル日時の列と、トラブル内容の列と、原因構成要素名の列と、原因構成要素IDの列と、原因の列とが含まれる。このように、抽象化事例データ格納部13に格納されるデータは、事例DB5(図18)に格納されるデータに、原因構成要素IDを追加したものである。図15の説明で述べたように、構成要素名は、構成要素を識別するための具体的な名称であり、例えばシステムを利用するテナントにとってわかりやすいような名称が設定される。従って、同じテンプレートを用いて構築されたシステムであっても、システムによって構成要素名が異なることがある。これに対し、構成要素IDは、同じテンプレートを用いて構築されたシステムであれば、システムによって異なることはない。従って、抽象化事例データを生成することにより、同じテンプレートを用いて構築された他のシステムの管理者にとっても、どの構成要素で発生した障害であるかを把握できるようになっている。
【0037】
図21の説明に移行して、共通事例抽出部15は、抽象化事例データ格納部13に格納されている未処理の抽象化事例データを1件分特定する(図21:ステップS13)。そして、共通事例抽出部15は、特定された抽象化事例データに含まれる原因構成要素IDが共通要素データ格納部11に格納されている共通要素IDのいずれかと一致するか判断する(ステップS15)。
【0038】
一致する場合(ステップS15:Yesルート)、共通事例抽出部15は、ステップS13において特定された抽象化事例データを共通事例DB17に格納する(ステップS17)。一方、一致しない場合(ステップS15:Noルート)、ステップS19の処理に移行する。
【0039】
そして、共通事例抽出部15は、全ての抽象化事例データについて処理したか判断する(ステップS19)。全ての抽象化事例データについて処理していない場合(ステップS19:Noルート)、次の抽象化事例データについて処理を実施するため、ステップS13の処理に戻る。一方、全ての抽象化事例データについて処理した場合(ステップS19:Yesルート)、処理を終了する。
【0040】
以上のような処理を実施することにより、システムで実際に使用されている構成要素(実構成要素)のうち、当該システムを構築するために用いたテンプレートにおいて定義されている構成要素(定義構成要素)で発生した障害の事例データを蓄積することができるようになる。蓄積された事例データは、カスタマイズをされていない構成要素についての事例データであるので、同じテンプレートを用いて構築された他のシステムにとっての有用性が高い。
【0041】
[実施の形態4]
次に、第4の実施の形態に係る共通事例データ生成装置の機能ブロック図を図22に示す。図6と同じ符号が付された処理部及びデータ格納部は、第3の実施の形態と同じ機能を有するものである。また、共通機種データ格納部21は、共通要素データ格納部11と同じ機能を有する。
【0042】
第4の実施の形態に係る共通事例データ生成装置は、構成管理DB10と、事例DB5と、共通機種抽出部19と、抽象化事例データ生成部9と、共通機種データ格納部21と、抽象化事例データ格納部13と、共通事例抽出部15と、共通事例DB17とを有する。なお、構成管理DB10には、テナントデータ格納部3が含まれており、テンプレートデータ格納部1が含まれていない点が第3の実施の形態とは異なる。
【0043】
共通機種抽出部19は、テナントデータ格納部3に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通機種データ格納部21に格納する。抽象化事例データ生成部9は、テナントデータ格納部3及び事例DB5に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を抽象化事例データ格納部13に格納する。共通事例抽出部15は、共通機種データ格納部21及び抽象化事例データ格納部13に格納されているデータを用いて処理を行い、処理結果を共通事例DB17に格納する。
【0044】
次に、図23及び図24を用いて図22に示した共通事例データ生成装置の処理内容について説明する。まず、共通機種抽出部19は、全てのシステムについて、要素設定テーブル(図15)に格納されているインスタンスIDを読み出し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(図23:ステップS21)。また、共通機種抽出部19は、読み出されたインスタンスIDに対応する機種IDを機種設定テーブルから抽出し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS22)。さらに、共通機種抽出部19は、抽出された機種IDの数を機種ID毎にカウントし、カウント結果をメインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS23)。
【0045】
そして、共通機種抽出部19は、未処理の機種IDを1つ特定する(ステップS25)。また、共通機種抽出部19は、ステップS25において特定された機種IDについて、(読み出された機種IDの数)/(全システムの数)を算出し、算出された値が所定の閾値以上であるかを判断する(ステップS27)。なお、ステップS27において、「全システムの数」は、例えばテナントデータ格納部3における要素設定テーブルの数をカウントすることにより特定する。
【0046】
算出された値が所定の閾値以上である場合(ステップS27:Yesルート)、共通機種抽出部19は、ステップS25において特定された機種IDを共通機種データ格納部21に格納する(ステップS29)。一方、算出された値が所定の閾値未満である場合(ステップS29:Noルート)、ステップS31の処理に移行する。
【0047】
そして、共通機種抽出部19は、全ての機種IDについて処理したか判断する(ステップ31)。全ての機種IDについて処理していない場合(ステップS31:Noルート)、次の機種IDについて処理を実施するため、ステップS27の処理に戻る。一方、全ての機種IDについて処理した場合(ステップS31:Yesルート)、処理は端子Bを介してステップS33(図24)に移行する。
【0048】
図24の説明に移行して、抽象化事例データ生成部9は、事例DB5(図18)に登録されている各システムについての事例データのうち、未処理のシステムについての事例データを読み出す(図24:ステップS33)。そして、読み出された事例データに含まれる原因構成要素名に対応付けられているインスタンスIDを要素設定テーブル(図15)から抽出する(ステップS35)。また、抽象化事例データ生成部9は、抽出されたインスタンスIDに対応する機種IDを機種設定テーブルから抽出し、当該機種IDとステップS33において読み出された事例データとを含む抽象化事例データを生成し、抽象化事例データ格納部13に格納する(ステップS37)。
【0049】
図20Bに、抽象化事例データ格納部13に格納されるデータの一例を示す。図20Bの例では、番号の列と、トラブル日時の列と、トラブル内容の列と、原因構成要素名の列と、原因機種IDと、原因の列とが含まれる。ステップS37の処理により生成される抽象化事例データは、基本的には図20Aに示した抽象化事例データと同じデータフォーマットである。但し、原因構成要素IDの列の代わりに、原因機種IDの列が含まれるようになっている。
【0050】
図24の説明に戻り、抽象化事例データ生成部9は、全てのシステムについて処理したか判断する(ステップS39)。全てのシステムについて処理していない場合(ステップS39:Noルート)、次のシステムについて処理を実施するため、ステップS33の処理に戻る。
【0051】
一方、全てのシステムについて処理した場合(ステップS39:Yesルート)、共通事例抽出部15は、抽象化事例データ格納部13に格納されている未処理の抽象化事例データを1件分特定する(ステップS41)。そして、共通事例抽出部15は、特定された抽象化事例データに含まれる機種IDが、共通機種データ格納部21に格納されている機種IDのいずれかと一致するか判断する(ステップS43)。一致する場合(ステップS43:Yesルート)、共通事例抽出部15は、ステップS41において特定された抽象化事例データを共通事例DB17に格納する(ステップS45)。一方、一致しない場合(ステップS43:Noルート)、ステップS47の処理に移行する。
【0052】
そして、共通事例抽出部15は、全ての抽象化事例データについて処理したか判断する(ステップS47)。全ての抽象化事例データについて処理していない場合(ステップS47:Noルート)、次の抽象化事例データについて処理を実施するため、処理はステップS41に戻る。一方、全ての抽象化事例データについて処理した場合(ステップS47:Yesルート)、処理を終了する。
【0053】
以上のような処理を実施することにより、所定の条件を満たす機種(例えば、多くのシステムにおいて使用されている機種)についての障害のデータを蓄積することができる。よって、同じ機種を使用しているシステムにおいては、蓄積されたデータを利用し、効率的にシステム管理を行うことができる。
【0054】
[実施の形態5]
第5の実施の形態に係る事例データ生成装置の機能ブロック図を図25に示す。第5の実施の形態に係る事例データ生成装置は、システムデータ格納部5001と、読み出し処理部5003と、テンプレートデータ格納部5005と、抽出処理部5007と、特定処理部5009と、第1事例データ格納部5011と、事例抽出処理部5013とを有する。読み出し処理部5003は、システムデータ格納部5001に格納されているデータを用いて処理を行う。抽出処理部5007は、テンプレートデータ格納部5005に格納されているデータを用いて処理を行う。特定処理部5009は、読み出し処理部5003の処理結果及び抽出処理部5007の処理結果を用いて処理を行う。事例抽出処理部5013は、特定処理部5009の処理結果及び第1事例データ格納部5011に格納されているデータを用いて処理を行う。
【0055】
次に、図25に示した事例データ生成装置の処理内容を図26を用いて説明する。まず、読み出し処理部5003は、システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部5001から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す(ステップS5001)。そして、抽出処理部5007は、テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部5005から、ステップ5001において読み出されたテンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する(ステップS5003)。なお、読み出し処理部5003の処理結果及び抽出処理部5007の処理結果は、特定処理部5009に出力される。
【0056】
次に、特定処理部5009は、読み出し処理部5003により読み出された実構成要素の識別情報のうち、抽出処理部5007により抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する(ステップS5005)。特定処理部5009の処理結果は、事例抽出処理部5013に出力される。そして、事例抽出処理部5013は、障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部5011から、ステップ5005において特定された識別情報を含む第1事例データを抽出する(ステップS5007)。
【0057】
このように、テンプレートを用いて構築されたシステムの実際の構成要素のうち、当該テンプレートにより定義されている構成要素を特定し、特定された構成要素で発生した障害のデータを蓄積する。これにより、蓄積された障害のデータを、同じテンプレートを用いて構築された他のシステムの管理に役立てることができる。
【0058】
[実施の形態6]
第6の実施の形態に係る事例データ生成装置の機能ブロック図を図27に示す。第6の実施の形態に係る事例データ生成装置は、システムデータ格納部7001と、特定処理部7003と、第1事例データ格納部7005と、事例抽出処理部7007とを有する。特定処理部7003は、システムデータ格納部7001に格納されているデータを用いて処理を行う。事例抽出処理部7007は、特定処理部7003の処理結果及び第1事例データ格納部7005に格納されているデータを用いて処理を行う。
【0059】
次に、図27に示した事例データ生成装置の処理内容を図28を用いて説明する。まず、特定処理部7003は、システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部7001において、各識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する(ステップS7001)。なお、特定処理部7003の処理結果は、事例抽出処理部7007に出力される。そして、事例抽出処理部7007は、障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部7005から、ステップ7003において特定された識別子を含む第1事例データを抽出する(ステップS7003)。
【0060】
このように、複数のシステムについての所定の条件を満たす装置を特定し、特定された装置で発生した障害のデータを蓄積する。これにより、蓄積された障害のデータを、特定された装置が使用されているシステムの間で共有できるようになるので、システムの管理を効率化できる。
【0061】
以上本技術の一実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した事例データ生成装置及び共通事例データ生成装置の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
【0062】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0063】
また、要素設定テーブル(図15)には、インスタンスIDの代わりに機種ID及びその他ファイル等の設定についての情報を登録するようにしても良い。
【0064】
なお、上で述べた事例データ生成装置及び共通事例データ生成装置は、コンピュータ装置によって実現することもできる。例えば、図29に示すように、メモリ2501とプロセッサ(CPU2503)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とを備え、これらがバス2519を介して接続されたコンピュータを用いてもよい。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505等の記憶部に格納しておき、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出して利用することもできる。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行ってもよい。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納してもよい。実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされてもよい。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。なお、図1のシステムデータ格納部1001、テンプレートデータ格納部1005、第1事例データ格納部1011及び共通事例データ格納部1015は、図29におけるメモリ2501やHDD2505等として実現してもよい。図3のシステムデータ格納部3001、第1事例データ格納部3005及び共通事例データ格納部3009、図25のシステムデータ格納部5001、テンプレートデータ格納部5005及び第1事例データ格納部5011、図27のシステムデータ格納部7001及び第1事例データ格納部7005についても同様である。図1の読み出し処理部1003、抽出処理部1007、特定処理部1009及び格納処理部1013は、プロセッサ2503及びプログラムの組み合わせ、すなわち、プロセッサ2503がプログラムを実行することにより実現してもよい。より具体的には、プロセッサ2503は、HDD2505又はメモリ2501に記憶されたプログラムに従った動作を行うことで、上で述べたような処理部として機能してもよい。図3の特定処理部3003及び格納処理部3007、図25の読み出し処理部7003、抽出処理部7007、特定処理部7009及び事例抽出処理部7013、図27の特定処理部7003及び事例抽出処理部7007についても同様である。
【0065】
以上述べた本技術の実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0066】
第1の態様に係る事例データ生成方法は、(A)システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、(B)テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、読み出しステップにおいて読み出されたテンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、(C)読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、(D)障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップとを含む。
【0067】
これにより、テンプレートを用いて構築されたシステムの実際の構成要素のうち、当該テンプレートにより定義されている構成要素で発生した障害の事例を、同じテンプレートを用いて構築された他のシステムの管理に活用できるため、システムの管理を効率化できる。
【0068】
また、上で述べたシステムデータ格納部には、実構成要素の識別情報に対応付けて当該実構成要素に対して設定された具体的名称が格納されるようにしてもよい。そして、障害が発生した構成要素の具体的名称を含む第2事例データを格納する第2事例データ格納部から第2事例データを読み出し、当該第2事例データに含まれる具体的名称に対応する実構成要素の識別情報をシステムデータ格納部から抽出するステップと、抽出された構成要素の識別情報と第2事例データとを含む第1事例データを生成し、第1事例データ格納部に格納するステップとをさらに含むようにしてもよい。システムの構成要素には、当該システムの管理者等にとってわかりやすいような具体的名称(例えばホスト名など)を付すことがある。上で述べた処理を実施すれば、構成要素のIDを含む第1事例データが生成されるので、たとえ他のシステムの管理者等であっても、どの構成要素で発生した障害であるかを把握できるようになる。
【0069】
第2の態様に係る事例データ生成方法は、(A)システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、(B)障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、特定ステップにおいて特定された識別子を含む第1事例データを抽出するステップとを含む。
【0070】
これにより、例えば多くのシステムに使用されているような装置で発生した障害の事例を、同じ装置を含む他のシステムにおいても活用できるようになるため、システムの管理を効率化できる。
【0071】
また、上で述べたシステムデータ格納部には、装置の識別子に対応付けて当該装置に対して設定された具体的名称が格納されるようにしてもよい。そして、障害が発生した装置の具体的名称を含む第2事例データを格納する第2事例データ格納部から第2事例データを読み出し、当該第2事例データに含まれる具体的名称に対応する識別子をシステムデータ格納部から抽出するステップと、抽出された識別子と第2事例データとを含む第1事例データを生成し、第1事例データ格納部に格納するステップとをさらに含むようにしてもよい。システムに使用されている装置には、当該システムの管理者等にとってわかりやすいような具体的名称(例えばホスト名など)を付すことがある。上で述べた処理を実施すれば、装置の識別子を含む第1事例データが生成されるので、たとえ他のシステムの管理者等であっても、どの装置で発生した障害であるかを把握できる。
【0072】
なお、上記方法による処理をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。なお、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0073】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0074】
(付記1)
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出しステップにおいて読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるための事例データ生成プログラム。
【0075】
(付記2)
前記システムデータ格納部には、前記実構成要素の識別情報に対応付けて当該実構成要素に対して設定された具体的名称が格納されており、
障害が発生した構成要素の具体的名称を含む第2事例データを格納する第2事例データ格納部から前記第2事例データを読み出し、当該第2事例データに含まれる前記具体的名称に対応する実構成要素の識別情報を前記システムデータ格納部から抽出するステップと、
抽出された前記構成要素の識別情報と前記第2事例データとを含む第1事例データを生成し、前記第1事例データ格納部に格納するステップと、
をさらに含む付記1記載の事例データ生成プログラム。
【0076】
(付記3)
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるための事例データ生成プログラム。
【0077】
(付記4)
前記システムデータ格納部には、前記装置の識別子に対応付けて当該装置に対して設定された具体的名称が格納されており、
障害が発生した装置の具体的名称を含む第2事例データを格納する第2事例データ格納部から前記第2事例データを読み出し、当該第2事例データに含まれる前記具体的名称に対応する識別子を前記システムデータ格納部から抽出するステップと、
抽出された前記識別子と前記第2事例データとを含む第1事例データを生成し、前記第1事例データ格納部に格納するステップと、
をさらに含む付記3記載の事例データ生成プログラム。
【0078】
(付記5)
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出しステップにおいて読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップと、
を含み、コンピュータに実行される事例データ生成方法。
【0079】
(付記6)
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出するステップと、
を含み、コンピュータに実行される事例データ生成方法。
【0080】
(付記7)
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出し処理部と、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出し処理部により読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出処理部と、
前記読み出し処理部により読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出処理部により抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定処理部と、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定処理部により特定された識別情報を含む第1事例データを抽出する事例抽出処理部と、
を有する事例データ生成装置。
【0081】
(付記8)
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定処理部と、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定処理部により特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出する事例抽出処理部と、
を有する事例データ生成装置。
【符号の説明】
【0082】
1 テンプレートデータ格納部 3 テナントデータ格納部
5 事例DB 7 共通要素抽出部
9 抽象化事例データ生成部 10構成管理DB
11 共通要素データ格納部 13 抽象化事例データ格納部
15 共通事例抽出部 17 共通事例DB
19 共通機種抽出部 21 共通機種データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出しステップにおいて読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるための事例データ生成プログラム。
【請求項2】
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるための事例データ生成プログラム。
【請求項3】
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出しステップと、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出しステップにおいて読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出ステップにおいて抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定ステップと、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された識別情報を含む第1事例データを抽出するステップと、
を含み、コンピュータに実行される事例データ生成方法。
【請求項4】
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定ステップと、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定ステップにおいて特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出するステップと、
を含み、コンピュータに実行される事例データ生成方法。
【請求項5】
システムで使用されている構成要素である実構成要素の識別情報と当該システムの構築に用いられたテンプレートの識別情報とを格納するシステムデータ格納部から、当該システムについての構成要素の識別情報及びテンプレートの識別情報を読み出す読み出し処理部と、
テンプレートの識別情報と当該テンプレートにより定義されている構成要素である定義構成要素の識別情報とを対応付けて格納するテンプレートデータ格納部から、前記読み出し処理部により読み出された前記テンプレートの識別情報に対応付けられている定義構成要素の識別情報を抽出する抽出処理部と、
前記読み出し処理部により読み出された実構成要素の識別情報のうち、前記抽出処理部により抽出された定義構成要素の識別情報と一致する識別情報を特定する特定処理部と、
障害が発生した構成要素の識別情報を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定処理部により特定された識別情報を含む第1事例データを抽出する事例抽出処理部と、
を有する事例データ生成装置。
【請求項6】
システムで使用されている装置の各々について装置の種類を示す識別子をシステム毎に格納するシステムデータ格納部において、各前記識別子の計数を行い、当該計数の結果が、複数のシステムついての所定の条件を満たす識別子を特定する特定処理部と、
障害が発生した装置の識別子を含む第1事例データを格納する第1事例データ格納部から、前記特定処理部により特定された前記識別子を含む第1事例データを抽出する事例抽出処理部と、
を有する事例データ生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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