説明

事前にパターニングされた表面特徴およびしっかりと接着された平坦化充填材料を有する平坦化磁気記録ディスクならびにディスクを平坦化する方法

【課題】事前にパターニングされた表面特徴およびしっかりと接着された平坦化充填材料を有する平坦化磁気記録ディスクならびにディスクを平坦化する方法を提供する。
【解決手段】磁気記録ディスクは、隆起したランド220および窪んだ溝230という表面特徴と、平坦化された上面とを有する。化学機械研磨(CMP)停止層210が、ランド220上および溝230内に堆積される。シリコンのような接着膜235がCMP停止層210上に堆積され、酸化シリコン(SiO)を含む充填材料240が、接着膜235上に接着膜235に接して堆積される。接着膜235は、SiO充填材料240の接着性を向上させ、続く2段階のCMP平坦化プロセス中の剥離を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、隆起したランドおよび窪んだ溝またはトレンチという事前にパターニングされた表面特徴を有する磁気記録ディスクに関し、特に、平坦化された表面を有するそのようなディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気記録ハードディスクドライブは、磁気的に記録されたデータビットを定義する磁化領域がハードディスク上の記録層の平面に向けられる水平記録、または磁化領域が記録層の平面に対して垂直に向けられる垂直記録を使用する。従来のディスクは「連続媒体」(CM)ディスクであり、記録層は、書き込みヘッドが磁気材料上に書き込む場合、磁気的に記録されたデータビットを含む同心円データトラックに形成される磁気材料の連続した層である。記録層は、読み取り/書き込みヘッドを所望のデータトラックに位置決めし、読み書き中にヘッドをデータトラック上に維持するために使用される、事前に記録されるサーボセクタパターンも含む。従来のCMディスクは、通常、記録層を覆いかつ概して滑らかで平らな表面を提供する、ダイヤモンド状炭素(DLC)のような非晶質炭素で形成される保護オーバーコートを有する。読み取り/書き込みヘッドは、ディスクが回転する際に、平滑なディスク表面の上方に薄い空気の膜、すなわち「エアベアリング」上に支持されるエアベアリングスライダ上に配置される。
【0003】
CMディスクの変形は「離散トラック媒体(discrete−track media)」(DTM)ディスクであり、連続した磁気材料の同心円データトラックが、同心円非磁性保護帯により互いに半径方向において隔てられることを意味する。DTMディスクは、例えば、(特許文献1)に記載のように、当該技術分野において既知である。DTMディスクでは、データトラックは通常、磁気材料を含む隆起したランドであり、非磁性保護帯は、隆起したランドよりも下に窪んだトレンチまたは溝である。非磁性保護帯は、非磁性材料で形成されるか、または磁性材料を含むが、データトラックからリードバック信号に不利な影響を与えないように、隆起したデータトラックから十分下方に窪んでいる。
【0004】
CMディスクおよびDTMディスクに加えて、「ビットパターニング媒体」(BPM)を有する磁気記録ディスクが、データ密度を増大するために提案されている。BPMディスクでは、ディスク上の磁化可能材料は、各アイランドすなわち「ビット」内に単一の磁区があるように、分離された小さなデータアイランドにパターニングされる。単一の磁区は、一粒であってもよく、または単一の磁気容量として一斉に磁性状態を切り替える強力に結合した数個の粒からなってもよい。これは、単一の「ビット」が領域壁により隔てられた複数の磁区を有し得る従来のCMディスクとは対照的である。パターニングされたアイランドに必要とされる磁気分離を生じさせるために、アイランド間のスペースの磁気モーメントを破壊または実質的に低減して、これらスペースを本質的に非磁性にしなければならない。一種のBPMディスクでは、データアイランドは、非磁性トレンチまたは溝により隔てられた隆起し離間されたピラーである。
【0005】
DTMディスクおよびBPMディスクも、ディスクの周囲に角度的に離間され、概して同心円データトラックを横切って半径方向に延びるサーボセクタを必要とする。サーボセクタは、書き込みヘッドで上書きできず、読み取り/書き込みヘッドを所望のデータトラックに位置決めし、読み書き中にヘッドをデータトラック上に維持するために使用される、事前に記録されるパターンである。DTMディスクおよびBPMディスクの両方において、サーボセクタは、非磁性トレンチまたは溝により隔てられた磁性材料の隆起したサーボブロックという事前にパターニングされた表面特徴であり得る。
【0006】
隆起したランドおよび窪んだ溝という表面特徴を有するディスクを製造するいくつかの方法がある。DTMディスクおよびBPMディスクの両方に適用可能な一技法では、1つまたは複数の磁気記録材料層を含む必要とされるすべての層が、通常、スパッタ堆積により、ディスク基板上に堆積される。次に、ディスクは、リソグラフィにより所望のデータトラックパターンおよび保護帯ならびにサーボセクタにパターニングされる。イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)等の真空エッチングプロセスが次に、露出した磁気記録材料を除去する。この結果、磁気材料のランド、およびランドの上面から窪んだ非磁性溝が生成される。
【0007】
特にBPMディスクに適用可能な別の技法では、ディスクは、ナノインプリントを介して金型からの複製により製造される。ナノインプリントプロセスは、データトラック内に分離されたデータアイランドを形成するのみならず、サーボセクタ内にサーボブロックも形成する。ナノインプリントでは、金型または鋳型が、トポグラフィックな表面特徴パターンをディスク基板上のポリマーレジストコーティング上に複製する。ディスク基板は、窒化シリコン膜等の誘電性コーティングを有し得る。次に、ナノインプリントされたレジストパターンをマスクとして使用して、フッ素プラズマを使用してパターンを窒化シリコンにエッチングする。窒化シリコンをエッチングした後、レジストは除去される。次に、磁性材料がランドおよび溝を覆うようにスパッタ堆積される。溝は、読み取りまたは書き込みに不利に影響しないように、読み取り/書き込みヘッドから十分遠くに窪ませ得るか、または溝を非磁性にするように、ドーパント材料で磁性を「損なわせ」得る。
【0008】
DTMディスクおよびBPMディスクの場合、スライダが、回転するディスクにより生成されるエアベアリングにより比較的一定の「飛行高さ」に維持されるように、表面のトポグラフィを平坦化する必要がある。平坦化は、データからサーボ領域またはサーボからデータ領域への遷移により誘発されるスライダの励振を低減またはなくすために特に重要である。平坦化は通常、窪んだ溝またはトレンチ内へ非磁性充填材料を堆積させ、その後、化学機械研磨(CMP)を行うことにより達成される。しかし、非磁性充填材料は、CMP中に剥離する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4912585号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
必要とされるのは、充填材料が溝またはトレンチ内にしっかりと接着した平坦な表面を有する、隆起したランドおよび窪んだ溝またはトレンチという事前にパターニングされた表面特徴を有するディスクである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、隆起したランドおよび窪んだ溝という表面特徴を有する平坦化された磁気記録ディスク、および化学機械研磨(CMP)を使用してディスクを平坦化する方法に関する。CMP停止層が、ランド上かつ溝内に堆積される。CMP停止層は、好ましくは、水素化および/または窒素化してもよい、ダイヤモンド状炭素(DLC)のような非晶質炭素である。接着膜がCMP停止層上に堆積され、次に、シリコンおよび酸素を含む充填材料を接着膜上に接着膜に接して堆積させる。接着膜は、充填材料の接着性を向上させ、続くCMP平坦化プロセス中での剥離を防止する。接着膜は、好ましくは、純粋な(酸素のない)シリコンであり、充填材料は、好ましくは、酸化シリコン(SiO)であり、酸素化学量論組成はSiO0.1〜SiO2.2である。代替の実施形態では、シリコン接着膜およびSiO充填材料は一緒に、酸化シリコンの連続した層を形成し得、酸素の量は層の厚さの増大に伴って増大する。
【0012】
セリア(酸化セリウム)を含むスラリーを使用する第1のCMPステップが、ランド上のシリコン接着層よりも上のSiO充填材料を研磨して除去する。シリカ、好ましくはコロイドシリカを含むスラリーを使用する第2のCMPステップが、ランド上のシリコン接着膜を研磨して除去し、ランド上のCMP停止層の上面および溝内の充填材料の上面が本質的に平坦な表面を形成する状態で、ランド上のCMP停止層を残す。CMP停止層は、保護オーバーコートとして機能することもできる。あるいは、ランド上のCMP停止層を除去し、保護オーバーコートをランドの上面および溝の上面に堆積させてもよい。
【0013】
本発明の性質および利点をさらに理解するために、添付図と共に行われる以下の詳細な説明を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】回転式アクチュエータと、離散トラック媒体(DTM)ディスクまたはサーボセクタが事前にパターニングされたビットパターニング媒体(BPM)ディスクとし得る剛性磁気記録ディスクとを有するディスクドライブの概略図である。
【図2A】DTMディスクの概略的な上面図であり、隆起したサーボブロックを有する典型的なサーボセクタと、窪んだ保護帯により隔てられた3つの隆起したデータトラックの部分とを示す。
【図2B】BPMディスクの部分の概略的な上面図であり、窪んだ非磁性領域で隔てられた離散し分離したデータアイランドをそれぞれ含む3つのデータトラックを示す。
【図3A】本発明によるディスクを平坦化する方法において、DTMディスクを形成するリソグラフィパターニングおよびエッチング前におけるディスクの断面図である。
【図3B】本発明によるディスクを平坦化する方法において、リソグラフィパターニングおよびエッチング後におけるディスクの断面図である。
【図3C】本発明によるディスクを平坦化する方法において、CMP停止層の堆積後におけるディスクの断面図である。
【図3D】本発明によるディスクを平坦化する方法において、非磁性接着膜および非磁性充填材料がCMP停止層上に堆積された後におけるディスクの断面図である。
【図3E】本発明によるディスクを平坦化する方法において、CMPによりCMP停止層まで充填材料を除去した後のディスクの断面図である。
【図3F】本発明によるディスクを平坦化する方法において、保護オーバーコートおよび潤滑層でコーティングした後のディスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、回転式アクチュエータ2と、表面11に形成された事前パターニングされた表面特徴を有する剛性磁気記録ディスク10とを有するディスクドライブを示す。表面特徴は少なくとも、角度的に離間されたサーボセクタ18内に事前にパターニングされたサーボブロックを含む。ディスク10は、中心軸100を中心として方向102に回転する。表面11は、内径(ID)14および外径(OD)16により定義される環状データ帯12を有する。サーボセクタ18間のデータ帯の部分は、ユーザデータの記憶に使用され、円形データトラックを含み、各データトラックは通常、物理的なデータセクタに分割される。ディスク10はDTMディスクであってもよく、その場合、円形データトラックは、窪んだ保護帯で隔てられた、離散し、半径方向に離間され隆起したトラックであり、サーボセクタ18内のサーボブロックに加えて、隆起したトラックおよび窪んだ保護帯が表面特徴を形成する。ディスク10はまたBPMディスクであってもよく、その場合、円形データトラックは、溝で隔てられた、離散し隆起したデータアイランドを含み、サーボセクタ18内のサーボブロックに加えて、隆起したアイランドおよび溝が表面特徴を形成する。
【0016】
回転式アクチュエータ2は、枢軸4を中心として回転し、回転式アクチュエータ2の端部において読み取り/書き込みヘッド6を支持する。アクチュエータ2が回転する際、ヘッド6はID14とOD16との間で概してアーチ形の経路を辿る。サーボセクタ18は、概して半径方向においてID14からOD16に延びる角度的に離間されたアーチ線のパターンをなす。サーボセクタのアーチ形は、ヘッド6のアーチ経路に一致する。ディスクドライブの動作中、ヘッド6は、環状データ帯12のID14とOD16との間に配置されたいくつかの同心円円形データトラックのうちの選択された1つのデータトラック上のデータの読み取りまたは書き込みを行う。選択されたトラックからデータの読み取りまたは書き込みを正確に行うために、ヘッド6をトラックの中心線上に維持する必要がある。したがって、サーボセクタ18のうちの1つがヘッド6の下を通過する都度、ヘッド6は、サーボセクタ内の位置誤差信号(PES)フィールド内の離散した磁化サーボブロックを検出する。PESは、ディスクドライブのヘッド位置決め制御システムにより生成され、ヘッド6をトラックの中心線に向けて移動させるために使用される。したがって、ディスク10が1回完全に回転する間、ヘッド6は常に、角度的に離間されて連続するサーボセクタ18内のサーボブロックからのサーボ情報により、トラックの中心線上に維持される。
【0017】
図2Aは、DTMディスクであるディスク10の拡大した上面図であり、典型的なサーボセクタ18および3つのDTMデータトラック20、22、24の部分を示す。3つの離散し隆起したデータトラック20、22、24および2つの窪んだ保護帯21、23が示される。サーボセクタ18のすべての陰影付き部分は、同じ方向に磁化された離散し隆起したサーボブロックを表す。ディスクドライブが長手方向、すなわち水平磁気記録用に設計される場合、サーボセクタ18のすべての陰影付き部分は、水平において、すなわち、図2Aの紙の平面に平行な平面において同じ方向に磁化し、ディスクドライブが垂直磁気記録用である場合、垂直において、すなわち、紙の平面に対して垂直な平面において同じ方向に磁化し得る。サーボセクタ18内の陰影なし領域70および保護帯21、23は、隆起したサーボブロックおよび隆起したデータトラック20、22、24から窪んだ非磁性領域を表す。用語「非磁性」は、サーボブロック間の領域70およびデータトラック20、22、24の間の保護帯21、23が、誘電体等の非強磁性材料、磁場の印加がない場合に実質的に残留モーメントを有さない材料、または読み取りもしくは書き込みに不利に影響しないように隆起したサーボブロックから十分下に窪んだ強磁性材料を含む窪みまたは溝を意味する。非磁性領域70および保護帯21、23は、磁気記録層または強磁性材料を含まないディスク基板内の窪んだ溝またはトレンチであってもよい。
【0018】
サーボセクタ18を構成するサーボブロックは、図2Aに示されるように、フィールド30、40、50、および60に構成される。サーボフィールド30は、信号の振幅の測定および続くサーボブロック読み取りの利得の調整に使用される、ブロック31〜35の自動利得制御(AGC)フィールドである。サーボフィールド40は、続くサーボブロックのための開始/停止タイミング窓を確立するためのタイミングマークを提供する、サーボタイミングマークまたはSTMフィールドとも呼ばれるセクタ識別情報(SID)フィールドである。サーボフィールド50は、複数の積み重ねられたディスクを有するディスクドライブ内のすべてのディスク表面からのトラックは、トラックの「シリンダ」を形成するため、シリンダまたはCYLフィールドとも呼ばれるトラック識別情報(TID)である。TIDフィールド50は、通常はグレーコード化されたトラック番号を含み、半径方向位置の整数部分を決定する。サーボフィールド60は、位置誤差信号(PES)フィールドであり、この例では、周知の「クワッドバースト」PESパターンの部分としてサーボブロックのA、B、C、Dの各サブフィールドを含み、半径方向位置の少数部分の決定に使用される。
【0019】
図2Bは、BPMディスクであるディスク10の部分の上面図の概略図である。3つのデータトラック20、22、24のそれぞれは、離散し分離したデータアイランド164を含み、同心円データトラック20、22、24を横切って概して半径方向に延びる2つの連続したサーボセクタ18と共に示される。アイランド164は、正方形を有して示されるが、円形、概して楕円形、または概して矩形等の異なる形状にパターニングしてもよい。サーボセクタ18内のサーボブロック(図2A)のように、各データトラック20、22、24は、磁性材料のアイランド164である離散し隆起し離間したランドを含む。離散したアイランドは、窪んだ非磁性領域70により他のアイランドから隔てられる。したがって、図2Bに示されるBPMディスクは、サーボセクタ18内のみならず、データトラック20、22、24内にも、隆起したランドおよび窪んだ溝という表面特徴を含む。
【0020】
本発明による、隆起したランドおよび窪んだ溝という表面特徴を有する平坦化されたディスク、ならびにディスクを平坦化する方法について、方法の様々な段階での離散データトラックに垂直な平面に沿って取ったDTMディスクの断面図を示す図3A〜図3Fを使用して説明する。しかし、この方法およびこの方法により平坦化されて得られるディスクは、BPMディスクに対しても完全に適用可能である。本発明では、化学機械研磨(CMP)停止層が、溝内に堆積され、接着膜が、CMP停止層と非磁性充填材料との間に配置される。接着膜は、充填材料の接着性を向上させ、続くCMP平坦化プロセス中の剥離を防止する。非磁性充填材料は、酸化シリコン(SiO)であり、好ましい接着膜はシリコンである。
【0021】
図3Aは、DTMディスクを形成するリソグラフィパターニングおよびエッチング前のディスク200を示す断面図である。ディスク200は、概して平坦な表面202を有する基板201であり、表面202上に、通常はスパッタリングにより、典型的な層が堆積される。ディスク200は、垂直(すなわち、基板表面202に対して概して垂直)な磁化異方性を有する記録層(RL)と、RLの下に任意選択的な軟磁性下層(SUL)とを有する垂直磁気記録ディスクとして示される。任意選択的なSULは、ディスクドライブ書き込みヘッドからの書き込み磁場の磁束戻り路として機能する。
【0022】
ハードディスク基板201は、市販の任意のガラス基板であり得るが、NiP表面コーティングを有する従来のアルミニウム合金であってもよく、またはシリコン、カナサイト(canasite)、または炭化シリコン等の代替の基板であってもよい。接着層またはSULを成長させるための開始層(OL)はAlTi合金とし得、または約2nm〜10nmの厚さの同様の材料が基板表面202上に堆積される。
【0023】
SULは、CoNiFe合金、FeCoB合金、CoCuFe合金、NiFe合金、FeAlSi合金、FeTaN合金、FeN合金、FeTaC合金、CoTaZr合金、CoFeTaZr合金、CoFeB合金、およびCoZrNb合金等の透磁性材料で形成し得る。SULは、AlまたはCoCrの導電性膜等の非磁性膜で隔てられた複数の軟磁性膜で形成された積層または多層のSULであってもよい。SULは、Ru、Ir、Cr、またはこれらの合金等の反強磁性結合を仲介する中間層で隔てられた複数の軟磁性膜で形成された積層または多層のSULであってもよい。SULは、約5nm〜50nmの範囲の厚さを有し得る。
【0024】
交換遮断層(EBL:exchange−break layer)が通常、SUL上に配置される。これは、SULの透磁性膜とRLとの磁気交換結合を遮断するように機能すると共に、RLのエピタキシャル成長を促進する役割も果たす。EBLは必要ない場合もあるが、使用される場合には、非磁性チタン(Ti)層;Si、Ge、およびSiGe合金等の非導電性材料;Cr、Ru、W、Zr、Nb、Mo、V、およびAl等の金属;非晶質CrTiおよびNiP等の金属合金;CN、CH、およびC等の非晶質炭素;Si、Al、Zr、Ti、およびBからなる群から選択される元素の酸化物、窒化物、または炭化物であることができる。EBLは、約5nm〜40nmの範囲の厚さを有し得る。
【0025】
RLは、任意の既知の非晶質材料または晶質材料および垂直磁気異方性を示す構造の単層または多層であり得る。したがって、RLは、Si、Ta、Ti、Nb、Cr、V、およびBのうちの1つまたは複数の酸化物等の適した分離固体を有する、CoPt合金またはCoPtCr合金等の粒状多結晶コバルト合金の層であり得る。RLは、上述したような適した分離固体を有する、または有しないCo/Pt多層、Co/Pd多層、Fe/Pt多層、およびFe/Pd多層等の垂直磁化異方性を有する多層で構成されてもよい。さらに、CoSm合金、TbFe合金、TbFeCo合金、GdFe合金等の希土類元素を含む垂直磁化層をRLに使用可能である。RLは、化学的に規則化した(orderd)CoPt、CoPd、FePt、またはFePdで形成してもよい。これらの化学的に規則化した合金は、塊の形態で、面心正方晶(FCT)L1規則化相材料として知られている(CuAu材料とも呼ばれる)。L1相のc軸は、磁化容易軸であり、基板に対して垂直に向けられる。Co/Pt多層およびCo/Pd多層のように、これらの層は非常に強い垂直磁化異方性を示す。RLの総厚は通常、約5nm〜25nmの範囲内である。
【0026】
図3Bは、リソグラフィパターニングおよびエッチング後のディスク200の断面図である。エッチングは、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)等の真空エッチングプロセスとし得る。エッチング後、RL材料の隆起したランド220および溝または窪み230が、基板表面202よりも上に形成される。ランド220は上面221を有する。溝230は、ランド220の上面221よりも下にある下面231と、側壁231aとを有する。DTMディスクの場合、ランド220および溝230は、円周方向において位置合わせされた同心円のリングであり、同心円の溝230が、ランド間のギャップであり、同心円のランドを半径方向において隔てるように機能する。溝230の典型的な深さは、本質的にランド220の高さでもあるが、約10nm〜50nmの範囲内であり、溝の典型的な幅は、約10nm〜50nmの範囲内である。図3Bに示される例では、エッチングは、すべてのRL材料およびEBL材料の部分が溝230の領域から除去されるような深さまで実行された。しかし、代替として、エッチングを、RL材料の一部分のみが除去されるような深さまで実行することもできる。その場合、溝230の下面231の下にRL材料層がある。
【0027】
図3Cは、CMP停止層210の堆積後のディスク200の断面図である。CMP停止層210は、ランド220の上面221および溝230内に堆積される。この結果、溝の下面231および溝の側壁231aに配置されたCMP停止層210が生成される。CMP停止層210は、好ましくは、ダイヤモンド状炭素(DLC)のような非晶質炭素の層である。当分野において周知のように、非晶質炭素またはDLCは、水素化および/または窒素化してもよい。あるいは、CMP停止層210は、Si等の窒化シリコンであってもよく、またはSiの不飽和ダングリングボンドを有する窒素が不足した窒化シリコン(一般にSiNと呼ばれる)を含む、この化学量論組成から変化したもの(deviation)であってもよい。CMP停止層210は、TiN、TaN、VN、およびWN等の遷移金属窒化物またはTiC、WC、SiC、およびTaC等の遷移金属炭化物から製造してもよい。CMP停止層210は、約0.2nm〜4nmの厚さまでスパッタ堆積することにより堆積させ得る。CMP停止層210の厚さは、ランド、側壁、および溝で異なり得る。CMP停止層210は、単層、2層、または多層として作られるシリコンおよび炭素の層が交互になった積層等の多層であることができる。
【0028】
図3Dは、非磁性接着膜235および非磁性充填材料240がCMP停止層210上に堆積された後のディスク200の断面図である。接着膜235は、約0.1nm〜3nmの厚さまで堆積され、側壁231aに隣接するCMP停止層210の部分を含め、溝230内のCMP停止層210を覆う。側壁231a上の接着膜235の厚さは、溝230の下面231での厚さと異なり得る。接着膜235は、好ましくは、約0.1nm〜3nmの厚さまでスパッタ堆積された非晶質シリコンである。非磁性充填材料240は、少なくとも、ランド220上のCMP停止層210の上の高さまで、溝230を完全に充填するために十分な厚さまで堆積される。この結果、充填材料240は、隆起したランド220上のCMP停止層210の部分上に堆積される。非磁性充填材料240は、シリコンおよび酸素を含み、好ましくは、酸素化学量論組成がSiO0.1〜SiO2.2の酸化シリコン(SiO)である。充填材料はSiOであってもよい。但し、xは0.1〜2.2の範囲内であり、yは0.1〜1.5の範囲内である。
【0029】
代替の実施形態では、接着膜235および充填材料240は、CMP停止層210との界面から離れた充填材料240の領域で酸素量が大きな、組成が段階的な単層であり得る。この実施形態では、CMP停止層210の近傍では酸素がないか、またはごくわずかであり、酸素量は、溝230の上部近傍で最高である。層の低酸素または酸素のない接着部分がCMP停止層210に接するこの種の組成が段階的な酸化物層は、真空蒸着により蒸着し得る。これを達成する一方法は、純粋なシリコンターゲットからのスパッタ堆積を行うことであり、スパッタリング室への酸素の流速を徐々に増大させて、充填材料層への酸素の組み込みを制御する。流速は、堆積期間中、単調に増大してから一定値に保持されてもよく、または堆積中、常に増大してもよい。流速は、所望の化学量論組成をもたらす酸素とのシリコンとの反応速度が与えられるように選択される。酸素の流速が遅い場合、酸素が不足したSiO組成になる。但し、0<x<2.2である。酸素の流速が早い場合、1.8〜2.2の範囲のx値を有するSiOの値に近づくまで組成が飽和する。別の方法は、この堆積プロセス中、酸素流速を一定に保ち、シリコンターゲットへのDC、RF、またはパルスDC電力を徐々に変化させることである。第3の方法は、酸素流速ならびにSiターゲットに供給される電力を変化させることである。
【0030】
純粋な(酸素のない)シリコンが、接着膜235に好ましい材料であるが、Ti、Ta、V、Cr、これらの合金、およびこれら金属または金属合金の酸化物、窒化物、酸窒化物のような選択された金属も、接着膜として機能し得る。これら代替の接着膜は、好ましくは、約0.1nm〜3nmの厚さを有する。
【0031】
図3Eは、CMPにより、CMP停止層210まで充填材料240を除去した後のディスク200の断面図である。CMPは、半導体製造および薄膜磁気記録ヘッド製造において広く使用されている周知のプロセスである。CMPスラリーは、除去をより容易にするために充填材料の表面層の接着性を低減させる液体と、充填材料を切り裂いて除去するために役立つ粒子とを含み得る。異なる化学特性を有するCMPスラリーが市販されており、除去すべき材料に基づいて選択される。CMPプロセスは、いくつかの方法で行うことができる。第1のCMPステップでは、セリア(酸化セリウム)を含むスラリーが使用される。セリアスラリーは、比較的高速のSiO除去率を有し、SiO充填層がシリコン接着膜よりも上まで除去された場合、研磨を停止する。この処理は、SiO充填材料をごくわずかに過剰に研磨するように、例えば時間により較正される。次に、第2のCMPステップが、コロイドシリカを含むスラリーを使用して実行されて、シリコン接着層を研磨して除去する。このステップは、CMP停止層210に達した場合に研磨を停止する。ここでも、第2のCMPステップは、シリコン接着層をわずかに過剰に研磨するように、例えば時間により較正され、その結果、ランド220上のCMP停止層210の上面と比較して溝内の充填材料240が小量、窪むことになる。様々なCMP終了点検出システムおよび技法も既知である。例えば、プラテンおよびキャリアモータ電流の測定ならびに赤外線(IR)センサによるプラテン温度の測定も、CMPプロセスがCMP停止層210に達したときを特定するために使用することができる。充填材料240はこの時点で、側壁321aに隣接するCMP停止層210の部分に接する接着膜235の部分に沿ったものを含め、溝内の接着膜235の上に残っている。溝内の充填材料240の上面241は、図3Eに示されるように、CMP後にごくわずかに窪ませられる。しかし、溝の上面241および隆起したランド220上のCMP停止層210の上面は本質的に、同一の平面にあり、一緒に略平坦な表面を形成する。本明細書において使用される「略平坦」は、溝内の充填材料の上面241の窪みが、CMP停止層210の上面から約5nm未満であり、約1nmを超えてCMP停止層210の上面よりも上に延在しないことを意味する。CMP停止層210が非晶質炭素である場合、CMPが充填材料240および接着層235をCMP停止層210の上から除去した後、いくらかのシリコンが非晶質炭素CMP停止層210の上面上に残って埋め込まれる可能性があることも特定されている。
【0032】
充填材料240および接着膜235がCMP停止層210の上から略除去された後にCMPを継続することも可能である。CMP停止層210の厚さよりも深い溝深さが溝内で達成されるまで、CMPが続けられる。例えば、2nm厚の非晶質炭素CMP停止層210が使用された場合、溝領域内の充填材料240の窪みが2nmよりも大きくなるまで、CMPが続けられる。その場合、充填材料240の表面241は、ランド220上のCMP停止層210の上面の最上部よりも少なくとも2nm下である。次に、CMP停止層210は、RIE等の真空エッチングプロセスにより除去され、その結果、窪んだ表面241とランド220の上面221との間の表面が本質的に同一の平面にあり連続することになる。次に、同一の平面にある表面は、図3Fの図において後述するように、連続保護オーバーコートでコーティングされる。
【0033】
図3Eでは、隆起したランド220上のCMP停止層210は、ランド220内のRL材料の保護オーバーコートとして機能し得、その場合、潤滑層(図示せず)を堆積させて、ディスク構造を完成し得る。しかし、代替として、図3Eでの隆起したランド220上のCMP停止層210は、真空エッチングまたはRIE等により除去し得る。この後、保護オーバーコートのスパッタ堆積および潤滑層の堆積が続けられる。保護オーバーコート212および潤滑層250を有するそのようなディスク構造は、図3Fの断面図に示される。保護オーバーコート層212は、通常、スパッタ堆積により、ランド220の上面221および充填材料240の上面241の略平坦な表面に堆積される。オーバーコート層212は、好ましくは、水素化および/または窒素化してもよい、スパッタ堆積されたDLCのような非晶質炭素である。オーバーコート層212に使用し得る他の材料としては、炭化シリコンおよび炭化ホウ素等の炭化物;窒化シリコン、窒化チタン、および窒化ホウ素等の窒化物;TiO、ZrO、Al、Cr、Ta、およびZrO−Y等の金属酸化物;ならびにこれら材料の混合物が挙げられる。潤滑層250は、オーバーコート212に接合するか、または接合しない、パーフッ素化ポリエーテル(PFPE)ポリマーのような従来のディスク潤滑剤であり得る。潤滑剤は通常、ディスクを適した溶媒中のPFPE溶液内に浸漬し、溶媒を蒸発させることにより塗布される。
【0034】
本発明について好ましい実施形態を参照して特に図示し説明したが、本発明の主旨および範囲から逸脱せずに、形態および細部に様々な変更を行い得ることが当業者には理解されよう。したがって、開示される発明は、単なる例示としてみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲に指定されることにおいてのみ範囲が限定される。
【符号の説明】
【0035】
2 回転式アクチュエータ
4 枢軸
6 読み取り/書き込みヘッド
10 磁気記録ディスク
11 表面
12 環状データ帯
14 内径
16 外径
18 サーボセクタ
20、22、24 データトラック
21、23 保護帯
30、40、50、60 サーボフィールド
31〜35 ブロック
70 非磁性領域
100 中心軸
102 方向
164 データアイランド
200 ディスク
201 基板
202 基板表面
210 CMP停止層
212 保護オーバーコート層
220 ランド
221 ランドの上面
230 溝
231 溝の下面
231a 溝の側壁
235 接着膜
240 充填材料
241 溝の上面
250 潤滑層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
概して平坦な表面を有する基板と、
前記基板上に磁気記録材料を含む複数の隆起したランドであって、前記基板の表面よりも上に上面を有する複数の隆起したランドと、
前記基板上の前記ランド間の複数の溝であって、前記ランドの前記上面よりも低い下面、および前記下面から延びる側壁を有する複数の溝と、
前記溝の下面および側壁に接した化学機械研磨(CMP)停止層と、
シリコンおよび酸素を含む、前記溝内の充填材料と、
前記溝内の、前記CMP停止層と前記充填材料との間にあり、前記CMP停止層および前記充填材料に接した接着膜と
を備える、磁気記録ディスク。
【請求項2】
前記接着層は本質的にシリコンからなる、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項3】
前記接着膜および前記充填材料は一緒に、厚さに伴って徐々に増大する酸素含有量を有するシリコンおよび酸素の連続層を形成し、前記酸素の含有量は前記CMP停止層の近傍で最低である、請求項1又は2に記載の磁気記録ディスク。
【請求項4】
前記充填材料は酸化シリコンを含み、酸素化学量論組成はSiO0.1〜SiO2.2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項5】
前記接着膜は、本質的にシリコンからなる、実質的に酸素のない膜である、請求項4に記載の磁気記録ディスク。
【請求項6】
前記接着膜は、0.1nm以上かつ3nm以下の厚さを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項7】
前記接着膜は、Ti、Ta、V、Cr;Ti、Ta、V、またはCrの合金;Ti、Ta、V、またはCrの酸化物;およびTi、Ta、V、またはCrの窒化物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項8】
前記CMP停止層は、非晶質炭素および窒化シリコン(SiN)から選択される材料で形成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項9】
前記CMP停止層は、炭素およびシリコンを含む膜が交互になった複数の層である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項10】
前記CMP停止層は前記ランドの前記上面上にもある、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項11】
前記ランドの前記上面上の前記CMP停止層の前記上面内に埋め込まれたシリコンをさらに含む、請求項10に記載の磁気記録ディスク。
【請求項12】
前記ランドの前記CMP停止層の前記上面は、前記溝内の前記充填材料の前記上面と略同一の平面にある、請求項10又は11に記載の磁気記録ディスク。
【請求項13】
前記ランドおよび前記溝内の前記充填材料上の前記CMP停止層の前記略同一の平面にある上面上に潤滑層をさらに備える、請求項12に記載の磁気記録ディスク。
【請求項14】
前記ランドの前記上面は、前記溝内の前記充填材料の前記上面と略同一の平面にあり、
前記略同一の平面にある表面上に保護オーバーコートをさらに備える、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項15】
前記保護オーバーコート上に潤滑層をさらに備える、請求項14に記載の磁気記録ディスク。
【請求項16】
前記ランド内の前記磁気記録層材料は、前記基板表面に概して垂直の磁気異方性を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項17】
前記ランドおよび前記溝の下の前記基板表面上に軟磁性下層(SUL)をさらに備えると共に、前記ランドおよび前記溝の下の前記SUL上に交換遮断層(EBL)をさらに備える、請求項1〜16のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項18】
前記溝および前記ランドの下の前記基板上に磁性材料層をさらに備える、請求項1〜17のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項19】
離散トラック媒体ディスクであり、前記ランドは、半径方向に離間された同心円トラックを備え、前記充填材料を有する前記溝は、前記トラック間に半径方向に離間された保護帯を備える、請求項1〜18のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項20】
ビットパターニング媒体ディスクであり、前記ランドは、離散したデータアイランドを備え、前記充填材料を有する前記溝は、前記データアイランド間の領域を備える、請求項1〜18のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項21】
前記ランドは、概して半径方向に向けられたサーボブロックを備え、前記溝は、前記サーボブロック間に領域を備える、請求項1〜20のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項22】
概して平坦な表面を有する基板と、
前記基板上の磁気記録材料から形成される複数の隆起したランドであって、前記基板の表面よりも上に上面を有する複数の隆起したランドと、
前記基板上の前記ランド間の複数の溝であって、前記ランドの前記上面よりも低い下面、および前記下面から延びる側壁を有する、複数の溝と、
前記溝の前記下面および前記側壁に接する、非晶質炭素および窒化シリコンから選択される化学機械研磨(CMP)停止層と、
前記溝内にある、酸化シリコンを含む充填材料であって、酸素化学量論組成はSiO0.1〜SiO2.2である、充填材料と、
前記溝内の前記CMP停止層と前記充填材料との間にあり、前記CMP停止層および前記充填材料に接する、本質的にシリコンからなる接着膜と
を備える、磁気記録ディスク。
【請求項23】
前記接着膜および前記充填材料は一緒に、厚さに伴って徐々に増大する酸素含有量を有するシリコンおよび酸素を含む連続層を形成し、前記CMP停止層の近傍には酸素がない、請求項22に記載の磁気記録ディスク。
【請求項24】
前記CMP停止層は前記ランドの前記上面上にもあり、前記ランド上の前記CMP停止層の前記上面は、前記溝内の前記充填材料の前記上面と略同一の平面にある、請求項22又は23に記載の磁気記録ディスク。
【請求項25】
前記ランドの前記上面は、前記溝内の前記充填材料の前記上面と略同一の平面にあり、
前記略同一の平面にある表面上に保護オーバーコートをさらに備える、請求項22〜24のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項26】
離散トラック媒体ディスクであり、前記ランドは、半径方向に離間された同心円トラックを備え、充填材料を有する前記溝は、前記トラック間に半径方向に離間された保護帯を備える、請求項22〜25のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項27】
ビットパターニング媒体ディスクであり、前記ランドは、離散したデータアイランドを備え、充填材料を有する前記溝は、前記データアイランド間の領域を備える、請求項22〜25のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。
【請求項28】
磁気記録ディスクを平坦化する方法であって、前記磁気記録ディスクは、概して平坦な表面を有する基板と、前記基板上に磁気記録材料を含む複数の隆起したランドであって、前記基板の表面よりも上に上面を有する複数の隆起したランドと、前記基板上の前記ランド間の複数の溝であって、前記ランドの前記上面よりも低い下面、および前記下面から延びる側壁を有する複数の溝とを備え、前記方法は、
非晶質炭素を含む化学機械研磨(CMP)停止層を前記ランドの前記上面および前記溝内の前記溝の前記下面および前記側壁に堆積させること、
シリコンを含む接着膜を前記CMP停止層上に前記CMP停止層に接して堆積させること、
シリコンおよび酸素を含む充填材料を前記接着膜上に前記接着膜に接して堆積させて、前記ランドの前記上面よりも上の高さまで前記溝を充填すること、
セリアを含むスラリーを使用して第1のCMPを実行して、前記ランドの前記上面よりも上のおよび前記溝を覆う前記充填材料を除去すること、
シリカを含むスラリーを使用して第2のCMPを実行して、前記ランドよりも上の前記接着膜および前記溝上の追加の充填材料を除去すること
を含む、方法。
【請求項29】
前記第2のCMPを実行することは、前記第2のCMPを実行して、前記溝内の追加の充填材料を、前記ランド上の前記CMP停止層の厚さとおおよそ同じ深さまで除去することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のCMPを実行した後、前記CMP停止層を前記ランドから除去すること、および
前記ランドおよび前記溝内の前記充填材料上に保護オーバーコートを堆積させること
をさらに含む、請求項28又は29に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【公開番号】特開2012−94232(P2012−94232A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180316(P2011−180316)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】