説明

事故防止靴用の保護つま先

事故防止靴用の保護つま先であって、靴の前部分を実質的に形づくるさやから成り、このさやは複数のエアレーション穴が設けられている上側部分を有している。そして、湿気のみが靴用つま先の内側から外側へ流れるのを許すダイアフラムが、前記エアレーション穴と関連させられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事故防止靴用の保護つま先(toe)に関する。より詳細には、本発明は、金属材料、すなわち、鉄、アルミナ若しくはアルミナコンパウンド、又はプラスチック材料、又は複合材料から作られている事故防止靴用つま先に関する。
【背景技術】
【0002】
前記靴用つま先は、異なる国々における現在の政策による衝撃試験に合格するように作らなければならない。
【0003】
前記衝撃試験に合格するためには、靴用つま先の非常に精密な製作方法によってのみ与えることができる強固性及び均質性の特性を示さなければならない。
【0004】
一例として、金属製靴用つま先はモールド成形方法により作られ、このモールド成形方法においては、モールド成形材料が靴の形状を複製するように滴下され、それから成形型が閉じられ、それから例えば圧力を連続して及ぼすことにより、靴用つま先を形成する材料が成形型内で凝固される。
【0005】
また、前記靴用つま先はダイカストの方法により鍛造して作ることができる。
【0006】
更に、前記靴用つま先は、事故防止靴をはいている使用者に十分な快適さを、特に使用者の足の蒸散に関して十分な快適さを与えなければならず、これはすべて上述した強固性の特性を危うくすることなしになさなければならない。
【0007】
この理由のために、複数の穴が、つま先を包含する靴部分をエアレーションするように、靴用つま先における予め配列した位置に設けられている。
【発明の開示】
【0008】
本出願人は、事故防止靴用つま先であって、つま先が設けられている靴部分の内側から外側へ湿気のみが流れるのを許すダイアフラムをエアレーション穴に挿入することにより、使用者の足の蒸散を改善し、起り得る湿気が靴の外側から内側へ流れるのを除去するようにした靴用つま先を実現したものである。
【0009】
すなわち、本発明の一態様によれば、事故防止靴用の保護つま先であって、靴の前部分を実質的に形づくるさやから成り、このさやは複数のエアレーション穴が設けられている上側部分を有している靴用つま先において、湿気のみが靴用つま先の内側から外側へ流れるのを許すダイアフラムが前記エアレーション穴と関連させられていることを特徴とする靴用つま先が提供される。
【0010】
本発明による靴用つま先の他の特性及び利点は、添付図面を参照して述べる実施例の下記の例示的及び非限定的な説明の中に示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照するに、図1に符号1により総括的に示されている靴用つま先は、上側部分2と、横部分3と、ベース部分4とを包含し、これらの部分は靴の前部分を形づくるさや(capsule)を実質的に画定するように互いに結合されている。前記さやは、実質的に垂直な後部開口5と、実質的に平行な底部開口6とを有し、さやの中には事故防止靴をはいている持主の足が入る。
【0012】
有益には、靴用つま先は異なる部分において異なる厚さを有し、これにより、厚さ及び重さの両方を減少せしめることができるに加えて、圧縮に対する抵抗を改善せしめる。
【0013】
靴用つま先に作られている重要な製作は、靴用つま先に用いられている合金の量を減少せしめることを目的として及び前記つま先を包含する靴部分をエアレーションする範囲でもって、複数の予め配列した位置に複数のエアレーション穴7を作ることにある。明らかに、これらのエアレーション穴は圧縮に対してより大きな抵抗を必要とする靴部分には作ることができない。
【0014】
より詳細には、前記エアレーション穴7は靴用つま先の上側部分2及びことによると横部分3に作られる。
【0015】
前記エアレーション穴には、湿気のみが靴用つま先の内側から外側へ流れることを許すダイアフラムが関連させられている。
【0016】
前記ダイアフラムは、例えば、マイクロファイバーから作ることができる。好適には、前記ダイアフラムは前記上側部分の外面と関連させられる。
【0017】
代替的に、前記ダイアフラムは前記上側部分の内面と関連させられる。好適には、前記ダイアフラムは単独のシートから成り、前記シートはエアレーション穴を有している部分に接着剤により又は他の異なる結合手段を用いることにより結合される。あるいは、前記ダイアフラムは、各々が少なくともひとつのエアレーション穴に位置している、シートの複数の異なる部分から成る。
【0018】
靴用つま先は、例えば、金属材料、又はプラスチック材料、又は複合材料から作られる。
【0019】
靴用つま先を製作するために用いられる合金のタイプは、それだけで、前述した強さ試験を合格するために適当な特性を有する。
【0020】
金属製靴用つま先を作るために適当な合金は、アルミナを含有するほかに、例えば、銅、シリカ、マグネシウム、チタン及び鉄を含有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明にしたがって作った事故防止靴用つま先を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事故防止靴用の保護つま先であって、靴の前部分を実質的に形づくるさやから成り、このさやは複数のエアレーション穴が設けられている上側部分を有している靴用つま先において、湿気のみが靴用つま先の内側から外側へ流れるのを許すダイアフラムが前記エアレーション穴と関連させられていることを特徴とする靴用つま先。
【請求項2】
請求項1記載の靴用つま先において、前記さやは、更に、前記エアレーション穴が設けられている横部分を有し、前記エアレーション穴の中に前記ダイアフラムが挿入されていることを特徴とする靴用つま先。
【請求項3】
請求項1記載の靴用つま先において、金属材料、又はプラスチック材料、又は複合材料から作られていることを特徴とする靴用つま先。
【請求項4】
請求項1記載の靴用つま先において、前記ダイアフラムが前記上側部分の外面と関連させられていることを特徴とする靴用つま先。
【請求項5】
請求項1記載の靴用つま先において、前記ダイアフラムが前記上側部分の内面と関連させられていることを特徴とする靴用つま先。
【請求項6】
請求項1記載の靴用つま先において、前記ダイアフラムが、好適には、前記エアレーション穴を有している部分に接着されている単独のシートから成ることを特徴とする靴用つま先。
【請求項7】
請求項1記載の靴用つま先において、前記ダイアフラムが、好適には、各々が少なくともひとつのエアレーション穴の上に位置している、シートの複数の部分から成ることを特徴とする靴用つま先。

【図1】
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【公表番号】特表2008−521525(P2008−521525A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543711(P2007−543711)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008801
【国際公開番号】WO2006/058566
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(507182058)ピエッフェウ グループ ソシエタ ア レスポンサビリタリミタータ (1)
【氏名又は名称原語表記】PFU GROUP S.R.L.
【住所又は居所原語表記】VIA OLUBI 1,I−28013 GATTICO,NOVARA,ITALY
【Fターム(参考)】