説明

二次電池用の正極活物質およびその作製方法、ならびに二次電池

【課題】より比表面積の大きなリン酸鉄リチウムを含むリチウムイオン二次電池用正極活物質を提供することを目的の一とする。また、該正極活物質を用いることで、正極活物質と電解液との接触面積を大きくし、より高出力なリン酸鉄リチウムを含むリチウムイオン二次電池を提供することを目的の一とする。
【解決手段】正極活物質に用いるリン酸鉄リチウム結晶の一次粒子として、内部空隙を有する結晶を用いる。内部空隙を有する結晶を用いることで、結晶の比表面積が大きくなり、正極活物質と電解液との接触面積を大きくすることができる。内部空隙を有する結晶は、前駆体を含む懸濁液を、酸素を含む雰囲気中で攪拌したのち、水熱法により合成することで得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極活物質、およびその作製方法に関する。また、リチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への関心が高まるなか、ハイブリッド自動車用電源等に使用できる二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電装置の開発が盛んである。その候補として、エネルギー性能の高いリチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタが注目されている。リチウムイオン二次電池は、小型でも大容量の電気を蓄えられるため、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの携帯情報端末には既に搭載され、製品の小型化などに一役買っている。
【0003】
二次電池及び電気二重層キャパシタの基本構成は、正極と負極との間に電解質を介在させた構成を有する。正極及び負極としては、それぞれ、集電体と、集電体上に設けられた活物質と、を有する構成が知られている。例えばリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを挿入及び脱離することができる材料を活物質として用いる。
【0004】
リチウムイオン二次電池の特性を向上させるため、様々な面からのアプローチが図られている。例えばリチウムイオン二次電池用正極活物質の検討もその一つである。
【0005】
正極活物質の検討の一つとして、材料からのアプローチがある。正極活物質の材料として、リン酸鉄リチウム(LiFePO)が注目されている。リン酸鉄リチウムは、コバルト(Co)等と比較して非常に安価な鉄を用いていること、Fe2+/Fe3+の酸化還元を伴う材料としては高電位(約3.5V)を示すこと、サイクル特性が良好であること、理論容量が約170mAhg−1であり、エネルギー密度にして従来のコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)といった材料を上回ること、等の利点がある。
【0006】
しかしながら、リン酸鉄リチウムは、リチウムの拡散が一次元的であり遅いことと、低い電子伝導性のために、出力(電力)を高めにくいという問題点がある。そこで、リン酸鉄リチウムと電解液との接触面積を大きくすることで高出力とするべく、リン酸鉄リチウム結晶の微粒子化により比表面積の拡大を図る方法が多数報告されている。
【0007】
例えば非特許文献1では、水熱法を用いたリン酸鉄リチウム結晶の合成において、空気中よりも窒素雰囲気で合成する方がリン酸鉄リチウム結晶の粒径が小さくなることが報告されている。また、非特許文献2では、水熱法を用いたリン酸鉄リチウム結晶の合成において、前駆体を含む水のpHがリン酸鉄リチウム結晶の粒径に影響することが報告されている。
【0008】
また正極活物質の比表面積を大きくする他の例として、正極活物質に、一次粒子と、その一次粒子が多数集合した二次粒子を用いる方法が報告されている。例えば特許文献1に記載の正極活物質は、コバルト酸リチウムの小結晶である一次粒子と、その一次粒子が多数集合した二次粒子を有するため、正極活物質の比表面積が大きくなり、正極活物質と電解液との接触面積が大きくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−273678号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kuwahara et al,「Hydrothermal synthesis of LiFePO4 with small particle size and its electrochemical properties」,Journal of Electroceramics,2010,Vol.24,p.69−75
【非特許文献2】Kanamura et al,「Hydrothermal synthesis of LiFePO4 as a cathode material for lithium batteries」,Journal of Materials Science,2008,Vol.43,p.2138−2142
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように正極活物質の検討の成果はあるものの、近年の環境問題への関心の高まりの中、より出力の高いリチウムイオン二次電池用正極活物質が要求されている。
【0012】
そこで、本発明の一態様は、より比表面積の大きなリン酸鉄リチウムを含む正極活物質を提供することを目的の一とする。また、本発明の一態様は、該正極活物質を用いることで、正極活物質と電解液との接触面積を大きくし、より高出力なリン酸鉄リチウムを含むリチウムイオン二次電池を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の一態様では、正極活物質に用いるリン酸鉄リチウム結晶の一次粒子として、内部に空隙を有し、空隙に開口を有する結晶を用いることに着眼した。内部に空隙を有する結晶を用いることで、結晶の比表面積が大きくなり、正極活物質と電解液との接触面積を大きくすることができる。正極活物質と電解液との接触面積を大きくすることで、リチウムイオン二次電池の出力を高くすることができる。
【0014】
本発明の一態様は、外形が直方体で、内部に空隙を有し、空隙の開口を直方体の側面に有するリン酸鉄リチウムの結晶を、一次粒子として含む、二次電池用の正極活物質である。
【0015】
また、直方体のそれぞれの辺は20nm以上5μm以下とすることができる。
【0016】
また、本発明の別の一態様は、上記の正極活物質を含む正極、正極に対応して設けられた負極、および電解質を有する二次電池である。
【0017】
また、本発明の別の一態様は、リン酸鉄リチウムを含む正極活物質の製造方法であって、リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を、酸素を含む雰囲気中で攪拌したのち、加熱および加圧を行う工程を含む、二次電池用正極活物質の作製方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様により、より比表面積の大きなリン酸鉄リチウムを含む正極活物質を提供することが可能となる。また、該正極活物質を用いることで、正極活物質と電解液との接触面積を大きくし、より高出力なリン酸鉄リチウムを含むリチウムイオン二次電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】正極活物質の一例を示す模式図。
【図2】球状の正極活物質を示す模式図。
【図3】リチウムイオン二次電池の一例を示す断面図。
【図4】リチウムイオン二次電池の応用例を示す図。
【図5】正極活物質の一例のXRD解析結果。
【図6】正極活物質の一例の透過型電子顕微鏡写真。
【図7】正極活物質の一例の走査型電子顕微鏡写真。
【図8】正極活物質の一例の走査型電子顕微鏡写真。
【図9】正極活物質の一例の走査型電子顕微鏡写真。
【図10】正極活物質の一例の走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、本明細書などにおいて開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
なお、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0022】
なお、本明細書にて用いる第1、第2、第3といった序数を用いた用語は、構成要素を識別するために便宜上付したものであり、その数を限定するものではない。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である正極活物質とその作製方法について、図1および図2を用いて説明する。
【0024】
<正極活物質>
まず、本発明の一態様である正極活物質について説明する。図1(A)および(B)に本発明の一態様である正極活物質100の模式図を示す。正極活物質100は、リン酸鉄リチウムの結晶であり、内部に空隙を有し、該空隙が開口している一次粒子である。
【0025】
本明細書において、一次粒子とは、単一の核から発生した粒子を言う。または、凝集していない粒子を言う。また、二次粒子とは一次粒子が凝集したものを言う。また本明細書において、活物質とはキャリアであるイオンの挿入及び脱離に関わる物質を指し、グルコースを用いた炭素層などを含むものではない。よって、例えば、活物質の導電率を表す時には、活物質自身の導電率を指し、表面に形成された炭素層を含む活物質層の導電率を意味するものではない。
【0026】
正極活物質100について、結晶の粒子の外径をdとする。結晶が球でなく、たとえば図1(A)および(B)のように略直方体の場合、それぞれの辺をd1、d2、d3とする。d1、d2、d3は、たとえば20nm以上5μm以下である。また、略直方体の各面のうち、もっとも面積の大きい面を底面とし、それ以外の面を側面とする。また、正極活物質100について、結晶部分と内部空隙部分をあわせた体積を、見かけの体積V100とする。すなわち図1の場合、正極活物質100の見かけの体積V100は、d1×d2×d3で表される。
【0027】
図1(A)および(B)の正極活物質100は結晶上部の側面に内部空隙の開口を有するが、開口の場所と大きさは限定されない。また、図1の正極活物質100は略直方体であるが、正極活物質100は内部空隙を有する結晶であればよく、例えば略直方体から角がとれて丸みを帯びた、内部空隙を有する形状であってもよい。また、図1の正極活物質100の開口の形状は四角形であるが、例えば開口の形状は略円形であってもよい。
【0028】
正極活物質100は内部空隙を有し、該空隙が開口しているため、同じ見かけの体積を持つ球状の粒子よりも比表面積が大きくなる。なお本明細書において、比表面積とは、単位質量あたりの表面積を言う。
【0029】
たとえば、リン酸鉄リチウムは固相法により合成すると略球状の粒子が得られることが知られている。そこで、球状の粒子の例として、図2のようなリン酸鉄リチウムの粒子を想定し、粒子の直径を2rとする。球状のリン酸鉄リチウムの粒子である正極活物質150について、粒子の見かけの体積V150は、(4/3)πrで表される。
【0030】
上述のように、内部空隙を有する正極活物質100の見かけの体積V100と、球状の正極活物質150の見かけの体積V150が等しいとき、正極活物質100の比表面積S100の方が、正極活物質150の比表面積S150よりも大きい。すなわち、V100=V150のとき、S100>S150になる。
【0031】
このように、正極活物質として内部空隙を有し、該空隙が開口しているリン酸鉄リチウムの結晶を用いることで、比表面積を大きくすることができる。比表面積の大きな正極活物質を用いることで、正極活物質と電解液の接触面積が大きくなり、リチウムイオン電池の出力を大きくすることができる。
【0032】
<正極活物質の作製方法>
次に、正極活物質100の作製方法について説明する。
【0033】
正極活物質100であるリン酸鉄リチウム結晶の合成の原料には、リチウム源として、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)、無水水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、酸化リチウム(LiO)、硝酸リチウム(LiNO)、リン酸二水素リチウム(LiH2PO4)、酢酸リチウム(CHCOOLi)、リン酸リチウム(LiPO)などを用いることができる。
【0034】
また、鉄源として、塩化鉄(II)四水和物(FeCl・4HO)、硫酸鉄(II)七水和物(FeSO4・7H2O)、リン酸鉄(II)八水和物(Fe(PO・8HO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))、シュウ酸鉄(II)(FeC)、硫酸鉄(II)(FeSO)などを用いることができる。
【0035】
また、リン酸源として、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸(H3PO4)などを用いることができる。
【0036】
本実施の形態では、リチウム源として水酸化リチウム一水和物を、鉄源として塩化鉄(II)四水和物を、リン酸源としてリン酸二水素アンモニウムを用いることとする。
【0037】
次に、リチウム源、鉄源、およびリン酸源の原料をそれぞれ秤量する。本実施の形態では、水酸化リチウム一水和物:塩化鉄(II)四水和物:リン酸二水素アンモニウム=2:1:1(mol比)となるよう、それぞれを秤量することとする。
【0038】
次に、秤量したリチウム源、鉄源、およびリン酸源の原料をそれぞれ水に溶解し、リチウム水溶液、鉄水溶液、リン酸水溶液を調製する。ここで用いる水を、あらかじめ窒素でバブリングしてもよい。水を窒素でバブリングすることで、水中の溶存酸素を低減し、溶存酸素による副生成物を低減することができる。本実施の形態では、水酸化リチウム一水和物、塩化鉄(II)四水和物、およびリン酸二水素アンモニウムを、それぞれあらかじめ窒素でバブリングした水に溶解することとする。
【0039】
次に、リン酸水溶液を攪拌しながら、リチウム水溶液を徐々に加える。攪拌は空気中、または酸素を含む雰囲気中で行うことが好ましい。発明者の試行錯誤の結果、酸素を含まない雰囲気中で攪拌を行うと、後の工程で内部空隙を有する結晶を合成できないことが明らかとなっているためである。本実施の形態では、空気中、室温でリン酸二水素アンモニウム水溶液を攪拌しながら、水酸化リチウム水溶液を徐々に加えることとする。
【0040】
次に、鉄水溶液を攪拌しながら、上記のリン酸とリチウムの水溶液を徐々に加え、リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を調製する。攪拌は空気中、または酸素を含む雰囲気中で行うことが好ましい。発明者の試行錯誤の結果、酸素を含まない雰囲気中で攪拌を行うと、後の工程で内部空隙を有する結晶を合成できないことが明らかとなっているためである。本実施の形態では、空気中、室温で塩化鉄(II)水溶液を攪拌しながら、リン酸二水素アンモニウムと水酸化リチウムの水溶液を徐々に加え、リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を調製することとする。
【0041】
また、リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を調製した後、空気または酸素を含む気体でバブリングを行ってもよい。バブリングの時間は、たとえば空気でバブリングする場合15分以上1時間以下が好ましい。
【0042】
次に、上記の前駆体を含む懸濁液に、加熱および加圧処理を行う(すなわち、水熱法により合成をする)。加熱および加圧処理は、たとえば100℃以上水の臨界温度以下、0.1MPa以上水の臨界圧力以下、1時間以上で行うことができる。水熱法による合成には、100℃以上の水と大気圧以上の圧力が必要であり、また1時間以下の加熱および加圧処理では、内部空隙を有する結晶を合成できないことが明らかとなっているためである。本実施の形態では、約150℃、約0.5MPaで16時間処理することとする。加熱および加圧処理により、前駆体を含む懸濁液から内部空隙を有するリン酸鉄リチウムの結晶を合成することができる。
【0043】
反応後、得られた固形物を水で洗浄してから濾過を行い、得られた固形物を正極活物質100とする。このようにして、正極活物質100として略直方体の内部空隙を有し、該空隙が開口しているリン酸鉄リチウムの結晶を作製することができる。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に記載の正極活物質100を用いた正極およびリチウムイオン二次電池について説明する。正極の概要を図3(A)に、リチウムイオン二次電池の概要を図3(B)に示す。
【0045】
<正極>
まず、リチウムイオン二次電池の正極について、図3(A)を用いて説明する。図3(A)に示す正極202は、正極集電体200と正極活物質層201を含む。
【0046】
正極集電体200としては、アルミニウム、ステンレス等の導電性の高い材料を用いることができる。正極集電体200は、箔状、板状、網状等の形状を適宜用いることができる。
【0047】
正極活物質層201は、実施の形態1で示した内部空隙を有し、該空隙が開口しているリン酸鉄リチウムの結晶である正極活物質100を含む。なお、正極活物質層201として機能するすべてのリン酸鉄リチウムが、実施の形態1で示した正極活物質100である必要はない。正極活物質層201に、例えば内部空隙のないリン酸鉄リチウムが含まれていてもよい。
【0048】
次に正極202の作製方法について説明する。まず、正極活物質100に導電助剤やバインダ、溶媒を加えてペースト状に調合する。
【0049】
導電助剤とは、活物質間の導電性を助ける物質であり、離れている活物質の間に充填され、活物質同士の導通をとる材料である。導電助剤は、その材料自身が電子導電体であり、電池装置内で他の物質と化学変化を起こさないものであればよい。例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、VGCF(商標登録)などの炭素系材料、銅、ニッケル、アルミニウムもしくは銀など金属材料またはこれらの混合物の粉末や繊維などがそれに該当する。
【0050】
バインダとしては、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムもしくはポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂またはゴム弾性を有するポリマーなどがある。
【0051】
電極用材料として用いられる正極活物質100、導電助剤、及びバインダは、それぞれ80〜96重量%、2〜10重量%、2〜10重量%の割合で、且つ全体で100重量%になるように混合する。更に、電極用材料、導電助剤、及びバインダの混合物と同体積程度の有機溶媒を混合し、これらが有機溶媒に懸濁している状態にする。なお、電極用材料、導電助剤、バインダが有機溶媒に懸濁している状態にしたものを、スラリーと呼ぶ。有機溶媒としては、Nメチル−2ピロリドンや乳酸エステルなどがある。成膜した時の活物質および導電助剤の密着性が弱い時にはバインダを多くし、活物質の抵抗が高い時には導電助剤を多くするなどして、活物質、導電助剤、バインダの割合を適宜調整するとよい。
【0052】
ここでは、正極集電体200としてアルミ箔を用い、その上にスラリーを滴下してキャスト法により薄く広げた後、ロールプレス器で更に延伸し、厚みを均等にした後、真空乾燥(10Pa以下)や加熱乾燥(150〜280℃)して、正極集電体200上に正極活物質層201を形成する。正極活物質層201の厚さは、20〜100μmの間で所望の厚さを選択する。クラックや剥離が生じないように、正極活物質層201の厚さを適宜調整することが好ましい。さらには、電池の形態にもよるが、平板状だけでなく、筒状に丸めた時に、正極活物質層201にクラックや剥離が生じないようにすることが好ましい。
【0053】
このようにして、正極202を作製することができる。
【0054】
<リチウムイオン二次電池>
次に、上記の正極202を有するリチウムイオン二次電池について、図3(B)を用いて説明する。図3(B)に示すリチウムイオン二次電池は、正極202、負極207、及びセパレータ210を外部と隔絶する筐体220の中に設置し、筐体220中に電解液211が充填されている。また、正極202及び負極207との間にセパレータ210を有する。
【0055】
正極集電体200には第1の電極221が、負極集電体205には第2の電極222が接続されており、第1の電極221及び第2の電極222より、充電や放電が行われる。また、正極活物質層201及びセパレータ210の間と負極活物質層206及びセパレータ210との間とはそれぞれは一定間隔をおいて示しているが、これに限らず、正極活物質層201及びセパレータ210と負極活物質層206及びセパレータ210とはそれぞれが接していても構わない。また、正極202及び負極207は間にセパレータ210を配置した状態で筒状に丸めても構わない。
【0056】
正極集電体200上に正極活物質層201が形成されている。正極活物質層201には、上述のように実施の形態1で作製した正極活物質100が含まれている。一方、負極集電体205の上には負極活物質層206が形成されている。負極207は、負極活物質層206と、それが形成された負極集電体205を含む。
【0057】
負極集電体205としては、銅、ステンレス、鉄、ニッケル等の導電性の高い材料を用いることができる。
【0058】
負極活物質層206としては、リチウム、アルミニウム、黒鉛、シリコン、ゲルマニウムなどが用いられる。負極集電体205上に、塗布法、スパッタ法、蒸着法などにより負極活物質層206を形成してもよいし、それぞれの材料を単体で負極活物質層206として用いてもよい。黒鉛と比較すると、ゲルマニウム、シリコン、リチウム、アルミニウムの理論リチウム吸蔵容量が大きい。吸蔵容量が大きいと小面積でも十分に充放電が可能であり、負極として機能するため、コストの節減及び二次電池の小型化につながる。ただし、シリコンなどはリチウム吸蔵により体積が4倍程度まで増えるために、材料自身が脆くなる事や爆発する危険性などにも十分に気をつける必要がある。
【0059】
電解質は、液体の電解質である電解液や、固体の電解質である固体電解質を用いればよい。電解液は、キャリアイオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを含み、このキャリアイオンが電気伝導を担っている。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、若しくはカリウムイオンがある。アルカリ土類金属イオンとしては、例えばベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、若しくはバリウムイオンがある。
【0060】
電解液211は、例えば溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩またはナトリウム塩とから構成されている。リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、硼弗化リチウム(LiBF)、LiAsF、LiPF、Li(CSON等がある。ナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化ナトリウム(NaF)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、硼弗化ナトリウム(NaBF)等がある。
【0061】
電解液211の溶媒として、環状カーボネート類(例えば、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびビニレンカーボネート(VC)など)、非環状カーボネート類(ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソブチルカーボネート(MIBC)、およびジプロピルカーボネート(DPC)など)、脂肪族カルボン酸エステル類(ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなど)、非環状エーテル類(γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、およびエトキシメトキシエタン(EME)等)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等)、環状スルホン(スルホランなど)、アルキルリン酸エステル(ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン等やリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびリン酸トリオクチルなど)やそのフッ化物があり、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
【0062】
セパレータ210として、紙、不織布、ガラス繊維、あるいは、ナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ビナロンともいう)(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いればよい。ただし、上記した電解液211に溶解しない材料を選ぶ必要がある。
【0063】
より具体的には、セパレータ210の材料として、例えば、フッ素系ポリマ−、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子およびこれらの誘導体、セルロース、紙、不織布から選ばれる一種を単独で、または二種以上を組み合せて用いることができる。
【0064】
上記に示すリチウムイオン二次電池に充電をする時には、第1の電極221に正極端子、第2の電極222に負極端子を接続する。正極202からは電子が第1の電極221を介して奪われ、第2の電極222を通じて負極207に移動する。加えて、正極からはリチウムイオンが正極活物質層201中の活物質から溶出し、セパレータ210を通過して負極207に達し、負極活物質層206内の活物質に取り込まれる。当該領域でリチウムイオン及び電子が合体して、負極活物質層206に吸蔵される。同時に正極活物質層201では、活物質から電子が放出され、活物質に含まれる金属Mの酸化反応が生じる。
【0065】
放電する時には、負極207では、負極活物質層206がリチウムをイオンとして放出し、第2の電極222に電子が送り込まれる。リチウムイオンはセパレータ210を通過して、正極活物質層201に達し、正極活物質層201中の活物質に取り込まれる。その時には、負極207からの電子も正極202に到達し、金属Mの還元反応が生じる。
【0066】
以上のようにして作製したリチウムイオン二次電池は、内部空隙を有し、該空隙が開口しているリン酸鉄リチウムの結晶を正極活物質として有している。このリン酸鉄リチウムの結晶は比表面積が大きいため、電解液との接触面積が大きくなり、本実施の形態で得られるリチウムイオン二次電池を、出力の大きなリチウムイオン二次電池とすることができる。
【0067】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0068】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2に記載のリチウムイオン二次電池の応用形態について説明する。
【0069】
実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車、建設機械、作業車、鉄道用電気車両、カート、車椅子、自転車等の電気推進車両に用いることができる。また、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply,UPS)、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラ、携帯電話、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置等の電子機器に用いることができる。
【0070】
図4(A)は、電気自動車300の一例を示している。電気自動車300には、リチウムイオン二次電池301が搭載されている。リチウムイオン二次電池301の電力は、制御回路302により出力が調整されて、駆動装置304に供給される。制御回路302は、コンピュータ303によって制御される。
【0071】
駆動装置304は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。コンピュータ303は、電気自動車300の運転者の操作情報(加速、減圧、停止など)や走行時の情報(登坂や下坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路302に制御信号を出力する。制御回路302は、コンピュータ303の制御信号により、リチウムイオン二次電池301から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置304の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
【0072】
実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池を、リチウムイオン二次電池301として用いることができる。リチウムイオン二次電池301は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池を用いることで、出力を向上させることができる。
【0073】
図4(B)は、内燃機関動力と電気動力を組み合わせたハイブリッド型の建築機械310の一例を示している。建築機械310には、電気動力の供給源としてリチウムイオン二次電池311が搭載されている。リチウムイオン二次電池311は、インバータ314を介して電気モーター315および内燃機関モーター313と接続されている。内燃機関モーター313は内燃機関312と接続されている。建築機械310は、動作の減速時に電気モーター315による回生ブレーキをかけることで、電力をリチウムイオン二次電池311に蓄えることができる。
【0074】
実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池を、リチウムイオン二次電池311として用いることができる。実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池を用いることで、出力を向上させることができる。
【0075】
なお、電気推進車両が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電をすることができる。
【0076】
図4(C)および(D)は無停電電源装置の回路図である。図4(C)は、常時商用方式の無停電電源装置320であり、充電回路322、リチウムイオン二次電池321、インバータ323、リレー324を含む。図4(D)は常時インバータ方式の無停電電源装置330であり、整流回路332、充電回路331、リチウムイオン二次電池333、インバータ334を含む。
【0077】
実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池をリチウムイオン二次電池321、333として用いることができる。実施の形態2で説明したリチウムイオン二次電池を用いることで、出力を向上させることができる。
【0078】
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0079】
本実施例では、本発明の一態様である正極活物質100の作製方法の一例とXRD解析、形状、粒径および比表面積について、図5乃至図7を用いて説明する。
【0080】
<正極活物質の作製方法>
まず、本発明の一態様である正極活物質の作製方法について説明する。
【0081】
本実施例では、正極活物質100であるリン酸鉄リチウムの合成の原料として、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)、塩化鉄(II)四水和物(FeCl・4HO)、およびリン酸二水素アンモニウム(NHPO)を用いた。
【0082】
まず、水酸化リチウム一水和物:塩化鉄(II)四水和物:リン酸二水素アンモニウム=2:1:1(mol比)となるよう、本実施例では水酸化リチウム一水和物を1.67g、塩化鉄(II)四水和物を3.97g、リン酸二水素アンモニウムを2.30g、それぞれ秤量した。
【0083】
次に、秤量した水酸化リチウム一水和物、塩化鉄(II)四水和物、およびリン酸二水素アンモニウムを、それぞれ、あらかじめ窒素でバブリングした水約30mlに溶解させた。
【0084】
次に、リン酸二水素アンモニウム水溶液をスターラーで攪拌しながら、水酸化リチウム水溶液を徐々に加えた。攪拌は空気中で行った。その結果、白色沈殿が生成した。
【0085】
次に、塩化鉄(II)水溶液をスターラーで攪拌しながら、上記のリン酸二水素アンモニウムと水酸化リチウムの水溶液を徐々に加え、リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を調整した。攪拌は空気中で行った。その結果、緑白色沈殿が生成した。
【0086】
次に、上記の前駆体を含む懸濁液を、フッ素樹脂内筒を有する水熱合成用反応容器(ミニリアクターMS型 MS200−C(オーエムラボテック社製))に入れ、約150℃、約0.5MPaで16時間、水熱反応させた。
【0087】
反応後、得られた固形物を純水で10回程度洗浄してから濾過を行い、得られた固形物を正極活物質100として回収した。
【0088】
<正極活物質のXRD解析>
上記の作製方法によって得られた正極活物質100のXRD解析(X線結晶構造解析)を行った。図5にその結果を示す。横軸は回折角(2θ)、縦軸は回折強度である。図5の結果から、正極活物質100はオリビン型構造のリン酸鉄リチウムの結晶であること示された。
【0089】
<正極活物質の透過型電子顕微鏡観察>
上記の作製方法によって得られた正極活物質100の透過型電子顕微鏡による観察を行った。図6にその結果を示す。観察には、H−9000NAR(日立ハイテクノロジーズ製)を用い、加速電圧200kV、総合倍率205,000倍(倍率精度±10%)で行った。正極活物質100のうち、結晶の欠陥もしくは結晶方位の変化に起因すると考えられる濃淡の変化は一部に限られ、ほとんどの部分は同一の結晶方位を有していた。図6の結果から、正極活物質100のほとんどの部分は単結晶のリン酸鉄リチウムであることが示された。
【0090】
<正極活物質の形状および粒径>
上記の作製方法によって得られた、正極活物質100の走査型電子顕微鏡観察を行った。図7乃至図9にその走査型電子顕微鏡写真を示す。観察は、加速電圧10kV、倍率は図7(A)は10,000倍、図7(B)は図7(A)含まれる視野で、30,000倍、図8(A)は10,000倍、図8(B)は図8(A)含まれる視野で、30,000倍、図9(A)は上記と異なる視野で、30,000倍、図9(B)は上記と異なる視野で、30,000倍で行った。図7乃至図9のように、正極活物質の粒子の多くは平板状の結晶であった。また平板状の結晶の一部に開口を有し、開口から内部の空隙を観察できる粒子が多数あった。また開口の多くは、結晶の側面に形成されていた。
【0091】
また、図7の走査型電子顕微鏡写真から、正極活物質100の一次粒子径の平均を求めた。具体的には、図7の走査型顕微鏡写真から結晶の幅が明らかな44個の粒子について、それぞれ幅を測定して平均し、粒径とみなした。その結果、正極活物質100であるリン酸鉄リチウム結晶の粒子径の平均は0.94μmであった。
【0092】
<正極活物質の比表面積>
また、上記の作製方法によって得られた、正極活物質100の比表面積を測定した。測定には自動比表面積・細孔分布測定装置(トライスターII3020(島津製作所社製))を用いた。自動比表面積・細孔分布測定装置とは、試料粒子の表面に吸着占有面積のわかったガス分子を吸着させ、ガス分子の吸着量から試料の比表面積を求める測定装置である。測定の結果、正極活物質100の比表面積は4.2m/gであった。
【実施例2】
【0093】
本実施例では、本発明の一態様である正極活物質100の作製方法の別の一例と形状について、図10を用いて説明する。
【0094】
<正極活物質の作製方法>
実施例1の正極活物質の作製方法と同様に前駆体を含む懸濁液を調製した。その後、前駆体を含む懸濁液を、フッ素樹脂内筒を有する水熱合成用反応容器に入れてから、30分間空気でバブリングを行った。後の工程は実施例1の正極活物質の作製方法と同様に行った。
<正極活物質の形状>
上記の作製方法によって得られた、正極活物質100の走査型電子顕微鏡観察を行った。図10にその走査型電子顕微鏡写真を示す。実施例1の図7よりも壁が薄く、孔また凹部が大きな結晶が多数観察された。また、平板状の結晶の一部に開口を有し、開口から内部の空隙を観察できる粒子があった。また開口の多くは、結晶の側面に形成されていた。
【実施例3】
【0095】
本実施例では、比較例として球状の正極活物質150の比表面積について説明する。
【0096】
<比較例の比表面積>
比較例の正極活物質150として、一次粒子径が0.94μmであり、図2のような内部空隙をもたない球状のリン酸鉄リチウムの結晶の表面積を計算した。計算の結果、正極活物質150の比表面積は1.82m/gであった。
【0097】
実施例1のXRD解析、および走査型電子顕微鏡写真から、内部空隙を有するリン酸鉄リチウムの結晶を作製できたことが示された。また、実施例1および実施例3の比較から、内部空隙を有し、該空隙に開口を有するリン酸鉄リチウムの結晶が、同じ粒径で内部空隙をもたないリン酸鉄リチウムの結晶よりも、大きな表面積を有することが示された。
【符号の説明】
【0098】
100 正極活物質
150 正極活物質
200 正極集電体
201 正極活物質層
202 正極
205 負極集電体
206 負極活物質層
207 負極
210 セパレータ
211 電解液
220 筐体
221 電極
222 電極
300 電気自動車
301 リチウムイオン二次電池
302 制御回路
303 コンピュータ
304 駆動装置
310 建築機械
311 リチウムイオン二次電池
312 内燃機関
313 内燃機関モーター
314 インバータ
315 電気モーター
320 無停電電源装置
321 リチウムイオン二次電池
322 充電回路
323 インバータ
324 リレー
330 無停電電源装置
331 充電回路
332 整流回路
333 リチウムイオン二次電池
334 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が直方体で、内部に空隙を有し、前記空隙の開口を前記直方体の側面に有するリン酸鉄リチウムの結晶を、一次粒子として含む、二次電池用の正極活物質。
【請求項2】
前記直方体のそれぞれの辺は20nm以上5μm以下である、請求項1に記載の二次電池用の正極活物質。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の正極活物質を含む正極、前記正極に対応して設けられた負極、および電解質を有する二次電池。
【請求項4】
リン酸鉄リチウムを含む正極活物質の製造方法であって、
前記リン酸鉄リチウムの前駆体を含む懸濁液を、酸素を含む雰囲気中で攪拌したのち、加熱および加圧を行う工程を含む、二次電池用正極活物質の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221716(P2012−221716A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85944(P2011−85944)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】