説明

二硫化ニッケルを含有する熱電池カソード材料およびそれを含む電池

【課題】一次活性カソード材料およびNiSのある量を含有するカソード材料を提供する。
【解決手段】カソード材料は一次活性カソード材料およびNiSのある量を含有する。一次電池(例は、熱電池)を、そのようなカソード材料を含んで提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この非仮出願は2010年6月24日に出願された米国仮出願第61/358,203号の利益を主張し、それをここに参照することによってそのまま組み込む。
【0002】
背景.本開示の分野は、概して熱電池において使用するためのカソード材料に、そしてより一層詳細には一次活物質および二硫化ニッケル(NiS)のある量を含むカソード材料に関する。また本開示はかかるカソード材料を含む電池(例は、熱電池)に関する。
【背景技術】
【0003】
熱電池はどちらかといえば比較的長い貯蔵寿命、高エネルギー密度を有し、比較的低い維持費しか必要とせず、そして比較的高い温度に耐えることができる。また熱電池は比較的短い期間に亘って電力(パワー)の短いバーストを与える傾向にある。バーストは、ほぼ一ワットまたはそれ未満からキロワットまでに典型的に変動する電力と共に、一秒未満から一時間以上まで変動することができる。そのような性質は、熱電池を軍隊(例えばミサイル誘導システムのための電池)および宇宙探査への応用に適したものにする。熱電池はまた、電気自動車等のような他の用途に用いることもできる。
【0004】
典型的な熱電池には、アノード、カソード、室温で非導電性の固形電解質を含有する電解質セパレータおよび電池に熱源を提供する発火材料(pyrotechnic material)(例えば、図1でのような熱ペレットで、それは、例えばFe−KClO粉末を含むことができる)が含まれる。電池操作が望ましい場合、外的刺激を電池に加える。例えば、電気導火線(electric match)または電気活性スクウィブ(電気活性型の小花火)を作動させる(点火する)ために、電流を電池に加えることができ、または振動プライマー(衝撃性の雷管)を作動させるために機械力(例えば、機械的衝撃)を加えることができる。外的刺激は発火材料を点火させ、加熱し始める。発火材料から生じる熱により、以前に固形であった電解質は、溶融し、それで伝導性になり、それは電池が所望の適用のために電力を提供できるようにする。
【0005】
熱電池は、それぞれの電解質、カソード、および熱源がウエハーに形成されるように、ペレット技術を用いて形成されることが多い。この場合、それぞれのセル成分の化学物質が粉末状に処理され、それらの粉体はセルを形成するために一緒に押圧される。セルの伝導性を改善するために、各成分を別個の部分として形成することができ、またはアノードおよび/またはカソードは電解質材料を含むこと(即ち、それでいっぱいになる、フラッディング)ができる。
【0006】
熱電池のアノードは、一般的にアルカリ金属、アルカリ土類金属または合金で形成される。典型的なアノードには、リチウムアルミニウム、リチウムシリコン、またはリチウムホウ素等のようなリチウム金属またはリチウム合金が含まれる。
【0007】
熱電池との使用のための電解質には、塩化リチウムおよび塩化カリウムの共晶混合物(即ち、それぞれの個々の成分での温度よりも低い温度で凝固する混合物)および結合剤、例えばMgO、ヒュームドシリカまたはカオリナイト(カオリナイトに富んでいることが既知のカオリンクレーを含む)等のような粘土鉱物のようなものを含むことが多く、それは熱電池アセンブリー(組立品)内に電解質が含まれることにおいて、例えば毛管作用、表面張力、またはそれらの双方のようなものによって関与する。電解質セパレータは、周囲より高いか、例えば200℃および600℃の間の温度で溶解する二成分塩または三成分塩からしばしば構成される。典型的な熱電池の電解質を伴い、十分な結合剤を伴わないと、電解質材料を電池全体に分散することができるが、セル内の望ましくない分路または短絡の原因となる。
【0008】
熱電池のためのカソード材料は様々な設計パラメータによって異なってよく、一般的には金属酸化物または金属硫化物を含有する。一例として、酸化鉄、二硫化鉄または二硫化コバルトを、しばしばカソード材料として使用する。
【0009】
典型的な熱電池は本質的にモノリシックカソード材料のものを利用する。カソードは活性カソード材料以外の成分、例えば、フラッディング(水浸し)をもたらすために電解質および電圧を調節するためにリチウム化添加物(即ち、リチウム塩以外のリチウム化合物)のようなものを含有することができ、その一方、慣習的には一つの活物質、例えば、金属酸化物(例は、Fe)または金属硫化物(例は、CoSまたはFeS)のようなものだけが存在する。
先行出願の記載
米国特許出願第12/754,405号(2010年4月5日出願、2010年12月9日公開、米国特許出願公開第2010/0310917A1号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、伝導率、電圧および寿命において改善がもたらされる添加物を含むカソード材料のための継続的必要性が存在する。また一次電池、例えば、そのようなカソード材料を組み込み、そのような改善された性能を見せる熱電池のようなものの継続的必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概略.本開示の一つの態様において、電池には、アノード材料、カソード材料および電解質材料が含まれる。カソード材料には、一次カソード活物質およびNiSが含有される。一次カソード活物質は、一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。電解質材料には、少なくとも約25重量%の臭化リチウム、少なくとも約4重量%の塩化リチウム、少なくとも約42重量%のフッ化リチウムおよび少なくとも約1重量%の臭化カリウムが含有される。
【0012】
別の態様において、一次電池には、アノード材料、カソード材料および電解質材料が含まれる。電池のカソード材料は、一次カソード活物質およびNiSを含有する。一次カソード活物質は、一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0013】
本開示のさらなる態様は熱電池での使用のためのカソード材料に向けられる。カソード材料は、一次カソード活物質およびNiSを含有する。一次カソード活物質は、一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。一次カソード活物質に対するNiSのモル比は約1:3未満である。
【0014】
本開示の上述の態様に関して注目される特色の様々な改良が存在する。さらに、それらの特色はまた、本開示の上述の態様になお組み込むことができる。これらの改良およびさらなる特色が個々に、またはあらゆる組み合わせとして存在してよい。例えば、本開示の任意の例示的な実施形態に関して、以下に論ずる様々な特色を、単独または任意の組合せで、本開示の任意の上記態様に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の様々な実施形態による電気化学的装置を示す。
【図2】本開示の第一実施形態の熱電池セルの電圧トレース図および慣習的なセルのトレース図を示す。
【図3】本開示の第一実施形態による熱電池セルおよび慣習的なセルのインピーダンストレースを示す。
【図4】本開示の第二実施形態の熱電池セルの電圧トレース図および慣習的な電池セルのトレース図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面の全体にわたって、対応する参照符号は対応する部分を指し示す。図における要素は簡潔さ、および明快さのために示すものであり、必ずしも原寸に比例して描かれたものではないことに留意すべきである。例えば、本開示の実施形態の理解を深めることに役立てるために、図中の若干の要素の大きさを他の要素に関して過大視することができる。
【0017】
実施形態の詳細な説明.本開示は概して改善した熱電池カソード調剤物に、および改善したカソード材料または調剤物を含む電池に関する。図1は、本開示の熱電池での使用に適切な模範的な構成を有する熱電池100を示す。熱電池は、アノード102、電解質セパレータ(電解質)104、およびカソード106を含む。本開示に従って、カソード材料は、一次活物質(例は、Fe、FeS、および/またはCoS)およびニッケルの硫化物(およびより一層詳細には二硫化ニッケル、NiS)のある量を含む。以下により一層詳細に説明するように、一次活性カソード材料(例は、Fe、FeSまたはCoS)へのNiSの添加は改善したセル性能をもたらす。
【0018】
本明細書で使用するように、「電気化学装置」を、そうでなければ電池(およびいくつかの実施形態においては「熱電池」)、コンデンサ(キャパシター)、セル、電気化学セル等と称することができる。これらの参照は制限されるものでなく、電極および電解質の間の電子移動に関係する任意の装置が、本発明の範囲内として考えられると理解すべきである。さらに電気化学装置は負荷(ロード)にエネルギーを供給することができる単一または複数の連結した電気化学装置、電気化学セル、電池またはコンデンサに言及することができ、本明細書での任意の特定の装置への参照のいずれもまったく本開示を制限すると考えるべきでない。本開示の一またはそれよりも多く(一以上)の実施形態において、電気化学装置は使用後に再充電することができない一次電池である。一次電池は二次電池と比較して、典型的にそれらの設計においてそれほど複雑でなく、且つより一層少ないコストで生産することができる。金属二硫化物(例は、CoSまたはFeS)に基づく二次電池は、再充電が可能となるのを電池に許容するLiS等のような添加物を含むことができる。
【0019】
この点に関して、本開示のカソード材料は典型的にLiSを含有しないけれども、この化合物をセルの電気化学的放電中に生じさせることができ、そしてLiSのある量を生ずるセルは本開示の範囲内であると考えられることを理解すべきである。したがって、本明細書で使用するように、「実質LiSフリーの(実質的にLiSを含有しない)」カソード材料という語句は、相当量のLiSを含有しないが、電気化学セルでの放電に応じてそのような材料を含むことができる材料が含まれると理解すべきである。さらにこの点に関して、本明細書に使用するように放電前、「実質LiSフリー」である材料は、約1重量%未満のLiS、約0.5重量%未満のLiS、約0.1重量%未満のLiSを含有することができ、または実のところ、本開示の範囲から外れることなく、測定が可能でないか、または検出が可能でない量のLiSを含有することができる。
【0020】
本開示の様々な実施形態に従って、ペレット(即ち、ウエハー)を生じさせるために、機械的押圧操作または他の粉体取扱手段、例えば、テープキャスティング(成形)のようなものにより、粉体を統合する(固める)ことを含め、概してこの技術において既知の方法によって、熱電池において用いるためのカソード材料が調製される。ペレットを次に、電池を活性化するとき、電圧および電流を提供するために、所望の配置に積み重ねる。
【0021】
カソードに適した一次活物質には、Feのような金属酸化物またはFeS、CoSのような一次金属二硫化物またはそれらの混合物が含まれる。この点に関して、本明細書に使用するように「一次金属二硫化物」には、任意の金属二硫化物が含まれるが、以下に記載されるような添加剤としてのカソードにおいて含有されるNiSを除くと理解すべきである。さらに「一次金属二硫化物」に使用されるような「一次」という用語は、金属硫化物が任意の他のカソード材料に関して(例は、NiS、二次金属硫化物または金属酸化物に関して)、特定量にて存在することを包含する意味ではなく、そして金属酸化物および金属硫化物の組合せが、制限されることなく、任意の相対的比率でカソードにおいて使用することができると理解すべきである。
【0022】
本開示に従って、カソード材料を含む電池の伝導率を高め、電圧を上昇させ、寿命を長くし、および/または必要な熱注入を減少(熱電池においてのように)させるために、一次カソード活物質(例は、Feのような金属酸化物、FeS、CoSのような一次金属二硫化物またはそれらの組合せ)をNiSのある量と組み合わせることができる。特に、新しいカソード材料を一次熱電池に使用する実施形態において、十分な電池性能を提供する方法によって電池を活性化するには、少ない熱しか必要としないことを見出した。典型的に、少ない熱は、より一層低いスタック電圧および熱電池のためにより一層悪い性能をもたらす。しかしながら、以下の例に記載するように、新しいNiS含有カソードは、慣習的なカソード材料を活用する電池と比較して、使い切るまでにより一層長い時間を与えるのに成功する。NiSは商業上得ることができ、そしてこの技術における熟練の者(当業者)が利用できるあらゆる方法によって合成して生産することができる。
【0023】
この点に関して、「一次」という用語は、「一次カソード活物質」または簡潔に「一次活物質」に関して本明細書に使用されるように、制限される意味に考えるべきでないと理解すべきである。以下に記載するように、典型的に、カソード中の一次活物質の量(モル量および重量の双方に関して)はNiSの量を超えるが、しかしながら、いくつかの実施形態において、本開示の範囲を外れないで、カソード中のNiSの量は一次活物質の量を超えることができる。電池電圧を調節するために、カソード材料はまたLiOのようなリチウムのある量を含むことができる(例は、少なくとも約1重量%または約1重量%から約5重量%までのLiO)。この点に関して、またリチウム化添加物(例は、LiO)が、一次カソード活物質の一部分を構成すると考えられないことを理解すべきである。
【0024】
カソード材料の組成は、所望のセルへの適用に従って変動させることができる。カソード材料のための、例示的な、非制限の組成物を以下に記載する。
【0025】
【表1】

【0026】
この点に関して、さらに大体において、様々な模範的な実施形態において、カソード材料には、一次カソード活物質(例は、Fe、FeSまたはCoS)の少なくとも約28重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約65重量%または実に少なくとも約70重量%の一次カソード活物質;NiSの少なくとも約3%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%または実に少なくとも約30重量%のNiS;および/または電解質材料の少なくとも約20重量%、少なくとも約24重量%、少なくとも約28重量%、少なくとも約32重量%または実に少なくとも約36重量%の電解質材料;および、随意に少なくとも約1%のリチウム化添加物または少なくとも約3重量%のリチウム化添加物が含有されうることに留意すべきである。さらに、これらの、または他の模範的な実施形態において、カソード材料には、一次カソード活物質の約72重量%以下、NiSの約32重量%以下、および/または電解質材料の約40重量%以下、および存在する場合には、リチウム化添加物の約5重量%以下が含まれうることに留意すべきである。加えて、本明細書に詳細する一以上の実施形態において、列挙する成分の濃度は、本開示の意図する範囲を外れないで、本明細書で注目するより一層高い濃度およびより一層低い濃度の任意の組合せまたは入れ替えによって境界を接する範囲内(例は、約3重量%および約32重量%の間または約10重量%および約32重量%の間のNiS)であってよいことに留意すべきである。
【0027】
さらにこの点に関して、本開示の熱電池のカソードは典型的にフラッディング電解質を含むため、カソード材料の成分は、本明細書全体にわたって(例えば上記表1および続く以下の段落の場合のように)、合計量の活性カソード材料、電解質材料およびリチウム化添加物(もしあれば)の割合として典型的に表されることに留意すべきである。追加的に、または代わりに、若干の実施形態において、カソードは電解質材料を含まず(例えばアノードのみがフラッディング電解質を含み)、および/またはリチウム化添加物を含まないことを理解すべきである。例として、上記表1のカソード材料が電解質またはリチウム化添加物を含まない場合、カソード材料は以下の表2の例示的な非制限の組成を有することができる。
【0028】
【表2】

【0029】
この点に関して、さらに大体において、電極材料が電解質またはリチウム化添加物を含有しない模範的な実施形態において、カソード材料は一次カソード活物質の少なくとも約47重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%または実に少なくとも約95重量%の一次カソード活物質を含有することができる。これらの、および他の実施形態において、カソード材料は少なくとも約4重量%のNiS、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%または実に少なくとも約50重量%のNiSを含有することができる。さらにこれらの、および他の模範的な実施形態において、カソード材料は一次活性カソード材料の約96重量%以下を含むことができ、および/または約53重量%以下のNiSを含有することができることに留意すべきである。上記に述べたように、列挙する成分の濃度は、制限を伴わずに、本明細書で注目するより一層高い濃度およびより一層低い濃度の任意の組合せまたは入れ替えによって境界を接する範囲内であってよい。
【0030】
したがって、カソード材料が電解質材料またはリチウム化添加物を含まないこれらの、または他の実施形態において、カソード材料は列挙する成分(例えば一次カソード活物質およびNiS)からなるか、または代わりに、本質的にこれらの成分(即ち、他の化合物を含むが、電解質材料、リチウム化添加物およびすべての他の活性カソード材料を除外する。)からなることができる。さらに、カソード材料が一以上のカソード一次活物質、NiS、電解質材料および、随意にリチウム化添加物を含む上記実施形態において、カソード材料はこれら化合物からなるか、または代わりに、本質的にこれらの化合物(例えば一次カソード活物質およびNiS以外の活性カソード化合物を除く)からなることができる。
【0031】
この点に関して、カソードが電解質材料および/またはリチウム化添加物等のような添加物を含むかどうかに関係なく、カソード材料中のNiSの量が一次カソード活物質の量に関して比較的低い実施形態において、比較的低い量のNiSの組込みにもかかわらず、カソードは改善された性能特性によって特徴付けられることが見出されたことを理解すべきである。例えば、そして様々な実施形態において、カソードにおける一次カソード活物質に対するNiSのモル比は、1:1未満、そして好ましくは実に約1:3未満であってよい。他の実施形態において、一次カソード活物質に対するNiSの比は、約1:5未満、または約1:10未満であることができる。したがって、一次カソード活物質に対するNiSの比は、例えば、約1:1から約1:20まで、約1:3から約1:20まで、または約1:5から約1:10までの範囲であることができる。この点に関して、一次カソード活物質金属に対するニッケルのモル比(例えばFeおよび/またはCoまたはそれらの組み合わせに対するNiのモル比であり、一以上のFe、FeSまたはCoSを一次活性カソード材料として使用する場合)はまた、一次活性カソード材料に対するNiSのモル比に関する上記範囲内に入ることができる。
【0032】
塩類、例えば、塩化カリウム(KCl)および塩化リチウム(LiCl)共晶混合物と、MgO等のような結合剤材料とを混合し、そしてそれらの塩類をそれらの液相(線)温度より上で(例えば少なくとも約500℃または実に少なくとも約650℃で)溶解することによって、カソードをフラッディングし、そしてセルにはより一層長い寿命を可能とするのに適している電解質を調製することができる。粒径分布を制限するため、溶解した塩と結合剤との混合物をひいて粉にし、そしてふるいにかける。概して、電解質材料の粒子のサイズは重要でないが、しかしながら、当業者によって理解されるように電池設計に依存して粒子径が典型的な電池製造操作と調和しているのが好ましい。例えばテープ成形法は概して、ペレット押圧法に比べて小さい粒子を用いる。電解質材料を形成するためにペレット押圧法を用いる場合(例えば、電解質材料を、カソードまたはアノードをフラッディングするために用いる場合のようなとき)、電解質粒子が鋳型(ダイ)を適切に満たすことを可能とするのに十分に小さいが、まだそれらがポンチ(Punch)および鋳型の間の隙間に入り込まないように大きく、電解質粒子をスクリーニング(選抜)するのが好ましい。テープ成形法において、粒子は薄いテープが成形されるのを可能とする程十分に小さいことが好ましい。適切な粒径の範囲は当業者によって躊躇なく定められる。
【0033】
出発塩材料は、粉体状または顆粒状の形態いずれでもよく、そして好ましくは吸収された水分の量(もしあれば)を取り除くのに十分な温度で乾燥する。経済上実際的なほどの、且つ選択された製造プロセスを考慮して実際的な程度、水分を取り除くことができる。概して、許容できない量ほどのアノード材料の酸化が生じない量まで水分量を減少させるのが好ましい。本開示の若干の実施形態において、例えば、材料から水分を取り除くために、電解質塩の材料を約100℃から約400℃までの温度に加熱することができる。
【0034】
必要に応じて、セルのピーク電圧を制限することによって電圧調節を与えるために、酸化リチウム(LiO)等のようなリチウム化添加物を電解質材料に添加することができる。
【0035】
電池成分ならびに電池それ自体を大体においてこの技術で既知の方法によって調製することができる。典型的に、構成要素(例えば電解質塩、一次カソード活物質およびNiS)を、例えば上記組成物と調和した比率等のような適切な比率で計量し、そして均一な粉体を得るために混合する。一次カソード活物質およびNiSは直接電解質塩材料に添加することができ、または代わりに、一次カソード活物質およびNiSは最初に組み合わせて混合し、その後電解質材料に添加して混合することができる。任意の機械的混合方法、例えば手動で塩を撹拌し、原料をタービュラ(Turbula)ブレンダーにおいてかきまわし、ジャーミル上で容器を転がすこと、またはその種の他のものによって物理的混合を続けることができる。混合を塩の合計量および混合法次第で、15分から2時間まで続けることができる。
【0036】
2010年4月5日に、米国出願第12/754,405号として出願され、“Thermal Battery Electrolyte Materials, Electrode-Electrolyte Composites, and Batteries Including Same(熱電池電解質材料、電極−電解質複合材料、およびそれを含む電池)”と表題をつけられた米国特許出願公開第2010/0310917A1号に開示し、それをここですべての関連した、そして一貫した目的のために組み込まれるように、フラッディングを提供するため、伝統的な電解質に合わせて添加物を使用したカソードを調製することに加え、実質的に結合剤フリーの電解質(すなわち実質MgOまたは他の結合剤を含まないもの)を使用した追加的調剤物を、NiS添加物に合わせて追加的なカソード性能の改善を提供するために、カソード材料中に組み込むことができる。この実質的に結合剤フリーの電解質を、KCl−LiCl共晶混合物の電解質材料等のような、熱電池に慣習的に用いられる結合剤を含有する電解質の代わりとして使用することができる。
【0037】
この点に関して、本明細書で用いるように、「結合剤レス(用いない)」電解質材料(または、代わりに電解質材料で「実質結合剤フリー」のもの)は、概して本質的に慣習的な結合剤(例えばMgO、ヒュームドシリカまたはカオリナイト等のような粘土鉱物)を含まない電解質に言及することに留意すべきである。例えば、様々な実施形態において、電解質材料は、約5重量%未満の結合剤、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.1重量%未満の量の結合剤を含むか、または実に結合剤をまったく含まない(電解質材料の合計重量に基づいて)ことができる。代わりに、または加えて、電解質材料成分(例えば臭化リチウム、塩化リチウム、フッ化リチウム、および随意に臭化カリウム)の濃度の和は、少なくとも約95重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%または実に約100重量%(電解質材料の合計重量に基づいて)であってよい。したがって、これらの、または他の実施形態において、電解質材料は列挙された成分からなるか、または代わりに、本質的にそれらからなることができる(電解質材料は、例えば本質的に三つの成分の三元混合物、または本質的に四つの成分の四元混合物である)。
【0038】
様々な模範的な実質結合剤フリーの電解質材料には、本開示の様々な実施形態によれば、臭化リチウム(LiBr)、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、および随意に臭化カリウム(KBr)の塩混合物が含まれる。三つまたは四つの塩の比率は、以下に示された範囲にある好ましい実施形態とは異なることができる。
【0039】
【表3】

【0040】
この点に関して、さらに大体において、電解質材料は、様々な模範的な実施形態において、少なくとも約25重量%の臭化リチウム、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、または実に少なくとも約40重量%の臭化リチウム;少なくとも約4重量%の塩化リチウム、少なくとも約6重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約10重量%、または実に少なくとも約12重量%の塩化リチウム;少なくとも約42重量%のフッ化リチウム、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、または実に少なくとも約60重量%のフッ化リチウム;および随意に少なくとも約1重量%の臭化カリウム、少なくとも約2重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約8重量%、または実に少なくとも約10重量%の臭化カリウムを含有することに留意すべきである。さらに、これらの、または他の模範的実施形態において、電解質材料は、約41重量%以下の臭化リチウム;約14重量%以下の塩化リチウム;約64重量%以下のフッ化リチウム;および存在する場合、約12重量%以下の臭化カリウムを含有することができることに留意すべきである。最後に、本明細書に詳述する一以上の実施形態において、列挙される成分の濃度は、本開示の意図する範囲を外れないで、本明細書で注目するより一層高い濃度およびより一層低い濃度の任意の組合せまたは入れ替えによって境界を接する範囲内であってよいこと(例えば約25重量%および約41重量%の間、または約30重量%および約41重量%の間の臭化リチウム)に留意すべきである。
【0041】
カソードでの使用のためのカソード材料の調製において、不純物を取り除くために、金属硫化物および/または金属酸化物およびNiSを(必要な場合)、水および酸の洗浄技術および磁気スクリーニング(遮へい)を使用して精製することができ、および要望どおり、粒径を若干の特定範囲に制限するために、ふるいに通すことができる。上記のように電解質塩については、カソード材料の粒径は有用なセル製造方法(例えばテープ成形またはペレット押圧)と調和させて選定するのが好ましく、そして受け入れられない量のセル酸化を引き起こさない水分レベルが達成されるまで水分を取り除くことが好ましい。カソード材料の調製のために粉体押圧を使用する場合、混合粉体を計量し、そして鋳型中に導入し、単軸機械加圧プロセスを使用して固まらせる。以下の実施例に示すデータは押圧された粉体ペレットを用いて試験された材料についてのものであるが、またテープ成形法または熱電池用の成分を調製するための他の圧密化(consolidation)方法等のような手段によってこの材料の適用が可能である。
【0042】
一旦押圧成分をペレット状に固めてから、特定の電池設計に適用可能な場合、アノード102、電解質セパレータ104、およびカソード106、プラス熱供給源ペレット108を含め、様々な構成要素をスタック状に組み立てることによって、熱電池を準備することができる。それぞれ一つずつのアノード102、電解質セパレータ104、およびカソード106の組立物(アセンブリー)は単一セルを構成する。熱電池を生産するために複数のセルを順次に重ねることができる。この点に関して、図1に示すもの以外の熱電池の設計が、本開示の範囲から外れることなく使用できることを理解すべきである。
【実施例】
【0043】
図1は、電池活性化に応じて電解質を溶解するために用いられる熱ペレット108を含めて、熱電池のスタックの配置を示す。この配置を以下の実施例2に用いたが、この配置は、熱ペレット108を含まず、以下の実施例1に論じる単一セルの試験のために使用した。
実施例1:NiSの有無でのリチウム化されていないFeS2カソードを有するセルについての電圧トレースおよびインピーダンス
【0044】
図2は、500℃で、1アンペアのベースロード(基底負荷)を、60秒につき1秒間継続して適用した5アンペアパルスを伴って適応し、試験した二つの熱単一セルについての電圧トレースを示す。第一の単一セルには、KCl−LiCl共晶混合物電解質でフラッディングしたリチウム−シリコンの合金アノード、MgOで固定(拘束)されたLiBr−LiCl−LiF電解質セパレータ、およびMgOで固定されたKCl−LiCl共晶混合物電解質でフラッディングされた合成NiS(約10.5重量%)添加物と共に一次FeS(約59.5重量%)を含有し、残りの30重量%のカソードペレットを占めるカソードが含まれた。第一の単一セルはNiS:FeS(およびNi:Fe)のモル比、1:5.7によって特徴付けられた。第二の熱単一セルには、同じアノードおよび電解質材料が含まれたが、同じMgOで固定された電解質でフラッディングされたFeSだけを(70重量%)含有するカソードを使用し、以下に「標準のカソード」と称した。電圧トレースの重なりを回避することによって二つのセルの性能を例示するために、標準のカソードの電圧を修飾した(それぞれのデータポイントを0.25ボルトによって減算した)。図2から分るように、標準のカソードより遅く、新しいFeS−NiSカソード材料の電圧ロールオフが有利に生じた。
【0045】
図3は図2に示す試験による単一セルのインピーダンスを示す。図3において、オープンシンボル(開放記号)は標準のカソードを用いる単一セルに関するものであるが、その一方で、ソリッドシンボル(中実記号)は本開示のFeS−NiSカソード調剤物を用いる単一セルについてのものである。インピーダンスは以下の式を用いて算出した。すなわち、
【数1】

式中、Vベース(base)は、パルスの適用に先立つ1アンペアベースロード下における最後の電圧データであり、Vパルス(pulse)は、5アンペアパルスの適用後の第一のデータポイントであり、ibaseおよびipulseはVbaseおよびVpulseデータポイントが収集された電流引き込みのための対応するデータポイントである。図3に示すように、合成NiS添加物の組み込み、すべての他の成分(アノード、電解質セパレータ)を同じに保持することが、標準のカソードと比較してセルインピーダンス減少に関する性能における著しい改善をもたらす。
実施例2:NiSの有無でのリチウム化FeSカソードを有する24個のセル電池についての電圧トレース
【0046】
図4は二つの異なるカソード材料を用いた電池試験中の電圧トレースを示す。0.20アンペアのベースロードを以下のように適用した様々なパルスと共に適用することによって、各電池を試験した:10ミリ秒間7アンペアパルス、次いで10ミリ秒間15アンペアパルス、次いで6アンペアの850パルスを約250ミリ秒間当たり50ミリ秒間、次いで10ミリ秒間、別の15アンペアパルスを適用した。第二の15アンペアパルスの後、0.20アンペアのベースロードを再開した。パルス中およびパルス間に、電圧を継続的に測定した。パルスは約250秒後には適用しなかった。
【0047】
第一のカソードは、実施例1の標準のカソードと実質同じであるが、「リチウム化標準カソード」の組成が、約70重量%のFeS、約1.5重量%のLiO、および約28.5重量%のMgO固定されたKCl−LiCl共晶混合物電解質であるように、リチウム化添加物(LiO)の添加を伴った。第二カソード調剤物は、約57重量%のFeS、約12重量%のNiS、約1重量%のLiOおよびKBr、LiBr、LiCl、およびLiFを含有する実質結合剤フリーの電解質の約30重量%を含んだ。第二カソード調剤物はNiS:FeS(およびNi:Fe)のモル比、1:4.7によって特徴付けられた。
【0048】
各電池を順次に重ねた24個のセルを用いて構築した。双方の電池を−45°F(−43℃)で保存した。各電池は、電気活性スクウィブ(電気活性型の小花火)を用いて活性化した。スクウィブは、各セルおよび電池の上側端および下側端の間に位置する熱ペレットを点火した。慣習的なカソードと比較してFeS−NiSカソードを含む電池において適切な性能を提供するため、少ない熱しか必要とされなかった。最良の比較を提供するため、すべてのアノード、電解質セパレータ、およびカソードペレットを各電池に対して同じ重量で調製した。しかしながら、二つの電池のための熱ペレットを異なる重量で押圧した。新しいカソードを含む電池は6%低い重量の熱ペレットを用いた(したがってカロリーで6%低い熱を電池スタックに与えた)。驚くべきことに、新しいFeS−NiSカソードは、パルシング中断後、使い切るまでに比較的長い時間(28Vがこの電池に関して最も低い電圧である)を提供した。パルシング中、FeS−NiSカソードについての電圧のバンドは、標準のカソードより非常に幅が狭く、新しいカソードにおいてより一層低いインピーダンスが示された。標準のカソードについてのより一層高い電圧レベルが(電流パルスを引かなかったとき)、パルス中FeS−NiSカソードよりも高かったが、その一方、標準のカソードについてのより一層低い電圧レベルは(パルスの適用が進行中であったとき)、FeS−NiSカソードより低かった。パルス中断の後(約t=250秒で)、FeS−NiSカソードにおける電圧は、標準のカソードよりわずかに高く、28ボルトまで使い切るのにより一層長い時間がかかった。標準のカソードに対するFeS−NiSカソードの優位性は、減少したインピーダンス、使い切るまでのより一層長い時間、およびより一層低い初期熱の使用を有するパルシング下での同等の電圧の供給から明白である。
***
【0049】
本開示またはその好ましい実施形態(群)の要素を導入するとき、冠詞「a(ある)」、「an(ある)」、「the(その)」および「said(前記)」は、一以上の要素が存在することを意味することが意図される。用語「comprising(包含する)」、「including(含む)」および「having(有する)」は、包含的であることが意図され、また列記した要素以外の追加的要素が存在してよいことも意味する。
【0050】
様々な変化を、本開示の範囲から外れることなく、上記機構および方法において行うことができるとおりに、上記説明に含まれ、および添付の図に示されるすべての事項が、説明的なものとして解釈され、そして制限する意味ではないことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード材料、
カソード材料、および
電解質材料
を含む電池であり、
カソード材料は、
一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる一次カソード活物質、および
NiS
を含有し、そして
電解質材料は、
少なくとも約25重量%の臭化リチウム、
少なくとも約4重量%の塩化リチウム、
少なくとも約42重量%のフッ化リチウム、および
少なくとも約1重量%の臭化カリウム
を含有する、電池。
【請求項2】
一次カソード活物質は一次金属二硫化物であり、一次金属二硫化物はFeS、CoSおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
一次カソード活物質は一次金属二硫化物であり、前記一次金属二硫化物はFeSである、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
一次カソード活物質は金属酸化物であり、前記金属酸化物はFeである、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
一次カソード活物質に対するNiSのモル比は1:1未満または約1:3未満、約1:5未満、約1:10未満、約1:1から約1:20まで、または約1:3から約1:20までである、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
カソード材料は電解質材料のある量を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
カソード材料は、
少なくとも約28重量%の一次カソード活物質;および
少なくとも約3重量%のNiS
を含有する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
カソード材料は、
約72重量%以下の一次カソード活物質;および約32重量%以下のNiS
を含有する、請求項6に記載の電池。
【請求項9】
カソード材料は約20%から約40%までの電解質材料を含む、請求項6に記載の電池。
【請求項10】
カソード材料および電解質材料は分離され、そしてカソード材料は、
約47重量%から約96重量%までの一次カソード活物質;および
約4重量%から約53重量%までのNiS
を含有する、請求項1に記載の電池。
【請求項11】
電解質材料は実質結合剤フリーである、請求項1に記載の電池。
【請求項12】
電解質材料は実質MgOフリーである、請求項1に記載の電池。
【請求項13】
電解質材料は、
約41重量%以下の臭化リチウム、
約14重量%以下の塩化リチウム、
約64重量%以下のフッ化リチウム、および
約12重量%以下の臭化カリウム
を含有する、請求項1に記載の電池。
【請求項14】
カソード材料は少なくとも約1重量%のLiOを含有する、請求項1に記載の電池。
【請求項15】
電池は実質LiSフリーである、請求項1に記載の電池。
【請求項16】
カソード材料は本質的に、一次カソード活物質、NiSからなり、随意に電解質材料は本質的に、臭化リチウム、塩化リチウム、フッ化リチウムおよび臭化カリウムならびに随意にLiOからなる、請求項1に記載の電池。
【請求項17】
電池は、熱電池であり、そして発火材料を含む、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
アノード材料は、リチウム、リチウム合金およびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の電池。
【請求項19】
アノード材料、
カソード材料、および
電解質材料
を含む一次電池であり、
カソード材料は
一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる一次カソード活物質、および
NiS
を含有する、一次電池。
【請求項20】
カソード材料は実質LiSフリーである、請求項19に記載の一次電池。
【請求項21】
電池は、熱電池であり、そして発火材料を含む、請求項19に記載の一次電池。
【請求項22】
一次カソード活物質は一次金属二硫化物であり、一次金属二硫化物はFeS、CoSおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項19に記載の一次電池。
【請求項23】
一次カソード活物質は一次金属二硫化物であり、そして一次金属二硫化物はFeSである、請求項19に記載の一次電池。
【請求項24】
一次カソード活物質は金属酸化物であり、金属酸化物はFeである、請求項19に記載の一次電池。
【請求項25】
一次活性カソード材料に対するNiSのモル比は1:1未満または約1:3未満、約1:5未満、約1:10未満、約1:1から約1:20まで、または約1:3から約1:20までである、請求項19に記載の一次電池。
【請求項26】
カソード材料は、
一次カソード活物質の少なくとも約28重量%、および
少なくとも約3重量%のNiS
を含有する、請求項19に記載の電池。
【請求項27】
熱電池に使用するカソード材料であり、
一次金属二硫化物、金属酸化物およびそれらの混合物からなる群より選ばれる一次カソード活物質、および
NiS
を含有し、
一次カソード活物質に対するNiSのモル比は約1:3未満である、カソード材料。
【請求項28】
一次カソード活物質に対するNiSのモル比は1:5未満、約1:10未満または約1:3から約1:20までである、請求項27に記載のカソード材料。
【請求項29】
カソード材料は、電解質材料のある量を含み、電解質材料は、
少なくとも約25重量%の臭化リチウム、
少なくとも約4重量%の塩化リチウム、
少なくとも42重量%のフッ化リチウム、および
少なくとも約1重量%の臭化カリウム
を含有する、請求項27に記載のカソード材料。
【請求項30】
カソード材料は、
少なくとも約28重量%の一次カソード活物質、および少なくとも約3重量%のNiS
を含有する、請求項29に記載のカソード材料。
【請求項31】
カソード材料は、
約72重量%以下の一次カソード活物質、および
約32重量%以下のNiS
を含有する、請求項29に記載のカソード材料。
【請求項32】
電解質材料は実質結合剤フリーである、請求項27に記載のカソード材料。
【請求項33】
カソード材料は実質LiSフリーである、請求項27に記載のカソード材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−9440(P2012−9440A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−139806(P2011−139806)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(510238959)イーグルピッチャー テクノロジーズ,エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】