説明

二酸化炭素を含んだ合成ガスからジメチルエーテル合成用触媒製造方法

【課題】ジメチルエーテル製造用混合触媒、これの製造方法及びこれを利用したジメチルエーテルの製造方法の提供。
【解決手段】銅金属窒酸塩溶液、亜鉛金属窒酸塩溶液及びアルミニウム金属窒酸塩溶液で構成された基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液及び炭酸ナトリウム溶液で製造されたメタノール合成触媒と、及びガンマアルミナにアルミニウムホスファート(AlPO)を混合して製造された脱水触媒で構成されて、前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22であり、前記メタノール合成触媒及び脱水触媒は1:0.4ないし0.65の割合で混合することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジメチルエーテル(DME:dimethylether)製造用触媒、これの製造方法及びこれを利用したジメチルエーテルの製造方法に関することで、もっと詳しくは、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスからメタノールを合成してメタノールの脱水反応を通じてジメチルエーテルを製造することにおいてCuO-ZnO‐Al係の基本触媒に触媒活性点で作用するCu金属の高い分散度のために一つ以上の助触媒(promoter)を添加したメタノール合成触媒とガンマアルミナにアルミニウムホスファート(AluminumPhosphate)を混合した脱水触媒を混合することで一酸化炭素の転換率とジメチルエーテルの生成量を向上させるジメチルエーテル製造用混合触媒、これの製造方法及びこれを利用したジメチルエーテルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジメチルエーテルはその物理的、化学的特性がLPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)と似てあるが、むしろ多くの面でLPGより優秀でエアロゾル推進剤、ディーゼル燃料の代替物質及び化学反応の中間体として使うことができて最近注目されている酸素含有化合物である。
【0003】
ジメチルエーテルを合成する典型的な方法はメタノールを濃い硫酸触媒と反応させる方法であるが、この方法は硫酸を再生するのに多くの費用がかかるし、硫酸の特性上、反応中に生ずる水と反応して爆発を起こす危険があるので、費用と安全の面で多くの問題点がある。
【0004】
このような短所を乗り越えながらジメチルエーテルを工業的規模で生産する主な方法は固定ベッド反応器(fixed bed reactor)で固体酸脱水触媒を利用してメタノールを脱水させてその生成物を蒸溜してエアロゾル分野で要求される程度の、高純度のジメチルエーテルを回収する方法がある。
【0005】
しかし、ジメチルエーテルが一番注目されている用途であるディーゼル燃料の代替物質で使われるためにはより安値で供給されなければならないのに、酸触媒の存在下でメタノールの脱水反応を通じて得られるジメチルエーテルはメタノールを合成ガスから合成した後、これを酸触媒反応を通じて合成するのでメタノールより価格面でもっと高くて、熱力学的にメタノール合成反応はその特性上、転換率が制限される。
【0006】
これを解決するためにメタノール合成触媒と脱水反応酸触媒を混合した混成触媒を使って合成ガスから直接ジメチルエーテルを合成する方法が開発された。
【0007】
混成触媒を使うジメチルエーテル合成工程は脱水反応を通じて生成物であるメタノールが除去されて、脱水反応過程で生じた水が水性反応を通じて除去されて、触媒の特性が改善され一酸化炭素の転換率とジメチルエーテルの収率が増加するようになる。即ち、合成ガスから直接ジメチルエーテルを合成する反応過程で混成触媒上では同時に三種の類反応(メタノール合成反応、水性ガス転換反応及び脱水反応)が進行されて同時に進行される各反応は他の反応の問題点をお互いに補完して化学的に除去してくれる効果を現わす。
【0008】
水素と炭素酸化物からジメチルエーテルを直接合成する方法を含む多くの製造方法が文献に発表されている。固定ベッド反応器からメタノール触媒及び脱水触媒を一緒に使って水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスから直接ジメチルエーテルを製造する方法が開示された特許文献として、ドイツ特許第291937号、アメリカ特許第5254596号、第4417000号、第4177167号、第4375424号及び第4098809号、EP特許第164156号及び第409086号、イギリス特許第2093365号、第2097382号及び第2099327号、ドイツ特許第3220547号、第3201155号、第3118620号、第2757788号、及び第2362944号、デンマーク特許第6031/87号、第2169/89号、日本特許第4334445号、第399489号及び中国特許第1356163等が挙げられる。
【0009】
メタノール合成反応の触媒では、銅金属を基本として亜鉛、アルミナ、クロム又はチタンなどの物質を利用して支持体を変化させるとか酸化物を様々な割合で混合した三相触媒が主に使われて、この触媒は水性反応及び逆水性反応にも活性を現わす。また、メタノールの脱水反応には酸触媒が主に使われて、その例ではアルミナ、ゼオライト、シリカ/アルミナ、金属塩、イオン交換樹脂、混合された金属酸化物などがある。前記混成触媒を使うジメチルエーテル合成工程では混成触媒中の助触媒の特性が反応物である合成ガスの転換及び生成物の選択度と収率に大きい影響を及ぼすようになる。
【0010】
最近にはこのような助触媒とメタノール合成触媒を物理的に混合して使う代わりに有効成分を共沈法で合成した触媒を使う方法も提示された。例えば、アメリカ特許第4328129号ではガンマ-アルミナ支持体に3重量%のロジウムと6.5重量%のモリブデンを浸した触媒を使って230psi、220〜280℃の条件下で合成ガスから反応物造成がCO:H=1:2である場合には一酸化炭素基準で27.1ないし57.3%のジメチルエーテルとメタノールへの転換率を得たし、反応物造成がCO:H=1:1である場合には28.2ないし42.2%の転換率を得た。
【0011】
また、米国特許第4375424号ではガンマ-アルミナを窒酸銅と窒酸亜鉛溶液に浸して触媒を製造したし、1700psi、100〜275℃、3,000の空間の中も(GHSV:Gas Hourly Space Velocity)、反応物の造成CO:H=1:1でCO転換率5.8〜70.4%及びジメチルエーテル転換率2.8〜94.4%を得た。
【0012】
一方、ジメチルエーテル合成に使われる酸触媒の性能を改善しようとする研究がたくさん行われて来たが活性元素をガンマ‐アルミナに浸させジメチルエーテルの収率と選択度を向上させようとする試みもあった。
【0013】
一例として、アメリカ特許第4595785号ではガンマ‐アルミナに1%のチタニアを浸させた触媒を使って1034kPa、400℃でメタノールの脱水反応を遂行して57.5%のジメチルエーテル、20%のメタノール及び22.5%の水を含む凝縮生成物を得た。韓国公開特許第2000‐0002477号ではホルムアルデヒドで改質された酸触媒を合成ガスからジメチルエーテルを合成するのに使って高い一酸化炭素転換率とジメチルエーテル選択度及び収率を得ようと努力したがホルムアルデヒドと共にアルカリ成分で処理するから相変らず一酸化炭素転換率が低くなる問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする技術的課題は水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む混合ガスから高い一酸化炭素転換率を持って選択的にジメチルエーテルを製造することができるジメチルエーテル製造用混合触媒を提供することである。また、本発明が解決しようとする他の技術的課題は前記ジメチルエーテル製造用混合触媒の製造方法を提供することと、前記ジメチルエーテル製造用混合触媒を使ってジメチルエーテルを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、銅金属窒酸塩溶液、亜鉛金属窒酸塩溶液及びアルミニウム金属窒酸塩溶液で構成された基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液及び炭酸ナトリウム溶液で製造されたメタノール合成触媒と、及びガンマアルミナにアルミニウムホスファート(AlPO)を混合して製造された脱水触媒で構成されて、前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22であり、前記メタノール合成触媒及び脱水触媒は1:0.4ないし0.65の割合で混合することを特徴とする。また、前記基本触媒はCu(NO3HO、Zn(NO6HO及びAl(NO9HOを含むことを特徴とする。
【0016】
さらに、Cu(NO3HO、Zn(NO6HO及びAl(NO9HOで構成された基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がPH7になるように混合させてメタノール合成触媒を製造する段階と、ガンマアルミナにアルミニウムホスファートを混合して脱水触媒を製造する段階と、及び前記メタノール合成触媒及び脱水触媒を1:0.4ないし0.65の割合で混合する段階を含んで前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22であることを特徴とする。
【0017】
また、前記のような混合触媒の存在下で水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを200ないし350℃の反応温度、10ないし80気圧の反応圧力及び3,000ないし10,000h−1の空間速度で気相の固定層反応器又は流動層反応器で反応させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明によるジメチルエーテル製造用混合触媒を使って水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスからジメチルエーテルを製造する場合、高い一酸化炭素転換率を維持する一方、初期反応から一定時間選択的にジメチルエーテルを製造することができるので、今後産業的に実用可能性が非常に大きくなると期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
前記技術的課題を解決するための本発明によるジメチルエーテル製造用混合触媒は、メタノール合成触媒及び脱水触媒で構成される。前記メタノール合成触媒は銅金属窒酸塩溶液、亜鉛金属窒酸塩溶液、アルミニウム金属窒酸塩溶液を混合した溶液である基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液及び炭酸ナトリウム溶液から製造される。前記脱水触媒はガンマアルミナにアルミニウムホスファート(AlPO)を混合して製造する。
【0020】
前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22で、前記メタノール合成触媒及び脱水触媒は1:0.4ないし0.65の割合で混合される。
【0021】
前記他の技術的課題を成すための本発明によるジメチルエーテル製造用混合触媒の製造方法は、金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がPH7になるように混合させてメタノール合成触媒を製造する段階、ガンマアルミナにアルミニウムホスファートを混合して脱水触媒を製造する段階及び前記メタノール合成触媒及び脱水触媒を1:0.4ないし0.65の割合で混合する段階を含んで、前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99である、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22のことで構成される。
【0022】
また他の技術的課題を成すための本発明によるジメチルエーテルの製造方法は、前記混合触媒の存在下で、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを200ないし350℃の反応温度、10ないし80気圧の反応圧力及び3,000ないし10,000h-1の空間速度(GHSV)で反応させることで構成される。以下本発明を次のようにさらに具体的に説明する。
【0023】
前述したように、本発明によるジメチルエーテル製造用混合触媒はメタノール合成触媒とメタノール脱水触媒で成り立つ。前記メタノール合成触媒は金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液を含む。前記金属窒酸塩溶液はCu(NO3HO、Zn(NO6HO、Al(NO9HOの基本触媒にCa(NOxHO、ZrO(NOxHO、Ga(NOxHO、Mg(NO6HO又はCr(NO9HOから選択された少なくも一つ以上の成分を含んだ助触媒(Promoter)が加えられて構成される。
【0024】
前記脱水触媒はガンマアルミナにアルミニウムホスファートを混合して製造される。前記メタノール合成触媒を製造するために使われた金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液の共沈は最終混合物がpH7で維持されるように混合するのが望ましい。
【0025】
本発明によれば、前記メタノール合成触媒と前記脱水触媒の割合は0.7:0.3ないし0.6:0.4(即ち、1:0.4ないし0.65)の範囲で混合させることが望ましい。メタノールの脱水反応活性度は酸点の量に寄り掛かるから前記の割合が0.3未満なら強い固体酸点が一部存在するので活性が強くてジメチルエーテルで脱水反応がもっと進行されて炭化水素のような副産物が生成されるとかコークが生成されることを抑制することができない問題点があり、0.7を超過すれば脱水反応活性度がとても低くて触媒としての機能を遂行することができない短所がある。従って、前記メタノール合成触媒及び脱水触媒は1:0.4〜0.65の割合で混合するのが選択性と転換率面で望ましい。また前記脱水触媒のガンマアルミナとアルミニウムホスファートの割合は0.45:0.55ないし0.55:0.45(即ち、1:0.82ないし1.22)であるのが選択性と転換率面で望ましい。
【0026】
一方、前記混合触媒を使って、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスからジメチルエーテルを製造するための反応温度は200〜350℃、反応圧力は10〜80気圧、空間速度は3,000〜10,000h-1の範囲が望ましい。この時、200℃未満の場合には転換率が低くなる問題点があり、350℃を超過すれば選択性が低下されるので望ましくない。
【0027】
また反応圧力は10気圧未満なら熱力学的にジメチルエーテル生成に不利であり、80気圧を超過すれば反応運転上の問題点のため適切ではない。前記混合ガスの空間速度は3,000h-1未満なら反応生産性があまりも低くなるし、10,000h-1を超過すれば触媒との接触時間が短くなるから転換率が低くなる問題がある。
【0028】
反応器では気相(gas phase)の固定層反応器又は流動層反応器が利用されることができるし、この中でいずれを使っても同じ効果を得ることができる。以下実施例を通じて本発明をもっと詳しく説明するが本発明の範囲がこれに限定されるのではない。
【実施例1】
【0029】
混合触媒は次のようにメタノール合成触媒と脱水触媒をそれぞれ製造した後、これを物理的に混合する方式で製造した。メタノール合成触媒はCu(NO3HOを18.22g、Zn(NO6HO 21.9g、Al(NO9HO 10.49g及びCa(NOxHO0.44gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。
【0030】
前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液を水300mlに積下しながらpH7になるように混合して沈殿させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気の中で350〜380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/CaO/Al触媒を得た。
【0031】
脱水触媒はAl(NO9HO150gを蒸溜水375mlに溶かした後、HPO(85%) 15.37gを加えてアルミニウムホスファート(Aluminum phosphate)溶液を作った。アルミニウムホスファート溶液を28%アンモニア水(NHOH) 70.87gを蒸溜水500mlに溶かして作った沈澱剤でpH9を維持しながら適定する。沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得る。得られた沈殿物は120℃で5時間の乾燥させて、空気の中の500℃で4〜5時間焼成させアルミニウムホスファートを得た。得られたアルミニウムホスファートを非表面積が260m以上のガンマアルミナと50:50で混合して脱水反応触媒を得た。
【0032】
ジメチルエーテル(DME)製造用混合触媒はメタノール合成触媒と脱水触媒を60:40〜70:30割合の粉末状態で均一に混合して使ったし、前記の触媒0.6gを固定層反応器に充填した。
【0033】
この状態で10%水素が含有された水素と窒素の混合ガスを50ml/分の流速で流しながら300℃の温度で混合触媒を還元前処理した。ジメチルエーテル製造反応は一酸化炭素と水素の混合ガス(H:CO=1:1の容積比)を60気圧、280℃の条件で4,000h-1の空間速度で前記の混合触媒層に通過させた。その時の反応結果を表1に示した。
【実施例2】
【0034】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO10.49g及びZrO(NOxHO0.28gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気の中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/ZrO/Al触媒を得た。
【0035】
脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使って、その反応結果を表1に示した。
【実施例3】
【0036】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO10.38g及びMg(NO6HO0.95gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/MgO/Al触媒を得た。
【0037】
脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造用混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使って、その反応結果を表1に示した。
【実施例4】
【0038】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO10.49g及びGa(NOxHO0.21gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は100〜120℃で乾燥させて、空気の中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/Ga/Al触媒を得た。
【0039】
脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造用混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使ったし、その反応結果を表1に示した。
【実施例5】
【0040】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO9.93g、ZrO(NOxHO0.28g及びCa(NOxHO0.44gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。
【0041】
前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気の中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/CaO/ZrO/Al触媒を得た。
【0042】
脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造用混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使って、その反応結果を表1に示した。
【実施例6】
【0043】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO9.93g、Ga(NOxHO0.21g及びZrO(NOxHO0.28gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。
【0044】
得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/Ga/ZrO/Al触媒を得た。脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造用混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使ったし、その反応結果を表1に示した。
【実施例7】
【0045】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO9.93g、Ga(NOxHO0.21g及びMg(NO6HO0.95gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。
【0046】
前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/MgO/Ga/Al触媒を得た。
【0047】
脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使って、その反応結果を表1に示した。
【比較例1】
【0048】
前記実施例1と同じ方法で混合触媒を製造するが、メタノール合成触媒はCu(NO3HO18.22g、Zn(NO6HO21.93g、Al(NO9HO11.94gを蒸溜水200mlに溶かして金属窒酸塩溶液を作った。炭酸ナトリウム溶液はNaCO 60gを蒸溜水400mlに溶かして炭酸ナトリウム溶液を作った。
【0049】
前記の金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がpH7になるように水300mlに適下しながら混合して沈澱させた後、沈殿物を濾過して蒸溜水で3回洗って沈殿物を得た。得られた沈殿物は120℃で乾燥させて、空気中の380℃で4〜5時間焼成させてCuO/ZnO/Al触媒を得た。脱水触媒は前記実施例1と同じ方法で製造して得たし、ジメチルエーテル(DME)製造混合触媒は前記実施例1と同じ割合で混合して使って、その反応結果を表1に示した。
【表1】

【0050】
前記表1は実施例1ないし7と比較例1の反応結果を示したことである。本発明の実施例及び比較例による反応結果によれば水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスからジメチルエーテルを製造する混合触媒の成分の中に一つ以上の金属成分を助触媒で使って、与えられた反応温度、反応圧力及び空間速度で反応をさせれば高い一酸化炭素転換率を得て選択的にジメチルエーテルを製造することができるということが分かる。
【0051】
図1及び図2は本発明による実施例及び比較例1で製造した触媒に対して触媒の安全性及び一酸化炭素転換率とジメチルエーテルの選択度を比べるためにその変化を図示したのである。
【0052】
図1では本発明による実施例1によって助触媒を添加した混合触媒を使う時には比較例1のように助触媒を添加しない混合触媒を使う場合に比べて長期間高い一酸化炭素転換率を維持することを示しているし、図2では本発明による実施例1〜7のように助触媒を添加した混合触媒を使う場合には助触媒を添加しない比較例1に比べて高い一酸化炭素転換率及び高いジメチルエーテル選択度を持つことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は本発明による混合触媒と比較例1によって製造された触媒を使ってジメチルエーテルを製造する場合の時間による一酸化炭素の転換率に対するグラフ。
【図2】図2は本発明による混合触媒と比較例1によって製造された触媒を使ってジメチルエーテルを製造する場合の一酸化炭素の転換率及びジメチルエーテルの選択度に対するグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅金属窒酸塩溶液、亜鉛金属窒酸塩溶液及びアルミニウム金属窒酸塩溶液で構成された基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液及び炭酸ナトリウム溶液で製造されたメタノール合成触媒と、
ガンマアルミナにアルミニウムホスファート(AlPO)を混合して製造された脱水触媒と、で構成されて、
前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、
前記脱水触媒中のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22であり、
前記メタノール合成触媒及び脱水触媒が1:0.4ないし0.65の割合で混合されたことを特徴とするジメチルエーテル製造用混合触媒。
【請求項2】
前記基本触媒はCu(NO3HO、Zn(NO6HO及びAl(NO9HOを含むことを特徴とする請求項1に記載のジメチルエーテル製造用混合触媒.
【請求項3】
Cu(NO3HO、Zn(NO6HO及びAl(NO9HOで構成された基本触媒にMg、Zr、Ga、Ca、又はこれの酸化物から選択された少なくとも一つの成分で成り立った助触媒を添加して作られた金属窒酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液がPH7になるように混合させてメタノール合成触媒を製造する段階と、
ガンマアルミナにアルミニウムホスファートを混合して脱水触媒を製造する段階と、
前記メタノール合成触媒及び脱水触媒を1:0.4ないし0.65の割合で混合する段階と、を含んでおり、
前記メタノール合成触媒の基本触媒:助触媒の割合は19ないし99であり、前記脱水触媒のガンマアルミナに対するアルミニウムホスファートの割合は1:0.82ないし1.22であることを特徴とするジメチルエーテル製造用混合触媒の製造方法。
【請求項4】
請求項1による混合触媒の存在下で、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを、200ないし350℃の反応温度、10ないし80気圧の反応圧力及び3,000ないし10,000h−1の空間速度で反応させることを特徴とするジメチルエーテルの製造方法。
【請求項5】
前記反応は気相の固定層反応器又は流動層反応器で行われることを特徴とする請求項4に記載のジメチルエーテルの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−132467(P2008−132467A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15882(P2007−15882)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(502144914)コーリア ガス コーポレーション (3)
【氏名又は名称原語表記】KOREA GAS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】215, Jeongja−dong, Bundang−ku Seongnam−si, Kyeonggi−do 463−754,                            The Republic of Korea
【Fターム(参考)】