説明

二重管型希ガス蛍光ランプ

【課題】
本願の目的は、従来の内部電極型蛍光ランプに比較して長い使用寿命が得られ、発光効率を向上させた一般照明用の希ガス蛍光ランプを提供することにある。
【解決手段】
請求項1に記載の二重管型希ガス蛍光ランプは、キセノンガスを封入する発光管と、前記発光管の外周面の管軸方向に沿って互いに離間して配設した外部電極と、前記発光管の全体を覆う絶縁筒体とからなり、前記発光管の内周面に蛍光体層を設け、前記絶縁筒体の内周面に蛍光体層を設け、前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が前記発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光に励起される蛍光体であることを特徴とする白色発光用二重管型希ガス蛍光ランプである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般照明用光源としての希ガス蛍光ランプに関し、広告、看板のバックライト用照明、街灯などの屋外照明、冷蔵庫や冷凍庫などの保冷室内での使用に好適する希ガス蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
広告看板などのバックライトに使用する照明装置においては、多数の直管型蛍光ランプを一定間隔隔てて並列し、多灯にして面状の照明装置を構成している、いわゆる直下型のものが使用されている。このような照明装置に使用される光源は、発光管内面に蛍光体膜を形成すると共に、両端に一対の内部電極を設け、内部にアルゴン、ネオン等の希ガスや水銀を封入して放電を生起させ、発生した真空紫外線を蛍光体膜に照射して励起することにより、可視光に変換して外部に取り出す、いわゆる内部電極型の蛍光ランプが使用される。バックライト用の照明装置では省スペース化に鑑み、発光管の管径が比較的小さな冷陰極型蛍光ランプ(CCFL)が好適に使用され、省スペース化がそれほど重要とされない照明分野においては、発光管の径が割合と大きな熱陰極型蛍光ランプも使用されている。これらの蛍光ランプは内部電極型であり、発光管の内部に水銀を封入した構造である。
【0003】
上記内部電極型の蛍光ランプは、一般照明用として広く使用されている一方、水銀が未蒸発であると水銀の励起紫外線が得られず、可視光の放射が少なくなるため、寒冷地においては所期の光量が得られないことがある。
また、一般照明の用途では使用される場所が屋外であったり、高所であったりするため、ランプの交換回数が少なくてメンテナンスが簡便なもの、すなわち長寿命のランプが求められる。しかし、熱陰極型蛍光ランプは、バルブ内部に封装された電極のエミッタの枯渇を避けることができず、長寿命化については限界がある。また冷陰極型蛍光ランプについても、周囲温度低下に伴う水銀蒸気圧の低下による電極物質のスパッタ増加による発光管内壁の黒化や不点灯が発生する。或いは、熱陰極型蛍光ランプ及び冷陰極型蛍光ランプともに、発光管内部に封入した水銀との反応で生じた蛍光体の劣化による照度低下なども寿命を短くさせている。
【0004】
上述した内部電極方式の蛍光ランプに対して、いわゆる外部電極方式の蛍光ランプは、発光管の外周面上に一対の略帯状の外部電極を発光管の軸方向に形成し、発光管内周面上に蛍光体層を形成すると共に希ガスを封入して構成したものであり、特に原稿読み取りの用途に好適に使用されている(特許文献1参照)。
【0005】
以下、図8を参照して、従来技術に係る外部電極型希ガス蛍光ランプ70について説明する。図8(a)は外部電極型希ガス蛍光ランプの斜視図であり、(b)外部電極型希ガス蛍光ランプの長手方向に対して垂直方向の断面図である。
円筒状の発光管71の内面には、蛍光体74が発光管71の軸方向のほぼ全長に亘って形成されている。発光管71の内部の空間には、キセノンガスを主成分とする希ガスが4×10〜40×10Pa程度の圧力で封入されている。一方、発光管71の外周面には、例えばアルミニウムのような金属からなる一対の外部電極72,73が、発光管71の管軸を挟んで互いに対向するように設けられている。それら2つの外部電極72,73はそれぞれ、管軸方向に長い帯状の電極72,73で、管軸に平行な2本の隙間(開口部)を隔てて、互いに電気的に絶縁されている。上述の2つの外部電極72,73が放電を起こさせる主電極である。外部電極72,73の長手方向の端部には、外部リード76,77電気的に接続される。2つの外部電極72,73には、両電極72,73間の絶縁性や安全性の向上のため透光性の絶縁被膜75が施されている。
【0006】
この外部電極型希ガス蛍光ランプ70のランプ点灯時においては、例えば30kHz、ピーク電圧で、およそ1600Vというような高周波、高電圧が給電線を介して外部電極72,73に印加され、発光管71の内部に誘電体バリア放電を生じる。その際、発光管71内に封入されているキセノンが励起されて波長172nmの真空紫外線(VUV)を発生し、その真空紫外線が蛍光体74膜を励起して可視光に変換されて、電極72,73の間の開口部から外部に取り出される。
【0007】
この外部電極型希ガス蛍光ランプ70は、放電のための主電極72,73を発光管71の外面に有するという構造上の特徴から、(1)放電によるイオン衝撃で電極が消耗することがないので、内部電極方式の放電灯に比べ点滅に強く、寿命が長い。また、管端黒化に伴う管軸方向の照度分布の変化が殆どない。(2)水銀の励起を必要としないので、ランプの周囲温度が低温な寒冷地においても高い光量を維持することができ、光量安定性が良い。また(3)蛍光体74と水銀が反応することもないため蛍光体74の劣化を回避できる。このような優位な点を具備している。
【0008】
【特許文献1】特許2969130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載される技術は原稿照明の用途において好適に用いられるが、発光効率が求められる一般照明の用途では下記の問題があった。
原稿照明の用途において、白色光を得るために発光管の内周面に塗布される蛍光体は、赤色発光性蛍光体としてMn付活ゲルマン酸塩蛍光体である例えば3.5MgO・0.5MgF/GeO:Mn、Eu付活イットリウム酸塩蛍光体である例えばY:Eu、Eu付活バナジン酸塩蛍光体Y(P,V)O:Euが使用され、緑色発光性蛍光体としてMn付活ケイ酸塩蛍光体であるZnSiO:Mn、Tb付活アルミン酸塩蛍光体である例えばY・Al:Tb、Ce,Tb付活リン酸塩蛍光体である例えばLaPO:Ce,Tbが使用され、青色発光性蛍光体としてEu付活アルミン酸塩蛍光体である例えばBaMgAl1017:Eu、が使用されている。これらの蛍光体の172nmの真空紫外線に対する発光効率は、青色発光性蛍光体の発光効率に対して赤色発光性蛍光体及び緑色発光性蛍光体の発光効率が悪く、一般照明用の光源のように発光効率が重視される用途では所期の白色光の発光効率を得ることができない。
【0010】
そこで本願の目的は、従来の内部電極型蛍光ランプに比較して長い使用寿命が得られ、発光効率を向上させた一般照明用の希ガス蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の二重管型希ガス蛍光ランプは、キセノンガスを封入する発光管と、前記発光管の外周面の管軸方向に沿って互いに離間して配設した外部電極と、前記発光管の全体を覆う絶縁筒体とからなり、前記発光管の内周面に蛍光体層を設け、前記絶縁筒体の内周面に蛍光体層を設け、前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が前記発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光に励起される蛍光体であることを特徴とする白色発光用二重管型希ガス蛍光ランプである。
【0012】
請求項2に記載の二重管型希ガス蛍光ランプは、前記発光管の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体からなることを特徴とする請求項1に記載の白色発光用二重管型希ガス蛍光ランプである。
【0013】
請求項3に記載の二重管型希ガス蛍光ランプは、前記発光管の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの光で励起される黄色発光性蛍光体からなることを特徴とする請求項1に記載の白色発光用二重管型希ガス蛍光ランプである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプは、発光管の内周面に蛍光体層を設け、絶縁筒体の内周面に蛍光体層を設け、絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光に励起される蛍光体であることにより、ランプ点灯時、発光管の内部のキセノンガスからの真空紫外線によって発光管の内周面に設けた蛍光体層が励起され、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光が絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層を励起する。絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層は、発光管の内部に封入されたキセノンガスからの真空紫外線よりも、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光に励起され易い。即ち、絶縁筒体の内周面に蛍光体層を設けることにより、二重管型希ガス蛍光ランプからの白色光の発光効率を向上させることができる。
【0015】
発光管の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体からなることにより、ランプ点灯時、発光管の内部のキセノンガスからの真空紫外線によって発光管の内周面に設けた蛍光体層が励起され、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光が絶縁筒体の内周面に設けた赤,緑及び青色発光性蛍光体層を励起する。絶縁筒体の内周面に設けた赤,緑及び青色発光性蛍光体は励起されることにより赤,緑及び青色光が放射され、赤,緑及び青色光が混色されることで白色光を得られる。絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層は、300〜400nmの波長域に励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体であるため、発光管の内部に封入されたキセノンガスからの真空紫外線よりも、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの300〜400nmの励起光に励起され易い。また、従来の外部電極型希ガス蛍光ランプにおける発光管の内周面に設けた赤及び緑色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率よりも、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの発光管の内周面に設けた蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率の方が良い。即ち、絶縁筒体の内周面に赤,緑及び青色発光性蛍光体層を設けることにより、二重管型希ガス蛍光ランプからの白色光の発光効率を向上させることができる。
【0016】
発光管の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの光で励起される黄色発光性蛍光体からなることにより、ランプ点灯時、発光管の内部のキセノンガスからの真空紫外線によって発光管の内周面に設けた蛍光体層が励起され、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光が絶縁筒体の内周面に設けた黄色発光性蛍光体層を励起する。発光管の内周面に設けた蛍光体層から放射される400〜500nmの波長域にピーク波長をもつ励起光は青色光であり、絶縁筒体の内周面に設けた黄色発光性蛍光体は励起されることにより黄色光が放射され、青色光と黄色光が混色されることで白色光を得られる。絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層は、400〜500nmの波長域に励起される黄色発光性蛍光体であるため、発光管の内部に封入されたキセノンガスからの真空紫外線よりも、発光管の内周面に設けた蛍光体層からの400〜500nmの励起光に励起され易い。また、従来の外部電極型希ガス蛍光ランプにおける発光管の内周面に設けた赤及び緑色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率よりも、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの絶縁筒体の内周面に設けた黄色発光性蛍光体の400〜500nmの光に対する発光効率の方が良い。即ち、絶縁筒体の内周面に黄色発光性蛍光体層を設けることにより、二重管型希ガス蛍光ランプからの白色光の発光効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1の実施例〕
以下、本願第1の実施例を図1ないし図6を参照しながら説明する。
【0018】
図1及び図2は、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの説明図である。図1は二重管型希ガス蛍光ランプの斜視図であり、図2(a)は二重管型希ガス蛍光ランプの管軸方向に沿った断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。
図2に示すように、管状の透光性絶縁筒体30の内部には外部電極型希ガス蛍光ランプ20が同軸上に収容され、透光性絶縁筒体30の両方の端部に蓋部材32,33による封止機構が具備されている。紙面上左側に位置された蓋部材32には端壁面に2つの切欠き部よりなる開口が形成されており、各開口から外部電極型希ガス蛍光ランプ20に接続された給電用の給電線4が導出されると共に、開口に耐熱性、絶縁性に富む接着剤Sが充填されて完全に閉塞され、略密閉又は密閉状態に維持されている。
【0019】
給電線4の外方端部にはランプが搭載される照明装置に適合する端子5が装着されている。なお、この端子5の耐熱性・耐電圧性とも、120℃以上、2000V以上であることが必要である。
【0020】
図3は、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの透光性絶縁筒体30の説明図であり、図3(a)は斜視図であり、(b)は管軸方向に沿った断面図である。なお、図2に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
透光性絶縁筒体30は、両方の端部が開口した光透過性を有する筒体よりなり、材質として好ましくは、ソーダ石灰ガラス、アルミノ珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、バリウムガラスなどのガラスである。無論、耐水性・耐久性があればガラスに限定されることなく、例えば、ポリカーボネイト、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などを使用することができる。また、用途によって透光性絶縁筒体30の表面に、かかる絶縁筒体30を構成する材質より屈折率の低い薄膜状の透光性材料で覆うことも可能である。絶縁筒体30の外部が空気の場合、屈折率の高い透光性材料では絶縁筒体30から出る光の出射範囲は狭くなる(臨界角が大きい)。屈折率の高い透光性材料に比べ、屈折率の低い透光性材料では絶縁筒体30から出る光の出射範囲は広くなる(臨界角が小さい)。絶縁筒体30の表面に、絶縁筒体30を構成する透光性材料より低い屈折率の透光性材料を薄膜状に被覆することで、実効的に絶縁筒体30の臨界角を小さくすることができるため、係る場合は透過性が向上されて光の利用効率を高めることができる。透光性絶縁筒体30の内径は発光管の外径よりも0.5〜10mm程度大きいものとされ、またその肉厚は、通常0.5〜2.0mmである。
更に、透光性絶縁筒体30にガラスを使用する場合、ランプが破損した際の破片の飛散防止のため、透光性絶縁筒体30の外周面に樹脂製のチューブを被覆することも可能である。この場合、透光性絶縁筒体30の外周面に形成する樹脂製のチューブとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーンなどの熱収縮性のチューブを使用することができる。これ以外にも、透光性絶縁筒体30の外周面にシリコーンなどの樹脂をディッピングなどにより被膜を形成することでも、同様の効果を得ることができる。また、透光性絶縁筒体30の外周面形成にする樹脂製のチューブまたは被膜の厚みは、0.2〜2mm程度である。なお、透光性絶縁筒体30は、外部電極型希ガス蛍光ランプから離隔されているため、外部電極型希ガス蛍光ランプのように高温に加熱されず、被覆した樹脂製チューブが熱で劣化したり、変色したりするなどの問題が生じることがなく、長期に亘って出射光の色合いを変えずに飛散防止機能を実現することができる。
【0021】
透光性絶縁筒体30の内周面には、管軸方向に亘って300〜400nmの波長域の光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体31からなる蛍光体31層が塗布される。300〜400nmの波長域の光で赤色の励起光を放射する赤色発光性蛍光体31としてMn付活ゲルマン酸塩蛍光体である例えば3.5MgO・0.5MgF/GeO:Mn、Eu付活イットリウム酸塩蛍光体である例えばY:Eu、Eu付活バナジン酸塩蛍光体である例えばY(P,V)O:Eu、が挙げられ、300〜400nmの波長域の光で緑色の励起光を放射する緑色発光性蛍光体31としてCe,Tb付活リン酸塩蛍光体である例えばLaPO:Ce,Tb、Tb付活アルミン酸塩蛍光体である例えばY・Al:Tbが挙げられ、300〜400nmの波長域の光で青色の励起光を放射する青色発光性蛍光体31としてEu付活アルミン酸塩蛍光体である例えばBaMgAl1017:Euが挙げられる。
【0022】
図4は本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプ20に用いられる外部電極型希ガス蛍光ランプ20の一例である。図4(a)は管軸方向に沿った断面図であり、(b)は管軸方向に対して垂直方向の断面図である。なお、図2に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
外部電極型希ガス蛍光ランプ20の発光管21は透光性の誘電体であるガラス管よりなり、その内部に内周面の全周に亘って蛍光体24層が塗布されて、主なVUV発光元素としてキセノンガスを含む希ガスが封入されてガラス管の両端部において気密に封止されて構成されている。発光管21の内周面に塗布される蛍光体24は、300〜400nmの波長域にピーク波長をもつ蛍光体24であり、300〜400nmの波長域にピーク波長をもつ蛍光体24としてEu付活ホウ酸塩蛍光体である例えばSrB:Eu、Ce付活リン酸塩蛍光体である例えばYPO:Ce、Ce付活アルミン酸塩蛍光体の中のBAM:Ceである例えば(Mg,Ba)Al1119:Ce、Gd,Pr付活リン酸塩蛍光体である例えばLaPO:Gd,Prなどが挙げられる。
そして、発光管21の外周面上に一対の導電性の外部電極22,23が互いに離間して軸方向に配設されることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ20が構成されている。
【0023】
発光管21の材質としてはソーダ石灰ガラス、アルミノ珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、バリウムガラスなどを挙げることができる。外部電極22,23は材質としては導電性のものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、金、銀、ニッケル、カーボン、金パラジウム、銀パラジウム、白金を、好適に用いることができ、発光管11の外周面にテープ状金属を貼付したり、前記金属と低融点ガラスを混合した導電性ペーストをスクリーン印刷して焼成したりすることにより、実現する。
また、外部電極22,23の表面にセラミックまたは、低融点ガラスを塗布または印刷し、加熱溶融させて、電極保護膜27を形成している。
【0024】
発光管21の片方の端部においては外部電極22,23に電力を供給するための外部リード25,26が例えば半田、導電性ペースト、溶接などの手段によって電気的に接続される。
【0025】
図5及び図6は二重管型希ガス蛍光ランプの蓋部材32,33の説明図である。図5は外部電極型希ガス蛍光ランプの給電部側の蓋部材32であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の矢印X方向から見た図であり、(c)は(a)の矢印Y方向から見た図である。図6は外部電極型希ガス蛍光ランプの非給電側の蓋部材33であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の矢印X方向から見た図であり、(c)は(a)の矢印Y方向から見た図である。なお、図2に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
蓋部材32,33はいずれも、全体がシリコーンやウレタンのような耐熱性を有する柔軟性、弾力性に富む合成樹脂により一体に成形されてなり、略円板状の端壁部321,331を具備し、端壁部321,331の内側面32A,33Aから突出するように形成された狭持部322,332を備えている。本実施例において狭持部322,332は、肉厚が略一定の円筒体を基本構造として、その軸方向にスリット326,334が一箇所形成されることにより、断面が略C字状に形成されている。狭持部322の肉厚は、好ましくは1mm以上であり、これにより安定した耐電圧性を確保することができる。狭持部322,332はこのようにスリット326,334を有しているため、その材質の有する弾力性、可繞性と相俟って容易に変形することができる。
【0026】
図5(a)〜(c)で示した給電側端部用の蓋部材32には、上下方向の対向位置に2箇所、略U字形状に切り欠くことにより開口が設けられ、導出部323a,323bが形成されている。係る導出部323a,323bは、前図、図1で示したように二重管型希ガス蛍光ランプ希ガス蛍光ランプ1の給電線4を導出するもので、このように端壁部321に導出部323a,323bが形成されていることにより給電線の余計な取り回しが不要で外部電極との接合部に負荷をかけることなく給電線を導出することができる。
【0027】
図2に示すように、蓋部材32における端壁部321が透光性絶縁筒体30の端面にほぼ当接するように当該透光性絶縁筒体30に装着される。蓋部材32の狭持部322内周面は発光管21の端部を包囲すると共に、狭持部322外周面が透光性絶縁筒体30の内周面に密着し、外部電極型希ガス蛍光ランプ20が透光性絶縁筒体30に対して固定される。
更に、本実施例においては、端壁部321と狭持部322の間を部分的に離間するように周方向にスリット325が形成されて接着剤注入用の開口325が形成されている。このように開口325を有することにより、蓋部材32を透光性絶縁筒体30に装着した後、接着剤の充填作業を極めて容易に行えるようになる。
【0028】
とりわけ本実施例においては、上記開口325は狭持部322に形成されたスリット326と連続するように形成されており、これによって接着剤が蓋部材32内部に流入し易く、作業を簡便に行うことができる。
【0029】
図6(a)〜(b)は外部電極型希ガス蛍光ランプの非給電側における端部に装着される蓋部材33であり、上記給電側用の蓋部材32とは、給電線4の導出部323a,323bが無い点において相違する。
係る蓋部材33においても上記一方の蓋部材32と同様、端壁部331と狭持部332とが部分的に離間するように周方向にスリット334が形成されて接着剤注入用の開口333が形成されている。
図2に示すように、蓋部材33における狭持部332が外部電極型希ガス蛍光ランプ20における発光管11の端部を包囲すると共に、狭持部332が透光性絶縁筒体20に内接することにより、当該蓋部材33が透光性絶縁筒体30に密着して装着される。この結果、蓋部材33と上述した一方の蓋部材32との協働作用により、外部電極型希ガス蛍光ランプ20が透光性絶縁筒体30内部に中空に位置した状態で安定的に保持されるようになる。
【0030】
蓋部材32,33の挿入が完了した状態で透光性絶縁筒体30の両端部に接着剤を充填する。本実施例においては、接着剤Sは蓋部材32,33におけるそれぞれの端壁部321,331と狭持部と322,332との間に開口325,333が形成されているので容易に注入することができる。透光性絶縁筒体30の端部において蓋部材32,33の周囲が接着剤Sで閉塞されることにより、当該透光性絶縁筒体30の内部が略密閉又密閉状態に維持されて、内部に配置された外部電極型希ガス蛍光ランプ20を水やホコリから保護することができる。なお、本発明において略密閉又は密閉状態とは、常温、常圧下において少量の水分やホコリにさらされたとしても、それらの透光性絶縁筒体30内部への浸入を防止できる程度の密閉性を具備した状態をいう。
なお、接着剤Sとしては、基本的にシリコーン系やエポキシ系、アクリル系などの耐熱性・耐水性の良好な接着剤が好適する。
【0031】
図2に示す二重管型希ガス蛍光ランプ1の端部から導出される給電線4の先端に配置された端子5には、図示しない電源が接続される。ランプ点灯時に、図示しない電源から給電されることにより、透光性絶縁筒体30の内部に収容された外部電極型希ガス蛍光ランプ20の発光管21の内部のキセノンガスから172nmの真空紫外線が放射される。発光管21の内周面に塗布された蛍光体24層は、172nmの真空紫外線によって励起され、300〜400nmの波長の光を放射する。300〜400nmの光は透光性絶縁筒体30の内周面に塗布された蛍光体31を励起させ、400〜700nmの波長域を主に発光する赤,緑及び青色の光を放射させる。赤,緑及び青色光は混色されることにより、二重管型希ガス蛍光ランプ1の外部に白色光として照射される。
【0032】
以上の本発明によれば、透光性絶縁筒体の内周面に塗布された赤,緑及び青色発光性蛍光体は、キセノンガスによる172nmを中心とする真空紫外線よりも300〜400nmの光を照射される方が励起し易い。また、従来の外部電極型希ガス蛍光ランプにおける発光管の内周面に設けた赤及び緑色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率よりも、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの発光管の内周面に設けた蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率の方が良い。このため、透光性絶縁筒体の内周面に300〜400nmの光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体を塗布した本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの方が、発光管の内周面に300〜400nmの光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体を塗布した従来の外部電極型希ガス蛍光ランプよりも白色光の発光効率を向上させることができる。
【0033】
透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体の接着力は弱い。このため、水分が透光性絶縁筒体の内部に浸入する環境では、透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体に水分が付着し、蛍光体が剥離させられる場合がある。
本実施例に係る二重管型希ガス蛍光ランプは、外部電極型希ガス蛍光ランプの全体を透光性絶縁筒体で覆うと共に、当該透光性絶縁筒体の両方の開口端部を樹脂製の蓋部材を装着し、更に接着剤で略密閉又は密閉状態に封止している。略密閉又は密閉状態を実現することにより、水分の浸入を防止することができ、透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体の剥離を防止することができる。これによって、二重管型希ガス蛍光ランプは、街灯などの屋外照明、展示用の冷蔵庫、冷凍庫内の照明、或いは、屋内外の看板照明などとして、好適に使用することができる。特に外部電極型希ガス蛍光ランプによれば、寿命や光量が温度にほとんど依存しないので、寒冷地や低温庫内において使用するのに好適な光源とすることができる。
【0034】
とりわけ本発明においては、蓋部材が絶縁筒体の開口端部を覆う端壁部と該端壁部から管の軸方向に突出する狭持部を有し、狭持部の外周面が透光性絶縁筒体の内周面に、狭持部の内周面が発光管の外周面に密着して、発光管を透光性絶縁筒体に対して固定しているので、発光管の軸が透光性絶縁筒体に対して傾くことがなく、衝撃に対する耐性を十分に備えた二重管型希ガス蛍光ランプすることができる。
【0035】
また更に、外部電極型希ガス蛍光ランプの給電側端部に装着される蓋部材においては蓋部材における端壁部に導出部が形成されて給電線が導出可能になっているため、給電線に負荷をかけることなく、簡単かつ確実に導出することができる。また更に、蓋部材における狭持部に、軸方向にスリットが形成されているので狭持部を容易に発光管に装着することができる。
【0036】
〔第2の実施例〕
以下、本願第2の実施例を図7を参照しながら説明する。
図7は、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプ1の説明図である。図7(a)は二重管型希ガス蛍光ランプ1の管軸方向に沿った断面図であり、図7(b)は図7(a)のC−C断面図である。
【0037】
第2の実施例と第1の実施例の相違点は、透光性絶縁筒体30の内周面に塗布された蛍光体31が異なることと、外部電極型希ガス蛍光ランプ20の発光管21の内周面に塗布された蛍光体24が異なることである。
第2の実施例の説明として、図7を用いて第1の実施例との相違点について述べる。
透光性絶縁筒体30の内周面には、400〜500nmの波長域の光で励起される黄色発光性蛍光体31からなる蛍光体31層が塗布され、Ce付活アルミン酸塩蛍光体の中のYAG:Ceである例えばYAl12:Ceを主成分とする蛍光体31である。
発光管21の内周面に塗布される蛍光体24は、400〜500nmの波長域にピーク波長をもつ蛍光体24であり、Eu付活アルミン酸塩蛍光体である例えばBaMgAl1017:Euが挙げられる。
【0038】
二重管型希ガス蛍光ランプ1の端部から導出される給電線4には図示しない電源が接続される。ランプ点灯時に、図示しない電源から給電されることにより、透光性絶縁筒体30の内部に収容された外部電極型希ガス蛍光ランプ20の発光管21の内部のキセノンガスから172nmの真空紫外線が放射される。発光管21の内周面に塗布された蛍光体24層は、172nmの真空紫外線に励起され、400〜500nmの波長の光を放射する。400〜500nmの光は透光性絶縁筒体30の内周面に塗布された蛍光体31を励起させ、500〜650nmの波長域を主に発光する黄色の光を放射させる。
発光管21の内周面に塗布された蛍光体24から照射される400〜500nmの波長の励起光(青色光)と透光性絶縁筒体30の内周面に塗布された蛍光体31から照射される500〜650nmの波長の励起光(黄色光)とが混色され、二重管型希ガス蛍光ランプ1からは混色された白色光は外部に照射される。
【0039】
以上の本発明によれば、発光管の内周面に塗布された青色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率は、従来使用されていた赤色発光性蛍光体や緑色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率よりも高い。また、絶縁筒体の内周面に塗布された黄色発光性蛍光体は、キセノンガスによる172nmを中心とする真空紫外線よりも400〜500nmの光を照射される方が励起し易い。さらに、従来の外部電極型希ガス蛍光ランプにおける発光管の内周面に設けた赤及び緑色発光性蛍光体のキセノンガスからの真空紫外線に対する発光効率よりも、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの絶縁筒体の内周面に設けた黄色発光性蛍光体の400〜500nmの光に対する発光効率の方が良い。このため、本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの方が、従来の外部電極型希ガス蛍光ランプよりも白色光の発光効率を向上させることができる。
【0040】
透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体の接着力は弱い。このため、水分が透光性絶縁筒体の内部に浸入する環境では、透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体に水分が付着し、蛍光体が剥離させられる場合がある。
本実施例に係る二重管型希ガス蛍光ランプは、外部電極型希ガス蛍光ランプの全体を透光性絶縁筒体で覆うと共に、当該透光性絶縁筒体の両方の開口端部を樹脂製の蓋部材を装着し、更に接着剤で略密閉又は密閉状態に封止している。略密閉又は密閉状態を実現することにより、水分の浸入を防止することができ、透光性絶縁筒体の内周面に塗布された蛍光体の剥離を防止することができる。これによって、二重管型希ガス蛍光ランプは、街灯などの屋外照明、展示用の冷蔵庫、冷凍庫内の照明、或いは、屋内外の看板照明などとして、好適に使用することができる。特に外部電極型希ガス蛍光ランプによれば、寿命や光量が温度にほとんど依存しないので、寒冷地や低温庫内において使用するのに好適な光源とすることができる。
【0041】
とりわけ本発明においては、蓋部材が絶縁筒体の開口端部を覆う端壁部と該端壁部から管の軸方向に突出する狭持部を有し、狭持部の外周面が透光性絶縁筒体の内周面に、狭持部の内周面が発光管の外周面に密着して、発光管を透光性絶縁筒体に対して固定しているので、発光管の軸が透光性絶縁筒体に対して傾くことがなく、衝撃に対する耐性を十分に備えた二重管型希ガス蛍光ランプすることができる。
【0042】
また更に、外部電極型希ガス蛍光ランプの給電側端部に装着される蓋部材においては蓋部材における端壁部に導出部が形成されて給電線が導出可能になっているため、給電線に負荷をかけることなく、簡単かつ確実に導出することができる。
【0043】
ここで、本願発明にかかる二重管型希ガス蛍光ランプの構成について具体的数値例及び材質について説明する。
1.外部電極型希ガス蛍光ランプ
発光管:外径φ6〜φ13mm、肉厚0.3〜1.0mm
発光管全長:100〜1500mm
外部電極幅:0.2〜10mm
外部電極材質:銀ペースト、アルミニウム箔、電極膜厚3〜20μm
ここで、外部電極は、基本的に帯状であるが、帯状の意味は、外部電極膜厚に対して、外部電極幅が、1桁以上長い膜を形成している形態について言う。また、帯の模様や形状についても様々な形態が取れるが、発光管外周面の基本的に軸方向に沿った導電膜を形成している形状についても帯状として表現する。
外部電極を銀ペーストにより構成する場合は、スクリーン印刷により形成し、大気中600℃にて焼成して焼き付け使用する。金属箔により構成する場合は短冊状の箔の片側の面に接着層を形成して貼付する。
電極保護膜:TiO、ZnO、In,BiO−Bなどを主成分とするセラミック粉末ペースト、電極保護膜厚5〜30μm
ここで、電極保護膜は、外部電極と外部リードとの接続部を除き、外部電極全体を被覆する。電極保護膜を、セラミック粉末ペーストから形成する場合は、外部電極の場合と同じく、スクリーン印刷により形成し、大気中600℃にて焼成して焼き付け使用する。また、あまり高温で使用しない用途では、電極保護膜は、例えば、エポキシ系樹脂やシリコーン系樹脂などを使用することもできる。
蛍光体平均膜厚: 10〜20μm
封入ガス圧:4×10〜40×10Pa
外部電極と給電線との接続においては、銀ペーストによって接着し、その外周に熱収縮チューブを配置して加熱することで圧縮、押圧して固定するか、半田付けなどで直接接合することができる。
2.透光性絶縁筒体
全長:100〜1550mm(発光管の全長と同等〜50mm長い)
内径:φ7〜φ23mm(発光管の外径よりも0.5〜10mm大きい)
肉厚:0.5〜1.0mm
材質:ソーダ石灰ガラス、アルミノ珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、バリウムガラスなどのガラス、又は、ポリカーボネイト、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など
3.蓋部材
材質:シリコーン、ウレタンなど
端壁部:外径φ7.5〜φ27mm、肉厚1.0〜5.0mm
狭持部:軸方向長さ2.0〜50.0mm、肉厚0.25〜5.0mm
4.接着剤
材質:シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤など
【0044】
次に、本発明に係る実施例における二重管型希ガス蛍光ランプの蛍光体について具体的材質について説明する。
〔第1の実施例〕
発光管の内周面に設けた蛍光体:ピーク波長が300〜400nmの波長域にある蛍光体としてEu付活ホウ酸塩蛍光体である例えばSrB:Eu、Ce付活リン酸塩蛍光体である例えばYPO:Ce、Ce付活アルミン酸塩蛍光体の中のBAM:Ceである例えば(Mg,Ba)Al1119:Ce、Gd,Pr付活リン酸塩蛍光体である例えばLaPO:Gd,Prなど
絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体:300〜400nmの光で励起される赤色発光性蛍光体としてMn付活ゲルマン酸塩蛍光体である例えば3.5MgO・0.5MgF/GeO:Mn、Eu付活イットリウム酸塩蛍光体である例えばY:Eu、Eu付活バナジン酸塩蛍光体である例えばY(P,V)O:Eu、300〜400nmの光で励起される緑色発光性蛍光体としてTb付活アルミン酸塩蛍光体である例えばY・Al:Tb、Ce,Tb付活リン酸塩蛍光体である例えばLaPO:Ce,Tb、300〜400nmの光で励起される青色発光性蛍光体としてEu付活アルミン酸塩蛍光体であるBaMgAl1017:Euを組み合せた蛍光体
〔第2の実施例〕
発光管の内周面に設けた蛍光体:ピーク波長が400〜500nmの波長域にある蛍光体としてEu付活アルミン酸塩蛍光体である例えばBaMgAl1017:Eu
絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体:400〜500nmの光で励起される黄色発光性蛍光体としてCe付活アルミン酸塩蛍光体の中のYAG:Ceである例えばYAl12:Ceを主成分とする蛍光体
上述の第1及び第2の実施例における絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体は、ピロリン酸カルシウム粉末などの結着剤,ニトロセルロース及び酢酸ブチルなどと混合したスラリーを準備し、吸い上げ法などにより透光性絶縁筒体の内周面に塗布し、乾燥を行う。透光性絶縁筒体の内周面した蛍光体は、大気雰囲気で、例えば400〜500℃程度の温度で焼成を行い、固着させる方法がある。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について様々なものを説明したが、本発明は上記構成に限定
されるものではなく種々の変更を加えることができる。
【0046】
また、二重管型希ガス蛍光ランプへの給電は、上記の実施例においては、一方の端部から行われている。しかし、設置場所や装置の形態により、二重管型希ガス蛍光ランプの両端部から、各々の極性について電力供給を行う給電部構造をとることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図2】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図3】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの透光性絶縁筒体の説明図である。
【図4】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの外部電極型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図5】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの蓋部材の説明図である。
【図6】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの蓋部材の説明図である。
【図7】本発明に係る二重管型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図8】従来に係る外部電極型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 二重管型希ガス蛍光ランプ
20 外部電極型希ガス蛍光ランプ
21 発光管
22,23 外部電極
24 蛍光体
25,26 外部リード
27 電極保護膜
30 透光性絶縁筒体
31 蛍光体
32,33 蓋部材
321,331 端壁部
32A,33A 内側端面
322,332 挟持部
323 導出部
325,326 スリット
335,336 スリット
4 給電線
5 端子
S 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キセノンガスを封入する発光管と、前記発光管の外周面の管軸方向に沿って互いに離間して配設した外部電極と、前記発光管の全体を覆う絶縁筒体とからなり、
前記発光管の内周面に蛍光体層を設け、
前記絶縁筒体の内周面に蛍光体層を設け、
前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が前記発光管の内周面に設けた蛍光体層からの励起光に励起される蛍光体であることを特徴とする白色光発光用二重管型希ガス蛍光ランプ。
【請求項2】
前記発光管の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、
前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が300〜400nmの光で励起される赤,緑及び青色発光性蛍光体からなることを特徴とする請求項1に記載の白色光発光用二重管型希ガス蛍光ランプ。
【請求項3】
前記発光管の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの波長域にピーク波長をもつ励起光を放射する蛍光体からなり、
前記絶縁筒体の内周面に設けた蛍光体層が400〜500nmの光で励起される黄色発光性蛍光体からなることを特徴とする請求項1に記載の白色光発光用二重管型希ガス蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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