説明

交換可能なヘッド−シャフト連結構造を持つゴルフクラブ

【課題】ゴルフクラブのコスト効率のよい特注生産のための改良されたクラブヘッド−シャフト連結構造を提供し、ゴルファーに最適な性能を与えるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】交換可能なシャフト40を持つクラブヘッド22を有するゴルフクラブは、クラブヘッド22に取り付けられるチューブ44及びシャフト40の先端50に取り付けられるスリーブ46を含む。チューブ44はテーパー部分と回転阻止部分を含む。スリーブ46の円錐部分とキー部分は、夫々、チューブ44のテーパー部分と回転阻止部分内に受け入れられる。ゴルフクラブは更にシャフト40をクラブヘッド22に取り外し可能に固定するための機械的固定具48を有する。機械的固定具48は、クラブヘッド22のソール26に設けられた開口と整列するチューブ44の下端の開口に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトをゴルフクラブヘッドと連結するための改良された連結構造を持つゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームをより良くするために、ゴルファーはしばしば彼らの独自のスイングに適合する道具を最適化している。ゴルフの道具の製造者達はゴルファーのために多くの種類のクラブを用意することにより応えてきた。例えば、ドライバータイプの特別のモデルとして、特定のゴルファーのニーズに応えるために、種々の異なるロフト角とライ角で提供されている。さらに、ゴルファーはシャフトを選ぶことができ、メタルかグラファイトか、また、スイングに適合する長さかどうかについて選ぶことができる。シャフトとクラブヘッドの要素を容易に交換できるゴルフクラブはこの特注製造のプロセスを容易にする。
【0003】
一例としてWheelerの米国特許第3,524,646号「ゴルフクラブアセンブリ」(特許文献1)がある。このWheelerの特許はグリップとヘッドの両方がシャフトから取り外しできる持つパターを開示している。シャフトの上端及び下端に設けられた固定部材は内側のねじ溝であり、グリップの下端とパターヘッド軸部の両方に設けられた外ねじ溝と係合し、これらの要素をシャフトに固定するようにしている。シャフトの下部は更にフランジを含み、このフランジはパターヘッドがシャフトに固定されるときはパターヘッド軸部の上端に接する。
【0004】
他の例としてWalkerの米国特許第5,433,442号「迅速にヘッドを外すことのできるゴルフクラブ」(特許文献2)がある。このWalkerの特許は、クラブヘッドがシャフトに連結ロッドとクイックリリーズピンによって固定されているゴルフクラブを開示している。連結ロッドの上端はシャフト下部に形成された内ねじ溝と係合する外ねじ溝を有している。連結ロッドの下端はクラブヘッドのホーゼルに挿入され、クイックリリーズピンを受け入れるためのホーゼルの直径方向の孔と整列する直径方向の孔を有している。
【0005】
更なる例は、Roarkの米国特許第6,547,673号「交換可能なゴルフクラブヘッド及び調整可能なハンドルシステム」(特許文献3)がある。このRoarkの特許は、シャフトからクラブヘッドを取り外すためのクイックリリーズを持つゴルフクラブを開示している。このクイックリリーズはクラブヘッドのホーゼルに固定される下部コネクターと、シャフトの下部に固定される上部コネクターの二片のコネクターからなる。上部コネクターはピンと上部コネクターの下端から半径方向、外側に突出するボールキャッチを有している。下部コネクターの上端は上部コネクターピンを受け入れるためのスロットとボールキャッチを受け入れるための分離された穴を有している。シャフトがクラブヘッドに固定されるとき、下部のコネクター穴はボールキャッチを保持し、シャフトはクラブヘッドに固定される。
【0006】
更なる例はBurrouの公開特許出願第2004/0018886号(特許文献4)及び2004/0018887号「一時的ゴルフクラブのシャフト−要素の連結」(特許文献5)がある。このBurrouの出願は、アダプターインサート、ソケット部材及び機械的固定具を含む一時的な連結構造を開示している。シャフトに設けられるアダプターインサートはスラストフランジを含む。ソケット部材は他方のゴルフクラブの要素(例えば、クラブヘッド)に設けられ、スラストフランジを受けるためのスラストシートを含む。機械的固定具(例えば、コンプレッションナット又はロックボルト)はアダプターインサートとソケット部材を取り外し可能に結合する。
【0007】
この一時的ヘッド−シャフト連結構造の先行技術はいくつかの欠点を有している。第1に、ゴルフクラブヘッドが通常の取り付けのためのホーゼルを必要としている。第2に、これらの連結構造はクラブヘッドを過度に重くし、質量特性を最適化するためにクラブヘッド内で分散することのできる質量の自由度を小さくする。第3に、この従来の連結構造は中心合わせのための面積と曲げモーメントへの対応を減少させる。
【特許文献1】米国特許第3,524,646号
【特許文献2】米国特許第5,433,442号
【特許文献3】米国特許第6,547,673号
【特許文献4】米国公開特許出願第2004/0018886号
【特許文献5】米国公開特許出願第2004/0018887号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ゴルフクラブのコスト効率のよい特注生産のための改良されたクラブヘッド−シャフト連結構造を提供し、ゴルファーに最適な性能を与えるゴルフクラブを提供することにある。通常のホーゼルを持つクラブヘッドを必要としないこの連結構造は、迅速に、且つ信頼性のあるシャフトとクラブヘッドの組立て及び解体を可能とする。更に、このゴルフクラブのヘッド−シャフトの連結構造は余分な重量を増加させることなく、要素間での合致面積をより大きくする。この重量の少ない連結構造はクラブヘッドの好ましい質量分布の自由度を可能とし、クラブヘッドの性能を高めることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの態様は、クラブヘッドと、チューブと、シャフトと、スリーブ及び機械的固定具を含む。クラブヘッドに設けられるチューブは、テーパー部分と、回動阻止部分と、下端における内側直径より大きい上端の内側直径を持つ。チューブの回動阻止部分は非円形の形状を持つキー溝を画成する。スリーブはシャフトの先端に設けられ、チューブ内に挿入される。スリーブの下部セクションは円錐部分とキー合わせ部分を含む。シャフトがクラブヘッドに連結されるとき、スリーブの円錐部分とキー合わせ部分は、夫々、チューブのテーパー部分とキー溝部分に受け入れられる。スリーブの円錐部分はチューブの下部セクションの少なくとも4分の1の長さだけ延び、チューブのテーパー部分と接触する表面積を大きくしている。
【0010】
本発明の概要を述べたが、上述及び更なる目的と特徴及び利点は、当業者であれば図面を参照して述べる以下の詳細な記載により理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例に係るゴルフクラブの正面図である。
【図2】図1のゴルフクラブの部分的分解図であり、スリーブ、チューブ及び機械的固定具を示す。
【図3】図1の線3−3の断面拡大図である。
【図4】図2に示されたチューブの断面拡大図である。
【図5】図に示されたスリーブの断面拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例のゴルフクラブの部分的分解図である。
【図7】図3同様の図6のゴルフクラブの断面拡大図である。
【図8】図6の示されたチューブの断面拡大図である。
【図9】図6に示されたスリーブの断面拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2に示されるように、ゴルフクラブは全体として20で示される。ゴルフクラブ20はクラブヘッド22とクラブヘッド22に連結されるシャフト40を有している。クラブヘッド22は、クラウン24,ソール26,リボン28及び打撃プレート30を持つウッドタイプのゴルフクラブである。打撃プレート30は全体としてクラブヘッド22の前面に沿ってヒールからトオに向けて延びている。クラブヘッド23は、好ましくは、シャフト40の先端を受け入れるための内部ホーゼル31を持つ中空内部となっている。
【0013】
ボディ23は好ましくはチタン、チタン合金、ステンレススチール等の金属材料からなる。それに替えて、ボディ23はチタンのカーボンコンポジット材料ボディに取り付けられたフェースカップのように、複合材料で造ることができる。ボディ23は大きい体積、好ましくは300ccと215g以下、より好ましくは180g〜215gの範囲の重量を持つ。クラブヘッド22はウッドタイプのクラブヘッドとして示されているが、クラブヘッド22はアイアンタイプ又はパタータイプのクラブヘッドでもよい。
【0014】
シャフト40は好ましくはグラファイトで造られるが、ステンレススチールやチタンのような金属材料でもよい。それとは別に、シャフトをグラファイトと金属のハイブリッドで造ることができる。シャフト40は好ましくは40g〜80gの範囲、より好ましくは50g〜75gの範囲、最も好ましくは65gの重量を持つ。シャフト40はクラブヘッド22に組立て、分解、再組立てを容易とする連結具42を使用して取り付けられる。図2及び図3に示される本発明の好ましい実施例において、連結具42はチューブ42,スリーブ46,及び機械的固定具48を含む。スリーブ46はシャフト40の先端に取り付けられる。スリーブがその上に取り付けられたシャフト40は、次に、クラブヘッド22内に取り付けられたチューブ44内に挿入される。機械的固定具48はスリーブ46をチューブ44に固定してシャフト44をクラブヘッド22に結合させる。
【0015】
チューブ44は好ましくはアルミニウム又はチタンのような金属から成るが、適当な非金属材料で造ることもできる。チューブ44はチューブ44の表面硬さと耐摩耗性を高めるために酸化処理又はチオダイズ処理が行われる。チューブ44はエポキシのような接着剤を使用してクラブヘッド22の内部ホーゼル31内に固定される。これとは別に、チューブ44をクラブヘッド22のボディ23と共に一体的に鋳造又は形成することができる。チューブ44はクラブヘッド22のクラウン24の外面と実質的に面一の上端部52と、最下端までではないが、クラブヘッド22のソール26に向けて延びる下端部54を有している。開口56が上端部52から下端部54までチューブ44を通して延び、ソール26の開口58に整列している。
【0016】
図4に最もよく示されるように、チューブ44はテーパー部分60と回転阻止部分62を含んでいる。テーパー部分60はチューブ44の上端付近に位置し、以下に詳述するようにスリーブ44を受け入れるための接触面を与えている。従って、チューブ44の上端52は下端54の内径Dより大きい内径Dを有している。回転阻止部分62は、好ましくはテーパー部分60より下方にあり、スリーブ46を受け入れるキー溝を画成している。キー溝は非円形の断面を有し、スリーブ46がチューブ44に対して相対的に回転することを阻止している。キー溝は図3と図4に示されるように、複数のスプライン64を有するか、或いは四角又は六角形の断面をしている。
【0017】
チューブ44はチューブ44の側壁から半径方向の内方に向けて突出するフランジ66を更に含んでいる。好ましい実施例においては、フランジ66は回転阻止部分62の下方に位置する。フランジ66は機械的固定具48が当接する面を与えている。フランジ66は機械的固定具48の全体の長さが通ることのないように開口56内に十分な長さだけ延びており、機械的固定手段48の一部が回転阻止部分62内に入り込んでいる。
【0018】
スリーブ46は、図5に良く示されており、その上端69にシャフト40の先端を受け入れる開口68が形成されている。スリーブ46は、エポキシのような接着剤を使用してシャフト40に対して固定される。スリーブ46は円錐部分72とキー部分74を含む下部セクション70を有している。下部セクション70は長さLを有し、0.60in〜1.0inの範囲、より好ましくは0.75in〜0.90inである。スリーブ46の円錐部分72はシャフト40がクラブヘッド22に結合されるときチューブ44のテーパー部分60内に受け入れられる。円錐部分72は、好ましくは、下部セクション76の長さLの少なくとも4分の1の長さ、より好ましくはLの3分の1の長さLを有する。本発明の一実施例においては、下部セクション70の長さL1は約0.8inであり、円錐部分の長さL2は約0.3inである。円錐部分72の長さL2を長くするほど、チューブ44のテーパー部分60との接触面積を大きくする。この領域はシャフト40とクラブヘッド22との間の圧縮荷重経路となる。円錐部分72とテーパー部分60との間の接触面積が大きくなるため、局部的なストレスを少なくし、従来の連結構造に比べて曲げモーメントに対してより良く応答することのできる連結構造となる。更に、テーパー部分60と円錐部分72の一方又は双方の表面を弾性材料、又は他の柔い薄い材料で被覆することにより均一な荷重分布を高めることができる。
【0019】
スリーブ46のキー部分74はチューブ44の回転阻止部分62のキー溝と相補的な形状をなしている。したがって、図5においては、キー部分74はスプライン形状をしている。これとは別にキー部分74はキー溝に対応した同様の四角又は六角形とすることができる。
【0020】
スリーブ46はその下端77に第2の開口76を有している。開口76には機械的固定具48の外側ねじに係合する内ねじが形成されている。スリーブ46は好ましくはアルミニウム又はチタニウムのような金属材料からなる。スリーブ46は好ましくは酸化処理又はチオダイズ処理されスリーブ46の表面の硬さと耐摩耗性を高める。摩耗を防ぐために開口76内に内ねじ(図示せず)を有するスチールライナーを設けることができる。このようなスチールライナーはEmhart TeknologiesaのHWLL-COIL スクリューねじインサート又はAlcoa Fastening SystemのKEENSERTS インサートを含むことができる。
【0021】
クラブヘッド20の組立体はチューブ44とクラブヘッド22、及びスリーブ40とシャフト40の先端の永久的な固定を含む。スリーブ46がその上に設けられたシャフト40の先端50は次にチューブ44の開口56内に挿入され、スリーブ46のキー部分74がチューブの回転阻止部分62のキー溝と係合し、円錐部分72がテーパー部分60と接触する。次に、機械的固定具48がスリーブ46に連結される。機械的固定具48は好ましくはスチール、チタン又はアルミニウムから造られる。図2及び図3に示されるように、機械的固定具48は、ソケットヘッド82と外ねじ84を持つソケットスクリュウ80のようなスクリュウである。ソケットスクリュウ80はクラブヘッド22のソール26の開口58を通してチューブ44の下端内に挿入される。ソケットスクリュウ80の外ねじ84はスリーブ46の下端77における開口76の内ねじ78と係合し、ソケットヘッド82はチューブ44のフランジ66に当接する。振動防御ロックワッシャ(図示せず)をソケットヘッド82とフランジ66の間に設けてソケットスクリュウ80が緩んだりがたついたりするのを防止するようにしてもよい。
【0022】
チューブ44とスリーブ46が軽重量の材料で造られるため、連結構造42はゴルフクラブ20に不必要な重量を加えることとはならない。更に、種々の要素間のボイドが存在し、クラブヘッド22のこの領域から重量をさらに減少させている。スリーブ46の下端77とチューブ44のフランジ66との間に第1のボイド90が存在する。機械的固定具48とチューブ44の下端54との間に第2のボイド92が存在する。ボイド90と92は連結構造42の重量を減じ、それによりクラブヘッド22全体の好ましい位置への質量の配分の自由度を高めている。
【0023】
ゴルフクラブ20は更にO−リングのような封止ガスケット93を含み、水、塵、その他の汚染物質が連結構造42に入り込むのを防止している。このことは、クラブヘッド22が清浄のために水の中に浸されることがあるため重要である。封止ガスケット93がないと、水がねじ結合の中に入り込み、腐食やねじが凝固することになる。
【0024】
ヘッド−シャフトの連結構造42はシャフト40をクラブヘッド22から取り外し、他のシャフトと交換することを可能にする。ゴルフクラブ20を解体するため、ソケットスクリュウ80がスリーブ46から外され、クラブヘッド22のソールの開口58を通して除かれる。シャフト40とスリーブ46はチューブ44の上端52から引き出されクラブヘッド22から分離される。第2のシャフとスリーブ組立体がクラブヘッド22に連結される。
【0025】
適合するクラブヘッドとシャフトの組合せが達成されると、連結構造42はソケットスクリュウ80のヘッドの周りに接着剤のビードを施してより恒久的なものとすることができる。この接着剤ビードはアベレージゴルファがゴルフクラブ20を解体して要素を交換することを防ぎ、これによってゴルフクラブ20がUSGA及びR & A のゴルフ規則に適合させることを可能にする。しかしながら、熟練したゴルフの修理を行う者は、連結部分を加熱することによりゴルフクラブを、なお、解体することができるであろう。当業者であれば接着剤ビードに替わる他の手段を考えるであろう。一例として、スクリュウヘッド82とフランジ66の間に介在させる接着ワッシャがある。他の例は、スクリュウヘッド82の周りに施される接着スリーブがあり、これによりソケットスクリュウ80をチューブ40の内面に結合する。更なる他の例はソケットスクリュウ80の後の開口56内に挿入されるプラグがある。このプラグはスクリュウのソケットに係合し、チューブ44の内面に接着剤を使用して固定される。
【0026】
図6−9は、シャフト40とクラブヘッド22とを結合するための他の連結構造142を示している。連結構造142はチューブ144,スリーブ146及び機械的固定具148を含む。機械的固定具148は外ねじ98を有するコンプレッションナット96である。コンプレッションナット96とスリーブ146はシャフト40上に置かれ、スリーブ146は先端50に取り付けられてエポキシのような接着剤で固定される。スリーブ146とコンプレッションナット96を有するシャフト40はクラブヘッド22に取り付けられているチューブ144内に挿入される。コンプレッションナット96はチューブ144に係合するように締め付けられ、これによりスリーブ146を固定し、シャフト40をクラブヘッド22に結合する。
【0027】
チューブ144は好ましくはアルミニウム又はチタニウムから成るが、適当な非金属材料で造ることもできる。チューブ144はクラブヘッド22の内部ホーゼル31内にエポキシのような接着剤を用いて固定される。チューブ144はクラブヘッド22のクラウン面24の上に延びる上端152を有する。これとは別に、チューブ144の上端152をクラウン面24と面一としてもよい。開口156は上端152から下端154に向けてチューブ144の長さの大部分に亘って延びている。しかしながら、チューブ144の下端154は閉じられている。チューブ144の上端の内径D1は下端154の内径D2より大きい。
【0028】
図8に示されるように、チューブ144は連結部分159,テーパー部分160,及び回転阻止部分162を含む。連結部分159はチューブ144の上端152の近辺に位置し、コンプレッションナット96の外ねじに係合する内ねじを有している。チューブ144のねじ161は内ねじであるため、ねじ161はゴルフクラブ20の保管、製造或いは注文製造の間において損傷から保護される。
【0029】
テーパー部分160は、スリーブ146を受ける接触面を与えるものであり、連結部分159の下方に位置する。回転阻止部分162はチューブ144の下端154の近辺に位置し、スリーブ146の一部を受けるためのキー溝を画成する。前に説明した実施例のように、キー溝はスリーブ146がチューブ144に対して相対的に回転しないように非円形の断面を有している。図7及び図8に示されている回転阻止部分162のキー溝はスプライン164が設けられている。
【0030】
スリーブ146は図9に示されている。このスリーブはその上端169に形成されるシャフト40の先端を受け入れるための開口168を有している。このスリーブはエポキシのような接着剤を使用してシャフト40に固定される。スリーブ146は円錐部分172とキー部分174を含む下部セクション170を有している。円錐部分172は下部セクション170の長さLの少なくとも4分の1の長さ、より好ましくは長さLの3分の1の長さLを有し、長さLの半分以上としてもよい。円錐部分172の長さL2を長くする程、チューブ144のテーパー部分160との接触面積を大きくする。スリーブ146のキー部分174はチューブの回転阻止部分162のキー溝と相補的な形状をなしている。したがって、キー部分174はスプライン形状とされている。
【0031】
図6と図7に示されるゴルフクラブはチューブ144をクラブヘッド22に恒久的に固定することにより組み立てられる。次に、コンプレッションナット96がシャフト40の先端50上に配置される。スリーブ146は、次に、恒久的にシャフト40の先端に固定される。スリーブ146とコンプレッションナット96を持つシャフト40の先端50はチューブ144内の開口156内に挿入され、スリーブ146のキー部分174がチューブの回転阻止部分162のキー溝と係合し、円錐部分172がテーパー部分160と接触する。次に、コンプレッションナット96の外ねじ98がチューブ144の連結部分159の内ねじと係合し、シャフト40がクラブヘッド22に固定される。前述の実施例のように、チューブ144とスリーブ146はゴルフクラブの重量を不必要に増やさないように軽量材料で造られる。更に、連結構造142内にボイドが設けられ、クラブヘッド22のこの領域から重量をさらに少なくしている。第1のボイド186がシャフト40の先端とスリーブ146の開口188の底面168との間に存在している。第2のボイド190がスリーブ146の下端177とチューブ144内の開口156の底面163の間に存在している。第3のボイド192がチュウブ144の下端154とクラブヘッド22のソールとの間に存在している。
【0032】
ゴルフクラブは更にコンプレッションナット96とチューブ144の上端152との間に封止ガスケット93を含み、水やその他の汚染物質が連結構造142に侵入することを防止している。第2のガスケット193がコンプレッションナット96の頂部とスリーブ146の上端169の間に審美的な目的で設けられる。
【0033】
好適なヘッドとシャフトの組合せが得られると、連結構造142は、コンプレッションナット96の露出部分を覆うようにカバーを施してより恒久的にしてもよい。カバー163は好ましくはゴム又は弾性材料の薄い鞘でコンプレッションナット96のインデントを囲み、アベレージゴルファがコンプレッションナット96にアクセスできないようにする。カバー163は封止ガスケット93及び193と一体的としてもよく、或いは分離してもよい。連結構造142は、また、コンプレッションナット96のヘッドの下部エッジを封止ガスケット93上に延ばしてチューブ144の上端152の外壁とオーバーラップさせ、そのオーバーラップ部分に接着剤を施すことにより、より恒久的なものとすることができる。熟練のゴルフ修理技術者はこの結合部を部分的に加熱し、コンプレッションナット96をチューブ144から外し、別のシャフトをクラブヘッドに組み付けることができるであろう。
【0034】
以上の説明から、当業者は本発明の効果を理解し、また、本発明は図面を参照して好ましい実施例と他の実施例が説明される一方、多くの変更、改良及び均等物の置換が、以下のクレームに現れる以外の前述の説明によって限定されるものでない本発明の精神と範囲を離れることなく可能であることを容易に理解するであろうことを確信するところである。したがって、排他的所有権と特権がクレームされる本発明の実施態様は以下の添附されたクレームに特定されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトの先端を受け入れるホーゼルを内部に有するクラブヘッドと;
クラブヘッド内のホーゼルに取り付けられるチューブであって、チューブの下端における内径より大きい内径を持つ上端を有し、テーパー部分と回転阻止部分を含み、前記回転阻止部分は非円形形状のキー溝を画成するチューブと;
クラブヘッドの前記チューブ内に取り外し可能に取り付けられる先端を有するシャフトと;
前記シャフトの先端に取り付けられ、前記シャフトと前記チューブの間に配置されるスリーブであって、前記スリーブの下部セクションは円錐部分とキー部分を含み、前記円錐部分は前記下部セクションの長さの少なくとも4分の1の長さに沿って延び、前記円錐部分は前記チューブのテーパー部分に受け入れられ、前記キー部分は前記チューブの回転阻止部分に受け入れられ、前記キー部分は、シャフトがクラブヘッドに対して回転するのを阻止するようにキー溝の形状と相補的な外形を有しているスリーブと;
前記スリーブを前記チューブに固定するための機械的固定具を有し、
前記機械的固定具は、前記クラブヘッドのソールに設けられた開口と整列する前記チューブの下端の開口に挿入される、
ゴルフクラブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−45413(P2012−45413A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235598(P2011−235598)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2007−541314(P2007−541314)の分割
【原出願日】平成17年11月12日(2005.11.12)
【出願人】(300044551)キャラウェイ・ゴルフ・カンパニ (26)
【Fターム(参考)】