説明

交換機、通信システム、通信方法および電話端末

【課題】番号非通知の発着信の利便性を向上させること。
【解決手段】交換機120は電話端末間の呼制御を行う。第一送信部123は、番号非通知の呼の識別情報を呼の着信側の電話端末130へ送信する。受信部124は、第一送信部123によって送信された識別情報を含み電話端末130のユーザ操作により送信された要求信号を受信する。第二送信部126は、受信部124によって受信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末110へ要求信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換機、通信システム、通信方法および電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話などの電話通信システムにおいて、発信側の電話番号を着信側に伝えないように電話をかける番号非通知発信の技術が用いられている。また、番号非通知発信に関する技術として、番号非通知発信に対して発信側の番号通知を促す技術が知られている(たとえば、下記特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−68952号公報
【特許文献2】特開2002−247236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、番号非通知の着信電話に出ることができなかった場合に、着信側の端末の着信履歴には番号非通知での着信があったことが記憶されるが、発信側の電話番号は不明である。このため、着信側のユーザは発信側に連絡をとることができず、利便性に欠けるという問題がある。
【0005】
また、番号非通知発信に対して発信側の番号通知を促す技術では、着信側および発信側で番号通知を希望するか否かに関わらず、番号非通知のままの発信が制限される。このため、番号非通知発信自体の利便性が損なわれるという問題がある。
【0006】
開示の交換機、通信システム、通信方法および電話端末は、上述した問題点を解消するものであり、番号非通知の発着信の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、電話端末間の呼制御を行う交換機において、番号非通知の呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信し、送信された識別情報を含み前記着信側の電話端末のユーザ操作により送信された要求信号を受信し、受信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信することを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の交換機、通信システム、通信方法および電話端末によれば、番号非通知の発着信の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1にかかる通信システムを示すブロック図である。
【図2】通信システムの具体例を示す図である。
【図3】交換局に記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】着信側の携帯電話に記憶される着信履歴情報の一例を示す図である。
【図5】発信側の携帯電話の発信操作に基づく通信システムの動作の一例(不在着信時)を示すシーケンス図である。
【図6】発信側の携帯電話の発信操作に基づく通信システムの動作の一例(着信応答時)を示すシーケンス図である。
【図7】着信側の再発信要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図8】着信側の携帯電話に表示される着信履歴画面の一例を示す図である。
【図9】着信側の携帯電話における再発信要求に対する結果表示の一例を示す図である。
【図10】発信側の携帯電話に表示される再発信要求画面の一例を示す図である。
【図11】実施の形態2にかかる通信システムを示すブロック図である。
【図12】着信側の番号通知要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図13】着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。
【図14】発信側の携帯電話に表示される番号通知要求画面の一例を示す図である。
【図15】着信側の携帯電話における番号通知要求に対する結果表示(通知許可)の一例を示す図である。
【図16】着信側の携帯電話における番号通知要求に対する結果表示(通知不許可)の一例を示す図である。
【図17】実施の形態3にかかる通信システムを示すブロック図である。
【図18】着信側の発信許可要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図19】着信側の発信許可要求に基づく通信システムの動作の他の例を示すシーケンス図である。
【図20】着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。
【図21】発信側の携帯電話に表示される発信許可要求画面の一例を示す図である。
【図22】着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
(通信システムの構成)
図1は、実施の形態1にかかる通信システムを示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる通信システム100は、電話端末110と、交換機120と、電話端末130と、を含む。電話端末110および電話端末130は、それぞれ固定電話や携帯電話などの電話端末である。ここでは、電話端末110が発信側の電話端末であり、電話端末130が着信側の電話端末である場合について説明する。
【0012】
電話端末110は、電話端末130を着信側とする番号非通知の呼を交換機120に要求する。具体的には、電話端末110は、電話端末130の電話番号を指定した発信操作をユーザから受け付けると、電話端末130の電話番号を含む呼設定要求信号を交換機120へ送信することによって呼を要求する。
【0013】
電話端末110は、たとえば、特番「184」に続けて電話端末130の電話番号を指定した操作を受け付けた場合に、交換機120に対して番号非通知の呼を要求する。または、電話端末110は、番号非通知を解除する操作を行わない限り番号非通知の呼を要求するようにあらかじめ設定されていてもよい。番号非通知を解除する操作は、たとえば、電話端末130の電話番号の前に特番「186」を指定する操作である。
【0014】
また、電話端末110は、受信部111と、通知部112と、を備えている。受信部111は、交換機120から送信された要求信号を受信する。受信部111は、受信した要求信号を通知部112へ出力する。通知部112は、受信部111から出力された要求信号が示す要求内容を電話端末110のユーザへ通知する。
【0015】
交換機120は、電話端末間の呼制御を行う。ここでは、交換機120が電話端末110と電話端末130との間の呼制御を行うとする。具体的には、交換機120は、電話端末110から送信された呼設定要求信号に含まれる電話番号に基づいて電話端末130を特定し、電話端末130へ呼設定要求信号を送信する。その後、交換機120は、電話端末110および電話端末130との間でメッセージを送受信することで呼制御を行う。
【0016】
また、交換機120は、電話端末110によって要求された呼を示す識別情報を呼の着信側の電話端末130へ送信する。識別情報は、たとえば、電話端末110や他の電話端末によって交換機120に要求された呼ごとに固有の識別情報である。また、識別情報は、対応する呼の発信側の電話番号とは異なる情報である。これにより、電話端末130に対しては電話端末110の電話番号を非通知のまま、番号非通知の呼を電話端末130の側で指定可能な識別情報を電話端末130へ送信することができる。
【0017】
また、交換機120は、電話端末130によって送信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末110へ、電話端末130によって送信された要求信号が示す要求内容を示す要求信号を送信する。たとえば、交換機120が送信する要求信号は、電話端末130からの要求信号そのものでもよいし、電話端末130からの要求信号に基づいて交換機120において新たに生成したものであってもよい。
【0018】
具体的には、交換機120は、生成部121と、記憶部122と、第一送信部123と、受信部124と、検索部125と、第二送信部126と、を備えている。生成部121は、電話端末110から交換機120に要求された番号非通知の呼を識別する識別情報を生成する。具体的には、生成部121は、電話端末110や他の電話端末から交換機120に対して番号非通知の呼が要求されるごとに異なる識別情報を生成する。
【0019】
生成部121は、生成した識別情報と、生成した識別情報が示す呼の発信側の電話端末110と、を対応付ける対応情報を記憶部122へ出力する。また、生成部121は、生成した識別情報を第一送信部123へ出力するとともに、生成した識別情報が示す呼の着信側の電話端末130を第一送信部123へ通知する。記憶部122は、生成部121から出力された対応情報を記憶する。
【0020】
第一送信部123は、生成部121から出力された識別情報を、生成部121から通知された電話端末130へ送信する。第一送信部123による識別情報の送信は、たとえば交換機120による呼制御の手順において行ってもよい。たとえば、第一送信部123は、交換機120の呼制御によって電話端末130へ送信されるメッセージ(たとえば呼設定メッセージ)に識別情報を格納することで、識別情報を電話端末130へ送信する。
【0021】
受信部124は、第一送信部123によって送信された識別情報を含み、電話端末130のユーザ操作により送信された要求信号を受信する。受信部124は、受信した要求信号を検索部125へ出力する。また、受信部124は、受信した要求信号の送信元の電話端末130を特定可能な要求元特定情報を第二送信部126へ出力してもよい。要求元特定情報は、たとえば電話端末130の電話番号など、要求元特定情報の受信側で電話端末130を特定可能な情報である。
【0022】
検索部125は、受信部124から出力された要求信号に含まれる識別情報に対応する発信側の電話端末を、記憶部122によって記憶された対応情報に基づいて検索する。ここでは検索部125によって電話端末110が検索される。検索部125は、検索された電話端末110を第二送信部126へ通知する。第二送信部126は、検索部125から通知された電話端末110へ要求信号を送信する。また、第二送信部126は、受信部124から通知された要求元特定情報を含む要求信号を電話端末110へ送信してもよい。
【0023】
電話端末130は、電話端末110によって要求された呼の着信側の電話端末であり、電話端末110や他の電話端末からの着信の履歴を示す着信履歴情報を自身のメモリに記憶する。また、電話端末130は、交換機120によって送信された識別情報を含む要求信号をユーザ操作によって交換機120へ送信する。具体的には、電話端末130は、受信部131と、記憶部132と、通知部133と、受付部134と、送信部135と、を備えている。
【0024】
受信部131は、電話端末110や他の電話端末から交換機120に要求された番号非通知の呼のうちの自身(電話端末130)が着信側である呼の識別情報を交換機120から受信する。受信部131は、受信した識別情報を記憶部132へ出力する。記憶部132は、受信部131から出力された識別情報を記憶する。たとえば、交換機120が呼制御において識別情報を送信する場合において、記憶部132は、交換機120から要求される呼の着信履歴と対応付けて識別情報を記憶する。
【0025】
通知部133は、記憶部132に記憶された識別情報をユーザに表示する。また、通知部133は、記憶部132において識別情報と対応付けられた着信履歴をユーザに表示してもよい。受付部134は、記憶部132に記憶された識別情報に対するユーザによる直接または間接の指定操作を受け付ける。たとえば、受付部134は、ユーザによって直接指定された識別情報を取得する。または、受付部134は、ユーザによって着信履歴が指定された場合に、指定された着信履歴に対応する識別情報を記憶部132から取得する。受付部134は、取得した識別情報を送信部135へ出力する。
【0026】
送信部135は、受付部134から出力された識別情報を交換機120へ送信する。これにより、電話端末130のユーザは、交換機120から受信した識別情報を指定することで、番号非通知の呼の発信側の電話端末110へ要求信号を送信することができる。また、電話端末110のユーザは、過去に番号非通知で発信を行った電話端末130から要求信号が送信されたことを知ることができる。このため、電話端末130のユーザは、番号非通知の発信をしてきた電話端末110のユーザと連絡をとることが可能になる。
【0027】
実施の形態1においては、電話端末130は、ユーザ操作によって指定された識別情報を含む再発信要求信号を送信する。再発信要求信号は、発信側の電話端末110から着信側の電話端末130への再発信を要求する要求信号である。これに対して、交換機120は、電話端末110に対して再発信要求信号を送信する。これにより、電話端末110のユーザは、電話端末130のユーザが再発信を要求していることを知ることができる。
【0028】
これにより、電話端末110のユーザが電話端末130へ再度発信を行うことで、電話端末130のユーザは、電話端末110のユーザと連絡をとることができる。また、電話端末110からの再発信は番号非通知で行うこともできるため、電話端末110のユーザは電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0029】
(通信システムの具体例)
図2は、通信システムの具体例を示す図である。図2に示す通信システム200は、図1に示した通信システム100の具体例である。通信システム200は、無線通信を介して通話を行うシステムである。具体的には、通信システム200は、携帯電話210と、基地局220と、交換局230と、基地局240と、携帯電話250と、を含む。
【0030】
携帯電話210は、図1に示した電話端末110に対応する。携帯電話210は、基地局220のセルに位置しており、基地局220を介して交換局230と通信を行う。基地局220は、携帯電話210と交換局230との間の通信を中継する。携帯電話210と基地局220との間は無線によって通信が行われる。基地局220と交換局230との間は有線によって通信が行われる。
【0031】
交換局230は、図1に示した交換機120に対応する。交換局230は、基地局220を介して携帯電話210と通信を行う。また、交換局230は、基地局240を介して携帯電話250と通信を行う。たとえば、交換局230は、基地局220や基地局240と直接通信を行う。または、交換局230は、他の通信装置を介して基地局220や基地局240と通信を行ってもよい。
【0032】
基地局240は、交換局230と携帯電話250との間の通信を中継する。交換局230と基地局240との間は有線によって通信が行われる。基地局240と携帯電話250との間は無線によって通信が行われる。携帯電話250は、図1に示した電話端末130に対応する。携帯電話250は、基地局240のセルに位置しており、基地局240を介して交換局230と通信を行う。
【0033】
携帯電話210および携帯電話250は、たとえば加入者情報などが記憶されているUSIM(Universal Subscriber Identity Module)を備えている。USIMには、たとえば、加入者ごとに固有の識別子であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)や加入者の電話番号などが記憶されている。
【0034】
携帯電話210や携帯電話250の電源を入れると、交換局230との間で位置登録処理が行われる。このとき、位置登録処理する携帯電話のIMSIに対して、一時的な識別子としてTMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)が交換局230から割り当てられる。TMSIは、交換局230がカバーするエリアを外れるか、電源を切るか、TMSIの有効期間が切れるまで有効である。交換局230では、加入者情報として、IMSIと電話番号とTMSIを対応付けて記録している(図3参照)。
【0035】
ここでは、携帯電話210の電話番号を「#A」とする。また、携帯電話210のTMSIを「T1」とする。また、携帯電話210のIMSIを「I1」とする。また、携帯電話250の電話番号を「#B」とする。また、携帯電話250のTMSIを「T2」とする。また、携帯電話250のIMSIを「I2」とする。
【0036】
図2に示した通信システム200において、携帯電話210が、交換局230に対して、電話番号「#B」を着信側に指定した番号非通知の呼を要求したとする。これに対して、交換局230は、携帯電話210を発信側とし、携帯電話250を着信側とする呼の制御を行うとともに、制御を行う呼の識別情報としてリンクIDを生成する。ここではリンクID「#0002」が生成されたとする。交換局230は、リンクID「#0002」を携帯電話210と対応付けて記憶する。また、交換局230は、リンクID「#0002」を携帯電話250へ送信する。
【0037】
携帯電話250は、交換局230から受信したリンクID「#0002」を着信履歴と対応付けて記憶する。また、携帯電話250は、リンクID「#0002」の指定操作をユーザから受け付けると、リンクID「#0002」を含む要求信号を交換局230へ送信する。携帯電話250から交換局230への要求信号の送信は、たとえばSS(Supplementary Services)などを用いて行うことができる。
【0038】
交換局230は、携帯電話250から送信された要求信号に含まれるリンクID「#0002」を取得し、取得したリンクID「#0002」に対応付けて記憶した携帯電話210を検索する。そして、交換局230は、携帯電話250の電話番号「#B」を含む要求信号を携帯電話210へ送信する。交換局230から携帯電話210への要求信号の送信は、たとえばSSなどを用いて行うことができる。携帯電話210は、交換局230から送信された要求信号に基づく通知をユーザに行う。
【0039】
(交換局に記憶される通話記録)
図3は、交換局に記憶される情報の一例を示す図である。図3に示すように、交換局230のメモリ300には、加入者情報310と、通話記録321,322,…と、が記憶されている。加入者情報310は、加入者の電話端末ごとに、IMSIと、TMSIと、電話番号と、を対応付けている。
【0040】
たとえば、加入者情報310において、携帯電話210については、IMSI「I1」と、TMSI「T1」と、電話番号「#A」と、が対応付けられている。また、加入者情報310において、携帯電話250については、IMSI「I2」と、TMSI「T2」と、電話番号「#B」と、が対応付けられている。
【0041】
通話記録321,322,…は、図1に示した記憶部122に記憶される対応情報に対応する。通話記録321は、携帯電話210(IMSI「I1」)の通話記録である。通話記録322は、携帯電話250(IMSI「I2」)の通話記録である。このように、交換局230は、対応情報を電話端末ごとに記憶する。通話記録321,322,…のそれぞれは、記録番号(No.)と、通話の種別(発信または着信)と、通話先番号と、リンクIDと、を対応付ける対応情報である。
【0042】
図2に示した例では、携帯電話210を発信側とし、携帯電話250を着信側とする番号非通知の呼の制御が行われたため、通話記録321には、種別が「発信」、通話先番号が「#B」(非通知)、リンクIDが「#0002」の記録(No.m)が含まれている。また、通話記録322には、種別が「着信」、通話先番号が「#A」(非通知)、リンクIDが「#0002」の記録(No.n+1)が含まれている。
【0043】
また、携帯電話250は、携帯電話210からの着信の前に、電話番号「#C」の電話端末に発信を行ったとする。このため、通話記録322には、種別が「発信」、通話先番号が「#C」、リンクIDが「#0001」の記録(No.n)が含まれている。なお、ここでは番号通知および番号非通知の呼ごとにリンクIDを生成する場合について説明したが、番号通知の呼についてはリンクID(識別情報)を生成しなくてもよい。
【0044】
(着信側の携帯電話に記憶される着信履歴情報)
図4は、着信側の携帯電話に記憶される着信履歴情報の一例を示す図である。着信側の携帯電話250のメモリには、たとえば図4に示す着信履歴情報400が記憶される。着信履歴情報400においては、携帯電話250の着信ごとに、発信元電話番号、着信時間および着信種別を含む履歴情報と、リンクIDと、が対応付けられている。ただし、着信履歴情報400において、番号非通知の着信については発信元電話番号は記憶されない。
【0045】
(通信システムの動作)
図5は、発信側の携帯電話の発信操作に基づく通信システムの動作の一例(不在着信時)を示すシーケンス図である。携帯電話210および携帯電話250は、それぞれ基地局220および基地局240を介して交換局230と通信を行うが(図2参照)、ここでは基地局220および基地局240の図示を省略する(以下のシーケンス図においても同様)。図5に示すように、まず、携帯電話210が、携帯電話250を着信側とする番号非通知の発信操作をユーザから受け付ける(ステップS501)。
【0046】
つぎに、携帯電話210が、ステップS501によって受け付けた発信操作に基づく呼設定メッセージ(SET UP)を交換局230へ送信する(ステップS502)。ステップS502によって送信される呼設定メッセージには、たとえば着信側(携帯電話250)の電話番号と、発信側(携帯電話210)のTMSIと、が含まれている。
【0047】
つぎに、交換局230が、ステップS502によって送信された呼設定メッセージによって要求された呼に固有のリンクIDを生成する(ステップS503)。ここではリンクID「#0002」が生成されたとする。つぎに、交換局230が、ステップS503によって生成されたリンクIDと、発信側(携帯電話210)と、の対応情報を記憶する(ステップS504)。
【0048】
つぎに、交換局230が、ステップS502によって送信された呼設定メッセージに対する呼設定受付メッセージ(CALL PROCEEDING)を携帯電話210へ送信する(ステップS505)。また、交換局230が、ステップS502によって送信された呼設定メッセージに含まれる電話番号に基づいて、携帯電話250へ呼設定メッセージを送信する(ステップS506)。また、交換局230は、ステップS506において送信する呼設定メッセージに、ステップS503によって生成されたリンクIDを含める。
【0049】
つぎに、携帯電話250が、ステップS506によって送信された呼設定メッセージに対する発信確認メッセージ(CALL CONFIRMED)を交換局230へ送信する(ステップS507)。つぎに、携帯電話250が、携帯電話250のユーザに対する呼び出しを開始することを示す呼出メッセージ(ALERTING)を交換局230へ送信する(ステップS508)。
【0050】
つぎに、交換局230が、ステップS508によって交換局230へ送信された呼出メッセージを携帯電話210へ送信する(ステップS509)。これにより、携帯電話210において、携帯電話250がユーザを呼び出し中である旨が携帯電話210のユーザに通知される。たとえば、携帯電話250は、着信側で呼び出しを行っていることを示す音声を再生する。つぎに、携帯電話250が、呼び出しを開始する(ステップS510)。ステップS510においては、たとえば、携帯電話250は、呼び出し音を再生したり、バイブレータを振動させたりする。
【0051】
ここでは、携帯電話250のユーザが応答操作を行わずに、携帯電話210が切断操作をユーザから受け付けたとする(ステップS511)。つぎに、携帯電話210が、切断メッセージ(DISCONNECT)を交換局230へ送信する(ステップS512)。つぎに、交換局230が、切断メッセージを携帯電話250へ送信する(ステップS513)。また、交換局230が、解放メッセージ(RELEASE)を携帯電話210へ送信する(ステップS514)。つぎに、携帯電話210が、解放完了メッセージ(RELEASE COMPLETE)を交換局230へ送信する(ステップS515)。
【0052】
また、携帯電話250が、ステップS513によって送信された切断メッセージに応じて呼び出しを停止する(ステップS516)。つぎに、携帯電話250が、解放メッセージを交換局230へ送信する(ステップS517)。つぎに、交換局230が、解放完了メッセージを携帯電話250へ送信する(ステップS518)。
【0053】
つぎに、携帯電話250が、ステップS506によって送信された呼設定メッセージに含まれるリンクID「#0002」を、呼設定メッセージに基づく着信履歴と対応付けて記憶し(ステップS519)、一連の動作を終了する。これにより、携帯電話250は、着信履歴(不在着信)と、着信履歴に対応する呼を交換局230に対して指定できるリンクID「#0002」と、を対応付けて記憶することができる。
【0054】
なお、交換局230による携帯電話250へのリンクID「#0002」の送信は、ステップS506に限らない。たとえば、交換局230は、ステップS513によって送信する切断メッセージとともにリンクID「#0002」を送信してもよい。また、交換局230は、ステップS518によって送信する解放完了メッセージとともにリンクID「#0002」を送信してもよい。
【0055】
また、携帯電話250による着信履歴と対応付けたリンクID「#0002」の記憶は、ステップS519に限らず、交換局230からリンクID「#0002」を受信した後であればよい。たとえば、携帯電話250は、ステップS506によってリンクID「#0002」を含む呼設定メッセージを受信した直後に着信履歴と対応付けたリンクID「#0002」を記憶してもよい。
【0056】
このように、携帯電話210から携帯電話250への呼が不在着信となった場合に着信履歴と対応付けたリンクID「#0002」を記憶する。これにより、携帯電話250のユーザは、たとえば、応答できなかった番号非通知の呼を指定して、発信側に信号を送信し、携帯電話210のユーザと連絡をとることが可能になる。
【0057】
図6は、発信側の携帯電話の発信操作に基づく通信システムの動作の一例(着信応答時)を示すシーケンス図である。図6に示すステップS601〜S610は、図5に示したステップS501〜S510と同様である。ステップS610のつぎに、ここでは、携帯電話250が応答操作をユーザから受け付けたとする(ステップS611)。
【0058】
つぎに、携帯電話250が、接続メッセージ(CONNECT)を交換局230へ送信する(ステップS612)。つぎに、交換局230が、接続メッセージを携帯電話210へ送信する(ステップS613)。つぎに、携帯電話210が、接続応答メッセージ(CONNECT ACK)を交換局230へ送信する(ステップS614)。つぎに、交換局230が、接続応答メッセージを携帯電話250へ送信する(ステップS615)。
【0059】
つぎに、携帯電話210と携帯電話250との間で通話が行われる(ステップS616)。つぎに、携帯電話210が切断操作をユーザから受け付けたとする(ステップS617)。図6に示すステップS618〜S625は、図5に示したステップS512〜S519と同様である。これにより、携帯電話250は、着信履歴(着信応答)と、着信履歴に対応する呼を交換局230に対して指定できるリンクID「#0002」と、を対応付けて記憶することができる。
【0060】
このように、携帯電話210からの発信に携帯電話250が応答した場合においても、着信履歴と対応付けたリンクID「#0002」を記憶するようにしてもよい。これにより、携帯電話250のユーザは、たとえば、番号非通知の発信に応答して通話し、呼が切断された後においても、通話を行った番号非通知の呼を指定して発信側に信号を送信し、携帯電話210のユーザと連絡をとることが可能になる。また、携帯電話250のユーザは、たとえば、番号非通知の発信に応答したがその直後に呼が切断されてしまった場合においても、切断された番号非通知の呼を指定して発信側に信号を送信し、携帯電話210のユーザと連絡をとることが可能になる。
【0061】
また、ここでは携帯電話210において切断操作を受け付けた場合について説明したが、携帯電話250において切断操作を受け付けた場合においても同様に、着信履歴と対応付けたリンクID「#0002」を記憶するようにしてもよい。
【0062】
図7は、着信側の再発信要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図7に示す各ステップの前に、図5または図6の動作によって、リンクID「#0002」と対応付けられた着信履歴が携帯電話250に記憶されているとする。まず、携帯電話250が、リンクID「#0002」に対応する着信履歴を指定した再発信要求の操作をユーザから受け付ける(ステップS701)。
【0063】
つぎに、携帯電話250が、再発信要求信号を交換局230へ送信する(ステップS702)。ステップS702によって送信される再発信要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」と、ステップS701において指定された着信履歴に対応するリンクID「#0002」と、が含まれる。
【0064】
つぎに、交換局230が、ステップS702によって送信された再発信要求信号に含まれるリンクID「#0002」に対応する電話端末を通話記録(図3の通話記録321,322…)に基づいて検索する(ステップS703)。これにより、携帯電話210が検索される。たとえば、交換局230は、再発信要求信号に含まれるTMSI「T2」(識別子)と加入者情報(図3の310)から、対応するIMSI「I2」の通話記録(図3の通話記録322)を取得し、取得した通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索してもよい。これにより、リンクID「#0002」に対応する電話端末を高速に検索することができる。
【0065】
つぎに、交換局230が、ステップS703によって検索された携帯電話210へ再発信要求信号を送信する(ステップS704)。ステップS704によって送信される再発信要求信号には、要求元特定情報として着信側(携帯電話250)の電話番号「#B」が含まれる。つぎに、携帯電話210が、ステップS704によって送信された再発信要求信号に対する受信確認信号を交換局230へ送信する(ステップS705)。
【0066】
つぎに、交換局230が、ステップS705によって携帯電話210から送信された受信確認信号を携帯電話250へ送信する(ステップS706)。つぎに、携帯電話250が、再発信要求が完了したことをユーザへ通知する(ステップS707)。ステップS707による通知は、たとえば画面表示や音声再生などによって行われる。
【0067】
携帯電話210は、ステップS704によって送信された再発信要求信号に含まれる電話番号「#B」の携帯電話250からの再発信要求があったことをユーザへ通知し(ステップS708)、一連の動作を終了する。ステップS708による通知は、たとえば画面表示や音声再生などによって行われる。これにより、携帯電話210のユーザは、携帯電話250に対する番号非通知の発信操作を再度行うことで、番号非通知のまま携帯電話250のユーザと連絡をとることが可能になる。
【0068】
なお、ステップS702によって送信される再発信要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」を含めなくてもよい。この場合も、交換局230は、ステップS703において、各IMSIに対応する通話記録(図3の通話記録321,322…)を取得し、取得した各通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索することができる。
【0069】
また、ステップS704によって送信される再発信要求信号には、携帯電話250の電話番号「#B」を含めなくてもよい。この場合は、携帯電話210は、過去に行った番号非通知の発信に対する再発信要求があったことをユーザへ通知する。これにより、携帯電話210のユーザは、過去に番号非通知の発信を行った携帯電話に対する番号非通知の発信操作を再度行うことで、過去に番号非通知の発信を行った携帯電話のユーザと番号非通知のまま連絡をとることが可能になる。
【0070】
(画面表示例)
図8は、着信側の携帯電話に表示される着信履歴画面の一例を示す図である。図8に示す着信履歴画面800は、図4に示した着信履歴情報400に基づいて携帯電話250の画面に表示される着信履歴画面である。図7に示したステップS701において、ユーザは、たとえば、着信履歴画面800に表示された各着信履歴の中から、番号非通知で不在着信となった着信履歴810をカーソル移動などで選択する。
【0071】
そして、ユーザは、着信履歴810を選択した状態で、再発信要求ボタン820を指定する(再発信要求の操作)。これにより、携帯電話250は、図7に示したステップS702において、着信履歴810に対応付けられたリンクID「#0002」(図4参照)を含む再発信要求信号を交換局230へ送信する。
【0072】
図9は、着信側の携帯電話における再発信要求に対する結果表示の一例を示す図である。図7に示したステップS707において、携帯電話250は、たとえばメッセージボックス910を画面に表示する。メッセージボックス910は、再発信要求が完了した旨のメッセージを示す。これにより、携帯電話250のユーザは、指定した番号非通知の着信に関する再発信要求が完了したことを確認することができる。また、ユーザがメッセージボックス910のOKボタン911を指定すると、携帯電話250は、メッセージボックス910を非表示にし、着信履歴画面800を再度表示する。
【0073】
図10は、発信側の携帯電話に表示される再発信要求画面の一例を示す図である。図7に示したステップS708において、携帯電話210は、メッセージボックス1010と、再発信ボタン1021と、無視ボタン1022と、を含む再発信要求画面1000を画面に表示する。メッセージボックス1010は、電話番号「#B」の電話端末から再発信要求があった旨のメッセージを示す。これに対して、携帯電話210のユーザは、再発信ボタン1021および無視ボタン1022のいずれかを指定する操作を行う。
【0074】
携帯電話210は、ユーザによる再発信ボタン1021の指定操作を受け付けると、携帯電話250に対する発信を再度行う。これにより、携帯電話210および携帯電話250の各ユーザが互いに連絡をとることができる。このとき、携帯電話210は、携帯電話250に対する発信を番号非通知で行ってもよい。これにより、携帯電話210のユーザは、番号非通知のまま携帯電話250のユーザと連絡をとることができる。
【0075】
また、携帯電話210は、無視ボタン1022の指定操作を受け付けると、携帯電話250に対する再度の発信を行わない。これにより、携帯電話210のユーザが希望しない場合には、携帯電話250に対する再度の発信を拒否することが可能になる。
【0076】
また、再発信要求画面1000には、再発信ボタン1021および無視ボタン1022が含まれていなくてもよい。この場合においても、携帯電話210のユーザは、メッセージボックス1010に表示された電話番号「#B」を指定した発信操作を再度行うことで、携帯電話250のユーザと連絡をとることができる。
【0077】
このように、実施の形態1にかかる通信システム100によれば、番号非通知の呼の着信側の電話端末130のユーザは、交換機120から受信した識別情報の指定操作を行うことで、発信側の電話端末110へ要求信号を送信することができる。これにより、過去における番号非通知の呼の着信側のユーザが発信側のユーザと連絡をとることが可能になる。このため、番号非通知の発着信の利便性を向上させることができる。
【0078】
具体的には、電話端末130のユーザは、電話端末110へ再発信要求信号を送信することで、電話端末110のユーザに対して電話端末130への再発信を要求することができる。これにより、電話端末110のユーザが電話端末130への再発信を行い、電話端末110と電話端末130の各ユーザの間で連絡をとることができる。
【0079】
また、電話端末110へ送信する再発信要求信号に電話端末130を特定可能な要求元特定情報を含めることで、電話端末110のユーザは、再発信要求の要求元が電話端末130であることを知ることができる。これにより、電話端末110のユーザは、確実に再発信要求の要求元に対して再発信を行うことができる。
【0080】
(実施の形態2)
(通信システムの構成)
図11は、実施の形態2にかかる通信システムを示すブロック図である。図11において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すように、実施の形態2にかかる電話端末110は、図1に示した構成に加えて、受付部1111と、送信部1112と、を備えている。また、実施の形態2にかかる交換機120は、図1に示した構成に加えて、第二受信部1121と、通知部1122と、を備えている。また、実施の形態2にかかる電話端末130は、図1に示した構成に加えて、第二受信部1131と、通知部1132と、を備えている。
【0081】
電話端末130の受付部134は、記憶部132に記憶された識別情報を指定した番号通知要求の操作をユーザから受け付ける。番号通知要求は、指定された識別情報に対応する呼について、発信側(電話端末110)の電話番号の電話端末130への通知の要求である。受付部134は、番号通知要求の操作において指定された識別情報を送信部135へ出力する。送信部135は、受付部134から出力された識別情報を含む番号通知要求信号を交換機120へ送信する。
【0082】
交換機120の受信部124は、電話端末130から送信された番号通知要求信号を受信する。受信部124は、受信した番号通知要求信号を検索部125へ出力する。また、受信部124は、受信した番号通知要求信号の送信元の電話端末130を特定可能な要求元特定情報を第二送信部126へ出力してもよい。
【0083】
検索部125は、受信部124から出力された番号通知要求信号に含まれる識別情報に対応する電話端末を、記憶部122に記憶された対応情報から検索する。検索部125は、検索した電話端末を第二送信部126へ通知する。第二送信部126は、検索部125から通知された電話端末へ番号通知要求信号を送信する。また、第二送信部126は、受信部124から出力された要求元特定情報を番号通知要求信号に含めてもよい。
【0084】
電話端末110の受信部111は、交換機120から送信された番号通知要求信号を受信する。受信部111は、受信した番号通知要求信号を通知部112へ出力する。通知部112は、受信部111から出力された番号通知要求信号に基づく番号通知要求を電話端末110のユーザへ通知する。また、通知部112は、番号通知要求信号に要求元特定情報が含まれている場合は、要求元特定情報をユーザへ通知してもよい。これにより、ユーザは、番号通知要求の要求元を知ることができる。
【0085】
受付部1111は、通知部112によって通知された番号通知要求に対するユーザからの操作を受け付ける。受付部1111は、ユーザから受け付けた操作を示す操作結果信号を送信部1112へ出力する。たとえば、操作結果信号は、電話端末130への番号通知を許可するか否かを示す信号である。送信部1112は、受付部1111から出力された操作結果信号を交換機120へ送信する。
【0086】
交換機120の第二受信部1121は、電話端末110から送信された操作結果信号を受信する。第二受信部1121は、受信した操作結果信号を通知部1122へ出力する。通知部1122は、第二受信部1121から出力された操作結果信号に基づいて、電話端末110の電話番号の電話端末130への通知を行う。
【0087】
具体的には、通知部1122は、第二受信部1121から番号通知を許可する旨の操作結果信号が出力された場合は、電話端末110の電話番号を含む結果信号を電話端末130へ送信する。また、通知部1122は、第二受信部1121から番号通知を許可しない旨の操作結果信号が出力された場合は、番号通知が許可されなかった旨の結果信号を電話端末130へ送信する。
【0088】
電話端末130の第二受信部1131は、交換機120から送信された結果信号を受信する。第二受信部1131は、受信した結果信号を通知部1132へ出力する。通知部1132は、第二受信部1131から出力された結果信号が示す情報をユーザへ通知する。具体的には、通知部1132は、電話端末110の電話番号を含む結果信号が第二受信部1131から出力された場合は、結果信号に含まれる電話番号をユーザへ通知する。また、通知部1132は、番号通知が許可されなかった旨の結果信号が第二受信部1131から出力された場合は、番号通知が許可されなかった旨をユーザへ通知する。
【0089】
これにより、電話端末110のユーザが電話端末130への番号通知を許可した場合は、電話端末130のユーザは、電話端末110の電話番号を取得して電話端末110に発信し、電話端末110のユーザと連絡をとることができる。また、電話端末110のユーザが電話端末130への番号通知を許可しなかった場合でも、電話端末110のユーザは、電話端末130のユーザから番号通知要求があったことを知ることができる。このため、電話端末130へ再度発信して電話端末130のユーザと連絡をとることができる。また、電話端末110からの再発信は番号非通知で行うこともできるため、電話端末110のユーザは電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0090】
(通信システムの具体例等)
実施の形態2にかかる通信システム100の具体例については、図2に示した具体例と同様である。また、実施の形態2にかかる交換局230のメモリに記憶される情報の例については、図3に示した例と同様である。また、実施の形態2にかかる着信側の携帯電話250に記憶される着信履歴情報の例については、図4に示した例と同様である。
【0091】
(通信システムの動作)
実施の形態2にかかる発信側の携帯電話210の発信操作に基づく通信システムの動作の例については、図5または図6に示した例と同様である。
【0092】
図12は、着信側の番号通知要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図12に示す各ステップの前に、図5または図6の動作によって、リンクID「#0002」と対応付けられた着信履歴が携帯電話250に記憶されているとする。まず、携帯電話250が、リンクID「#0002」に対応する着信履歴を指定した番号通知要求の操作をユーザから受け付ける(ステップS1201)。
【0093】
つぎに、携帯電話250が、番号通知要求信号を交換局230へ送信する(ステップS1202)。ステップS1202によって送信される番号通知要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」と、ステップS1201において指定された着信履歴に対応するリンクID「#0002」と、が含まれる。
【0094】
つぎに、交換局230が、ステップS1202によって送信された番号通知要求信号に含まれるリンクID「#0002」に対応する電話端末を通話記録(図3の通話記録321,322…)に基づいて検索する(ステップS1203)。これにより、携帯電話210が検索される。たとえば、交換局230は、番号通知要求信号に含まれるTMSI「T2」(識別子)と加入者情報(図3の加入者情報310)から、対応するIMSI「I2」の通話記録(図3の通話記録322)を取得し、取得した通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索してもよい。これにより、リンクID「#0002」に対応する電話端末を高速に検索することができる。
【0095】
つぎに、交換局230が、ステップS1203によって検索された携帯電話210へ番号通知要求信号を送信する(ステップS1204)。ステップS1204によって送信される番号通知要求信号には、携帯電話250の電話番号「#B」と、リンクID「#0002」と、が含まれる。
【0096】
つぎに、携帯電話210が、ステップS1204によって送信された番号通知要求信号に基づいて、番号通知要求に対する操作をユーザから受け付ける(ステップS1205)。つぎに、携帯電話210が、ステップS1205によって受け付けた操作を示す操作結果信号を交換局230へ送信する(ステップS1206)。ここでは、番号通知を許可する旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明する。ステップS1206によって送信される操作結果信号には、ステップS1205によって受け付けた操作の結果(許可)と、着信側の電話番号「#B」と、リンクID「#0002」と、が含まれる。
【0097】
つぎに、交換局230が、ステップS1206によって送信された操作結果信号に基づく結果信号を携帯電話250へ送信する(ステップS1207)。ここで、交換局230は、操作結果信号に含まれる電話番号「#B」およびリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を高速に特定することができる。ここでは、番号通知を許可する旨の操作結果信号が送信されたため、交換局230は、番号通知を許可する旨の結果と、発信側(携帯電話210)の電話番号「#A」と、リンクID「#0002」と、を含む結果信号を携帯電話250へ送信する。
【0098】
つぎに、携帯電話250が、ステップS1207によって送信された結果信号に含まれる発信側(携帯電話210)の電話番号「#A」をユーザへ通知し(ステップS1208)、一連の動作を終了する。これにより、携帯電話210のユーザは、携帯電話210の電話番号「#A」を知ることができるため、携帯電話210へ発信を行うことで携帯電話210のユーザと連絡をとることが可能になる。
【0099】
なお、ステップS1202によって送信される番号通知要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」を含めなくてもよい。この場合も、交換局230は、ステップS1203において、各IMSIに対応する通話記録(図3の通話記録321,322…)を取得し、取得した各通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索することができる。
【0100】
また、ステップS1204によって送信される番号通知要求信号には、携帯電話250の電話番号「#B」を含めなくてもよい。この場合も、携帯電話210のユーザは、たとえば、最近行った番号非通知の発信の数が少ない場合(たとえば1回)には、番号非通知を許可するか否かを判断してステップS1205における操作を行うことができる。また、携帯電話210のユーザは、最近行った番号非通知の発信のいずれについても番号通知を許可してよいと判断する場合にも、番号通知を許可する旨の操作を行うことができる。
【0101】
また、ステップS1206によって送信される操作結果信号には、携帯電話250の電話番号「#B」を含めなくてもよい。この場合も、交換局230は、ステップS1206によって送信された操作結果信号に含まれるリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を特定することができる。
【0102】
ステップS1206において番号通知を許可する旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明したが、ステップS1206において番号通知を許可しない旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明する。この場合は、ステップS1207において、交換局230は、番号通知を許可しない旨の結果を含む結果信号を携帯電話250へ送信する。また、ステップS1208においては、携帯電話250は、番号通知が許可されなかった旨をユーザへ通知する。
【0103】
(画面表示例)
図13は、着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。図13において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すように、携帯電話250は、図8に示した再発信要求ボタン820に代えて番号通知要求ボタン1310を含む着信履歴画面800を表示する。
【0104】
図12に示したステップS1201において、ユーザは、カーソル移動などによって着信履歴810を選択した状態で、番号通知要求ボタン1310を指定する(番号通知要求の操作)。これにより、携帯電話250は、図12に示したステップS1202において、着信履歴810に対応付けられたリンクID「#0002」(図4参照)を含む番号通知要求信号を交換局230へ送信する。
【0105】
図14は、発信側の携帯電話に表示される番号通知要求画面の一例を示す図である。図12に示したステップS1205において、携帯電話210の画面には番号通知要求画面1400が表示される。番号通知要求画面1400は、メッセージボックス1410と、許可ボタン1421と、拒否ボタン1422と、を含む。メッセージボックス1410は、電話番号「#B」の電話端末から番号通知要求があった旨のメッセージを示す。
【0106】
これに対して、携帯電話210のユーザは、許可ボタン1421および拒否ボタン1422のいずれかを指定する操作を行う。許可ボタン1421が指定されると、携帯電話210は、図12に示したステップS1206において、番号通知を許可する旨の操作結果信号を交換局230へ送信する。また、拒否ボタン1422が指定されると、携帯電話210は、図12に示したステップS1206において、番号通知を許可しない旨の操作結果信号を交換局230へ送信する。
【0107】
図15は、着信側の携帯電話における番号通知要求に対する結果表示(通知許可)の一例を示す図である。図15において、図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示したステップS1206において、番号通知を許可する旨の操作結果信号が交換局230へ送信された場合は、携帯電話250は、ステップS1208においてメッセージボックス1510を表示する。メッセージボックス1510においては、要求結果として携帯電話210の電話番号「#A」が表示される。
【0108】
これにより、携帯電話250のユーザは、指定した番号非通知の発信側の電話番号を知ることができる。また、ユーザがOKボタン1511を指定すると、携帯電話250は、メッセージボックス1510を非表示にし、着信履歴画面800を再度表示する。また、携帯電話250において、表示した電話番号をユーザが指定することによって表示した電話番号に対する発信を行うようにしてもよい。これにより、携帯電話210への発信操作を容易にすることができる。
【0109】
図16は、着信側の携帯電話における番号通知要求に対する結果表示(通知不許可)の一例を示す図である。図15において、図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示したステップS1206において、番号通知を許可しない旨の操作結果信号が交換局230へ送信された場合は、携帯電話250は、ステップS1208において、メッセージボックス1610を表示する。
【0110】
メッセージボックス1610においては、要求結果として携帯電話210の電話番号を確認できなかった旨が表示される。これにより、携帯電話250のユーザは、携帯電話210のユーザが番号通知を許可しなかったことを知ることができる。また、ユーザがOKボタン1611を指定すると、携帯電話250は、メッセージボックス1610を非表示にし、着信履歴画面800を再度表示する。
【0111】
このように、実施の形態2にかかる通信システム100によれば、番号非通知の呼の着信側の電話端末130のユーザは、電話端末110へ番号通知要求信号を送信することで、電話端末110のユーザに電話端末130への番号通知を要求することができる。これにより、電話端末130のユーザは、電話端末110の電話番号を取得し、取得した電話番号に発信することで電話端末110のユーザと連絡をとることができる。このため、番号非通知の発着信の利便性を向上させることができる。
【0112】
たとえば、電話端末110のユーザが番号非通知を意図せず番号非通知での発信を行った場合は、電話端末130への番号通知を許可すると考えられる。電話端末110のユーザが番号非通知を意図せず番号非通知での発信を行った場合とは、たとえば、電話端末110にデフォルトで番号非通知が設定されており、電話端末110のユーザが番号非通知を解除する操作(特番「186」の指定など)を忘れて発信を行った場合などである。
【0113】
また、電話端末110のユーザは、電話端末130への番号通知を希望しない場合には、電話端末130への番号通知を許可しないこともできる。このため、電話端末110のユーザが希望しないにも関わらず電話端末110の電話番号が電話端末130へ通知されることを回避することができる。
【0114】
また、電話端末110のユーザが電話端末130への番号通知を許可しなかった場合でも、電話端末110のユーザは、電話端末130のユーザから番号通知要求があったことを知ることができる。このため、電話端末130へ再度発信して電話端末130のユーザと連絡をとることもできる。また、電話端末110からの再発信は番号非通知で行うこともできるため、電話端末110のユーザは電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0115】
また、電話端末110へ送信する番号通知要求信号に電話端末130を特定可能な要求元特定情報を含めることで、電話端末110のユーザは、番号通知要求の要求元が電話端末130であることを知ることができる。これにより、電話端末110のユーザは、番号通知要求の要求元を確認した上で番号通知の許可/不許可の判断を行うことができる。
【0116】
(実施の形態3)
(通信システムの構成)
図17は、実施の形態3にかかる通信システムを示すブロック図である。図17において、図11に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態3にかかる交換機120は、図11に示した通知部1122に代えて呼制御部1721を備えている。
【0117】
電話端末130の受付部134は、記憶部132に記憶された識別情報を指定した発信許可要求の操作をユーザから受け付ける。発信許可要求は、指定された識別情報に対応する番号非通知の呼について、着信側の電話端末から発信側の電話番号への発信の許可の要求である。受付部134は、発信許可要求の操作において指定された識別情報を送信部135へ出力する。送信部135は、受付部134から出力された識別情報を含む発信許可要求信号を交換機120へ送信する。
【0118】
交換機120の受信部124は、電話端末130から送信された発信許可要求信号を受信する。受信部124は、受信した発信許可要求信号を検索部125へ出力する。また、受信部124は、受信した発信許可要求信号の送信元の電話端末130を特定可能な要求元特定情報を第二送信部126へ出力してもよい。
【0119】
検索部125は、受信部124から出力された発信許可要求信号に含まれる識別情報に対応する電話端末を、記憶部122に記憶された対応情報から検索する。検索部125は、検索した電話端末を第二送信部126へ通知する。第二送信部126は、検索部125から通知された電話端末へ発信許可要求信号を送信する。また、第二送信部126は、受信部124から出力された要求元特定情報を発信許可要求信号に含めてもよい。
【0120】
電話端末110の受信部111は、交換機120から送信された発信許可要求信号を受信する。受信部111は、受信した発信許可要求信号を通知部112へ出力する。通知部112は、受信部111から出力された発信許可要求信号に基づく発信許可要求を電話端末110のユーザへ通知する。また、通知部112は、発信許可要求信号に要求元特定情報が含まれている場合は、要求元特定情報をユーザへ通知してもよい。これにより、ユーザは、発信許可要求の要求元を知ることができる。
【0121】
受付部1111は、通知部112によって通知された発信許可要求に対するユーザからの操作を受け付ける。受付部1111は、ユーザから受け付けた操作を示す操作結果信号を送信部1112へ出力する。たとえば、操作結果信号は、電話端末130から電話端末110への発信を許可するか否かを示す信号である。送信部1112は、受付部1111から出力された操作結果信号を交換機120へ送信する。
【0122】
交換機120の第二受信部1121は、電話端末110から送信された操作結果信号を受信する。第二受信部1121は、受信した操作結果信号を呼制御部1721へ出力する。呼制御部1721は、第二受信部1121から出力された操作結果信号に基づいて、電話端末130を発信側とし、電話端末110を着信側とする呼の制御を行う。
【0123】
具体的には、呼制御部1721は、第二受信部1121から発信を許可する旨の操作結果信号が出力された場合は、電話端末130を発信側とし、電話端末110を着信側とする呼の制御を行う。また、呼制御部1721は、第二受信部1121から発信を許可しない旨の操作結果信号が出力された場合は、呼の制御を行わずに、発信が許可されなかった旨の結果信号を電話端末130へ送信する。
【0124】
これにより、電話端末110のユーザが電話端末110への発信を許可した場合は、電話端末130のユーザは、電話端末110に発信し、電話端末110のユーザと連絡をとることができる。また、この場合は、電話端末130が電話端末110の電話番号を取得しなくても電話端末130から電話端末110への発信を行うことができるため、電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0125】
また、電話端末110のユーザが電話端末110への発信を許可しなかった場合でも、電話端末110のユーザは、電話端末130のユーザから発信許可要求があったことを知ることができる。このため、電話端末130へ再度発信して電話端末130のユーザと連絡をとることができる。また、電話端末110からの再発信は番号非通知で行うこともできるため、電話端末110のユーザは電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0126】
(通信システムの具体例等)
実施の形態3にかかる通信システム100の具体例については、図2に示した具体例と同様である。また、実施の形態3にかかる交換局230のメモリに記憶される情報の例については、図3に示した例と同様である。また、実施の形態3にかかる着信側の携帯電話250に記憶される着信履歴情報の例については、図4に示した例と同様である。
【0127】
(通信システムの動作)
実施の形態3にかかる発信側の携帯電話210の発信操作に基づく通信システムの動作の例については、図5または図6に示した例と同様である。
【0128】
図18は、着信側の発信許可要求に基づく通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図18に示す各ステップの前に、図5または図6の動作によって、リンクID「#0002」と対応付けられた着信履歴が携帯電話250に記憶されているとする。まず、携帯電話250が、リンクID「#0002」に対応する着信履歴を指定した発信許可要求の操作をユーザから受け付ける(ステップS1801)。
【0129】
つぎに、携帯電話250が、発信許可要求信号を交換局230へ送信する(ステップS1802)。ステップS1802によって送信される発信許可要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」と、ステップS1801において指定された着信履歴に対応するリンクID「#0002」と、が含まれる。
【0130】
つぎに、交換局230が、ステップS1802によって送信された発信許可要求信号に含まれるリンクID「#0002」に対応する電話端末を通話記録(図3の通話記録321,322…)に基づいて検索する(ステップS1803)。これにより、携帯電話210が検索される。たとえば、交換局230は、発信許可要求信号に含まれるTMSI「T2」(識別子)と加入者情報(図3の310)から、対応するIMSI「I2」の通話記録(図3の通話記録322)を取得し、取得した通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索してもよい。これにより、リンクID「#0002」に対応する電話端末を高速に検索することができる。
【0131】
つぎに、交換局230が、ステップS1803によって検索された携帯電話210へ発信許可要求信号を送信する(ステップS1804)。ステップS1804によって送信される発信許可要求信号には、携帯電話250の電話番号「#B」と、リンクID「#0002」と、が含まれる。
【0132】
つぎに、携帯電話210が、ステップS1804によって送信された発信許可要求信号に基づいて、発信許可要求に対する操作をユーザから受け付ける(ステップS1805)。つぎに、携帯電話210が、ステップS1805によって受け付けた操作を示す操作結果信号を交換局230へ送信する(ステップS1806)。ここでは、発信を許可する旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明する。ステップS1806によって送信される操作結果信号には、ステップS1805によって受け付けた操作の結果(許可)と、着信側の電話番号「#B」と、リンクID「#0002」と、が含まれる。
【0133】
つぎに、交換局230が、ステップS1806によって送信された操作結果信号に基づく結果信号を携帯電話250へ送信する(ステップS1807)。ここで、交換局230は、操作結果信号に含まれる電話番号「#B」およびリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を高速に特定することができる。ここでは、発信を許可する旨の操作結果信号が送信されたため、交換局230は、発信を許可する旨の結果と、リンクID「#0002」と、を含む結果信号を携帯電話250へ送信する。
【0134】
また、ステップS1807において、交換局230は、ステップS1806によって送信された操作結果信号に含まれるリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を特定することができる。また、交換局230は、ステップS1806によって送信された操作結果信号に含まれる電話番号「#B」およびリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を高速に特定することもできる。
【0135】
つぎに、携帯電話250が、ステップS1807によって送信された結果(許可)に基づいて、呼設定メッセージ(SET UP)を交換局230へ送信する(ステップS1808)。ステップS1808によって送信される呼設定メッセージには、リンクID「#0002」と、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」と、が含まれる。
【0136】
つぎに、交換局230が、ステップS1808によって送信された呼設定メッセージに含まれるリンクID「#0002」に対応する電話端末を通話記録(図3の通話記録321,322…)に基づいて検索する(ステップS1809)。ステップS1809によって携帯電話210が検索される。たとえば、交換局230は、呼設定メッセージに含まれるTMSI「T2」と加入者情報(図3の310)から、対応するIMSI「I2」の通話記録(図3の通話記録321)を取得し、取得した通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索してもよい。これにより、リンクID「#0002」に対応する電話端末を高速に検索することができる。
【0137】
つぎに、交換局230が、ステップS1809によって検索された携帯電話210へ呼設定メッセージを送信する(ステップS1810)。以降、通常の手順により、携帯電話250を発信側とし、携帯電話210を着信側とする呼の制御が行われる。これにより、携帯電話250のユーザは、携帯電話210への発信を行うことができるため、携帯電話210のユーザと連絡をとることができる。
【0138】
なお、ステップS1802によって送信される発信許可要求信号には、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」を含めなくてもよい。この場合も、交換局230は、ステップS1803において、各IMSIに対応する通話記録(図3の通話記録321,322…)を取得し、取得した各通話記録の中からリンクID「#0002」に対応する電話端末を検索することができる。ステップS1808によって送信される呼設定メッセージについても同様である。
【0139】
また、ステップS1804によって送信される発信許可要求信号には、携帯電話250の電話番号「#B」を含めなくてもよい。この場合も、携帯電話210のユーザは、たとえば、最近行った番号非通知の発信の数が少ない場合(たとえば1回)には、発信を許可するか否かを判断してステップS1805における操作を行うことができる。また、携帯電話210のユーザは、最近行った番号非通知の発信のいずれについても発信を許可してよいと判断する場合にも、発信を許可する旨の操作を行うことができる。
【0140】
また、ステップS1806によって送信される操作結果信号には、携帯電話250の電話番号「#B」を含めなくてもよい。この場合も、交換局230は、ステップS1806によって送信された操作結果信号に含まれるリンクID「#0002」と通話記録とに基づいて、結果信号の送信先である携帯電話250を特定することができる。
【0141】
ステップS1806において発信を許可する旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明したが、ステップS1806において発信を許可しない旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明する。この場合は、ステップS1807において、交換局230は、発信を許可しない旨の結果を含む結果信号を携帯電話250へ送信する。つぎに、携帯電話250が、発信が許可されなかった旨をユーザへ通知し一連の動作を終了する。
【0142】
図19は、着信側の発信許可要求に基づく通信システムの動作の他の例を示すシーケンス図である。図19に示すステップS1901〜S1906は、図18に示したステップS1801〜S1806と同様である。ただし、ステップS1902においては、携帯電話250は、発信許可要求信号として呼設定メッセージ(SET UP)を交換局230へ送信する。ステップS1902によって送信される呼設定メッセージには、着信側(携帯電話250)のTMSI「T2」と、ステップS1901において指定された着信履歴に対応するリンクID「#0002」と、が含まれる。
【0143】
これにより、交換局230は、ステップS1901によって携帯電話250からの呼設定メッセージを受信しておくことができるため、携帯電話250からの呼設定メッセージを再度受信しなくても呼制御を行うことができる。具体的には、交換局230は、ステップS1906によって発信を許可する旨の操作結果信号を受信した場合に、ステップS1902によって送信された呼設定メッセージに基づいて、携帯電話210へ呼設定メッセージを送信する(ステップS1907)。
【0144】
これにより、図18に示したステップS1807,S1808に相当する動作を省くことができる。以降、携帯電話250を発信側とし、携帯電話210を着信側とする呼の制御が行われる。これにより、携帯電話250のユーザは、携帯電話210への発信を行うことができるため、携帯電話210のユーザと連絡をとることができる。
【0145】
ステップS1906において発信を許可する旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明したが、ステップS1906において発信を許可しない旨の操作をユーザから受け付けた場合について説明する。この場合は、ステップS1906のつぎに、交換局230が、発信を許可しない旨の結果を含む結果信号を携帯電話250へ送信する。つぎに、携帯電話250が、発信が許可されなかった旨をユーザへ通知し一連の動作を終了する。
【0146】
(画面表示例)
図20は、着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。図20において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図20に示すように、携帯電話250は、図8に示した再発信要求ボタン820に代えて発信許可要求ボタン2010を含む着信履歴画面800を表示する。
【0147】
図18に示したステップS1801において、ユーザは、カーソル移動などによって着信履歴810を選択した状態で、発信許可要求ボタン2010を指定する(発信許可要求の操作)。これにより、携帯電話250は、図18に示したステップS1802において、着信履歴810に対応付けられたリンクID「#0002」(図4参照)を含む発信許可要求信号を交換局230へ送信する。
【0148】
または、図19に示したステップS1901において、ユーザは、カーソル移動などによって着信履歴810を選択した状態で、発信許可要求ボタン2010を指定する(発信許可要求の操作)。これにより、携帯電話250は、図19に示したステップS1902において、着信履歴810に対応付けられたリンクID「#0002」(図4参照)を含む呼設定メッセージを交換局230へ送信する。
【0149】
図21は、発信側の携帯電話に表示される発信許可要求画面の一例を示す図である。図18に示したステップS1805または図19に示したステップS1905において、携帯電話210の画面には発信許可要求画面2100が表示される。発信許可要求画面2100は、メッセージボックス2110と、許可ボタン2121と、拒否ボタン2122と、を含む。メッセージボックス2110は、電話番号「#B」の電話端末から発信許可要求があった旨のメッセージを示す。
【0150】
これに対して、携帯電話210のユーザは、許可ボタン2121および拒否ボタン2122のいずれかを指定する操作を行う。許可ボタン2121が指定されると、携帯電話210は、図18に示したステップS1806または図19に示したステップS1906において、発信を許可する旨の操作結果信号を交換局230へ送信する。また、拒否ボタン2122が指定されると、携帯電話210は、図18に示したステップS1806または図19に示したステップS1906において、発信を許可しない旨の操作結果信号を交換局230へ送信する。
【0151】
このように、実施の形態3にかかる通信システム100によれば、番号非通知の呼の着信側の電話端末130のユーザは、電話端末110へ発信許可要求信号を送信することで、電話端末110のユーザに電話端末110への発信許可を要求することができる。これにより、電話端末130のユーザは、電話端末110に発信することで電話端末110のユーザと連絡をとることができる。このため、番号非通知の発着信の利便性を向上させることができる。
【0152】
また、電話端末110のユーザは、電話端末130からの発信を希望しない場合には、電話端末130からの発信を許可しないこともできる。このため、電話端末110のユーザが希望しないにも関わらず電話端末130から電話端末110へ発信されることを回避することができる。
【0153】
また、電話端末110のユーザが電話端末130からの発信を許可しなかった場合でも、電話端末110のユーザは、電話端末130のユーザから発信要求があったことを知ることができる。このため、電話端末130へ再度発信して電話端末130のユーザと連絡をとることもできる。また、電話端末110からの再発信は番号非通知で行うこともできるため、電話端末110のユーザは電話端末130のユーザに対して番号非通知のまま連絡をとることもできる。
【0154】
また、電話端末110へ送信する発信許可要求信号に電話端末130を特定可能な要求元特定情報を含めることで、電話端末110のユーザは、発信許可要求の要求元が電話端末130であることを知ることができる。これにより、電話端末110のユーザは、発信許可要求の要求元を確認した上で発信の許可/不許可の判断を行うことができる。
【0155】
(着信側のユーザによる要求信号の選択)
図22は、着信側の携帯電話の着信履歴画面の一例を示す図である。図22において、図8、図13または図20に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図22に示すように、携帯電話250は、再発信要求ボタン820、番号通知要求ボタン1310および発信許可要求ボタン2010を含む着信履歴画面800を表示してもよい。ユーザは、カーソル移動などによって着信履歴810を選択した状態で、再発信要求ボタン820、番号通知要求ボタン1310および発信許可要求ボタン2010のいずれかを指定する(要求の選択操作)。
【0156】
ユーザが再発信要求ボタン820を指定した場合は、図7に示した動作が実行される。また、ユーザが番号通知要求ボタン1310を指定した場合は、図12に示した動作が実行される。また、ユーザが発信許可要求ボタン2010を指定した場合は、図18または図19に示した動作が実行される。このように、上述した各実施の形態を組み合わせ、携帯電話250のユーザの選択により携帯電話210に対する要求内容を決定してもよい。
【0157】
以上説明したように、交換機、通信システム、通信方法および電話端末によれば、交換機において、番号非通知の呼の識別情報を着信側へ送信し、着信側のユーザ操作により送信された識別情報に基づいて発信側へ信号を送信することができる。これにより、着信側のユーザが発信側のユーザと連絡をとることを可能にする。このため、番号非通知の発着信の利便性を向上させることができる。
【0158】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0159】
(付記1)電話端末間の呼制御を行う交換機において、
番号非通知の呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する第一送信部と、
前記第一送信部によって送信された識別情報を含み前記着信側の電話端末のユーザ操作により送信された要求信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信する第二送信部と、
を備えることを特徴とする交換機。
【0160】
(付記2)番号非通知の呼を示す識別情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された識別情報と、前記識別情報が示す呼の発信側の電話端末と、を対応付ける対応情報を記憶する記憶部と、
前記受信部によって受信された要求信号に含まれる識別情報に対応する発信側の電話端末を前記記憶部によって記憶された対応情報に基づいて検索する検索部と、
を備え、
前記第一送信部は、前記生成部によって生成された識別情報を送信し、
前記第二送信部は、前記検索部によって検索された電話端末へ送信することを特徴とする付記1に記載の交換機。
【0161】
(付記3)前記記憶部は、前記対応情報を電話端末ごとに記憶し、
前記受信部は、前記着信側の電話端末を示す識別子を含む前記要求信号を受信し、
前記検索部は、前記受信部によって受信された要求信号に含まれる識別子が示す電話端末に対応する対応情報を取得し、取得した対応情報に基づいて前記発信側の電話端末を検索することを特徴とする付記2に記載の交換機。
【0162】
(付記4)前記第二送信部は、前記着信側の電話端末を特定可能な要求元特定情報を含む前記要求信号を送信することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の交換機。
【0163】
(付記5)前記第二送信部は、前記発信側の電話端末から前記着信側の電話端末への再発信を要求する再発信要求信号を送信することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の交換機。
【0164】
(付記6)前記第二送信部は、前記発信側の電話端末の電話番号の前記着信側の電話端末への通知を要求する番号通知要求信号を送信し、
前記第二送信部によって送信された番号通知要求信号に対する前記発信側の電話端末のユーザ操作の結果を示す操作結果信号を受信する第二受信部と、
前記第二受信部によって受信された操作結果信号に基づいて前記発信側の電話番号を前記着信側の電話端末へ通知する通知部と、
を備えることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の交換機。
【0165】
(付記7)前記第二送信部は、前記着信側の電話端末から前記発信側の電話端末への発信の許可を要求する発信許可要求信号を送信し、
前記第二送信部によって送信された発信許可要求信号に対する前記発信側の電話端末のユーザ操作の結果を示す操作結果信号を受信する第二受信部と、
前記第二受信部によって受信された操作結果信号に基づいて、前記着信側の電話端末から前記発信側の電話端末へ発信する呼制御を行う呼制御部と、
を備えることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の交換機。
【0166】
(付記8)番号非通知の呼を交換機に対して要求する発信側の電話端末と、
前記電話端末によって要求された呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する交換機と、
前記交換機によって送信された識別情報を含む要求信号をユーザ操作によって前記交換機へ送信する前記着信側の電話端末と、
を含み、
前記交換機は、前記着信側の電話端末によって送信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信し、
前記発信側の電話端末は、前記交換機によって送信された要求信号が示す要求内容をユーザに通知することを特徴とする通信システム。
【0167】
(付記9)発信側の電話端末が、番号非通知の呼を交換機に対して要求する要求工程と、
前記交換機が、前記要求工程によって要求された呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する第一送信工程と、
前記着信側の電話端末が、前記第一送信工程によって送信された識別情報を含む要求信号をユーザ操作によって前記交換機へ送信する第二送信工程と、
前記交換機が、前記第二送信工程によって送信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信する第三送信工程と、
前記発信側の電話端末が、前記第三送信工程によって送信された要求信号が示す要求内容をユーザに通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【0168】
(付記10)交換機に要求された番号非通知の呼の着信側の電話端末において、
前記呼を示す識別情報を前記交換機から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶された識別情報に対するユーザによる指定操作を受け付ける受付部と、
前記受付部によって指定操作が受け付けられた識別情報を含む、前記識別情報が示す呼の発信側の電話端末に対する要求信号を前記交換機へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする電話端末。
【0169】
(付記11)前記送信部は、前記発信側の電話端末から前記着信側の電話端末への再発信を要求する再発信要求信号を送信することを特徴とする付記10に記載の電話端末。
【0170】
(付記12)前記送信部は、前記発信側の電話端末の電話番号の前記着信側の電話端末への通知を要求する番号通知要求信号を送信し、
前記送信部によって送信された番号通知要求信号に対する前記発信側の電話端末のユーザ操作に基づいて前記交換機から通知された前記電話番号を受信する第二受信部を備えることを特徴とする付記10に記載の電話端末。
【0171】
(付記13)前記送信部は、前記着信側の電話端末から前記発信側の電話端末への発信の許可を要求する発信許可要求信号を送信することを特徴とする付記10に記載の電話端末。
【符号の説明】
【0172】
100,200 通信システム
210,250 携帯電話
220,240 基地局
230 交換局
310 加入者情報
321,322 通話記録
400 着信履歴情報
800 着信履歴画面
810 着信履歴
820 再発信要求ボタン
910,1010,1410,1510,1610,2110 メッセージボックス
911,1511,1611 OKボタン
1000 再発信要求画面
1021 再発信ボタン
1022 無視ボタン
1310 番号通知要求ボタン
1400 番号通知要求画面
1421,2121 許可ボタン
1422,2122 拒否ボタン
2010 発信許可要求ボタン
2100 発信許可要求画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話端末間の呼制御を行う交換機において、
番号非通知の呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する第一送信部と、
前記第一送信部によって送信された識別情報を含み前記着信側の電話端末のユーザ操作により送信された要求信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信する第二送信部と、
を備えることを特徴とする交換機。
【請求項2】
番号非通知の呼を交換機に対して要求する発信側の電話端末と、
前記電話端末によって要求された呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する交換機と、
前記交換機によって送信された識別情報を含む要求信号をユーザ操作によって前記交換機へ送信する前記着信側の電話端末と、
を含み、
前記交換機は、前記着信側の電話端末によって送信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信し、
前記発信側の電話端末は、前記交換機によって送信された要求信号が示す要求内容をユーザに通知することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
発信側の電話端末が、番号非通知の呼を交換機に対して要求する要求工程と、
前記交換機が、前記要求工程によって要求された呼を示す識別情報を前記呼の着信側の電話端末へ送信する第一送信工程と、
前記着信側の電話端末が、前記第一送信工程によって送信された識別情報を含む要求信号をユーザ操作によって前記交換機へ送信する第二送信工程と、
前記交換機が、前記第二送信工程によって送信された要求信号に含まれる識別情報が示す呼の発信側の電話端末へ、前記要求信号に基づく要求信号を送信する第三送信工程と、
前記発信側の電話端末が、前記第三送信工程によって送信された要求信号が示す要求内容をユーザに通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項4】
交換機に要求された番号非通知の呼の着信側の電話端末において、
前記呼を示す識別情報を前記交換機から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶された識別情報に対するユーザによる指定操作を受け付ける受付部と、
前記受付部によって指定操作が受け付けられた識別情報を含む、前記識別情報が示す呼の発信側の電話端末に対する要求信号を前記交換機へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする電話端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−60477(P2012−60477A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202478(P2010−202478)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】