説明

人のストレスを判定する端末、システム、プログラム及び方法

【課題】生理計測をすることなく、慢性ストレスを簡便に判定することができる端末、システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】当該ユーザに対する選択候補を表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、反応時間及び操作時刻を対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、その特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶手段に予め蓄積されたストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人のストレスを判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人のストレスを判定するために、生理計測の技術がある。生理計測には、生体に痛みや不快感を与える「侵襲計測」と、生体に痛みや不快感を与えない「非侵襲計測」とに大きく分類される。
【0003】
「侵襲計測」としては、血液検査によって、インスリン様成長因子結合タンパク質などの血液中の物質の濃度を、基準濃度と比較することによって人のストレスを判定する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方で、「非侵襲計測」としては、唾液を採取し、αアミラーゼ活性を指標として、人のストレスを判定する技術がある(例えば特許文献2参照)。また、計測対象者の身体に生体計測センサを装着し、心拍変動を解析する技術(例えば特許文献3参照)もある。更に、皮膚電位の変化を解析する技術(例えば特許文献4参照)もある。更に、非侵襲計測の心拍情報に加えて、加速度センサによって計測できる体動情報を利用する技術もある(例えば特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−229299号公報
【特許文献2】特開2002−168860号公報
【特許文献3】特開2008−253538号公報
【特許文献4】特開2007−283095号公報
【特許文献5】特開2009−148372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、ストレス判定技術によれば、侵襲計測の場合には血液検査が必要となり、非侵襲計測の場合には唾液測定、心拍測定、皮膚電位測定などが必要となる。結局、計測対象者に対して、何らかの非日常的な不快を与えることとなる。
【0007】
しかしながら、「ストレス判定」とは、計測対象者が不快であるかどうかを判定するものである。そのように考えると、侵襲計測の血液検査に基づく注射や、非侵襲計測の心拍測定及び皮膚電位測定に基づく検査機器の装着は、計測対象者に対して、生理状態の痛みや、心理状態の不安を与えてしまう。
【0008】
一方で、非侵襲計測の唾液採取の場合、計測対象者に対して心理状態の不安を与えない。しかし、唾液によって計測できるαアミラーゼの活性度によれば、急性ストレスを判定するためのものであって、慢性ストレスを判定するものではない。
【0009】
そこで、本発明は、生理計測をすることなく、慢性ストレスを簡便に判定することができる端末、システム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有し、当該ユーザのストレスを判定することができる端末であって、
当該ユーザに対する選択候補を表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
特徴ベクトル生成手段によって生成された特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と
を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
特徴ベクトル生成手段は、反応時間が計測された時刻に基づく時間帯毎に、特徴ベクトルを生成することも好ましい。
【0012】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
当該端末は、携帯端末であり、
GPS(Global Positioning System)機能部に基づく位置情報、又は、通信インタフェースが無線で通信する基地局に基づく位置情報を測位する測位手段を更に有し、
特徴ベクトル生成手段は、位置情報に基づく位置範囲毎に、特徴ベクトルを生成することも好ましい。
【0013】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
当該端末は、携帯端末であり、
気圧センサに基づく高度情報を計測する環境センサを更に有し、
特徴ベクトル生成手段は、高度情報に基づく高度範囲毎に、特徴ベクトルを生成することも好ましい。
【0014】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
通話の発呼及び/若しくはメールの発信、又は、アプリケーションの起動における能動行為を検出する能動行為検出手段と、
通話の着呼及び/又はメールの着信の受動行為を検出する受動行為検出手段と
を更に有し、
アクション履歴蓄積手段は、能動行為及び受動行為を、その行為の時刻に対応付けて記憶し、
特徴ベクトル生成手段は、能動行為毎に又は受動行為毎に、特徴ベクトルを生成することも好ましい。
【0015】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
当該端末を操作するユーザのユーザ属性を予め蓄積するユーザ属性蓄積手段を更に有し、
ストレス特徴ベクトル群記憶手段は、ユーザ属性に応じて、ストレス有り特徴ベクトル群及びストレス無し特徴ベクトル群を予め蓄積しており、
ストレス判定手段は、ユーザ属性蓄積手段に蓄積されたユーザ属性に応じたストレス有り特徴ベクトル群及びストレス無し特徴ベクトル群を用いて判定することも好ましい。
【0016】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
ストレス特徴ベクトル群記憶手段は、ストレス有り特徴ベクトル群及びストレス無し特徴ベクトル群毎に、全ての特徴ベクトルの重心となる代表特徴ベクトルを算出し、且つ、蓄積しており、
ストレス判定手段は、特徴ベクトル生成手段によって生成された特徴ベクトルが、ストレス有り特徴ベクトル群の代表特徴ベクトルと、ストレス無し特徴ベクトル群の代表特徴ベクトルとのいずれに一致又は類似するかを判定し、特徴ベクトルと、一致又は類似する代表特徴ベクトルとの差分(類似度)を、ストレス有り/無しに対する距離値として算出し、ストレス有り/無しの結果及びその距離値を出力する
ことも好ましい。
【0017】
本発明によれば、ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有する端末と、当該ユーザのストレスを判定するサーバとを有するストレス判定システムであって、
端末が、
当該ユーザに対する選択候補を表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
ユーザ特徴ベクトルを、サーバへ送信する特徴ベクトル送信手段と、
サーバからストレス判定結果を受信し、表示部によってユーザに対して明示する判定結果受信手段と
を有し、
サーバは、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
端末から、ユーザ特徴ベクトルを受信する特徴ベクトル受信手段と、
特徴ベクトル生成手段によって生成された特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と、
判定結果を、端末へ送信する判定結果送信手段と
を有することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有し、当該ユーザのストレスを判定することができる端末に搭載されたコンピュータを機能させるストレス判定プログラムであって、
当該ユーザに対する選択候補を表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
特徴ベクトル生成手段によって生成された特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有する端末を用いた当該ユーザのストレス判定方法であって、
端末は、ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶部を有し、
当該ユーザに対する選択候補を表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する第1のステップと、
反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記憶する第2のステップと、
反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する第3のステップと、
特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定する第4のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の端末、システム、プログラム及び方法によれば、生理計測をすることなく、慢性ストレスを簡便に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明におけるストレス判定の計測を表す説明図である。
【図2】本発明における同一ユーザの反応時間を表す説明図である。
【図3】本発明における端末の機能構成図である。
【図4】本発明における特徴ベクトルを表す説明図である。
【図5】本発明におけるシステムの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明におけるストレス判定の計測を表す説明図である。
【0024】
本発明によれば、ユーザの慢性ストレスを判定するために、ユーザが端末に対して操作する「反応時間」を計測する。反応時間は、ユーザに対して選択候補が明示された後、ユーザが実際に操作するまでの時間をいう。
【0025】
このような反応時間を計測するために、本発明によれば、ユーザが例えば携帯電話機のキーを操作する状況を想定している。具体的には、携帯電話機のディスプレイ(表示部)に選択候補が表示された後、その選択候補に対してユーザがテンキーに入力するまでの反応時間を計測する。この反応時間は、ストレス有りの人の反応時間は、ストレス無しの人の反応時間と比較して、極端に長かったり、逆に短かったりする。また、同一人物であっても、ストレスが有る時間帯と、ストレスが無い時間帯とでは、この反応時間が、極端に長くなったり、逆に短くなったりする。
【0026】
図1によれば、携帯電話機を用いた反応時間が表されている。ユーザによって操作される携帯電話機は、最初に、選択候補を、当該ユーザに対して視認させるディスプレイに表示する。この時、携帯電話機は、選択候補をディスプレイに表示した時刻tを記録する。表示する選択候補は、例えば、「Eメールメニュー」の操作画面であってもよい。操作画面には、例えば以下のような選択候補が表示される。
1 新規作成
2 デコレーション作成
3 受信ボックス
4 送信ボックス
5 保存ボックス
6 新規メール問い合わせ
【0027】
ディスプレイに表示された選択候補を視認したユーザは、いずれかの選択候補を選択し、携帯電話機のテンキーの押下によって、選択候補の番号を入力する。例えば、ユーザが、携帯電話機の「3」(受信ボックス)のキーを押下したとする。この時、携帯電話機は、キーが押下された時刻tを記録する。
【0028】
そして、携帯電話機は、選択候補表示時刻tと操作時刻tとに基づいて、反応時間tp1(=t−t)を記録する。
【0029】
図1によれば、同一ユーザについて、朝の時間帯では反応時間9.5秒であるのに対し、夜の時間帯では反応時間11秒と長くなっている。このように、ユーザの反応時間は、時間帯や環境状況(自宅、通勤車内、会社内等)に応じて変化する場合が多い。このとき、同じ時間帯及び環境状況であっても、ストレス有りの人の反応時間と、ストレス無しの人の反応時間とは、論理的に特定できないほどの差が生じる場合が多い。尚、時間帯とは、1日24時間を一定範囲で区分した時間範囲をいう。図1によれば、6つの時間帯に区分されている。
【0030】
図2は、本発明における同一ユーザの反応時間を表す説明図である。
【0031】
図2によれば、横軸に1日の時間経過を表しており、縦軸に位置の変化を表している。また、黒太線の長さは、反応時間の長さを意味する。これによって、反応時間の長さと、操作時刻と、操作位置との関係が表されている。
【0032】
図2によれば、例えば、比較的ストレスが少なく朝の時間帯では、反応時間が比較的短い。これに対し、比較的ストレスが多い会社内や通勤車内の時間帯では、反応時間が比較的長い。また、帰宅すると、反応時間が逆に短くなる。勿論、このような特性は、全ての計測対象者によって一貫しているものではない。
【0033】
一方で、慢性ストレスがある人は、朝の時間帯で反応時間が長く(ストレスが多い)、会社内や通勤車内の時間帯で反応時間が極端に短い場合もある。このように、ストレスが無い人と、慢性ストレスがある人とは、時間帯及び位置に応じた反応時間に違いが出てくる。
【0034】
また、図2によれば、同じ時間帯で且つ同じ位置にいても、反応時間が違う場合も出てくる。ユーザの操作が、「能動行為」に基づくものか又は「受動行為」に基づくものかによって、その反応時間も違ってくる。例えば、ユーザ自ら能動的なキーの操作(通話の発呼及び/若しくはメールの発信があった際、又は、アプリケーション起動の際)と、ユーザにとって他者からの受動的なキーの操作(通話の着呼及び/又はメールの着信があった際)とでは、その反応時間も違ってくる。例えば、「能動行為」の反応時間に比べて、「受動行為」の反応時間が極端に長い場合、そのユーザは、慢性ストレスの影響が出ている可能性がある。
【0035】
図3は、本発明における端末の機能構成図である。
【0036】
図3によれば、端末は、携帯電話機1として表されている。携帯電話機1は、少なくとも、ユーザに視認されるディスプレイ部101と、ユーザによって押下されるキーを備えた入力操作部102と、現在時刻を出力するタイマ部103と、現在の端末位置を測位する測位部104と、例えば携帯電話網の基地局とエアを介して通信する通信インタフェース部105とを有する。これら機能構成部は、一般的な携帯電話機が備えているものである。尚、端末が、スマートフォンである場合、ディスプレイ部101と入力操作部102とが一体的に構成されたタッチパネルディスプレイを備えたものであってもよい。
【0037】
測位部104は、例えば以下のような機能部によって、現在の端末位置を測位する。
(1)GPS機能部に基づく位置情報
GPS衛星からの測位電波を受信し、現在の位置情報を「緯度・経度」で表す。
(2)通信インタフェースが無線で通信する基地局に基づく位置情報
基地局が常時放送している基地局識別子を受信することによって、基地局の電波到達範囲での位置情報を取得する。
【0038】
また、図3によれば、携帯電話機1に、環境センサとしての気圧センサ106を更に備えることも好ましい。気圧センサ106は、気圧を計測することによって、「天気」や「高度」を計測することができる。
【0039】
更に、図3によれば、携帯電話機1は、選択候補表示部111と、選択操作検出部112と、時刻取得部113と、反応時間計測部114と、アクション履歴蓄積部115と、ユーザ特徴ベクトル生成部116と、ストレス特徴ベクトル群記憶部117と、ストレス判定部118とを更に有する。これら機能構成部は、携帯電話機に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現できる。
【0040】
選択候補表示部111は、ユーザに選択させる選択候補を、ディスプレイ部101に表示する。表示する選択候補は、特に限定されるものではなく、例えば携帯電話機の「Eメールメニュー」の操作画面であってもよいし、通話者選択画面であってもよい。選択候補表示部111は、選択候補をディスプレイ部101に表示すると同時に、その旨を時刻取得部113へ通知する。
【0041】
選択操作検出部112は、ユーザからの入力操作部102に対する操作を検出する。選択操作検出部112は、例えばキーの押下が検出された旨を、時刻取得部113に通知する。
【0042】
時刻取得部113は、選択候補表示部111から選択候補を表示した旨の通知を受けた際に、タイマ部103から出力された時刻を、「選択候補表示時刻」として取得する。また、時刻取得部113は、選択操作検出部112からユーザの操作があった旨の通知を受けた際に、タイマ部103から出力された時刻を、「操作時刻」として取得する。選択候補表示時刻及び操作時刻は、反応時間計測部114へ出力される。
【0043】
反応時間計測部114は、「操作時刻」から「選択候補表示時刻」を差し引いた時間を、反応時間として計測する。
操作時刻t−選択候補表示時刻t=反応時間t
算出された反応時間tは、操作時刻tと共に、アクション履歴蓄積部115へ出力される。
【0044】
アクション履歴蓄積部115は、反応時間計測部114から入力した反応時間及び操作時刻を対応付けて、履歴として記録する。更に、測位部104からの位置情報「緯度・経度」と、気圧センサ106からの高度情報「高度」(又は天気)とも、対応付けて記録することも好ましい。
(操作時刻,反応時間) :Ainput
(操作時刻,反応時間,時間帯) :Ainput
(操作時刻,反応時間,位置範囲) :Ainput+Linput
(操作時刻,反応時間,高度範囲) :Ainput+Linput
・・・・・様々な組み合わせ・・・・・
(操作時刻,反応時間,時間帯,位置範囲,高度範囲)
【0045】
「時間帯」は、操作時刻によって特定できる。図2によれば4時間毎の時間帯が指定されている。また、「位置範囲」「高度範囲」によって、操作時点における様々な環境状態も要素として記録する。
【0046】
ユーザ特徴ベクトル生成部116は、アクション履歴蓄積部115を用いて、反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する。
【0047】
図4は、本発明における特徴ベクトルを表す説明図である。
【0048】
例えば、アクション履歴蓄積部115に、以下のような複数の反応時間が含まれているとする。
(1)(12:05,10秒)
(2)(12:07,20秒)
(3)(12:30,12秒)
(4)(12:35,8秒)
(5)(12:40,11秒)
・・・・・・
この場合、単位時間範囲毎の累積回数は、例えば以下のようなヒストグラムで表される。
0秒<t1<5秒 :0回
5秒≦t2<10秒 :1回[(4)]
10秒≦t3<15秒 :3回[(1)(3)(5)]
15秒≦t4<20秒 :0回
20秒≦t5<25秒 :1回[(2)]
これを、特徴ベクトルとして、以下のように表される。
特徴ベクトル(t1,t2,t3,t4,t5)
( 0, 1, 3, 0, 1)
生成された特徴ベクトルは、ストレス判定部118へ出力される。
【0049】
特徴ベクトルは、様々な条件毎に生成されることも好ましい。即ち、時間帯毎に、位置範囲毎に、高度範囲毎に、又は、これら条件の組み合わせ毎に、特徴ベクトルが生成されるものであってもよい。
【0050】
ストレス特徴ベクトル群記憶部117は、ストレス有りと認定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群(クラスタ)と、ストレス無しと認定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群(クラスタ)とを、予め蓄積する。即ち、ストレス有り特徴ベクトル群は、ストレス有りと認定された既知の人から、反応時間を調査データとして収集し、特徴ベクトル(例えばヒストグラム)を生成したものである。また、ストレス無し特徴ベクトル群は、ストレス無しと認定された既知の人から、反応時間を調査データとして収集し、特徴ベクトル(例えばヒストグラム)を生成したものである。ユーザ特徴ベクトル生成部116によって生成される特徴ベクトルと、ストレス特徴ベクトル群記憶部117に記憶される特徴ベクトルとは、同一次元数(同じベクトル空間)である。
【0051】
ここで、ストレス特徴ベクトル群記憶部117は、ストレス有り特徴ベクトル群及びストレス無し特徴ベクトル群毎に、全ての特徴ベクトルの重心(平均)を「代表特徴ベクトル」として算出することも好ましい。これによって、「ストレス有り代表特徴ベクトル」及び「ストレス無し代表特徴ベクトル」が得られる。代表特徴ベクトルはそれぞれ、以下のように表される。
Rstress=1/n・Σi=1nstressi
Rno-stress=1/m・Σi=1mno-stressi
Rstress :ストレス有り代表特徴ベクトル
stressi :ストレス有り特徴ベクトル
Rno-stress :ストレス無し代表特徴ベクトル
no-stressi:ストレス無し特徴ベクトル
【0052】
ストレス判定部118は、ユーザ特徴ベクトル生成部116によって生成されたユーザ特徴ベクトルが、ストレス特徴ベクトル群記憶部117に蓄積されたストレス有り特徴ベクトル群とストレス無し特徴ベクトル群とのいずれに一致又は類似するかを判定する。
【0053】
ここで、ストレス判定部108は、ユーザ特徴ベクトルが、「ストレス有り代表特徴ベクトル」又は「ストレス無し代表特徴ベクトル」のいずれに一致又は類似するかを判定するものであってもよい。例えば、ユーザ特徴ベクトルと、「ストレス有り代表特徴ベクトル」との差分を、ストレス有りに対する距離値として算出する。距離値が短いほど、ストレス有りと判定される。同様、ユーザ特徴ベクトルと、「ストレス無し代表特徴ベクトル」との差分を、ストレス無しに対する距離値として算出する。距離値が短いほど、ストレス無しと判定される。そして、そのストレス有り/無しの判定結果と共に、その距離値を出力もユーザに明示することが好ましい。
【0054】
ベクトル同士の類似度は、様々な方法で算出されるが、例えば「コサイン類似度」で算出するものであってもよい。コサイン類似度は、2つのベクトルx,yのなす角θの余弦cosθを算出する。ベクトルの向きの近さを、類似度としたものである。ベクトルの向きが一致している場合、最大値「1」となり、直交の場合、「0」となり、逆向きの場合、最小値「−1」となる。
類似度=x・y/(|x|×|y|)
x・y:ベクトルx,yの内積
|x|:ベクトルxの長さ(ノルム)=sqrt(x・x)
【0055】
また、ベクトルの要素毎に、重み付け係数α、β、γ、δ、・・・(α+β+γ+δ+・・・=1)を乗算することも好ましい。重要な要素に、大きい値の係数を乗算することも好ましい。
【0056】
そして、ストレス判定部118は、ストレス有り/無しの判定結果を、ディスプレイに、文字及び/又は画像によって明示する。また、ストレス判定結果を直接的に明示することなく、そのストレス判定結果をパラメータとしてアプリケーションの動作が異なるように制御するものであってもよい。例えば、癒し効果やリラックス効果のあるコンテンツをユーザに視認又は視聴させることによって、ストレスの低減を図ることもできる。
【0057】
図3によれば、更に、能動行為検出部121と、受動行為検出部122と、ユーザ属性蓄積部123とを有する。
【0058】
能動行為検出部121は、能動行為を検出する。「能動行為」の操作とは、例えば、通信インタフェース部105を介して送信した通話の発呼及び/若しくはメールの発信、又は、アプリケーションの起動であってもよい。「能動行為」とは、自ら自発的に、ユーザが当該携帯電話機を操作した行為である。検出された能動行為の情報は、アクション履歴蓄積部115へ出力される。これによって、アクション履歴蓄積部115は、能動行為の情報を、前述の(操作時刻,反応時間)に対応付けて蓄積する。
【0059】
受動行為検出部122は、受動行為を検出する。「受動行為」の操作とは、例えば、通信インタフェース部105を介して送信した通話の着呼及び/又はメールの着信であってもよい。「受動行為」とは、何らかのイベントが契機となって、ユーザが当該携帯電話機を操作した行為である。検出された受動行為の情報は、アクション履歴蓄積部115へ出力される。これによって、アクション履歴蓄積部115は、受動行為の情報を、前述の(操作時刻,反応時間)に対応付けて蓄積する。
【0060】
ユーザ属性蓄積部123は、当該携帯電話機1を操作するユーザのユーザ属性を予め蓄積する。ユーザ属性は、入力操作部を介して入力されるものであってもよい。「ユーザ属性」としては、例えばユーザの「性別」「年齢」「居住地域範囲」「通勤形態」など、静的に定義可能な情報である。また、ユーザ自ら指定した「性格」の要素を含めるものであってもよい。「性格」としては、例えば、「悲観的」/「楽観的」がある。
【0061】
アクション履歴蓄積部115は、能動行為検出部121からの「能動行為」と、受動行為検出部122からの「受動行為」とを、反応時間に対応付けて記憶するものであってもよい。尚、行為毎(発呼行為、メール送信行為、着呼行為、メール応答行為等)に、反応時間に対応付けて記憶されるものであってもよい。
(操作時刻,反応時間,行為種別) :Ainput+Iinput
尚、アクション履歴蓄積部115の履歴として、能動行為の回数及び受動行為の回数を計数することもできる。
【0062】
アクション履歴蓄積部115が、ユーザ属性蓄積部123の情報を、反応時間に対応付けて記憶するものであってもよい。
(操作時刻,反応時間,性別,年齢範囲,性格,居住地域範囲,通勤形態,・・)
:Ainput+Pinput
【0063】
このように、アクション履歴蓄積部115は、反応時間を含む多次元の項目として記録される。また、ストレス特徴ベクトル群記憶部117も、これら多次元の項目に対応する項目を、ストレス有り/無しが認定された既知の人から収集することも好ましい。
【0064】
図5は、本発明におけるシステムの機能構成図である。
【0065】
図5によれば、図3における各機能部が、ネットワークを介して端末1及びサーバ2によって実現されている。端末1は、サーバ2へユーザ特徴ベクトルを送信する特徴ベクトル送信部131と、ストレス判定結果を受信する判定結果受信部132とを更に有する。また、サーバ2は、端末1から特徴ベクトルを受信する231と、ストレス特徴ベクトル群記憶部217と、ストレス判定部218と、ストレス判定結果を端末1へ送信する判定結果送信部232とを有する。尚、判定結果送信部232は、その判定結果を、端末1へ、電子メールのテキストファイルによって送信されるものであってもよい。
【0066】
以上、詳細に説明したように、本発明の端末、プログラム及び方法によれば、生理計測(血液検査、唾液採取、心拍計測等)をすることなく、慢性ストレスを簡便に判定することができる。
【0067】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0068】
1 端末、携帯電話機
101 ディスプレイ部
102 入力操作部
103 タイマ部
104 測位部
105 通信インタフェース部
106 気圧センサ
111 選択候補表示部
112 選択操作検出部
113 時刻取得部
114 反応時間計測部
115 アクション履歴蓄積部
116 ユーザ特徴ベクトル生成部
117 ストレス特徴ベクトル群記憶部
118 ストレス判定部
121 能動行為検出部
122 受動行為検出部
123 ユーザ属性蓄積部
131 特徴ベクトル送信部
132 判定結果受信部
217 ストレス特徴ベクトル群記憶部
218 ストレス判定部
231 特徴ベクトル受信部
232 判定結果受信部
2 サーバ
3 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有し、当該ユーザのストレスを判定することができる端末であって、
当該ユーザに対する選択候補を前記表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、前記入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
前記反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
前記反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルが、前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と
を有することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記特徴ベクトル生成手段は、前記反応時間が計測された時刻に基づく時間帯毎に、前記特徴ベクトルを生成することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
当該端末は、携帯端末であり、
GPS(Global Positioning System)機能部に基づく位置情報、又は、通信インタフェースが無線で通信する基地局に基づく位置情報を測位する測位手段を更に有し、
前記特徴ベクトル生成手段は、位置情報に基づく位置範囲毎に、前記特徴ベクトルを生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
当該端末は、携帯端末であり、
気圧センサに基づく高度情報を計測する環境センサを更に有し、
前記特徴ベクトル生成手段は、高度情報に基づく高度範囲毎に、前記特徴ベクトルを生成する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端末。
【請求項5】
通話の発呼及び/若しくはメールの発信、又は、アプリケーションの起動における能動行為を検出する能動行為検出手段と、
通話の着呼及び/又はメールの着信の受動行為を検出する受動行為検出手段と
を更に有し、
前記アクション履歴蓄積手段は、能動行為及び受動行為を、その行為の時刻に対応付けて記憶し、
前記特徴ベクトル生成手段は、前記能動行為毎に又は前記受動行為毎に、前記特徴ベクトルを生成する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の端末。
【請求項6】
当該端末を操作するユーザのユーザ属性を予め蓄積するユーザ属性蓄積手段を更に有し、
前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段は、ユーザ属性に応じて、前記ストレス有り特徴ベクトル群及び前記ストレス無し特徴ベクトル群を予め蓄積しており、
前記ストレス判定手段は、前記ユーザ属性蓄積手段に蓄積されたユーザ属性に応じたストレス有り特徴ベクトル群及びストレス無し特徴ベクトル群を用いて判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の端末。
【請求項7】
前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段は、前記ストレス有り特徴ベクトル群及び前記ストレス無し特徴ベクトル群毎に、全ての特徴ベクトルの重心となる代表特徴ベクトルを算出し、且つ、蓄積しており、
前記ストレス判定手段は、前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルが、ストレス有り特徴ベクトル群の代表特徴ベクトルと、ストレス無し特徴ベクトル群の代表特徴ベクトルとのいずれに一致又は類似するかを判定し、前記特徴ベクトルと、一致又は類似する代表特徴ベクトルとの差分(類似度)を、ストレス有り/無しに対する距離値として算出し、ストレス有り/無しの結果及びその距離値を出力する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の端末。
【請求項8】
ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有する端末と、当該ユーザのストレスを判定するサーバとを有するストレス判定システムであって、
前記端末が、
当該ユーザに対する選択候補を前記表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、前記入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
前記反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
前記反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
前記ユーザ特徴ベクトルを、前記サーバへ送信する特徴ベクトル送信手段と、
前記サーバからストレス判定結果を受信し、前記表示部によってユーザに対して明示する判定結果受信手段と
を有し、
前記サーバは、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
前記端末から、前記ユーザ特徴ベクトルを受信する特徴ベクトル受信手段と、
前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルが、前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と、
判定結果を、前記端末へ送信する判定結果送信手段と
を有することを特徴とするシステム。
【請求項9】
ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有し、当該ユーザのストレスを判定することができる端末に搭載されたコンピュータを機能させるストレス判定プログラムであって、
当該ユーザに対する選択候補を前記表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、前記入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、
前記反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記録するアクション履歴蓄積手段と、
前記反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、
ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶手段と、
前記特徴ベクトル生成手段によって生成された前記特徴ベクトルが、前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定するストレス判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする端末用のストレス判定プログラム。
【請求項10】
ユーザによって入力操作可能な入力操作部と、当該ユーザに対して視認させる表示部とを有する端末を用いた当該ユーザのストレス判定方法であって、
前記端末は、ストレス有りと判定された人に基づくストレス有り特徴ベクトル群と、ストレス無しと判定された人に基づくストレス無し特徴ベクトル群とを、予め蓄積するストレス特徴ベクトル群記憶部を有し、
当該ユーザに対する選択候補を前記表示部に表示した後、当該ユーザがいずれかの選択候補を、前記入力操作部に対して入力するまでの反応時間を計測する第1のステップと、
前記反応時間と、その操作時刻とを対応付けて記憶する第2のステップと、
前記反応時間に対する単位時間範囲毎を要素として、各単位時間範囲に含まれる反応時間の累積回数を値とした特徴ベクトルを生成する第3のステップと、
前記特徴ベクトルが、前記ストレス特徴ベクトル群記憶手段におけるストレス有り特徴ベクトル群又はストレス無し特徴ベクトル群のいずれに類似するかを判定する第4のステップと
を有することを特徴とするストレス判定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate