説明

人工網膜

本発明は、自然の刺激を含む広範囲の刺激に対する網膜の応答を模倣する網膜人工器官方法及びデバイスを提供する。神経節細胞発火パターンが、1組のエンコーダ、インタフェース、及びトランスデューサを使用して刺激に応答して発生され、各トランスデューサは、単一の細胞又は少数の細胞をターゲットにする。変換は、正常な網膜により行われるものと同じ時間尺度で行われる。更に、本発明の態様は、ロボット又は視覚化情報の処理を必要とする他の機械的デバイスと共に使用することができる。エンコーダは、加齢又は疾患の経過によって時間と共に調節することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
視力を回復又は改善する方法であって、
刺激を受け取る段階と、
前記刺激を1組のエンコーダで1組のコードに変形する段階と、
前記コードをインタフェースを用いて信号に変形する段階と、
前記インタフェースからの前記信号により駆動された高解像度トランスデューサを用いて複数の網膜細胞を活性化する段階と、
を含み、
前記複数の網膜細胞を活性化する段階は、同じ刺激に対する正常な網膜からの網膜神経節細胞の応答と実質的に類似である広範囲の刺激に対する網膜神経節細胞応答をもたらす、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約95パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.95である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約65パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.65である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約95パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時の前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答から再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.95である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約65パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時の前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答から再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.65である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時の前記活性化された網膜からの網膜神経節細胞応答から再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コード化する段階は、
前記刺激を前処理して複数の値Xにする段階と、
前記網膜内の網膜神経節細胞mに対して前記複数のX値を複数の発火率λmに変形する段階と、
前記発火率からのスパイクを表すコードを発生させる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バースト排除段階を用いて前記コードを修正する段階を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コードは、前記バースト排除段階中に持続的に格納されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バースト排除段階は、
検査されるセグメントの持続時間と該持続時間のセグメントに対するパルスの基準数とを定義する段階と、
セグメント内のパルスを数える段階と、
前記パルス数が前記基準数を超えた場合に前記セグメントをパルス間の時間がほぼ最大である代替物で置換する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記エンコーダは、パラメータを有し、
前記パラメータの値が、網膜から該網膜が白色ノイズと自然情景刺激に露出されている間に得られた応答データを使用して判断される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記コードは、インタフェースを使用して複数の可視光パルスを含む出力に変形されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記トランスデューサは、少なくとも1つの可視光応答要素を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記可視光応答要素は、蛋白質であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記蛋白質は、チャンネルロドプシン−1、チャンネルロドプシン−2、LiGluR、ChETA、SFO(ステップ関数オプシン)、OptoXR(光感受性GPCR)、ボルボックスチャンネルロドプシン−1、ボルボックスチャンネルロドプシン−2、ChIEF、NpHr、eNpHR、及びその組合せから構成された群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記蛋白質をコード化する遺伝子が、ウイルスベクターを使用して前記細胞内に導入されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ウイルスベクターは、組み換えアデノ随伴ウイルスであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記遺伝子は、少なくとも1つの網膜神経節細胞型で選択的に発現されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記遺伝子は、2ベクターcre−lox系を使用して選択的に発現され、
前記2つのベクターの発現パターンが、前記選択された細胞型内でのみ重なる、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
(a)逆方向の向きに配置されたloxP部位が側にあり、かつ少なくとも前記選択された細胞型で発現した第2の遺伝子に対するプロモーターの制御下にある光感受性蛋白質を発現させる反転遺伝子を含む第1のベクター、及び
(b)少なくとも前記選択された細胞型で発現する第3の遺伝子に対するプロモーターの制御下にあるCreリコンビナーゼと他の細胞部類の重複なしの組とを含む第2のベクター、
を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
方法を実施するデバイスが、網膜変性疾患を有する被検者を治療するのに使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記網膜変性疾患は、黄斑変性であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記網膜変性疾患は、網膜色素変性症であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記治療された被検者は、EVA又はETDRSプロトコルで測定した時に少なくとも約95%の正常な視力を達成することができることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記治療された被検者は、EVA又はETDRSプロトコルで測定した時に少なくとも約65%の正常な視力を達成することができることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記治療された被検者は、EVS又はETDRSプロトコルで測定した時に少なくとも約35%の正常な視力を達成することができることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記治療された被検者は、パターンVEP検査又はスイープVEP検査を使用して2倍又はそれよりも大きい変化を体験することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項29】
複数の網膜細胞を活性化する方法であって、
刺激を受け取る段階と、
前記刺激を1組のエンコーダで1組のコードに変形する段階と、
前記コードをインタフェースを用いて信号に変形する段階と、
前記インタフェースからの前記信号により駆動された高解像度トランスデューサを用いて複数の網膜細胞を活性化する段階と、
を含み、
前記複数の網膜細胞を活性化する段階は、同じ刺激に対する正常な網膜からの網膜神経節細胞の応答と実質的に類似である広範囲の刺激に対する網膜神経節細胞応答をもたらす、
ことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約95パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.95である、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約65パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.65である、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
視力を、それを必要とする被検者において回復又は改善するための装置であって、
刺激を受け取るためのデバイスと、
前記刺激から1組のコードを発生させる1組のエンコーダを格納する持続性コンピュータ可読媒体、
少なくとも1つのプロセッサ、及び
前記コードを格納する持続性コンピュータ可読媒体、
を含む処理デバイスと、
前記コードを出力に変換するためのインタフェースと、
複数の網膜細胞を活性化するための高解像度トランスデューサと、
を含み、
前記複数の網膜細胞の活性化が、同じ刺激に対する正常な網膜からの網膜神経節細胞の応答と実質的に類似である広範囲の刺激に対する網膜神経節細胞応答をもたらす、
ことを特徴とする装置。
【請求項34】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約95パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.95である、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約65パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数は、少なくとも約0.65である、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数は、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記治療された被検者は、EVS又はETDRSプロトコルで測定した時に少なくとも約35%の正常な視力を達成することができることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記治療された被検者は、パターンVEP検査又はスイープVEP検査を使用して2倍又はそれよりも大きい変化を体験することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記被検者は、網膜変性疾患を有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記網膜変性疾患は、黄斑変性であることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記網膜変性疾患は、網膜色素変性症であることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項42】
コンピュータ実行可能命令を有する持続性コンピュータ可読媒体であって、
少なくとも1つの刺激を持続性コードに変換するための1組の命令、
を含み、
前記コードは、高解像度トランスデューサを用いて複数の網膜細胞を活性化することができ、
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記命令の組は、パラメータを有し、
前記パラメータの値が、網膜から該網膜が白色ノイズと自然情景刺激に露出されている間に得られる応答データを使用して判断される、
ことを特徴とする請求項42に記載のコンピュータ実行可能命令を有する持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項44】
コンピュータ実行可能命令を有する持続性コンピュータ可読媒体であって、
正常な網膜の刺激に対する応答と実質的に類似である応答を生成するために網膜内の少なくとも1つの細胞を活性化するように少なくとも1つのトランスデューサを制御するための該刺激に対応する信号、
を含むことを特徴とする持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記信号は、1組のコードを含み、
前記コードを使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率が、正常な網膜からの網膜神経節細胞応答を使用して実行した強制選択視覚弁別タスクに対する適中率の少なくとも約35パーセントであり、又は
試験刺激と該試験刺激が呈示された時に前記コードから再構成された刺激との間のピアソンの相関係数が、少なくとも約0.35である、
ことを特徴とする請求項44に記載の持続性コンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−521017(P2013−521017A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555211(P2012−555211)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/026526
【国際公開番号】WO2011/106783
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(508298488)コーネル ユニヴァーシティー (8)
【Fターム(参考)】