説明

介護に必要な基本作法、知識、技術を学習するためのEラーニングシステム

【課題】 介護の現場で介護に携わる者に必要な基本作法、知識、技術を学習するためのEラーニング教材のコンテンツを提供し、介護学習者が、いつでも、どこでも、自己学習でき、介護の現場ではマニュアルとしても利用できるEラーニングシステムを構築する。
【解決手段】 介護の現場で介護に携わる者に必要な基本作法、知識、技術を学ぶためのコンピュータを利用した学習システムであって、Eラーニング教材の複数のコンテンツから成る学習カリキュラムを学習者が画面を操作して、任意に選択しながら学習、閲覧できることを特徴とする介護の基本作法、知識、技術のEラーニングシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護に携わる者が介護に必要な基本作法、知識、技術を学習し、介護能力を育成するためのEラーニングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会が進む中、介護ニーズも必然的に高まっているが、要介護者に対して質の高い介護を行うための介護者の育成は、座学での教育や現場でのオンザジョブトレーニング(OJT)に加え、自己学習システムを提供し、これを活用することが効果的であり効率的である。自己学習システムとしてはコンピュータを用いるEラーニングシステムが有効であり、その利用は、介護に新規に取り組む者にとどまらず、既に介護の業務に携わっている者にとってもレベルアップにつながり業務の質を向上させることができる。また、Eラーニングシステムは、一元的に蓄積された膨大な情報の中から瞬時に目的とする情報を取り出して表示、閲覧することが可能なので、介護現場で用いるマニュアルとしても有効である。
【0003】
介護についてのEラーニングシステムは、これまでにもいくつか紹介されているが、いずれも介護にかかわる資格取得を目的として作られており、介護現場で働く介護者育成や、介護現場で働く者のレベルアップを図るという視点で作られていない。例えば、介護事業に携わる者にとっての心構えや社会的意義、社会人としての礼儀作法などについては全く触れられておらず、介護実務に関する知識や技術についても、為すべき事が整然とまとめられているにすぎず、現場では為すべき事が為せない場合も多々あり、不具合が発生したり緊急事態に陥った状況を仮想体験したり、そのような状況でいかに対処すべきかについて学べるコンテンツは含まれていない。
【0004】
Eラーニングシステム用のコンテンツの著作権を保護するために、これまでにも不正使用防止策として暗号化技術が利用されているが、コンテンツ提供者によって、利用者、期間、使用するコンピュータを対象として利用許諾レベルを自由に設定、解除できるようなきめ細かな設定を行うことができ、かつ学習者にとっても簡便に利用できる仕様のEラーニングシステムは見当たらない。
【特許文献1】特開2002−229424号 公報
【特許文献2】特開2001−350398号 公報
【特許文献3】特開2005−521150号 公報
【特許文献4】特開2007−114769号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明で解決しようとする課題は、介護の現場で働く者にとって必要な心構えや基本作法、社会的意義を学習させ、モチベーション高く積極的に介護に取り組むことができる姿勢を養い、その上で介護に必要な知識や技術を学習させ、さらに現場で生じ得る様々な緊急事態に対して正しく対処するための知識や技術を学習させ、質の高い介護者を育成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のEラーニングシステムは、コンピュータを利用した介護の基本作法、知識、技術の学習システムであって、コンピュータの画面に、複数のコンテンツから成る学習カリキュラムを学習者が画面を操作して、任意に選択しながら閲覧、学習できることを特徴とするシステムである。
【0007】
本発明における「コンピュータ」とは、パーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話、ゲーム機など、ソフトウェアを追加したり変更したりすることで、種々の機能を向上させることのできる機器を包含する。
【発明の効果】
【0008】
学習者は、コンピュータを使って、Eラーニングシステムのコンテンツにアクセスすることで、いつでも、どこでも、介護の基本作法、知識、技術を学習することが可能であり、学習者自身の習熟速度や理解度にあわせて、繰り返し学習を進めることができる。
【0009】
学習者はEラーニングシステムを利用する際、パスワード入力のような面倒な利用申請手続きの操作なしに利用できる簡便性を維持しながら、Eラーニングシステムのコンテンツ提供者が、利用者、期間、使用するコンピュータを対象として利用許諾レベルを自由に設定、解除できるようなきめ細かな不正利用防止の設定を行うことができ、コンテンツを閲覧するためのプログラムファイルと、コンテンツファイルのいずれに対しても暗号化できるため、コンテンツの著作権保護が高度に為されている。
【実施例】
【0010】
図1においてコンテンツファイルおよびコンテンツを閲覧するためのプログラムファイルはコンピュータに内臓もしくは直接接続されたハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体に保存されており、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている。
【0011】
図2においてコンテンツファイルを閲覧するためのインターネット閲覧プログラムファイルはコンピュータに内臓もしくは直接接続されたハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体に保存されており、コンテンツはインターネットを通じて接続されるサーバに保存され、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている。
【0012】
図1および図2におけるコンテンツファイルは、文字、画像、動画、音声の任意の情報で構成されており、ファイル内部の情報を学習者が変更できない暗号化されたファイル仕様になっており、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている場合のみコンテンツが表示、閲覧できる。
【0013】
図1におけるコンテンツファイルを閲覧するためのプログラムファイルは暗号化されたファイル仕様になっており、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている場合のみプログラムは実行され、コンテンツを表示可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0014】
高齢化による介護ニーズが高まっている中、介護者の養成は焦眉の課題であり、短期間で質の高い介護者を養成することは社会的に意義がある。学習時の習熟速度には個人差があり、集合教育で均一な教育を学習者全員に与えることは困難であるが、本発明のEラーニングによる自己学習システムを利用すれば、その課題は克服できる。
【0015】
新人の介護者は、OJTのために早期に介護の現場に入って実務に携わる場合が多いが、この場合、知識不十分のまま稼働していることも少なくない。このような状況においても本発明によるEラーニングシステムを利用すれば、新人の介護者が自身の自由時間に自分のペースで自己学習しながら補習することができ、結果として早期に十分な知識を身につけ、技術面においてもコンテンツ閲覧による仮想体験を重ねることで早期に技術も身につけることができる。
【0016】
介護の現場で起こり得る、何らかの不具合発生や緊急事態に陥った際の対応には、即座に利用できるマニュアルが必要である。複数の書籍や紙に分散された情報を瞬時に閲覧することは困難であるが、本発明によるEラーニングシステムなら、それらの情報を一元的に集約したコンテンツとして介護者に提供できるので、介護現場で働く者全員に有効なマニュアルとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の全体的な構造を説明するための図面で、コンテンツおよびコンテンツを閲覧するためのプログラムファイルはコンピュータに内臓もしくは直接接続されたハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体に保存され、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている。
【図2】本発明の全体的な構造を説明するための図面で、コンテンツを閲覧するためのインターネット閲覧プログラムファイルはコンピュータに内臓もしくは直接接続されたハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体に保存されており、コンテンツはインターネットを通じて接続されるサーバに保存され、不正利用防止のための暗号解除装置がUSB端子に接続されている。
【図3】介護の現場で働く者にとって必要な心構えや基本作法、社会的意義を学習させるためのコンテンツが学習者のコンピュータ画面に表示される際の表示例。
【図4】介護に携わる者に必要な、社会人としての基本作法、知識、技術を学習するためのコンテンツが学習者のコンピュータ画面に表示される際の表示例。
【図5】介護に必要な基本作法、知識、技術を学習するためのコンテンツが学習者のコンピュータ画面に表示される際の表示例。
【図6】介護に必要な基本作法、知識、技術を学習するためのコンテンツの詳細内容が学習者のコンピュータ画面に表示される際の表示例。
【符号の説明】
【0018】
100 学習者のコンピュータ
101 学習者のコンピュータ本体
102 学習者のコンピュータ本体に接続されたハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体
103 USB端子に接続された不正利用防止のための暗号解除装置
104 コンテンツを閲覧するためのプログラムファイル
105 コンテンツファイル
106 コンテンツを閲覧するためのインターネット閲覧プログラムファイル
107 サーバ
108 サーバのコンピュータ本体
109 サーバのコンピュータ本体に接続されたハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護に携わる者に必要な介護の基本作法、知識、技術を学ぶためのコンピュータを利用した学習システムであって、複数のコンテンツから成る学習カリキュラムを学習者が画面を操作して、任意に選択しながら閲覧、学習できることを特徴とする介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のEラーニングシステム用のコンテンツとして、介護に携わる者に必要な、社会人としての基本作法、知識、技術が含まれ、これらについても学習できる請求項1に記載の介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項3】
請求項1および2に記載のEラーニングシステム用のコンテンツが、ハードディスク、DVD、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータデータ記録媒体で学習者に提供でき、学習者が操作するコンピュータ単体で利用できる介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項4】
請求項1および2に記載のEラーニングシステム用のコンテンツが、インターネットを通じて学習者に提供でき、学習者がインターネット閲覧プログラムファイルを用いて利用できる介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項5】
請求項3および4に記載のコンテンツが、共用可能なファイル形式で提供されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項6】
学習者が、コンテンツを利用する際、利用許諾された学習者のみが利用可能となるような暗号化の機能を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の暗号化が、利用者、期間、使用するコンピュータを対象として利用許諾レベルを自由に設定、解除できることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。
【請求項8】
請求項6に記載の暗号化が、コンテンツを閲覧するためのプログラムファイルと、コンテンツファイルのいずれに対しても適用できる機能を特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の介護の基本作法、知識、技術を学習するEラーニングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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