説明

仕切り板の調整可能なコンテナー

【課題】異種類の資材を収納する場合にその区分け位置を容易に変更することのできる、仕切り板の調整可能なコンテナーを提供することを目的とする。
【解決手段】資材を収納する容器部と、この容器内を仕切る仕切り板とよりなり、容器部の一方の端面の上端は、ピンを介して容器部に軸止めしてあり、仕切り板は、容器に対して固定、解除、および回転自在に構成した、仕切り板の調整可能なコンテナーを特徴としたものである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、仕切り板の調整可能なコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃焼可能な廃棄物と、不燃廃棄物を処理する場合に、従来は種類別に複数のコンテナーを用意するか、あるいはひとつのコンテナーに収納した異種の廃棄物を作業員が手作業で仕分けをするような方法が採用されている。
【0003】
【本考案が解決しようとする課題】
前記した従来の仕切り板の調整可能なコンテナーにあっては、次のような問題点がある。
<イ>種類別に複数のコンテナーを準備しておくために費用を要する。
<ロ>ひとつのコンテナーに異種の材料を投入した後に手作業で仕分けするには処理費用が高価なものとなる。
<ハ>廃棄物の仕分けに限らず、複数の資材を対象とした場合にも、同様の問題が存在する。
【0004】
本考案は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、異種類の資材を収納する場合にその区分け位置を容易に変更することのできる、仕切り板の調整可能なコンテナーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本考案の仕切り板の調整可能なコンテナーは、資材を収納する容器部と、この容器内を仕切る仕切り板とよりなり、容器部の一方の端面の上端は、ピンを介して容器部に軸止めしてあり、仕切り板は、容器に対して固定、解除、および回転自在に構成した、仕切り板の調整可能なコンテナーを特徴としたものである。
【0006】
【本考案の実施の態様】
以下図面を参照しながら本考案の仕切り板の調整可能なコンテナーの実施例について説明する。
【0007】
<イ>容器。
コンテナーの本体を構成するものが、資材を収納するための容器1である。この容器1は、側面には補強用のリブ11を突設してある。
そして容器1の一方の端面は蓋板12として構成する。この蓋板12の上端は、ピンを介して容器1に軸止めしてある。そのために容器1部を傾ければ蓋板12はピンを中心に回転して傾斜し、閉扉状態を開放することになる。
容器1の上端の一組の相対する縁部は一定の幅を有するレール13として形成する。
【0008】
<ロ>仕切り板。
この容器1内を横断する方向、すなわちレール13に直交する方向に回転軸21を配置し、この回転軸21に仕切り板2を取り付ける。
この回転軸21の端部は、容器1に固定してあるものではなく、その両端に車輪22を取り付る。そして、この車輪22を容器1縁部のレール13上に移動自在に搭載する。
仕切り板2の上部の両側には、レール13と平行方向に腕部材23を突設する。そしてこの腕部材23の端部にの車輪22を取り付ける。したがって仕切り板2は、回転軸21両端の2個の車輪22と、腕部材23先端の2個の車輪22によってレール13上に搭載されていることになる。
腕部材23の先端と、仕切り板2の下部とは斜材24によって連結して仕切り板2の自由な回転を阻止する。
【0009】
<ハ>係合部材 仕切り板2を回転自在に取り付けた回転軸21の車輪22の外側、および腕部材23先端の車輪22の外側には係合部材3を取り付ける。
この係合部材3はバネによって容器1側に弾力を与えた基板31と、その基板31の上部に取り付けたレバー32と、基板の下部に内側に向けて取り付けた2本の係合脚33とより構成する。この2本の係合脚33によって容器1外周に突設したリブ11を挟むような形状に構成する。
したがって常時は基板に作用するバネの弾力によって2本の係合脚33が強固にリブ11を挟んでおり、係合部材3上部を容器1内側に向けて押すことによって基板が外側に倒れ、係合脚33がリブ11の外部に抜け出すことになる。
係合部材3は一側に2か所設けるが、その間隔は容器1のリブ11の間隔に等しい位置に配置する。したがって係合する場合には両側の4か所の係合脚33のすべてが同時にリブ11に係合することになる。
【0010】
【使用方法】
次に使用方法について説明する。
【0011】
<イ>仕切り位置の移動。
容器1を廃棄物の収納に使用する場合を例に説明する。
容器1の設置場所における廃棄物の種類と量の予想に応じて仕切り板2を移動する。この移動のために、まずレバー32を起こして2本の係合脚33をいったん容器1のリブ11から離脱させる。そして仕切り板2の位置を移動するが、仕切り板2は車輪22によってレール13上に搭載しているから、その移動は容易であり特別の重機を使用せず作業員の人力によって容易に行うことができる。
所定の位置に到達したら、レバー32を倒して2本の係合脚33によって容器1のリブ11を挟む。なお、前記したように係合部材3の間隔は、容器1のリブ11の間隔に等しく構成してあるから、4か所の係合脚33のすべてが同時にリブ11に係合することになる。
こうして仕切り板2を自由な位置に確実に固定して、容器の内部を自由な容積に仕切ることができる。
【0012】
<ロ>排出。
容器1が満杯になったら例えばダンプトラックに搭載して廃棄物処理場などに運搬する。その場合に、ピンで軸止めした蓋板12の側を、トラックの後方に向けて搭載する。
そしてトラックの荷台を持ち上げると、容器1の蓋板12が開放する。その結果、仕切り板2の後方に収納した材料のみが排出され、仕切り板2の前方の材料はそのまま保存される。
次に荷台を下げて場所を移動し、容器の前方に収納した資材を排出する位置まで移動する。
その位置で後方の係合部材3のレバー32を引き起こして、係合脚33とリブ11との係合を解除する。
その状態で荷台を持ち上げると、仕切り板2はその自重、および資材の重量によって回転軸21を中心に回転する。その結果、仕切り板2よりも前方に収納してあった資材を排出することができる。
【0013】
【本考案の効果】
本考案の仕切り板2の調整可能なコンテナーは以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>コンテナーに収納する資材の種類や量に応じて仕切り板2の位置を自由に変更することができる。したがって複数のコンテナーを準備する必要がなく1台のコンテナーで異種の資材を混合させずに収納することができる。
<ロ>運搬時や処理場において、複数の資材が混合することがなく、整然と区分することができる。
<ハ>仕切り板2の移動が、レール13上の車輪22を使用して行うことができるから、特別な重機を待機させておく必要がなく経済的である。
<ニ>コンテナーから排出する場合には、係合部材3の係合脚33をリブ11から取り外して容器1を持ち上げるだけなので簡単で安全である。
<ホ>産業廃棄物の処理以外にも、資材を仕分けする用途に広く採用することができる。またダンプトラックに搭載する場合に限らず、容器の一方をつり上げることによって同様の作動を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の仕切り板の調整可能なコンテナーの実施例の説明図
【図2】係合部材の実施例の説明図
【図3】係合部材とリブの関係の説明図
【図4】容器の一方を吊り上げた状態の説明図

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】資材を収納する容器部と、この容器内を仕切る仕切り板とよりなり、容器部の一方の端面の上端は、ピンを介して容器部に軸止めしてあり、仕切り板は、容器に対して固定、解除、および回転自在に構成した、仕切り板の調整可能なコンテナー
【請求項2】資材を収納する容器部と、この容器内を仕切る仕切り板とよりなり、容器部の一方の端面の上端は、ピンを介して容器部に軸止めしてあり、仕切り板の両端には車輪を取り付け、この車輪を容器縁部のレール上に移動自在に搭載し、さらに仕切り板には容器に係合する係合部材を取り付けて構成した、仕切り板の調整可能なコンテナー

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3030391号
【登録日】平成8年(1996)8月7日
【発行日】平成8年(1996)10月22日
【考案の名称】仕切り板の調整可能なコンテナー
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−4255
【出願日】平成8年(1996)4月19日
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(596068969)大栄環境株式会社 (3)
【出願人】(000153144)株式会社日本技術センター (7)