仕切板および間仕切壁
【課題】簡単に組立または解体ができ、かつ解体した後も再利用することができる仕切板および間仕切壁を提供することである。
【解決手段】仕切板1は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材2が中空層3を挟んで対向して接合され、この中空層3が板材2間のスペーサ9または板材の対向面に形成された突状部4によって形成され、板材2の内外面および両側面に形成された差込用スリット5には必要に応じて補強用差込材6が取外自在に差し込まれたことである。
【解決手段】仕切板1は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材2が中空層3を挟んで対向して接合され、この中空層3が板材2間のスペーサ9または板材の対向面に形成された突状部4によって形成され、板材2の内外面および両側面に形成された差込用スリット5には必要に応じて補強用差込材6が取外自在に差し込まれたことである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は仕切板および間仕切壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の部屋の内部はほとんどが間仕切壁によって仕切られている。この間仕切壁は天井および床面に設置したチャンネル材と、これらのチャンネル材間に設置された間柱とから枠体が形成され、この枠体に石膏ボートなどの板材が建て込まれ、この板材の表面に仕上材が張り付けられて構成されている。またその他の間仕切壁としては、例えば特開2006−233693号公報の発明が知られている。
【特許文献1】特開2006−233693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の間仕切壁は枠体と石膏ボードなどの板材で構成されているため構造が複雑となり、簡単に組立または解体することができず、解体した後は単なる産業廃棄物となって再利用することができなかった。
【0004】
本願発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単に組立または解体ができ、かつ解体した後も再利用することができる仕切板および間仕切壁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するための手段である仕切板は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれたことを特徴とする。
また間仕切壁は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれてなる仕切板が側面同士で複数接合され、これら仕切板の上下端部が天井および床面の嵌合体に嵌合されて固定されたことを特徴とする。また仕切板の表面には仕上材が張られ、該仕上材が補強用差込材に固定されたことを含むものである。
【発明の効果】
【0006】
仕切板を側面同士で複数接合することにより中空層を備えた間仕切壁を簡単に組立形成でき、かつ簡単に解体することができる。また間仕切壁を解体した後も間仕切壁を組立形成するために、仕切板を再利用することができる。また一対の板材が合成樹脂発泡材で形成されたことにより、断熱性および遮音性に優れた間仕切壁を組立形成することができる。また差込用スリットに補強用差込材を差し込むことによって任意の形状、例えば平面T字形または平面十字形などの間仕切壁を組立形成することができる。また補強用差込材を必要に応じて差込用スリットに差し込んだり、または差込用スリットから引き抜くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本願発明の仕切板および間仕切壁の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに仕切板について説明し、その後にこの仕切板を用いて組み立てた間仕切壁について説明する。また各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成のみに異なった符号を付して説明する。
【0008】
この仕切板は間仕切壁を組立形成するものであり、例えば鉄筋コンクリート構造物における部屋の内部を仕切ったり、あるいは共同住宅において間取りを変える際の仕切壁に使用するものである。
【0009】
図1〜図5は第1の実施の形態の仕切板1である。この仕切板1は、ポリスチレン系樹脂発泡材、ポリオレフィン系樹脂発泡材、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡材で発泡形成された二枚の板材2が上下に貫通した中空層3を挟んで対向状に接合されて構成されている。
【0010】
この板材2は適宜厚さの長方形で、例えば900×2400mmの大きさがあり、内面側に突状部4が長さ方向に沿って4本形成され、この突状部4同士が突き合わされて3つの中空層3が形成されている。
【0011】
この板材2の内外面および両側面には長さ方向(縦方向)に沿った差込用スリット5が形成され、外面における差込用スリット5には補強用差込材6が差し込まれている。この補強用差込材6は金属または硬質プラスチックスでコ字形に形成され、補強が必要な差込用スリット5に差し込まれて板材2を補強するが、補強の必要がない差込用スリット5には差し込まれておらず、また差し込んだ後に引き抜かれている。
【0012】
一方、内面における突状部4に形成された差込用スリット5には平板状の接合用差込材7が差し込まれて二枚の板材2の突き合わせ面を接合するとともに、両側面の差込用スリット5にも接合用差込材7が差し込まれて二枚の板材2の側面を接合している。
【0013】
したがって、これらの差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜くと、図4および図5に示すように、二枚の板材2が分離するが、この状態から二枚の板材2を対向状に合わせて各差込用スリット5に接合用差込材7を差し込むと、二枚の板材2が接合されて中空層3を備えた仕切板1が組立形成される。
【0014】
また板材2の外面の両端部、および側面にも差込用スリット5が形成され、この差込用スリット5に、コ字形の接合用差込材7を差し込まずに、平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、図4の(2)に示すように、仕切板1が側面同士で接合される。このように仕切板1を接合したい箇所に差込用スリット5を形成すると、任意の箇所で仕切板1同士を接合することができるので、例えば平面T字形または平面十字形の間仕切壁を組立形成することが可能になる。
【0015】
また図6〜図9は第2の実施の形態の仕切板8である。この仕切板8は二枚の板材2同士を、適宜厚さのスペーサ9を介して対向状に接合して、板材2間に中空層3を形成したものであり、これ以外は第1の実施の形態の仕切板1と同じ構成である。この板材2同士は補強用差込材6から各スペーサ9に打ち込まれた2本のビス(または釘)10で接合されている。またスペーサ9はビス10の打ち込みを可能とするため硬質プラスチック材や木材で形成されている。
【0016】
そのためスペーサ9に打ち込まれたビス10を引き抜くと、図8および図9に示すように、二枚の板材2が分離するが、この状態から二枚の板材2を、スペーサ9を介して対向状に接合して、ビス10をスペーサ9に再び打ち込むと、二枚の板材2が中空層3を挟んで接合された仕切板8が構成される。
【0017】
また板材2の外面の両端部および側面にも差込用スリット5が形成され、該側面の差込用スリット5に平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、図8の(2)に示すように、仕切板8が側面同士で接合される。この場合、側面同士で接合される板材2間にわたってスペーサ9を差し込み、このスペーサ9に接合用差込材7からビス10を打ち込んでもよい。
【0018】
なお上記の実施の形態において補強用差込材6および接合用差込材7はコ字形と平板状のもので説明したが、これに限らず、H形およびT字形の補強用差込材8および接合用差込材9を使用することもできる。
【0019】
また図10〜図12は第1の実施の形態の間仕切壁11である。この間仕切壁11は第1の実施の形態の仕切板1を使用したものであり、側面同士で複数の仕切板1が接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれている。
【0020】
これらの仕切板1の側面同士を付き合わると、外面端部の差込用スリット5が隣り合うため、これらにわたってコ字形の接合用差込材7を差し込むものとする。このようにすると仕切板1が横方向(幅方向)に接合され、この上下端が天井および床面の嵌合体12で固定されている。また仕切板1の側面には接合用差込材7が設置されているため、側面同士を付き合わせると、これらの厚み分の隙間13が接合部に空くが、この隙間13は接合用差込材7で覆われる。また仕切板の表面には仕上材16が張られて補強用差込材6に固定されている。
【0021】
この間仕切壁11には中空層3が形成されるため、ここに配管や配線を施すことができかつ遮音性および断熱性も高められる。この間仕切壁11の組み立てによって建物の部屋の内部が仕切られるが、間取りなどを変更する場合は、天井および床面における嵌合体12を取り外し、接合用差込材7を差込用スリット5から引き抜くと、仕切板1同士の接合が解かれて間仕切壁11が解体される。
【0022】
また図13および図14は第2の実施の形態の間仕切壁14である。この間仕切壁14は側面の差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いて、仕切板1を接合したものであり、これ以外は第1の実施の形態の間仕切壁11と同じ構成である。
【0023】
このように、突き合わされる側の側面における差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いて仕切板1を接合すると、差込用スリット5同士が突き合わされて、接合用差込材を差し込む差込用スリット5が形成される。そして、ここに平板状の接合用差込材7を差し込み、隣り合った外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、仕切板1同士が横方向に接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれている。このように側面の差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いたため、接合部には上記のような隙間13が空かずに側面同士が密接される。
【0024】
この間仕切壁14も上記と同様に中空層3に配管や配線が施され、遮音性および断熱性も高められる。また、この間仕切壁14の組立または解体も上記と同じ方法で行われる。
【0025】
また図15〜図17は第3の実施の形態の間仕切壁15である。この間仕切壁15は第2の実施の形態の仕切板8を使用したものであり、側面同士で複数の仕切板8が接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれて構成されている。
【0026】
このように突き合わされる側の側面と、外面端部とには差込用スリット5が形成されているため、側面同士を突き合わせると、側面の差込用スリット5同士も突き合わされて、接合用差込材を差し込む差込用スリット5が形成される。そして、ここに平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、仕切板8が横方向に接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれる。
【0027】
これらの仕切板12同士も上記と同様に、接合部に隙間13が空かないため、側面同士が密接される。また、この間仕切壁15もスペーサ9によって中空層3が形成されるため、ここに配管や配線を施すことができ、かつ遮音性および断熱性も高められる。また、この間仕切壁15の組立または解体も上記と同じ方法で行われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施の形態の仕切板の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の仕切板の横方向の断面図である。
【図3】第1の実施の形態の仕切板の縦方向の断面図である。
【図4】第1の実施の形態の仕切板であり、(1)は解体した断面図、(2)は同組立断面図である。
【図5】第1の実施の形態の仕切板の解体斜視図である。
【図6】第2の実施の形態の仕切板の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の仕切板の横方向の断面図である。
【図8】第2の実施の形態の仕切板であり、(1)は解体した断面図、(2)は同組立断面図である。
【図9】第2の実施の形態の仕切板の解体斜視図である。
【図10】第1の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図11】第1の実施の形態の間仕切壁の縦方向の断面図である。
【図12】第1の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【図13】第2の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図14】第2の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【図15】第3の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図16】第3の実施の形態の間仕切壁の縦方向の断面図である。
【図17】第3の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1、8 仕切板
2 板材
3 中空層
4 突状部
5 差込用スリット
6 補強用差込材
7 接合用差込材
9 スペーサ
10 ビス
11、14、15 間仕切壁
12 嵌合体
13 隙間
16 仕上材
【技術分野】
【0001】
本願発明は仕切板および間仕切壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の部屋の内部はほとんどが間仕切壁によって仕切られている。この間仕切壁は天井および床面に設置したチャンネル材と、これらのチャンネル材間に設置された間柱とから枠体が形成され、この枠体に石膏ボートなどの板材が建て込まれ、この板材の表面に仕上材が張り付けられて構成されている。またその他の間仕切壁としては、例えば特開2006−233693号公報の発明が知られている。
【特許文献1】特開2006−233693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の間仕切壁は枠体と石膏ボードなどの板材で構成されているため構造が複雑となり、簡単に組立または解体することができず、解体した後は単なる産業廃棄物となって再利用することができなかった。
【0004】
本願発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単に組立または解体ができ、かつ解体した後も再利用することができる仕切板および間仕切壁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するための手段である仕切板は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれたことを特徴とする。
また間仕切壁は、合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれてなる仕切板が側面同士で複数接合され、これら仕切板の上下端部が天井および床面の嵌合体に嵌合されて固定されたことを特徴とする。また仕切板の表面には仕上材が張られ、該仕上材が補強用差込材に固定されたことを含むものである。
【発明の効果】
【0006】
仕切板を側面同士で複数接合することにより中空層を備えた間仕切壁を簡単に組立形成でき、かつ簡単に解体することができる。また間仕切壁を解体した後も間仕切壁を組立形成するために、仕切板を再利用することができる。また一対の板材が合成樹脂発泡材で形成されたことにより、断熱性および遮音性に優れた間仕切壁を組立形成することができる。また差込用スリットに補強用差込材を差し込むことによって任意の形状、例えば平面T字形または平面十字形などの間仕切壁を組立形成することができる。また補強用差込材を必要に応じて差込用スリットに差し込んだり、または差込用スリットから引き抜くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本願発明の仕切板および間仕切壁の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに仕切板について説明し、その後にこの仕切板を用いて組み立てた間仕切壁について説明する。また各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成のみに異なった符号を付して説明する。
【0008】
この仕切板は間仕切壁を組立形成するものであり、例えば鉄筋コンクリート構造物における部屋の内部を仕切ったり、あるいは共同住宅において間取りを変える際の仕切壁に使用するものである。
【0009】
図1〜図5は第1の実施の形態の仕切板1である。この仕切板1は、ポリスチレン系樹脂発泡材、ポリオレフィン系樹脂発泡材、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡材で発泡形成された二枚の板材2が上下に貫通した中空層3を挟んで対向状に接合されて構成されている。
【0010】
この板材2は適宜厚さの長方形で、例えば900×2400mmの大きさがあり、内面側に突状部4が長さ方向に沿って4本形成され、この突状部4同士が突き合わされて3つの中空層3が形成されている。
【0011】
この板材2の内外面および両側面には長さ方向(縦方向)に沿った差込用スリット5が形成され、外面における差込用スリット5には補強用差込材6が差し込まれている。この補強用差込材6は金属または硬質プラスチックスでコ字形に形成され、補強が必要な差込用スリット5に差し込まれて板材2を補強するが、補強の必要がない差込用スリット5には差し込まれておらず、また差し込んだ後に引き抜かれている。
【0012】
一方、内面における突状部4に形成された差込用スリット5には平板状の接合用差込材7が差し込まれて二枚の板材2の突き合わせ面を接合するとともに、両側面の差込用スリット5にも接合用差込材7が差し込まれて二枚の板材2の側面を接合している。
【0013】
したがって、これらの差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜くと、図4および図5に示すように、二枚の板材2が分離するが、この状態から二枚の板材2を対向状に合わせて各差込用スリット5に接合用差込材7を差し込むと、二枚の板材2が接合されて中空層3を備えた仕切板1が組立形成される。
【0014】
また板材2の外面の両端部、および側面にも差込用スリット5が形成され、この差込用スリット5に、コ字形の接合用差込材7を差し込まずに、平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、図4の(2)に示すように、仕切板1が側面同士で接合される。このように仕切板1を接合したい箇所に差込用スリット5を形成すると、任意の箇所で仕切板1同士を接合することができるので、例えば平面T字形または平面十字形の間仕切壁を組立形成することが可能になる。
【0015】
また図6〜図9は第2の実施の形態の仕切板8である。この仕切板8は二枚の板材2同士を、適宜厚さのスペーサ9を介して対向状に接合して、板材2間に中空層3を形成したものであり、これ以外は第1の実施の形態の仕切板1と同じ構成である。この板材2同士は補強用差込材6から各スペーサ9に打ち込まれた2本のビス(または釘)10で接合されている。またスペーサ9はビス10の打ち込みを可能とするため硬質プラスチック材や木材で形成されている。
【0016】
そのためスペーサ9に打ち込まれたビス10を引き抜くと、図8および図9に示すように、二枚の板材2が分離するが、この状態から二枚の板材2を、スペーサ9を介して対向状に接合して、ビス10をスペーサ9に再び打ち込むと、二枚の板材2が中空層3を挟んで接合された仕切板8が構成される。
【0017】
また板材2の外面の両端部および側面にも差込用スリット5が形成され、該側面の差込用スリット5に平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、図8の(2)に示すように、仕切板8が側面同士で接合される。この場合、側面同士で接合される板材2間にわたってスペーサ9を差し込み、このスペーサ9に接合用差込材7からビス10を打ち込んでもよい。
【0018】
なお上記の実施の形態において補強用差込材6および接合用差込材7はコ字形と平板状のもので説明したが、これに限らず、H形およびT字形の補強用差込材8および接合用差込材9を使用することもできる。
【0019】
また図10〜図12は第1の実施の形態の間仕切壁11である。この間仕切壁11は第1の実施の形態の仕切板1を使用したものであり、側面同士で複数の仕切板1が接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれている。
【0020】
これらの仕切板1の側面同士を付き合わると、外面端部の差込用スリット5が隣り合うため、これらにわたってコ字形の接合用差込材7を差し込むものとする。このようにすると仕切板1が横方向(幅方向)に接合され、この上下端が天井および床面の嵌合体12で固定されている。また仕切板1の側面には接合用差込材7が設置されているため、側面同士を付き合わせると、これらの厚み分の隙間13が接合部に空くが、この隙間13は接合用差込材7で覆われる。また仕切板の表面には仕上材16が張られて補強用差込材6に固定されている。
【0021】
この間仕切壁11には中空層3が形成されるため、ここに配管や配線を施すことができかつ遮音性および断熱性も高められる。この間仕切壁11の組み立てによって建物の部屋の内部が仕切られるが、間取りなどを変更する場合は、天井および床面における嵌合体12を取り外し、接合用差込材7を差込用スリット5から引き抜くと、仕切板1同士の接合が解かれて間仕切壁11が解体される。
【0022】
また図13および図14は第2の実施の形態の間仕切壁14である。この間仕切壁14は側面の差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いて、仕切板1を接合したものであり、これ以外は第1の実施の形態の間仕切壁11と同じ構成である。
【0023】
このように、突き合わされる側の側面における差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いて仕切板1を接合すると、差込用スリット5同士が突き合わされて、接合用差込材を差し込む差込用スリット5が形成される。そして、ここに平板状の接合用差込材7を差し込み、隣り合った外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、仕切板1同士が横方向に接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれている。このように側面の差込用スリット5から接合用差込材7を引き抜いたため、接合部には上記のような隙間13が空かずに側面同士が密接される。
【0024】
この間仕切壁14も上記と同様に中空層3に配管や配線が施され、遮音性および断熱性も高められる。また、この間仕切壁14の組立または解体も上記と同じ方法で行われる。
【0025】
また図15〜図17は第3の実施の形態の間仕切壁15である。この間仕切壁15は第2の実施の形態の仕切板8を使用したものであり、側面同士で複数の仕切板8が接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれて構成されている。
【0026】
このように突き合わされる側の側面と、外面端部とには差込用スリット5が形成されているため、側面同士を突き合わせると、側面の差込用スリット5同士も突き合わされて、接合用差込材を差し込む差込用スリット5が形成される。そして、ここに平板状の接合用差込材7を差し込むとともに、外面端部の差込用スリット5にコ字形の接合用差込材7を差し込むと、仕切板8が横方向に接合され、この上下端が天井および床面におけるコ字形の嵌合体12に差し込まれる。
【0027】
これらの仕切板12同士も上記と同様に、接合部に隙間13が空かないため、側面同士が密接される。また、この間仕切壁15もスペーサ9によって中空層3が形成されるため、ここに配管や配線を施すことができ、かつ遮音性および断熱性も高められる。また、この間仕切壁15の組立または解体も上記と同じ方法で行われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施の形態の仕切板の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の仕切板の横方向の断面図である。
【図3】第1の実施の形態の仕切板の縦方向の断面図である。
【図4】第1の実施の形態の仕切板であり、(1)は解体した断面図、(2)は同組立断面図である。
【図5】第1の実施の形態の仕切板の解体斜視図である。
【図6】第2の実施の形態の仕切板の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の仕切板の横方向の断面図である。
【図8】第2の実施の形態の仕切板であり、(1)は解体した断面図、(2)は同組立断面図である。
【図9】第2の実施の形態の仕切板の解体斜視図である。
【図10】第1の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図11】第1の実施の形態の間仕切壁の縦方向の断面図である。
【図12】第1の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【図13】第2の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図14】第2の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【図15】第3の実施の形態の間仕切壁の横方向の断面図である。
【図16】第3の実施の形態の間仕切壁の縦方向の断面図である。
【図17】第3の実施の形態の間仕切壁の斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1、8 仕切板
2 板材
3 中空層
4 突状部
5 差込用スリット
6 補強用差込材
7 接合用差込材
9 スペーサ
10 ビス
11、14、15 間仕切壁
12 嵌合体
13 隙間
16 仕上材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれたことを特徴とする仕切板。
【請求項2】
請求項1の仕切板が側面同士で複数接合され、これら仕切板の上下端部が天井および床面の嵌合体に嵌合されて固定されてなることを特徴とする間仕切壁。
【請求項3】
仕切板の表面には仕上材が張られ、該仕上材が補強用差込材に固定されたことを特徴とする請求項2に記載の間仕切壁。
【請求項1】
合成樹脂発泡材で形成された一対の板材が中空層を挟んで対向して接合され、この中空層が板材間のスペーサまたは板材の対向面に形成された突状部によって形成され、板材の内外面および両側面に形成された差込用スリットには必要に応じて補強用差込材が取外自在に差し込まれたことを特徴とする仕切板。
【請求項2】
請求項1の仕切板が側面同士で複数接合され、これら仕切板の上下端部が天井および床面の嵌合体に嵌合されて固定されてなることを特徴とする間仕切壁。
【請求項3】
仕切板の表面には仕上材が張られ、該仕上材が補強用差込材に固定されたことを特徴とする請求項2に記載の間仕切壁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−223232(P2008−223232A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58507(P2007−58507)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(303059990)油化三昌建材株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(303059990)油化三昌建材株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]