説明

付箋表示装置、付箋表示プログラム及び付箋表示方法

【課題】 同じ箇所に複数の付箋を付加しつつも各付箋の記述をユーザが容易に閲覧できるようにすることで、各付箋を適切な位置に付加できるようにする。
【解決手段】 付箋表示装置は、付箋データを複数管理する付箋リストと文書上の位置を特定する位置情報とを含む付箋組データを保持するメモリ2と、UI1で受け付けるユーザ操作に基づいて付箋組データを編集する編集処理部3と、付箋組データの位置情報により特定される文書上の位置に付箋リスト中の各付箋データに基づく付箋画像を重ねた文書画像を生成してUI1に提供して表示出力する表示処理部4と、を備えている。そして、表示処理部4が、編集処理部3により付箋組データが編集されたことに応じて、当該編集後の付箋組データに基づいて画像を再生成して表示を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書に対する記述を保持する付箋情報に基づいて当該文書の表示画像に当該記述を付加して付箋として表示する技術に関し、特に、文書上の同一部分に対する複数の記述の付加をユーザが不自由なく行えるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータ等を利用して文書のデータに基づく画像を表示するような文書表示装置において、文書に付加して情報を記述できる付箋オブジェクト(以下、「付箋」と記す)が用意されている。付箋は、例えば、文書中の所定部分に対してコメントを付加して記述したい場合などに利用されており、付加された位置によって当該付箋に記述されたコメントが文書中のどの部分に対するものかを示しているため、付加された位置自体が重要な意味を持っている。
【0003】
文書に付加する付箋に係る発明として、付箋の各々を対応するページの順に表示し、表示された付箋が予め設定されている付箋表示領域内に配置できるか否かを判定し、判定結果付箋表示領域内に配置できない付箋があった場合には配置できない付箋を非表示とする発明が提案されている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−306553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、文書を複数人で回覧して各自がコメントするような文書レビューを行う場合には、各自がコメント内容を記述した付箋を文書中の対応する箇所にそれぞれ付加することにより文書レビューを実現しているが、文書の同じ部分に対して複数人がコメントすると同様な箇所に複数の付箋が付加されると区別しにくいため、各付箋の色を変える等の工夫を行っている。ここで、各付箋を付加するために十分な余白が文書中にあればよいが、余白が十分でない場合には以下のような問題が生じる。
【0005】
すなわち、付箋を付加しようとする先に既に他の付箋が付加されている場合には場所を変えて付加せざるを得ないが、本来コメントしたい部分から離れてしまい、どの部分に対するコメントか分からなくなる。また、付箋を重ねると、背面側の付箋を見るためにはその付箋を選択して最前面に移す操作が必要になり、特に、多数の付箋が重なっていると対象の付箋を選択しづらくなる。また、他の付箋により完全に隠れてしまうとその存在自体を認識できなくなる。また、付箋が重なるのを避けるべく文書の内容部分に付加することは、文書に対する付属的な情報である付箋によって文書内容が隠れることになって問題であり、文書内容を確認するために付箋を別の位置に移動させなければならず面倒である。
【0006】
また、付箋の大きさが制限されている場合には以下のような問題が生じる。
すなわち、文字数の多いコメントを行いたい場合には、複数の付箋に分けて書き込む必要があるが、複数の付箋に分けることにより上述したような問題が生じる。また、複数の付箋に分けるのを避けるべく文字の大きさを小さくする場合には、その記述内容が見づらくなる。
【0007】
なお、付箋の大きさが制限されている場合の問題の解決方法として、例えば、Acrobat(登録商標)の付箋アノテーションのように、選択された付箋にスクロールバーを設けてウィンドウ表示し、当該付箋内のコメント内容をスクロールバーの操作によりスクロールして表示する、という方法もある。しかしながら、この方法によると、文書表示装置のウィンドウ内に紙状に表現した文書中に更に付箋ウィンドウがあるため、操作が面倒で使いづらく、また、同じ部分に対する複数の付箋を付加する場合に生じる問題には対応できない。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、同じ箇所に複数の付箋を付加しつつも各付箋の記述をユーザが容易に閲覧できるようにすることで、各付箋を適切な位置に付加できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、文書に対する記述を保持する付箋情報に基づいて当該文書の表示画像に当該記述を付箋として付加して表示する付箋表示装置、付箋表示装置をコンピュータに構成するプログラム、付箋表示装置で実施する方法として実現される。
本発明の付箋表示装置は、付箋情報を複数関連付けた関連付け情報と文書上の位置を特定する位置情報とを含む組情報を保持する付箋組保持手段と、ユーザ操作に基づいて組情報を編集する編集手段と、を備えると共に、表示手段を備えている。そして、表示手段が、前記保持された組情報の位置情報により特定される文書上の位置に当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の記述を表示し、編集手段により当該組情報が編集されたことに応じて当該編集後の組情報に基づいて表示を変更する。
すなわち、本発明によると、複数の付箋を関連付けて付箋組として文書上の所定位置に表示でき、ユーザ操作に応じて当該付箋組を編集してその表示を変更することができる。
【0010】
具体的には、前記組情報に、当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の並び順を規定すると共に、当該各付箋情報のうちの1つを表示対象として特定しておき、表示手段が、表示対象である付箋情報の記述を表示し、編集手段が、表示対象とする付箋情報を並び順に沿った順番でユーザ操作に基づいて変更する。したがって、関連付けられた各付箋を切り替えて表示することができるため、ユーザは各付箋の記述をそれぞれ確認できるようになる。
【0011】
また、具体的には、前記組情報に、当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の並び順を規定しておき、表示手段が、関連付け情報に係る各付箋情報の記述を並び順に沿った順番でそれぞれの記述を表示する領域ずつずらして表示する。したがって、関連付けられた各付箋をまとめて表示することができるため、ユーザは一目して各付箋の記述を確認できるようになる。
【0012】
なお、上記したような、各付箋を切り替え表示する付箋めくり表示モードと、各付箋をまとめて表示する付箋ずらし表示モードと、をそれぞれ用意して、ユーザ操作に応じてこれら表示モードを変更して表示するようにしてもよい。
【0013】
また、具体的には、編集手段が、ユーザ操作により指定された基準に従って各付箋情報の並び順を変更する。したがって、例えば、付箋を付加した日時、付箋の作成者、付箋の背景色など、ユーザの所望する基準に従って各付箋を並べ替えて表示することができるため、ユーザは各付箋の記述を系統立てて確認できるようになる。
【0014】
また、具体的には、前記組情報に、表示する付箋情報を限定するための表示条件を規定しておき、表示手段が、関連付け情報に係る各付箋情報のうち表示条件を満たす付箋情報の記述を表示し、編集手段が、ユーザ操作により指定された条件に従って表示条件を変更する。したがって、例えば、付箋を付加した日時、付箋の作成者、付箋の背景色など、ユーザの所望する条件を満たす付箋のみを表示することができるため、ユーザは必要な情報を速やかに得ることができるようになる。
【0015】
また、具体的には、編集手段が、ユーザ操作により複数の記述の表示が重ねられた場合に、当該各表示に係る付箋情報を関連付ける関連付け情報と当該重ねられた位置を特定する位置情報とを含む付箋組情報を生成する。したがって、付箋同士を重ねるという簡単な操作でこれら付箋を付箋組として管理できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、既に付加されている他の付箋の存在を気にすることなく文書中の適切な位置に付箋を付加することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を、一実施例に基づいて具体的に説明する。
本例に係る付箋表示装置は、その構成を示す図1に記載の通りの機能を備えており、文書表示装置に組み込まれている。
付箋表示装置は、ディスプレイ画面やキーボード・マウス等を介してユーザへの情報提供や操作入力の受け付けといった入出力を行うUI(User Interface)1、文書や当該文書に付加する付箋等の情報を保持するメモリ2、UI1によりユーザから受け付けた操作入力に応じてメモリ2内の情報を編集する編集処理部3、メモリ2内の情報に基づいて文書に付箋を付加した画像を生成してUI1により表示出力させる表示処理部4、を備えている。
本例では、上記各機能手段は、本発明に係るプログラムをコンピュータに実行させることにより構成しているが、専用の回路素子により構成するようにしてもよい。
【0018】
メモリ2は、表示対象の文書データを保持しており、当該文書データ中に図2に示す付箋組データ及び図3に示す付箋データを保持している。
付箋組データは、当該付箋組データを特定する「付箋組ID」、文書中のページを特定する「ページID」、ページ中の位置を特定する「位置座標(X,Y)」、付箋データを特定する複数の付箋IDを順序付けて保持する「付箋リスト」、等を保持している。
本例では、付箋リストが本発明に係る関連付け情報に相当し、ページID及び位置座標が本発明に係る位置情報に相当する。
なお、本例の付箋リストは、各付箋IDのうち処理対象の付箋IDを1つ特定するカーソルと、各付箋IDに対応する付箋が表示可能か否かを示す付箋ID毎の表示フラグ(0:表示可、1:表示不可)と、を更に保持している。
【0019】
付箋データは、当該付箋データを特定する「付箋ID」、文書中のページを特定する「ページID」、ページ中の位置を特定する「位置座標(X,Y)」、付箋を作成した「日時」及び「作成者」、付箋の「色」及び「形」及び「大きさ」、付箋に記述された「記述内容」等を保持している。
【0020】
本例では、図4(b)に示すように、文書中のページに付属する付箋組データが複数の付箋データをまとめて管理する構成となっており、文書中のページに付箋データが付属する従来構成(同図(a))とは異なっている。
そして、このように複数の付箋をまとめて付箋組として管理しているため、同じ位置に複数の付箋を付加しても、これら各付箋を管理する付箋組の編集(例えば、処理対象の付箋の切り替え、付箋の並び順のソート、付箋のフィルタリング等)に応じて表示を変更することで、当該位置に所望の付箋を速やかに表示させることができ、従来のように重なり合う各付箋から所望の付箋を探し出して最前面に移動させるといった面倒な操作を行う必要がなくなる。また、付箋組単位での移動・コピー・削除等を行うことができ、より簡単に付箋を操作できるようになる。
【0021】
なお、本例では、文書データ中に付箋組データ及び付箋データを保持しているが、付箋組データ及び付箋データを文書データとは別に保持し、それぞれを対応付けるようにしてもよい。また、本例では、付箋リストとして付箋IDを保持しているが、付箋データ自体を保持するようにしてもよい。
【0022】
編集処理部3は、付箋束ね処理部31、付箋ばらし処理部32、移動・コピー・削除処理部33、付箋めくり処理部34、ソート処理部35、フィルタリング処理部36、付箋サイズ統一処理部37、等を備えている。
表示処理部4は、付箋めくり表示部41、付箋ずらし表示部42、表示モード切替え部43、等を備えている。
【0023】
付箋束ね処理部31は、複数の付箋が重ねられたことに応じて、互いの付箋に係る付箋データを管理する付箋組データを生成する。また、既に付箋組として管理されている付箋に他の付箋が重ねられた場合には、当該他の付箋を既存の付箋組データの付箋リストの末尾に加える処理を行う。
本例では、付箋が重ねられた場合に、自動的に付箋組を生成したり既存の付箋組に加えたりする束ね処理をしているが、付箋を重ねた後にユーザから束ねる指示を受け付けたことをトリガーにして束ね処理を行ってもよい。
【0024】
なお、付箋組データの生成は、具体的には、次のようにして行われる。まず、付箋組IDを自動採番し、重ねられた側の付箋データのページID及び位置座標を付箋組データのページID及び位置座標として採用する。そして、重ねられた側の付箋データの付箋ID、重ねた側の付箋データの付箋ID、の順に付箋リストを作成し、重ねられた側の付箋データにカーソルを設定し、両付箋データを表示可(表示フラグ:0)とする。
【0025】
付箋ばらし処理部32は、ユーザ操作に応じて、付箋組データの付箋リストから付箋IDを除去して付箋を1枚だけばらす処理や、付箋組データ自体を削除して全ての付箋をばらす処理を行う。
【0026】
移動・コピー・削除処理部33は、ユーザ操作に応じて、付箋組データの位置情報(ページID及び位置座標)を変更して付箋組単位で位置を移動したり、既存の付箋組データとその付箋リストに係る各付箋データとに基づいて新たな付箋組データ及び対応する各付箋データを生成して付箋組単位でコピーしたり、付箋組データ及びその付箋リストに係る各付箋データを削除して付箋組単位で削除する。
【0027】
付箋めくり処理部34は、付箋組データの付箋リスト中の処理対象の付箋IDを特定するカーソルを、ユーザ操作に応じて、当該付箋IDの前に位置する付箋IDあるいは次に位置する付箋IDに変更する。
【0028】
ソート処理部35は、付箋組データの付箋リスト中の各付箋IDの並び順を、ユーザにより指定されたソート条件に従って、対応する付箋データの日時、作成者、色、等の情報に基づいて並べ替える。
【0029】
フィルタリング処理部36は、付箋組データの付箋リスト中の各表示フラグを、ユーザにより指定されたフィルタ条件に従って設定し直す。すなわち、各付箋データの日時、作成者、色、等の情報が選別条件を満たしているかを判定し、条件を満たしている場合には表示可(表示フラグ:0)を設定し、条件を満たしていない場合には表示不可(表示フラグ:1)を設定する。
【0030】
付箋サイズ統一処理部37は、付箋組データの付箋リストに係る各付箋データがそれぞれ保持している付箋の大きさ情報を、ユーザ操作に応じて統一する。
【0031】
付箋めくり表示部41は、付箋組データのページID及び位置座標により特定される文書上の位置に、付箋リストのカーソルに対応する付箋データに保持された記述内容を重ねた画像を生成し、UI1に提供して表示出力させる。なお、本例の付箋めくり表示部41は、付箋リスト中の表示可(表示フラグ:0)が設定された付箋IDに対応する付箋データに基づいて画像を生成する。
【0032】
付箋ずらし表示部42は、付箋組データのページID及び位置座標により特定される文書上の位置に、付箋リスト中の各付箋IDの並び順に従って、対応する各付箋データに保持された記述内容をその表示に要する領域分ずつずらして重ねた画像を生成し、UI1に提供して表示出力させる。なお、本例の付箋めくり表示部41は、付箋リスト中の表示可(表示フラグ:0)が設定された付箋IDに対応する付箋データに基づいて画像を生成する。
【0033】
表示モード切替え部43は、UI1への表示出力を、付箋めくり表示部41による付箋めくり表示モードで行うか、付箋ずらし表示部42による付箋ずらし表示モードで行うかを、ユーザ操作に応じて切り替える。
【0034】
図5には、付箋めくり表示モードで付箋組を表示した例が示してある。
同図によると、4枚の付箋を束ねた付箋組が表示されており、その左肩部には左向き矢印と右向き矢印が設けられている。ユーザがこれら矢印をマウスでクリックすると、当該操作入力が編集処理部3の付箋めくり処理部34に送られ、付箋めくり処理部34が、左向き矢印がクリックされた場合には、カーソルを現在の付箋IDの前に位置する付箋IDに変更し、右向き矢印がクリックされた場合には、カーソルを現在の付箋IDの次に位置する付箋IDに変更する。そして、付箋めくり表示部41が、変更されたカーソルにより特定される付箋データに基づく画像を新たに生成し直すことで、付箋の表示を切り替えている。したがって、ユーザは各矢印をクリックするという簡単な操作で、束ねられた各付箋のそれぞれの記述内容を確認できる。
【0035】
図6には、付箋ずらし表示モードで付箋組を表示した例が示してあり、ユーザは束ねられた各付箋の記述内容を一目して確認できる。なお、本例の付箋ずらし表示部42は、同図に示すように、文書からはみだして表示することができる。
本例の付箋表示装置は、通常は付箋めくり表示モードで動作しており、ユーザが、同モード中に付箋上に所定時間マウスのポインタを重ねておくと、表示モード切替え部43が付箋ずらし表示モードへ自動的に切り替え、付箋からマウスのポインタを外すと表示モード切替え部43が自動的に付箋ずらし表示モードに戻している。
【0036】
本例の付箋表示装置は、図6に示すように、ユーザが特に指定しない限りは付箋を付加した日時順に各付箋を表示しており、ソート処理部35が予め付箋リストの各付箋IDを対応する付箋データに保持された日時に従って並べ替えている。そして、ユーザが、付箋をマウスで右クリックすることで表示される操作メニューからソート指示を行ってソート条件を入力すると、ソート処理部35が当該ソート条件に従って付箋リスト中の各付箋IDの並べ替えを行い、付箋めくり表示部41又は付箋ずらし表示部42が、当該並べ替えられた付箋リストに基づいて表示画像を生成し直す。
したがって、例えば、付箋の色で各付箋を意味付け(例えば、コメントは黄色、質問は緑、訂正依頼は赤)しているような場合は、ソート処理する前は図7(a)に示すように色がバラバラになって見にくいが、付箋の色でソートすることで同図(b)に示すように同じ色の付箋がまとめて表示されるため、ユーザは各付箋の記述内容を系統立てて確認できる。
【0037】
また、ユーザが、付箋をマウスで右クリックすることで表示される操作メニューからフィルタリング指示を行ってフィルタ条件を入力すると、フィルタリング処理部36が当該フィルタ条件に従って付箋リスト中の各表示フラグを再設定し、付箋めくり表示部41又は付箋ずらし表示部42が、付箋リスト中の表示可(表示フラグ:0)が設定された付箋IDに対応する付箋データに基づいて画像を生成し直す。
したがって、或るユーザが作成した付箋のみを表示するといったことが行えるため、ユーザは必要な情報を速やかに得ることができる。
【0038】
また、ユーザが、付箋をマウスで右クリックすることで表示される操作メニューからサイズ統一指示を入力すると、付箋サイズ統一処理部37が、付箋組データの付箋リスト中の各付箋IDに対応する付箋データがそれぞれ保持している付箋の大きさの情報を統一し、付箋めくり表示部41又は付箋ずらし表示部42が、当該統一された付箋サイズで画像を生成し直す。
したがって、図8(a)に示すようにサイズがバラバラであった各付箋の大きさが、同図(b)に示すように統一して表示されるため、付箋が見易くなり、また、何枚の付箋が重なっているか等が把握し易くなる。
【0039】
以上のように、本例の付箋表示装置によると、複数の付箋を同じ箇所に付加しても、当該各付箋を管理する付箋組の編集操作によりユーザの所望する付箋を速やかに表示できるため、既に付加されている他の付箋の存在を気にすることなく文書中の適切な位置に付箋を付加することができるようになる。
したがって、同じ部分に対して複数人がコメントしたい場合でも、各自の付箋が混じることなく、且つ場所をとらずに付加できる。また、文字数の多いコメントであっても、複数枚に付箋を分けて同じ場所に付加できる。また、共同作業としての文書レビューの場面等に活用する場合には、付箋の色や形等の属性毎に表示したり、付加された日時順で表示したり、表示モードを変えて表示したりすることにより、ユーザは所望する情報を速やかに得ることができ、レビューを短時間で行い易くなる。
【0040】
なお、本例では、ソート条件やフィルタ条件が入力されたことに応じて、編集処理部3のソート処理部31やフィルタリング処理部36が、付箋リストの並び順や表示フラグを変更しているが、例えば、付箋組データにソート条件やフィルタ条件を保持するようにして、表示処理部4側で上記条件に従った表示を行うようにしてもよい。また、本例では、サイズ統一処理部37は、各付箋データの保持する大きさ情報を変更しているが、例えば、付箋組データに付箋を表示する大きさの情報を保持するようにして当該大きさ情報を変更し、表示処理部4側で当該大きさ情報に従った表示を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例に係る付箋表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る付箋組データを説明する図である。
【図3】本発明の一実施例に係る付箋データを説明する図である。
【図4】文書と付箋との関係を従来と本発明とで比較する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る付箋の表示例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る付箋の表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る付箋の表示例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る付箋の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1:UI(ユーザインタフェース)、 2:メモリ、
3:編集処理部、 4:表示処理部、
31:付箋束ね処理部、 32:付箋ばらし処理部、
33:移動・コピー・削除処理部、 34:付箋めくり処理部
35:ソート処理部、 36:フィルタリング処理部、
37:付箋サイズ統一処理部、 41:付箋めくり表示部、
42:付箋ずらし表示部、 43:表示モード切替え部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書に対する記述を保持する付箋情報に基づいて当該文書の表示画像に当該記述を付加して表示する付箋表示装置において、
付箋情報を複数関連付けた関連付け情報と文書上の位置を特定する位置情報とを含む組情報を保持する付箋組保持手段と、
ユーザ操作に基づいて前記組情報を編集する編集手段と、
前記保持された組情報の位置情報により特定される文書上の位置に当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の記述を表示し、前記編集手段により当該組情報が編集されたことに応じて当該編集後の組情報に基づいて表示を変更する表示手段と、
を備えたことを特徴とする付箋表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の付箋表示装置において、
前記組情報は、当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の並び順を規定すると共に、当該各付箋情報のうちの1つを表示対象として特定しており、
前記表示手段は、前記表示対象である付箋情報の記述を表示し、
前記編集手段は、前記表示対象とする付箋情報を前記並び順に沿った順番でユーザ操作に基づいて変更することを特徴とする付箋表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の付箋表示装置において、
前記組情報は、当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の並び順を規定しており、
前記表示手段は、前記関連付け情報に係る各付箋情報の記述を前記並び順に沿った順番でそれぞれの記述を表示する領域ずつずらして表示することを特徴とする付箋表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の付箋表示装置において、
前記編集手段は、ユーザ操作により指定された基準に従って前記並び順を変更することを特徴とする付箋表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の付箋表示装置において、
前記組情報は、表示する付箋情報を限定するための表示条件を規定しており、
前記表示手段は、前記関連付け情報に係る各付箋情報のうち前記表示条件を満たす付箋情報の記述を表示し、
前記編集手段は、ユーザ操作により指定された条件に従って前記表示条件を変更することを特徴とする付箋表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の付箋表示装置において、
前記編集手段は、ユーザ操作により複数の記述の表示が重ねられた場合に、当該各表示に係る付箋情報を関連付ける関連付け情報と当該重ねられた位置を特定する位置情報とを含む付箋組情報を生成することを特徴とする付箋表示装置。
【請求項7】
文書に対する記述を保持する付箋情報に基づいて当該文書の表示画像に当該記述を付加して表示する付箋表示装置をコンピュータに構成するプログラムにおいて、
付箋情報を複数関連付けた関連付け情報と文書上の位置を特定する位置情報とを含む組情報を保持する付箋組保持機能と、
ユーザ操作に基づいて前記組情報を編集する編集機能と、
前記保持された組情報の位置情報により特定される文書上の位置に当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の記述を表示し、前記編集機能により当該組情報が編集されたことに応じて当該編集後の組情報に基づいて表示を変更する表示機能と、
をコンピュータに実施させることにより構成する付箋表示プログラム。
【請求項8】
文書に対する記述を保持する付箋情報に基づいて当該文書の表示画像に当該記述を付加して表示する付箋表示装置により実施される方法において、
前記付箋表示装置は、付箋情報を複数関連付けた関連付け情報と文書上の位置を特定する位置情報とを含む組情報を保持する付箋組保持手段と、ユーザ操作に基づいて前記組情報を編集する編集手段と、を備えると共に、表示手段を備えており、
前記表示手段が、前記保持された組情報の位置情報により特定される文書上の位置に当該組情報の関連付け情報に係る各付箋情報の記述を表示し、前記編集手段により当該組情報が編集されたことに応じて当該編集後の組情報に基づいて表示を変更することを特徴とする付箋表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−97074(P2008−97074A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274741(P2006−274741)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】