説明

企業戦略を志向したデジタルカタログシステム

【課題】 カタログの大量印刷と紙面による保管を必要としないで、デジタルデータによるカタログシステムで、企業の製品に整合したカタログシステムにより企業戦略を志向することが可能なデジタルカタログシステムを提供すること。
【解決手段】 紙面によるカタログを電子化してデジタルデータで取り扱い、企業の製品を製品分類して、製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント等の企業戦略を志向した分類に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、全体開示の一覧表にして、企業の製品とカタログとの整合を図ることにより企業戦略を志向することが可能なようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙面によるカタログを電子化してデジタルデータで取り扱うデジタルカタログシステムを、企業における製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント等に分けて大分類、中分類、小分類等に分類しながら、全体開示の一覧表にして、カタログの内容や空白部分等を明確にしながら、企業における製品とカタログの整合を図る企業毎の企業戦略を志向したデジタルカタログシステム技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの製品を生産したり販売している企業では、多量の生産あるいは販売製品に関するカタログや説明資料等および販売の為の見積資料や販売実績等の資料が存在し、これらが雑多に存在している場合が多い。例えば、図1に示す企業1では全社製品2に関する会社案内5や納入実勢6等が存在し、全社製品2は3の製品A、4の製品B等の多くの製品が存在し、3の製品Aには、この製品Aに関するカタログ7、見積仕様書8、提案書9、納入実績10等の資料が存在し、同様に、4の製品Bにもカタログ11、見積仕様書12、提案書13、納入実績14等が存在する。しかし、これらの全社製品2や3の製品Aおよび4の製品B等の製品分類と資料の分析は行われているにも関わらず、これらの全社製品2や3の製品Aおよび4の製品B等の製品の資料を体系的にまとめ、この中で全体的な観点からカタログを企業毎に分類してカタログを管理し、製品とカタログとの整合を取りながら、カタログを企業戦略として志向するようにはなっていないのが実情である。
【0003】
通常、ここで使用されるカタログは紙面によるカタログであり、販売の都度印刷したり、前もって大量に印刷したりして貯蔵しておく必要があったり、カタログの発送という煩雑な問題があり、適時のユーザニーズに的確に対応できるような電子化されたカタログにはなっていない場合が殆どである。
【0004】
また、図1の3の製品Aの見積資料8や提案書9および納入実績10等の製品に関する資料は整備されていてもカタログとの連動を勘案したものは少なく、製品は製品、カタログはカタログというように独立に管理され、製品とカタログが連動して管理されていない場合が多い。そのうえ、カタログの作成者や作成日付等の来歴が企業の全体的な製品との関係から明確でなく、単独のカタログ管理だけが行われていて、全社製品とカタログとの関係が戦略的にみて全体的に判然としない。
【0005】
【特許文献1】特開平06−195422
【特許文献2】特開2002−163559
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は紙面によるカタログを電子化してデジタルデータでデジタルカタログとして取り扱い、企業における製品を製品分類し、製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント等の企業戦略を志向した分類に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、当該カタログの内容を全体開示の一覧表にして展開することにより、当該カタログの内容や一覧表の空白部分等を明確にしてカタログの編集や更新を行い、当該一覧表に整合してカタログの販売促進等への有効活用を図り、また、企業毎にカタログ番号やドキュメント番号を取り、カタログ番号とドキュメント番号に作成者、作成日、最終変更日等をカタログとドキュメントが一致して明確になるように記入して、企業における製品とカタログの整合を図りながら、企業選択と企業戦略を志向するデジタルカタログシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する為に、本発明では、以下の手段を提案している。即ち、請求項1に記載された発明は、紙面によるカタログを電子化してデジタルデータで取り扱うデジタルカタログシステムにあって、企業における製品を製品分類し、製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント名等の企業戦略を志向した分類に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、当該カタログの内容を全体開示の一覧表にして展開することにより、当該カタログの内容や一覧表の空白部分等を明確にしてカタログの編集や更新を行い、企業における製品とカタログとの整合を図る企業毎の現在および将来の企業戦略を志向したデジタルカタログシステムを特徴とする。
【0008】
これにより、カタログは電子化してデジタルカタログの形で取り扱う為に、大量の紙面によるカタログを同時に印刷する必要がなく、カタログの保管や発送の必要もない。それでいて、企業の製品は製品分類して事業名称、製品名、ドキュメント等に分けて、当該カタログは大分類、中分類、小分類等に分類され、全体開示の形で一覧表に展開されて、企業における製品とカタログとの整合が取られているので、現在および将来も含めて、カタログシステムを通して製品をどう展開していくべきかの企業戦略に使用可能である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、前記デジタルカタログシステムにあって、前記一覧表に整合して各カタログ番号を取り、カタログが企業戦略分類に直結するようにして、当該カタログ番号から企業選択と企業戦略を取ることが可能な請求項1に記載のデジタルカタログシステムを特徴とする。
【0010】
これにより、企業の製品に分類して事業名称、製品名、ドキュメント等に分けて、カタログは大分類、中分類、小分類等に分類されて一覧表の形で表示され、当該一覧表に整合して企業毎にカタログ番号が取られている為に、企業がカタログに直結するようになっているので、当該カタログ番号から企業選択と企業戦略をとることが可能となる。
【0011】
請求項3に記載された発明は、前記デジタルカタログシステムにあって、前記一覧表に整合してドキュメント番号を取り、当該ドキュメント番号をソートしてカタログを検索し、製品とカタログとが直結するようにして、当該ドキュメント番号から企業選択と企業戦略を取ることが可能な請求項1に記載のデジタルカタログシステを特徴とする。
【0012】
これにより、企業の製品とカタログの一覧表に整合しながら製品のドキュメントに合わせてドキュメント番号が取られており、これをソートしてカタログを検索する為に、製品とカタログとが直結して、ドキュメント番号から企業選択と企業戦略を取ることが可能となる。
【0013】
請求項4に記載された発明は、前記デジタルカタログシステムにあって、前記カタログ番号と前記ドキュメント番号に作成者、作成日、最終変更日等が分かるようにして、当該カタログとドキュメントの来歴が判明するようにした請求項1に記載のデジタルカタログシステムを特徴とする。
【0014】
これにより、カタログ番号とドキュメント番号に作成者、作成日、最終変更日等が分かるようにしてある為に、カタログとドキュメントの来歴が一目瞭然で分かり、カタログの管理が容易になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、紙面によるカタログに代り電子化してデジタルデータでカタログが取り扱われる為に、大量の紙面によるカタログの印刷や保管および発送等の業務がなくなり、細かなユーザニーズに的確に対応可能である。また、企業における製品を製品分類して、製品分類に整合してカタログを事業名、製品名、ドキュメント等の企業戦略を志向した分類に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、当該カタログを一覧表に展開して開示しているので、カタログの内容や空白部分等が企業戦略から見て分析可能で、この展開表の状況に応じてカタログの編集や検索が可能になり、企業における製品とカタログとの整合により企業毎の現在及び将来の企業戦略を志向することが可能となる。また、カタログ番号やドキュメント番号からも当該番号をソートすることによりカタログを検索し、企業の製品とカタログとが直結するようにして、企業選択と企業戦略を取ることが可能となる。そのうえ、カタログ番号とドキュメント番号に作成者、作成日、最終変更日等が明確になっている為に、カタログの管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施する為の最良の形態について説明する。
【0017】
図2に本発明の企業の製品分類とカタログの関係を表した図を示す。製品は大分類と中分類、小分類に分けられ、大分類には事業名称が記されている。図2の事業名称の例として、全社製品「N」、製品A「NA」、製品B「NB」、製品C「NC」、製品D「ND」が示されている。「 」はドキュメント類を取り扱う為の大分類の分類番号を表す。大分類は企業の全社製品と更に製品毎の大きな分類と考えれば良い。
【0018】
中分類は製品名を表し、大分類の細かな構成内容の分類で、全社製品「N」の内容は会社案内、全社納入実績等に分類され、製品A「NA」は構造体A、構造体B、構造体C、構造体Dというように分類され、同様に、製品B「NB」は装置A、装置Bとから構成されていることを示す。以下、製品C「NC」も製品D「ND」も同様である。中分類にはドキュメントの分類の為に番号の01、02等が付されている。
【0019】
小分類はドキュメント名を表し、例えば図2のようにカタログ、見積仕様書、提案書、納入実績等に分類される。この分類されたカタログ、見積仕様書、提案書、納入実績等は日本語と英語に分類され、例えばカタログの場合は日本語がC−J、英語がC−E、見積仕様書の場合は日本語がM−J、英語がM−Eというように分類されている。以下、提案書、納入実績等も図2に示すようになっている。小分類された日本語と英語のドキュメントは紙面によるものとデジタルカタログによるものに分類され、図2に示すように、それぞれ紙面によるものは紙、デジタルカタログによるものはDCSに分類されている。
【0020】
図2に示すようにして、企業の製品は製品毎に分類され、製品分類に整合してカタログは事業名称、製品名、ドキュメント等に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類に分類し、これを日本語版と英語版に分類し、更に紙面によるカタログと、デジタルカタログとに細分化して、全体が同時に見渡せるように、製品やカタログの内容を一覧表の形で同時全体開示している。しかも、図2の●は電子データ有りを示し、○は電子データ無しを表している。
【0021】
上記の内容から、図2の一覧表の内容を全体的に見渡し、企業戦略から見たカタログやドキュメントの内容が貧弱な部分や、空白で欠落した部分等の改善を図り、一覧表を完成していく。
【0022】
図3は図2に示した一覧表に整合して企業毎のカタログ番号20と、同様に図2の一覧表に整合しながら企業の製品のドキュメントに合わせたドキュメント番号30の内容を示す。このカタログ番号20とドキュメント番号30は図2の一覧表と同じように、大分類に事業名称を、中分類に製品名を、小分類にドキュメント名を表し、作成年度と追番が取られて、管理が容易なようになっている。図3に示すカタログ番号20には大分類欄として「1」「2」の分類には全社製品「N」が、中分類欄は「3」「4」で、小分類欄は「5」「6」で表し、年度欄は「7」「8」が、追番欄には「9」「10」が使用されている。ドキュメント番号30も同様にして、大分類欄に「1」「2」が、中分類欄に「3」「4」が、小分類欄に「5」「6」が、年度欄に「7」「8」が、追番欄に「9」「10」が使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、図2に示すように企業の製品を企業戦略から製品分類して、製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント名等に分け、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、日本語版と英語版に分けて、しかも紙面によるカタログと電子化されたデジタルカタログで全体を同時開示の形で一覧表にして製品とカタログの内容を明らかにすることにより、企業の現在の実体が明確になり、また、将来に対する対応も明確になる。このようにして、企業の製品とカタログの整合により企業毎の現在および将来の企業戦略を図ることが可能になる。更に、図3に示すように、カタログ番号20とドキュメント番号30を前記一覧表と整合して管理することにより一層企業選択と企業戦略を志向することが可能な技術として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】背景技術に係る従来の企業製品とカタログシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る製品分類とカタログの分類を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカタログ番号とドキュメント番号を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 企業
2 全社製品
3 製品A
4 製品B
5 会社案内
6 納入実績
7 カタログ(その1)
8 見積仕様書(その1)
9 提案書(その1)
10 納入実績(その1)
11 カタログ(その2)
12 見積仕様書(その2)
13 提案書(その2)
14 納入実績(その2)
20 カタログ番号
30 ドキュメント番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙面によるカタログを電子化してデジタルデータで取り扱うデジタルカタログシステムにあって、企業における製品を製品分類し、製品分類に整合してカタログを事業名称、製品名、ドキュメント名等の企業戦略を志向した分類に分けて、当該カタログを大分類、中分類、小分類等に分類しながら、当該カタログの内容を全体開示の一覧表にして展開することにより、当該カタログの内容や一覧表の空白部分等を明確にしてカタログの編集や更新を行い、企業における製品とカタログとの整合を図る企業毎の現在および将来の企業戦略を志向したデジタルカタログシステム。
【請求項2】
前記デジタルカタログシステムにあって、前記一覧表に整合して各カタログ番号を取り、カタログが企業戦略分類に直結するようにして、当該カタログ番号から企業選択と企業戦略を取ることが可能な請求項1に記載のデジタルカタログシステム。
【請求項3】
前記デジタルカタログシステムにあって、前記一覧表に整合してドキュメント番号を取り、当該ドキュメント番号をソートしてカタログを検索し、製品とカタログとが直結するようにして、当該ドキュメント番号から企業選択と企業戦略を取ることが可能な請求項1に記載のデジタルカタログシステム。
【請求項4】
前記デジタルカタログシステムにあって、前記カタログ番号と前記ドキュメント番号に作成者、作成日、最終変更日等が分かるようにして、当該カタログとドキュメントの来歴が判明するようにした請求項1に記載のデジタルカタログシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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