説明

会計装置および注文システム

【課題】注文履歴を客が確認することができる環境を提供する。
【解決手段】実施形態の会計装置は、決済手段と、発行手段と、を備える。前記決済手段は、一取引にかかる注文品の決済を行う。前記発行手段は、前記決済が完了した場合、当該取引にかかる注文品の注文履歴を記憶した記憶部に記憶されている前記注文履歴を、表示した注文履歴シートを、プリンタに発行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置および注文システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲食店では、レシートを発行して客に渡している。レシートは、客が飲食した注文品目や飲食の合計金額、客が支払った代金を表示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のレシートでは、注文履歴が分からない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の会計装置は、決済手段と、発行手段と、を備える。前記決済手段は、一取引にかかる注文品の決済を行う。前記発行手段は、前記決済が完了した場合、当該取引にかかる注文品の注文履歴を記憶した記憶部に記憶されている前記注文履歴を、表示した注文履歴シートを、プリンタに発行させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、実施形態にかかる注文システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、実施形態にかかる注文管理装置が保持する注文管理ファイルの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態にかかる注文受付装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施形態にかかる注文受付装置が保持する部門ファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図5】図5は、実施形態にかかる注文受付装置が保持するPLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図6】図6は、実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施形態にかかるPOS端末の電気的接続を示すブロック図である。
【図8】図8は、実施形態にかかるPOS端末が実行する会計処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態にかかるPOS端末が表示する伝票番号入力画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態にかかるPOS端末が表示する預かり金額入力画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態にかかるPOS端末が発行するレシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本実施形態にかかる注文システムAの全体構成を示す図である。図1に示すように、注文システムAは、注文管理装置10と、厨房端末20と、伝票発行機30と、会計装置としてのPOS端末40と、複数の注文受付装置50と、を備えている。注文システムAは飲食店に設置される。注文管理装置10はバックヤードに配置され、厨房端末20は厨房に設置され、伝票発行機30は接客フロアに設置され、POS端末40はチェックアウトカウンタに設置され、注文受付装置50は各客用テーブルに設置される。
【0007】
[注文管理装置10]
注文管理装置10は、客の注文、調理、会計までを一元的に管理するための情報処理装置である。注文管理装置10は、CPU、ROMおよびRAM等で構成されるマイクロプロセッサと、CPUが実行するOSやプログラム、後述する注文管理ファイル11等を記憶した記憶装置と、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースと、を備え、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介し、注文システムAの各機器と有線又は無線により接続される。
【0008】
具体的に、注文管理装置10は、注文受付装置50から伝票番号と注文情報とを受信すると、この伝票番号と注文情報とを関連付けて、記憶装置に保持された注文管理ファイル11に登録する。注文管理ファイル11は、取引にかかる注文品(メニュー品目)の注文履歴を記憶した記憶部である。
【0009】
図2は、注文管理装置10が保持する注文管理ファイル11の一例を示す図である。図2に示すように、注文管理ファイル11は、伝票番号に関連付けして注文情報を記憶する。詳細には、注文管理ファイル11は、伝票番号毎に、注文時刻、メニュー品目、メニュー品目の個数、金額を記憶する。また、注文管理ファイル11は、伝票番号毎に、注文を受けたメニュー品目が持ち帰り品である場合にその旨を示す持ち帰り情報と、注文を受けたメニュー品目の調理が終了したか否かを示すステータス情報と、注文を受けた後に注文の取り消しがあった場合にその旨を示す取消情報と、を記憶する。取消情報は、注文の取り消しを受け付けた時刻である。注文管理装置10は、注文受付装置50から特定の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読み出し、通知元の注文受付装置50へ送信(提供)する。
【0010】
また、注文管理装置10は、注文管理ファイル11に新たな注文情報を登録する毎に、この注文情報に含まれる飲食メニュー品目の調理指示データを作成し、厨房端末20に送信する。これにより、厨房端末20においては、注文された飲食メニュー品目の調理指示が表示、印字、音声等によって出力される。
【0011】
また、注文管理装置10は、厨房端末20から、注文された飲食メニュー品目の調理が完了した旨を示す完了通知が送信されると、注文管理ファイル11中の対応する注文情報のステータスを調理完了に変更する。完了通知には、注文情報を特定するための伝票番号、注文時刻、メニュー品目が含まれる。
【0012】
また、注文管理装置10は、注文管理ファイル11に新たな注文情報を登録する毎に、この注文情報に基づいて注文伝票の印字データを作成し、伝票発行機30に送信する。これにより、伝票発行機30から注文伝票が印字発行される。
【0013】
また、注文管理装置10は、POS端末40から会計を行う客の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読出し、POS端末40に送信する。これにより、POS端末40においては、注文情報を用いて飲食代金の会計処理が実行されるものとなっている。
【0014】
[注文受付装置50]
図3は、注文受付装置50の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、注文受付装置50は、CPU51と、制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM52と、ワークエリア等として機能するRAM53と、タッチパネルコントローラ54と、タッチパネル55と、表示コントローラ56と、液晶ディスプレイ(LCD)57と、通信インタフェース(I/F)58と、HDD59と、を備えている。
【0015】
CPU51は、ROM52やHDD59に記憶された各種プログラムとの協働により、注文受付装置50の各部の動作を統括的に制御する。CPU51には、バスラインB1を介して、タッチパネルコントローラ54、表示コントローラ56、通信インタフェース58およびHDD59が接続されている。タッチパネルコントローラ54は、タッチパネル55からの入力信号をCPU51に取り込む。表示コントローラ56は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ57を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ57に表示させる。通信インタフェース58は、CPU51をネットワークN経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインタフェースである。
【0016】
HDD59には、OS、コンピュータプログラム、各種ファイル等がインストールされている。CPU51は、OSおよびコンピュータプログラムに従った処理を実行する。
【0017】
また、HDD59には、注文の受け付け業務等を支援する注文入力画面D(図6)を生成するための設定情報として、部門ファイル591と、PLUファイル592と、が記憶されている。
【0018】
ここで、図4は、部門ファイル591のファイル構造を示す模式図である。部門ファイル591は、部門を特定する2桁の部門番号591aに対応させて、部門591b、タグ位置591c、および備考591dを登録している。なお、図4では、以下に示す9個(01〜09)の部門が部門番号591aに登録された例を示している。
01:ドリンク
02:デザート
03:和膳
04:和洋食
05:丼もの
06:鍋もの
07:うどん&そば
08:一品料理
09:健菜とサラダ
【0019】
部門591bには、部門の部門名が登録されている。タグ位置591cには、部門タグ欄D11(図6参照)において部門名を表示する部門ボタンD11aの配置が登録されている。本実施の形態では、タグ位置591cには、部門ボタンD11aの位置を示す行および列が、部門ボタンD11aの配置として登録されているものとする。備考591dは、例えば情報管理用に様々な情報をテキストで書き込める欄である。
【0020】
図5は、PLUファイル592のファイル構造を示す模式図である。PLUファイル592は、メニュー品目を特定するコード592aに対応させて、部門592b、画像リンク592c、メニュー名592d、単価592e、割付592f、カテゴリ592gを登録している。部門592bは、部門ファイル591中の部門番号591aを表している。
【0021】
画像リンク592cは、メニュー品目欄D12(図6参照)にメニューボタンD12aに表示される画像データに対するリンクを定義している。これらの画像は、個々の注文受付装置50のHDD59又はネットワークNを介してアクセス可能な外部装置(例えば、注文管理装置10)にインストールされている。メニュー名592dには、メニュー品目の品名のテキストが登録されている。また、単価592eには、メニュー品目の単価のレコードが登録されている。割付592fには、メニュー品目のメニュー品目欄D12(図6参照)におけるメニューボタンD12aの割付位置が登録されている。
【0022】
カテゴリ592gは、メニュー品目が属するカテゴリを示している。メニュー品目が蔵するカテゴリとしては、単品メニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“グランドメニュー”、宴会用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“宴会”、子供用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“お子様”、ランチ用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“ランチ”、お持ち帰り用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“お持ち帰り”等である。本実施形態では、“グランドメニュー”、“宴会”、“お子様”、“ランチ”、“お持ち帰り”は、カテゴリ592gにおいて、それぞれ「1」、「2」、「3」、「4」、「5」の数字を用いて示される。
【0023】
以上説明した図4および図5を参照すると分かるように、例えば、メニュー品目を特定するコード「0001」は、「ドリンク」という部門の「ブレンドコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。コード「0002」は、「ドリンク」という部門の「アイスコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。
【0024】
次いで、注文受付装置50のHDD59にインストールされたOSおよびコンピュータプログラムに従ってCPU51が実行する処理について説明する。
【0025】
CPU51は、表示コントローラ56を制御することで、図6に示すような注文入力画面Dを液晶ディスプレイ57に表示する。注文入力画面Dは、各種の選択ボタンを表示するための第1領域D1aと、注文内容や客情報を表示するための第2領域D1bと、を有している。第1領域D1aには、メニューカテゴリ部D10、部門タグ欄D11、メニュー品目欄D12、オーダー送信ボタンD13、ファンクションキー欄D14等が表示されている。第2領域D1bには、注文識別情報欄D21、注文リストD22、リスト操作部D23が表示されている。
【0026】
メニューカテゴリ部D10には、「グランドメニュー」、「宴会」、「お子様」、「ランチ」、「お持ち帰り」の各カテゴリボタンD10aがタッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。カテゴリボタンD10aがタッチ指定されることで、タッチ指定されたカテゴリボタンD10aに対応する部門タグ欄D11、メニュー品目欄D12が表示される。
【0027】
部門タグ欄D11には、部門ファイル591の部門591bに登録されている部門名のテキストが表示された部門ボタンD11aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0028】
メニュー品目欄D12には、初期状態では、PLUファイル592のコード592aに対応して、画像リンク592cが定義されているリンク先の画像データとメニュー名592dに登録されている注文可能な商品名のテキストとが表示されたメニューボタンD12aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0029】
注文識別情報欄D21には、伝票番号の入力をするための伝票番号ボタンD21a、テーブル番号の入力を行うためのテーブル番号ボタンD21b、客の人数を入力するための人数ボタンD21c、客層を入力するための客層ボタンD21d、客層に加えて客の情報を入力するための客情報追加ボタンD21eが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。ここで、伝票番号は、注文を受けたときに付与する番号であり、個々の注文を識別するための識別情報として機能する。なお、伝票番号は自動的に付与(入力)される形態であってもよいし、手動で入力する形態としてもよい。また、注文識別情報欄D21には、客情報追加ボタンD21eの操作を経て入力された客に関する客情報を表示する客情報表示エリアD21fが設けられている。
【0030】
注文リストD22には、注文履歴が表示される。注文リストD22には、タッチパネル55によって注文入力画面D上でタッチ指定されたメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aがタッチパネル55によるタッチ指定可能なオブジェクトとして注文順(時系列)に一覧表示される。メニュー品目注文情報D22aには、メニュー品目、注文数および金額(単価×注文数)が含まれる。注文リストD22では、タッチ指定されたメニュー品目注文情報D22aの行にフォーカスD22bが表示され、そのメニュー品目注文情報D22aが選択されたことを示す。
【0031】
また、注文リストD22には、注文したメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aが一覧表示される。メニュー品目注文情報D22aは、注文順に上から下へ並べて表示されている。注文リストD22には、オーダー送信ボタンD13にタッチ指定されて注文情報が注文管理装置10に送信されたメニュー品目注文情報D22aの下に、注文済みである旨の表示および注文管理装置10への注文情報の送信時刻を示す注文時刻情報D22cが表示される。
【0032】
リスト操作部D23は、注文リストD22の内に表示されている。リスト操作部D23は、取消ボタンD23a、追加ボタンD23b、移動ボタンD23cが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。取消ボタンD23aは、タッチ指定されてフォーカスD22bが表示されたメニュー品目注文情報D22aの注文の取り消しを指示するものである。追加ボタンD23bは、タッチ指定されてフォーカスD22bが表示されたメニュー品目注文情報D22aと同じメニュー品目を注文するためのものである。移動ボタンD23cは、フォーカスD22bを上下に移動させるものである。
【0033】
オーダー送信ボタンD13は、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。オーダー送信ボタンD13は、注文を確定し、注文情報を注文管理装置10への送信を指示するものである。
【0034】
ファンクションキー欄D14には、数量増ボタンD14aと、数量減ボタンD14bと、戻るボタンD14c、オーダー中止ボタンD14dと、が、タッチパネル55によりタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。数量増ボタンD14aは、注文数を増やす処理の実行を指示するものである。数量減ボタンD14bは、注文数を減らす処理の実行を指示するものである。戻るボタンD14cは、第1領域D1aに表示されるボタンを、現在表示されているものから直近に表示されていたものに戻す処理の実行を示すものである。
【0035】
このような注文入力画面Dにおいて、メニュー品目の入力に際しては、所望のメニューカテゴリ部D10の所望のカテゴリボタンD10aをタッチ指定し、部門タグ欄D11をタッチ指定して、複数の部門から(「ドリンク」、「デザート」、「和膳」、「和洋食」、「丼もの」、「鍋もの」、「うどん&そば」、「一品料理」および「健菜とサラダ」)、所望の部門を選択することが可能である。例えば、メニューカテゴリ部D10のうち「グランドメニュー」のカテゴリボタンD10aがタッチされてから、部門タグ欄D11のうち、「一品料理」の部門ボタンD11aがタッチ指定された場合には、図6に例示するように「一品料理」についての注文入力画面Dが表示される。また、例えばサラダ等のメニュー品目においては、メニューボタンD12aが操作されると、ドレッシングの種類の指定や“たまねぎぬき”等を指定するサブボタンがタッチ操作可能に表示されるようになっており、サブボタンのタッチ指定に応じて、ドレッシングの種類や“たまねぎぬき”等の情報が注文情報に盛り込まれる。
【0036】
次に、上述したような注文入力画面Dを用いた注文受付処理について説明する。本処理の前提として、注文入力画面Dの注文識別情報欄D21に含まれる各項目のうち、少なくとも伝票番号の入力は完了しているものとする。
【0037】
注文受付装置50のCPU51は、メニューボタンD12aのいずれか一つがタッチされてメニュー品目が選択されると、選択されたメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aを注文入力画面Dの注文リストD22に表示する。次いで、CPU51は、オーダー送信ボタンD13がタッチされたなら、注文入力画面Dに表示したメニュー品目のステータスを「オーダー済み」にする。このとき、注文入力画面Dの注文リストD22に表示されている「オーダー済み」のメニュー品目、注文数、金額(単価×注文数)等の注文内容はRAM53のワークエリアに記憶されている。そこで、CPU51は、オーダー送信ボタンD13のタッチによって注文数等の注文内容が確定されると、この確定された注文内容を注文情報とし、注文識別情報欄D21の伝票番号とともに注文管理装置10に送信することで、この伝票番号と注文情報とを関連付けて注文管理装置10の注文管理ファイル11に格納する。CPU51は、注文操作が行われる毎に、上記の注文処理を繰り返し行う。
【0038】
また、CPU51は、注文リストD22に一覧表示したメニュー品目注文情報D22aのうち、タッチ指定され、かつ取消ボタンD23aがタッチ指定された場合、当該メニュー品目注文情報D22aに対する取り消しを受け付けて、取消情報を注文管理装置10に送信する。取消情報には、注文の取り消しを受け付けた商品の品名や、オーダー数、金額、注文時刻等が含まれる。このとき、CPU51は、注文を取り消したメニュー品目注文情報D22aを示すメニュー品目注文情報D22aの表示を、メニュー品目の品名のテキスト、オーダー数や金額を表現する数字、およびステータス情報上に二重線が描かれた表示に変更する。そして、CPU51は、注文を取り消したメニュー品目注文情報D22aの下に、取り消し済みである旨の表示(図面では、「訂正済み」)および注文管理装置10への取消情報の送信時刻を示す取消時刻情報D22dを表示する。
【0039】
このように、本実施形態では、客用テーブルに配置された液晶ディスプレイ57が、注文管理ファイル11に記憶される注文履歴を表示するようになっている。
【0040】
[POS端末]
図7は、POS端末40の電気的接続を示すブロック図である。POS端末40は、CPU61と、制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM62と、ワークエリア等として機能するRAM63と、タッチパネルコントローラ64と、タッチパネル65と、表示コントローラ66と、液晶ディスプレイ(LCD)67と、プリンタコントローラ70と、レシートプリンタ71と、通信インタフェース(I/F)68と、HDD69と、を備えている。
【0041】
CPU61は、ROM62やHDD69に記憶された各種プログラムとの協働により、POS端末40の各部の動作を統括的に制御する。CPU61には、バスラインB2を介して、タッチパネルコントローラ64、表示コントローラ66、プリンタコントローラ70、通信インタフェース68およびHDD69が接続されている。タッチパネルコントローラ64は、タッチパネル65からの入力信号をCPU61に取り込む。表示コントローラ66は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ67を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ67に表示させる。プリンタコントローラ70は、CPU61の指令に応じて、レシートプリンタ71を駆動制御して、印字データに応じたレシートを印字発行させる。通信インタフェース68は、CPU61をネットワークN経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインタフェースである。
【0042】
レシートプリンタ71は、取引単位で、レシート700(図11参照)を発行するとともに、並行してジャーナル用紙への印字等を行うものである。レシートプリンタ71は、ロール状に巻回された状態で用紙収納部にレシート用紙を保持している。レシートプリンタ71は、用紙収納部に保持されたレシート用紙を引き出し搬送し、この搬送過程でレシート用紙に情報を印字してレシート700を生成し、生成したレシート700を切断して発行する。
【0043】
HDD69には、OS、コンピュータプログラム、各種ファイル等がインストールされている。CPU61は、OSおよびコンピュータプログラムに従った処理を実行する。また、HDD69には、部門ファイル591やPLUファイル592、販売データを記憶する販売ファイル601、レシートフォーマット等を格納している。
【0044】
次いで、HDD69にインストールされたOSおよびコンピュータプログラムに従ってCPU61が実行する会計処理について説明する。
【0045】
決済処理では、CPU61は、コンピュータプログラムにしたがうことにより、図7に示すように、決済手段81や発行手段82等として動作する。
【0046】
決済処理を図8に示すフローチャートに沿って説明する。決済処理では、CPU61は、まず、伝票番号入力画面D2(図9)を液晶ディスプレイ67に表示する(ステップS21)。
【0047】
ここで、図9は、伝票番号入力画面D2の一例を示す図である。伝票番号入力画面D2は、伝票番号の入力を受け付ける入力欄D2aと、伝票番号の確定を指示するOKキーD2bと、を有する。なお、伝票番号の入力形態は特に問わず、例えば図示しない数字キー等をタッチ指定可能に伝票番号入力画面D2に表示して、この数字キーを介して手動で入力する形態としてもよいし、注文管理ファイル11に登録された伝票番号を伝票番号入力画面D2に選択可能に表示して、表示された伝票番号の中から選択的に入力する形態としてもよい。
【0048】
図8に戻り、CPU61は、伝票番号の入力を受け付けると(ステップS22)、この伝票番号を注文管理装置10に通知することで、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から取得する(ステップS23)。注文管理ファイル11には、ステップS22で伝票番号の入力を受け付けた取引の合計金額が含まれる。
【0049】
続いて、CPU61は、決済手段81として動作して、一取引にかかる注文品の決済を行う決済処理を行う(ステップS24)。この決済処理では、CPU61は、預かり金額の入力を受け付ける預かり金額入力画面D3(図10)を液晶ディスプレイ67に表示する。
【0050】
ここで、図10は、預かり金額入力画面D3の一例を示す図である。預かり金額入力画面D3は、預かり金額の入力を受け付ける入力欄D3aと、預かり金額の確定を指示するOKキーD3bと、を有する。なお、預かり金額の入力形態は特に問わず、例えば図示しない数字キー等をタッチ指定可能に預かり金額入力画面D3に表示して、この数字キーを介して手動で入力する形態としてよい。
【0051】
次いで、CPU61は、預かり金額の入力を受け付けると、受け付けた預かり金額がステップS23で取得した合計金額以上であるか否かを判定し、受け付けた預かり金額がステップS23で取得した合計金額以上である場合には、当該入金額を、代金を含む預かり金として承認し、決済する。そして、CPU61は、釣り銭金額を算出し、取引の合計金額、預かり金額および釣り銭金額を含む販売データを、販売ファイル601に記憶させる。なお、ここでは、決済とし、現金決済を例として説明したが、決済としては、電子マネーによる決済や、クレジットカードによる決済であってもよい。なお、CPU61は、受け付けた預かり金額がステップS23で取得した合計金額未満である場合には、決済をせずに、預かり金額の再入力を促す画面を表示する。
【0052】
CPU61は、決済が完了した場合、発行手段82として動作して、レシート700(図11)をレシートプリンタ71に発行させる(ステップS25)。詳しくは、CPU61は、レシートフォーマットに販売データを盛り込んだレシート印字データを生成して、このレシート印字データに基づいてレシートプリンタ71にレシート700を発行させる。本実施形態では、このレシート700が注文履歴表示シートに相当する。
【0053】
図11は、レシート700の一例を示す図である。レシート700は、レシート700の発行日を示す発行日情報700aと、取引を特定する情報を示す取引特定情報700bと、注文履歴を示す注文履歴情報700cと、決済に関する情報を示す決済情報700dと、を表示している。
【0054】
取引特定情報700bは、伝票番号、客人数、テーブル番号、客情報を含む。これらの情報は、注文入力画面Dの注文識別情報欄D21に表示されたものと同じである。
【0055】
注文履歴情報700cは、注文を時系列で一覧表示したものである。この注文履歴情報700cは、注文入力画面Dの注文リストD22に表示された情報と同じである。つまり、注文履歴情報700cは、注文にかかるメニュー品目、個数、金額を含んでいる。また、注文履歴情報700cは、取り消された注文を表示している。取り消された注文には、取り消された旨を示す二重線が付与されている。また、注文履歴情報700cは、注文に関する補助情報として注文時刻や取消時刻、コメント(たまねぎぬき)を含んでいる。
なお、コメントや取り消しに関する表示は、注文管理ファイル11から取得した注文履歴に含まれている場合にだけ表示される。
【0056】
レシート700の例では、19時25分に「お通し」、「はし」、「おしぼり」の注文がされ、19時30分に「枝豆」、「大ジョッキ」、「中ジョッキ」、「ウーロン茶」の注文がされ、19時35分に「野菜たっぷり五穀雑炊」の注文が取り消され、20時100分に「大根と水菜のサラダ」、「ポテトフライ」、「京とうふと湯葉のサラダ」が注文されたのが分かる。
【0057】
決済情報700dは、注文品数(24点)、取引の合計金額(4,970円)、預かり金額(5,000円)、釣り銭金額(30円)を含む。注文品数および取引の合計金額は、注文入力画面Dの注文リストD22に表示された情報と同じである。
【0058】
以上説明した通り、本実施形態では、CPU61は、決済が完了した場合、発行手段82として動作して、当該取引にかかる注文品の注文履歴を記憶した記憶部としての注文管理ファイル11に記憶されている注文履歴を、表示したレシート700を、レシートプリンタ71に発行させる。したがって、客はレシート700を見ることで、注文履歴を確認することができる。即ち、本実施形態によれば、注文履歴を客が確認することができる環境を提供することができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0060】
例えば、上記実施形態では、注文履歴シートをレシートに適用した形態としたが、これに限らず、注文履歴シートをレシートとは別体の単独のシートとしてもよい。
【0061】
また、例えば、上記実施形態では、注文管理ファイル11を注文管理装置10が保持する形態としたが、これに限らず、注文受付装置50やPOS端末40がHDD59,69等に保持する形態としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態の注文受付装置50やPOS端末40で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0063】
また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 注文管理装置
11 注文管理ファイル(記憶部)
40 POS端末(会計装置)
50 注文受付装置
71 レシートプリンタ(プリンタ)
81 決済手段
82 発行手段
700 レシート(注文履歴表示シート)
A 注文システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2008−299821公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一取引にかかる注文品の決済を行う決済手段と、
前記決済が完了した場合、当該取引にかかる注文品の注文履歴を記憶した記憶部に記憶されている前記注文履歴を、表示した注文履歴シートを、プリンタに発行させる発行手段と、
を備える会計装置。
【請求項2】
前記注文履歴シートは、レシートである請求項1に記載の会計装置。
【請求項3】
前記注文履歴は、注文に関する補助情報を含んでおり、
前記注文履歴シートは、前記補助情報を表示している請求項1または2に記載の会計装置。
【請求項4】
前記補助情報は、注文時刻を含む請求項3に記載の会計装置。
【請求項5】
前記注文履歴は、注文の取り消しに関する情報を含み、
前記履歴シートは、取り消された前記注文を表示している請求項1ないし4のいずれか一項に記載の会計装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会計装置と、
客用テーブルに配置され、前記記憶部に記憶される前記注文履歴を表示するディスプレイと、
を備える注文システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−53696(P2012−53696A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196164(P2010−196164)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】