説明

会話システム及び会話文章処理方法

【課題】会話の入力文章に対する回答を記憶するDBを予め用意しなくても、ユーザとの会話を実現する。
【解決手段】ユーザの複数の端末装置と、ネットワークを介して端末装置に接続される管理サーバを有する会話システムにおいて、管理サーバは、端末装置から送信された、ユーザによって作成された文章に対して固有の文章IDを生成し、文章を解析して文章タイプを決定し、文章中に特徴となるキーワードが有るかをチェックしてキーワードが有る場合にはキーワードを抽出し、かつ回答としての文章を作成する文章処理部と、文章IDに対応して、取得した文章と、キーワードを記憶する文章DBを有する。文章処理部は、取得した文章中にキーワードが有る場合には、文章DBを検索して、同じキーワードを含む同じ文章タイプの文章を抽出し、抽出した文章を用いて回答を作成して端末装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会話システム及び会話文章処理方法に係り、特に、ユーザが携帯端末を管理サーバに接続して、音声又は文章により会話を行う会話システム及び会話文章処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザが携帯電話などのような携帯端末を操作しながら、携帯端末の表示画面に表示されたキャラクタと音声又は文章により会話を行う会話システムが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、使用者とキャラクタが自由に擬似的な会話をする疑似会話システムにおいて、キーワードに対応する回答を格納する回答データベース(DB)を有するコンテンツサーバで、クライアント端末から入力された文章の中から所定のキーワードを抽出し、回答データベースを検索して、抽出された所定のキーワードに対応する回答を得て、クライアント端末に配信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−323551公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然るに、特許文献1に記載の技術は、回答を格納する回答DBを予め用意しなければならない。しかも会話文章に使用されるキーワードには色々なものがあるが、それら全てのキーワードに対応した回答文を回答DBに用意する必要がある。全ての回答文を用意するには膨大な作業時間を要する。また、会話の入力文章中に想定したキーワードが存在しない場合もある。仮に、入力文章にキーワードが存在するとしても、予め回答DBに用意された回答文はキーワードには対応しているが、ユーザが使用する言葉(会話文章)に回答文が合致するとは限らない場合もあり得る。
【0005】
本発明は、ユーザより会話として入力される文章をDBに蓄積しておき、このDB内の文章を用いて回答を作成することにより、入力文章に対する回答を記憶するDBを予め用意しなくても、ユーザとの会話を実現することができる会話システム及び会話文章処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る会話システムは、好ましくは、会話のための文章を入力する入力器と文章を表示する表示器を有するユーザの複数の端末装置とネットワークを介して接続される管理サーバを有する会話システムであって、
該管理サーバは、該端末装置から送信された、ユーザによって作成された文章に対して固有の文章IDを生成し、該文章を解析して文章タイプを決定し、該文章中に特徴となるキーワードが有るかをチェックして該キーワードが有る場合には該キーワードを抽出し、かつ回答用の文章を作成する文章処理部と、該文章IDに対応して、取得した該文章と、該キーワードを記憶する文章DB(第1文章DB)と、を有し、
かつ該文章処理部は、取得した該文章中に該キーワードが有る場合には、該文章DBを検索して、同じ該キーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信することを特徴とする会話システムとして構成される。
【0007】
好ましい例では、前記管理サーバは、更に、取得した文章に対する回答となる文章を予め記憶する第2文章DBを有し、
前記文章処理部は、取得した該文章中に該キーワードが無い場合には、該第2文章DBを検索して、回答となる文章を抽出して該端末装置へ送信する。
【0008】
また、好ましくは、前記管理サーバは、更に、ユーザに固有に付与されるユーザIDに対応して、該ユーザの個人的関係の人を特定するIDを登録するユーザ情報DBを有し、
かつ前記第1文章DBは、該文章IDに対応して文章を入力したユーザのユーザIDを登録し、
前記文章処理部は、取得した該文章に対する回答の作成時に、該ユーザ情報DBを参照して、該ユーザについて個人的関係の人として登録されたユーザのユーザIDを得て、該個人的関係の人のユーザIDについて該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信する。
【0009】
また、本発明に係る会話文章処理方法は、好ましくは、会話のための文章を入力する入力器と文章を表示する表示器を有する複数の端末装置とネットワークを介して接続される管理サーバを有する会話システムにおける会話文章処理方法であって、
該管理サーバにおいて、該端末装置から送信された文章に固有の文章IDを生成するステップと、
該管理サーバにおいて、該端末装置から送信された文章を解析して文章タイプを決定すると共に、該文章中に特徴となるキーワードが有る場合には該キーワードを抽出するステップと、
該管理サーバにおいて、該文章IDに対応して、取得した該文章と、該キーワードを文章DB(第1文章DB)に記憶するステップと、
該管理サーバにおいて、該文章を解析した結果、該文章中にキーワードが有る場合、該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信するステップを有することを特徴とする会話文章処理方法として構成される。
【0010】
好ましい例では、前記管理サーバは、取得した文章に対する回答となる文章を第2文章DBに予め記憶しておき、
前記管理サーバは、取得した該文章中に該キーワードが無い場合には、該第2文章DBを検索して、回答となる文章を抽出して該端末装置へ送信する。
【0011】
また、好ましくは、前記管理サーバは、更に、ユーザに固有に付与されるユーザIDに対応して、該ユーザの個人的関係の人を特定するIDをユーザ情報DBに登録し、
かつ文章IDに対応して、文章を入力したユーザのユーザIDを前記第1文章DBに登録し、
前記管理サーバは、入力文章に対する回答の作成時に、該ユーザ情報DBを参照して、該ユーザについて個人的関係の人として登録されたユーザのユーザIDを得て、該個人的関係の人のユーザIDについて該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、会話の入力文章に対する回答用のDBを予め用意しなくても、ユーザの端末装置から入力される文章を文章DBに蓄積し、この文章DB内の文章を用いて回答を作成することが可能となる。これにより、回答を予め用意するための膨大な作業時間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施例による会話システムの全体構成を示す図。
【図2】一実施例による会話システムおける携帯端末の構成例を示す図。
【図3】一実施例による会話システムにおける文章DB41の例を示す図。
【図4】一実施例による会話システムにおけるユーザ情報DB3の例を示す図。
【図5】一実施例による会話システムにおける文章処理のフローチャートを示す図。
【図6】他の実施例による会話システムにおける文章処理のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、会話システムの全体構成例を示す。
会話システムは、ユーザが使用する多数の携帯端末2と、通信ネットワーク9を介して携帯端末2と接続される管理サーバ1を有して構成される。
管理サーバ1は、携帯端末2のユーザに対して会話サービスを提供するコンピュータであり、本実施例では、ユーザの携帯端末3の表示器に動物やアニメのキャラクタを表示し、表示中のキャラクタと会話する文章をユーザが携帯端末から入力することで、会話を進めていくことを実現する。
【0015】
管理サーバ1のハードウェア構成は図示していないが、プロセッサ(CPU)、メモリ、ハードディスクのような外部記憶装置、入力器、表示器等を有し、特徴的なアプリケーションプログラムをCPUで実行することで、会話のための文章を処理する機能を実現する。
携帯端末2は、例えば携帯電話のような端末であるが、ユーザが通常使用するPC(パーソナルコンピュータ)のような端末装置でもよい。携帯端末2のハードウェア構成については、図2を参照して後述する。
【0016】
会話サービスを実現するために、管理サーバ1は、携帯端末2のユーザの情報を登録するユーザ情報登録部102と、携帯端末2より取得した会話の文章を解析し、かつ回答として携帯端末に送信する文章を作成する処理を行う文章処理部103を有する。また、データベース(DB)として、ユーザ情報を登録するユーザ情報DB3(図3参照)と、会話用文章を登録する文章DB4(文章DB41と文章DB42)を有する。文章DB41は、携帯端末2より取得した会話の文章(入力文章)及びその解析結果のデータを記憶する(図4参照)。文章DB41は、ユーザオリジナルな文章DBと言える。文章DB42はサービス提供者がシステム上予め用意したものであり、回答用の簡単な文章を予め記憶する。
【0017】
本発明に特徴的なことは、入力文章を解析の結果、特徴となる単語(キーワード)が発見されれば、当該キーワードについて、文章DB41を検索して文章を得て、その文章を用いて回答分を作成する。一方、入力文章中にキーワードが発見できなければ、予め文章DB42から文章を抽出して回答文とする。
なお、ここで、文章処理部103及び文章DB4は説明の都合上の名称であり、例えば、会話部とか会話DBと呼んでもよく、実質的に端末装置を用いてユーザとキャラクタが会話を行うためのものであれば、他の呼称でもよい。
【0018】
図2は携帯端末2の構成を示す。
携帯端末2は、種々のアプリケーションプログラム等を実行するプロセッサ(CPU)202、データやプログラムを格納するメモリ203、入力器204、表示器205、及び通信ネットワーク9に対してデータの送受信を行う無線通信器206を有して構成される。携帯端末2のユーザには固有の識別情報(ユーザID)が付与され、そのユーザIDはメモリ203に記憶されている。
ユーザは、入力器204を操作して会話に必要な文章を入力する。入力された文章は、CPU202で処理されて表示器205に表示され、管理サーバ1へ逐次送信される。なお、会話のための文章は、入力器204からの入力に限らず、音声入力器から入力するようしてもよい。この場合、携帯端末のCPU202は、音声入力器(図示せず)から入力された音声を認識するための音声認識プログラムを実行しながら、入力された音声を逐次、文章に変換して表示器に表示する。
【0019】
次に、図3、図4を参照して、各DBの構成内容について説明する。
図3は、文章DB41の構成例を示す。
文章DB41は、文章処理部103の処理の下、携帯端末2から送信され取得された文章及びその解析結果によるデータを記憶する。即ち、入力される文章毎に付与される固有の文章ID、入力文章、ユーザに固有のユーザID、記憶する文章の文章タイプ、文章から抽出された特徴的な単語であるキーワード、及び文章の種類が挨拶文の場合、その挨拶の種類(朝、昼、夜)を登録する。文章タイプは、予め定められた17種類(コーパス分類)の文章のうちから、文章処理部103で解析された何れかの文章タイプをコードで示す。これについては後述する。
なお、文章DB42の内容については、図示していないが、これについては、後述する入力文章の構文解析結果に対する回答文の生成の説明から、その内容が理解されるであろう。即ち、後述のコーパス分類の結果、入力文章中に特徴単語が発見できなかった場合における例示した回答文が文章DB42に記憶されている。
【0020】
図4は、ユーザ情報DB3の構成例を示す。
ユーザ情報DB3は、携帯端末2を用いてサービスを受けるユーザの個人情報(例えば性別、生年月日、職業、住所(図示せず))を登録する。本発明に特徴的な項目として、各ユーザに固有に付与されたユーザID、ユーザの名前(ニックネームでもよい)、友人の各データが登録される。複数の友人の項目は、ユーザが自分の友人を逐次追加して登録する。友人は、この会話サービスを受けることができる人の中から選択されるものとし、各友人には既に固有のユーザIDが付与されている。図4に例示の友人の欄には、名字が記載されているが、ユーザIDが特定できるものであれば、通称やニックネームでもよい。或いは、DB上では、名字ではなくてユーザIDでもよい。
後述するが、友人を登録する理由は、文章処理部103が回答として選択する範囲を、登録された友人からの入力文章も含めて検索できるようにして、回答文の検索許容範囲を拡大する趣旨である。
【0021】
ユーザ情報の登録は、最初、ユーザ情報登録部102の処理の下、ユーザの携帯端末2で入力され送信されたユーザの個人情報に対して固有のユーザIDが付与されて、ユーザ情報DB3に登録される。その後、ユーザが必要な情報を逐次入力して送信することで、例えば友人に関するデータが追加(又は削除)するように更新される。
なお、このユーザ情報DBは、各ユーザの友人を登録するので、フレンドDBと呼んでもよい。また、ユーザIDに加えてユーザのパスワードが付与される場合もあるが、その場合には、ユーザパスワードもユーザ情報の1つとして登録される。
【0022】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、管理サーバ1における会話の文章処理動作について説明する。この処理は、アプリケーションプログラムが管理サーバ1のCPUで実行されることで行われる。
ユーザは、携帯端末2からサービス提供先のWebサイトにアクセスして、携帯端末2の表示器205にキャラクタを表示して会話を行う。このWebサイトから会話サービスを受けるためには、ユーザは予めユーザ情報DB3に所定の個人情報を登録している。また、当該Webサイトへのアクセスに際しては、ユーザIDやユーザパスワードが一致することが条件である。
【0023】
さて、携帯端末2がWebサイトに接続された後、ユーザは携帯端末2に会話用の文章を入力して、管理サーバ1へ送信する。携帯端末2から送信される文章には、ユーザIDが含まれている。管理サーバ1の文章処理部103は、携帯端末2から送信された入力文章を取得すると、固有の文章IDを生成してその文章に付与する(S501)。取得した文章は、図示しないメモリに一時保管される。
【0024】
次に、文章処理部103は、入力文章の構文解析を行う(S502)。入力文章の構文解析については後で詳述する。簡単に言えば、まず入力文章を品詞分解して一次分類を行い、次にその文章を解析して予め定められた17種類のいずれかに分類して(二次分類(コーパス分類ともいう))、文章タイプを決定する。更に、この二次分類において、文章中に特徴となる単語(キーワード)が有るかをチェックし、その結果、特徴単語があれば、1又は複数の特徴単語を抽出する(S503)。
次に、先に生成した文章IDに対応して、取得した入力文章、ユーザID、解析結果となる文章タイプ及びキーワードを、文章DB41に記憶する(S504)。
【0025】
次に、入力文章に対する回答の文章(回答文)の作成処理に移る(S505)。この場合、文章処理部103は、先の構文解析の結果、入力文章中に特徴単語が有るかを確認して(S506)、その結果特徴単語が有れば、当該特徴単語について文章DB41を検索する(S507)。文章DB41には、他のユーザ及び自ユーザが過去にキャラクタと会話した時の文章及びキーワードが文章IDと共に記憶されている。図3を参照するに、例えば、ユーザIDが「U012685」のユーザの入力文章から人名「ユミ」が特徴単語として抽出されてキーワード1に記憶されているとする。今回の文章ID「P0005」の文章「ユミは横浜に住んでいるよ」から、特徴単語として「ユミ」と「横浜」が抽出された場合、その回答文としては、特徴単語「ユミ」について、文章DB41を検索した結果、「私はユミが好きです」という、同じユーザの過去の文章が回答として選択されることがある。
【0026】
また、図3には図示していないが、他のユーザからの文章として「ユミ、今日はもう帰るよ」の文章が文章DB41に記憶されている場合、上記文章の回答として当該文章「ユミ、今日はもう帰るよ」が選択されることがある(S508)。選択された回答文は、管理サーバ1からユーザの携帯端末2へ送信され、表示器205に表示される(S509)。回答文は恰もキャラクタからの返事のように、画面に表示中のキャラクタの動きに合わせて文字表示又はキャラクタの音声として出力される。ユーザは、表示された回答文を見て(又は音声を聞いて)、さらに会話を続けて文章を入力する。
なお、文章DB41を検索した結果、同じキーワードについて、複数の回答文がヒット(hit)した場合には、例えば、現在時刻を乱数の種として、該当する複数の回答文の中から乱数に従って1つの回答文を選択するものとする。
【0027】
一方、入力文章中に特徴単語が有るかの確認において(S506)、特徴単語が発見できなかった場合には、文章DB42を検索して(S517)、解析構文毎に予め用意してあった回答文を選択する(S518)。選択された回答文は、同様にしてユーザの携帯端末2へ送信される。ここで、文章DB42から回答文を選択するルールは曖昧なものである。例えば、「**は好き?」と聞かれた場合は、「好きです」または「嫌いです」というような具体的に決めてよい。また他の例として、「**はかわいいね」などの形容詞文であれば、その形容詞文に自然に繋がり得る回答文を選択して、「かわいい」をテンプレートに当てはめてそれを回答文とするようにしてもよい。いずれもしても、文章DB42には、入力文章に対して適確に合致するような厳格な回答文を用意しておく必要はない。
【0028】
次に、図6のフローチャートを参照して、他の例による会話の文章処理動作について説明する。図5を参照した上記実施例と比較して、図6の例は、ステップS621〜S623の処理(即ち回答文の作成処理)が相違する。その相違部分についての処理について、以下説明する。
文章処理部103は、取得した文章に対する回答文の作成時に、ユーザ情報DB3を検索して(S621)、現在会話中のユーザのユーザIDについて登録された友人のユーザIDを取得する(S622)。例えば、ユーザID「000002」のユーザ(鈴木さん)は、「工藤さん」のユーザID「U****」を取得する。そして、先に抽出していた特徴単語について、文章DB41の当該ユーザID「U****」と自分のユーザID「000002」のユーザIDのエントリを検索する。検索の結果、特徴単語が含まれる回答文が選択される。
【0029】
図5の例では、文章DB41の全てのエントリを検索して、同じ特徴単語が含まれる文章を回答文として選択しているので、場合によっては、入力文章に対して突飛な内容の回答文が選択される可能性がある。しかし、図6の例によれば、入力文章に対する検索は、ユーザ本人と友人のエントリのみであるので、選択される回答文の言葉使いも似かより、また友人との日常の会話に使われる言葉が回答文として選択される可能性が高い。その結果、回答文に親近感がわき、ユーザはキャラクタとの会話を一層楽しく進めることが期待できる。
【0030】
次に、入力文章の構文解析について説明する。
入力文章の解析は、1〜3の3段階を経て行われる。
1.一次分類
まず、入力文章を品詞分解する。その中から、「自分の名前の有無」、「名詞の有無」、「動詞の有無」、「命令形動詞の有無」、「形容詞の有無」、「コーパス自体が疑問形であるか?」の判断を行う(一次分類)。
【0031】
2.二次分類(コーパス分類)
一次分類の結果から下記17種に分類する(コーパス分類)。
(1)理解不能例:「あすらりてほめましこ」
(2)理解不能且つ呼びかけ例:「(プログラムの名前)ー!」
(3)理解不能疑問文例:「**なの?」
(4)自分宛疑問文例:「(プログラムの名前)は**なの?」
(5)名詞文例:「*は*だね」
(6)名詞文疑問系例:「*は*かな?」
(7)自分宛名詞文疑問系例:「*は*かな?」
(8)形容詞文例:「*はかわいいね」
(9)形容詞文疑問系例:「*はかわいいかな?」
(10)自分宛形容詞文例:「(プログラムの名前)はかわいいね」
(11)自分宛形容詞文疑問系例:「(プログラムの名前)はかわいいかな?」
(12)動詞文例:「*が*を食べた」
(13)自分宛動詞文例:「(プログラムの名前)が*を食べるのか」
(14)動詞文疑問系例:「*が*を食べるの?」
(15)自分宛動詞文疑問系例:「(プログラムの名前)が*を食べるの?」
(16)動詞文命令形例:「食べろ!」
(17)挨拶例:「おはよう」
3.コーパス分類による回答文の処理
(1)理解不能
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42に記憶された全文章からランダムに選択して回答文とする。
【0032】
(2)理解不能且つ呼びかけ
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「え〜? なにそれ?」
(3)理解不能疑問文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「なんのことだかよくわからないよ〜…」
(4)自分宛疑問文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「うんうん!」
(5)名詞文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「そうなんだー!!」
(6)名詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「さぁ…よくわかんないや」
(7)自分宛名詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「さぁ…よくわかんないや」
この処理は上記の名詞文疑問形と同一ですが将来の拡張の為に分類しています。
【0033】
(8)形容詞文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:入力文章が「うさぎってかわいいよね」の場合は、「すっごいかわいい!」の回答文とする。
【0034】
(9)形容詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「わかんな〜い。」
(10)自分宛形容詞文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:入力文章が「(プログラムの名前)ってかわいいよね」の場合は、「えーかわいいかなぁ?」の回答文とする。
【0035】
(11)自分宛形容詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:入力文章が「(プログラムの名前)は楽しい?」だった場合は、
例:「うん、楽しいね!!」等と回答文とする。
【0036】
(12)動詞文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。例:「そうなんだー!」。
【0037】
(13)自分宛動詞文
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:入力文章が「(プログラムの名前)はお菓子食べる?」の場合は、「もちろん食べるよ!」の回答文とする。
【0038】
(14)動詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:「え? よくわかんない」
(15)自分宛動詞文疑問系
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:「そうだね!」。
【0039】
(16)動詞文命令形
文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする。特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とする。
例:入力文章が「お菓子を食べろ!」の場合は、「(ユーザの名前)が食べろよ〜!」の回答文とする。
【0040】
(17)挨拶
挨拶は、内部で”朝の挨拶”、”昼の挨拶”、”夜の挨拶”、”帰宅時の挨拶”、”別れるときの挨拶”、”初対面の挨拶”にさらに細分化される。
挨拶の場合、入力文章を文章DB41に記憶する時に、朝、昼、夜に分類して記憶しておく。その後回答を作成する時に、その時間及び状況にあった回答を選択する。例えば、午前6時〜午前10時の時間帯であれば朝の挨拶、午前10時〜午後6時の時間帯であれば昼の挨拶、午後6時〜翌日午前6時までは夜の挨拶を選択する。また、「はじめまして」といった特殊な挨拶に対しては、「はじめまして、よろしくお願いします」などの回答文を文章DB41に用意しておき、回答文の作成時にこれを選択するようにすればよい。
【0041】
なお、上記説明において、「文章中に特徴単語が発見された場合は、その特徴単語を含む文章をランダムに回答文とする」なる表現が各所にある。これは、例えば、現在時刻を乱数の種として、該当する複数の回答文の中から乱数によりランダムに選択するものである。
【0042】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されることなく、種々変形、応用して実施することができる。
例えば、上記実施例では、入力文章中に特徴単語が発見されなかった場合は、文章DB42から選択して回答文とするとしたが、予め回答文を記憶しておく文章DB42は必ずしも必要はない。例えば、入力文章中に特徴単語が発見されなかった場合は、定常的に「わからないや」の回答文としてもよい。この場合、「わからないや」の簡単な単一の文章は、文章DB42に記憶するまでもなく、プログラム内で生成することが可能である。
【0043】
入力文章中に特徴単語が発見されなかった場合の更に他の例として、当該入力文章のユーザIDをキーとして文章DB41を検索して、当該ユーザが過去に入力した文章を選択して回答文としてもよい。この場合、例えば、入力文章が「お菓子を食べろ!」の場合、回答文として同じ文章「お菓子食べろ!」が選択されることもある。更に他の例として、「おはよう」の入力文章に対して、「おはよう」の回答文が選択されることもある。
【0044】
また、図6に示した文章処理の変形例として、文章DB41の特別なエントリを検索するのは、ユーザの友人に限らない。例えば、ユーザの両親や兄弟、子供のように特別な個人的関係にある人のユーザIDのエントリを検索することも可能である。この場合、図4のユーザ情報DB3には、ユーザの友人だけでなく、特別な個人的関係の人のユーザIDを登録しておくことになる。
【符号の説明】
【0045】
1:管理サーバ 2:携帯端末 9:ネットワーク
102:ユーザ情報登録部 103:文章処理部 3:ユーザ情報DB 4:文章DB 41:文章DB1 42:文章DB2
202:CPU 203:メモリ 204:入力器 205:表示器 206:無線通信器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会話のための文章を入力する入力器と文章を表示する表示器を有するユーザの複数の端末装置とネットワークを介して接続される管理サーバを有する会話システムであって、
該管理サーバは、
該端末装置から送信された、ユーザによって作成された文章に対して固有の文章IDを生成し、該文章を解析して文章タイプを決定し、該文章中に特徴となるキーワードが有るかをチェックして該キーワードが有る場合には該キーワードを抽出し、かつ回答用の文章を作成する文章処理部と、
該文章IDに対応して、取得した該文章と、該キーワードを記憶する文章DB(第1文章DB)と、を有し、
かつ該文章処理部は、取得した該文章中に該キーワードが有る場合には、該文章DBを検索して、同じ該キーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信することを特徴とする会話システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、更に、取得した文章に対する回答となる文章を予め記憶する第2文章DBを有し、
前記文章処理部は、取得した該文章中に該キーワードが無い場合には、該第2文章DBを検索して、回答となる文章を抽出して該端末装置へ送信することを特徴とする請求項1の会話システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、更に、ユーザに固有に付与されるユーザIDに対応して、該ユーザの個人的関係の人を特定するIDを登録するユーザ情報DBを有し、
かつ前記第1文章DBは、該文章IDに対応して文章を入力したユーザのユーザIDを登録し、
前記文章処理部は、取得した該文章に対する回答の作成時に、該ユーザ情報DBを参照して、該ユーザについて個人的関係の人として登録されたユーザのユーザIDを得て、該個人的関係の人のユーザIDについて該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信することを特徴とする請求項1または2記載の会話システム。
【請求項4】
会話のための文章を入力する入力器と文章を表示する表示器を有する複数の端末装置とネットワークを介して接続される管理サーバを有する会話システムにおける会話文章処理方法であって、
該管理サーバにおいて、該端末装置から送信された文章に固有の文章IDを生成するステップと、
該管理サーバにおいて、該端末装置から送信された文章を解析して文章タイプを決定すると共に、該文章中に特徴となるキーワードが有る場合には該キーワードを抽出するステップと、
該管理サーバにおいて、該文章IDに対応して、取得した該文章と、該キーワードを文章DB(第1文章DB)に記憶するステップと、
該管理サーバにおいて、該文章を解析した結果、該文章中にキーワードが有る場合、該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信するステップと
を有することを特徴とする会話文章処理方法。
【請求項5】
前記管理サーバは、取得した文章に対する回答となる文章を第2文章DBに予め記憶しておき、
前記管理サーバは、取得した該文章中に該キーワードが無い場合には、該第2文章DBを検索して、回答となる文章を抽出して該端末装置へ送信することを特徴とする請求項4記載の会話文章処理方法。
【請求項6】
前記管理サーバは、更に、ユーザに固有に付与されるユーザIDに対応して、該ユーザの個人的関係の人を特定するIDをユーザ情報DBに登録し、
かつ文章IDに対応して、文章を入力したユーザのユーザIDを前記第1文章DBに登録し、
前記管理サーバは、入力文章に対する回答の作成時に、該ユーザ情報DBを参照して、該ユーザについて個人的関係の人として登録されたユーザのユーザIDを得て、該個人的関係の人のユーザIDについて該第1文章DBを検索して、同じキーワードを含む文章を抽出し、抽出した該文章を用いて回答を作成して該端末装置へ送信することを特徴とする請求項4又は5項記載の会話文章処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−32928(P2012−32928A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170505(P2010−170505)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【特許番号】特許第4677051号(P4677051)
【特許公報発行日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(510186845)アット・イー・デザイン株式会社 (3)
【Fターム(参考)】