説明

会議品質評価装置及び会議品質評価方法

【課題】発言する出席者に対する評価ばかりでなく、会議に参加する他の出席者の態度をも含めて評価することで、会議全体の評価を可能とし、他の出席者の態度を評価数を少なくして簡便にしながら、評価精度を高くして、出席者が評価されていることを意識せずに、時々刻々に会議の品質を評価でき、以って出席者の適正化提案を可能とする。
【解決手段】品質評価手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議品質評価装置及び会議品質評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議の質の低下を客観的に評価することが求められている。
【0003】
特許文献1には、評価項目について会議中に物理量を取得し、物理量に基づき取得された時系列の品質値を含む評価結果を作成することが記載されている。評価項目には、繰返し発言、禁止されている発言、会議の本題に沿わない発言、独占発言、所定の闘値以上の音圧を有する発言、及び所定の闘値以上の経過時間を有する発言が含まれることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、音声特徴量を抽出し、これによって感情を検出し得ることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、音声の特徴から、音声認識の対象となる単語を音声認識結果として出力すると共に、音声がもっている話者の感情の度合を示す感情レベルを出力することが記載されている。
【0006】
特許文献4には、顔の傾き又は顔の傾きのパターンに基づいて、被験者の内部状態を評価することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-55307号公報
【特許文献2】国際公開WO2008/03287号公報
【特許文献3】特開平11−119791号公報
【特許文献4】特開2006-79533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術によれば、音声信号データの音声特徴に基づいて、発言状態を検出し、発言状態を感情状態を含めて評価することが提案されている。また、従来の技術によれば、被験者の姿勢を検出し、姿勢状態から被験者の内部状態を評価することが提案されている。
【0009】
会議の質を客観的に評価するために、発言の状態を検出し、評価することが提案されているが、これらの技術は発言者の発言に注目するものである。しかしながら、会議は、発言者のみから構成されるものではない。会議の品質評価に当っては、発言者ばかりでなく、会議に参加している全員に亘って評価がなされるようにしなければ、その会議の品質を評価することにならないし、特に会議の遂行に役立たないばかりでなく、進行にかえって障害となる出席者が参加することになって会議の低下を招くことになりかねない。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みて発言する出席者に対する評価ばかりでなく、会議に参加する他の出席者の態度をも含めて評価することで、会議全体の評価を可能とし、他の出席者の態度を少ない評価数で簡便にしながら、評価精度を保持し、出席者が評価されていることを意識せずに、時々刻々に会議の品質を評価でき、以って当該会議への出席者の適正化を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、具体的には、会議での発言者の入力された発言についての音声信号データの音声特徴に基づいて、発言状態検出を行う発言状態検出手段及び検出された発言状態を評価する発言評価手段を備えた会議品質評価装置において、
出席者姿勢検出手段が、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心としての机に対峙して上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出し、
品質評価演算手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、
発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、かつ
会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算すること
を特徴とする会議品質評価装置を提供する。
【0012】
本発明は、また、発言評価テーブル及び姿勢評価テーブルは、それぞれ発言評価項目及び姿勢評価項目を有し、発言評価項目及び姿勢評価項目は、会議の種類に対応して予め定められ、品質評価演算手段は、入力された会議の種類に対応していずれかの発言評価項目及びいずれかの姿勢評価項目を選択して参照することを特徴とする会議品質評価装置を提供する。
【0013】
本発明は、また、発言状態検出手段及び発言評価手段は、会議全体について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段及び姿勢評価手段は、会議全体について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、会議全体について時系列的に会議の品質評価を演算して、画面表示手段に時系列的に表示されることを特徴とする会議品質評価装置を提供する。
【0014】
本発明は、また、発言評価手段は、各出席者について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段は、各出席者について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、各出席者について時系列的に形成された発言評価結果及び姿勢評価結果に基づいて会議中における各出席者の会議の品質評価を画面表示手段に表示させることを特徴とする会議品質評価装置を提供する。
【0015】
本発明は、また、品質評価演算手段は、予め定められた閾値に基づいて演算された会議全体の品質評価又は各出席者の品質評価を「良」、「不良」で画面表示手段に表示させることを特徴とする会議品質評価装置を提供する。
【0016】
本発明は、また、会議での発言者の入力された発言についての音声信号データの音声特徴に基づいて、発言状態検出を行う発言状態検出手段及び検出された発言状態を評価する発言評価手段を備えた会議品質評価装置を用いた会議品質評価方法において、
出席者姿勢検出手段が、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心としての机に対峙しての上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出し、
品質評価演算手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、
発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、かつ
会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算すること
を特徴とする会議品質評価方法を提供する。
【0017】
本発明は、また、発言評価テーブル及び姿勢評価テーブルは、それぞれ発言評価項目及び姿勢評価項目を有し、発言評価項目及び姿勢評価項目が、会議の種類に対応して予め定められ、品質評価演算手段が、入力された会議の種類に対応していずれかの発言評価項目及びいずれかの姿勢評価項目を選択して参照することを特徴とする会議品質評価方法を提供する。
【0018】
本発明は、また、発言評価手段が、会議全体について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態検出手段及び姿勢状態評価手段は、会議全体について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、会議全体について時系列的に会議の品質評価を演算して、画面表示手段に時系列的に表示されることを特徴とする会議品質評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、上述したように、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心として上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出し、回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれかにあることの姿勢状態決定を行うようにして姿勢評価項目となし、一方の発言評価結果を組み合わせするようにしているので、発言する出席者に対する評価ばかりでなく、会議に参加する他の出席者の態度を評価することで、会議全体の評価が可能となる。
【0020】
そして、他の出席者の態度は、上述のように回転方向の姿勢を以って評価するようにしているので、評価数を少なくして簡単にしながら、評価要素が著しく異なる事項を評価するようにしているので評価精度を保持して、出席者が評価されていることを意識せずに、時々刻々に会議品質を評価することができる。以って、品質評価に対応して当該会議への出席者の出席適正化を会議主催者や出席者自身が提案することができる。これによって、会議の質が低いと診断されるようなときに会議の軌道修正を提案できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】会議の構成状態を示す図。
【図2】本発明の実施例の構成を示すブロック図。
【図3】データベースに格納されるテーブルの内容を示す図。
【図4】評価のための作業フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施例である会議品質評価装置100が用いられた状況下での会議の構成状態を示す図である。
【0024】
図1において、会議机1を囲んだ7人の会議出席者2によって会議が進行されている。各出席者2は、図示していないが机子に着座することが可能であり、その内の1人が会議の進行役としての議長を務めている。会議出席者は、それぞれ発言し、意見を述べることができる。机子に着座した出席者は、机子に着座した状態を中心として上半身の回転動作を行う。この回転動作とは、腰を中心としての前方、すなわち机に向かっての回転動作である。出席者の動作には、これ以外にも多種のものがあるが、本発明にあってはこの机に向かっての回転動作を検出するものとしている。
【0025】
机1の上には、マイク3が配置され、姿勢センサー4が配置される。図では、1つのマイクロフォン及び1つの姿勢センサーが図示してあるが、出席者分のマイクロフォン及び姿勢センサーが配置されるのが望ましい。
【0026】
マイクロフォンは、音声検出装置として機能し、姿勢センサーは出席者の姿勢を映像化するための映像検出装置として機能する。姿勢センサーとしてCCDカメラを用いることができ、CCDカメラを用いることで映像検出装置を極小化して出席者2にCCDカメラを意識させないようにすることができる。
【0027】
また、机1の上には、パソコン5が配置され、進行役の出席者はパソコンを操作することができる。パソコンを各出席者に配置するようにしてもよい。
【0028】
パソコンはマイクロフォン3及び姿勢センサー4に有線あるいは無線で接続され、機能としての会議品質評価装置100を内蔵する。したがって、会議品質評価装置100は、各種のプログラムを組み合わすことで構成される。
【0029】
マイクロフォン3及び姿勢センサー4によって検出された音声、出席者の態度、出席者の姿勢が会議品質評価装置100に入力される。
【0030】
図2は、会議品質評価装置100の構成をブロックで示す図である。
【0031】
会議品質評価装置100は、入力手段11、音声特徴検出手段12、発言状態検出手段13、出席者姿勢検出手段14、品質評価演算手段15、データベース21、及び画像表示手段22を備える。
【0032】
品質評価演算手段15は、会議の品質を評価する機能手段である発言評価手段16、姿勢状態決定手段17、姿勢評価手段18及び会議品質評価値算出手段19から構成される。
【0033】
入力手段11、音声特徴検出手段12、発言状態検出手段13、出席者姿勢検出手段14及び品質評価演算手段15は互いに接合可能な構成とされ、データベース21及び画像表示手段22に接合される。
【0034】
入力手段11には、音声検出装置31及び映像検出装置32が接続され、出席者の音声、態度、姿勢が入力される。
【0035】
音声検出装置31としては、上述したようにマイクロフォン3が用いられ得、映像検出装置としては、CCDカメラあるいは姿勢センサー4が用いられ得る。
【0036】
入力手段11は、これらの検出装置で検出した信号データを音声信号データ、映像信号データとして入力する。入力手段11は、これらの信号データに加えて、キーボードその他の手段によって会議諸事項を入力する。会議諸事項には、会議名、会議日時、会議予定時間、会議場所、会議目的、会議報告フォーマット、及び主催者を含む会議出席者名とその出欠等で形成される会議の諸事項が予め入力される。会議の種類(形態)には、説明会、レビュー、進捗会議、ブレーンストーミングがある。他の会議も含まれる。出席者の音声特徴を予め入力しておくようにしてもよい。
【0037】
音声特徴検出手段12は、会議での発言者の入力された発言についての音声信号データの音声データの音声特徴を検出(抽出)する。音声特徴検出手段としては、各種の音声特徴検出手段を用いることができ、音声特徴、音声特徴量を検出するものとする。
【0038】
発言状態検出手段13は、音声特徴(量)及び会議態度などの発言状態を検出する。検出された発言状態は、データベース21に格納される。
【0039】
出席者姿勢検出手段14は、映像信号を用いて、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心として上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出する。したがって回転方向姿勢は、上半身を前方の縦方向に回転した回転方向の姿勢を時々刻々に検出することができる。上半身の前方の縦方向を回転した回転方向の姿勢を検出するのであるから簡便にこの検出を行うことができ、時々刻々に検出することができる。
【0040】
検出された姿勢状態は、品質評価演算手段15に伝えられる。
【0041】
品質評価演算手段15は、上述したように、発言評価手段16、姿勢状態決定手段17、姿勢評価手段18及び会議品質評価値算出手段19から構成される。
【0042】
発言評価手段16は、発言状態検出手段13で検出された発言状態から、データベース21に予め定められ、格納された発言評価のためのテーブル(発言評価テーブル)を参照して会議の品質評価の1項目とする発明評価結果を形成する。
【0043】
発明評価結果としては、例えば、
・感情発言(良)
・感情発言(不良)
・発言無し状態
・独占発言
が生成される。発明評価結果生成には、特許文献1に記載された発言が用いられるようにしてもよい。
【0044】
姿勢状態決定手段17は、検出された回転方向姿勢から、予め定められた角度を参照して、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれかの状態にあることの姿勢状態決定を行う。うつ伏せとは、机の上に上半身を伏せた状態であり、仰向けとは、上半身を後方に向けてそらした状態であり、直立不動とは、上半身を上方に向けて起した状態であり、基本的にはうつ伏せ、仰向け状態以外の状態を指す。
【0045】
姿勢評価手段18は、決定された姿勢状態(3状態)から、予め定められ、データベース21に格納された姿勢評価のためのテーブル(姿勢評価テーブル)を参照して、会議の品質評価の他の項目とする姿勢評価結果を形成する。
【0046】
姿勢評価結果としては、例えば、
・居眠り状態
・行動状態
が生成される。居眠り状態とは、居眠りあるいは居眠りに近い状態をいい、行動状態とは会議に参加して活動中である状態を指す。
【0047】
会議品質評価値算出手段19は、会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、データテーブル21の会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、データテーブル21の会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算することを行う。
【0048】
会議品質評価テーブルは、会議種類別に予め定め、格納された会議種類別評価値重みづけを有する。会議品質評価に際しては、この会議種類別評価値重みづけが採用される。
【0049】
勿論、一律の重みづけとして算出を容易にするようにしてもよい。
【0050】
データベース21に格納された発言評価テーブル及び姿勢評価テーブルは、それぞれ発言評価項目及び姿勢評価項目を有し、発言評価項目及び姿勢評価項目は、会議の種類に対応して予め定められ、品質評価演算手段15が入力された会議の種類に対応していずれかの発言評価項目及びいずれかの姿勢評価項目を選択して参照し得るようにしている。
【0051】
発言状態検出手段13及び発言評価手段16は、会議全体について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段17及び姿勢評価決定手段18は、会議全体について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段15は、会議全体について時系列的に会議の品質評価を演算して、画面表示手段22に時系列的に表示させる。
【0052】
発言評価手段16は、各出席者について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段17は、各出席者について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段15は、各出席者について時系列的に形成された発言評価結果及び姿勢評価結果に基づいて会議中における各出席者の会議の品質評価を画面表示手段22に表示させる。
【0053】
データベース21の演算結果格納テーブルには、会議議事録用フォーマットを含め、会議諸事項、演算結果及び演算結果に対する闘値が格納される。
【0054】
品質評価演算手段15は、予め定められた闘値に基づいて演算された会議全体の品質評価又は各出席者の品質評価を「良」、「不良」で画面表示手段に表示させる。
【0055】
図3は、データベース21に格納された発言評価テーブル、姿勢評価テーブル及び会議品質評価値テーブルの1例を示す。
【0056】
図3において、A.発言内容対応に表示するように、
・笑いがあります
・怒りがあります
・沈黙しています
・一対一の議論が続いています
といった発言が検出される。この発言検出のために、次のような指標が採用される。これらの指標には既に公知になったものが採用されてよい。
【0057】
1)出席者同士での笑いがあったか
2)出席者同士での怒り(感情的な発言)があったか
3)絶え間なく会議が進行していたか(主催者の適切な進行等により、出席者が沈黙する等がなかったか)
4)うつぶせの姿勢になったり、いびきをかいたりして集中力が散漫になっていないか
5)一対一の議論が長々と続いていないか(細やかなレベルの議論)
6)予め登録した会議情報(開始予定時刻、終了予定時刻、参加予定人数)を守ることが出来たか(終了時に点数付け)
この発言検出に対応して、
・感情発言(良)
・感情発言(不良)
・発言無し状態
・独占発言
との発言評価がなされる。この発言評価に対応して、品質値として、+10、−10、−10、−10点が与えられる。これらの品質値は、会議形態に対応して重み付けが付加されて、変更設定される。この変更設定は、−10〜+10の間で行うようにしてもよい。
【0058】
これらの検出、評価、付与点は会議の種類によって変えられてよい。これらの基本点数を変更することは重みづけをしたことと等価である。
B.姿勢状態対応に表示するように、
・うつ伏せの状態となっています
・仰向けの状態となっています
・直立不動の状態となっています
といった姿勢が検出され、この検出姿勢状態に対応して、
・居眠り状態
・居眠り状態
・行動状態
との姿勢評価がなされる。この姿勢評価に対応して、品質値として、−10、−10、+10点が与えられる。
【0059】
これらの検出、評価、付与点は会議の種類によって変えられてよい。
C.品質値ボーダーラインに示すように、
最終品質値が付与点から算出され、会議品質評価が判定される。会議品質評価としては、次のような例がある。
【0060】
・議事進行が円滑です
・会議品質が比較的良いです
・会議品質が比較的悪いです
・会議品質がかなり悪いです
・会議が円滑に進行されていません
会議評価を見て会議主催者、会議出席者は、会議を構成する出席者の見直しを行い、会議の軌道修正を行うことになる。会議評価は、時々刻々となされており、ある定まった時間を特定して会議品質評価時を定めることができる。この会議品質評価時は、会議終了時とすることもできるし、複数計測して平均値を取るようにしてもよい。例えば、会議の品質評価作業工数は、15分×8回/週=2Hr/月とすることができ、月に2時間評価に用いることによって会議品質を向上させることが出来、結果的に会議時間が削減されるようになる。
【0061】
図4は、評価のための作業フローを示す。作業フロー内容は、図4に記載事項のものとする。図4においては、診断は、機械的な評価に基づいて主催者あるいは出席者自身によってなされた判断である。主催者は、会議の途中、あるいは会議終了後に、低数の低い出席者を特定して、評価を削除し、他の出席者による会議品質評価を実施して、閾値以上の点数になる会議を想定することができる。このようにすることによって、その会議あるいは次回の会議の品質を向上させることができる。
【0062】
以上の説明によれば、
出席者姿勢検出手段が、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心としての机に対峙しての上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出すること、
品質評価演算手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、
発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、かつ
会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算すること
からなる会議品質評価方法が構成される。
【符号の説明】
【0063】
1…机、2…出席者、3…マイクロフォン、4…姿勢センサー、11…入力手段、12…音声特徴検出手段、13…発言状態検出手段、14…出席者姿勢検出手段、15…品質評価演算手段、16…発言評価手段、17…姿勢状態決定手段、18…姿勢評価手段、19…会議品質評価値算出手段、21…データベース、22…画像表示手段、100…会議品質評価装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議での発言者の入力された発言についての音声信号データの音声特徴に基づいて、発言状態検出を行う発言状態検出手段及び検出された発言状態を評価する発言評価手段を備えた会議品質評価装置において、
出席者姿勢検出手段が、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心としての机に対峙しての上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出し、
品質評価演算手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、
発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、かつ
会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算すること
を特徴とする会議品質評価装置。
【請求項2】
請求項1において、発言評価テーブル及び姿勢評価テーブルは、それぞれ発言評価項目及び姿勢評価項目を有し、発言評価項目及び姿勢評価項目は、会議の種類に対応して予め定められ、品質評価演算手段は、入力された会議の種類に対応していずれかの発言評価項目及びいずれかの姿勢評価項目を選択して参照することを特徴とする会議品質評価装置。
【請求項3】
請求項1において、発言状態検出手段及び発言評価手段は、会議全体について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段及び姿勢評価手段は、会議全体について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、会議全体について時系列的に会議の品質評価を演算して、画面表示手段に時系列的に表示されることを特徴とする会議品質評価装置。
【請求項4】
請求項1において、発言評価手段は、各出席者について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態決定手段は、各出席者について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、各出席者について時系列的に形成された発言評価結果及び姿勢評価結果に基づいて会議中における各出席者の会議の品質評価を画面表示手段に表示させることを特徴とする会議品質評価装置。
【請求項5】
請求項3または4において、品質評価演算手段は、予め定められた閾値に基づいて演算された会議全体の品質評価又は各出席者の品質評価を「良」、「不良」で画面表示手段に表示させることを特徴とする会議品質評価装置。
【請求項6】
会議での発言者の入力された発言についての音声信号データの音声特徴に基づいて、発言状態検出を行う発言状態検出手段及び検出された発言状態を評価する発言評価手段を備えた会議品質評価装置を用いた会議品質評価方法において、
出席者姿勢検出手段が、会議への各出席者が机子に着座した状態を中心としての机に対峙しての上半身の回転方向動作を回転方向姿勢として検出し、
品質評価演算手段が、回転方向姿勢から、発言者以外の出席者の回転方向姿勢をうつ伏せ、仰向け及び直立不動の3状態のいずれにあることの姿勢状態決定を行い、
発言状態検出手段で検出された発言状態から、予め定められた発言評価テーブルを参照して会議の品質評価の1項目とする発言評価結果を形成し、決定された姿勢状態から、予め定められた姿勢評価テーブルを参照して会議の品質評価の他項目とする姿勢評価結果を形成し、かつ
会議への出席者の内の発言出席者について発言評価結果から品質評価時の発言品質評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、会議への出席者の内の発言者以外の出席者について姿勢評価結果から品質評価時の姿勢評価値を、会議品質評価テーブルを参照して定め、発言品質評価値及び姿勢評価値に基づいて品質評価時の会議の品質評価を演算すること
を特徴とする会議品質評価方法。
【請求項7】
請求項6において、発言評価テーブル及び姿勢評価テーブルは、それぞれ発言評価項目及び姿勢評価項目を有し、発言評価項目及び姿勢評価項目が、会議の種類に対応して予め定められ、品質評価演算手段が、入力された会議の種類に対応していずれかの発言評価項目及びいずれかの姿勢評価項目を選択して参照することを特徴とする会議品質評価方法。
【請求項8】
請求項6において、発言評価手段が、会議全体について時系列的に発言評価結果を形成し、姿勢状態検出手段及び姿勢状態評価手段は、会議全体について時系列的に姿勢評価結果を形成し、及び品質評価演算手段は、会議全体について時系列的に会議の品質評価を演算して、画面表示手段に時系列的に表示されることを特徴とする会議品質評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−8114(P2013−8114A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139004(P2011−139004)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(596127554)日立公共システムエンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】