説明

伝送システム

【課題】 MOST方式等の固定長フレームを用いた伝走路において、DVD−Audio等のマルチチャンネル音声データの効率のよい伝送を行い、音声データの著作権保護対策を施す伝送システムを提供する。
【解決手段】 送信装置22の多重化手段51により作成されるブロックデータは8フレームで構成されており、各フレームの先頭1バイトはSyncやOE等を有するヘッダ101、2バイト目が音声データの再生に必要なAUXデータや著作権保護情報を有する補助データ102、残りのバイトで音声データ103を伝送する。暗号化手段52により各フレームの2バイト目以降に暗号化処理を施し、通信手段53により暗号化データを出力する。受信装置23の通信手段61により送信装置22からの暗号化データを受信し、復号化手段62により暗号化データの復号化を行い、分離手段63により音声データ103及び補助データ102を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル音声データに代表されるリアルタイムデータを伝送するための伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCD(コンパクトディスク)等に記録されているデータの伝送方式としては、例えば、MOST(メディア・オリエンテッド・シンクロナス・トランスファー)と呼ばれる方式がある(非特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図11及び図12を用いてMOST方式による従来のデータ伝送方式について説明する。
図11は伝送データに含まれるフレームのデータ構成を示す図である。
従来の伝送方式では、図11(a)に示すように、データを44.1kHz、すなわち22.67マイクロ秒に1回伝送されるフレームにより伝送する。1フレームのデータ長は512ビットである。図11(b)に示すように、フレームは、プリアンブル501、境界ディスクリプタ502、同期チャンネル領域503、非同期チャンネル領域504、制御フレーム505、フレーム制御データ506、パリティ507から構成される。なお、フレームの周期は44.1kHzに限定されず、48kHzでも良い。
【0004】
ここでは、フレームにおける、プリアンブル501、境界ディスクリプタ502、同期チャンネル領域503について説明するが、非同期チャンネル領域504、制御フレーム505、フレーム制御データ506、パリティ507については本発明と直接関係しないので説明は省略する。
【0005】
プリアンブル501は、決められたパターンを有する4ビットのデータであり、伝送を行う送信装置,受信装置によりフレームの境界を検出するために用いられる。境界ディスクリプタ502は、4ビットのデータであり、同期チャンネル領域503が何個の4バイトブロックデータからなるかを示し、同期チャンネル領域503と非同期チャンネル領域504の境界を示すために用いられる。
【0006】
同期チャンネル領域503は、0〜480ビットの長さのデータであり、境界ディスクリプタ502によりその長さは決定される。同期チャンネル領域503は、音声などのリアルタイムデータの伝送のために使用される。ここで、リアルタイムデータとは、各データが時間的な制約を持っているようなデータであり、その伝送においては伝送遅延時間が定義可能であることが要求される。
【0007】
また、同期チャンネル領域503を構成するデータは、送信装置及び受信装置に対して、バイト単位でタイムスロットとして割り当てられている。すなわち、同期チャンネル領域503を構成するデータは、最大60個のタイムスロットを同期チャンネル領域として使用することが可能である。送信装置及び受信装置は、あらかじめ、どのタイムスロットを用いて伝送を行うかが割り当てられており、一つの伝送に用いられるタイムスロットの組を論理チャンネルと定義する。送信装置は割り当てられたタイムスロットを用いてデータを送信し、受信装置は割り当てられたタイムスロットのデータを受信する。MOST方式において、1タイムスロットを用いることは、352.8kbpsの伝送速度でデータを伝送することに相当する。すなわち、1.4112Mbpsの伝送速度のCD(コンパクト・ディスク)のデータを伝送するためには、同期チャンネル領域503の4タイムスロットを用いれば良い。
【0008】
図12は従来の同期チャンネルを利用したデジタル音声データの伝送方法を説明する説明図である。
図において、デジタル音声データを伝送するL,Rチャンネルが使用する各フレーム1,フレーム2におけるタイムスロットの中身が示されている。各フレーム1,2における16ビットの音声サンプル1、音声サンプル3はLチャンネルにより伝送され、16ビットの音声サンプル2,音声サンプル4はRチャンネルにより伝送される。
【非特許文献1】Patric heck, et al : " Media Oriented Synchronous Transfer--A Network Protocol for High Quality, Low Cost Transfer of Synchronous, Asynchronous, and Control Data on Fiber Optics", Presented AES 103rd Convention, 1997 September, Preprint 4551.)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の伝送方式において、CD等に記録されている2チャンネルの音声データを送信する方式については決められているが、DVD−VideoやDVD−Audioなどに記録されているマルチチャンネルの音声データや、サンプル周波数や量子化ビット数の大きい音声データを送る場合のデータ伝送方式は決められていないため、マルチチャンネルデータを送ることができないという課題があった。
【0010】
また、従来の伝送方式において、DTCP(Digital Transmission Content Protection Specification)に代表されるような著作権保護のために、データに暗号化を施す場合には、以下に挙げる二つの課題があった。一つ目の課題は、送信装置において、一般的によく使用されている8バイト単位の暗号化を施す場合に、従来の伝送方式では各フレームのデータが8バイトの倍数になるとは限らないので、フレーム内で暗号化が完結しないという課題であり、二つ目の課題は、DTCPでは著作権保護情報の伝送を行うこととしているが、従来の伝送方式ではその伝送方法が決められていないという課題である。
【0011】
本発明はこれらの課題を解決するものであり、MOST方式等の固定長フレームを用いた伝走路において、DVD−Audio等のマルチチャンネル音声データの効率の良い伝送を行い、音声データの著作権保護を実現できる伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に係る伝送システムは、マルチチャンネルの音声データ及び該音声データの再生に必要な補助データを送信する送信装置と、該送信装置から送信された音声データ及び補助データを受信する受信装置とを備えた伝送システムであって、上記補助データは、上記音声データのチャンネル割り当て情報を含む、ことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項2に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記補助データは、さらに、標本化周波数情報を含む、ことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項3に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記補助データは、さらに、量子化ビット数情報を含む、ことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項4に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データのチャンネル割り当て情報が、DVD−Audio規格によるものである、ことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項5に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記送信装置は、音声データに補助データを多重化し、多重化データを作成する多重化手段を備え、上記受信装置は、上記送信装置から送信された多重化データを受信し、音声データと補助データに分離する分離手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項6に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記送信装置は、異なる標本化周波数からなる音声データを上記受信装置に送信するとき、時間的に早く発生する音声データから多重化して送信する、ことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項7に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データ及び上記補助データの伝送方法は、当該データを伝送フレームに時分割し、上記音声データの伝送に対しては、各伝送フレームで一定のビットが割り当てられることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項8に係る伝送システムは、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データ及び上記補助データの伝送方式が、MOST方式に従うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に係る伝送システムによれば、マルチチャンネルの音声データ及び該音声データの再生に必要な補助データを送信する送信装置と、上記送信装置から送信された音声データ及び補助データを受信する受信装置とを備えた伝送システムであって、上記補助データは、上記音声データのチャンネル割り当て情報を含むので、マルチチャンネルの音声データの伝送が可能となり、例えば、DVD−Audioのドライブから伝送された音声データをスピーカ装置等により受信し、音声として出力することができるという効果を有する。
【0021】
本発明の請求項2に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記補助データは、さらに、標本化周波数情報を含むので、音声データの標本化周波数がチャンネル毎に異なる場合においても、マルチチャンネルの音声データの伝送が可能となる。
【0022】
本発明の請求項3に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記補助データは、さらに、量子化ビット数情報を含むので、音声データの量子化ビット数がチャンネル毎に異なる場合においても、マルチチャンネルの音声データの伝送が可能となる。
【0023】
本発明の請求項4に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データのチャンネル割り当て情報が、DVD−Audio規格によるものであるので、DVD−Audioによる音声データを伝送する場合に、記録方式でのパラメータをそのまま使用することができる等、効率よくデータ伝送を行うことができるという効果を有する。
【0024】
本発明の請求項5に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記送信装置は、音声データに補助データを多重化し、多重化データを作成する多重化手段を備え、上記受信装置は、上記送信装置から送信された多重化データを受信し、音声データと補助データに分離する分離手段を備えた構成としたので、音声データがマルチチャンネル、2チャンネルと切り替わる場合は、受信装置は送信装置と容易に同期をとることができるという効果を有する。
【0025】
本発明の請求項6に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記送信装置は、異なる標本化周波数からなる音声データを上記受信装置に送信するとき、時間的に早く発生する音声データから多重化して送信するので、送信側と受信側で必要とされるデータの送受信のタイミングを待つためのメモリの量を減らすことができる。
【0026】
本発明の請求項7に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データ及び上記補助データの伝送方法は、当該データを伝送フレームに時分割し、上記音声データの伝送に対しては、各伝送フレームで一定のビットが割り当てられるので、固定長フレームを用いた伝送路において、マルチチャンネル音声データの効率のよい伝送を行い、音声データの著作権保護対策を施すことができる。
【0027】
本発明の請求項8に係る伝送システムによれば、請求項1記載の伝送システムにおいて、上記音声データ及び上記補助データの伝送方式が、MOST方式に従うようにしたので、固定長フレームを用いた伝送路において、マルチチャンネル音声データの効率のよい伝送を行い、音声データの著作権保護対策を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図10を用いて説明する。
図1は本発明における伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0029】
図1において、21はデジタル音声出力装置、22は送信装置、23は受信装置、24はデジタル音声再生装置、51は多重化手段、52は暗号化手段、53は通信手段、61は通信手段、62は復号化手段、63は分離手段である。
【0030】
デジタル音声出力装置21は、例えば、DVD−Audioのドライブに代表されるデジタル音声データを出力する装置であり、ディスクに記録されているデジタル音声データとそれに関連する補助データを出力する。
【0031】
多重化手段51は、デジタル音声出力装置21から出力された音声データと補助データを多重化し、多重化データを出力する。暗号化手段52は、従来の暗号方式に基づいて所定のデータ単位毎(このデータ単位を暗号化単位と定義する)に暗号化処理を行い、例えば暗号化単位が8バイトの場合には、暗号化処理の対象となっているデジタルデータを8バイト毎に暗号化する。
【0032】
通信手段53は、暗号化手段52により暗号化されたデータを受信し、受信装置23側の通信手段61に送信する。通信手段61は、送信装置22側の通信手段53により送信された信号を受信し、復号化手段62に出力する。通信手段53および通信手段61は、従来例で説明したMOST方式により同期チャンネル領域を用いてデータを伝送するものとする。
【0033】
復号化手段62は、通信手段61から出力されたデータを受信し、暗号化単位(=8バイト)毎に復号化処理を行う。送信装置22と受信装置23で同期がとれずに、暗号化した時の暗号化単位のデータと復号化する時の暗号化単位のデータがずれている場合や、暗号化単位のデータの一部が不足した場合には、復号化手段62により暗号化データを正しく復号することができない。すなわち、復号化手段62においては、暗号化手段52により選択された暗号化単位のデータを正確に同期をとって認識しなければならない。分離手段63は、復号化手段62から出力されたデータを受信し、音声データ及び補助データに分離して出力する。
【0034】
デジタル音声再生装置24は、代表的なものとして、デジタルアンプとスピーカにより構成される装置であり、受信装置23から出力された音声データ及び補助データを受信し、音声データを再生して可聴音声として出力する。
【0035】
図2は、本実施の形態1において送信装置22から受信装置23へ送信されるブロックデータの説明図である。
図2において、1ブロックはフレーム1〜フレーム8の8フレームで構成されており、各フレーム1〜8において、1バイト目がヘッダ101、2バイト目が補助データ102、3バイト目からnバイトが音声データ103である。各フレーム1〜8は伝送路上の一定周期のフレーム(MOST方式においては44.1kHzあるいは48kHz毎のフレーム)に対応するものであり、その各フレーム1〜8中には、送信装置22の通信手段53がデータの送信に使用するタイムスロットのデータが含まれる。
【0036】
ここで、通信手段53が使用するタイムスロットについては、データの送信に先駆けて予約されており、通信手段53と、通信手段61の間でどのタイムスロットを使用するかの情報を共有している。また、通信手段53が使用するタイムスロットは、音声データ103に加えて、ヘッダ101,補助データ102からなる2バイトが予約されており、例えば、各フレーム1〜8で送信される音声データ103が30バイトの場合、32バイトのタイムスロットが予約される。
【0037】
ブロックデータ内のフレーム1、及びフレーム2は、フレーム全てが同期パターンを示すsyncビットである。フレーム3の2,3ビット目はEMI(エンクリプション・モード・インディケータ)、4ビット目はOE(オッド・イーブン)であり、EMIおよびOEについては、DTCPにおいて規定されているビットである。以上、sync,EMI及びOEは、暗号化されない非暗号化領域120により多重化される。なお、syncはブロックデータの先頭を見つけるために用いられるデータであり、syncの長さやパターンなどはこれに限られるものではなく、任意である。
【0038】
また、補助データ102は、音声データ103に関する著作権者やコピーの可否などを示す著作権保護情報と、音声データ103の標本化周波数,量子化ビット数,及びチャンネル割り当て情報など音声データの再生に必要なAUXデータ(補助情報)とを含む。
【0039】
図2では例として、フレーム1〜フレーム3の2バイト目を著作権保護情報とし、フレーム4〜フレーム8の2バイト目をAUXデータとしているが、もちろんこれに限られるものではなく、8バイトを用いて任意のデータを伝送することが可能である。
【0040】
ここで、DVD−Audioの著作権保護情報については、"DVD Specifications for Read-Only Part4.Audio Specification Version 1.2"に示されている。著作権保護情報は、3バイトのデータからなり、コピー許可情報(audio_copy_permission)、コピー回数情報(audio_copy_number)、コピー品質情報(audio_quality)、オーディオ処理情報(audio_transaction)、ISRCステータス情報(ISRC_Status)、ISRC番号情報(UPC_EAN_ISRC_number),ISRCデータ情報(UPC_EAN_ISRC_data)から構成される。
【0041】
図3に、著作権保護情報の各情報の配置例を示す。
著作権保護情報1は、コピー制御情報であり、2ビットのコピー許可情報と、3ビットのコピー回数情報と、2ビットのコピー品質情報と、1ビットのオーディオ処理情報とからなる。
【0042】
コピー許可情報は、コピーを許可するか許可しないかを示す情報である。具体的には、00はコピー可、10はコピー回数情報で示される回数分コピーを許可することを示し、11はコピー不可を示す。
【0043】
コピー回数情報は、コピーを許可する場合に何回コピーを許可するかを示す情報である。000は1回、001は2回、010は4回、011は6回、100は8回、101は10回分コピーが可能であることを示し、111はコピー回数は限定されないことを示す。
【0044】
コピー品質情報は、コピーを許可する場合のコピーの音質を示す情報である。00はチャンネル数は2チャンネル以下であり、かつ、標本化周波数が48kHz以下であり、かつ、量子化ビット数が16ビット以下であることを示し、01はチャンネル数が2チャンネル以下であり、標本化周波数と量子化ビット数の制限が無いことを示し、10はチャンネル数も標本化周波数も量子化ビット数も制限がないことを示す。
【0045】
オーディオ処理情報は、特別なオーディオのアクセス制御を行うかどうかを示すフラグである。0はアクセス制御は行わないことを示し、1はアクセス制御は現状では将来のために予約されていないことを示す。
【0046】
著作権保護情報2は、ISRC情報(曲情報)であり、3ビットのISRCステータス情報と、5ビットのISRC番号情報とからなる。また、著作権保護情報3は、ISRC情報であり、8ビットのISRCデータ情報からなる。
【0047】
ISRCステータス情報は、ISRC情報が変化した位置を見つけるために使われるISRCのステータス情報である。001で曲の開始位置を示し、010は中間位置、即ち、ISRC情報の変化が無いことを示し、100は終了位置を示す。
【0048】
ISRC番号情報は、ISRCデータ情報は8ビットのデータであり、その楽曲を識別するための番号を示す。
【0049】
なお、コピー許可情報,コピー回数情報,コピー品質情報,オーディオ処理情報は、補助データ102のより早い位置に多重されていることが望ましい。これにより、受信側においてオーディオ情報をどのように処理すれば良いかをより早く決めることができる。
【0050】
また、これらの情報の配置に関しては、送信装置と受信装置の間で決められていれば任意の配置でよい。また、著作権保護情報は上述した方式に限定されず、記録媒体や放送システムにおいて決められた任意の情報を用いることが可能である。
【0051】
次に、図4にAUXデータの配置例を示す。
AUX1は、4ビットの量子化ビット数1と4ビットの量子化ビット数2からなる。量子化ビット数1はチャンネルグループ1の量子化ビット数を示すデータであり、量子化ビット数2はチャンネルグループ2の量子化ビット数を示すデータであり、それぞれ0が16ビット、1が20ビット、3が24ビットを表す。また、AUX2は、4ビットの標本化周波数1と4ビットの標本化周波数2からなる。標本化周波数1はチャンネルグループ1の標本化周波数を示すデータであり、標本化周波数2はチャンネルグループ2の標本化周波数を示すデータであり、それぞれ0が48kHz、1が96kHz、2が192kHz、4が44.1kHz、5が88.2kHz、6が176kHzを表す。また、AUX3は5ビットのチャンネル割り当て情報と3ビットの予約領域からなる。チャンネル割り当て情報は、マルチチャンネルの音声データ103のチャンネル割り当てを示すものである。
【0052】
図5は、DVD−Audioにおけるマルチチャンネル音声データのチャンネル割り当て情報を説明する説明図である(参考資料は、Matsushita Technical Journal Vo145, No6, 1999年12月に記載される、新保らの“DVDオーディオの規格化”である。)図6は、同期チャンネルを利用したデジタル音声データの伝送方法を説明する説明図である。
【0053】
図5において、Cはセンタチャンネル、LとRは左右のチャンネル、LfとRfは左右のフロントチャンネル、LsとRsはそれぞれ左右のリアチャンネルあるいはサラウンドチャンネル、Lfeは重低音専用チャンネル、Sはサラウンドチャンネルをそれぞれ示す。
【0054】
図5に示すように、チャンネル割り当て情報の値によって、CH1からCH6のそれぞれにどのマルチチャンネル音声データが伝送されるかと、チャンネルグループ1とチャンネルグループ2のいずれに属するかを特定することができる。
【0055】
ブロックデータ内の音声データ103は、チャンネル割り当て情報の値に応じて、図6に示すようにCH1からCHnの各音声サンプルが順番に並べられて送信される。ここで、nの値は、チャンネル割り当て情報の値に依存するものである。また、各CHxの音声データ103は、その属するチャンネルグループの標本化周波数の値によって、m個の音声サンプルから構成される。例えば、伝送路の周波数帯域が48kHzであり、音声データ103がチャンネルグループ1に属し、標本化周波数1が96kHzを示す場合は、2つの音声サンプルから構成され、また、標本化周波数1が192kHzを示す場合は、4つの音声サンプルから構成される。各音声サンプルのビット数Xとは、各音声サンプルの属するチャンネルグループの量子化ビット数に一致するものである。
【0056】
図7は、各量子化ビット数における音声サンプルの構成を説明するための図である。
まず、音声サンプルは上位のバイト(xバイト)から下位のバイト(x+nバイト)の順番に構成するものとする。例えば、図7(a)に示すように、量子化ビット数が16ビットの音声サンプルでは、xバイト目の上位バイト(Hiバイト)に8ビット、x+1バイト目の下位ビット(Loバイト)に8ビットを構成し、合計2バイトのタイムスロットを用いて音声サンプルを送信する。
【0057】
また、図7(b)に示すように、量子化ビット数が20ビットの音声サンプルでは、xバイト目のHiバイトに8ビット、x+1バイト目の中位バイト(Midバイト)に8ビット、x+2バイト目のLoバイトに4ビットを構成し、Loバイトの残り4ビットは空の状態にする。このように、20ビットの音声サンプルでは、合計3バイトのタイムスロットを用いて音声サンプルを送信する。
【0058】
また、図7(c)に示すように、量子化ビット数が24ビットの音声サンプルでは、xバイト目のHiバイトに8ビット、x+1バイト目のMidバイトに8ビット、x+2バイト目のLoバイトに8ビットを構成し、合計3バイトのタイムスロットを用いて音声サンプルを送信する。
【0059】
このように、各量子化ビット数の音声サンプルは、MSB(Most Significant Bit;最上位ビット)ファーストから、Hiバイト、Midバイト、Loバイトの順番に送信するようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、LSB(Least Significant Bit;最下位ビット)ファーストから逆の順番に送信するようにしてもよい。また、音声サンプルは、構成されるバイト内であれば、任意のビット位置に割り当てても良い。また、図7(b)では、x+2バイト目の余ったビットを空白にするようにしたが、2つの20ビットサンプルを用いて、5バイトで構成することにより、空白を設けないようにしても良い。
【0060】
図8は、異なる周期のフレームからなる伝送データの伝送方法を説明するための図である。図8より、各周期(48kHz、96kHz、192kHz)の音声サンプルに対して、伝送される時間を横軸に示している。
【0061】
MOST方式において、伝送データの標本化周波数が48kHzのときは、1フレームあたり1つの音声サンプル(A1)が送信され、標本化周波数が96kHzのときは、1フレームあたり2つの音声サンプル(B1,B2)が送信され、標本化周波数が192kHzのときは、1フレームあたり4つの音声サンプル(C1,C2,C3,C4)が送信される。
【0062】
例えば、標本化周波数が48kHzの音声サンプルと、96kHzの音声サンプルと、192kHzの音声サンプルとを混在させて送信するとき、フレームの先頭位置で各チャンネルの音声サンプルが存在するように正規化し、時間的に早く発生する音声サンプルから順番に送信する。つまり、上記例によれば、1回目に送信する音声サンプルは、A1,B1,C1であり、2回目に送信する音声サンプルはC2であり、3回目に送信する音声サンプルはB2,C3であり、4回目に送信する音声サンプルはC4である。
【0063】
次に、別の伝送システムについて、図9を示して説明する。
図9は、本発明における別の伝送システムの構成を示すブロック図である。
図9において、71はデジタル音声出力装置、72は送信装置、73は受信装置、74はデジタル音声再生装置、80は暗号化処理部、81は第1の多重化手段、82は暗号化手段、83は第2の多重化手段、84は制御手段、85は通信手段、90は復号化処理部、91は通信手段、92は第1の分離手段、93は復号化手段、94は第2の分離手段、95は制御手段である。
【0064】
デジタル音声出力装置71は、通信手段85から出力されたクロックを入力し、そのクロックに同期して、音声データを出力するとともに、補助データとして、著作権保護情報及び音声に関する補助情報を出力する。
【0065】
第1の多重化手段81は、デジタル音声出力装置71から出力された音声データと補助情報と著作権保護情報とを入力して多重化し、多重化データを出力する。暗号化手段82は、第1の多重化手段81から多重化データを入力し、後述する制御手段84から入力された暗号キーに基づいて、音声データ103と補助データ102の領域を暗号化し、暗号化されたデータを出力する。第2の多重化手段83は、暗号化手段82から暗号化されたデータを入力し、制御手段84からEMI及びOE(ヘッダ情報101)を入力して多重化する。以上、第1の多重化手段81と暗号化手段82と第2の多重化手段とを暗号化処理部80という。ここで第1の多重化手段81、暗号化手段82、第2の多重化手段83は同じ周期信号に同期して動作する。つまり、各周期信号はブロックの周期を示し、各周期信号の区間では同じ処理を行うことを意味する。例えば、周期信号の開始地点をブロックの開始地点とした場合、暗号化手段82は周期信号の開始地点を暗号化単位の開始地点と一致させる。そして、第2の多重化手段83はSyncデータを周期信号の開始地点に多重する。また、周期信号の周期は、一つのブロックが何個の伝送フレームから構成されるかに依存し、例えば、一つのブロックが8個の伝送フレームから構成される場合、8個の伝送フレームに同期して周期信号が生成される。なお、周期信号はいずれの装置が生成するようにしてもいいし、外部から供給するようにしても良い。
【0066】
制御手段84は、CPUで構成され、デジタル音声出力装置71から出力された著作権保護情報を入力し、その情報に基づいて暗号化を行うか否かを判断し、暗号化を行う場合は、暗号キーを暗号化手段82に出力する。また、どのように暗号化を行うかを示す情報であるEMIとOEを第2の多重化手段83に出力する。
【0067】
通信手段85は、伝送路の伝送クロックに同期したクロックをデジタル音声出力装置71に出力するとともに、第2の多重化手段83から多重化されたデータを入力し、受信装置73側の通信手段91に送信する。
【0068】
通信手段91は、デジタル音声再生装置74にクロックを出力し、送信装置72側の通信手段85から送信された暗号化されたデータを受信し、上記クロックに同期させて第1の分離手段92に送信する。
【0069】
第1の分離手段92は、通信手段91から出力されたデータを受信し、受信したデータからEMIとOEを分離して制御手段95に送信し、その他のデータを復号化手段93に送信する。復号化手段93は、第1の分離手段92から出力されたデータを受信し、制御手段95から暗号キーを受け取って、暗号化単位毎に復号化処理を行う。第2の分離手段は、復号化手段93から出力されたデータを受信し、音声データ及び著作権保護情報に分離して、音声データをデジタル音声再生装置74に送信し、著作権保護情報を制御手段95に送信する。以上、第1の分離手段92と、復号化手段93と、第2の分離手段94とを復号化処理部90という。ここで第1の分離手段92、復号化手段93、第2の分離手段94は同じ周期信号に同期して動作する。その周期信号は伝送路のSyncデータを見て生成される。例えば、周期信号の開始地点をブロックの開始地点とした場合、復号化手段93は、暗号化手段82の場合と同様に、周期信号の開始地点を暗号化単位の開始地点と一致させる。
【0070】
制御手段95は、CPUで構成され、通信手段91から出力されたデータからEMIとOEを入力し、これらの情報に基づいて暗号キーを復号化手段93に出力する。また、復号化されたデータから著作権保護情報を入力し、その情報に基づいて音声データのコピーなどの処理を制御する。
【0071】
これにより、送信装置72は、通信手段85から出力されるクロックに同期して、データの送信を行うようにしたので、音声データのクロック変換を行う必要がなく、回路構成を小さくすることができ、さらに、音声品質の劣化を防ぐことができる。また、第1の多重化手段81と暗号化手段82と第2の多重化手段83とをまとめて、暗号化処理部80として1つの半導体チップで構成してもよく、さらに、暗号化処理部80と通信手段85とを1つの半導体チップとして構成するようにしてもよい。また、第1の分離手段92と復号化手段93と第2の分離手段94をまとめて、復号化処理部90として1つの半導体チップで構成してもよく、さらに、復号化処理部90と通信手段91とを1つの半導体チップとして構成するようにしてもよい。
【0072】
なお、送信装置72及び受信装置73のクロックは伝送路から供給されるとしたが、これに限られるものではない。いずれかの装置が伝送路のクロック源となる場合、伝送路にクロックを供給するような構成となる。
【0073】
また、周期信号の開始地点をブロックの開始地点と一致させる場合を説明したがこれに限定されない。周期信号とブロック、あるいは周期信号と暗号化単位の位相関係が同期していればよいことは言うまでもない。
【0074】
このように、本発明の実施の形態1による伝送システムによれば、マルチチャンネル音声データのチャンネル割り当て情報,標本化周波数情報,及び量子化ビット数情報を伝送する伝送方式を決定したので、従来では行われていなかったマルチチャンネル音声データの伝送が可能となる。マルチチャンネル音声データの伝送の際に、各ブロック毎にヘッダ情報を送るので、各フレーム毎にヘッダ情報を伝送する従来の伝送システムに比べて、より少ない帯域での効率の良いデータ伝送が実現できる。
【0075】
また、本発明の実施の形態1による伝送システムによれば、DVD−Audio等のマルチチャンネル音声データの伝送時に、著作権保護情報を少ない帯域で多重伝送可能である。また、1ブロックを8フレームで構成し、各ブロック毎に8バイト単位の暗号化処理を行うので、音声データ103の長さに関わらず最後のバイトまで暗号化を施すことが可能である。
【0076】
また、音声サンプルの伝送順番の優先度は、時間的に早く発生する音声サンプルを伝送するようにしたので、送信側と受信側で必要とされるデータの送受信のタイミングを待つためのメモリの量を減らすことができる。なお、伝送順は、時間的な制約以外にも、チャンネル番号順に伝送したり、または、上位バイトの音声サンプルから下位バイトの音声サンプルへ伝送する方法などがあり、その他にも、伝送されるデータ順が一意的に規定されるものであれば何でも良い。
【0077】
なお、本実施の形態1では、デジタル音声出力装置21にDVD−Audioのドライブを用いているが、それに限られるものではなく、CDやMD、DAT、DVD−Videoなどの記録メディアのドライブ、デジタルTV放送やデジタルラジオなどのデジタル音声の放送を受信するチューナ、アナログの音声をデジタル化して出力するアナログデジタル変換装置、インターネット経由で受信した音声データを再生するPCなど、任意のデジタル音声データを出力する装置を適用可能である。
【0078】
また、本実施の形態1では、受信装置23のデータ出力先がデジタル音声再生装置24であるが、これに限られず、デジタル音声を記録する装置、デジタル音声を編集する装置など、デジタル音声を利用する任意の装置を用いることが可能である。
【0079】
また、本実施の形態1では、MOST形式の伝送方式を用いているが、これに限られず、一定周期のフレーム内にタイムスロットを持ち、伝送を行う送信装置と受信装置があらかじめ割り当てられたタイムスロットを用いて伝送を行うような任意の伝送方式に本発明は適用可能である。このような伝送方式の例としては、D2Bオプティカル等が該当する(参考文献:"The D2B Optical Bus - an Integration platform for Car Entertainment and Telematic Systems", by Peter Mros, Proc. of World Congress on Intelligent Transport Systems Technical Sessions, Oct. 1997)。また、伝送路はタイムスロット型に限定されず、IEEE1394など任意の伝送路にも本発明は適用可能である。
【0080】
また、AUXデータは、図4に示した例に限られず、標本化周波数情報、量子化ビット数情報、及びチャンネル割り当て情報から構成され、伝送する音声データの配置が規定されていれば、任意の形式で良い。標本化周波数情報、量子化ビット数情報、及びチャンネル割り当て情報の各データについても、任意のフレームで伝送してもよく、必要な情報を表現する任意のビット数を用いることができ、任意の値を使用することが可能である。また、標本化周波数情報、量子化ビット数情報、及びチャンネル割り当て情報のデータ以外にも、標本化周波数や量子化ビット数などの削減の条件や、エンファシスの有無など、伝送する音声データの再生に必要な任意のデータを含むことが可能である。また、標本化周波数又は量子化ビット数が固定値であれば、その情報は不要であり省略してもよい。
【0081】
また、AUXデータを音声データに多重化して同期チャンネルで伝送しているがこれに限定されず、例えば、ディスクの挿入時、あるいは曲の先頭又は曲の状態が変化した時、あるいは一定時間毎に、AUXデータを非同期チャンネル等で伝送しても良い。ここで非同期チャンネルとは、時間的制約を必要としないデータを伝送するために使用する領域である。非同期チャンネルの例としては、MOSTで定義されている制御チャンネルとAsynchronousチャンネルがある。制御チャンネルで伝送されるデータの例としては、例えば操作コマンド情報(再生、早送りなど)やメニュー情報(曲目リストなど)が挙げられる。また、Asynchronousチャンネルで伝送されるデータの例としては、地図データやインターネットのデータ(IPパケット)が挙げられる。
【0082】
また、ブロックデータのフォーマットは、図2に示したものに限定されない。本実施の形態1では、暗号化単位の8バイトに対応させて1ブロックを8フレームで構成しているが、図10に示すように8の倍数の個数のフレームを1ブロックとしてもよい。また、例えば、1ブロックを16フレームで構成し、最初の8フレームの1バイト目をヘッダ、後の8フレームの1バイト目を補助データの領域とすることも可能である。また、例えば暗号化単位は8バイトに限定されずそれ以外のnバイトであってもよく、その場合は1ブロックを構成するフレームの数をnの倍数とすればよい。また、ブロックの構成については、これらに限定されない。ブロックとして選ばれたフレームに含まれる暗号化領域の合計データ量が暗号化単位の倍数となればよく、この場合は任意のフレーム数からなるブロックを用いても同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、各音声サンプルの伝送については、図6に示すような並べ方としたが、これに限定されるものではない。どのチャンネルの何番目の音声サンプルが、フレーム中のどの位置に配置されるかについて、送信装置と受信装置の間で決められていれば、任意の並べ方とすることができる。並べ方の決定については、あらかじめ規則を決めておいても良いし、音声データの伝送に先駆けて共有してもよく、任意の方法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、マルチチャンネル音声データを効率よく伝送することができ、音声データの著作権保護対策を施すことが可能な伝送システムを提供することができる点において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1の伝送システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1の伝送システムにより伝送されるブロックデータの説明図
【図3】図2のブロックデータに含まれる著作権保護情報の説明図
【図4】図2のブロックデータに含まれるAUXデータの説明図
【図5】図4のAUXデータにおけるチャンネル割り当て情報の説明図
【図6】本発明の実施の形態1の伝送システムによるデータ伝送方法を説明する説明図
【図7】各量子化ビット数における音声サンプルの構成を説明するための図
【図8】異なる周期のフレームからなる伝送データの伝送方法を説明するための図
【図9】図1の別の伝送システムの構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態1の伝送システムにより伝送されるブロックデータの他の例を示す図
【図11】伝送データに含まれるフレームのデータ構成を示す図
【図12】従来の伝送システムによるデータ伝送方法を説明する説明図
【符号の説明】
【0086】
21,71 デジタル音声出力装置
22,72 送信装置
23,73 受信装置
24,74 デジタル音声再生装置
51 多重化手段
52,82 暗号化手段
53,61,85,91 通信手段
62,93 復号化手段
63 分離手段
81 第1の多重化手段
83 第2の多重化手段
84,95 制御手段
92 第1の分離手段
93 第2の分離手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネルの音声データ及び該音声データの再生に必要な補助データを送信する送信装置と、該送信装置から送信された音声データ及び補助データを受信する受信装置とを備えた伝送システムであって、
上記補助データは、上記音声データのチャンネル割り当て情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記補助データは、さらに、標本化周波数情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項3】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記補助データは、さらに、量子化ビット数情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項4】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記音声データのチャンネル割り当て情報が、DVD−Audio規格によるものである、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項5】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記送信装置は、音声データに補助データを多重化し、多重化データを作成する多重化手段を備え、
上記受信装置は、上記送信装置から送信された多重化データを受信し、音声データと補助データに分離する分離手段を備えた、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項6】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記送信装置は、異なる標本化周波数からなる音声データを上記受信装置に送信するとき、時間的に早く発生する音声データから多重化して送信する、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項7】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記音声データ及び上記補助データの伝送方法は、当該データを伝送フレームに時分割し、
上記音声データの伝送に対しては、各伝送フレームで一定のビットが割り当てられる、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項8】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記音声データ及び上記補助データの伝送方式が、MOST方式に従う、
ことを特徴とする伝送システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイムスロットを有するフレームを一定周期で繰り返し伝送し、伝送を行う送信装置と受信装置が、あらかじめ割り当てられたタイムスロットを用いて、複数チャンネルのデジタル音声データ、及び該デジタル音声データの再生に必要な補助データの伝送を行う伝送システムであって、
上記送信装置は、n個のフレームのそれぞれに含まれる前記あらかじめ割り当てられたタイムスロットから構成される領域をブロックデータとし、前記ブロックデータとして当該ブロックデータの複数のフレームのそれぞれ同じ位置にあるタイムスロットに前記補助データを割り当てるとともに、当該ブロックデータ内の当該n個のフレームのそれぞれの同じ位置にあるタイムスロットに前記デジタル音声データを割り当てて、前記デジタル音声データと補助データとを多重し、
前記補助データは、前記デジタル音声データのどのチャンネルがどの前記タイムスロットに割り当てられているかを示すチャンネル割り当て情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記補助データは、さらに、標本化周波数情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項3】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記補助データは、さらに、量子化ビット数情報を含む、
ことを特徴とする伝送システム。
【請求項4】
請求項1記載の伝送システムにおいて、
上記送信装置は、異なる標本化周波数からなる音声データを上記受信装置に送信するとき、時間的に早く発生する音声データから多重化して送信する、
ことを特徴とする伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−20307(P2006−20307A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185205(P2005−185205)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【分割の表示】特願2002−4837(P2002−4837)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】