説明

伝達情報出力機能を備えるカラオケシステム

【課題】本発明は、発信人からの伝達情報をカラオケの際に受信人に対して出力させるカラオケシステムに関し、発信人による情報伝達の設定操作を簡便とし、発信人の受信人への伝達の効果性を発揮させることを目的とする。
【解決手段】発信人となる利用者ID別に、所定数の受信人となる他の利用者に対するメッセージ毎に所定数の楽曲IDを関連付けて予め登録しておき、メッセージ出力制御手段が、ログインした利用者による利用者IDをもって予約待ち行列57に選曲した楽曲が利用者別メッセージ情報56の当該登録された楽曲であり、当該楽曲が演奏される際に、当該楽曲に関連付けられた受信人が本システムにログインしているかを判断し、ログインしている場合に対応の関連付けられたメッセージを出力制御する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信人からの伝達情報をカラオケの際に受信人に対して出力させるカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケシステムの高機能化に伴い、利用者に種々のサービスを提供することが可能となってきており、利用者による他の利用者への伝達情報、例えばメッセージ、カラオケ演奏のBGM、背景映像のBGVを出力表示させることも行われてきている。このような伝達情報の出力表示を発信人や受信人の操作手間を軽減させ、また、カラオケ演奏による発信人自らが歌唱している当にその最中に伝達情報を受信人に伝達させることで好適な雰囲気を効果的に演出でき、発信人の受信人への伝達の効果性を発揮させることが望ましい。
【0003】
従来、カラオケシステム、カラオケ演奏装置を利用して利用者による他の利用者への伝達情報を出力表示させることが、例えば本出願人により種々提案してきている。例えば、所定の利用者が選曲時に、当該利用者の指定した楽曲の識別子と発信すべきメッセージとを対応付けさせて演奏予約待ち行列に登録しておき、待ち行列に従って楽曲を演奏する際に当該楽曲に対応付けられているメッセージを表示するというものである(特許文献1)。
【0004】
また、例えば、所定の通信カラオケ演奏端末で顧客の作製したデータファイルを受取人IDとともに通信カラオケホスト装置に保管しておき、受取人IDに該当する利用者が不特定の通信カラオケ演奏端末を利用する際、自分のIDを入力することで該当するデータファイルをホスト装置から取得して出力させるというものである(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−061659号公報
【特許文献2】特許第3462059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1は、発信人である利用者の指定により楽曲とメッセージとを対応付けしていることから、受信人毎にその都度予約待ち行列に予約する楽曲にメッセージを登録させるという操作が必要であると共に、当該楽曲が演奏される際に発信人がその場所に存しないときにも情報伝達が行われることとなり、情報伝達効果が薄れるという問題がある。また、上記特許文献2においても同様に、受信人IDにデータファイルが対応付けられていることから、発信人の存在や楽曲とは無関係に当該受信人が確認されたときにデータファイルが出力されることとなって情報伝達効果が薄れるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、発信人による情報伝達の設定操作を簡便とし、好適な雰囲気を効果的に演出でき、発信人の受信人への伝達の効果性を発揮させるカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、所定の伝達情報登録更新手段をもって、発信人の利用者ID別に、受信人の利用者IDに対する伝達情報毎に所望の楽曲IDを関連付けて予め登録しておくカラオケシステムであって、伝達情報取得手段及び伝達情報出力制御手段を有し、前記伝達情報取得手段は、任意の発信人が、その利用者IDをもって本システムにログインした場合、当該発信人の前記伝達情報とそれに関連付けられた楽曲ID及び受信人の利用者IDとを取得し、前記伝達情報出力制御手段は、発信人となる利用者が前記取得した伝達情報に関連付けられた楽曲を選曲すると、当該楽曲が演奏される際に、当該楽曲に関連付けられた受信人が本システムにログインしているかを判断し、ログインしている場合に、その演奏中に当該伝達情報の出力制御を行う、構成とする。
【0009】
請求項2、3の発明では、「前記伝達情報登録更新手段は、前記出力制御された伝達情報に対して、少なくとも関連付けられた楽曲ID及び伝達された受信人の利用者IDを前記登録より消去する」構成であり、
「前記伝達情報登録更新手段は、前記出力制御された伝達情報に対して、少なくとも関連付けられた楽曲ID及び伝達された受信人の利用者IDを前記登録より消去するに際し、当該楽曲の演奏終了まで当該受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行う」構成である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、発信人となる利用者別に、所定数の受信人となる他の利用者に対する伝達情報毎に所定数の楽曲を関連付けて予め登録しておき、ログインした発信人となる利用者が選曲した楽曲が当該登録された楽曲であり、当該楽曲が演奏される際に、当該楽曲に関連付けられた受信人が本システムにログインしているかを判断し、ログインしている場合に対応の関連付けられた伝達情報を当該受信人に伝達するための出力制御を行わせる構成とすることにより、予め伝達情報毎に楽曲及び受信人を登録させておくことから、特に一の伝達情報に対して複数の楽曲や受信人を一度の操作で設定させることが可能となって利用者の設定利便性を向上させることができ、さらに、カラオケ演奏による発信人自らが歌唱している当にその最中に、例えば、受信人に対しそのカラオケ背景映像のディスプレイをもって伝達情報を出力することで、好適な雰囲気を効果的に演出でき、発信人の受信人への伝達の効果性を発揮させることができるものである。
【0011】
請求項2及び3の発明によれば、出力された伝達情報に対して少なくとも関連付けられた楽曲及び受信人の情報を前記登録より消去し、その際に、当該楽曲の演奏終了まで当該受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行わせることにより、同じ楽曲が選曲演奏されても同じ受信人に対する伝達情報の重複した出力を回避させることができ、また、楽曲の演奏終了まで受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行わせることから、受信人に対する伝達情報を確実に伝達することを確保することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。本実施形態では、伝達情報をメッセージとして説明するが、他に、例えばカラオケ演奏のBGMや背景映像のBGVであっても同様である。
【0013】
図1に、本発明に係るカラオケシステムの系統構成図を示す。図1(A)は通信ネットワークを使用して本システムを構成させた場合のネットワーク模式図、図1(B)はホスト装置の概要ブロック構成図、図1(C)はメッセージ情報管理テーブルの説明図である。
【0014】
図1(A)において、ホスト装置11はカラオケシステムの一部を構成するものとして、通信ネットワーク12を介して所定数のカラオケ演奏端末13(13A〜13N)を管理するものであり、相互にデータ授受自在に接続されたものである。上記通信ネットワーク12としては、例えば、一般公衆電話回線やこれを用いたADSLや光通信回線或いはインターネット、さらにはLANがあるが、インターネット上に構築されるVPNが好ましい。
【0015】
ホスト装置11は、図1(B)に示すように、少なくとも送受信手段21、制御手段22、伝達情報登録更新手段であるメッセージ情報登録更新手段23及び記憶部24を備え、当該記憶部24にはメッセージ情報管理テーブル25及びメッセージ26が記憶される。上記送受信手段21は、各カラオケ演奏端末13(13A〜13N)との通信(データ授受)を行うために、通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成される。
【0016】
上記制御手段22は、当該ホスト装置11を統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUであり、図示しないROMに格納されているプログラムのアルゴリズム処理を行う。上記メッセージ情報登録更新手段23は、所定のカラオケ演奏端末13より所定の利用者IDに基づいて発信人としてメッセージIDで特定される伝達情報としてのメッセージ毎に、楽曲(楽曲ID)及び受信人としての他の利用者の利用者IDを関連付けたメッセージ情報が送信されてきたときに、メッセージ情報管理テーブル25に、図1(C)に示すように、発信人の利用者ID別に、メッセージID毎の、楽曲ID及び受信人の利用者IDを関連付けて、新規の場合には新規登録し、既に登録されている場合には、メッセージID、楽曲ID及び受信人の利用者IDの関連付けの変更、追加、削除を行う。そして、メッセージIDで特定されるメッセージは、新規に、又は適宜更新されて記憶部24のメッセージ26に記憶される。
【0017】
すなわち、上記メッセージ情報管理テーブル25は、図1(C)に示すように、例えばそれぞれのメッセージIDに対して、単一若しくは複数の楽曲IDが関連付けられると共に、一人又は複数人の受信人の利用者IDが関連付けられて管理されるものである。
【0018】
次に、図2に本発明のカラオケシステムにおけるカラオケ演奏端末に係るブロック構成図を示すと共に、図3に図2の予約待ち行列の説明図を示す。図2において、カラオケ演奏端末13は、主要装置としてのカラオケ演奏装置31に有線又は無線で外部接続されるものとして、表示部32、ミキシングアンプ33、マイク34、スピーカ35を備える。また、有線又は無線で遠隔入出力端末36が接続される。
【0019】
上記表示部32は、通常の楽曲選曲表示やカラオケ演奏時の映像、歌詞テロップを表示するもので、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、その他種々のディスプレイを採用することができる。上記ミキシングアンプ33は、カラオケ演奏装置31より送られてくる演奏データに、マイク34からの音声信号をミキシングし、増幅してスピーカ35より出力する。
【0020】
遠隔入出力端末36は、図示しない端末送受信部により、カラオケ演奏装置31に対して有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース(登録商標)機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、楽曲検索選曲手段37、メッセージ情報作成手段38及び端末表示部39を適宜備える。
【0021】
上記楽曲検索選曲手段37は、後述するユーザインタフェース機能により利用者IDに基づいて、楽曲を検索させ、選曲させるテーブルを備えるプログラムである。これら選曲された楽曲は、後述の予約待ち行列(57)に選曲者(例えば発信人としての利用者の利用者ID)が付帯されて登録される(後述する)。
【0022】
上記メッセージ情報作成手段38は、利用者IDに基づき、メッセージを入力作成させることができ、発信人としてメッセージIDで特定されるメッセージ毎に、所定数の楽曲(楽曲ID)と所定数の他の利用者を受信人とする対応の利用者IDとを関連付けてホスト装置11のメッセージ管理テーブル25やメッセージ情報26に登録させるためのメッセージ情報ファイルを作成するプログラムである。なお、受信人の利用者IDを関連付ける場合として、例えば、上記ファイル作成時に、共にログインしている利用者の利用者IDを特定すればよい。
【0023】
上記端末表示部39は、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層して入出力用とし、表示されるアイコン等に対応して当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるGUIのユーザインタフェース機能を有するものである。なお、この遠隔入出力端末36には、図示しない利用者を特定する手段が搭載され、ログイン要求の利用者より利用者IDを取得してカラオケ演奏装置31のログイン者情報(55)として記憶させる電子回路及びプログラムを備える。利用者IDの取得(ログイン者情報)は、例えば、利用者の所持するICカードからの利用者IDの取得、ユーザIDやパスワードの入力、声紋、指紋などの生体認証等による。この利用者を特定する手段をカラオケ演奏装置31に備えさせてもよい。
【0024】
上記カラオケ演奏装置31は、バス41、中央制御部42、ROM43、RAM44、記憶部45、映像再生制御部46、音楽演奏制御部47、メッセージ情報管理手段48、伝達情報取得手段であるメッセージ情報取得手段49、伝達情報出力制御手段であるメッセージ出力制御手段50及び送受信部51,52を適宜備える。また、上記記憶部45には、楽曲DB53及び映像DB54が記憶され、RAM44には、ログイン者情報55、利用者別メッセージ情報56及び予約待ち行列57の記憶領域が形成される。なお、上記各構成について、本発明の要旨と直接関連しない要素部分であっても、従前のカラオケ装置においても大部分が適用可能であることを示すために、装置全体を説明する。
【0025】
上記中央制御部42は、このシステムを統括的に処理制御する物理的なCPUであり、ROM43に記憶されているプログラムに基づくアルゴリズム処理を行う。上記RAM44は、ログイン者情報55、利用者別メッセージ情報56及び予約待ち行列57の記憶領域が形成される他に、上記種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をなすもので、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0026】
上記映像再生制御部46は、演奏時に、映像DB54より抽出された所定数のシーン映像データ及び楽曲コードで楽曲DB53より抽出された歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を当該楽曲の音符データに同期させて表示部32に出力する電子回路である。上記音楽演奏制御部47は、楽曲コードで楽曲DB53より抽出された音符データをデジタル出力し、アナログ変換してミキシングアンプ33に出力する電子回路である。
【0027】
メッセージ情報管理手段48は、ここでは、メッセージ情報作成手段38で作成されたメッセージ情報ファイルをホスト装置11に送信して、メッセージ情報登録更新手段23によりメッセージ管理テーブル25やメッセージ情報26に登録させ、又は更新させるためのプログラムである。
【0028】
上記メッセージ情報取得手段49は、任意の発信人である利用者が利用者IDをもって本システムにログインした場合に、当該利用者IDに基づいてホスト装置11の記憶部24に記憶されているメッセージ情報管理テーブル25のうち、当該利用者IDで管理されている部分の管理テーブル情報を取得すると共に、対応のメッセージIDで特定されるメッセージの内容をメッセージ26より取得して、RAM44の利用者別メッセージ情報56に当該利用者ID別に記憶するプログラムである。
【0029】
上記管理テーブル情報は、メッセージIDに関連付けられた所定数の楽曲(楽曲ID)及び所定数の受信人となる他の利用者(利用者ID)の情報である。例えば、ログインした利用者の利用者IDが、図1(C)に示す「*******A」である場合に、この利用者IDで管理されるメッセージID毎に関連付けられた所定数の楽曲ID及び所定数の受信人の利用者IDがRAM44の利用者別メッセージ情報56に記憶される。
【0030】
上記メッセージ出力制御手段50は、発信人となる利用者が選曲した楽曲がメッセージ情報管理テーブル25(利用者別メッセージ情報56)に登録された楽曲であり、当該楽曲が演奏される際に、当該楽曲に関連付けられた受信人が本システムにログインしているかをRAM44のログイン者情報55より判断し、ログインしている場合に対応の関連付けられたメッセージを当該楽曲の演奏中に映像再生制御部46又は音楽演奏制御部47への出力する制御を行うプログラムである。
【0031】
上記送受信部51は、遠隔入出力端末36との間で有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース(登録商標)機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための電子回路及びプログラムである。上記送受信部52は、上記ホスト装置11と上記通信ネットワーク12を介してデータ授受を行うためのもので、通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成されるものである。
【0032】
上記記憶部45に記憶されている楽曲DB53は、楽曲毎に、音符データ及び歌詞データを格納する。演奏に関して、具体的には、楽曲ID、曲名及びアーチストID(アーチスト名)が関連付けられた楽曲テーブルを有し、楽曲毎に、楽曲IDで管理される所定データ形式のカラオケ楽曲の音符データ(例えば、MIDI(登録商標)形式の音符データ)及び歌詞データ(歌詞テロップデータ)が同期されて構成される楽曲データ(ファイル)について楽曲コードをファイル名としてそれぞれ格納したデータベースであり、映像DB54に格納された当該楽曲毎の背景映像を表示するための所定数のシーン映像を割り当てる割当データが関連付けられる。
【0033】
上記記憶部45に記憶されている当該映像DB54は、背景映像表示のための所定数のシーン映像データを所定数格納するデータベースである。なお、この楽曲DB53及び映像DB54を、カラオケ演奏装置31ではなく、上記ホスト装置11に備えさせることとしてもよい。
【0034】
RAM44に記憶されるログイン者情報55は、上記のように、遠隔入出力端末36から図示しない利用者特定手段から取得したログイン者の各利用者IDであり、例えばホスト装置11の図示しない顧客DBより取得した利用者の氏名、ニックネームと関連付けて記憶される。
【0035】
そして、RAM44に記憶される予約待ち行列57は、図3に示すように、演奏する楽曲が予約順の楽曲IDに、その選曲者の利用者ID及び受信人へのメッセージの設定登録がある場合には当該メッセージのメッセージID及び受信人の利用者IDが付帯されて登録されるもので、当該選曲者が発信人となる対象者である。
【0036】
なお、カラオケ演奏端末13をスタンドアローンのカラオケシステムとして適用させる場合には上記ホスト装置11のメッセージ情報登録更新手段23の処理内容をメッセージ情報管理手段48に含ませて、メッセージ情報管理テーブル25及びメッセージ26を当該カラオケ演奏装置31に備えさせる構成とすることにより実現することができる。
【0037】
ここで、図4に、図3の予約待ち行列への登録の処理フローチャートを示す。ここでは、ログイン者が3名とし、利用者ID「*******A」、「*******B」、「*******E」がログインして、当該利用者ID等がRAM44のログイン者情報55に記憶されているものとする。
【0038】
図4において、所定の利用者より上記遠隔入出力端末36の楽曲検索選曲手段37で利用者ID(例えば、利用者ID「*******A」)に基づいて、所定楽曲の選曲(例えば、楽曲ID「**12」)があると(ステップ(S)1)、メッセージ出力制御手段50が、RAM44の利用者別メッセージ情報56(図6参照)を参照して、当該楽曲IDが選曲者の利用者IDにおけるメッセージ情報に含まれているか否かを判断する(S2)。
【0039】
利用者別メッセージ情報56に利用者ID「*******A」における当該楽曲ID「**12」がメッセージID「*****b」に関連付けられていた場合に、当該メッセージIDのメッセージを特定し、選曲された楽曲IDに選曲者の利用者ID及び当該特定したメッセージIDと受信人の利用者IDとを付帯させて予約待ち行列57に登録する(S3)。一方、当該楽曲IDにメッセージIDが関連付けられていなければ、通常の選曲された楽曲IDに選曲者の利用者IDを付帯させて予約待ち行列57に登録するものである(S4)。
【0040】
そこで、図5に図2におけるメッセージ出力の処理フローチャートを示すと共に、図6に図4のメッセージ出力の説明図を示す。この場合、カラオケ演奏端末13において、図3に示すように予約待ち行列57に、演奏順に楽曲IDが選曲者の利用者ID及び適宜メッセージID及び受信人の利用者IDを付帯させて登録されており、演奏NO.1の楽曲ID「***7」の楽曲が演奏されて、図6に示す演奏NO.2の楽曲ID「**12」が演奏されるものとしている。実際的には、演奏が終了した演奏NO.1の楽曲ID「***7」は削除されて、演奏NO.2の楽曲ID「**12」が演奏NO.1となる。
【0041】
そこで、図5において、選曲者(利用者ID「*******A」)の選曲した楽曲ID「**12」の演奏開始が中央制御部42より指令されると(S11)、当該楽曲ID[**12]の演奏再生が行われ(S12)、その際に、メッセージ出力制御手段50が、図6に示すように、RAM44のログイン者情報55を参照して、当該予約待ち行列57に付帯されている受信人(利用者ID「*******B」)がログインしているかを判別する(S13)。
【0042】
当該受信人がログインしている場合に当該楽曲IDに関連付けられたメッセージIDのメッセージを当該楽曲ID[**12]の演奏中の適時に映像再生制御部46に送出する(S14)。そこで、選曲者(発信人)が歌唱しているときに、メッセージ出力制御手段50が表示部32では、図6に示すように、発信人(利用者ID「*******A」)の受信人(利用者ID「*******B」)に対するメッセージが表示されるものである。一方、当該受信人がログインしていなかった場合には、メッセージ出力は行われない。
【0043】
すなわち、図3の予約待ち行列57において、選曲者が利用者ID「*******A」に限れば、図6に示すように、演奏NO.2の歌唱時に利用者ID「*******B」を受信人としてメッセージID「*****b」のメッセージが表示され、また、演奏NO.3の楽曲ID「**33」の歌唱時に利用者ID「*******B」を受信人としてメッセージID「*****c」のメッセージ情報が表示される。一方、演奏NO.7の楽曲ID「***8」の歌唱時には、受信人がログインしていない利用者「*******C」であることから、メッセージは出力されないものである。
【0044】
なお、図6に示すように、メッセージの伝達の受信人が同一楽曲(楽曲ID)について、複数設定されている場合に、メッセージ情報の出力条件を、何れかの受信人がログインしていれば出力するものとしてもよく、また、総ての受信人がログインしている場合にのみ出力するものとしてもよいものである。
【0045】
このように、予め伝達情報毎に楽曲及び受信人を登録させておくことから、特に一の伝達情報に対して複数の楽曲や受信人を一度の操作で設定させることが可能となって利用者の設定利便性を向上させることができ、さらに、カラオケ演奏による発信人自らが歌唱している当にその最中に、例えば、受信人に対しそのカラオケ背景映像のディスプレイをもって伝達情報を出力することで、好適な雰囲気を効果的に演出でき、発信人の受信人への伝達の効果性を発揮させることができるものである。
【0046】
次に、図7に、図2のメッセージ情報管理手段における他の処理の説明図を示す。ここで、図2のメッセージ情報管理手段48においては、上述の処理機能の他に、メッセージ情報出力制御手段50により出力されたメッセージに対して少なくとも関連付けられた楽曲及び受信人の情報を登録より消去する処理機能を備えさせたものである。
【0047】
すなわち、図7において、メッセージ情報管理手段48は、図4〜図6で受信人(利用者ID「*******B」)に対してメッセージが出力されたときに、利用者別メッセージ情報56に記憶されている利用者ID「*******A」における当該メッセージID、楽曲ID、受信人の利用者IDを消去する処理を行うものである。
【0048】
この場合、例えばメッセージID「*****b」に関連付けられた楽曲IDが複数あった場合には、何れかの楽曲IDの楽曲が演奏されて当該メッセージID「*****b」のメッセージが出力された場合に、総ての楽曲IDが消去される。一方、例えばメッセージID「*****b」、楽曲ID「**12」に複数の受信人が設定されていた場合に、当該歌唱された楽曲IDとメッセージ情報の出力対象となった受信人の利用者IDのみが消去されるものである。なお、この消去処理が行われた利用者別メッセージ情報56は、例えば全員のログアウト時にホスト装置11に送信されてメッセージ情報管理テーブル25やメッセージ26が更新されるものである。
【0049】
このように、出力されたメッセージ情報(メッセージID)に対して少なくとも関連付けられた楽曲ID及び受信人の利用者IDを消去することから、同じ楽曲が選曲演奏されても同じ受信人に対するメッセージの重複した出力を回避させることができるものである。
【0050】
続いて、図8に、図7における処理の一例のフローチャートを示す。図8においては、図7の消去処理の条件を付加したもので、上記メッセージ情報管理手段48は、メッセージ出力制御手段50により出力されたメッセージ情報に対して少なくとも関連付けられた楽曲ID及び受信人の利用者IDを消去するに際し、当該楽曲の演奏終了まで当該受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行うこととしたものである。
【0051】
すなわち、図8において、上記の例として、メッセージ情報管理手段48は、楽曲ID「**12」の演奏が終了したときに(S21)、受信人(ここでは、利用者ID「*******B」)がログアウトしているか否かをRAM44のログイン者情報55を参照して判別し(S22)、ログアウトしていなければ、RAM44に記憶されている利用者別メッセージ情報56のうち、歌唱した発信人の利用者IDに付帯されている当該楽曲ID「**12」と共にメッセージID「*****b」及び受信人の利用者ID「*******B」を消去して更新する(S23)。
【0052】
そして、この消去処理が行われた利用者別メッセージ情報56は、所定時期、例えば全員のログアウト時にホスト装置11に送出されてメッセージ情報管理テーブル25やメッセージ26が更新されるものである(S24)。一方で、当該受信人が、例えば発信人の歌唱の途中でログアウトした場合には(S22)、消去処理を行わずにそのままとするものである。
【0053】
このように、楽曲の演奏終了まで受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行わせることから、受信人に対する伝達情報を確実に伝達することを確保することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の伝達情報出力機能を備えるカラオケシステムは、カラオケの基本的機能を備えるカラオケ機器製造の分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るカラオケシステムの系統構成図である。
【図2】本発明のカラオケシステムにおけるカラオケ演奏端末に係るブロック構成図である。
【図3】図2の予約待ち行列の説明図である。
【図4】図3の予約待ち行列への登録の処理フローチャートである。
【図5】図2におけるメッセージ出力の処理フローチャートである。
【図6】図4のメッセージ出力の説明図である。
【図7】図2のメッセージ情報管理手段における他の処理の説明図である。
【図8】図7における処理の一例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
11 ホスト装置
13 カラオケ演奏端末
25 メッセージ情報管理テーブル
26 メッセージ
31 カラオケ演奏装置
38 メッセージ情報作成手段
48 メッセージ情報管理手段
50 メッセージ出力制御手段
55 ログイン者情報
56 利用者別メッセージ情報
57 予約待ち行列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の伝達情報登録更新手段をもって、発信人の利用者ID別に、受信人の利用者IDに対する伝達情報毎に所望の楽曲IDを関連付けて予め登録しておくカラオケシステムであって、
伝達情報取得手段及び伝達情報出力制御手段を有し、
前記伝達情報取得手段は、任意の発信人が、その利用者IDをもって本システムにログインした場合、当該発信人の前記伝達情報とそれに関連付けられた楽曲ID及び受信人の利用者IDとを取得し、
前記伝達情報出力制御手段は、発信人となる利用者が前記取得した伝達情報に関連付けられた楽曲を選曲すると、当該楽曲が演奏される際に、当該楽曲に関連付けられた受信人が本システムにログインしているかを判断し、ログインしている場合に、その演奏中に当該伝達情報の出力制御を行う、
ことを特徴とする伝達情報出力機能を備えるカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1記載の伝達情報出力機能を備えるカラオケシステムであって、前記伝達情報登録更新手段は、前記出力制御された伝達情報に対して、少なくとも関連付けられた楽曲ID及び伝達された受信人の利用者IDを前記登録より消去することを特徴とする伝達情報出力機能を備えるカラオケシステム。
【請求項3】
請求項2記載の伝達情報出力機能を備えるカラオケシステムであって、前記伝達情報登録更新手段は、前記出力制御された伝達情報に対して、少なくとも関連付けられた楽曲ID及び伝達された受信人の利用者IDを前記登録より消去するに際し、当該楽曲の演奏終了まで当該受信人がログイン状態である場合にのみ消去処理を行うことを特徴とする伝達情報出力機能を備えるカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−107837(P2010−107837A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281367(P2008−281367)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】