説明

伸延ねじ

【課題】単純で安全な植込み型骨ねじおよび2つの骨セグメントを互いに伸延する方法を提供する。
【解決手段】骨ねじ(10)は、ねじ山付き近位部分(12)およびねじ山付き近位部分(12)の小さい方の直径(D2)よりも小さな大きい方の直径(d1)を有する遠位部分(14)を備えた軸部を有する。漸減直径の移行領域(16)をねじ山付き近位部分(12)と遠位部分(14)との間に設けるのがよく、ねじ回し受入れ要素(18)が好ましくは、骨ねじ(10)の近位端(12a)に設けられる。使用にあたり、骨ねじ(10)の近位部分(12)は遠位部分(14)は、骨の2つのセグメントに係合し、骨のこれら2つのセグメント相互間に伸延力を生じさせるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、骨の2つのセグメントを伸延する骨ねじに関し、特に、脊柱管を拡張するよう脊椎手術で用いられる植え込み可能な骨ねじに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
アンダーソンに付与された米国特許第6,358,254号明細書は、数百万人の人々に脊髄神経の圧迫に起因する背中および下肢の痛みを与える病態として、脊柱管狭窄を記載している。なお、かかる米国特許明細書の開示内容を参照によりここに引用する。重篤な症例では、神経への圧迫を無くし、背中および下肢の痛みを軽減するために、手術を必要とする場合が多い。脊柱椎弓切除術は、脊柱管狭窄を治療するために実施される伝統的な手術である。この手術では、脊柱の後方特徴部を除去して脊柱管に対する「覆いを取り除き」、神経に加わる圧力を除く。具体的に説明すると、椎間関節の棘突起、面関節の部分および薄板を切除して神経根への圧迫を無くす。
【0003】
脊柱椎弓切除術は、脊柱管の神経に加わる圧力を軽減する上では好結果を収める場合が多いが、幾つかの欠点が椎弓切除術に伴う場合がある。第1に、椎弓切除術は、背部筋肉取付け部の重要な部位を除去し、これが原因となって、背部筋肉の機能障害および痛みが生じる場合がある。第2に、椎弓切除術は、神経嚢を露出させ、それにより、瘢痕組織が神経の周りに生じる場合があり、それにより反復性の痛みが生じることになる。第3に、椎弓切除術は、脊柱を不安定化させる場合があり、その結果、1つの椎骨の、別の椎骨上での前方への滑りが生じ、これにより、再発性の痛みおよび奇形が生じる場合がある。第4に、椎弓切除術は、大幅な外科的露出および相当な失血を必要とするので、椎弓切除術が老人患者にとって好ましくないものになっている。最後に、脊柱管狭窄は、椎弓切除術の実施後に再発する場合があり、再手術が必要になる。
【0004】
椎弓切除術に伴う危険性により、外科医たちは、重度の脊柱管狭窄のある患者について、別法を模索するに至った。何人かの外科医は、複数回の椎弓切開術を利用して脊柱管狭窄を治療した。椎弓切開術では、骨および軟組織を脊柱の後方特徴部から除去して、神経圧迫領域全体にわたって脊柱管に「窓」を形成する必要がある。複数回の椎弓切開術は、1回の椎弓切除術よりも取り除く組織の量が少なく、その結果、瘢痕化、椎骨不安定性および失血が減少する。しかしながら、複数回の椎弓切開術もまた、随伴する欠点を有している。複数回の椎弓切開術は、神経圧迫を適当に除去することはできず、したがって、痛みを十分に寛解させることができない。さらに、複数回の椎弓切開術は、1回の椎弓切除術よりも正確に実施するのが困難であり、やはり神経を露出させるので神経の瘢痕化が生じる。複数回の椎弓切開術を施される患者もまた、再置換術を必要とする再発性脊柱管狭窄を起こす場合が多い。
【0005】
上述の理由で、現在利用できる方法が有する欠点が無く、脊柱管狭窄の症状を緩和する改良型方法および器具が要望されている。具体的には、脊髄神経に対する圧迫を除くよう脊柱管を拡張するための、単純で安全であり、しかも効果的で永続的な方法および器具が要望されている。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明は、単純で安全な植込み型骨ねじと、2つの骨セグメントを互いに伸延し、好ましくは、脊柱管領域を拡張して脊髄神経のための追加の空間をもたらし、脊髄神経に対する圧迫を無くす方法と、を提供する。一実施形態では、骨ねじは、ねじ山付き近位部分と、ねじ山付き近位部分の小さい方の直径よりも小さな大きい方の直径とを有する遠位部分を備えた軸部を有する。この軸部の近位部分と遠位部分とは、骨の2つのセグメント内に挿入されると、互いの間に伸延力を生じさせるよう構成されている。
【0007】
別の実施形態では、骨ねじの遠位部分には、ねじ山を形成することができ、このねじ山は好ましくは、ねじ山付き近位部分のねじ山のピッチよりも小さなピッチを有する。しかしながら、ねじ山付き近位部分のねじ山は、近位部分の長さに沿って変化するピッチを有するのがよい。非限定的な例を挙げると、ねじ山のピッチは、骨ねじの近位部分から骨ねじの遠位部分まで、次第にかつ漸進的に減少するのがよい。骨ねじの遠位部分には好ましくはねじ山が設けられているが、この遠位部分は、種々の他の形状のものであってもよい。非限定的な例を挙げると、軸部の遠位部分は、近位部分に取り外し自在に結合でき、近位部分は、遠位部分の少なくとも一部が、近位部分との係合の際に拡張するよう遠位部分に結合されるようになっているのがよい。別の実施形態では、遠位部分の外径は、近位側から遠位側への方向に減少するのがよい。非限定的な例を挙げると、遠位部分は、直径が近位側から遠位側の方向に小刻みに減少するよう、段付き直径を有するのがよい。変形例として、または前記に加えて、遠位部分には、骨に係合するようになった少なくとも1つの表面特徴部を形成してもよい。
【0008】
更に別の実施形態では、少なくとも1条のねじ山が形成された近位部分を備える軸部を有する骨ねじが提供される。ねじ山は、近位部分の近位領域に第1のピッチを、また近位部分の遠位領域に第2のピッチを有する。軸部は、少なくとも1条のねじ山が形成された遠位部分を更に有し、この少なくとも1条のねじ山は、第3のピッチを有する。第2のピッチは、第3のピッチに寸法がほぼ等しく、第1のピッチとは寸法が異なる。
【0009】
本発明はまた、骨ねじを用いて脊柱管を伸延する方法をも提供する。骨ねじは近位部分および遠位部分を含む軸部を有し、この近位部分および遠位部分は、骨の2つのセグメント内に挿入されると、互いの間に伸延力を生じさせるよう構成されている。この方法は、椎弓根に穴を形成する段階と、椎弓根を切断して2つの骨部分を形成する段階と、骨ねじを穴の中へ前進させる段階とを更に有し、その穴の中で、骨ねじの近位部分および遠位部分が、2つの骨部分相互間の距離を広げる。
【0010】
本発明は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を読むと、より完全に理解されよう。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、2つの骨を伸延し、より好ましくは、脊柱管を拡張する骨ねじを提供する。一般に、骨ねじは、骨の2つのセグメントに係合し、骨のこれら2つのセグメント相互間に伸延力を生じさせるよう構成された近位部分および遠位部分を備えた軸部を有する。骨ねじは、使用しやすく、通常の解剖学的構造および筋取付け部を維持し、しかも効率的に植え込み可能であり、それにより、脊柱手術を実施するのに必要な時間および費用が減少するので特に有利である。
【0012】
図1A〜図1Cは、本発明の一実施形態としての骨ねじ10を示している。図示のように、骨ねじ10は、少なくとも1条のねじ山13の形成された近位部分12、遠位部分14、およびねじ山付き近位部分12と遠位部分14との間に設けられた任意的に漸減直径の移行領域16を備えた軸部を有する。骨ねじ10の全体的な寸法は、使用意図に応じて様々であってよいが、好ましくは、骨ねじ10を椎骨の椎弓根中に植え込むことができる寸法である。骨ねじ10が脊柱での用途に用いられる例示の実施形態では、骨ねじ10は、約8mm〜100mmの長さlsを有する。
【0013】
骨ねじ10の近位部分12は、種々の形態、形状および寸法のものであってよい。上述したように、近位部分12には好ましくは、少なくとも1条のねじ山13が形成されている。例示の実施形態では、ねじ山13は、近位端12aから、または近位端12aに隣接した地点から延び、移行領域16において、またはこれに隣接した地点で終端している。近位部分12の遠位端12bにおけるねじ山13の開始部は、近位部分12と骨との係合を容易にするよう、任意にセルフタッピング方式とすることができる。非限定的な例を挙げると、図1Cは、近位部分12の遠位端12bにあるねじ山13にセルフタッピング特徴3が形成された骨ねじ100を示している。
【0014】
図1Bに戻ってこれを参照すると、近位部分12のねじ山13は、谷底13cと山の頂13dとの間に延びる、近位側へ向いたフランク13aおよび遠位側へ向いたフランク13bを有している。各フランク13a,13bは、寸法形状が様々であってよく、フランク13a,13bはそれぞれ、長手方向軸線Lに対し種々の角度αa,αbをなして延びるのがよい。非限定的な例を挙げると、フランク13a,13bは、図示のように互いに向かって収斂するのがよく、或いは、他の実施形態(図示せず)では、これらフランクは、互いに平行であってもよく、或いは種々の角度をなして互いに末広がりに広がっていてもよい。ねじ山13の山の頂13dもまた、種々の形状のものであってよく、例えば、鋭利なエッジを形成するよう尖っていてもよく、或いは、図示のように斜切されていてもよい。例示のねじ山形態は、角ねじ、のこ歯ねじ、海綿骨ねじ、皮質骨ねじ、またはこれらの幾つかの組合せを含む。
【0015】
図1A〜図1Cに示す例示の実施形態では、ねじ山の寸法、形状およびピッチは、近位部分12の長さの少なくとも大部分に沿って一定のままである。しかしながら、他の実施形態では、ねじ山の寸法、形状およびピッチは、近位部分12の長さの少なくとも一部に沿って様々であってもよい。図1Aに示すように、近位部分12は、ねじ山13の谷底13cから測定した小さい方の直径(谷の径)D2およびねじ山13の山の頂13dから測定した大きい方の直径(外径)D1を有する。ねじ山13は、近位部分12の長さの大部分に沿って実質的に一定のままであるピッチP1を更に有し、したがって、ねじ山13は、各ねじ山形態相互間で軸線Lに沿って一様な間隔を有するようになっている。骨ねじ10が脊柱での用途に用いられる例示の実施形態では、近位部分12の小さい方の直径D2は、約2mm〜9mmであり、大きい方の直径D1は、約3mm〜12mmであり、ねじ山13のピッチP1は、約1〜12である。
【0016】
依然として図1A〜図1Cを参照すると、骨ねじ10の遠位部分14もまた、種々の形態のものであってよい。例示の実施形態では、遠位部分14にはねじ山15が形成され、このねじ山15は、谷底15cと山の頂15dとの間に延びる、近位側へ向いたフランク15aおよび遠位側へ向いたフランク15bを有している。遠位部分14に沿うねじ山15の形状、寸法およびピッチは、近位部分12に形成されたねじ山13に関して上述したように、様々であってよい。一実施形態では、遠位部分14は、ねじ山15の谷底15cから測定した小さい方の直径(谷の径)d2およびねじ山15の山の頂15dから測定した大きい方の直径(外径)d1を有している。遠位部分14の大きい方の直径d1は好ましくは、近位部分12の大きい方の直径D1よりも小さい。これは、遠位部分14が近位部分12よりも大きな骨トンネルを形成するのを阻止し、それにより、近位部分12が、既に遠位部分14を挿通した骨に係合することができるので、特に有利である。遠位部分14のねじ山15もまた、近位側ねじ山13のピッチP1よりも小さなピッチP2を有するのがよい。これにより、骨ねじの近位部分12は、遠位部分14よりも早く骨の中に進むことができ、それにより近位部分12と遠位部分14との間に伸長力を生じさせる。非限定的な例を挙げると、近位部分12のねじ山13は、遠位部分14のねじ山15のピッチP2の2倍であるピッチP1を有するのがよい。その結果、近位部分12は、遠位部分14の前進よりも2倍早く骨の中に前進することになる。骨ねじ10が脊柱での用途に用いられる例示の実施形態では、遠位部分14の小さい方の直径d2は、約1mm〜8mmであり、大きい方の直径d1は、約3mm〜10mmであり、ねじ山15のピッチP2は、約0〜10である。
【0017】
図1A〜図1Cに示す例示の実施形態の近位部分12および遠位部分14は各々、1条のねじ山を有しているが、当業者であれば理解されるように、近位部分12および遠位部分14は、様々に変化する、または一様な寸法、形状およびピッチを有する任意の条数のねじ山を有することができる。
【0018】
骨ねじ10の遠位部分14は、ねじ10の最も遠位側の端に形成された頂点14bを更に有する。頂点14bは、種々の形態のものであってよく、非限定的な例を挙げると、頂点14bは、円錐形またはねじ錐形の先端部の形態をしているのがよい。図1Aに示すように、ねじ10の頂点14bは、円錐形の形態をしており、ねじ山15は、遠位先端部14bの近くの位置で終端し、ねじ10のコアは、中実の円錐状構造体に形成されている。ねじ錐形先端部では、ねじ山は、ねじの遠位先端部のところまで延びてここで合体している。当業者であれば理解されるように、いずれの先端部を用いてもよく、或いは、変形例として頂点14bは、種々の他の形態のものであってもよい。頂点14bおよびねじ10の残部は、骨ねじをタップ立てすると共に/或いは、骨にあらかじめ穴をあける必要性をなくすために、セルフタッピングおよび/またはセルフドリリング骨ねじに形作られたものであってもよいが、このようにするかどうかは任意である。非限定的な例を挙げると、図1Cは、遠位部分14の遠位端14bの近くに位置するねじ山15に形成されたセルフタッピング特徴5および頂点14bに形成された別のセルフタッピング特徴7を示している。当業者であれば理解されるように、種々のセルフタッピングおよび/またはセルフドリリング特徴を用いることができる。
【0019】
上述したように、骨ねじ10は、近位部分12と遠位部分14との間に延びる移行領域16を更に有することができる。移行領域16は好ましくは、ねじ10の近位部分12からねじ10の遠位部分14まで減少していく直径を持つ、軸部のねじ山が設けられていない(非螺設)領域である。図1Bに示すように、移行領域16は、遠位側直径dxよりも大きな近位側直径dyを有し、移行領域16の長さltに沿って近位側直径部と遠位側直径部との間に延びる移行領域16の表面は、好ましくは傾斜している。傾斜した移行領域16は、性能を向上させ、種々の直径およびピッチを有するねじを製造しやすくすることができる。傾斜した移行領域16が示されているが、移行領域16は、事実上任意の形態、形状および寸法を有することができ、例えば段付きの形態、または非テーパ形態のものであってよい。例示の実施形態(図示せず)では、移行領域16の長さltは、近位側ねじ山13がストリップではなく骨に確実に係合するよう、できるだけ小さい。
【0020】
骨ねじ10の植え込みを容易にするため、骨ねじ10を骨の中に押し込むねじ回し(図示せず)と嵌合するように、ねじ回し受入れ要素18(図1B)をねじ10の近位端12aに形成し、またはこれに取り付けるのがよい。ねじ回し受入れ要素18は、種々の形態のものであってよいが、例示の実施形態では、ねじ回し受入れ要素18は、近位部分12の最も近位側の端12aに形成された受口の形態をしている。受口18は、事実上任意の寸法形状のものであってよく、例えば、六角形のねじ回し部材を受け入れる六角形の受口とすることができる。変形例として、近位部分12には、ねじ回し工具に設けられた六角形の受口と嵌合する六角形のヘッドが形成されてもよい。当業者であれば理解されるように、種々のねじ回し受入れ要素を使用することができると共に/或いは骨ねじ10の近位端12aは、事実上任意の他の形態のものであってよい。他の実施形態では、骨ねじ10は、カニューレ挿入式のものであってもよく、例えば、骨ねじ10を貫通してガイドワイヤを受け入れるルーメンを有してもよいが、このようにするかどうかは任意である。
【0021】
図2〜図5は、本発明の追加の実施形態としての骨ねじを示している。参照の目的で、同一の参照符号は、同一の部品を示すために用いられている。当業者であれば理解されるように、本発明の骨ねじは、本明細書において説明されると共に/或いは図示した特徴および当該技術分野において知られている他の特徴との任意の組合せを含むことが可能である。本発明の骨ねじは、図示の特定の実施形態には限定されない。
【0022】
図2は、一実施形態としての骨ねじ100を示しており、この実施形態では、近位部分112に1条以上のねじ山が形成され、この近位部分が、伸延前および/または伸延中に骨ねじと骨との固定を達成するのを助けるために、漸変ねじ山形態を有している。特に、図示のように、骨ねじ100は、ピッチが互いに異なるねじ山113a,113bを備えた近位領域112aおよび遠位領域112bを含む近位部分112を有する。各領域112a,112bのねじ山113a,113bは、近位部分112の全長に沿って延びる1条のねじ山から形成することができ、或いは変形例として、近位部分112は、任意の条数のねじ山、例えば近位領域112aおよび遠位領域112bにそれぞれ形成された第1のねじ山および第2のねじ山を有してもよい。図2に示すように、近位部分112の遠位領域112bのねじ山113bは、ピッチが減少しており、したがって、近位部分112の近位領域112aのねじ山113aのピッチは、近位部分112の遠位領域112bのねじ山113bのピッチよりも大きくなっている。例示の実施形態では、遠位領域112bのねじ山113bのピッチは、以下に詳細に説明するように、ねじの遠位部分14に形成されたねじ山15のピッチに等しい。近位部分112の遠位領域112bのねじ山形態もまた様々であってよく、例示の実施形態では、ねじ山113bは、近位部分112に断続的に設けられており、これは、少なくとも部分的に棘付きであり、近位側へ向いたフランクが実質的に平らであって、遠位側へ向いたフランクが湾曲するようになっている。図2に示す実施形態の形態は、これにより、近位部分112bと遠位部分114bとの間に伸延力が形成される前に、近位部分112の遠位領域112bのねじ山113bを骨に係合させることができるので特に有利であり、これについても以下に詳細に説明する。さらに、ねじ山113bの棘付き形状は、骨内への挿入時に、骨ねじ100の戻りを阻止するのに役立つ。
【0023】
図3は、近位側から遠位側への方向に減少していく直径を有する遠位部分314を備えた骨ねじ300を示している。ねじ300の楔形遠位部分314には、いったん植え込まれると、骨に係合してねじ300の戻りを阻止する1つ以上の表面特徴部317が形成されるのがよいが、このようにするかどうかは任意である。この表面特徴部は、事実上任意の形態のものであってよいが、図3は、段付き形態の楔形遠位部分314を示しており、かかる段付き形態では、遠位部分314には、骨に係合するように構成された数個の環状隆起部317が形成されている。環状隆起部317は好ましくは、骨ねじ300の遠位端314bから近位端314aにかけて、周長が減少する。
【0024】
植え込み時に拡張するように構成された遠位部分414を有する別の骨ねじ400が、図4に示されている。特に、骨ねじ400は、近位部分412を有し、この近位部分から延長部材416が遠位側に延びており、骨ねじ400は、延長部材416を受け入れるように構成された遠位部分414を有する。近位部分412の延長部材416は、事実上任意の形状、寸法および形態のものであってよいが、遠位部分414内に挿入されると、遠位部分414を拡張するようになっているべきである。遠位部分414は同様に、事実上任意の形状、寸法および形態のものであってよいが、延長部材416を受け入れると拡張して骨トンネルに係合するようになっているべきである。例示の実施形態では、遠位部分414は、その一部に沿って延びていて、遠位部分414を拡張させることができる少なくとも1つのスロット430を有する。別の実施形態では、延長部材416は、遠位部分414内に形成された、対応するねじ山と噛み合うよう、ねじ山(図示せず)が設けられたものであってよい。遠位部分414を別個の部品から形成することができるが、遠位部分414は、任意に、骨ねじ300の植え込みを容易にするよう、近位部分414に付一時的に取付け可能にしてもよい。。当業者であれば理解されるように、骨ねじは、種々の他の形態のものであってよい。
【0025】
図5は、更に別の実施形態としての骨ねじ500を示しており、この骨ねじ500には、ピッチがねじ500の近位端500aから遠位端500bまで次第に減少していく1条のねじ山513が形成されている。ねじ軸部の実際の形状および寸法は、様々であってよいが、好ましくは、軸部の大きい方の直径と小さい方の直径が両方とも、近位端500aから遠位端500bまでテーパしている。使用にあたり、ねじ山513の漸減するピッチは、図1Aおよび図1Bを参照して説明した骨ねじ10と同一の効果をもたらすであろう。
【0026】
本発明の骨ねじは、骨の2つのセグメントを伸延するよう種々の医療手技で利用できるが、例示の実施形態では、骨ねじは、脊柱管を拡張するために用いられる。図6A〜図6Dは、使用中の骨ねじ10を示している。図6Aに示すように、椎骨600の椎弓根は、棘突起の両側が切断されていて、2つのギャップ602,604が形成されている。また、骨ねじ10を受け入れるために、2つのチャネル606,608を、横突起を貫通して椎弓根内へ、後方から前方の方向に穴あけすることもできるが、このようにするかどうかは任意である。各チャネル606,608は好ましくは、対応する骨ねじ10の近位部分12および遠位部分14を受け入れるために二重の直径を有している。具体的に説明すると、各チャネル606,608の後方部分は好ましくは、各チャネル606,608の前方部分よりも周長が長い。種々の寸法を有するドリルビットを用いて、二重直径のチャネルを形成することができる。
【0027】
図6Bに示すように、次に、骨ねじ10をねじ回し工具(図示せず)を用いて椎弓根のあらかじめ穴あけされたチャネル606,608の中に挿入する。ねじ10をチャネル606,608にねじ込むと、遠位部分14は、骨に係合しないで椎弓根の後方部分を通って前進する。ねじ10は、遠位部分14がチャネル606,608の後方部分を通り、近位側ねじ山13がまず最初にチャネル606,608の後方部分に係合するよう設計されている。遠位側ねじ山15が、チャネル606,608の前方部分に達すると、ねじ山15は、図6Cに示すように、骨の前方部分に係合し始める。遠位側ねじ山15は、近位側ねじ山13のピッチP1よりも小さなピッチP2を有しているので、遠位部分14は、ねじ10の近位部分12よりもゆっくりと前進する。これにより、椎骨の前方部分と後方部分との間に伸延力が与えられ、それにより、ねじ10を椎骨内にねじ込むと、椎骨の前方部分と後方部分が分離する。その結果、脊柱管は、図6Dに示すように拡張する。
【0028】
本発明の骨ねじ10は、種々の生物学的に適合性のある材料または例えば生分解性材料および/または非生分解性材料を含む材料の組合せから作られたものであってよい。適当な材料としては、例えば、骨伝導(osteoconductive)物質または死体の骨、例えば皮質骨が挙げられる。例示の実施形態では、近位部分12および遠位部分14に沿うねじ山13,15は、海綿骨で形成されるが、これらは、意図した使用領域に応じて皮質骨で作られたものであってもよい。他の適当な材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタンのような金属や炭素繊維補強ポリマーまたはポリエチルエチルケトンが挙げられる。
【0029】
別の実施形態では、骨ねじ10または骨ねじ10の一部は、骨成長促進材料で被覆され、またはかかる材料から形成されたものであってよい。かかる材料の例としては、ヒドロキシアパタイト、燐酸カルシウムおよび他の材料、例えば生体活性ガラス、プラズマ、セラミック、多孔質材料、およびこれらの組合せが挙げられる。また、任意的にまたは変形例として、骨ねじ10または骨ねじ10の一部には、骨成長因子、例えば、幹細胞濃縮物および/または血小板の豊富な物質を注入してもよい。
【0030】
当業者であれば理解されるように、本明細書において説明したインプラントは、脊柱手術用として説明したが、当該インプラントは、種々の医療手技での使用に適応可能である。したがって、本発明は、特許請求の範囲に示す内容を除き、具体的に図示すると共に説明した内容によっては限定されない。本明細書において引用した全ての刊行物および技術文献の記載内容全体を、参照によりここに引用する。
【0031】
〔実施態様〕
(1)骨の2つのセグメントを伸延するための骨ねじにおいて、
ねじ山付き近位部分および遠位部分を備えた軸部を有し、前記遠位部分は、前記ねじ山付き近位部分の小さい方の直径よりも小さな大きい方の直径を有し、前記軸部の前記近位部分および前記遠位部分は、骨の2つのセグメント内に挿入されると、前記近位部分と前記遠位部分との間に伸延力を生じさせるよう構成されている、骨ねじ。
(2)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分には、ねじ山が形成されている、骨ねじ。
(3)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分の前記ねじ山のピッチは、前記ねじ山付き近位部分の前記ねじ山のピッチよりも小さい、骨ねじ。
(4)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記骨ねじは、セルフタッピングおよび/またはセルフドリリング型である、骨ねじ。
(5)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ山付き近位部分の前記ねじ山のピッチは、前記近位部分の長さに沿って変化している、骨ねじ。
【0032】
(6)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記軸部の前記近位部分と前記遠位部分は、互いに取り外し可能に結合し、前記近位部分は、前記遠位部分の少なくとも一部が前記近位部分との係合の際に拡張するよう前記遠位部分に結合するようになっている、骨ねじ。
(7)実施態様1記載の骨ねじにおいて、前記遠位部分の大きい方の直径は、近位側から遠位側の方向に減少している、骨ねじ。
(8)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分は、段付き直径を有し、前記段付き直径は、近位側から遠位側の方向に小刻みに減少するようになっている、骨ねじ。
(9)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分から少なくとも1つの棘が突き出ており、該棘は、骨に係合するようになっている、骨ねじ。
(10)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ山付き近位部分と前記遠位部分との間に設けられた漸減直径の移行領域を更に有する、骨ねじ。
【0033】
(11)実施態様10記載の骨ねじにおいて、
前記移行領域にはねじ山が設けられていない、骨ねじ。
(12)実施態様10記載の骨ねじにおいて、
前記移行領域はテーパしている、骨ねじ。
(13)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記軸部は、カニューレ挿入式である、骨ねじ。
(14)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじの少なくとも一部は、骨成長促進材料で被覆されている、骨ねじ。
(15)実施態様14記載の骨ねじにおいて、
前記骨成長促進材料は、ヒドロキシアパタイト、燐酸カルシウム、生体活性ガラス、プラスマ、セラミックス、多孔質材料、およびこれらの組合せから成る群から選択される、骨ねじ。
【0034】
(16)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじの少なくとも一部は、皮質骨グラフトで作られている、骨ねじ。
(17)実施態様1記載の骨ねじにおいて、
前記骨ねじの近位端に設けられたねじ回し受入れ要素を更に有する、骨ねじ。
(18)実施態様17記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ回し受入れ要素は、前記軸部の前記近位部分の最も近位側の端に形成された六角形の受口を含む、骨ねじ。
(19)実施態様17記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ回し受入れ要素は、前記軸部の前記近位部分の最も近位側の端に形成された六角形のヘッドを含む、骨ねじ。
(20)骨ねじにおいて、
ねじ山付き近位部分およびねじ山付き遠位部分を備えた軸部を有し、前記ねじ山付き遠位部分は、ピッチが前記ねじ山付き近位部分のねじ山のピッチよりも小さな少なくとも1条のねじ山を有し、前記遠位部分の少なくとも一部の大きい方の直径は、前記ねじ山付き近位部分の小さい方の直径よりも小さい、骨ねじ。
【0035】
(21) 骨ねじにおいて、
軸部を有し、
該軸部は、
少なくとも1条のねじ山が形成された近位部分であって、該少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の近位領域に第1のピッチおよび前記近位部分の遠位領域に第2のピッチを有する、近位部分と、
少なくとも1条のねじ山が形成された遠位部分であって、該少なくとも1条のねじ山は、第3のピッチを有する、遠位部分と、
を有し、
前記第2のピッチは、前記第3のピッチに寸法がほぼ等しく、前記第1のピッチとは寸法が異なる、骨ねじ。
(22)実施態様21記載の骨ねじにおいて、
前記第3のピッチは、前記第1のピッチよりも小さい、骨ねじ。
(23)実施態様21記載の骨ねじにおいて、
前記第2のピッチは、前記第3のピッチよりも大きいかまたはこれに等しくかつ前記第1のピッチよりも小さい、骨ねじ。
(24)実施態様21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記遠位領域の前記少なくとも1条のねじ山は、前記骨ねじを骨内に植え込んだときに、前記骨ねじの戻りを阻止するよう形作られている、骨ねじ。
(25)実施態様21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の前記近位領域と前記遠位領域との間に延びる単一のねじ山を含む、骨ねじ。
【0036】
(26)実施態様21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の前記近位領域に形成された第1のねじ山および前記近位部分の前記遠位領域に形成された第2のねじ山を含む、骨ねじ。
(27)骨の2つのセグメントを伸延するための骨ねじにおいて、
ねじ山が形成されていて、近位端と遠位端との間に延びる軸部であって、前記ねじ山は、前記軸部の長さに沿って近位側から遠位側の方向に次第に減少したピッチを有する、軸部と、
前記軸部の近位端に形成されまたは該近位端に結合されたねじ回し受入れ要素と、
を有する、骨ねじ。
(28)脊柱管を拡張する方法において、
近位部分および遠位部分を含む軸部を有する骨ねじを提供する段階であって、前記近位部分および遠位部分は、骨の2つのセグメント内に挿入されると、前記近位部分と前記遠位部分との間に伸延力を生じさせるよう構成されている、段階と、
棘突起に隣接して椎体の椎弓根に穴を形成する段階と、
前記穴を横切ってかつ前記椎体に隣接して前記椎弓根を切断して2つの骨部分を形成する段階と、 前記骨ねじを前記穴の中へ前進させる段階であって、前記骨ねじの前記近位部分および前記遠位部分が、前記2つの骨部分の相互間の距離を広げる、段階と、
を有する、方法。
(29)実施態様28記載の方法において、
前記近位部分および前記遠位部分のうち少なくとも一方には、ねじ山が形成されている、方法。
(30)実施態様28記載の方法において、
前記近位部分および前記遠位部分の各々には、ねじ山が形成され、前記遠位部分の前記ねじ山のピッチは、前記近位部分の前記ねじ山のピッチよりも小さい、方法。
【0037】
(31)実施態様28記載の方法において、
前記近位部分には、前記近位部分の長さに沿って変化するピッチを有するねじ山が形成されている、方法。
(32)実施態様28記載の方法において、
前記骨ねじの少なくとも一部は、骨成長促進材料で被覆されまたは該骨成長促進材料で作られている、方法。
(33)実施態様28記載の方法において、
前記骨ねじは、前記軸部の前記近位部分の近位端に設けられたねじ回し受入れ要素を更に有する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】本発明の一実施形態の骨ねじの斜視図である。
【図1B】図1Aに示す骨ねじの2−2線矢視断面図である。
【図1C】本発明の別の実施形態にしたがってセルフタッピングねじ山が形成された図1Aに示す骨ねじの斜視図である。
【図2】本発明の別の実施形態としての骨ねじの斜視図である。
【図3】段付き形態を備えた遠位部分を有する別の実施形態としての骨ねじの斜視図である。
【図4】本発明の別の実施形態としての拡張可能な骨ねじの斜視図である。
【図5】本発明の更に別の実施形態としての骨ねじの斜視図である。
【図6A】骨ねじを受け入れる二重直径穴が椎弓根にあけられた前処置状態の椎体の平面図である。
【図6B】2本の骨ねじの近位側ねじ山が椎体の後方部分に係合した後の、2本の骨ねじの遠位側ねじ山が椎体の前方部分に係合した状態を示す図である。
【図6C】骨ねじの両方のねじ山付き部分が骨内にねじ込まれたときの、椎弓根のギャップ相互間における脊柱管の拡張状態を示す図である。
【図6D】完全に着座した状態の骨ねじおよび拡張状態における脊柱管を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の2つのセグメントを伸延するための骨ねじにおいて、
ねじ山付き近位部分および遠位部分を備えた軸部を有し、
前記遠位部分は、前記ねじ山付き近位部分の小さい方の直径よりも小さな大きい方の直径を有し、
前記軸部の前記近位部分および前記遠位部分は、骨の2つのセグメント内に挿入されると、前記近位部分と前記遠位部分との間に伸延力を生じさせるよう構成されている、
骨ねじ。
【請求項2】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分には、ねじ山が形成されている、骨ねじ。
【請求項3】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分の前記ねじ山のピッチは、前記ねじ山付き近位部分の前記ねじ山のピッチよりも小さい、骨ねじ。
【請求項4】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記骨ねじは、セルフタッピングおよび/またはセルフドリリング型である、骨ねじ。
【請求項5】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ山付き近位部分の前記ねじ山のピッチは、前記近位部分の長さに沿って変化している、骨ねじ。
【請求項6】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記軸部の前記近位部分と前記遠位部分は、互いに取り外し可能に結合し、前記近位部分は、前記遠位部分の少なくとも一部が前記近位部分との係合の際に拡張するよう前記遠位部分に結合するようになっている、骨ねじ。
【請求項7】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分の大きい方の直径は、近位側から遠位側の方向に減少している、骨ねじ。
【請求項8】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分は、段付き直径を有し、前記段付き直径は、近位側から遠位側の方向に小刻みに減少するようになっている、骨ねじ。
【請求項9】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記遠位部分から少なくとも1つの棘が突き出ており、該棘は、骨に係合するようになっている、骨ねじ。
【請求項10】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ山付き近位部分と前記遠位部分との間に設けられた漸減直径の移行領域を更に有する、骨ねじ。
【請求項11】
請求項10記載の骨ねじにおいて、
前記移行領域にはねじ山が設けられていない、骨ねじ。
【請求項12】
請求項10記載の骨ねじにおいて、
前記移行領域はテーパしている、骨ねじ。
【請求項13】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記軸部は、カニューレ挿入式である、骨ねじ。
【請求項14】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじの少なくとも一部は、骨成長促進材料で被覆されている、骨ねじ。
【請求項15】
請求項14記載の骨ねじにおいて、
前記骨成長促進材料は、ヒドロキシアパタイト、燐酸カルシウム、生体活性ガラス、プラスマ、セラミックス、多孔質材料、およびこれらの組合せから成る群から選択される、骨ねじ。
【請求項16】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記ねじの少なくとも一部は、皮質骨グラフトで作られている、骨ねじ。
【請求項17】
請求項1記載の骨ねじにおいて、
前記骨ねじの近位端に設けられたねじ回し受入れ要素を更に有する、骨ねじ。
【請求項18】
請求項17記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ回し受入れ要素は、前記軸部の前記近位部分の最も近位側の端に形成された六角形の受口を含む、骨ねじ。
【請求項19】
請求項17記載の骨ねじにおいて、
前記ねじ回し受入れ要素は、前記軸部の前記近位部分の最も近位側の端に形成された六角形のヘッドを含む、骨ねじ。
【請求項20】
骨ねじにおいて、
ねじ山付き近位部分およびねじ山付き遠位部分を備えた軸部を有し、前記ねじ山付き遠位部分は、ピッチが前記ねじ山付き近位部分のねじ山のピッチよりも小さな少なくとも1条のねじ山を有し、前記遠位部分の少なくとも一部の大きい方の直径は、前記ねじ山付き近位部分の小さい方の直径よりも小さい、骨ねじ。
【請求項21】
骨ねじにおいて、
軸部を有し、
該軸部は、
少なくとも1条のねじ山が形成された近位部分であって、該少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の近位領域に第1のピッチおよび前記近位部分の遠位領域に第2のピッチを有する、近位部分と、
少なくとも1条のねじ山が形成された遠位部分であって、該少なくとも1条のねじ山は、第3のピッチを有する、遠位部分と、
を有し、
前記第2のピッチは、前記第3のピッチに寸法がほぼ等しく、前記第1のピッチとは寸法が異なる、骨ねじ。
【請求項22】
請求項21記載の骨ねじにおいて、
前記第3のピッチは、前記第1のピッチよりも小さい、骨ねじ。
【請求項23】
請求項21記載の骨ねじにおいて、
前記第2のピッチは、前記第3のピッチよりも大きいかまたはこれに等しくかつ前記第1のピッチよりも小さい、骨ねじ。
【請求項24】
請求項21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記遠位領域の前記少なくとも1条のねじ山は、前記骨ねじを骨内に植え込んだときに、前記骨ねじの戻りを阻止するよう形作られている、骨ねじ。
【請求項25】
請求項21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の前記近位領域と前記遠位領域との間に延びる単一のねじ山を含む、骨ねじ。
【請求項26】
請求項21記載の骨ねじにおいて、
前記近位部分の前記少なくとも1条のねじ山は、前記近位部分の前記近位領域に形成された第1のねじ山および前記近位部分の前記遠位領域に形成された第2のねじ山を含む、骨ねじ。
【請求項27】
骨の2つのセグメントを伸延するための骨ねじにおいて、
ねじ山が形成されていて、近位端と遠位端との間に延びる軸部であって、前記ねじ山は、前記軸部の長さに沿って近位側から遠位側の方向に次第に減少したピッチを有する、軸部と、
前記軸部の近位端に形成されまたは該近位端に結合されたねじ回し受入れ要素と、
を有する、骨ねじ。
【請求項28】
脊柱管を拡張する方法において、
近位部分および遠位部分を含む軸部を有する骨ねじを提供する段階であって、前記近位部分および遠位部分は、骨の2つのセグメント内に挿入されると、前記近位部分と前記遠位部分との間に伸延力を生じさせるよう構成されている、段階と、
棘突起に隣接して椎体の椎弓根に穴を形成する段階と、
前記穴を横切ってかつ前記椎体に隣接して前記椎弓根を切断して2つの骨部分を形成する段階と、 前記骨ねじを前記穴の中へ前進させる段階であって、前記骨ねじの前記近位部分および前記遠位部分が、前記2つの骨部分の相互間の距離を広げる、段階と、
を有する、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公表番号】特表2007−502152(P2007−502152A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523211(P2006−523211)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/024123
【国際公開番号】WO2005/018684
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(504003396)デピュイ・スパイン・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Spine,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,MA 02767,U.S.A.
【Fターム(参考)】