説明

位置検出システムおよび位置検出方法

【課題】 物品に付けられた無線タグを読み取ることにより物品の位置を特定する位置検出システムにおいて、より簡易な構成で効率的に物品の正確な位置を特定する。
【解決手段】 無線タグと無線通信装置に接続されたアンテナとの間に遮蔽体を配置し、その遮蔽体によって通信不可となった無線タグの位置情報、識別情報を記憶する位置記憶手段、第1記憶手段、第2記憶手段を備えている。これらの情報を関連付けることにより無線タグの位置の特定を行う位置情報特定手段及び遮蔽体が無線通信装置の通信範囲外に位置する時の無線タグの全識別情報と通信範囲内に位置する時の無線タグの識別情報を元に遮蔽された無線タグの識別情報を特定する識別情報特定手段を有し、遮蔽された無線タグが1つに特定できない場合に送信出力制御手段が無線通信装置の送信出力を適切な値に制御して無線タグの識別情報を1つに特定し、所望の無線タグの位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置の通信範囲に存在する特定の無線タグの位置を検出する位置検出システムおよび位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品に無線タグを取り付け、無線通信装置がアンテナを介して無線タグと通信し情報を読み取ることにより、様々な物品の管理に使用される技術が公開されている。
例えば、アンテナを移動させ郵便物等の物品に取り付けられた無線データキャリア(無線タグ)とデータの読み書きを行うデータ読取り書込み装置が開示されている(特許文献1参照)。
このデータ読取り書込み装置では、書留郵便物に無線タグデータキャリアを取り付けこの書留郵便物を並べてキャリアケースに収納し、無線データキャリアとデータの読み書きを行うRFID質問器に信号線を介してアンテナを接続し、アンテナを移動させる可動機構を設け、無線データキャリアから受信する電磁波の大きさが最大となる位置にアンテナを移動させてデータの読み書きを行っている。
【0003】
また、アンテナを移動させ、物品につけられた無線タグの情報を読み取ることによって、読み取れた無線タグの情報とアンテナの位置情報から物品の位置を特定する無線タグ読取システムの技術が開示されている。(特許文献2参照)。このような無線タグ読取システムでは、郵便物に無線タグを取り付けこの郵便物を並べてキャリアケースに収納し、無線タグに記憶されたタグ番号を読み取るための無線タグ質問器と、この無線タグ質問器にケーブルで接続されたアンテナと、アンテナをキャリアケースの側面に沿って左右に移動させるアンテナ移動機構と、アンテナの移動位置を制御するアンテナ位置制御装置とから構成され、アンテナの位置を指定する位置に移動させて無線タグを読み取る処理を行っている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−037425号公報
【特許文献2】特開2005−247566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、アンテナを移動させ物品に付けられた無線タグの情報を読み取ることによって、データの読み書きや物品の位置を特定する等の処理を行う従来技術の場合、アンテナと無線通信装置を繋ぐために長い同軸ケーブル等のケーブルが必要となり、アンテナを移動させる際にケーブルが移動の障害とならないように、ケーブルの配置の工夫やケーブルを移動させる機構等が必要となり装置全体が複雑で大型となり費用も高価になるという問題あった。
また、アンテナが移動するため、アンテナと無線通信装置を繋ぐケーブルが長くなり、電波がケーブル内を伝送される際の損失が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、物品に付けられた無線タグを読み取ることにより物品の位置を特定する位置検出システムにおいて、より簡易な構成で効率的に物品の位置を特定することが可能な位置検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の位置検出システムは、アンテナと、前記アンテナを介して通信範囲にある無線タグと通信をする無線通信装置と、前記無線通信装置の通信範囲にあるすべての前記無線タグの識別情報を記憶する第1記憶手段と、前記アンテナと前記無線タグとの間に移動可能に設けられ、前記無線タグと前記無線通信装置との通信を遮る機能を備えた遮蔽体と、前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記遮蔽体の位置を記憶する位置記憶手段と、前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記無線通信装置の通信範囲にある複数の無線タグの識別情報を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段と前記第2記憶手段とに記憶されている無線タグの識別情報を比較する第1比較手段と、前記第1比較手段の比較結果を用いて、前記無線通信装置と通信不可となった前記無線タグの識別情報を1つに特定する識別情報特定手段と、前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できる場合、1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより無線タグの位置を特定する位置情報特定手段と、前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できない場合、前記無線通信装置の送信出力を変更して無線通信装置と通信できなくなった前記無線タグの識別情報を1つに特定する送信出力制御手段とを備え、前記位置情報特定手段は1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより無線タグの位置を特定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、送信出力制御手段を用いて無線通信装置からの送信出力を制御することにより、物品に付けられた無線タグの識別情報を1つに特定することができ、その無線タグの位置を正確に検出することができる位置検出システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る位置検出システムの第1実施形態を示すシステム構成の図である。
まず、無線通信装置1は、例えば同軸ケーブルを介してアンテナ2が接続されており、このアンテナ2を介して複数の無線タグ3とデータ等の通信を行うためのリーダライタの機能を有している。無線タグ3は例えば書籍などの物品に取り付けられ固有の識別情報を記憶している。無線タグ3には識別情報以外にも物品を識別する物品コード等を記憶してもよい。無線タグ3は、外部から電波18によって一定値以上の電力を供給されると起動する。無線通信装置1は、アンテナ2を介して無線タグ3からの電波18を受信することによって、通信範囲内に存在する無線タグ3のICに記憶された識別情報等を読み取ることが可能となる。なお、用いるアンテナ2としては、例えば平面アンテナなどが挙げられるが、この無線通信装置1の通信範囲にある複数の無線タグ3と通信できるものであればよい。
【0011】
次に、アンテナ2と無線タグ3の間には無線通信装置1との通信を遮る遮蔽体4が配置されており、さらにこの遮蔽体4を移動させるための移動手段5が備えられている。
【0012】
図2は、遮蔽体4によってアンテナ2から放射された電波18が減衰され、その識別情報が1つに特定された場合の様子を示したものであり、遮蔽体4の機能を説明する。アンテナ2と無線タグ3の間に配置された遮蔽体4は、アンテナ2と遮蔽体4の距離がd離れた地点に位置し、無線タグ3に到達する電波18を減衰させることによって無線通信装置1と無線タグ3のデータ通信の遮蔽を行う。遮蔽体4はアンテナ2から放出される電波18を吸収、反射するなどして減衰させ、遮蔽体4の位置と重なっている無線タグ3の起動に必要な起電力が充分供給されなくなり通信が不可となる。しかしながら、アンテナの指向性や周辺環境の問題により1つの無線タグのみを遮蔽することは難しく、無線通信装置の送信出力が弱いため、無線通信装置と通信できなくなった無線タグが複数検出される場合や、無線通信装置の送信出力が強いため、無線通信装置と通信できなくなった無線タグが検出されないといった問題が生じ、無線タグを1つに特定することができない可能性がある。
【0013】
ここで、図3は電波18が強く遮蔽体4によって減衰させることができないために識別情報が1つに特定されない場合の様子を示したものである。なお、遮蔽体4を配置する場所は、無線通信装置1と無線タグ3の通信を不可とすることができる場所であればよい。遮蔽体4に用いる材質としては、例えば電波18を吸収して通信を不可とする場合はポリウレタンフォームやフェライトなどが挙げられ、電波18を反射して通信を不可とする場合は銅やアルミニウムなどが挙げられるが、無線通信装置1と無線タグ3との通信を不可とするものであればこれらの材質に限定されるものでなくてもよい。
【0014】
次に、遮蔽体4の移動に用いる移動手段5について説明する。移動手段5は、後述する位置記憶手段11に対して同軸ケーブルなどで接続されており、例えばステッピングモータ(図示せず)やサーボモータ(図示せず)等を用いるが、これらは位置記憶手段11が遮蔽体4の位置を記憶することができ、さらに数値制御可能であるものであればよい。
【0015】
移動手段5を、例えばステッピングモータで構成した場合、遮蔽体4の位置移動は一定間隔で制御可能に構成される。また、遮蔽体4が移動する長手方向に合わせてレールを設け、遮蔽体4に自走可能な車輪を設けてレール上を走行させる実施形態が考えられる。このとき車輪を回転させる動力としてステッピングモータを使用すればステッピングモータの回転角度・回転数によって車輪の回転角度・回転数を決めることができ遮蔽体4の移動距離を制御することが可能となる。このとき遮蔽体4が移動する間隔の最小単位を、収納棚に載置された物品の間隔より小さくすると、遮蔽体4が物品の下方に停止することなく物品を通りすぎてしまう可能性が少なくなり、確実に無線タグ3が付された物品の位置を検出することができる。
【0016】
データベース16は、上述の遮蔽体4が停止した位置を記憶する位置記憶手段11、遮蔽体4が通信範囲外に位置している状態で無線通信装置1と通信した時のすべての無線タグ3の識別情報等を記憶する第1記憶手段14、遮蔽体4が無線通信を遮る位置にある場合に無線通信装置1の通信範囲内に存在する複数の無線タグ3の識別情報等を記憶する第2記憶手段15を有する。第1比較手段9は、上述した第1記憶手段14に記憶されている識別情報と第2記憶手段15に記憶されている識別情報を比較する手段である。識別情報特定手段7は、この第1比較手段8の比較結果を用いて、遮蔽体4により無線通信装置1と通信不可となった無線タグ3の識別情報を1つに特定する手段である。さらに、位置情報特定手段6は、通信不可となった無線タグ3の識別情報と位置記憶手段11に記憶されている遮蔽体4の位置情報とを関連付けて特定する手段である。
【0017】
入力手段12は、位置を知りたい所望の無線タグ3の識別情報を入力する例えばキーボード等の手段である。なお、入力された所望の無線タグ3の識別情報は図5で後述するように位置情報特定手段6のデータ内容の無線タグ識別情報エリア25に記録される。続いて第2比較手段10は、入力手段12から入力された使用者が所望する無線タグ3の識別情報と、識別情報特定手段7により1つに特定された無線タグ3の識別情報とを比較する手段である。また、位置情報特定手段6のデータ内容の無線タグ情報エリア25に記憶されている、所望の無線タグ3の位置情報を表示する表示手段8は、入力手段12やデータベース16に接続されて設けられている。なお、表示手段8としてはLEDランプを用いたものや液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどがあるが、表示を行うことが可能な装置であればこれらに限らない。図1の位置情報特定手段6、識別情報特定手段7、第1比較手段9、第2比較手段10、位置記憶手段11、第1記憶手段14、第2記憶手段15、データベース16はパーソナルコンピュータ等を用いてもよいが無線通信装置1内に含まれていてもよい。
【0018】
また、送信出力制御手段13は増幅器などを用いて無線通信装置1からの送信出力の制御を行い、遮蔽体4による無線タグ3の遮蔽に適切な送信出力の設定を行う。
【0019】
無線通信装置1は、遮蔽体4が停止した位置を記憶する位置記憶手段11や無線タグ3の識別情報等を記憶する第1記憶手段14、第2記憶手段15、これらの記憶手段を有するデータベース16、さらに位置情報特定手段6や識別情報特定手段7、また、無線タグ3の識別情報を比較するための第1比較手段9と第2比較手段10、所望の無線タグ3の識別情報を入力する入力手段12と接続されている。
【0020】
制御手段17は例えば無線通信装置1、移動手段5、第1比較手段9、第2比較手段10、入力手段12、表示手段8、データベース16と接続され、各ハードウェアの制御、また、各ハードウェアへのデータの入出力を行う。
【0021】
図4は、データベース16に形成されている無線通信装置1で読み取った無線タグ3の識別情報や遮蔽体4の位置情報等を記憶する第1記憶手段14、第2記憶手段15に記憶されたデータ内容を示した図である。図4(a)は、遮蔽体4が移動する前の状態で無線通信装置1が読み取ったすべての無線タグ3の識別情報等を記憶する第1記憶手段14の記憶データを示した図である。検出対象無線タグエリア19には、位置を知りたい無線タグ3の識別情報が記憶され、遮蔽体位置エリア20には、遮蔽体4が移動した位置が記憶される。本実施形態の場合は、遮蔽体4が無線通信装置の通信範囲外に位置し、移動する前の場合は、遮蔽体位置エリア20に「0」が記憶される。通信可能無線タグエリア21には遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲外に位置する状態で無線通信装置1が読み取った無線タグ3の識別情報が第1識別情報として記憶される。なお、第1記憶手段14は、無線通信装置1の通信範囲内に位置する全ての無線タグ3の識別情報を記憶できれば足りるものであり、検出対象無線タグ情報や遮蔽体位置情報等を記憶することは必須ではない。
【0022】
図4(b)は、遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲内に位置する状態で、無線通信装置1が読み取った無線タグ3の識別情報や遮蔽体4の位置情報を記憶する第2記憶手段15の記憶データの内容を示す図である。通信可能無線タグエリア22には、遮蔽体4が移動した後の状態で無線通信装置1が読み取った無線タグ3の識別情報が第2識別情報として記憶される。後述する位置検出フローチャートにおいて第1記憶手段14の通信可能無線タグエリア21に記憶された第1識別情報と第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に記憶された第2識別情報を第1比較手段9により比較し、このとき、一致しなかった無線タグ3の識別情報が通信不可能無線タグとして通信不可能無線タグエリア23に記憶される。なお、第2記憶手段15は、遮蔽体4が無線通信を遮る位置にある場合に無線通信装置1の範囲にある複数の無線タグ3の識別情報を記憶できればよく、通信不可能無線タグ情報を記憶することは必須ではない。
【0023】
図4(c)は、位置記憶手段11に記憶されているデータを示す図である。遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲内に位置している場合の遮蔽体4の位置を遮蔽体位置エリア24に記憶する。本実施形態の場合は遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲内に位置している時、遮蔽体位置エリア24に「A」が記憶される。
【0024】
図5は、位置情報特定手段11のデータ内容を示した図である。無線タグ識別情報エリア25には位置を知りたい無線タグ3の識別情報を記憶し、その識別情報に関連付けて位置情報エリア26に無線タグ3の位置情報を記憶する。本実施の形態では遮蔽体4が停止した位置Aにおいて通信できなくなった無線タグ3は004であることから、識別情報004を有した無線タグ3の位置情報をAと特定している。
【0025】
次に図6を用いて、数値制御により位置記憶手段11が遮蔽体4の位置を記憶する方法を説明する。
テーブル27は各ステップにおいて遮蔽体4が移動する前の位置を示したもの、移動方向(左の場合は0、右の場合は1)、送信したパルス数、1パルスあたりの移動量、遮蔽体4が移動した後の位置をそれぞれ示したものである。
まず制御手段17から送信されたパルス信号数sに比例して、移動手段5が遮蔽体4を移動させる。
以下の数式〔数1〕により、移動後の遮蔽体4の位置Xを求める。
【数1】

【0026】
ここで、Xは移動した後の遮蔽体4の位置、sは制御手段17が移動手段5に一定間隔で送信したパルス信号数、pは1パルスあたりに移動手段5が遮蔽体4を移動させる距離、cは移動する前の遮蔽体4の位置である。また、上前記数式〔数1〕のnに対して遮蔽体4が右(進行方向)に移動した場合は0を、左(進行方向と逆)に移動した場合は1を代入することで移動した方向を表す。
【0027】
例えば、まず遮蔽体4の初期位置を記憶するために前記数式〔数1〕にs=0、c=0、n=0を代入し、遮蔽体4の初期位置をX=0とする。次に遮蔽体4を右(進行方向)に移動させる場合、一例として制御手段17が移動手段5に一定間隔で送信したパルス信号数を3、移動手段5が遮蔽体4を1パルスあたりに移動させる距離を5、移動する前の遮蔽体4の位置を+0とすると、前記数式〔数1〕により、遮蔽体4が移動した後の位置X’は以下の数式〔数2〕のとおり算出することができる。
【数2】

【0028】
以上のとおり遮蔽体4の移動後の位置は15となり、このようにして遮蔽体の位置について求めることができる。
【0029】
次に遮蔽体4を左(進行方向に対して逆)に移動させる場合、nには1を代入する。ここで、制御手段17が移動手段に一定間隔で送信したパルス信号数を2、移動手段5が遮蔽体4を1パルスあたりに移動させる距離を5、移動する前の遮蔽体4の位置を+15とすると、前記数式〔数1〕により、遮蔽体4が移動した後の位置X’は以下の数式〔数3〕のとおり算出することができる。
【数3】

【0030】
以上のとおり遮蔽体4の移動後の位置は5となり、このようにして遮蔽体の位置について求めることができる。
【0031】
次に、所望する位置に遮蔽体4を移動させたい場合は、前記数式〔数1〕のcに現在の遮蔽体4の位置、Xに所望の遮蔽体4の位置を代入すれば、制御手段17が移動手段5に送信するパルス信号数と遮蔽体4を移動させる方向を算出することができる。すなわち、移動手段5が数値制御可能であれば、前記数式〔数1〕を用いることで遮蔽体4の位置を特定し記憶することができる。
【0032】
制御手段17が処理を行う、位置を知りたい無線タグ3の位置情報を特定する一連の処理について、図7を用いて説明する。
まず、送信出力制御手段13は無線通信装置1の送信出力tを設定する(ステップS7-1)。その際に、例えば初期値tを、t=27dBmとする。次に、制御手段17は位置を知りたい無線タグ3の識別情報を図4(a)の第1記憶手段14の検出対象無線タグエリア19に記憶する(ステップS7-2)。位置を知りたい無線タグ3の情報は、例えばキーボード等の入力手段12を介して入力される場合や、位置検出システムの外部から通信手段(図示せず)を介して入力される場合が考えられる。また、本実施の形態では無線タグ3の識別情報が入力され記憶されるが、無線タグ3が取り付けられた書籍等の物品を識別する物品コードが入力され、記憶されてもよい。
【0033】
遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲外に位置する場合は図4(a)の第1記憶手段14の遮蔽体位置エリア20に「0」を記憶して、無線通信装置1がアンテナ2を介して通信可能な範囲内に位置する全ての無線タグ3と通信を行い、無線タグ3の識別情報を受信し読み取る(ステップS7-3)。そして、制御手段17は第1記憶手段14の通信可能無線タグエリア21に読み取った識別情報を第1識別情報として記憶する(ステップS7-4)。
【0034】
次に、制御手段17は、第1記憶手段14の検出対象無線タグエリア19に記憶した位置を知りたい無線タグ3の識別情報と、通信可能無線タグエリア21に記憶した第1識別情報とを比較し(ステップS7-5)、位置を知りたい無線タグ3の識別情報が通信可能無線タグエリア21に記憶されていない場合は、位置検出を行わないで(ステップS7-5のNo)、処理を終了する。位置を知りたい無線タグ3の識別情報が通信可能無線タグエリア21に記憶されている場合は(ステップS7-5のYes)、無線通信装置1の通信範囲内に位置を知りたい無線タグ3が取り付けられた物品が存在するということになり、その位置を検出するために移動手段5によって遮蔽体4の移動を開始する。
【0035】
制御手段17は、遮蔽体4を一段階移動させ(ステップS7-6)、遮蔽体4が移動した位置で遮蔽体位置情報を前記数式〔数1〕により算出し、図4(c)の位置記憶手段11の遮蔽体位置エリア24に記憶する(ステップS7-7)。本実施形態では遮蔽体位置エリア24に記憶する遮蔽体位置情報を「A」とする。その位置で無線通信装置1が通信範囲内に存在する無線タグ3と通信を行い、無線タグ3の識別情報を受信し読み取る(ステップS7-8)。制御手段17は読み取った識別情報を第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に第2識別情報として記憶する(ステップS7-9)。遮蔽体4が無線通信装置1の通信範囲内に移動していると、遮蔽体4がアンテナ2から放射している電波18を減衰させて、無線通信装置1と通信不可能となり読み取ることができない無線タグ3が発生する。ここで、制御手段17は第1比較手段9に、遮蔽体4が移動する前に読み取った第1識別情報と遮蔽体4が移動した後に読み取った第2識別情報とを比較させる(ステップS7-10)。
【0036】
第1記憶手段14の通信可能無線タグエリア21に記憶した第1識別情報と第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に記憶した第2識別情報が一致する場合は(ステップS7-11のNo)、遮蔽体4によって通信不可能となった無線タグ3が存在しないということなので、制御手段17は第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に記憶した第2識別情報を消去し(ステップS7-16)、さらに遮蔽体4の位置情報を消去する(ステップ7-17)。その後、制御手段17は送信出力制御手段13によって無線通信装置1への送信出力tを初期値から1減らす(t=t−1)(ステップS7-18)。送信出力変更後、ステップS7-8〜S7-11の処理を繰り返す。
【0037】
第1と第2の識別情報が一致しない場合は(ステップS7-11のYes)遮蔽体4によって通信不可能となった無線タグ3が存在することとなる。識別情報特定手段7は一致しなかった無線タグ識別情報が1つか否かを判断し、通信不可となった無線タグの識別情報を複数有する場合は(ステップS7-12のNo)、制御手段17は第2識別情報を消去して(ステップS7-19)、さらに遮蔽体位置情報を消去し(ステップS7-20)、送信出力制御手段13は無線通信装置1の送信出力tを上げる操作を行う(t=t+1)(ステップS7-21)。送信出力を変更後、制御手段17は無線通信装置1の通信範囲にある無線タグを再度読み取り(ステップS7-8)、ステップS7-9〜S7-12の処理を繰り返す。
【0038】
ここで、一致しなかった無線タグ3の識別情報が1つに特定できた場合には(ステップS7-12のYes)、制御手段17はその一致しなかった無線タグ識別情報を記憶する(ステップS7-13)。一致しなかった無線タグ3の識別情報が1つである場合、遮蔽体4によって通信不可能となった無線タグ3が1つ存在するということなので、遮蔽体4は通信不可能となった無線タグ3の直近、つまり真下に移動したことになり、遮蔽体4の位置と通信不可能となった無線タグ3の位置とが重なったことになる。つまり遮蔽体4が移動した位置が通信不可能となった無線タグ3の位置とすることができる。
【0039】
制御手段17はステップS7-12の比較により一致しなかった無線タグ3の識別情報と位置を知りたい無線タグ3の識別情報に対して第2比較手段10を用いて比較を行い、これらの識別情報が一致しない場合は(ステップS7-14のNo)、遮蔽体4を一段階移動させ(ステップS7-6)、ステップS7-6以降のステップの操作を繰り返し行う。
【0040】
一方で、ステップS7-12の比較により一致しなかった無線タグ3の識別情報と位置を知りたい識別情報を、第2比較手段10を用いて比較を行い、これらの識別情報が一致した場合は(ステップS7-14のYes)、通信不可能となった無線タグ3が位置を知りたい無線タグ3であるということなので、位置情報特定手段6はこの無線タグ3の識別情報と遮蔽体4が停止した位置情報とを関連付けて記憶し(ステップS7-15)、位置検出処理を終了する。このように入力手段12によって入力された所望の無線タグ3を特定することができる。
【0041】
第1の実施の形態によれば、無線通信装置1と通信不可となった無線タグ3が1つも特定されない、または複数特定されてしまう場合において、無線通信装置1の送信出力を制御する送信出力制御手段13を用いて無線タグ3の識別情報を正確に1つに特定することができるとともに、無線タグ3の位置を特定することができる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態として、2分探索アルゴリズムを用いて無線通信装置1の送信出力を制御して位置検出を行う方法について、図8を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】
まず、制御手段17は送信出力制御手段13における送信出力tの上限値mと、送信出力の下限値l(=アルファベットL(エル)の小文字)を設定する(ステップS8-1)。
上限値mの初期値は無線通信装置1の送信出力tの最大値、下限値lの初期値は無線通信装置1の送信出力tの最小値である。例えば、ここでは、上限値mに30dBm、下限値lに20dBmの値を設定する。
【0044】
次に、制御手段17は送信出力制御手段13が無線通信装置1に設定する送信出力tを、以下の数式〔数4〕より求める(ステップS8-2)。
【数4】


【0045】
なお、送信出力tの値の小数点以下は切り上げとする。
送信出力制御手段13は、2分探索アルゴリズムを用いてこの送信出力tを変更することにより位置検出を行う。
【0046】
送信出力tが決定した後のステップS8-3からステップS8-11まで、制御手段17は第1の実施の形態と同様の処理を行う。また、制御手段17はステップS8-11までの処理を通して第1記憶手段14の通信可能無線タグエリア21に記憶した無線タグ3の第1識別情報と第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に記憶した無線タグ3の第2識別情報を記憶し、この第1識別情報と第2識別情報の比較を第1比較手段9により行う(ステップS8-11)。このとき、第1の実施の形態と同様に第1記憶手段14に記憶した第1識別情報と第2記憶手段15に記憶した第2識別情報が一致する場合と一致しない場合がある。それぞれの識別情報が一致する場合(ステップS8-12のNo)、通信不可となった無線タグ3が存在しないということである。ここで、制御手段17は通信不可能となった無線タグ3を検出するために、第2識別情報を消去し(ステップS8-17)、遮蔽体位置情報の消去を行う(ステップS8-18)。その後、制御手段17は送信出力制御手段13の現在の送信出力tを上限値として(上限値m=t)、送信出力tを前記数式〔数4〕より求め、送信出力制御手段13に無線通信装置1の送信出力tを下げる制御を行わせる(ステップS8-19)。送信出力tを下げた後、ステップS8-9に戻り、通信範囲にある無線タグ3の識別情報を再度読み取り(ステップS8-9)、第1識別情報と第2識別情報の比較を行う(ステップS8-11)。
【0047】
次に、第1記憶手段14の通信可能無線タグエリア21に記憶した第1識別情報と第2記憶手段15の通信可能無線タグエリア22に記憶した第2識別情報が一致しなかった場合(ステップS8-12のYes)、通信不可能となった無線タグ3が存在するということなので次のステップに進む。識別情報特定手段7により通信できなくなった無線タグ3の識別情報が1つに特定できない場合(ステップS8-13のNo)、制御手段17は第2識別情報の消去を行い(ステップS8-20)、遮蔽体4の位置情報の消去を行う(ステップS8-21)。現在の無線通信装置1の送信出力tを下限として(下限値l=t)、制御手段17は無線通信装置1に設定する送信出力tを前記数式〔数4〕より求め、送信出力制御手段13が無線通信装置1の送信出力tを上げる制御を行う(ステップS8-22)。送信出力を上げた後、通信範囲にある無線タグ3の識別情報を読み取り(ステップS8-9)、第1識別情報と第2識別情報の比較を再度行い(ステップS8-11)、識別情報が1つに特定されるまでこれらの処理を繰り返す。
【0048】
以下、ステップS8-14以降の動作は第1の実施の形態と同様であり、一致しなかった無線タグ3の識別情報が識別情報特定手段7により1つに特定された場合(ステップS8-13のYes)、制御手段17はその無線タグ3の識別情報を記憶し(ステップS8-14)、その記憶した無線タグ3の識別情報が位置を知りたい無線タグの識別情報と一致しない場合(ステップS8-15のNo)は、ステップS8-7に戻り、遮蔽体4を再度一段階移動させて位置検出の動作を行う。一方で、ステップS8-14で記憶した無線タグ3の識別情報が位置を知りたい無線タグ3の識別情報と一致する場合(ステップS8-15のYes)は、通信不可能となった無線タグ3が位置を知りたい無線タグ3であるということなので、位置情報特定手段6はこの無線タグ3の識別情報と遮蔽体4が停止した位置情報とを関連付けて記憶し(ステップS8-16)、位置検出処理を終了する。
【0049】
以上の手順によって、無線通信装置1と通信できなくなった無線タグ3の識別情報を1つに特定するまで、送信出力制御手段13が無線通信装置1の送信出力tを2分探索アルゴリズムにより制御する。送信出力制御手段13が無線通信装置1の送信出力tを制御する方法は上記に記載した方法に限定されず、無線タグ3の識別情報が複数ある場合は送信出力を上げる、識別情報がない場合は無線通信装置1の送信出力を下げることができる方法であればよい。
【0050】
第2の実施形態によれば、2分探索アルゴリズムを用いることにより送信出力制御手段13による送信出力制御が比較的容易な演算により可能となるため、位置検出に伴う煩雑な送信出力制御手順の回避や無線タグ3の位置検出までの時間短縮を図ることができる。
【0051】
なお、本発明は、入力手段12により入力された所望の無線タグ3の位置を特定するものに限らない。すなわち、図7におけるステップS7-5やステップS7-14は本発明において必須ではない。遮蔽体4によって無線通信装置1と通信不可となった無線タグ3の識別情報を1つに特定することができ、この識別情報と遮蔽体4の位置とを関連付けることで無線タグ3の位置が特定されれば本発明は達成される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の装置構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る通信不可となった無線タグの識別情報を1つに特定している場合を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る通信不可となった無線タグの識別情報が存在しない場合を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る第1記憶手段に記憶されているデータ内容を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る第2記憶手段に記憶されているデータ内容を示す図。
【図6】本発明の移動手段の移動ステップを示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る無線タグの位置を特定する処理の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る2分探索アルゴリズムを用いて送信出力を制御する処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0053】
1 無線通信装置
2 アンテナ
3 無線タグ
4 遮蔽体
5 移動手段
6 位置情報特定手段
7 識別情報特定手段
8 表示手段
9 第1比較手段
10 第2比較手段
11 位置記憶手段
12 入力手段
13 送信出力制御手段
14 第1記憶手段
15 第2記憶手段
16 データベース
17 制御手段
18 アンテナから発せられる電波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナを介して通信範囲にある無線タグと通信をする無線通信装置と、
前記無線通信装置の通信範囲にあるすべての前記無線タグの識別情報を記憶する第1記憶手段と、
前記アンテナと前記無線タグとの間に移動可能に設けられ、前記無線タグと前記無線通信装置との通信を遮る機能を備えた遮蔽体と、
前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記遮蔽体の位置を記憶する位置記憶手段と、
前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記無線通信装置の通信範囲にある複数の無線タグの識別情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段と前記第2記憶手段とに記憶されている前記無線タグの識別情報を比較する第1比較手段と、
前記第1比較手段の比較結果を用いて、前記無線通信装置と通信不可となった無線タグの識別情報を1つに特定する識別情報特定手段と、
前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できる場合、1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより前記無線タグの位置を特定する位置情報特定手段と
前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できない場合、前記無線通信装置の送信出力を変更して無線通信装置と通信できなくなった前記無線タグの識別情報を1つに特定する送信出力制御手段とを備え、前記位置情報特定手段は1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより前記無線タグの位置を特定すること
を特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
所望の無線タグの識別情報を入力する入力手段と、
前記入力手段から入力された識別情報と、前記識別情報特定手段により1つに特定された前記無線タグの識別情報とを比較する第2比較手段と、
前記第2比較手段の比較結果が所望の前記識別情報と一致した場合、前記位置情報特定手段により、所望の前記無線タグの位置を特定することを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記送信出力制御手段は、前記識別情報特定手段が前記無線通信装置と通信不可となった前記無線タグの識別情報を有さない場合、前記無線通信装置の送信出力を減少させ、前記識別情報特定手段が前記無線通信装置と通信不可となった前記無線タグの識別情報を複数有する場合は、前記無線通信装置の送信出力を増加させることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記送信出力制御手段は、無線通信装置の最大送信出力を上限とし、最小送信出力を下限とした2分探索アルゴリズムを用いて前記無線通信装置の送信出力の制御を行うことを特徴とする請求項3記載の位置検出システム。
【請求項5】
無線タグがアンテナを介して無線通信装置と通信するステップと、
前記無線通信装置の通信範囲にあるすべての前記無線タグの識別情報を第1記憶手段が記憶するステップと、
遮蔽体が前記アンテナと前記無線タグの間を移動するステップと、
前記アンテナと前記無線タグの間に移動可能に設けられた前記遮蔽体が前記無線タグと前記無線通信装置との通信を遮るステップと、
前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記遮蔽体の位置を位置記憶手段が記憶するステップと、
前記遮蔽体が無線通信を遮る位置にある場合に前記無線通信装置の通信範囲にある複数の無線タグの識別情報を第2記憶手段が記憶するステップと、
前記第1記憶手段と前記第2記憶手段とに記憶されている前記無線タグの識別情報を第1比較手段が比較するステップと、
前記第1比較手段の比較結果を用いて、前記無線通信装置と通信不可となった無線タグの識別情報を識別情報特定手段が1つに特定するステップと、
前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できる場合、1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより位置情報特定手段が前記無線タグの位置を特定するステップと、
前記識別情報特定手段が前記無線タグの識別情報を1つに特定できない場合、前記無線通信装置の送信出力を変更して前記無線通信装置と通信できなくなった前記無線タグの識別情報を送信出力制御手段が1つに特定するステップと、
前記位置情報特定手段は1つに特定された識別情報と前記遮蔽体の位置を関連付けることにより位置情報特定手段が前記無線タグの位置を特定するステップと、
を備えたことを特徴とする位置検出方法。
【請求項6】
入力手段が所望の無線タグの識別情報を入力するステップと、
前記入力手段から入力された識別情報と、前記識別情報特定手段により1つに特定された前記無線タグの識別情報とを第2比較手段が比較するステップと、
前記第2比較手段の比較結果が所望の前記識別情報と一致した場合、前記位置情報特定手段により、所望の前記無線タグの位置を特定するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の位置検出方法。
【請求項7】
前記識別情報特定手段が前記無線通信装置と通信不可となった前記無線タグの識別情報を有さない場合、前記送信出力制御手段に前記無線通信装置の送信出力を減少させるステップと、
あるいは前記識別情報特定手段が前記無線通信装置と通信不可となった前記無線タグの識別情報を複数有する場合に、前記送信出力制御手段が前記無線通信装置の送信出力を増加させるステップと、
を備えたことを特徴とする請求項5記載または請求項6記載の位置検出方法。
【請求項8】
無線通信装置の最大送信出力を上限とし、最小送信出力を下限とした2分探索アルゴリズムを用いて前記送信出力制御手段に、前記無線通信装置の送信出力の制御を行わせるステップと、を備えたことを特徴とする請求項7記載の位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−121856(P2009−121856A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293798(P2007−293798)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】