説明

低圧放電ランプ

本発明は、ガス充填剤を収容する放電空間(2)を取り囲むガス放電管(1)を含み、電磁場を生成する手段(3)と低圧ガス放電を生成し且つ維持するための手段とをさらに含む、低圧ガス放電ランプの改良に関する。ランプは、放電ランプが、ガス放電管の表面の上に第一蛍光体塗膜を備え、且つ、第二蛍光体塗膜を備え、第二蛍光体塗膜は、第一蛍光体塗膜と比べ放電空間からより離れたランプの表面上に設けられ、第一蛍光体塗膜は、温度安定的な蛍光体の群から選択されることを特徴とする。低圧放電ランプは、商業的に入手可能な低圧放電ランプに比べて効率の増大及びソラリゼーションの減少をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス充填剤を収容する放電空間を取り囲むガス放電管を含み、低圧ガス放電を発生し且つ維持するために電磁場を生成する手段を含む低圧ガス放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
低圧放電ランプにおける光発生は、放電担体、具体的には、電子(イオンも同様)が、ランプの電場によって強く加速されるので、ランプのガス充填剤中のガス原子又は分子との衝突が、これらのガス原子又は分子を励起させ或いはイオン化させるという原理に基づいている。ガス充填剤の原子又は分子が、より低いエネルギ状態に戻るとき、励起エネルギの多かれ少なかれ実質的な部分が放射線に変換される。
【0003】
従来的な低圧ガス放電ランプは、ガス充填剤中に水銀を含み、加えて、ガス放電管上に蛍光体塗膜を備える。水銀定圧放電ランプの欠点は、水銀蒸気が、主として、高エネルギであるが電磁スペクトルの非可視UV−C範囲にある放射線を放射し、その放射線が、蛍光体によって、より低いエネルギレベルを有する可視放射線に先ず変換されなければならないことに存する。このプロセスにおいて、エネルギ差は、望ましくない熱放射に変換され(「ストークス損失」)、それは放電効率を減少する。
【0004】
米国特許第6,731,070号に記載されているような、他の低圧ガス放電ランプは、多くの可視及び近可視放射線を生成するカルコゲニドを伴うガス充填剤を使用する。従って、蛍光体による可視放射線への変換は、ストークス損失の減少を伴い、それは有利である。しかしながら、ランプは、高い放電効率のために必要とされる最適な蒸気圧を生成するために、高温を必要とする。
【0005】
ハロゲン化金属又は水銀充填剤のような充填剤を用いるランプは、少なくとも(UV−B及びUV−C型の)多少の短波UV光を生成する。ランプのガラス部分を短波UV光に晒すことは、ガラス構造に対する損傷を招き得る。この所謂ソラリゼーション(solarization)は、ランプのガラス部分の透過の減少を招き、ガラスの茶色がかった変色さえ引き起こし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
改良されたガス放電効率を伴う低圧ガス放電ランプを生成することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載されるような低圧ガス放電ランプによって達成される。第一及び第二の蛍光体塗膜を備えるガス放電ランプを提供することによって、第一蛍光体塗膜は、温度安定的な蛍光体から選択され、ガス放電効率は、既知の放電ランプに比べ改良される。好ましくは、第一蛍光体塗膜は、ガス放電管の内表面上に設けられる。広範囲の充填剤が、ソラリゼーションのような問題を生み出さずに、本発明に従ったランプにおいて使用され得る。UV−B及びUV−Cに対して透過性のある高価なガラスを使用する必要なしに、例えば、短波UV−B及びUV−C光から利益を享受することが今や可能になる。正に、光がガラスガス放電管に達する前に、短波UV光の少なくとも一部が、第一蛍光体塗膜によって、より長い波長の光に変換される。光が最終的にガラスに衝突するとき、光はガラスに対して余り有害ではない、即ち、最新技術に従ったランプよりも少ない変色及びソラリゼーションを引き起こす。ランプを始動するときに、即ち、充填剤の蒸気圧が未だ十分ではなく、ガス放電が希ガスによって支配されているときに、追加的な利点が生じる。希ガス放電の特性の1つは、極めて低い波長の、典型的には200nmより下の発光であり、普通、遠紫外光と呼ばれる。本発明に従ったランプは、光がランプのガラス部分に実際に衝突する前に、この極めて低い波長の光の少なくとも一部をより長い波長の光に変換する。
【0008】
第一蛍光体塗膜を使用することによって、本発明に従ったランプは、従来的な低圧放電ランプの視力効率(visual efficiency)よりも実質的に高い視力効率を有する。ルーメン/ワットで表現される視力効率は、特定の可視波長範囲内の放射線の輝度と放射線を生成するためのエネルギとの間の比率である。本発明に従ったランプの高い視力効率は、光の特定の量がより低い電力消費で得られることを意味する。その上、少なくとも2つの蛍光体を使用することによって、ランプが改良された演色をもたらすようにこれらを選択することが可能である。
【0009】
本出願の脈絡において温度安定的な蛍光体に言及するとき、100℃よりも高い、好ましくは150℃よりも高い、最も好ましくは200℃よりも高い温度によって実質的に影響されないより長い波長の(例えば、可視的な)光へ紫外光を変換する効率を示す蛍光体が意味される。好適な第一蛍光体塗膜は、アルミン酸金属及び/又は金属酸化物で構成される群から選択される。
【0010】
高い温度急冷特性を備える特に適した蛍光体は、SON[(Sr,Ba)Si:Eu]、(Ba,Sr)O:Eu、BOSE[(Ba,Sr)SiO:Eu]、及び、YSiO:Ce,Tbのような緑色蛍光体、OSE[(Ca,Sr)SiO:Eu]、CaAlSiN:Ce、及び、YAG:Ce[YAl12:Ce]のような黄色/橙色蛍光体、CaMg12:Euのような白色蛍光体、並びに、YOS[YS:Eu]、SSNE[SrSi:Eu]、LaPO:Eu、及び、CaAlSiN:Ceのような赤色蛍光体を含む。これらの蛍光体は、好ましくは、約200℃より下で第二蛍光体として使用される。
【0011】
低い温度急冷特性を備える特に適した蛍光体は、BAM[(Ba,Mg)Al1017:Eu]のような青色蛍光体、CBT[(Ce,Gd)MgB10:Tb]、CAT[(Ce,Tb)MgAl1119]、BAM−green[BaMgAl1627:Eu,Mn]、SSON[SrSi:Eu]、及び、SrGa:Euのような緑色蛍光体、MgGeO5.5F:Mn、SrSi:Eu、及び、SrS:Euのような橙色蛍光体、並びに、YOX[Y:Eu]、Y−vanadate[YVO:Eu]、Y(P,V)O:Eu、及び、Y(P,V)O:Eu,Biのような赤色蛍光体を含む。これらの蛍光体は、好ましくは、典型的には200℃よりも上で第一蛍光体として使用される。特に好適な第一蛍光体は、アルミン酸バリウムマグネシウム、アルミン酸セリウムテルビウムマグネシウム、及び、酸化イットリウム、並びに、それらの組み合わせを含む。
【0012】
本発明に従った他の好適実施態様において、低圧ガス放電ランプは、第一蛍光体塗膜が、UV−A及び/又は青色発光蛍光体を含み、第二蛍光体層は、UV−A及び/又は青色放射線に晒されるときに励起される蛍光体を含む点で特徴付けられる。この実施態様では、第一蛍光体層の含有物は、少なくとも部分的に青色光に変換するのに対し、第二蛍光体層内の含有物は、青色光を所望の波長を備える光にさらに変換する。この実施態様において特に好ましいのは、選択的に他の蛍光体との組み合わせにおける、第一蛍光体としてのBAM[(Ba,Mg)Al1017:Eu]、及び、選択的に他の蛍光体との組み合わせにおける、第二蛍光体としてのYAG:Ce[YAl12:Ce]である。
【0013】
本発明の他の好適実施態様において、低圧ガス放電ランプは、ガス放電管が、赤外線反射塗膜を備える点で特徴付けられる。赤外線反射塗膜はそれ自体既知であり、普通、ガス放電ランプの効率を向上するために使用される。ランプの効率は、ランプによって放射される赤外エネルギの実質的部分が放電地域に向かって反射して戻され、それによって、必要な励起源からの入力電力の増大なしに、放電地域内の温度が上昇するという事実によって改良される。しかしながら、UV−B光及びUV−C光のような短波紫外光を使用するとき、赤外線反射層の使用は、普通、効率の減少を招く。何故ならば、UV−B放射線及びUV−C放射線の実質的部分が、赤外線反射層によって吸収されるからである。これは、例えば、インジウムドープスズ酸化物(ITO)及びフッ素ドープスズ酸化物(FTO)のような、350nm波長より下の強い吸収を有する赤外線反射層が使用される場合に特に当て嵌まる。高度に伝導的で透明なアルミニウム及びガリウムドープ亜鉛酸化物(ZnO:Al及びZnO:Ga)も使用され得る。
【0014】
本発明に従った特に好適な低圧ガス放電ランプは、赤外線反射塗膜が、ガス放電管の外表面上に位置付けられる点で特徴付けられる。ランプのこの実施態様は、特に赤外線反射塗膜が金属酸化物の群、具体的には、スズ酸化物、より具体的には、ITO及び/又はFTOから選択されるとき、赤外線反塗膜を備えないランプと比べ改良された効率を示す。
【0015】
本発明によれば、低圧ガス放電ランプは、第二蛍光体塗膜を備える。この第二蛍光体塗膜は、原則的には、その実質的に前面を覆って或いはそれらの部分のみを覆って、放電管及び/又は外部ランプ電球に塗布され得る。本発明によれば、第二蛍光体塗膜は、第一蛍光体塗膜よりも放電空間からより離れた表面の上に設けられることが理解されるべきである。好適実施態様は、その外表面上に第二蛍光体塗膜を備えたガス放電管を有する。そのような構造は容易に製造され得るし、その上、第一塗膜から既に変換された光がより長い波長範囲内の光にさらに或いは部分的に変換され得ることを保証する。他の好適な選択肢は、そのランプ電球が、好ましくは、その外表面上に第二蛍光体塗膜を備える、低圧ガス放電ランプを提供することである。ガス放電空間からより離れて第二蛍光体塗膜を提供することは、一般的に、より一般的な蛍光体、即ち、より少ない安定性の蛍光体の使用を可能にする。そのような蛍光体はそれ自体既知であり、希土類三リン酸体のような希土類蛍光体を含むが、ハロリン酸(halophosphate)蛍光体又は紫外光を吸収する当該技術分野において既知の如何なる他の蛍光体をも含む。
【0016】
本発明の範囲内で、ガス放電管及び/又はランプ電球は、それらの外表面上にさらなる蛍光体塗膜を含むことが好適であり得る。本発明に従った低圧ガス放電ランプによって放射される残余のUV−A放射線は、通例のガラス種類によっては吸収されず、実質的に損失なしで放電管の壁を通過する。従って、このUV−A放射線を可視光に少なくとも部分的に変換し、ランプの効率をさらに増大するために、追加的な蛍光体塗膜が、ガス放電管及び/又はランプ電球の外部上に設けられ得る。
【0017】
本発明は以下の非限定的な実施態様によって今やさらに例証される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面は純粋に概略的であり、原寸通りに描写されていない。特に、明瞭性のために、一部の寸法は強く誇張されている。類似の構成部品は、可能な限り同一の参照番号によって示されている。
【0019】
図1及び図2に示される実施態様において、本発明に従った低圧放電ランプは、放電空間2を取り囲む実質的にトーラス形状の放電管1で構成されている。電磁場を生成する手段3が、典型的には熱を均一化する熱伝導体3a、及び、放電空間2内に存在するガス放電を点火し得るフェライト素子3bの形態で、中心に配置されている。誘導性手段3は、ランプのベース10に接続されている。低圧ガス放電ランプは、それ自体既知の方法で、ガス放電ランプの点火及び動作を制御するために使用される電気安定器をさらに含む。
【0020】
ガス放電ランプ1は、代替的に、円筒形、複合屈曲、ドーム形状、ドーナッツ形状、或いは、コイル管であるよう具現化され得る。放電管1は、普通、外部ランプ電球によって取り囲まれている。ガス放電管の壁は、好ましくは、ガラス種類、石英、酸化アルミニウム、又は、イットリウムアルミニウムガーネットから成る。例えば、ソーダ石灰ガラスのような、より一般的でより安価なガラス材料も使用され得ることが、本発明の利点である。外部ランプ電球4と放電管1との間には、好ましくは、熱伝導性を避け或いは少なくとも抑制するために、約2パスカルより下の圧力を有する(部分的な)真空地域8が設けられる。図1を参照すると、真空地域は、放電管1と外部ランプ電球4との間に位置付けられるドーム11の排気によって創成されている。図2を参照すると、真空地域8は、内部電球12に気密に接続された外部ランプ電球4で構成されるドーム11の内部空間の排気によって創成されている。ランプの温度設計に依存して、真空地域8は省略され得る。
【0021】
再び図1及び図2の両方を参照すると、本発明に従ったガス放電ランプにおいて使用されるガス充填剤は、当該技術分野において既知の如何なる充填剤でもあり得る。例えば、所望であれば、希ガス又は不活性ガスと共にハロゲン化金属を使用することが可能である。適切なガス充填剤の例は、場合によっては、不活性ガスで、インジウム、亜鉛、又は、ガリウムで補足された、ハロゲン化インジウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ガリウム、及び、他の適切なハロゲン化金属、及び、これらの充填剤の組み合わせを含む。例えば、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び/又は鉛のカルコゲニド、及び、不活性ガスを使用することも可能である。不活性ガスは、緩衝ガス(buffer gas)として作用し、ガス放電がより容易に点火されることを可能にする。緩衝ガスのために、好ましくは、アルゴンが使用される。アルゴンは、全体的に或いは部分的に、ヘリウム、ネオン、クリプトン、又は、キセノンのような他の不活性ガスと置換され得る。
【0022】
本発明によれば、ガス放電ランプは、図示の実施態様では、ガス放電管1の内表面に塗布される第一蛍光体塗膜5を備える(塗膜厚さは誇張して示されており、概略的であるに過ぎない)。第一蛍光体塗膜5は、好ましくは、150℃よりも高い、高温で使用され得る。第一蛍光体として使用されるべき極めて適切な蛍光体は、アルミン酸バリウムマグネシウム(BaMgAl1017:Eu)、アルミン酸セリウムテルビウムマグネシウム((Ce,Tb)MgAl1119)、酸化イットリウム(Y:Eu)、ゲルマニウム酸マグネシウム(MgGeO5.5F:Mn)、バナジン酸イットリウム、及び、これらの混合物を含む。
【0023】
有利な手段によれば、動作中に放電管内の高い内部温度が維持されるよう、適切な構造的手段を用いてランプの動作温度を制御することによって、低圧ガス放電ランプのルーメン効率の増大が達成され得ることがさらに分かった。ガス放電管11内の内部温度を上昇するために、管は、好ましくは、その外側表面上で、赤外線反射層6で塗工される。好ましくは、フッ素ドープされた酸化スズの赤外線反射塗膜が使用される。
【0024】
ランプ電球4の内表面は、第二蛍光体層7で渡航されている。ガス放電空間2に由来する紫外線は、ランプから可視範囲内の光を放射するために第一蛍光体層5及び第二蛍光体層7の両者内で蛍光体を励起する。第一蛍光体層及び第二蛍光体層の化学組成は、光スペクトル及びその階調を決定する。蛍光体として適切に使用され得る材料は、生成される放射線を吸収し、前記放射線を、例えば、三原色、赤色、青色、及び、緑色のための適切な波長範囲内で放射し、且つ、達成されるべき高蛍光量子収率を可能にしなければならない。
【0025】
本発明によれば、第二蛍光体塗膜は、必ずしも高温安定挙動を示すものに限られず、広範囲の適切な蛍光体から選択され得る。適切な第二蛍光体は、例えば、イットリウム硫酸化物ユーロピウム(YS:Eu)、ガドリニウム硫酸化物ユーロピウム、OSE(CaSrSiO:Eu)、BOSE((BaSr)SiO:Eu)、及び、イットリウムアルミニウムグラネートセリウム、YAG−セリウム(YAl12:Ce3+)を含むが、他も同様に使用され得る。
【0026】
本発明によれば、例えば、ガス放電管内に配置される従来的な電極を使用してランプを励起することが可能である。他の実施態様によれば、ランプは、例えば、2.65MHz又は13.56MHzの周波数を有する高周波数場を使用して容量的に励起され、その場合には、電極は、ガス放電管の外側上に設けられる。例えば、100kHz、2.65MHz、又は、13.56MHzの周波数を有する高周波場を使用して誘導的に励起されるランプを提供することも可能である。ランプは、2.4GHzのような典型的なマイクロ波周波数を使用して電磁的にも励起され得る。
【0027】
ランプが点火されると、ガス充填剤の励起原子及び分子は、特性放射線及び連続的な分子スペクトルから紫外線及び/又は可視放射線を放射する。放電は、光出力が最適な所望の蒸気圧及び所望の動作温度が達成されるよう、ガス充填剤を加熱する。本発明によれば、放電2は、典型的にはUV−A範囲の波長内の主寄与を備える可視光及び紫外光を生成する。紫外光のUV−B部分及びUV−C部分は、第一蛍光体塗膜層5によって、少なくとも部分的により長い波長の光に変換される。次に、このより長い波長の光は、UV−A光(少なくともUV−B光及びUV−C光よりもより長い波長の光)と共に、放電管1の壁を通じて透過される。図示の実施態様において、赤外線反射層6は、放電管1及び放電2から放射される赤外線を反射し、放電2を加熱する。ランプの始動後、不活性ガスから生成されるUV−C放射線も、第一蛍光体塗膜層5によって、少なくとも部分的に可視光に変換される。短い波長の放射線は、放電管壁1に衝突する前に、より長い波長の光に変換されるので、この壁は、余り変色或いはソラリゼーションしがちではなく、従って、ソーダ石灰ガラスのような通常のガラスから製造され得る。第二蛍光体塗膜層7は、本発明によれば、放電管1から放射されるUV−A光を実質的に吸収し、この光を可視光に変換する。
【0028】
代替的な実施態様において、第二蛍光体層7は、赤外線反射層6の上で、ガス放電管1の外表面上に位置付けられる。図1を参照すると、他の代替的な実施態様において、赤外線反射層6は、放電管1に面するドーム11の内壁13の側の上に位置付けられる。さらなる代替的な実施態様では、第二蛍光体層7は、ドーム11の外壁14の側の上に位置付けられる。上述の実施態様は本発明を制限するよりもむしろ例証するものであること、並びに、当業者は付属の請求項の範囲から逸脱せずに多くの代替的な実施態様を設計し得ることが付記されなければならない。請求項中、括弧の間に配置される如何なる参照符号も、請求項を制限するよう解釈されてはならない。動詞「含む」及びその活用形の使用は、請求項中に述べられる以外の素子又はステップの存在を排除しない。素子に先行する不定冠詞は、そのような素子が複数存在することを排除しない。特定の手段が相互に異なる従属項中で列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示さない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に従った低圧放電ランプの第一実施態様を示す正面図である。
【図2】本発明に従った低圧放電ランプの第二実施態様を示す正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間を取り囲み且つガス充填剤を収容するガス放電管を含み、低圧ガス放電を生成し且つ維持するために電磁場を生成する手段をさらに含む、低圧ガス放電ランプであって、当該低圧ガス放電ランプは、前記ガス放電管の表面の上に第一蛍光体塗膜を備え、且つ、第二蛍光体塗膜を備え、該第二蛍光体塗膜は、前記第一蛍光体塗膜と比べ前記放電空間からより離れた当該ランプの表面の上に設けられ、前記第一蛍光体塗膜は、温度安定的な蛍光体の群から選択されることを特徴とする、低圧ガス放電ランプ。
【請求項2】
前記第一蛍光体塗膜は、アルミン酸金属及び/又は金属酸化物で構成される群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項3】
前記第一蛍光体塗膜は、UV−A及び/又は青色発光蛍光体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項4】
前記第二蛍光体層は、UV−A及び/又は青色放射線に晒されるときに励起される蛍光体を含むことを特徴とする、請求項3に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項5】
前記ガス放電管は、その内表面上に前記第一蛍光体塗膜を備えることを特徴とする、請求項4に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項6】
前記ガス放電管は、その外表面上に前記第二蛍光体塗膜を備えることを特徴とする、請求項5に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項7】
当該ランプは、前記ガス放電管を取り囲む外部ランプ電球をさらに含み、該外部ランプ電球は、前記第二蛍光体塗膜を備えることを特徴とする、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項8】
前記外部ランプ電球は、その内表面上に第二蛍光体塗膜を備えることを特徴とする、請求項7に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項9】
前記ガス放電管は、赤外線反射塗膜を備えることを特徴とする、請求項1に記載の低圧ガス放電ランプ。
【請求項10】
前記赤外線反射塗膜は、前記ガス放電管の外表面上に位置付けられることを特徴とする、請求項9に記載の低圧ガス放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535772(P2009−535772A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508564(P2009−508564)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051490
【国際公開番号】WO2007/125471
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】