説明

低圧蒸気タービン

【課題】給水加熱器内で沸騰し蒸発した蒸気が蒸気通路に逆流した場合に、静翼や動翼に作用する流体力の変動を抑制することができる低圧蒸気タービンを提供する。
【解決手段】低圧蒸気タービン12は、ケーシング20と、ケーシング20内に貫設され、複数段の動翼21が植設されたタービンロータ22と、ケーシング20に、タービンロータ22の軸方向に動翼21と交互に配設された複数段の静翼23と、静翼23と動翼21とから構成される複数の段落を有する蒸気流路に蒸気を導入する蒸気入口管と、最終段の動翼を通過した蒸気を外部に導く排気流路とを備える。また、低圧蒸気タービン12は、所定の段落間に設けられた抽気口30を介して蒸気通路24を流れる蒸気の一部をケーシング20の肉厚内に導くための抽気流路31と、この抽気流路31に連通する空洞部32を周方向に亘って備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧蒸気タービンに係り、特に、給水加熱器からのフラッシュバックの影響を抑制することができる低圧蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントの蒸気タービンシステムでは、生成された蒸気は、高圧タービンから低圧タービンを通過しながら熱エネルギを回転エネルギに変換し、復水器で水の状態となった後に再び給水ラインに送られる。給水ラインには、例えば、数段の低圧給水加熱器と高圧給水加熱器が設けられている。これらの低圧給水加熱器や高圧給水加熱器を通過する給水は、蒸気タービンのタービン通路部から抽気された高温の蒸気によって加熱される。
【0003】
次に、従来の低圧タービンにおける抽気をするための構成について説明する。図8は、従来の低圧タービン300における、タービンロータ312の軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。図9は、従来の低圧タービン300のタービンロータ312の軸方向に垂直な断面を示した図である。なお、図9では、蒸気通路の構成、すなわち、動翼、ノズル、タービンロータなどの構成の図示を省略し、主として、ケーシング310内における抽気された蒸気が流れる通路について示している。
【0004】
図8に示すように、低圧タービン300において、ケーシング310内に動翼311が植設されたタービンロータ312が貫設されている。また、ケーシング310の内側面には、タービンロータ312の軸方向に動翼311と交互になるように静翼313が配設されている。そして、静翼313からなる周方向の翼列と、この翼列の直下流側に位置する、動翼311からなる周方向の翼列とで、一つの段落を構成している。また、段落は、タービンロータ312の軸方向に複数段形成され、蒸気通路314を構成している。
【0005】
また、図示しないが、最終段落を通過した蒸気は、排気通路を介して真空度の高い復水器に導かれる。そのため、蒸気通路314を流れる蒸気は、排気通路側(出口側)に向かって膨張する。そこで、蒸気通路314の断面積が下流に行くに伴い徐々に拡大するように構成されている。
【0006】
また、所定の段落間には、蒸気通路314を流れる蒸気の一部を抽気するために、蒸気通路314を構成する外周側の側壁に、周方向に亘ってスリット状の抽気口320が設けられている。また、この抽気口320に連通するように、ケーシング310の肉厚内には、抽気流路321が周方向に亘って形成されている。なお、図9に示すように、抽気流路321内には、ケーシング310の機械的強度を維持し、ケーシング310を分割する際に必要な複数の補強リブ322が周方向に設けられている。また、図9に示すように、抽気流路321の端部には、抽気された蒸気を給水加熱器(図示しない)に導くための抽気管323が設けられている。
【0007】
このように構成された従来の低圧タービン300において、通常運転時には抽気口320における圧力は、給水加熱器内の圧力より高いため、蒸気通路314から、抽気口320、抽気流路321、抽気管323を介して給水加熱器に向かう蒸気の流れが生じる。
【0008】
一方、負荷遮断時などの、蒸気通路314を流れる蒸気流量が低下するときには、段落での負荷が小さくなり、抽気口320の圧力は復水器に近い負圧となる。そのため、抽気口320の圧力が、給水加熱器内の圧力より低くなり、給水加熱器内の水が沸騰して蒸発する。そして、その蒸発した蒸気が抽気管323を通って抽気口320から蒸気通路314内に逆流することがある。その際、上記したように、抽気流路321内には、複数の補強リブ322が周方向に設けられているため、抽気流路321内に逆流してきた蒸気は、周方向に分布を有し、その分布を維持した状態で、蒸気通路314内に逆流する。すなわち、蒸気通路314内に逆流する蒸気の流量が、周方向に亘って不均一となる。
【0009】
蒸気通路314内に逆流する蒸気がこのような分布を有することは、抽気口320に近接する段落の動翼311に作用する流体力を変動させる原因となることがある。
【0010】
このような低圧蒸気タービンの低負荷時における蒸気の逆流現象に対応するために、負荷遮断信号が入力されたとき、もしくは圧力変動検出器から抽気口の圧力変動を感知したときなどに、給水加熱器内のドレンを急激に減少あるいは空にする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、低圧蒸気タービンの低負荷時における蒸気の逆流現象に対応するために、給水加熱器内の温度を低減させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、低圧蒸気タービンの低負荷時における蒸気の逆流現象に対応するために、低い回転速度を維持するように、蒸気流量調節弁によって、低圧蒸気タービンに供給する蒸気量を調節する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−101494号公報
【特許文献2】特開2008−75526号公報
【特許文献3】特開2008−75580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したような従来の低圧蒸気タービンにおいて、給水加熱器内で沸騰し蒸発した蒸気が蒸気通路内に逆流した場合に、この過渡的な逆流によって蒸気通路に配列された動翼の振動応力が増加することがあった。また、蒸気通路への逆流は、蒸気通路を流れる主流とほぼ直交するように衝突して混合するため、主流が大きく乱され、多数の渦が生成され、動翼に作用する流体力が増加することがあった。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、給水加熱器内で沸騰し蒸発した蒸気が蒸気通路に逆流した場合に、静翼や動翼に作用する流体力の変動を抑制することができる低圧蒸気タービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、抽気された蒸気を外部に設けられた給水加熱器に導く抽気管を備えた低圧蒸気タービンであって、ケーシングと、前記ケーシング内に貫設され、複数段の動翼が植設されたタービンロータと、前記ケーシングに、前記タービンロータの軸方向に前記動翼と交互に配設された複数段の静翼と、前記ケーシングを貫通し、前記静翼と前記動翼とから構成される複数の段落を有する蒸気流路に、外部からの蒸気を導入する蒸気入口管と、膨張仕事をしながら前記蒸気流路を流動し、最終段の動翼を通過した蒸気を前記ケーシング内から外部に導く排気流路と、前記蒸気流路の外周側の壁部を構成する前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、所定の前記段落間から前記蒸気流路を流れる蒸気の一部を抽気するための抽気口を有し、抽気した蒸気を前記抽気管に導く抽気流路と、前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、前記抽気流路に連通する空洞部とを具備することを特徴とする低圧蒸気タービンが提供される。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、抽気された蒸気を外部に設けられた給水加熱器に導く抽気管を備えた低圧蒸気タービンであって、ケーシングと、前記ケーシング内に貫設され、複数段の動翼が植設されたタービンロータと、前記ケーシングに、前記タービンロータの軸方向に前記動翼と交互に配設された複数段の静翼と、前記ケーシングを貫通し、前記静翼と前記動翼とから構成される複数の段落を有する蒸気流路に、外部からの蒸気を導入する蒸気入口管と、膨張仕事をしながら前記蒸気流路を流動し、最終段の動翼を通過した蒸気を前記ケーシング内から外部に導く排気流路と、前記蒸気流路の外周側の壁部を構成する前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、所定の前記段落間から前記蒸気流路を流れる蒸気の一部を抽気するための抽気口を有し、抽気した蒸気を前記抽気管に導く抽気流路と、前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って、かつ前記抽気口につながる前記抽気流路の一部に隣接して形成され、前記抽気管を介して前記給水加熱器から蒸気が逆流した際、前記蒸気流路内に逆流した蒸気を所定の方向に噴出可能な噴出口を有する蒸気流路と、前記逆流した蒸気を前記抽気流路から前記蒸気流路に誘導するための案内部材とを具備することを特徴とする低圧蒸気タービンが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の低圧蒸気タービンによれば、給水加熱器内で沸騰し蒸発した蒸気が蒸気通路に逆流した場合に、静翼や動翼に作用する流体力の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態の低圧蒸気タービンを備える蒸気タービンシステムの一例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図3】他の構成の空洞部を備える第1の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図4】空洞部が静翼の内部に亘って設けられた第1の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図5】第2の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図6】第3の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図7】第3の実施の形態の低圧蒸気タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図8】従来の低圧タービンにおける、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【図9】従来の低圧タービンのタービンロータの軸方向に垂直な断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態を図を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12を備える蒸気タービンシステム1の一例を示す図である。図2は、第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12における、タービンロータの軸方向に沿う蒸気通路24の断面の一部を示した図である。
【0020】
図1に示すように、蒸気タービンシステム1は、蒸気発生部10、高圧蒸気タービン11、低圧蒸気タービン12、復水器13、復水ポンプ14、給水加熱器15、発電機17を主要部として構成されている。なお、この蒸気タービンシステム1の構成は、これに限られるものではなく、例えば、複数の低圧蒸気タービン12を備える蒸気タービンシステムであってもよい。
【0021】
ここで、蒸気発生部10は、蒸気を発生させるものであり、例えば、原子炉の炉心で発生した熱によって蒸気を生成するものである。具体的には、蒸気発生部10は、沸騰水型原子炉(BWR)では原子炉を意味し、加圧水型原子炉(PWR)では蒸気発生器を意味する。
【0022】
図1に示すように、蒸気発生部10で発生した高温高圧の蒸気は、高圧蒸気タービン11に導入され、膨張仕事をした後、湿分分離器(図示しない)を通り、低圧蒸気タービン12に導入される。ここで、図示しないが、例えば、蒸気発生部10と高圧蒸気タービン11との間や高圧蒸気タービン11と低圧蒸気タービン12との間には、蒸気流量を調整する蒸気流量調整弁などが備えられている。
【0023】
なお、ここでは、湿分分離器を通り、水滴が除去された蒸気を直ちに低圧蒸気タービン12に導入する方式を示しているが、この方式に限られるものではない。例えば、湿分分離器を通り、水滴が除去された蒸気を、例えば、高圧蒸気タービン11に導入される蒸気の一部や、高圧蒸気タービン11から抽気された蒸気を利用して加熱器により加熱する蒸気再熱方式を採用してもよい。
【0024】
低圧蒸気タービン12で膨張仕事をした蒸気は、復水器13で凝縮されて水(給水)となった後、復水ポンプ14で給水加熱器15に送り込まれる。給水加熱器15には、抽気管16を介して低圧蒸気タービン12から抽気された蒸気が導入され、この抽気された蒸気によって、給水加熱器15を流れる給水は加熱される。給水加熱器15で加熱された給水は、蒸気発生部10に導かれ、再度加熱されて高温高圧の蒸気となり、高圧蒸気タービン11に導入される。また、低圧蒸気タービン12のタービンロータの回転を利用して、発電機17を回転させ電力を発生する。
【0025】
次に、第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12について説明する。
【0026】
図2に示すように、低圧蒸気タービン12は、ケーシング20を備え、ケーシング20内に動翼21が植設されたタービンロータ22が貫設されている。また、ケーシング20の内側面には、タービンロータ22の軸方向に動翼21と交互になるように静翼23が配設されている。そして、静翼23からなる周方向の翼列と、この翼列の直下流側に位置する、動翼21からなる周方向の翼列とで、一つの段落を構成している。また、段落は、タービンロータ22の軸方向に複数段形成され、蒸気通路24を構成している。また、低圧蒸気タービン12は、蒸気通路24を通り最終段落を通過した蒸気をケーシング20内から外部に導く排気通路(図示しない)を備えている。
【0027】
この低圧蒸気タービン12において、蒸気入口管(図示しない)を経て、蒸気通路24内に流入した蒸気は、各段落の静翼23と動翼21との間を通り、タービンロータ22を回転させる。蒸気通路24を通り最終段落を通過した蒸気は、排気通路を介して真空度の高い復水器13に導かれる。そのため、蒸気通路24を流れる蒸気は、排気通路側(出口側)に向かって膨張する。そこで、蒸気通路24の断面積が下流に行くに伴い徐々に拡大するように構成されている。
【0028】
また、所定の段落間には、蒸気通路24を流れる蒸気の一部を抽気するために、蒸気通路24を構成する外周側の側壁となるケーシング20の内壁に、周方向に亘ってスリット状の抽気口30が設けられている。また、ケーシング20の肉厚内には、この抽気口30を介して抽気された、蒸気通路24を流れる蒸気の一部を流動させるための抽気流路31が形成されている。なお、図9に示した構成と同様に、抽気流路31には、ケーシング20の機械的強度を維持し、ケーシング20を分割する際に必要な複数の補強リブ(図示しない)が周方向に設けられている。また、抽気流路31の端部には、図9に示した構成と同様に、抽気された蒸気を給水加熱器15に導くための抽気管16が設けられている。
【0029】
また、ケーシング20の肉厚内に周方向に亘って、抽気流路31に連通する空洞部32が形成されている。この空洞部32は、周方向に亘って所定の体積の空洞を有し、抽気流路31に連通する部分以外は閉空間となるように構成されている。なお、図2では、空洞部32を抽気流路31よりも下流側に位置するように構成したが、抽気流路31よりも上流側に位置するように構成してもよい。
【0030】
例えば、低圧蒸気タービン12の通常運転時には、抽気口30における圧力は、給水加熱器15内の圧力より高いため、蒸気通路24から抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に向かう蒸気の流れが生じる。すなわち、抽気口30から蒸気通路24を流れる蒸気の一部が抽気され、抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に供給される。
【0031】
一方、低圧蒸気タービン12において、負荷遮断時などの、蒸気通路24を流れる蒸気流量が低下するときには、段落での負荷が小さくなり、抽気口30の圧力は復水器13に近い負圧となる。そのため、抽気口30の圧力が、給水加熱器15内の圧力より低くなり、給水加熱器15内の水が沸騰して蒸発する。そして、その蒸発した蒸気が抽気管16を通って抽気流路31内に逆流する。なお、図2では、この逆流する蒸気の流れを矢印で示している。
【0032】
このように、抽気管16を介して給水加熱器15から蒸気が逆流した際、この逆流は過渡的な流れとなる。ここで、過渡的な流れとは、逆流する蒸気の流量が、時間とともに急激に増加してピークに達し、その後急激に減少する流れをいう。空洞部32は、この過渡的な流れが、抽気流路31から、直接抽気口30を介して蒸気通路24内に流入することがないように、蒸気通路24内に流入する前に逆流した蒸気を一旦収容し、流れを均一化する空間である。
【0033】
また、逆流する蒸気を、直接抽気口30を介して蒸気通路24内に流入させることなく、抽気流路31から空洞部32にスムーズに導くために、抽気流路31と空洞部32との間に周方向に亘って案内部材33を設けることが好ましい。この案内部材33は、逆流した蒸気がタービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる抽気流路31の一部を一旦絞るとともに、この絞り部31aを通過した逆流蒸気を空洞部32に導くための流路を形成する部材である。この案内部材33を設けることで形成される、抽気流路31と空洞部32との連通路である案内通路34は、図2に示すように、抽気流路31における、抽気口30からケーシング20の肉厚内に延びる流路31bに対してほぼ直交するように構成されている。なお、案内通路34の一部は、抽気流路31によって構成されている。また、案内部材33は、例えば、ケーシング20の周方向の曲率に対応して湾曲するリング状などの部材で構成される。また、この案内部材33を構成する材料は、特に限定されるものではないが、案内部材33を構成する材料として、例えば、耐熱性を有する耐熱金属やセラミックスなどを使用することができる。
【0034】
ここで、抽気流路31内に逆流した蒸気の流れについて説明する。
【0035】
抽気流路31内に逆流し、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる蒸気は、絞り部31aでその流れが絞られる。この絞り部31aを通過した逆流した蒸気は、タービンロータ22の軸方向にほぼ平行な方向に屈曲され、案内通路34に導かれる。案内通路34に導かれた逆流した蒸気の流れの大部分は、案内通路34に直交するように設けられた流路31bに直接流れることなく、慣性によって案内通路34に沿って流れ、空洞部32に流入する。なお、案内通路34の流路断面積は、流路31bの流路断面積よりも大きく構成されている。
【0036】
空洞部32に導かれた逆流した蒸気は、空洞部32内に広がり、周方向にほぼ均一な分布となり、流れが時間平均化される。ここで、時間平均化とは、上記したような過渡的な流れ、すなわち時間的に流量に分布を有るような流れを、時間的に流量がほぼ一定となるような流れにすることをいう。そして、流れが時間平均化された蒸気は、抽気口30を介して蒸気通路24内に流入する。
【0037】
第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12によれば、抽気管16を介して給水加熱器15から蒸気が逆流する際、蒸気通路24に流出する流れは、空洞部32において時間平均化され最大流量が大幅に緩和された流れとなる。そのため、抽気口30近傍に位置する静翼23や動翼21に衝突する逆流した蒸気の流速が小さくなり、静翼23や動翼21に作用する流体力の変動を抑制することができる。
【0038】
なお、空洞部32の構成は、上記した構成に限られるものでなはい。図3は、他の構成の空洞部32を備える低圧蒸気タービン12における、タービンロータ22の軸方向に沿う蒸気通路24の断面の一部を示した図である。なお、図3では、逆流する蒸気の流れを矢印で示している。
【0039】
図3に示すように、案内部材33は、逆流した蒸気がタービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる抽気流路31の一部を一旦絞るとともに、次に説明する空洞部32に導入された逆流した蒸気を、抽気口30からケーシング20の肉厚内に延びる流路31bに導く流路を形成するように、周方向に亘って設けられている。また、空洞部32は、絞り部31aを通過した逆流した蒸気が流れる方向(ここでは、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交する方向)に周方向に亘って設けられている。すなわち、絞り部31aに対向するように、空洞部32の入口が開口されている。また、絞り部31aを通過した逆流した蒸気が流れる方向の空洞部32の先端部は、閉塞されている。また、空洞部32は、流路31bに隣接して、流路31bに連通するように形成されている。
【0040】
この構成の空洞部32を備える低圧蒸気タービン12において、抽気流路31内に逆流し、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる蒸気は、絞り部31aでその流れが絞られる。この絞り部31aを通過した逆流した蒸気は、慣性によって直進し、空洞部32に流入する。空洞部32に流入した逆流した蒸気は、周方向に広がるとともに、図3に示すように、空洞部32の閉塞された端部に衝突して流入した方向とは逆方向に流れる。
【0041】
この流入した方向とは逆方向に流れる流れによって、絞り部31aを通過する逆流した蒸気の流量が減少する。これによって、過渡的な流れがその流量変化を維持した状態で、流路31bに流入し、抽気口30から蒸気通路24内に流入することを防止することができる。すなわち、逆流した蒸気は、流れが時間平均化され、抽気口30を介して蒸気通路24内に流入する。そのため、抽気口30近傍に位置する静翼23や動翼21に衝突する逆流した蒸気の流速が小さくなり、静翼23や動翼21に作用する流体力の変動を抑制することができる。
【0042】
また、空洞部32は、ケーシング20の肉厚内のみに形成されることに限られるものではない。図4は、空洞部32が静翼23の内部に亘って設けられた低圧蒸気タービン12における、タービンロータ22の軸方向に沿う蒸気通路24の断面の一部を示した図である。なお、図4では、逆流する蒸気の流れを矢印で示している。
【0043】
図4に示すように、空洞部32は、抽気口30が形成された直下流側に位置する静翼23の内部に亘って形成されてもよい。空洞部32が形成される静翼23は、抽気口30が形成された直下流側の段落を構成する、周方向に列設された静翼23のうち、少なくとも1つの静翼23に形成されていればよい。なお、逆流した蒸気を周方向にほぼ均一な分布とするために、例えば、段落の周方向に列設された静翼23のうち、1つ置き、または2つ置きに空洞部32が形成された静翼23を備えることが好ましい。また、段落の周方向に列設された静翼23のすべてを、空洞部32が形成された静翼23で構成してもよい。
【0044】
この構成の空洞部32を備える低圧蒸気タービン12において、抽気流路31内に逆流し、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる蒸気は、絞り部31aでその流れが絞られる。この絞り部31aを通過した逆流した蒸気は、タービンロータ22の軸方向にほぼ平行な方向に屈曲され、案内通路34に導かれる。案内通路34に導かれた逆流した蒸気の流れの大部分は、案内通路34に直交するように設けられた流路31bに直接流れることなく、慣性によって案内通路34に沿って流れ、空洞部32に流入する。なお、案内通路34の流路断面積は、流路31bの流路断面積よりも大きく構成されている。
【0045】
空洞部32に導かれた逆流した蒸気は、空洞部32内に広がり、周方向にほぼ均一な分布となり、流れが時間平均化される。そして、流れが時間平均化された蒸気は、抽気口30を介して蒸気通路24内に流入する。
【0046】
このように、静翼23内部に空洞部32を形成することで、抽気管16を介して給水加熱器15から蒸気が逆流する際、蒸気通路24に流出する流れは、空洞部32において時間平均化され最大流量が大幅に緩和された流れとなる。そのため、抽気口30近傍に位置する静翼23や動翼21に衝突する逆流した蒸気の流速が小さくなり、静翼23や動翼21に作用する流体力の変動を抑制することができる。さらに、静翼23の内部に空洞部32を形成することで、ケーシング20の肉厚内に所定の体積を有する空洞部32を形成する領域がない場合などでも、所定の体積を有する空洞部32を形成することが可能となる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態の低圧蒸気タービン12における、タービンロータ22の軸方向に沿う蒸気通路24の断面の一部を示した図である。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12の構成と同一部分には同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
【0048】
なお、第2の実施の形態の低圧蒸気タービン12では、第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12と、空洞部の構成のみ異なるので、ここでは、特に空洞部の構成について説明する。
【0049】
第2の実施の形態の低圧蒸気タービン12では、図5に示すように、空洞部40は、排気通路(図示しない)に至るまで、ケーシング20の肉厚内に周方向に亘って下流方向に延設されている。そのため、空洞部40は、抽気流路31に連通する部分および排気通路に連通する部分が開口する空間となる。
【0050】
ここで、空洞部40は、低圧蒸気タービン12の通常運転時において、蒸気通路24から抽気された蒸気が空洞部40を介して排気通路に流れないように、空洞部40における圧力損失が、抽気口30から給水加熱器15までの流路における圧力損失よりも大きくなるように構成されている。具体的には、空洞部40における流路断面積が、抽気口30から給水加熱器15までの流路における流路断面積よりも小さくなるように、空洞部40などが形成されている。
【0051】
上記した第2の実施の形態の低圧蒸気タービン12では、例えば、低圧蒸気タービン12の通常運転時には、抽気口30における圧力は、給水加熱器15内の圧力より高いため、蒸気通路24から抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に向かう蒸気の流れが生じる。すなわち、抽気口30から蒸気通路24を流れる蒸気の一部が抽気され、抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に供給される。
【0052】
一方、低圧蒸気タービン12において、負荷遮断時などの、蒸気通路24を流れる蒸気流量が低下するときには、上記したように、抽気口30の圧力が、給水加熱器15内の圧力より低くなり、給水加熱器15内の水が沸騰して蒸発する。そして、その蒸発した蒸気が抽気管16を通って抽気流路31内に逆流する。なお、図4では、この逆流する蒸気の流れを矢印で示している。
【0053】
次に、抽気流路31内に逆流した蒸気の流れについて説明する。
【0054】
抽気流路31内に逆流し、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる蒸気は、絞り部31aでその流れが絞られる。この絞り部31aを通過した逆流した蒸気は、タービンロータ22の軸方向にほぼ平行な方向に屈曲され、案内通路34に導かれる。案内通路34に導かれた逆流した蒸気の流れの大部分は、案内通路34に直交するように設けられた流路31bに直接流れることなく、慣性によって案内通路34に沿って流れ、空洞部40に流入する。なお、案内通路34の流路断面積は、流路31bの流路断面積よりも大きく構成されている。
【0055】
空洞部40に導かれた逆流した蒸気は、空洞部40の排気通路側の開口部の圧力が、抽気口30の圧力よりも小さくなるため、空洞部40内を排気通路側に向かって流れ、排気通路に流出する。
【0056】
第2の実施の形態の低圧蒸気タービン12によれば、抽気管16を介して給水加熱器15から蒸気が逆流する際、蒸気通路24に流出する流れの大部分は、空洞部40を介して排気通路に流出する。そのため、逆流した蒸気が、抽気口30近傍に位置する静翼23や動翼21に衝突することを回避することでき、静翼23や動翼21に作用する流体力変動を防止することができる。
【0057】
(第3の実施の形態)
図6および図7は、第3の実施の形態の低圧蒸気タービン12における、タービンロータ22の軸方向に沿う蒸気通路の断面の一部を示した図である。
【0058】
第3の実施の形態の低圧蒸気タービン12では、上記した第1の実施の形態の低圧蒸気タービン12と、給水加熱器15から抽気管16を介して逆流した蒸気が通る逆流蒸気流路51を備えたことが異なるので、その点を主として説明する。
【0059】
図6および図7に示すように、第3の実施の形態の低圧蒸気タービン12において、静翼23からなる翼列と、この翼列の直下流側に位置する、動翼21からなる翼列とで構成される段落のうち、所定の段落間には、スリット状の抽気口30が形成されている。この抽気口30は、蒸気通路24を流れる蒸気の一部を抽気するために、蒸気通路24を構成する外周側の側壁となるケーシング20の内壁に、周方向に亘って形成されている。
【0060】
また、ケーシング20の肉厚内には、抽気口30を介して蒸気通路24から抽気された蒸気を流動させるための抽気流路31が形成されている。また、抽気流路31の端部には、図9に示した構成と同様に、抽気された蒸気を給水加熱器15に導くための抽気管16が設けられている。
【0061】
また、蒸気通路24を構成する外周側の側壁となるケーシング20の内壁に周方向に亘って、かつ抽気流路31の一部を構成する、抽気口30からケーシング20の肉厚内に延びる流路31bに隣接して、排出口50を有する逆流蒸気流路51が形成されている。この逆流蒸気流路51は、抽気流路31(流路31bを含む)と連通されている。また、排出口50には、逆流した蒸気を所定の方向に噴出可能な噴出ガイド52が周方向に亘って設けられている。この噴出ガイド52を設けることで、ケーシング20の内壁との間にスリット状の噴出口52aが形成される。
【0062】
ここで、図6に示された噴出ガイド52は、逆流した蒸気を、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿う下流側の方向に噴出する構成を有している。また、図7に示された噴出ガイド52は、逆流した蒸気を、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿うタービンロータ22の回転方向に噴出する構成を有している。
【0063】
また、抽気流路31には、逆流した蒸気がタービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる抽気流路31の一部を一旦絞るとともに、逆流した蒸気を逆流蒸気流路51に導くように、周方向に亘って案内部材33が設けられている。絞り部31aは、図6および図7に示すように、絞り部31aの出口端面と逆流蒸気流路51の入口端面とが対向するように形成されている。
【0064】
次に、抽気流路31および逆流蒸気流路51における蒸気の流れについて説明する。
【0065】
低圧蒸気タービン12の通常運転時には、抽気口30における圧力は、給水加熱器15内の圧力より高いため、抽気口30を介して蒸気通路24を流れる蒸気の一部が抽気され、抽気流路31(流路31bを含む)、抽気管16を介して給水加熱器15に向かう蒸気の流れが生じる。すなわち、抽気口30から蒸気通路24を流れる蒸気の一部が抽気され、抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に供給される。
【0066】
なお、この際、抽気口30と同様に、排出口50における圧力は、給水加熱器15内の圧力より高いため、噴出口52aによっても、蒸気通路24を流れる蒸気の一部が抽気され、逆流蒸気流路51、抽気流路31、抽気管16を介して給水加熱器15に向かう蒸気の流れも生じる。
【0067】
一方、低圧蒸気タービン12において、負荷遮断時などの、蒸気通路24を流れる蒸気流量が低下するときには、段落での負荷が小さくなり、排出口50の圧力は復水器13に近い負圧となる。そのため、噴出口52aや抽気口30の圧力が、給水加熱器15内の圧力より低くなり、給水加熱器15内の水が沸騰して蒸発する。そして、その蒸発した蒸気が抽気管16を通って抽気流路31内に逆流する。なお、図6および図7には、この逆流する蒸気の流れを矢印で示している。
【0068】
抽気流路31内に逆流し、タービンロータ22の軸方向にほぼ直交するように流れる蒸気は、絞り部31aでその流れが絞られる。この絞り部31aを通過した逆流した蒸気の大部分は、慣性によって直進し、逆流蒸気流路51に流入する。なお、この際、上記したように、噴出口52aと同様に、抽気口30の圧力は復水器13に近い負圧となる。そのため、逆流した蒸気が、流路31b側に流入することもあるが、案内部材33によって誘導された逆流した蒸気の大部分が、慣性によって逆流蒸気流路51に流入するため、流路31b側に流入する流量は微量である。
【0069】
逆流蒸気流路51に流入した逆流した蒸気は、噴出ガイド52の噴出口52aによって、蒸気通路24内に所定の方向に噴出される。図6に示された低圧蒸気タービン12では、噴出ガイド52の噴出口52aによって、逆流した蒸気は、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿う下流側の方向に噴出される。一方、図7に示された低圧蒸気タービン12では、噴出ガイド52の噴出口52aによって、逆流した蒸気は、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿うタービンロータ22の回転方向に噴出される。
【0070】
なお、噴出ガイド52の噴出口52aは、下流側の方向に向かって開口、またはタービンロータ22の回転方向に向かって開口しているため、通常運転時に抽気を行う際、蒸気通路24を流れる主流が、自ら噴出口52aに流入することはない。
【0071】
上記したように、第3の実施の形態の低圧蒸気タービン12によれば、抽気管16を介して給水加熱器15から蒸気が逆流する際、蒸気通路24に流出する流れは、噴出ガイド52を備えることで、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿う下流側の方向や、蒸気通路24を構成する外周側の側壁に沿うタービンロータ22の回転方向に噴出することができる。これによって、蒸気通路24を流れる主流を大きく乱すことなく、逆流した蒸気を蒸気通路24に噴出することができる。そのため、抽気口30近傍に位置する静翼23や動翼21に作用する流体力変動を抑制することができる。
【0072】
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…蒸気タービンシステム、10…蒸気発生部、11…高圧蒸気タービン、12…低圧蒸気タービン、13…復水器、14…復水ポンプ、15…給水加熱器、16…抽気管、17…発電機、20…ケーシング、21…動翼、22…タービンロータ、23…静翼、24…蒸気通路、30…抽気口、31…抽気流路、31a…絞り部、31b…流路、32、40…空洞部、33…案内部材、34…案内通路、50…排出口、51…逆流蒸気流路、52…噴出ガイド、52a…噴出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽気された蒸気を外部に設けられた給水加熱器に導く抽気管を備えた低圧蒸気タービンであって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に貫設され、複数段の動翼が植設されたタービンロータと、
前記ケーシングに、前記タービンロータの軸方向に前記動翼と交互に配設された複数段の静翼と、
前記ケーシングを貫通し、前記静翼と前記動翼とから構成される複数の段落を有する蒸気流路に、外部からの蒸気を導入する蒸気入口管と、
膨張仕事をしながら前記蒸気流路を流動し、最終段の動翼を通過した蒸気を前記ケーシング内から外部に導く排気流路と、
前記蒸気流路の外周側の壁部を構成する前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、所定の前記段落間から前記蒸気流路を流れる蒸気の一部を抽気するための抽気口を有し、抽気した蒸気を前記抽気管に導く抽気流路と、
前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、前記抽気流路に連通する空洞部と
を具備することを特徴とする低圧蒸気タービン。
【請求項2】
前記抽気管を介して前記給水加熱器から蒸気が逆流した際、逆流した蒸気を前記抽気流路から前記空洞部に誘導するための案内部材をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の低圧蒸気タービン。
【請求項3】
前記空洞部が、前記抽気口が形成された直下流側に位置する少なくとも1つの静翼の内部に亘って設けられているか、または前記排気流路に連通するように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の低圧蒸気タービン。
【請求項4】
前記空洞部が、前記案内部材によって前記逆流した蒸気が誘導される方向に設けられ、
前記抽気口につながる前記抽気流路の一部が、前記空洞部に隣接して形成されていることを特徴とする請求項2記載の低圧蒸気タービン。
【請求項5】
抽気された蒸気を外部に設けられた給水加熱器に導く抽気管を備えた低圧蒸気タービンであって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に貫設され、複数段の動翼が植設されたタービンロータと、
前記ケーシングに、前記タービンロータの軸方向に前記動翼と交互に配設された複数段の静翼と、
前記ケーシングを貫通し、前記静翼と前記動翼とから構成される複数の段落を有する蒸気流路に、外部からの蒸気を導入する蒸気入口管と、
膨張仕事をしながら前記蒸気流路を流動し、最終段の動翼を通過した蒸気を前記ケーシング内から外部に導く排気流路と、
前記蒸気流路の外周側の壁部を構成する前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って形成され、所定の前記段落間から前記蒸気流路を流れる蒸気の一部を抽気するための抽気口を有し、抽気した蒸気を前記抽気管に導く抽気流路と、
前記ケーシングの肉厚内に周方向に亘って、かつ前記抽気口につながる前記抽気流路の一部に隣接して形成され、前記抽気管を介して前記給水加熱器から蒸気が逆流した際、前記蒸気流路内に逆流した蒸気を所定の方向に噴出可能な噴出口を有する蒸気流路と、
前記逆流した蒸気を前記抽気流路から前記蒸気流路に誘導するための案内部材と
を具備することを特徴とする低圧蒸気タービン。
【請求項6】
前記所定の方向が、前記蒸気流路の外周側の壁部に沿う下流側の方向であるか、または前記蒸気流路の外周側の壁部に沿う前記タービンロータの回転方向であることを特徴とする請求項5記載の低圧蒸気タービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−265863(P2010−265863A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119903(P2009−119903)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】