説明

低所にある船倉のための荷下ろし装置

【課題】船倉の貨物を陸上へ大量かつ効率的に搬送できる荷下ろし装置を提供する。
【解決手段】荷下ろし装置は、船倉10,10’から貨物が供給される供給室30と、鉛直コンベア31と押出し管51をもつ圧力容器33を有するリフト装置を備える。鉛直コンベア31は、供給室30から始まって圧力容器33の上部で終わる。押出し管51は、圧力容器33の下部から始まって圧力容器33を貫通する。荷下ろし装置は、圧力容器に圧力を加え、搬送空気ノズル53を作動させる圧縮装置6および制御装置8を備える。圧力容器内の鉛直コンベア31と押出し管51の重ね合わせた配置により、鉛直コンベア31は、ばら荷を受ける空間を形成し、ばら荷は圧縮装置6により流動化して、押出し管51を使って運び出される。船の荷下ろしを、外部または陸側の支援なしで迅速に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船倉から貨物を床近くへ供給するための供給室と、上記貨物を甲板に近い高さまで持ち上げ,空間的に離れた引渡し場所まで運び去るための搬出導管が端部に接続できる鉛直搬送装置を備えた低所にある船倉のための荷下ろし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低所にあって貨物を貯蔵する大きな容器、特に船の船倉に代表される低所にあるサイロまたは壕は、荷下ろしのための特別な装置を必要とする。この目的のため、船倉の床に、貨物を中央リフト装置のための供給室へ搬送する装置が設けられる。上記中央リフト装置は、船倉から運び出されたばら荷を、船では略甲板の高さあるいは船倉またはサイロの上縁に対応する高さまで搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許第1262899B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
船倉の床から中央の場所まで貨物を運ぶために流動化床を用い、中央の場所で上記貨物を鉛直に配置されたスクリューコンベアによって甲板の高さまで持ち上げ、甲板から貨物を流体圧搬送装置によって運び去ることができる装置が知られている(DE 1262899 B)。この公知の装置の欠点は、輸送量が非常に少なくて、荷下ろし時間が長くなることである。この欠点は、特に船においては滞船料(デマレージ)によって相当な費用をもたらす。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記欠点を回避あるいは少なくとも低減できる改善された荷下ろし装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による解決策は、独立請求項の特徴に存する。有利な更なる構成は、従属請求項の対象である。
【0007】
本発明は、船倉から貨物を床近くへ供給するための供給室と、上記貨物を高い高さまで持ち上げ,端部に上記貨物を空間的に離れた引渡し場所まで運び去るための搬出導管が接続できる鉛直搬送装置を備えた低所にある船倉のための荷下ろし装置において、この荷下ろし装置は、内部に鉛直コンベアと押出し管を有する圧力容器を備え、上記鉛直コンベアは、上記供給室から始まって上記圧力容器の上部で終わり、上記押出し管は、上記圧力容器の下部から始まって上記圧力容器を上方へ貫き、第1弁を介して上記圧力容器に圧力を加え,第2弁を介して上記押出し管の搬送空気ノズルを作動させる圧縮装置を更に備え、上記鉛直コンベアによって上記圧力容器を上記貨物で充填し,上記圧縮装置によって上記貨物を流動化し、上記搬出導管を介して上記貨物を運び去るようになっている制御装置を更に備えている。上記圧縮装置は、貨物の押し出しのみならず、貨物の流動化の役割も果たし、圧力容器から貨物を迅速かつ効率良く運び出せるようになっている。この荷下ろし装置は、上記効率の良さのお陰で、自身に備えた圧縮装置だけで運転できるので、外部装置の支援を必要としない。このことは、陸側の支援への依存性がなくなるので、特に船に適用する際に相当な利点となる。
【0008】
本発明の核心は、(低所にある船倉の貨物の)持ち上げ機能と(例えば,船から陸への搬送などの)区間搬送機能を組み合わせて、両機能を空間が節約できる1つの装置に統合するという技術思想である。そのため、上記圧力容器において、鉛直コンベアを押出し管に重ね合せている。これによって、鉛直コンベアは、搬送されるべきばら荷を圧力容器内に予め十分に蓄えることができ、ばら荷は圧縮装置によって流動化され、押出し管を通って圧力容器から運び出される。従って、本発明は、空間的に離れた引渡し場所へ容易かつ迅速な搬出が達成できる程度まで加える圧力を高める可能性を開くものである。このことは、本発明のお陰で、ばら荷の搬送に用いられる装置の寸法および装置に必要な据え付け空間を増大させることなく行われる。
【0009】
上記高い高さとは、略倉庫の上縁(船では甲板と言われる)に相当する高さを意味するが、少なくとも倉庫の半分の高さに相当する。ここで、倉庫の概念は、低所にある倉庫壕に限られず、サイロなどの高い倉庫の容器も含むことを付言しておく。
【0010】
本発明は、さらに設備増強にも好適である。水平方向の前置コンベア装置を大きくせずに倉庫内の貨物を迅速に搬出可能にするためには、リフト装置に本発明の圧力容器と鉛直コンベアと制御装置を備えるだけで済む。
【0011】
鉛直コンベアは、分離壁によって圧力容器の内部空間から分離されているのが好ましい。ここで、鉛直コンベアは、少なくとも側方で圧力容器の内部空間から分離され、上端の投下口のみで圧力容器の内部空間に連通していると理解されねばならない。これによって、大きな圧力差での圧力解放(ディカップリング)が保障される。従って、本発明は、低所にある倉庫からのばら荷の搬出を、連続運転および交互運転の双方で達成する途を開く。
【0012】
好ましい実施形態では、鉛直コンベアは、鉛直に延びる軸をもつスクリューコンベアとして実施される。このような鉛直スクリューコンベアを用いて、良好に制御可能に圧力容器を貨物で充填することができる。さらに、この実施形態は、スクリューコンベアの通路の間にある貨物によって、圧力容器を供給室,ひいては船倉に対して有効にシールできるという利点がある。この場合、スクリューコンベアの駆動装置は、圧力容器の外部に配置される。
【0013】
上記鉛直コンベアの制御は、圧力容器のバッチ式運転で行われるのが好ましい。この運転は、圧力容器が第1の動作サイクルにおいて上記前置コンベア装置によって貨物を充填され、続く第2の動作サイクルにおいて貨物が流動化され,上記搬出装置よって運び出されるものである。本発明による圧力容器を備えた鉛直コンベアの実施形態のお陰で、連続運転も可能である。従って、制御もこの連続運転に合わせて目的に適って行うことができる。連続運転の制御は、より迅速な荷下ろし時間を達成する可能性を提供する。このことは、荷下ろしに必要な埠頭での船の停泊場所などの資源(リソース)が乏しく,あるいは高価なため、荷下ろし過程を可能な限り迅速に遂行しなければならない場合、特に有利である。
【0014】
代替の実施形態は、鉛直気流管とその下部に配置された上昇気流ノズルをもつエアリフトによってアナログで行われる。上記上昇気流ノズルは、通常、上記鉛直気流管の下方に同軸に配置される。上昇気流ノズルから流出するガスは、鉛直気流管に向けられ、巻き込んだ周囲の貨物を鉛直気流管内上方へ運んで、管上端から投下する。このようなエアリフトをもつ実施形態は、貨物自身の中に可動要素が配置されていないので、摩耗の少ない搬送ができるという利点がある。このことは、摩耗に影響されやすい石炭やセメントなどの貨物において相当な利点となる。
【0015】
実証された一実施形態は、或る倉庫内の貨物の高さが低すぎるとき、弁を介してその倉庫を解放するように構成された追加的な反動モニタを備える。これによって、空になりすぎた倉庫から前置コンベアの導管を介して圧力が逃げることが防がれる。
【0016】
上記制御装置は、圧力容器の満杯状態を検出する満杯センサと空状態を検出する空センサを備えるのが好ましい。目的に適って、圧力容器内の高圧および低圧を検出する圧力センサが更に備えられる。
【0017】
好ましい実施形態によれば、本発明の搬出装置は、少なくとも1つの更なるリフト装置をもつツイン(双子)装置として形成される。そのために、1つのリフト装置が貨物で充填され一方、もう1つのリフト装置から貨物が搬出されるように制御する切換えユニットが設けられる。これによって、1つのリフト装置を充填する時間に、もう1つのリフト装置によって搬出を行うことができる。各リフト装置は、バッチ式に運転されるが、疑似的に連続運転が行われることになる。このためには、少なくとも2つのリフト装置が必要であるが、より多くのリフト装置を設けることもできる点に留意されたい。従って、「ツイン」の概念には、多数のリフト装置をもつ実施形態が含まれる。
【0018】
本発明は、添付の好ましい実施形態を示す図面を参照して、次に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明による荷下ろし装置の実施形態の全体図である。
【図2】図2は、更なる実施形態を示す概略図である。
【図3】図3は、図1に示された実施形態によるリフト装置の詳細図である。
【図4】図4は、図3のリフト装置をもつ荷下ろし装置のフローチャートである。
【図5】図5は、リフト装置の他の実施形態の詳細図である。
【図6】図6は、図5のリフト装置をもつ荷下ろし装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を、船倉のための荷下ろし装置を示す実施形態によって、次に説明する。
【0021】
全体図を、図1に示す。この設備は、次に詳しく述べる本発明の荷下ろし装置を用いて貨物が運び出される船1内の多くの船倉10,10'を含む。
【0022】
貨物を船倉10,10'から荷下ろし装置へ搬出するために、前置コンベア装置2が設けられる。前置コンベアは、低床装置であり、船倉10,10'内の流動化床を含む。荷下ろし装置は、貨物を船倉10,10'の床高さから船1の甲板12の高さまで持ち上げる役割を果たし、ここから貨物は搬出導管4を用いて、埠頭90の近辺の陸上に設けられたサイロ9まで運ばれる。
【0023】
本発明によるリフト装置3の核心は、圧縮装置6とこれに適合する制御装置8を有する圧力容器33である。これらは、図3に詳しく示されている。
【0024】
圧力容器33は、下端に供給室30を有し、この供給室に、船倉10,10'から出た低床の前置コンベア装置2が連通している。供給室は、ばら荷のための受け容器の役割を果たす。供給室は、上端に開口を有し、この開口を貫いて鉛直コンベア31が延在する。鉛直コンベア31は、図3の実施形態に示され、鉛直スクリューコンベア32を備えている。鉛直スクリューコンベア32は、圧力容器33の高さの大部分に亘って延在する。鉛直スクリューコンベア32は、概ね圧力容器33の中心軸に沿って圧力容器の中心を通って延び、その駆動軸がシール35を介して圧力容器33の天井を貫き、この天井には駆動モータ36が配置されている。鉛直スクリューコンベア32は、圧力容器33の長さの大部分,正確には圧力容器33の高さの略9/10まで外殻管37で取り囲まれている。これによって、鉛直スクリューコンベア32によって外殻管37の上端,つまり圧力容器33の高さの略9/10まで運ばれた貨物は、投下される。
【0025】
鉛直コンベア31に平行かつ逆方向に、圧力容器33内に押出し管51が配置されている。押出し管51は、図示された実施形態では、圧力容器33の天井の略上方の接続部材から天井を貫いて下方へ圧力容器33の床近傍まで一部材で延在する。押出し管51は、下端が開放されている。圧力容器33の外部にある押出し管51の上端は、リフト装置3の搬出端52を形成する。ここに搬出導管4が接続されている。押出し管51の下方の圧力容器33の流動化床38になっている床に、搬送空気ノズル53が配置されている。この搬送空気ノズルは、次に詳しく述べるように搬送空気を供給できる。
【0026】
さらに、圧縮機60によって空気吸入漏斗61から吸い込んだ空気を、オプションの制御絞り62を介して圧縮空気として出口63に供給する圧縮装置6が設けられている。この圧縮装置によって、全体を参照番号64で示す空気分配網を介してリフト装置3に、また、場合によっては、前置コンベア装置2に必要に応じて圧縮空気が夫々供給されるが、このために普通は(図示しない)固有のブロワが設けられる。空気分配網64の圧力導管は、弁V2を介して搬送空気ノズル53に、弁V3を介して供給室30を取り囲む下部室に夫々接続される。さらに、上記圧力導管は、弁V6を介して圧力容器33の天井に配置された加圧弁に、弁V7を介して搬出導管4に夫々接続される。また、船倉10,10'から前置コンベア装置2を介して供給室30への貨物の供給を制御する弁V1a,V1bが設けられている。搬出端52の領域に、搬出弁V8が設けられている。
【0027】
さらに、圧力容器33には、低充填状態と高充填状態を検出する高さセンサ81,82と、最大圧力と最小圧力を検出するスイッチを備えた組み合わせ圧力センサ83が接続されている。センサ81〜83は、制御装置8に接続される。制御装置8は、上記弁V1〜V8を制御し、圧縮装置6を制御するようになっている。
【0028】
上記荷下ろし装置の動作を、単独の容器として図4を参照して次に詳しく述べる。
【0029】
荷下ろし過程の開始時100において、圧力容器33は、貨物がなく、圧力がない。荷下ろし過程が開始されると、前置コンベア装置2は、船倉10,10'から貨物を搬出する。そのため、制御装置8は、最初のステップ102で、弁V1a,V1bを開き、スクリューコンベア32(S)をオンにする(「充填運転」)。圧縮装置6(C)が起動し、上記加圧弁に圧力を供給して空気分配網64を加圧する。また、搬出導管4を更に空にするため、弁V7を開き、圧力容器33を搬出導管に向かって排気するため、弁V5を開く。制御装置8は、次のステップ104で、圧力容器33が貨物で一杯になったこと(F)を上部高さセンサ82が検知したか否かを監視する。そして、そう検知した場合、圧力容器33が今や満杯なので、制御装置8は、ステップ106で、スクリューコンベア32を停止させ、同時に弁V1a,V1b,V5を閉じさせる。その後、弁V7を閉じさせ、弁V3,V6を開かせて、空気分配網64の圧力で圧力容器33を加圧する。制御装置8は、ステップ108で、圧力センサ83を用いて上限圧力Hに達したか否かを監視する。そして、上限圧力に達した場合、制御装置8は、続くステップ110で、弁V1a,V1b,V5,V7に加えて弁V6を閉じさせ、スクリューコンベア32および圧縮装置6のスイッチング状態をそのまま維持させる。これによって、弁V3と流動化床38を介して圧力容器33内に流動化空気が供給され、弁V2と搬送空気ノズル53を介して搬送空気が供給されて、押出し管51内の貨物は、上昇して押出し管51の上縁にある搬出端52まで持ち上げられ、ここから開いている弁V8を通り,搬出導管4を経て運び去られる(「搬出運転」)。搬出運転は、圧力容器33が、低充填状態(E)を検出する高さセンサ81の信号または最低圧力(L)を検出する圧力センサ83の信号で示される空状態になるまで続けられる。ステップ112における判断が肯であれば、ステップ114に進んで、弁V2,V3,V6が閉じられ、弁V5,V7が、圧力容器33を換気するとともに,搬出導管内に残った貨物を運び出すために開かれて、搬出過程は終了する。弁V8は、閉じられる。ステップ116において、後続時間Δtが経過すると、次のサイクルの準備がされる。即ち、鉛直スクリューコンベア32が再起動され、圧縮装置6は稼働し続け、充填用の弁V1a,V1bが開かれて、サイクルはステップ102に戻って続行する。
【0030】
上述のバッチ式運転は、変更された制御によって連続搬送に変更することができる。
【0031】
図5に、持ち上げ装置の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、図3に示された第1の実施形態を基礎にしているので、同じ部材は同一参照番号で示している。相違点は、概ね、鉛直スクリューコンベア32に代えてエアリフト32'を設けたことである。そのため、鉛直スクリューコンベア31の外殻管37と同軸に、弁V4を介して空気分配網64に接続されるノズル39を供給室30の床に設けている。エアリフト32'の外殻管37の上端に、貨物から空気を分離する屋根形の衝突板37'が作られている。制御装置8'は、制御装置8と概ね類似に作られている。両制御装置の相違は、二三のステップにおける制御特性が、次に述べるように異なるだけである。
【0032】
図6に示したフローチャートでは、図4に示した第1の実施形態のフロープランを変更したことが重要である。フローの開始100に次いで、ステップ102'で、弁V4を開いてエアリフト32'(A)を起動する。さらに、圧縮装置6(C)が起動され、弁V1a,V1b,V4,V5が開かれる一方、弁V2,V3,V6,V8が閉じられる。さらに、エアリフト32'に必要な空気が空気分配網64から逃げないように、第1の実施形態とは異なり弁V7が閉じられる。
【0033】
ステップ104において、高充填状態(F)に達したことが検出されると、ステップ106'に進んで、弁V4を閉じることによってエアリフト32'が停止される。弁V3,V6が開かれて、圧縮空気によって圧力容器33内が加圧される。ステップ108で、最大圧力Hに達したと判断されると、次のステップ110'で、押出し管51を介して圧力容器33'内の貨物を運び出すため、弁V6が閉じられ、弁V2,V8が開かれる。ステップ112で、充填状態が下限値Eまで下がったことか、圧力が下限値Lまで下がったことが検出されて,圧力容器33'が十分に空になると、ステップ114'で、弁V2,V3が閉じられ、続いて弁V5,V7が開かれ、弁V8が閉じられる。後続時間Δtの経過で圧力容器33'が換気された後、続くステップ118'で、新たな充填の準備がされる。そのため、弁V1a,V1bが切り換えられて、船倉10,10'からの貨物の供給が許可され、弁V5を介して搬出導管4の圧力の均一化が行われ、弁V4を介してエアリフト32'が起動される。弁V2,V3,V6,V7,V8は、閉じられ、過程はステップ102'から新たに開始する。
【0034】
本発明は、先に述べたように搬送の方法にも及ぶ。
【0035】
制御装置8には、圧力容器33のセンサ81,82,83のための入力端子が設けられている。さらに、船倉10,10'の充填状態センサ18,18'のための入力端子が設けられている。制御装置8は、各センサが検出した信号および図4,図6に示したフロープランを実行する統合処理ユニットに基づいて、弁V1a〜V8および圧縮装置6のための切り換えパルスを出力する。
【0036】
更なる実施形態は、図2に示される。ここでは、2つ(またはそれ以上)のリフト装置3,3'を備え、共通の制御装置8および圧縮装置6によって駆動されるツイン(双子)装置が重要である。リフト装置3,3'は、例えば,船1の船首側の船倉と船尾側の船倉のように互いに離隔して配置することができる。各リフト装置3,3'の構造は、図3に示した実施形態と同じなので、更に説明する必要はない。制御装置8は、シャトル(折り返し)運転モジュール89を備えている。このモジュールは、各リフト装置3,3'への貨物の供給と搬出導管4を介する貨物の運び出しを制御する。その際、制御装置8は、シャトル運転モジュールと一緒に、リフト装置の一方(3)が船倉10,10'からの貨物で充填されるとき、リフト装置の他方(3')が搬出導管4を介して既に圧力容器内にある貨物を運び去るように切換装置7と協働する。従って、一方のリフト装置3が充填運転にあるとき、他方のリフト装置3'は搬出運転にある。リフト装置3と3'は、一方が貨物で充填され,他方が貨物を搬出するが、運転が切り替わると、充填されたリフト装置3が搬出運転に切り換えられ、空になったリフト装置3'が充填運転に切り換えられて新たな貨物を供給される。
【0037】
切換装置7は、構成要素71,72,72'に分けることができ、これらの構成要素は、船倉10,10'からの貨物の供給流をシャトル弁のような態様で切り換えるとともに、搬出端52を交互に共通の搬出導管4に接続する。しかし、これらの作用を、シャトル運転モジュールをもつ制御装置8に完全に統合することもできる。その際、いずれにしても存在し、船倉10,10'からの貨物の供給を通過させ,遮断する弁V1a,V1bおよび搬出導管4を遮断し,開放する各リフト装置の弁V8が用いられる。この変形例は、第2のリフト装置を除いて付加的なハードウェアを何ら必要としないので、安価でかつ動作が確実であるという利点を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船倉(10,10')から貨物を床近くへ供給するための供給室(30)と、上記貨物を甲板に近い高さまで持ち上げ,空間的に離れた引渡し場所まで運び去るための搬出導管(4)が端部(52)に接続できるリフト装置(3)を備えた低所にある船倉のための荷下ろし装置において、
上記リフト装置(3)は、内部に鉛直コンベア(31)と押出し管(51)を有する圧力容器(33)を備え、上記鉛直コンベア(31)は、上記供給室(30)から始まって上記圧力容器の上部で終わり、上記押出し管(51)は、上記圧力容器(33)の下部から始まって上記圧力容器(33)を上方へ貫き、第1弁(V6)を介して上記圧力容器(33)に圧力を加え,第2弁(V2)を介して上記押出し管(51)の搬送空気ノズル(53)を作動させる圧縮装置(6)を更に備え、上記鉛直コンベア(31)によって上記圧力容器(33)を上記貨物で充填し,上記圧縮装置(6)によって上記貨物を流動化し、上記搬出導管(4)を介して上記貨物を運び去るようになっている制御装置(8)を更に備えたことを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷下ろし装置において、上記鉛直コンベア(31)は、分離壁によって上記圧力容器(33)の内部空間から分離されていることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の荷下ろし装置において、上記鉛直コンベア(31)は、鉛直に方向づけた軸をもつスクリューコンベア(32)として実行されることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の荷下ろし装置において、上記鉛直コンベア(31)は、鉛直流導管(37)とその下方に配置された搬送空気ノズル(39)をもつエアリフト(32')として実行されることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の荷下ろし装置において、上記圧力容器(33)は、流動化床(38)を備えることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の荷下ろし装置において、上記制御装置(8)は、バッチ式運転を行うように構成されていることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の荷下ろし装置において、上記制御装置(8)は、連続運転を行うように構成されていることを特徴とする荷下ろし装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の荷下ろし装置において、
上記荷下ろし装置は、少なくとも1つの更なるリフト装置(3')と共通の搬出導管(4)を有する多重装置として構成され、リフト装置の一方(3)が貨物で充填されるとき、リフト装置の他方(3')から貨物が運び去られるように上記制御装置(8)と協働する切換装置(7)を備えることを特徴とする荷下ろし装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−37633(P2011−37633A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169936(P2010−169936)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(305008558)クラウディウス・ペーターズ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (5)
【氏名又は名称原語表記】Claudius Peters Technologies GmbH
【Fターム(参考)】