説明

低減されたオン抵抗を有するダイオード、および関連する製造方法

【課題】順方向バイアスの下で、炭化珪素デバイスのオン抵抗を低減すること。
【解決手段】横方向に導電性を有するダイオードであって、第1の表面を有する第1のドーピングされた半導体層と、該第1のドーピングされた層の該第1の表面の上の半導体メサと、該メサの上の上部オーム接触と、該第1のドーピングされた層の該第1の表面と該メサの上部との間で、該メサの側面の少なくとも一部分を覆っている非導電性のメサ側壁スペーサと、該第1のドーピングされた層の該第1の表面の少なくとも一部分に広がる横方向オーム接触であって、該横方向オーム接触は、該上部オーム接触からの電流を該第1のドーピングされた層全体に横方向に伝える、横方向オーム接触とを備えている、横方向に導電性を有するダイオード。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、順方向にバイアスをかけられた状態において、より低い直列抵抗を有するダイオードに関する。本明細書において取り組まれる問題は、炭化珪素で形成されるダイオードが、珪素または砒化ガリウムのような他の材料で形成されるダイオードよりも非常に高い直列抵抗を有するということである。特に、炭化珪素基材は、デバイス全体にかなりの抵抗を付加し、ダイオードが使える状態になるには薄くされなければならない。
【0002】
しかしながら、炭化珪素で形成されるダイオードは、高速RFスイッチおよびリミッタのような無線周波数(「RF」)の用途において非常に魅力的である。炭化珪素の高いブレイクダウン強度および高い熱伝導性が、珪素または砒化ガリウムの技術を用いて可能であるよりも非常に高いRF出力レベルおよび速い切替え速度を可能にする。これらの用途における重要な要求は、順方向にバイアスをかけられた状態において、低いRFのオン抵抗を獲得し、RFの損失を最小にすることである。
【0003】
例えば、PINダイオードのオン抵抗は、主に、2つの成分から成る−1つは、真性層(「I層」)によるものであり、もう1つは、基材の直列抵抗Rsによるものである。順方向にバイアスをかけられたI層の抵抗は、この層の厚さの自乗にほぼ比例し、要求されるブレイクダウン電圧に対して必要とされる薄いI層により、SiCデバイスにおいては小さい。しかしながら、炭化珪素ダイオードにおける基材の直列抵抗は、炭化珪素のより高い基材の抵抗率により、珪素または砒化ガリウムの基材の直列抵抗よりも非常に高い。
【0004】
現在、SiCにおいて達成可能な最小の抵抗は、15ミリオーム−cm(ミリΩ−cm)であり、基本的な材料の特性により、欠陥なしにはさらに低くできない。この限界により、許容可能なオン抵抗を達成するために、約50〜100μmにSiC基板を薄くすることが必要である。しかしながら、そのような小さな値に基板を薄くすることは、複雑なプロセスが含まれ、関連して生じる損失があるので、望ましくない。
【0005】
本明細書における本発明の譲受人は、先に、特許文献1(Edmond 1990)のように、半導体材料でダイオードを形成する複数の技術で特許を取っており、該特許文献1の内容は、本明細書において参考として援用される。他の団体がまた、炭化珪素のダイオードで特許を取っており、一部は、そこに接触を形成することに関する新たな材料の使用に焦点を合わせている。例えば、特許文献2(Tuller 2003)を参照されたい。
【0006】
直列抵抗を最小化する1つの試みにおいて、特許文献3(Tihanyi 2006)は、半導体基板の同じ側に接触を有するショットキーダイオードを開示する。しかしながら、Tinaniは、アノードからカソードへの横方向の電流が最適な性能のために制御され得る手段を全く示しておらず、直列抵抗に関する改善を全く提供していない。同様に、公開された特許文献4(Augsuto)は、標準的なCMOSデバイスの活性化領域で形成されるフォトダイオードを開示する。Augusutoは、通常の珪化物層を使用して、PINダイオードと回路の他の要素との間のオーム接触を接続する。しかしながら、Augusutoの特許出願は、珪化物層とPINダイオードのオン抵抗を減少させることとの間の関係を全く開示していない。これらの先行する公開物のいずれも、炭化珪素で形成されるデバイスにおける直列抵抗を減少させるここで主張されている技術に直接的に取り組んでいない。
【特許文献1】米国特許第4,947,218号明細書
【特許文献2】米国特許第6,544,674号明細書
【特許文献3】米国特許第7,091,533号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0097021号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、順方向バイアスの下で、炭化珪素デバイスのオン抵抗を低減することに対するニーズが、半導体ダイオードの分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一局面において、本発明は、アノード(21)接触とカソード(30)接触とが、デバイス(20)の中の第1のドーピングされた半導体層(35)の同じ側に位置しているので、順方向にバイアスをかけられた状態において低減されたオン抵抗を有するダイオード構造(20)である。ダイオード(20)は、様々なドーピング特質を有する、好適には炭化珪素の半導体層を含む。アノード(21)とカソード(30)とは、底部半導体層(35)の同じ側に位置を決められており、ダイオード本体を横切る横方向の導電性を可能にする。アノード(21)は半導体メサ(22)の上に配置される。カソード(30)は、第1の半導体層(35)を横切ってメサ(22)から横方向に離されている。
【0009】
上記のダイオードの中の活性化層の同じ側にアノード接触とカソード接触とを有することは、メサ(22)の側面に沿った望ましからぬ電気伝導の問題をもたらし得る。これを改善するために、メサ(22)の側壁は、アノード(30)からカソード(25)が位置する層の表面まで伸びる非導電性スペーサ(24)で覆われる。概して、表面のパッシベーションは、デバイスの中の電子特性を制御することを助ける。
【0010】
ダイオード(20)は、部分的には、スペーサ材料(24)とカソード(30)との間の底部層(35)の表面を覆う、好適には金属珪化物で形成されるオーム接触により、減少されたオン抵抗を有する。全体的に、ダイオードの導電経路は、メサ(22)の本体を通って底部半導体層(35)を横切ってアノード(21)からカソード(30)に伸びる。本明細書におけるダイオードの層は、好適には、炭化珪素で形成される。
【0011】
別の局面において、ダイオードを形成する方法は、層状の半導体デバイスを形成し、層を適切にドーピングし、メサをエッチングする標準的な技術を含む。しかしながら、本明細書における方法はまた、ダイオードの適切な領域において珪素と金属との層を反応させ、金属珪化物のオーム接触を形成することを含む。
【0012】
本発明はさらに以下の手段を提供する。
【0013】
(項目1)
横方向に導電性を有するダイオードであって、
第1の表面を有する第1のドーピングされた半導体層と、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面の上の半導体メサと、
該メサの上の上部オーム接触と、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面と該メサの上部との間で、該メサの側面の少なくとも一部分を覆っている非導電性のメサ側壁スペーサと、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面の少なくとも一部分に広がる横方向オーム接触であって、該横方向オーム接触は、該上部オーム接触からの電流を該第1のドーピングされた層全体に横方向に伝える、横方向オーム接触と
を備えている、横方向に導電性を有するダイオード。
【0014】
(項目2)
上記横方向オーム接触は、上記側壁スペーサから伸びる、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0015】
(項目3)
上記上部オーム接触は、上記側壁スペーサに隣接した位置まで上記メサ全体に広がる、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0016】
(項目4)
上記メサは、真性半導体領域と、上記第1のドーピングされた層とは異なる導電性の型を有する領域とを備えている、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0017】
(項目5)
上記第1のドーピングされた層は、n+のドーピング型である、項目4に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0018】
(項目6)
上記異なる導電性の型の領域は、p+のドーピング型である、項目5に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0019】
(項目7)
上記メサは、n−のドーピング型の半導体を備えている、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0020】
(項目8)
上記横方向オーム接触の上に導電性金属のカソードをさらに備えている、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0021】
(項目9)
上記上部オーム接触の上に導電性金属のアノードをさらに備えている、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0022】
(項目10)
上記上部オーム接触は、金属珪化物を含む、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0023】
(項目11)
上記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、項目10に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0024】
(項目12)
上記横方向オーム接触は、金属珪化物を含む、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0025】
(項目13)
上記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、項目12に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0026】
(項目14)
上記第1のドーピングされた層は、半絶縁基板の上にある、項目1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0027】
(項目15)
上記半絶縁基板は、炭化珪素基板である、項目14に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0028】
(項目16)
回路内に上記ダイオードを取り付けるために、上記基板の、上記n+層とは反対の側に底部接触をさらに備えている、項目14に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【0029】
(項目17)
PINダイオードであって、
第1の表面を有するn+型にドーピングされた半導体層と、
該ダイオードを通る電流を制御するための、該n+半導体層の該第1の表面の上の真性半導体層と、
該真性層の上のp+半導体層と、
該p+型半導体層の上の上部オーム接触と、
該n+型半導体層の該第1の表面の上の横方向オーム接触であって、該横方向オーム接触は、該真性層と該p+層との近位に配置されている、横方向オーム接触と
を備え、
該PINダイオードは、該上部オーム接触から該横方向オーム接触に該n+層を横切って電流を伝える、PINダイオード。
【0030】
(項目18)
上記横方向オーム接触の上にカソードをさらに備えている、項目17に記載のPINダイオード。
【0031】
(項目19)
上記横方向オーム接触は、金属珪化物である、項目17に記載のPINダイオード。
【0032】
(項目20)
上記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、項目19に記載のPINダイオード。
【0033】
(項目21)
上記上部オーム接触は、金属珪化物である、項目17に記載のPINダイオード。
【0034】
(項目22)
上記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、項目21に記載のPINダイオード。
【0035】
(項目23)
上記真性層と上記p+層との両方の少なくとも1つの側を覆う側壁スペーサをさらに備え、該側壁スペーサは、上記横方向オーム接触に面し、上記上部オーム接触と該横方向オーム接触との間の短絡を防止する、項目17に記載のPINダイオード。
【0036】
(項目24)
上記側壁スペーサは、二酸化珪素および窒化珪素から成る群から選択される、項目23に記載のPINダイオード。
【0037】
(項目25)
上記横方向オーム接触は、上記側壁スペーサから伸びる、項目23に記載のPINダイオード。
【0038】
(項目26)
上記上部オーム接触は、上記側壁スペーサに隣接した位置まで上記メサ全体に広がる、項目23に記載のPINダイオード。
【0039】
(項目27)
上記n+層は、炭化珪素基板の上にある、項目17に記載のPINダイオード。
【0040】
(項目28)
回路内にPINダイオードを取り付けるために、上記基板の、上記n+層とは反対の側に底部接触をさらに備えている、項目24に記載のPINダイオード。
【0041】
(項目29)
ダイオードを形成する方法であって、
第1のドーピングされた半導体層の第1の表面の上に半導体メサを形成することと、
該ダイオードの中での短絡を防止するために少なくとも1つの側壁スペーサを形成するために、該メサの少なくとも1つの側において、該メサの頂部から該第1のドーピングされた層まで非導電性のスペーサ材料を堆積することと、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面に横方向オーム接触を形成することと、
該メサの上に上部オーム接触を形成することと
を包含し、
該ダイオードは、導電経路において該上部オーム接触から該横方向オーム接触に電流を伝え、該導電経路は、該第1のドーピングされた層の上の該横方向オーム接触の一部分を通って該第1のドーピングされた層全体に横方向に伸びる、ダイオードを形成する方法。
【0042】
(項目30)
上記メサを形成するステップは、ショットキーダイオードを形成するために、n+型炭化珪素層の上にn−型半導体層を形成することを包含する、項目29に記載のダイオードを形成する方法。
【0043】
(項目31)
上記メサを形成するステップは、n+炭化珪素層の第1のドーピングされた層の上に真性炭化珪素層を形成することと、PINダイオードを形成するために、該真性炭化珪素層の上にp+炭化珪素層を形成することとを包含する、項目29に記載のダイオードを形成する方法。
【0044】
(項目32)
上記横方向オーム接触を形成するステップは、上記側壁スペーサと該横方向オーム接触との間の上記第1のドーピングされた半導体層の上記表面で、珪素と導電性金属とを反応させることを包含する、項目29に記載のダイオードを形成する方法。
【0045】
(項目33)
上記上部オーム接触と上記横方向オーム接触とを形成するステップは、
上記第1の半導体層、上記メサ、および上記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素とを反応させるために充分な温度に該珪素と該金属を加熱することと
を包含する、項目29に記載のダイオードを形成する方法。
【0046】
(項目34)
上記珪素と上記金属とは、金属珪化物の横方向オーム接触と上部オーム接触とを形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、項目33に記載の方法。
【0047】
(項目35)
上記導電性金属は、上記側壁スペーサから取り除かれる、項目34に記載の方法。
【0048】
(項目36)
上記ダイオードは、上記ドーパントを活性させるために、約800度の温度まで加熱される、項目29に記載の方法。
【0049】
(項目37)
PINダイオードを形成する方法であって、
n+型半導体層の第1の表面に半導体メサを形成することであって、該半導体メサは、該n+型層の上に真性半導体層を含み、該真性層の上にp+型層を含む、ことと、
該メサの上に上部オーム接触を形成することと、
該メサに隣接するが接触することなく、n+層の上に横方向オーム接触を形成することと、
を包含し、
該ダイオードの導電経路は、該n+層全体に横方向に伸び、該横方向オーム接触の一部分を通って伸びる、PINダイオードを形成する方法。
【0050】
(項目38)
上記オーム接触を形成することに先立ち、上記ダイオードの中での短絡を防止するために、上記メサに少なくとも1つの側壁スペーサを形成するステップをさらに包含し、該側壁スペーサは、該メサの少なくとも1つの側において、該メサの頂部から上記n+層に非導電性スペーサ材料を堆積することによって形成される、項目37に記載のPINダイオードを形成する方法。
【0051】
(項目39)
上記上部オーム接触と上記横方向オーム接触とを形成するステップは、金属珪化物のオーム接触を形成することを包含する、項目38に記載のPINダイオードを形成する方法。
【0052】
(項目40)
上記金属珪化物を形成するステップは、上記側壁スペーサに隣接する、上記第1のn+型層の上記表面の少なくとも一部分にわたって珪素と導電性金属とを反応させることを包含する、項目39に記載のPINダイオードを形成する方法。
【0053】
(項目41)
上記金属珪化物を形成するステップは、
上記第1の半導体層、上記メサおよび上記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素とを反応させるために充分な温度に該珪素と該金属とを加熱することと
を包含する、項目39に記載のPINダイオードを形成する方法。
【0054】
(項目42)
上記珪素と上記金属とは、上記メサの上と上記n+層の上記表面とに金属珪化物オーム接触を形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、項目41に記載の方法。
【0055】
(項目43)
上記導電性金属は、上記側壁スペーサから取り除かれる、項目42に記載の方法。
【0056】
(項目44)
上記ダイオードは、上記オーム接触をアニールするために約800℃の温度に加熱される、項目37に記載の方法。
【0057】
(項目45)
ダイオードを横切って電流を導く方法であって、
第1のドーピングされた炭化珪素層の上に炭化珪素メサを形成することと、
該メサの側面に沿った短絡を防止するために、該メサの少なくとも1つの側をパッシベーションすることと、
該第1のドーピングされた炭化珪素層の露出領域の上に横方向オーム接触を形成することであって、該横方向オーム接触は、該メサの該パッシベーションされた側から伸びることによって、該メサから該第1の炭化珪素層を横切って流れる電流に電気的接続を提供する、ことと
を包含する、方法。
【0058】
(項目46)
上記半導体メサを形成するステップは、上記第1の炭化珪素層の上に真性炭化珪素層を形成することと、該真性層の上にp+型炭化珪素層を形成することとを包含する、項目45に記載の方法。
【0059】
(項目47)
上記メサをパッシベーションするステップは、二酸化珪素および窒化珪素から成る群から選択されるパッシベーション材料を上記第1の炭化珪素層の上と該メサの上とに堆積することを包含する、項目45に記載の方法。
【0060】
(項目48)
上記メサをパッシベーションするステップは、該メサの頂部および該第1の炭化珪素層の一部分から上記パッシベーション材料をエッチングして、該メサの側面に該パッシベーション材料を残すことを包含する、項目47に記載の方法。
【0061】
(項目49)
上記横方向オーム接触を形成するステップは、金属珪化物のオーム接触を形成することを包含する、項目45に記載の方法。
【0062】
(項目50)
上記メサの上に金属珪化物の上部オーム接触を形成するステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
【0063】
(項目51)
上記金属珪化物を形成するステップは、
上記第1の半導体層、上記メサ、および上記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素と反応させるために充分な温度に該珪素と該金属とを加熱することと
を包含する、項目50に記載の方法。
【0064】
(項目52)
上記珪素と上記金属とは、上記メサの上と上記n+層の上記表面とに金属珪化物のオーム接触を形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、項目51に記載の方法。
【0065】
(項目53)
上記導電性金属は、上記側壁スペーサから取り除かれる、項目52に記載の方法。
【0066】
(項目54)
上記ダイオードは、上記オーム接触をアニールするために約800℃の温度に加熱される、項目53に記載の方法。
【0067】
(摘要)
順方向にバイアスをかけられた状態において、減少されたオン抵抗を有するダイオード構造は、好適には炭化珪素の半導体層を含む。デバイスのアノードとカソードとは、底部半導体層の同じ側に位置を決められており、該底部半導体層は、ダイオード本体全体に横方向に導電性を提供する。アノードは半導体メサの上に配置され、メサの側面は、アノードから底部層に伸びる非導電性スペーサで覆われている。好適には金属珪化物のオーム接触は、スペーサ材料とカソードとの間で底部層の表面を覆う。導電経路は、メサ本体を通りオーム接触を含む底部半導体層を横切って、アノードからカソードに伸びる。ダイオードを形成する方法は、ダイオードの適切な領域において珪素と金属との層を反応させ、金属珪化物のオーム接触を形成することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
本明細書における本発明は、逆バイアスモードにおける高電圧ブロッキング性能を同時に備えるオン状態において、望ましい低い直列抵抗を有するパワーダイオードを形成する問題に対処する。電流が縦方向導電チャンネルにおいて上部から底部に流れることを必要とする代わりに、本発明のダイオードは、ダイオードの同じ側における頂部接触から第2の接触への横方向導電を利用する。この新たな構造は、炭化珪素で形成されたダイオードにとって特に有用である。
【0069】
図1は、従来技術のPINダイオード(10)を比較の目的で示す。この従来技術のダイオード(10)は、高度にドーピングされたp型層(12)とn型層(14)とを含み、2つの間に配置された真性のドーピングされていない層(13)を有する。しかしながら、図1のダイオードにとっては、直列抵抗が、電流が流れなければならない炭化珪素基板の抵抗によって問題となる。
【0070】
図2は、本発明に従った新たなPINダイオード(20)を示す。ダイオード(20)において、p+型領域(26)の上に位置を決められたアノード(21)から、本明細書においてn+層(35)と呼ばれる高度にドーピングされた底部層の同じ側に位置を決められたカソード(30)に、電流が流れる。従って、このダイオード(20)は、n+層(35)の中で横方向導電を利用する。本明細書における本発明に限らず、横方向導電は、上部から底部への縦方向導電とは異なり、一方の側からもう一方の側へのn+層(35)を横切ったキャリアの動きを含む。
【0071】
本発明に従った横方向導電ダイオード(20)は、ダイオード技術において一般的な層状構造を有する。この詳細な記述では、1つの層を他の層の「上」に有するダイオード(20)の構造について述べる。用語「上」は、他の層の間にある層を含む設計を包含するように広く解釈されるべきである。従って、別の層の「上」の層が、層が直接的に隣接しているということを必要とする構造に、本発明は限定されない。さらに、明確性のために、この詳細な説明は、任意の所与の層におけるそれ以外の可能性を制限することなく、特定のドーピングの型に言及する。
【0072】
例えば、図2に示されているように、新たなダイオード(20)は、第1の表面(38)を有するn+型にドーピングされた半導体層(35)を横切る横方向導電を使用する。半導体メサ(22)は、素子接合を形成するために、n+型層(35)の第1の表面の上にある。好適な実施形態において、メサ(22)は、真性の炭化珪素層、I層(23)を有する半導体層である。メサ(22)はまた、I層(23)の上に高度にドーピングされたp+層(26)を含む。ダイオードは、p+層(26)の上に上部オーム接触(25)を含む。上部オーム接触(25)は、好適には、メサ(22)全体の上でより厚い金属アノード(21)を支持する金属珪化物である。
【0073】
ダイオード(20)は、オン状態において、従来のダイオードよりも明らかに低い順方向抵抗を提供する。このより低い順方向抵抗は、部分的には、n+型層(35)の第1の表面(38)の上のカソード(30)によるものである。カソード(30)は、第1の表面(38)の上に、メサ(22)に隣接しているが離れて配置されており、メサ(22)とカソード(30)との間に第1の層(38)の上でギャップ(31)を画定する。n+層のアノード(21)と同じ側にカソード(30)を置くことによって、ダイオード(20)は、図1における従来技術のデバイスの基板の厚さを通って電流が流れるのとは異なり、有利にも、電流がカソード(30)に向けてn+層(35)全体に流れるより短い経路を使用する。カソード(30)は、所望の厚さの標準的な金属の堆積層か導電性ビアであり得る。
【0074】
最も好適な実施形態において、n+層(35)は、好適には、炭化珪素で形成される。アノード(21)からn+層(35)に向けての電流に関し、メサ(22)の側面に沿ってn+層(35)とカソード(30)とに向けて電気が流れる望ましからぬ傾向がある。電流がメサの大部分を迂回するので、メサ(22)の側面を下る導電は、ダイオード(20)の適切な制御を妨げる。この短絡を除くために、ダイオード(20)は、第1の表面(38)上のギャップ(31)の一部分に非導電性のメサ側壁スペーサ層(24)を組み込む。側壁スペーサ(24)は、n+層(35)の第1の表面(38)からメサ(22)の上部までメサ(22)の側面を覆う。側壁スペーサ(24)はパッシベーションを改善し、それにより層間のインタフェースの電子特性を改善する。
【0075】
ダイオードが意図したように機能することを可能にしながら、ダイオードの中の直列抵抗が最小となることを確実にするために、ダイオード(20)は、n+層(35)の第1の表面(38)の少なくとも一部分を覆っている横方向オーム接触(33)を有する。横方向オーム接触(33)は、メサ(22)からn+層(35)の上部表面(38)全体に伸びる。上部オーム接触(25)と同様に、横方向オーム接触(33)は、好適には、金属珪化物である。カソード(30)は、金属珪化物の上のより厚い金属の層である。横方向オーム接触(31)は、n+層(35)全体を横方向に横方向オーム接触(33)に沿って、ダイオード(20)がアノード(21)からカソード(30)へ電流を伝えることを可能にする。
【0076】
例えば、他の材料の開発の可能性を限定するものではないが、上部オーム接触(25)と横方向オーム接触(33)との両方は、好適には、金属珪化物で形成される。接触として金属珪化物を使用することは、概ね、半導体電子工学の分野において公知である。しかしながら、ダイオードメサ(22)とカソード(30)との間の横方向オーム接触(33)として金属珪化物を使用することは、n+層(35)の同じ側に接触を有する横方向に導電性を有するダイオードに関連しては新たな開発である。金属珪化物は、珪化チタン、珪化コバルトまたは珪化ニッケルのような通常の珪化物のうちの任意の1つであり得る。好適な実施形態において、上部オーム接触(25)と横方向オーム接触(31)とは、上部オーム接触がメサに対して自動整合されるように、エッチングされた金属珪化物で形成される。しかしながら、これは、上部オーム接触と横方向オーム接触とが異なる材料で形成される実施形態を除外しない。
【0077】
本発明のダイオード構造は、一般的には、デバイスの接合部を形成するp型層とn型層とを含む。本明細書において記述される構造は、特に、PINダイオードを形成することに有利である。PIN構造を形成するために、ダイオード(20)は、メサ(22)の中に追加の半導体層を組み込む。この追加の層は、高度にドーピングされたp型層(26)とn型層(35)との間の真性の半導体層(28)である。当然、層のドーピングの型は、必要に応じて他のものにされ得る。
【0078】
ダイオード(20)は、上部接触から底部接触への標準的な縦方向の電気伝導を利用しない。しかしながら、ダイオードは、ダイオードを回路の中に取り付けるための底部接触(40)を含み得る。底部接触は、一般的には、メサ(22)とは反対側の、n+層(35)の面にある。
【0079】
図3に示されているように、ダイオード(20)は、底部接触(40)が付着される半絶縁基板(45)の上に形成され得る。基板(45)は、多種多様なデバイスへの容易な一体化を可能にする。
【0080】
上記のダイオードは、以下で述べられるようなダイオード製造の改善された方法からもたらされる。ダイオード(20)を開発する第1のステップは、第1のドーピングされた半導体層(35)の第1の表面(38)の上に半導体メサ(22)を形成することであり、該第1のドーピングされた半導体層(35)は、例えば、図2におけるn+のような第1の導電性の型に高度にドーピングされている。PINダイオードに関して、メサは、真性すなわちI層(23)と、メサの上部における反対の導電性の型の高度にドーピングされた領域、例えば、図2におけるp+領域(26)とを含む。基板にドーピングされた層を有する半導体メサを形成するプロセスは公知であり、炭化珪素技術において通常使用される。ドーピングはエピ層の成長の間に達成され得る。例えば、メサ(22)は、基板に形成されたエピタキシャル層のドライエッチングから形成され得る。図2の例において、n+層(35)は、5E18〜2E19の範囲内のn型のドーパントで高度にドーピングされる。エピ層のメサ(22)は、〜1E20を上回るp+型のドーピングの領域(26)を含む。
【0081】
次に、二酸化珪素または窒化珪素のような非導電性スペーサ材料(24)は、メサ(22)の少なくとも1つの側で、メサ(22)の上部から下側層(35)の露出面まで堆積され、ダイオードの中での短絡を防止する少なくとも1つの側壁スペーサ(24)を形成する。方法は、デバイス(20)を覆ってスペーサ材料を堆積し、次に、スペーサ材料だけがメサの側面だけを覆うように、スペーサ材料をエッチングすることを含む。メサ(22)の上に側壁スペーサ(24)を形成した後、方法は、側壁スペーサ(24)から、第1のドーピングされた層(35)の第1の表面(38)全体に、横方向オーム接触(33)を形成することを含む。横方向オーム接触(33)を形成するために使用される材料はまた、メサ(22)の上部を覆い得、上部オーム接触(25)を形成する。方法は、任意的に、メサ(22)の上に上部接触(25)を形成するための自動整合技術を使用することを含み得る。自動整合は、その縁が側壁スペーサ(24)の縁に一致するように、上部オーム接触をエッチングすることを含む。その場合、上部接触(25)と横方向オーム接触(33)とは、同一の材料で作られる。本明細書における本発明はまた、上部オーム接触(25)と横方向オーム接触(33)とが、異なるが同程度の有効オームの材料で作られるそれらの実施形態を包含する。
【0082】
導電経路を完成するために、カソード(30)が、横方向オーム接触(33)の上であって、第1のドーピングされた層(35)の上に形成される。アノード(21)は、上部オーム接触(25)の上であって、メサ(22)の上に形成される。従って、カソード(30)は、第1のドーピングされた層(35)の上の横方向オーム接触(33)に電気的に接続され、その結果、ダイオードは導電経路においてアノード(21)からカソード(30)に電流を伝え、該導電経路は、第1のドーピングされた層(35)全体に横方向に伸びる。
【0083】
横方向オーム接触(33)を形成する上記ステップは、限定するものではないが、側壁スペーサ(24)とカソード(30)との間の、第1のn+型層(35)の表面(38)上で、珪素と導電性金属とを反応させることを含む。従って、横方向オーム接触(33)は、第1の半導体層(35)とメサ(22)と側壁スペーサ層(24)とを覆う珪素の層を最初に堆積することによって形成される金属珪化物であり得る。このステップは、熱および電子ビーム蒸着を使用して珪素を堆積することを含み得る。
【0084】
アノードからカソードへの短絡を防止するために、金属珪化物がメサ(22)の縦方向の立ち上がりに形成されないように、側壁スペーサに触れる珪素は取り除かれなければならない。例えば、等方性のドライエッチングは、メサ(22)の側壁から珪素を取り除くことに有効である。側壁スペーサは縦方向に配向され、そこに堆積される珪素の量は、n+層(35)の水平な上部表面(38)上の珪素よりもずっと少ない。側壁スペーサ(24)の珪素の層がずっと薄い場合には、側壁スペーサ(24)に堆積された珪素は、エッチングによって取り除かれ得る。
【0085】
後に、導電性金属がメサ(22)と側壁スペーサ(24)と第1の半導体層(35)を覆っている珪素の少なくとも一部分の上に堆積またはスパッタされる。本明細書における方法は、導電性金属を珪素に反応させるために充分な温度にまで珪素と金属とを加熱することを包含する。一実施形態において、ダイオード構造は、側壁スペーサ(24)からn+層(35)の表面(38)全体に金属珪化物の横方向オーム接触(33)を形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される。好適な実施形態において、加熱は同じ反応がメサ(22)の上に上部オーム接触(25)を形成することをもたらす。最高600℃までの温度が珪素−金属反応を達成するために使用され得る。
【0086】
やはり、側壁スペーサ(24)を下る電流は望ましくなく、導電性金属は側壁スペーサ(24)から取り除かれる。一実施形態において、珪化物は珪化ニッケルであり、標準的なニッケルエッチングは側壁スペーサ(24)からニッケルを取り除くが、金属珪化物または側壁スペーサを形成する材料に影響することない。
【0087】
最後のステップとして、ダイオードは約800℃の温度まで加熱され、低いシート抵抗を有するより良い珪化物半導体の接触を完成する。上記のように、この方法は、半絶縁基板(45)にダイオード(20)を形成することと、取り付けのために基板(45)に底部接触(40)を置くこととによって実行され得る。
【0088】
次の表は、本発明に従って設計されたモデルのダイオードのシミュレートされた結果を示す。横方向に導電性を有するダイオードにおける直列抵抗は、50ミクロンの薄さの基板を用いてでさえ、明らかに減少される。
【0089】
【表1】

本明細書において記述された方法は、横方向の電気伝導を介した明らかに改善された性能を有する様々なダイオードを形成するために使用され得る。従って、メサ(22)を形成するステップは、ダイオードがショットキーダイオードになるように、n+型にドーピングされた第1の層の上にn−型にドーピングされた半導体層を形成することを包含し得る。同様に、メサを形成するステップは、ダイオードがPINダイオードになるように、n+型の第1の半導体層の上に真性半導体層を形成し、真性層の上にp+型にドーピングされた半導体層を形成することを包含し得る。本発明に従ったPINダイオードは上で詳細に述べられた。
【0090】
上記の実施形態は、上部オーム接触(25)、横方向オーム接触(33)、または側壁スペーサ(24)に対して特定の大きさを全く必要としない。図面は、いずれかの方向に側壁スペーサ(24)からすっと伸びるようにオーム接触(25、33)を示すが、そのような図面は本発明を限定しない。実際、オーム接触(25、33)は半導体表面を適切に伸び、露出された半導体のギャップを残し得る。言い換えると、オーム接触(25、33)は、側壁スペーサ(24)領域に実際に接触する必要はない。この実施形態において、オーム接触(25、33)は、それぞれの半導体層の一部分のみを覆い、側壁スペーサ(24)に直接的に隣接しない。
【0091】
本発明は様々な異なる型のデバイス構造において実現され得るということを、当業者は認識する。従って、本発明は、本明細書において例示された特定の構造に限定されない。
【0092】
図面および明細書において、本発明の好適な実施形態が示されており、特定の用語が利用されてきたが、それらは一般的かつ説明的な意味のみで使用されており、限定の目的では使用されておらず、本発明の範囲は特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、従来技術のPINダイオードの断面図である。
【図2】図2は、本明細書において述べられるような横方向に導電性を有するPINダイオードの断面図である。
【図3】図3は、半絶縁基板の上に形成される横方向に導電性を有するPINダイオードの断面図である。
【符号の説明】
【0094】
20 ダイオード
21 アノード
22 メサ
23 真性の炭化珪素層
24 側壁スペーサ
25 上部オーム接触
26 p+型にドーピングされた半導体層
30 カソード
31 ギャップ
33 横方向オーム接触
35 n+型にドーピングされた半導体層
38 第1の表面
40 底部接触
45 半絶縁基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に導電性を有するダイオードであって、
第1の表面を有する第1のドーピングされた半導体層と、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面の上の半導体メサと、
該メサの上の上部オーム接触と、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面と該メサの上部との間で、該メサの側面の少なくとも一部分を覆っている非導電性のメサ側壁スペーサと、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面の少なくとも一部分に広がる横方向オーム接触であって、該横方向オーム接触は、該上部オーム接触からの電流を該第1のドーピングされた層全体に横方向に伝える、横方向オーム接触と
を備えている、横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項2】
前記横方向オーム接触は、前記側壁スペーサから伸びる、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項3】
前記上部オーム接触は、前記側壁スペーサに隣接した位置まで前記メサ全体に広がる、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項4】
前記メサは、真性半導体領域と、前記第1のドーピングされた層とは異なる導電性の型を有する領域とを備えている、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項5】
前記第1のドーピングされた層は、n+のドーピング型である、請求項4に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項6】
前記異なる導電性の型の領域は、p+のドーピング型である、請求項5に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項7】
前記メサは、n−のドーピング型の半導体を備えている、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項8】
前記横方向オーム接触の上に導電性金属のカソードをさらに備えている、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項9】
前記上部オーム接触の上に導電性金属のアノードをさらに備えている、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項10】
前記上部オーム接触は、金属珪化物を含む、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項11】
前記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、請求項10に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項12】
前記横方向オーム接触は、金属珪化物を含む、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項13】
前記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、請求項12に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項14】
前記第1のドーピングされた層は、半絶縁基板の上にある、請求項1に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項15】
前記半絶縁基板は、炭化珪素基板である、請求項14に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項16】
回路内に前記ダイオードを取り付けるために、前記基板の、前記n+層とは反対の側に底部接触をさらに備えている、請求項14に記載の横方向に導電性を有するダイオード。
【請求項17】
PINダイオードであって、
第1の表面を有するn+型にドーピングされた半導体層と、
該ダイオードを通る電流を制御するための、該n+半導体層の該第1の表面の上の真性半導体層と、
該真性層の上のp+半導体層と、
該p+型半導体層の上の上部オーム接触と、
該n+型半導体層の該第1の表面の上の横方向オーム接触であって、該横方向オーム接触は、該真性層と該p+層との近位に配置されている、横方向オーム接触と
を備え、
該PINダイオードは、該上部オーム接触から該横方向オーム接触に該n+層を横切って電流を伝える、PINダイオード。
【請求項18】
前記横方向オーム接触の上にカソードをさらに備えている、請求項17に記載のPINダイオード。
【請求項19】
前記横方向オーム接触は、金属珪化物である、請求項17に記載のPINダイオード。
【請求項20】
前記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、請求項19に記載のPINダイオード。
【請求項21】
前記上部オーム接触は、金属珪化物である、請求項17に記載のPINダイオード。
【請求項22】
前記金属珪化物は、TiSi、CoSi、およびNiSiから成る群から選択される、請求項21に記載のPINダイオード。
【請求項23】
前記真性層と前記p+層との両方の少なくとも1つの側を覆う側壁スペーサをさらに備え、該側壁スペーサは、前記横方向オーム接触に面し、前記上部オーム接触と該横方向オーム接触との間の短絡を防止する、請求項17に記載のPINダイオード。
【請求項24】
前記側壁スペーサは、二酸化珪素および窒化珪素から成る群から選択される、請求項23に記載のPINダイオード。
【請求項25】
前記横方向オーム接触は、前記側壁スペーサから伸びる、請求項23に記載のPINダイオード。
【請求項26】
前記上部オーム接触は、前記側壁スペーサに隣接した位置まで前記メサ全体に広がる、請求項23に記載のPINダイオード。
【請求項27】
前記n+層は、炭化珪素基板の上にある、請求項17に記載のPINダイオード。
【請求項28】
回路内にPINダイオードを取り付けるために、前記基板の、前記n+層とは反対の側に底部接触をさらに備えている、請求項24に記載のPINダイオード。
【請求項29】
ダイオードを形成する方法であって、
第1のドーピングされた半導体層の第1の表面の上に半導体メサを形成することと、
該ダイオードの中での短絡を防止するために少なくとも1つの側壁スペーサを形成するために、該メサの少なくとも1つの側において、該メサの頂部から該第1のドーピングされた層まで非導電性のスペーサ材料を堆積することと、
該第1のドーピングされた層の該第1の表面に横方向オーム接触を形成することと、
該メサの上に上部オーム接触を形成することと
を包含し、
該ダイオードは、導電経路において該上部オーム接触から該横方向オーム接触に電流を伝え、該導電経路は、該第1のドーピングされた層の上の該横方向オーム接触の一部分を通って該第1のドーピングされた層全体に横方向に伸びる、ダイオードを形成する方法。
【請求項30】
前記メサを形成するステップは、ショットキーダイオードを形成するために、n+型炭化珪素層の上にn−型半導体層を形成することを包含する、請求項29に記載のダイオードを形成する方法。
【請求項31】
前記メサを形成するステップは、n+炭化珪素層の第1のドーピングされた層の上に真性炭化珪素層を形成することと、PINダイオードを形成するために、該真性炭化珪素層の上にp+炭化珪素層を形成することとを包含する、請求項29に記載のダイオードを形成する方法。
【請求項32】
前記横方向オーム接触を形成するステップは、前記側壁スペーサと該横方向オーム接触との間の前記第1のドーピングされた半導体層の前記表面で、珪素と導電性金属とを反応させることを包含する、請求項29に記載のダイオードを形成する方法。
【請求項33】
前記上部オーム接触と前記横方向オーム接触とを形成するステップは、
前記第1の半導体層、前記メサ、および前記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素とを反応させるために充分な温度に該珪素と該金属を加熱することと
を包含する、請求項29に記載のダイオードを形成する方法。
【請求項34】
前記珪素と前記金属とは、金属珪化物の横方向オーム接触と上部オーム接触とを形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記導電性金属は、前記側壁スペーサから取り除かれる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ダイオードは、前記ドーパントを活性させるために、約800度の温度まで加熱される、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
PINダイオードを形成する方法であって、
n+型半導体層の第1の表面に半導体メサを形成することであって、該半導体メサは、該n+型層の上に真性半導体層を含み、該真性層の上にp+型層を含む、ことと、
該メサの上に上部オーム接触を形成することと、
該メサに隣接するが接触することなく、n+層の上に横方向オーム接触を形成することと、
を包含し、
該ダイオードの導電経路は、該n+層全体に横方向に伸び、該横方向オーム接触の一部分を通って伸びる、PINダイオードを形成する方法。
【請求項38】
前記オーム接触を形成することに先立ち、前記ダイオードの中での短絡を防止するために、前記メサに少なくとも1つの側壁スペーサを形成するステップをさらに包含し、該側壁スペーサは、該メサの少なくとも1つの側において、該メサの頂部から前記n+層に非導電性スペーサ材料を堆積することによって形成される、請求項37に記載のPINダイオードを形成する方法。
【請求項39】
前記上部オーム接触と前記横方向オーム接触とを形成するステップは、金属珪化物のオーム接触を形成することを包含する、請求項38に記載のPINダイオードを形成する方法。
【請求項40】
前記金属珪化物を形成するステップは、前記側壁スペーサに隣接する、前記第1のn+型層の前記表面の少なくとも一部分にわたって珪素と導電性金属とを反応させることを包含する、請求項39に記載のPINダイオードを形成する方法。
【請求項41】
前記金属珪化物を形成するステップは、
前記第1の半導体層、前記メサおよび前記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素とを反応させるために充分な温度に該珪素と該金属とを加熱することと
を包含する、請求項39に記載のPINダイオードを形成する方法。
【請求項42】
前記珪素と前記金属とは、前記メサの上と前記n+層の前記表面とに金属珪化物オーム接触を形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記導電性金属は、前記側壁スペーサから取り除かれる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ダイオードは、前記オーム接触をアニールするために約800℃の温度に加熱される、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
ダイオードを横切って電流を導く方法であって、
第1のドーピングされた炭化珪素層の上に炭化珪素メサを形成することと、
該メサの側面に沿った短絡を防止するために、該メサの少なくとも1つの側をパッシベーションすることと、
該第1のドーピングされた炭化珪素層の露出領域の上に横方向オーム接触を形成することであって、該横方向オーム接触は、該メサの該パッシベーションされた側から伸びることによって、該メサから該第1の炭化珪素層を横切って流れる電流に電気的接続を提供する、ことと
を包含する、方法。
【請求項46】
前記半導体メサを形成するステップは、前記第1の炭化珪素層の上に真性炭化珪素層を形成することと、該真性層の上にp+型炭化珪素層を形成することとを包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記メサをパッシベーションするステップは、二酸化珪素および窒化珪素から成る群から選択されるパッシベーション材料を前記第1の炭化珪素層の上と該メサの上とに堆積することを包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記メサをパッシベーションするステップは、該メサの頂部および該第1の炭化珪素層の一部分から前記パッシベーション材料をエッチングして、該メサの側面に該パッシベーション材料を残すことを包含する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記横方向オーム接触を形成するステップは、金属珪化物のオーム接触を形成することを包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記メサの上に金属珪化物の上部オーム接触を形成するステップをさらに包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記金属珪化物を形成するステップは、
前記第1の半導体層、前記メサ、および前記側壁スペーサを覆って珪素の層を堆積することと、
該側壁スペーサから該珪素を取り除くことと、
該メサ、該側壁スペーサ、および該第1の半導体層の少なくとも一部分を覆って導電性金属を堆積することと、
該導電性金属と該珪素と反応させるために充分な温度に該珪素と該金属とを加熱することと
を包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記珪素と前記金属とは、前記メサの上と前記n+層の前記表面とに金属珪化物のオーム接触を形成するために、約300℃と400℃との間の温度に加熱される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記導電性金属は、前記側壁スペーサから取り除かれる、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ダイオードは、前記オーム接触をアニールするために約800℃の温度に加熱される、請求項53に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−205467(P2008−205467A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33820(P2008−33820)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(506078378)クリー, インコーポレイティッド (26)