説明

低温電解プロセスによるアルカリ金属の製法および電解液組成物

【課題】最も好ましくは200℃よりも低い低温アルカリ金属電解プロセスによるアルカリ金属を生産する方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属ハロゲン化物と、(1)イミダゾリウム塩、N−アルキルピリジニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩のような窒素またはリン化合物、および任意選択でIIIA族ハロゲン化物、IB族ハロゲン化物、VIII族ハロゲン化物またはこれらの2種以上の組合せ、あるいは(2)IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはIIIA族ハロゲン化物とVB族ハロゲン化物の組合せ、あるいは(3)水を含むコエレクトロライトとを含む電解液を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ金属を生産するための電解プロセスおよびその電解液に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ金属は非常に反応性の高い元素であり、単体の形のものは自然界には見られない。水素などの一般的な還元剤も、アルカリ金属を化合物から金属の状態に還元するほど強くはない。電解還元は欠くことのできないものであり、英ロンドンの王立研究所のRumford/Thompson伯爵の助手Humphry Davy卿による、1807年の単体アルカリ金属の発見に至る古典的実験でも使用された。電解還元は、アルカリ金属の工業生産に使用されている。現在、世界的に使用されているプロセスは、ナトリウムおよびリチウムをそれらの塩化物から生産するために20世紀初頭に導入された、いわゆる「ダウンズ(Downs)」法である。
【0003】
ダウンズ法では、電解液の融解温度を600℃弱に引き下げるため、NaCl、CaClおよびBaClの混合物から成る溶融塩電解液が使用される。これによって、約800℃というはるかに高い融点を有する純粋なNaClを使用するのに比べ、プロセスがより実用的になる。それでもなお、このような温度で電解プロセスを操作することは難しく、多数の操作上の制約が生じる。ダウンズ法の操作温度が高いため、電解槽の設計では、電気化学工学実践で通常使用されている、はるかに空間効率のよい積重ね多重平形電極/隔膜部品構成ではなく、同心円筒形のカソード、ワイヤメッシュ隔膜、およびアノードが使用される。さらに、この高い操作温度は、平形ワイヤメッシュ鋼隔膜を柔軟にし、そのため隔膜が機械的に不安定となって、アノードとカソードの間で前後にたわみ、その結果、部分的な短絡/アークが生じ、これによって隔膜が焼けて穴があいてしまう。隔膜の穴は、カソードで生成されたナトリウムおよびアノードで生成された塩素の逆混合を許し、これによって電解槽の電流効率が低下する。一方、円筒形ワイヤメッシュは、同じ種類の平形ワイヤメッシュスクリーンよりもはるかに堅固で機械的にはるかに安定であるため、電極間に鋼隔膜がある同心円筒形構成ではこの問題が回避される。
【0004】
約600℃という高い操作温度に必要なダウンズ法の前述の同心円筒形電解槽設計は、ダウンズ電解槽の空間効率が非常に悪いことをも意味する。このことは、単位生産あたりの資本費および運転費の高騰に直接にはねかえる。
【0005】
ダウンズ電解槽の操作温度が高いことは、溶融混合塩電解液の凝固温度が電解槽の操作温度よりも約20℃低いだけであることと相まって、電解槽の円滑な操作を困難にする。電解槽の「フリーズアップ」およびその他の「異常」はしばしばであり、工業的電解プロセスとしては異常に高い操作労働が必要となる。このことが、ダウンズ法が自動化になじまない理由でもある。リチウムは現在、修正ダウンズ法によって生産されている。
【0006】
NaCl/HO溶液からカソードに金属ナトリウムを付着させる低温電解プロセスもあるが、得られる金属ナトリウムが純粋なナトリウムではなく、ナトリウムの割合が通常で約0.5%Naと低い液体水銀/ナトリウムアマルガムである。残りの99%超は金属水銀である。このプロセスは、希釈したナトリウムアマルガムを水と反応させることによって水酸化ナトリウム水溶液を生産するのに使用される。一般的に、非特許文献1および非特許文献2を参照されたい。ナトリウムから水銀を分離する問題およびコストのため、このプロセスを使用して金属ナトリウムを経済的に生産することはできない。例えば、蒸留による分離は、水銀の沸点(357℃)がナトリウム(880℃)よりもはるかに低く、99%の水銀を蒸発させて、約1%のナトリウムを残分として得るのはあまりに費用がかかりすぎるため、非現実的である。
【0007】
最近、電池に応用するため、非水性有機溶媒ベースのアルカリ金属塩化物電解液に関する物理化学的基礎研究が実施された。非特許文献3を参照されたい。この研究からは、アルカリ金属を生産するためのプロセスは生まれなかった。
【0008】
したがって、アルカリ金属をより経済的に生産することができる電解プロセスを開発する必要性が高まっている。自動化を可能にするなど、操作性を向上させることができるプロセスを開発する必要もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Marshall Sitting著「Sodium,Its Manufacture,Properties and Uses」,American Chemical Society Monograph Series,Reinhold Publishing Corp.,New York(1956)
【非特許文献2】C.L.Mantell著「Electrochemical Engineering」,McGraw−Hill Book Co.,Inc.,New York,Toronto,London(1960)
【非特許文献3】J.Electrochem.Soc.Vol.143,NO.7,2262−2266ページ,1996年7月
【非特許文献4】F.A.Cotton and G.Wilkinson,「Advanced Inorganic Chemistry」,4th Edition.John Wiley and Sons:New York,1980;pp.257−258
【非特許文献5】the Periodic Table of The elements」,CRC Handbook of Chemistry & Physics,67th edition,1986−1987,CRC Press,Boca Raton,Florida
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、低温アルカリ金属電解プロセスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、コエレクトロライトおよびアルカリ金属ハロゲン化物の存在下で電解を実施する段階を含む、低温電解プロセスが提供される。このコエレクトロライトは、(1)窒素またはリン化合物、および任意選択でIIIA族ハロゲン化物、IB族ハロゲン化物、VIII族ハロゲン化物またはこれらの2種以上の組合せ、あるいは(2)IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはIIIA族ハロゲン化物とVB族ハロゲン化物の組合せ、あるいは(3)水を含む。
【0012】
本発明によればさらに、電解プロセスであって、(1)液体アルカリ金属、または(2)ビスマス、鉛、スズ、アンチモン、インジウム、ガリウム、タリウムおよびカドミウムから成るグループから選択された2種以上の金属の液体低融点合金、または(3)導電性液体溶媒和アルカリ金属を含むカソードを使用してこのプロセスを実施する段階を含むプロセスが提供される。
【0013】
本発明によればさらに、電解液が提供される。この電解液は、アルカリ金属ハロゲン化物と、(1)窒素またはリン化合物、および任意選択でIIIA族ハロゲン化物、IB族ハロゲン化物、VIII族ハロゲン化物またはこれらの2種以上の組合せ、あるいは(2)IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはIIIA族ハロゲン化物とVB族ハロゲン化物の組合せ、あるいは(3)水を含むコエレクトロライトとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の電解は低温で実施される。用語「低温」は、約300℃よりも低い温度、好ましくは約250℃よりも低い温度、最も好ましくは200℃よりも低い温度を指す。これを、約20℃から約300℃、好ましくは約50℃から250℃、より好ましくは約70℃から約200℃、最も好ましくは90℃から200℃とすることができる。本発明の電解によって、実質的に純粋なアルカリ金属、例えばナトリウムを生産することができる。用語「実質的に純粋」は、アルカリ金属1kgあたり約400mg未満、好ましくは約300mg未満、より好ましくは約200mg未満、最も好ましくは100mg未満の不純物を含むアルカリ金属を指す。
【0015】
任意のアルカリ金属ハロゲン化物を本発明に使用することができる。用語「アルカリ金属」は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、またはこれらの2種以上の組合せを指す。現時点の好ましいアルカリ金属ハロゲン化物は塩化ナトリウムである。これは、ナトリウムを生産するための電解に塩化ナトリウムが広く使用されているためである。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、窒素またはリン化合物、好ましくはカチオン部分とアニオン部分とを有する含窒素イオン性化合物をコエレクトロライト(co−electrolyte)として使用することができる。この化合物は固体でもまたは液体でもよい。現時点では非水性液体が好ましい。カチオン部分は有機カチオンであることが好ましい。カチオン部分は、1種または数種のイミダゾリウム塩、N−アルキルピリジニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩を含む。例えば、アルカリ金属ハロゲン化物と組み合わせたときにアルカリ金属ハロゲン化物の融点を、先に開示した低い温度にまで引き下げることができる任意のイミダゾリウム塩を使用することができる。
【0017】
アニオン部分は、アルカリ金属ハロゲン化物の融点を下げる目的に使用できるものであればどんなアニオンでもよい。適当なアニオンの例としては、1種または数種の塩化物、臭化物、ヨウ化物、テトラフルオロホウ酸塩およびヘキサフルオロリン酸塩などがある。現時点の好ましいアニオンは塩化物である。
【0018】
この窒素またはリン化合物は、置換基の種類の数だけ誘導体を含むことができる。現在のところ、部分的にまたは完全にアルキル化されたイミダゾリウムハロゲン化物、例えば塩化物を使用することが好ましい。完全アルキル化イミダゾリウムハロゲン化物は、イミダゾリウム環の水素が全てヒドロカルビル基に置換されたものであり、このヒドロカルビル基は1から約20個の炭素原子を含むことができ、アルキル、アルケニルまたはアリール基であることができる。一般に、アンモニウムおよびホスホニウム塩はペルアルキル化、ピリジニウム塩はN−置換、イミダゾリウム塩はN,N−二置換される。
【0019】
適当な窒素またはリン化合物の例には、1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウム、1−プロピル−3−メチル−1H−イミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチル−1H−イミダゾリウム、1−ブチル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、1−メチルピリジニウム、環の非窒素位置にアルキル基を有するピリジン誘導体、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、およびこれらの2種以上の組合せなどがある。ただしこれらに限定されるわけではない。現時点での好ましいイミダゾリウムハロゲン化物は、1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3,4,5−テトラメチル−1H−イミダゾリウムクロリド、または1,2,3,4,5−ペンタメチル−1H−イミダゾリウムクロリドである。
【0020】
イミダゾリウムハロゲン化物に、IB族金属ハロゲン化物、IIIA族金属ハロゲン化物、VIII族金属ハロゲン化物、またはこれらの2種以上の組合せを組み合わせることもできる。本発明で使用する用語「IB族」、「IIIA族」、「VB族」または「VIII属」は、CAS版の元素周期表(非特許文献5)による。適当なIB族ハロゲン化物の例には、塩化銅、臭化銅などのハロゲン化銅、塩化銀などのハロゲン化銀、塩化金などのハロゲン化金、およびこれらの2種以上の組合せが含まれる。IIIA族ハロゲン化物の例には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウム、塩化ホウ素などのハロゲン化ホウ素、塩化ガリウムなどのハロゲン化ガリウム、塩化インジウムなどのハロゲン化インジウム、塩化タリウムなどのハロゲン化タリウム、およびこれらの2種以上の組合せが含まれる。適当なVB族ハロゲン化物の例には、塩化タンタルなどのハロゲン化タンタル、塩化バナジウムなどのハロゲン化バナジウム、塩化ニオブなどのハロゲン化ニオブ、およびこれらの2種以上の組合せが含まれる。VIII族ハロゲン化物の例には、塩化鉄、臭化鉄どのハロゲン化鉄、塩化コバルト、臭化コバルトなどのハロゲン化コバルト、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどのハロゲン化ニッケル、塩化ロジウムなどのハロゲン化ロジウム、および塩化レニウムなどのハロゲン化レニウムが含まれる。
【0021】
コエレクトロライトの量は、アルカリ金属ハロゲン化物の融解温度を、先に開示した低い温度にまで引き下げることができるものでありさえすれば任意である。一般に、コエレクトロライトとアルカリ金属ハロゲン化物のモル比は、約0.01:1から約100:1とすることができ、約0.1:1から約10:1であることが好ましく、0.5:1から約2:1であることが最も好ましい。第2の金属(IB、IIIAまたはVIII族)ハロゲン化物がイミダゾリウム塩とともに存在する場合、第2の金属ハロゲン化物とアルカリ金属ハロゲン化物のモル比もこれと同じ範囲とすることができる。例えば、1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリイウムクロリド、塩化アルミニウムおよび塩化ナトリウムを含む電解液のモル比1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリイウムクロリド:塩化アルミニウム:塩化ナトリウムを、約1:2:1とすることができる。
【0022】
電解槽のアノードは、導電性炭素、DSA(登録商標)(dimensionally stable anode)、VIII属金属酸化物、またはアノードで遊離した例えば塩素ガスなどのハロゲン化物によって腐食されない白金などのVIII属金属から構成することができる。電解槽のカソード側では、カソードを、ポリマーイオン交換膜と接触した導電性炭素、またはVIII金属などの金属から構成することができる。カソードは、カソードで生成された液体アルカリ金属を加熱された外部の収集チャンバに移送するための物理手段を備えることができる。電解槽の操作中、生成した液体アルカリ金属はカソードと共同してこのカソード機能を実施する。液体アルカリ金属をカソードから外部に移送するこの物理手段を、溶融アルカリ金属が収集容器の中に流れ込むこと可能にする、機械加工したチャネルまたはみぞ、穴系、あるいは相互連絡した孔隙を有する多孔質材料とすることができる。この機能を実施する方法はこの他にも多数あり、当業者であればその好みに応じて案出することができる。
【0023】
理論によって結びつけないでほしいが、ポリマーイオン交換膜を使用することによって、操作中にカソードで誘発されるイミダゾリウムベースの電解液の化学劣化を防ぐことができる。このイオン交換膜は、アルカリ金属イオンは容易に通過させるが、アルカリ金属イオンよりも高い原子価のカチオンはあまり通過させない材料とすることができる。適当な膜材料の例には、米デラウェア州Wilmingtonのイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社からNafion(登録商標)の商品名で販売されている過フッ化イオン交換ポリマーなどがある。ただし、これに限定されるわけではない。カソードの表面に形成された金属アルカリ金属との反応によって起こる劣化からNafion(登録商標)膜を保護するため、第2の膜を使用することができる。第2の膜は、第1の膜とカソードの間に挿入することができる。適当な第2の膜の例としてはアクリルポリマーがある。ただし、この他の材料にも適当なものはある。Nafion(登録商標)膜、アクリル膜およびカソードを互いに緊密に物理接触させることが好ましい。これは、いくつかの方法で達成することができる。例えば、これを、アクリルポリマーの溶液、次いでNafion(登録商標)ポリマーの溶液を炭素カソードに塗布し、この被覆カソード/膜アセンブリを乾燥させることによって実施することができる。
【0024】
本発明によれば、水分を排除することが好ましい。これは、水が電解液中のハロゲン化物と反応して、ハロゲン化物を加水分解するからである。水分の排除は、ガスを通さない気密封止された電解槽を構築することによって達成することができる。高度な空間効率を達成するため、電解槽を、周知の積重ね多重平板配置に構築すると有利である。周知の電気化学工学プラクティスを使用して、電解液を循環させ補充するための手段、電解電流を提供するための手段、カソード生成物である液体アルカリ金属およびアノード生成物である塩素ガスを処理するための手段を設ける。電解槽は一般に、連続モードで操作される。その低温操作のため、本発明のプロセスは自動操作によく適している。
【0025】
完全アルキル化塩化イミダゾリウムはカソード還元に対して抵抗性を有するので、これが電解液中に存在するときには膜の代わりに多孔質隔膜を使用することができ、これによって運転費を引き下げることができる。隔膜は、異なるさまざまな材料から構成することができる。具体的な例としては、ガラスファイバ織布、ポリマースクリーンおよびポリマー織布がある。電解槽の設計および構造は先に開示したものと同様である。
【0026】
本発明によれば、コエレクトロライトを、IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはその組合せとすることもできる。例えば、IIIA族ハロゲン化物とアルカリ金属ハロゲン化物の近共晶無機塩混合物、またはIIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物およびアルカリ金属ハロゲン化物の混合物がある。IIIA族ハロゲン化物またはVB族ハロゲン化物とアルカリ金属ハロゲン化物のモル比は、約0.01:1から約100:1とすることができ、約0.1:1から約10:1であることが好ましく、約0.5:1から約2:1であることが最も好ましい。例えば、NaCl/AlCl/TaCl(モル比約20:70:10)を含む混合物を使用することができる。これらの混合物は、先に記載したものと同様のイオン交換膜とともに使用することができる。これらの混合物の1つを使用した電解槽の操作温度は、約130℃から160℃とすることができる。
【0027】
本発明によれば、アルカリ金属ハロゲン化物の水溶液を使用しても電解を実施することができる。すなわち、水をコエレクトロライトとすることができる。アルカリ金属ハロゲン化物の重量パーセント(%)は、約1から約40%とすることができ、約10から約35%であることが好ましく、約20から約35%であることがより好ましく、約30%であることが最も好ましい。例えば、NaCl約30%およびHO約70%を含む溶液を、多孔質隔膜の有無にかかわらず使用することができる。
【0028】
水をコエレクトロライトとして使用するときには、カソードを、電解槽の操作で使用される内部操作圧での水溶液の沸騰温度よりも低い融点を有する金属合金である金属カソードから構成することができる。電解槽を周囲大気圧で操作する場合には、金属カソード合金の融解温度を約105℃未満とすることができる。適当な金属カソードはさらに、水素ガスの発生よりもカソードへのアルカリ金属の付着が優先する高い水素過電圧、金属カソード合金中での金属アルカリ金属の溶解度、および液体金属カソード合金の十分に高い沸騰温度を含むことができる。合金の沸騰温度は一般に、アルカリ金属の沸騰温度よりも大幅に高く、電解後に、さまざまな蒸留法によって液体金属カソード合金からアルカリ金属を分離することができる。本発明によれば、この合金が、(1)約105℃未満の融解温度、(2)高い水素過電圧(水銀と同程度)、(3)アルカリ金属に対する溶解度、(4)アルカリ金属よりも大幅に高い沸騰温度を有することが好ましい。適当な液体金属カソード合金の例として、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、タリウム(Ti)およびインジウム(In)から成るグループから選択された2種以上の金属から得られる合金を挙げることができる。電解槽の設計、構造および操作は、先に開示したものと実質的に同じでよい。カソードに金属合金を使用する利点は、液体金属カソード合金の密度が電解液の密度に比べて高いために、カセイアルカリ/塩素生産用の水銀電解槽の設計に類似した水平電解槽設計を使用できる点にある。アルカリ金属を含む液体カソード合金からのアルカリ金属の分離は、電解槽の外部での操作で実施することができ、これによって電解プロセスが容易になる。例えば、周囲圧力蒸留、減圧蒸留および/または窒素またはその他の不活性ガス化学種をキャリヤガスとして使用する不活性キャリヤガス蒸留など、さまざまな蒸留法を使用することができる。そのはるかに低い沸騰温度(はるかに高い蒸気圧)のため、アルカリ金属は液体合金から蒸発し、続いてこれを凝縮し、受器中に集めることができる。「空身(denuded)」の液体金属カソード合金は、電解槽のカソード区画に再循環させることができる。向流熱交換技法を使用して、分離段階または精製段階のエネルギー所要量、あるいは両方の段階のエネルギー所要量を最小化することができる。溶媒抽出などのその他のアルカリ金属分離法も実行可能である。
【0029】
本発明の別の実施形態では、液体「溶媒和アルカリ金属」カソードを使用したアルカリ金属電解プロセスが提供される。このカソードは、イオン交換膜または多孔質隔膜とともに使用することができる。電解液は、第1の実施形態において先に開示したものと同じでよい。液体「溶媒和アルカリ金属」カソードでは、電解槽操作温度をアルカリ金属の融解温度(98℃)よりもかなり低くすることができるという利点を得ることができる。
【0030】
本明細書で使用する「溶媒和アルカリ金属」という用語は、アルカリ金属および例えばエーテル、芳香属化合物などの1種または数種の有機溶媒を指す。溶媒和アルカリ金属の一例は、重量比約25:150:50のナトリウム/ナフタレン/エチレングリコールジメチルエーテルである。アルカリ金属に対して適当な溶媒系はその他にもいくつかある。溶媒和アルカリ金属のアルカリ金属含量は、溶媒和アルカリ金属溶液が導電性となるものであればどんな重量%であってもよい。一般に、アルカリ金属含量は約5から約80重量%とすることができ、約20から約70重量%であることが好ましく、約15から約60重量%であることが最も好ましい。電解後、アルカリ金属が濃縮された溶媒和アルカリ金属溶液の一部分を別の容器に移し、そこで、アルカリ金属から溶媒を、例えば蒸留によって除去することができる。純粋なアルカリ金属は、従来の手段によってアルカリ金属の貯蔵および出荷にまわすことができる。「空身」の溶媒は、電解回路の液体溶媒和アルカリ金属カソードストリーム中に再循環させることができる。
【0031】
本発明をさらに説明するため以下に実施例を示す。これらの実施例を、本発明の範囲を過度に限定するものと解釈してはならない。
【0032】
参考例1
この実施例では、塩化イミダゾリウム−塩化アルミニウム−塩化ナトリウム溶融塩浴中で金属ナトリウムを調製する手順を開示する。ナトリウムイオンの選択的還元には被膜カソードを使用する。
【0033】
全ての化学品は受領した状態のまま使用した。1−エチル−3−メチル−Hイミダゾリウムクロリド、塩化アルミニウム(99.99%)、ナフタレン(99+%)、ポリアクリル酸(25重量%水溶液)、およびNafion(登録商標)過フッ化イオン交換樹脂(低級脂肪族アルコールと水の混合物に溶解した5重量%溶液)は、Aldrich社(米ウィスコンシン州53201 Milwaukee)から購入した。塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびテトラヒドロフラン(TX−02484−6)は、EM Science社(米ニュージャージー州08027 Gibbstown)から購入した。テトラヒドロフラン(THF)は窒素を用いて脱気し、使用前に、活性化した4Aモレキュラーシーブにかけて保管した。直径1.2cmのステンレス鋼304クーポンは、Metal Samples社(米アラバマ州36268 Munford)から入手した。
【0034】
電気装置:Bioanalytical System社(米インディアナ州47906−1382 West Lafayette)のCV−27ポテンシオスタットを使用した。電極および溶融塩浴の保持には、Electrosynthesis社(米ニューヨーク州08540 E.amherst)のC−200 H型電解槽を使用した。EG&−G Princeton Applied Research社(ニュージャージー州08540 Princeton)のフラットサンプルホルダをカソードとして使用した。Electrosynthesis社の10cm白金フラグ電極をアノードとして使用し、10cm白金箔を持たない同じ電極を擬似参照電極として使用した。
【0035】
膜の調製:1.2×1.2cmの炭素フェルト片(Electrosynthesis社のGF−S2)を、1N NaOH10mlおよび粉砕したNaOH0.5gをポリアクリル酸溶液10mlに追加することによってナトリウム型に転化させたポリアクリル酸溶液で2回処理した。この炭素フェルトは、処理と処理の間に空気乾燥し、処理後にも一晩空気乾燥した。その結果得られた炭素フェルト誘導体の片面に、NaOH0.02gを前述のNafion(登録商標)樹脂2mlに追加することによってナトリウム型に転化させたNafion(登録商標)溶液を塗布した。この炭素フェルトを空気乾燥し、その後160℃で1分間加熱した。次いでこの膜をSS304クーポンのサイズにカットし、真空条件下で一晩乾燥させた。
【0036】
溶融塩の調製:全ての操作は、窒素ガス条件下のVacuum Atmosphereドライボックス中で実施した。モル比1:2:1の1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムクロリド、塩化アルミニウムおよび塩化ナトリウムを含む溶融塩浴を、非特許文献3に開示の文献手順に従って調製した。まず、イミダゾリウム塩と塩化アルミニウムを混合して酸性浴とし、次いで、これに塩化ナトリウムを追加して中和した。この3元浴を、一晩(約16時間)混合してから使用した。
【0037】
電解は、窒素ガス条件下のVacuum Atmosphereドライボックス中で実施した。H型電解槽を加熱マントルに入れ、約2.5インチ(6.35cm)の深さまで砂に埋めた。砂浴温度は、電解の間中100〜120℃に維持した。電解槽の中に溶融塩を、フラットセルホルダを電解槽に入れたときに、電解槽のチャンバを接続するフリットが溶融塩で覆われる高さまで加えた。溶融塩浴中のイミダゾリウム塩:塩化アルミニウム:塩化ナトリウムのモル比を1:2:1に維持するため、電解開始前に固体塩化ナトリウムを浴に加えた。
【0038】
カソードは、フラットセルホルダ内に以下の方法で組み付けた。Teflon(登録商標)のワッシャをTefzel(登録商標)−280試料ホルダの中に入れた。次に、Nafion(登録商標)でコーティングした面をホルダの外側に向けて膜を追加した。次に、SS304クーポンをホルダに入れた。Oリングを有するサンプルホルダプラグおよびサンプルホルダキャップを所定の位置に取り付けた。電極取付棒および作用電極ホルダを取り付け、このアセンブリをC−200 H型電解槽に追加できるようにした。コーティングされた炭素フェルトの表面1cmを電解液と接触させた。
【0039】
白金フラグ電極を電解液中に下げた。このチャンバを、窒素を用いて、メタノールKOH溶液中にフラッシングし、ナトリウム付着反応中に発生した塩化物を洗浄した。
【0040】
−1.95Vから−2.15Vの電位(対白金ワイヤ電極)を2日間にわたって合計15時間、印加した。印加電位、電流および浴温を表1に示す。開始から10時間後、印加電位を中断し、浴温を96℃まで下げた。電解を再開すると電流はゆっくりと上昇した。
【0041】
ナトリウムの形成は以下の方法で証明した。15時間の電解の後、フラットセルホルダから膜を取り外し、THFで簡単に洗浄して、溶融塩を除去した。互いに接着した炭素フェルトおよびSS304クーポンを、THFに溶解した0.1Mナフタレン溶液約5mlの中に入れた。ナトリウムナフタリドを指示する緑色は、観察されなかった。膜を除去してから水約5mlを加えた。膜の中にナトリウムが形成されたことを示唆する活発なガスの発生が観察された。ナフタレンは膜を通過することができないが、水は両方の層を通って容易に移送される。ナトリウムは水と活発に反応して、水酸化ナトリウムおよび水素ガスを生じる(非特許文献4)。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例2
この実施例は、低融点合金カソードを使用した電解によって高濃度塩化ナトリウム水溶液からナトリウム金属を調製する手順を示す。全ての化学品は、Aldrich社(米ウィスコンシン州53201 Milwaukee)から購入した。
【0044】
空気および水分を排除するため、全てのプロセスおよび反応は乾燥アルゴン条件下で実施した。塩化ナトリウムを高純度の水に溶解して、室温における飽和塩溶液を作成した。これは、高温で過剰の塩化ナトリウムを加え、この溶液を冷却し、上澄みをデカンテーションによって取り出すことによって実施した。
【0045】
以下の割合の原料成分を組み合わせて攪拌融解物とすることによって、低温液体金属カソード合金を作成した:ビスマス(48重量%)、鉛(23重量%)、スズ(18重量%)およびインジウム(11重量%)。この合金は、概ね80℃から85℃の間に第1アレストを有し、〜73℃の凝固点を有する。
【0046】
この電解は、一般に知られた設計の装置であるH型電解槽に、合金および電解槽を加熱し、その温度を維持し、乾燥アルゴンスイープで不活性化する手段を追加して変更した電解槽中で実施した。電気接続とその底部で連絡したカソードの脚部には約3インチの液体金属カソードを置き、その上面に数インチの飽和塩化ナトリウムを入れた。塩化ナトリウム溶液は、ガラスファイバ隔膜を介してアノード区画と連絡させた。電解槽の電極間隔は4インチ(約10.16cm)とした。液体金属カソードおよびカソード区画の温度は、運転中85℃から96℃に維持した。H型電解槽電極に、Hewlett Packard社の調整電源からDC電流を供給した。
【0047】
電解槽温度が安定したときに電極電圧の印加を開始した。電圧は、1時間かけて5ボルトまで上げ、次いでさらに3.5時間、5ボルトに保った。電解液中の塩化ナトリウム濃度を維持するため、電解の間、定期的に、塩化ナトリウム電解液数mlをアノード区画から抜き取り、同じ量の新鮮な飽和温塩化ナトリウム水溶液をカソード区画の水相に加えた。3.5時間経過時に、電極電流をオンにしたまま、合金/塩水溶液界面から約1 1/4インチのところから開始して4「カット」の液体金属合金をカソード区画から取り出した。それぞれのカットを引き抜くと、次のカットが合金/塩水溶液界面に近づいた。これらのカットは、冷却した純粋な乾燥鉱油に滴下することによって集め、この固体合金を、ICP/AES(inductively charged plasma/atomic emission spectra)によって分析した。この分析によれば、金属ナトリウムが形成され、液体金属合金中に含まれていた。
【0048】
液体金属カソードブランク、ナトリウム23ppm
カット1 ナトリウム19ppm 合金/水溶液界面から最も遠い。
カット2 ナトリウム32ppm
カット3 ナトリウム75ppm
カット4 ナトリウム200ppm 合金/水溶液界面に最も近い。
【0049】
液体金属合金からナトリウム金属を周知の蒸留技術によって精製することができ、継続使用のため、空身の液体金属合金を電解槽のカソード区画に戻すことができる。
【0050】
実施例3
この実施例は、低融点合金カソードを使用した電解による高濃度塩化リチウム水溶液からのリチウム金属の調製を示す。
【0051】
全てのプロセスおよび反応は、実施例2で説明したのと同じように実施したが、(1)高濃度塩化リチウム(28.3重量%)を電解液として使用し、(2)液体金属カソードおよびカソード区画の温度を90℃から97℃に維持し、(3)5ボルトでの実行時間を3.5時間ではなく4.8時間とし、(4)4.8時間経過時に電極電流をオンにしたまま、カソード区画から12「カット」の液体金属合金を取り出した点が異なる。
【0052】
液体金属カソードブランク、リチウム5ppm未満
カット1 リチウム5ppm未満 合金/水溶液界面から最も遠い。
カット2から11 リチウム5ppm未満
カット12 リチウム16ppm 合金/水溶液界面に最も近い。
【0053】
以下、本明細書に記載の主な発明につき列記する。
1.
アルカリ金属を生産する方法であって、
(1)窒素またはリン化合物、および任意選択で1種または数種のIB族ハロゲン化物、IIIA族ハロゲン化物、VIIIハロゲン化物、あるいは
(2)IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはIIIA族ハロゲン化物とVB族ハロゲン化物の組合せ、あるいは
(3)水であるコエレクトロライトの存在下で、アルカリ金属ハロゲン化物を電解する段階を含むことを特徴とする方法。
2.
前記窒素またはリン化合物が、イミダゾリウム塩、N−アルキルピリジニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩から成るグループから選択された1種または数種の化合物であることを特徴とする前記1.に記載の方法。
3.
前記窒素またはリン化合物が、1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウム、1−プロピル−3−メチル−1H−イミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチル−1H−イミダゾリウム、1−ブチル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、1−メチルピリジニウム、環上の非窒素位置にアルキル基を有するピリジン誘導体、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウムから成るグループから選択された1種または数種の化合物であり、前記IB族ハロゲン化物が、ハロゲン化銅、ハロゲン化銀またはハロゲン化金であり、前記IIIA族ハロゲン化物が、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化インジウムまたはハロゲン化タリウムであり、前記VIII族ハロゲン化物が、ハロゲン化鉄、ハロゲン化コバルトまたはハロゲン化ニッケルであることを特徴とする前記1.または2.に記載の方法。
4.
前記コエレクトロライトが塩化アルミニウムおよび完全アルキル化塩化イミダゾリウムを含む場合には、イオン交換膜または隔膜を含む電解槽中で実施され、前記コエレクトロライトが塩化アルミニウムおよび1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムクロリドを含む場合には、イオン交換膜を含む電解槽中で実施されることを特徴とする前記1.から3.のいずれか一項に記載の方法。
5.
前記コエレクトロライトが水であり、カソードが、Bi、Pb、Sn、Sb、In、Ga、TlおよびCdから成るグループから選択された2種以上の液体低融点合金から成る電解槽中で、アルカリ金属を生産するために実施されることを特徴とする前記1.に記載の方法。
6.
電解方法であって、
(1)液体アルカリ金属、または
(2)ビスマス、鉛、スズ、アンチモン、インジウム、ガリウム、タリウムおよびカドミウムから成るグループから選択された2種以上の金属の合金、または
(3)導電性液体溶媒和アルカリ金属を含むカソードを使用して前記方法を実施する段階を含むことを特徴とする方法。
7.
前記アルカリ金属がナトリウム、カリウムまたはリチウムであることを特徴とする前記1.から6.のいずれか一項に記載の方法。
8.
300℃未満の温度で実施されることを特徴とする前記1.から7.のいずれか一項に記載の方法。
9.
前記アルカリ金属がナトリウムまたはリチウムであり、前記アルカリ金属1kgあたり400mg未満の不純物を有する前記アルカリ金属が生産されることを特徴とする前記1.から8.のいずれか一項に記載の方法。
10.
アルカリ金属ハロゲン化物、ならびに
(1)窒素またはリン化合物、および任意選択で1種または数種のIB族ハロゲン化物、IIIA族ハロゲン化物、VIIIハロゲン化物、あるいは
(2)IIIA族ハロゲン化物、VB族ハロゲン化物、またはIIIA族ハロゲン化物とVB族ハロゲン化物の組合せを含むことを特徴とする電解液組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属を生産する方法であって、水であるコエレクトロライトの存在下で、アルカリ金属ハロゲン化物を電解する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
カソードが、Bi、Pb、Sn、Sb、In、Ga、TlおよびCdから成るグループから選択された2種以上の液体低融点合金から成る電解槽中で、アルカリ金属を生産するために実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルカリ金属がナトリウム、カリウムまたはリチウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
300℃未満の温度で実施されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属がナトリウムまたはリチウムであり、前記アルカリ金属1kgあたり400mg未満の不純物を有する前記アルカリ金属が生産されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

【公開番号】特開2011−157629(P2011−157629A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88407(P2011−88407)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2001−90971(P2001−90971)の分割
【原出願日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】