説明

低粘度の放射線硬化性及び熱硬化性ポリイソシアネート

本発明は、活性化された放射線硬化性二重結合を持ち、また任意に熱的にも硬化し得る、低粘度ポリイソシアネートの製造方法又はそれから得られる生成物、及び低粘度ポリイソシアネート混合物又はそれから得られる生成物、及びそのコーティング剤における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化された放射線硬化性二重結合を持ち、また任意に熱硬化し得る低粘度ポリイソシアネート又はその二次生成物の製造方法、及び低粘度ポリイソシアネート混合物又はその二次生成物、並びに塗料におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活性化二重結合を持つコーティング系の例えばUV光などの放射、IR放射又は電子線放射による硬化は、既知であって技術的に確立している。それはコーティング技術における最速の硬化法の一つである。しかしながら、接着性が問題であることが多い。また、電磁放射により硬化し得るコーティングの硬化は、十分な放射線量に依存する。不良な照射領域又は非照射領域では、著しく低度な硬化や全くの無架橋となる。
【0003】
ポリイソシアネート及びポリオールをベースとするバインダは、高品質のコーティングを製造するために極めて適している。例えば接着性、弾性、耐薬品性、耐候性又は耐スクラッチ性など所望の塗料特性は、供給材料を変えることによって広範囲で調節し得る。
【0004】
これら二つの独立の硬化機構を一つのバインダ系で組み合わせると、それらの積極特性が結び付けられる。「二重硬化」系として知られるそのような系は既知である。例えば、米国特許 US-A 4 342 793 には、放射線硬化性反応性希釈剤(例えばアクリル酸エステル)、ポリオール及びポリイソシアネートから配合されたコーティング系の使用が記載されている。ここでの問題は、放射線硬化性反応性希釈剤は、非照射領域では可塑剤として残され、そのため、膜特性へ悪影響を有し、若しくは、膜中に残って好ましくない生理学的作用を引き起こし得ることである。
【0005】
その放射線硬化性成分がポリイソシアネートに化学結合している結果、前記作用を回避し得る「二重硬化」バインダも知られている。例えば、欧州特許出願 EP-A 0 928 800 は、イソシアヌレート基を「二重硬化」コーティング系の成分として含むNCO-官能性ウレタンアクリレートの使用を教示する。これらの塗料を容易に施し得るようにするためには、十分低い粘度が必要とされるので、様々な有機溶剤が用いられる。
【0006】
現代の塗料系にとって、粘度を下げるために、用いたとしても可能な限り少ない有機溶剤を使用する環境上の及び経済的な要請のため、低粘度の塗料用樹脂を使用する要望がある。アロファネート構造を有するポリイソシアネートは、古くからこの目的にとって既知であり、とりわけ、欧州特許 EP-A 0 682 012 に記載されている。
【0007】
アロファネートは、古くから塗料において既知であり(GB-PS 994 890、EP-A-0 000 194も参照)、一価又は多価のアルコールを過剰の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートと反応させることによって工業的に製造される。未反応のジイソシアネートはその後に真空蒸留によって除去される。混合された脂肪族/芳香族「ヘテロアロファネート」もまた、EP 0 712 840から既知である。
【0008】
EP-A 0867457 には、アロファネートを含有するポリウレタンベースの放射線硬化性バインダの製造が記載されている。しかしながら、これらのバインダは、残存する遊離NCO基を有さず、25℃での粘度が10,000 mPa・s以上であり(実施例6-8)、活性化二重結合を有さず非反応性のアリルエーテル基(構造R-CH2-CH=CH2)のみを有する。従って、必要なUV反応性を導入する反応性希釈剤(低分子のアクリル酸エステル)を添加しなければならない。これらの物質は、二重硬化プロセスにとって使用し得ない。
【0009】
アロファネート構造及び活性化二重結合を有するイソシアネート含有二重硬化バインダは、ドイツ公開明細書 DE-A 198 60 041 に記載されている。該方法は、過剰のジイソシアネートを用いる従来のやり方を用いるものであり、望ましくない未反応のジイソシアネートモノマーを、やはりその後の必要な膜蒸留で除去する必要がある。しかしながら、この手順には、135℃で蒸留する間の高い熱負荷が予想でき、特に活性化二重結合がこれらの条件下で重合する傾向にあるという大きな不都合がある。より低い温度とすることは、ジイソシアネートモノマーの比率を十分に最小限とするには十分でなく、健康と安全の理由から許容され得ない。従って、該方法は、工業規模では実際上、実現不可能である。
【0010】
EP-A 0 825 211 には、ジイソシアナトオキサジアジントリオンをフェノール、飽和の脂肪族又は脂環式又は芳香脂肪族のモノアルコール又は多価アルコールと反応させることによるアロファネート構造の合成方法が記載されている。塩基性化合物、特に好ましくはpKa値が7.5より大きいものが、反応触媒として用いられる。二重結合の安定化については記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の基礎をなす課題は、ウレタンアクリレート及び二重硬化バインダであってその製造中又は後処理中に100℃以下の温度しか要さない活性化二重結合を有するものを提供することである。また、特に揮発性有機溶剤(VOC=volatile organic compounds)を最小限とし又は回避した場合、所望のバインダは室温で10,000 mPas以下の十分低い粘度を有するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
今般、低粘度イソシアネート-官能性二重硬化バインダが、オキサジアジントリオンと活性化二重結合を含むアルコールとの反応から得られることが判明した。このことは特に、驚くべきことである。なぜなら、 EP-A 0 825 211 は、アクリレート基由来の従来のフェノール性安定剤が同様にオキサジアジントリオンと反応し、望まれない早期重合が予想され、そのためこの合成経路使用すべきでないと教示しているからである。
【0013】
本発明は、少なくとも1つのアロファネート基を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物の製造方法であって、アロファネート基の酸素原子上に少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を持ち、該酸素原子は二つの単結合によって結合され、少なくとも1つのオキサジアジントリオン基(式1):
【化1】

を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物を、アクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を有するアルコールと−20℃と100℃の間の温度で反応させることを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に従う方法、即ち、オキサジアジントリオン(式1)官能性ポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物を、アクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を有するアルコールと−20℃と100℃の間の温度で反応させ、塩基性触媒、並びに1種以上の安定剤を添加することによって得ることのできるポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物は、式2:
【化2】

によって、より詳細に記載し得る。
【0015】
式2における代替物を以下に説明する。
1A、2Aは、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造を含み、後述する基1Bないしn+1BをN位に持つ、イソシアネート又はイソシアネート二次生成物の同一或いは異なる構造を表し、
1Bないしn+1Bは、脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族ジイソシアネートの二つのイソシアネート基をモデリングすることによって形成される同一或いは異なる基であり、
【0016】
Xは、構造X-1及び/又はX-2:
【化3】

【化4】

〔式中、Yは、少なくとも1つの活性化二重結合を含む有機基を表す。〕
の1つ、及び任意に、少量の、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造を含むイソシアネート二次生成物の同一或いは異なる基を表し、
nは、1より大きく20より小さな数であって、本発明による化合物中に存在する式2を有する全分子の平均を表す。
【0017】
下部構造1A、2Aは、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造タイプを有し、後述する基BをN位に持つ、イソシアネート又はイソシアネート二次生成物の同一或いは異なる構造である。1A、2Aは、好適にはイソシアネート基、ブロックトイソシアネート基又はウレタン基を表す。不飽和基Yを有し、H-Y分子とイソシアネート基を反応させることによって製造されるウレタンは、ウレタン基として好ましく、1Aが2Aと等しいような同じ基を持つウレタンが特に好ましい。1A、2Aは、イソシアネート基(この場合、1A=2A)を表すことが特に好ましい。
【0018】
下部構造1Bないしn+1Bは、脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族ジイソシアネートの二つのイソシアネート基をモデリングすることによって生成する基であって、これらジイソシアネートの一つ以上をベースとするオキサジアジントリオンを反応させることによってバインダ中へ組み込み得る基である。
【0019】
本発明の方法に従う生成物における官能基の含有量は、13C-NMR(実施例を参照)によると、下記に限定されることが好ましい:
2-35%アロファネート(構造X-1及びX-2に含まれるものとして)、

0.1-5%ウレトジオン
0-5% オキサジアジントリオン
0.1-25%ウレタン。
【0020】
本発明によるポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物の合成のための、少なくとも1つのオキサジアジントリオン基を含む好適な出発原料は、脂肪族、脂環式及び/又は芳香脂肪族ジイソシアネート又はポリイソシアネートを二酸化炭素と反応させることによって製造し得る。好適な脂肪族、脂環式及び/又は芳香脂肪族ジイソシアネートの例には、エチレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトブタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,3-及び1,4-ビス-イソシアナトメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン及び芳香脂肪族ジイソシアネート 1,3-及び1,4-キシリレンジイソシアネート(タケダ(日本)の市販品XDI)又はその混合物が含まれる。1,6-ジイソシアナトヘキサンが好ましい。
【0021】
少なくとも1つのオキサジアジントリオン基を含む好適なポリイソシアネートは、一般式5:
【化5】

〔式中、本発明によるバインダの合成のためのエダクトとして好適なオキサジアジントリオンでは、式5におけるnは、1より大きく20より小さい数に相当し、異なるniを有する分子が、一般に、一つの同じポリイソシアネート中に同時に存在する。〕
に相当する。平均値:
【数1】

が10より小さい、好ましくは5より小さい、特に好ましくは3より小さいオキサジアジントリオンが好適である。
【0022】
そのようなポリイソシアネートは商業的に入手可能である(Baymicron Oxa WM06(登録商標)、Bayer AG)。製造については、ドイツ特許出願 DE 167066 に記載されている。この出願に従うオキサジアジントリオンの製造では、ウレトジオン基は、反応条件に応じて0.1〜5重量%の含有量で製造されている。
【0023】
少なくとも1つのオキサジアジントリオン基を含む好適なポリイソシアネート二次生成物は、一般式6:
【化6】

に相当する。
それらは、一般式5に相当する少なくとも1つのオキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネートをH-Y化合物と反応させることによって製造することが好ましい。
【0024】
下部構造Yは、電磁放射により重合可能な少なくとも一つの二重結合を含む基であって、この基のイソシアネート反応性の官能基からプロトンをモデリングすることによって形成される基である。用語イソシアネート反応性の官能基は、アルコール基(-OH)、アミン基(NH)又はチオール基(SH)を指し、アミン基及びアルコール基が好ましく、アルコール基が特に好ましい。電磁放射によって重合可能な二重結合は、ビニル基、ビニルエーテル基、プロペニル基、アリル基、マレイニル基、フマリル基、マレインイミド基、ジシクロペンタジエニル基、アクリルアミド基、アクリル基及びメタクリル基を指し、ビニルエーテル基、アクリル基及びメタクリル基が好ましく、アクリル基が特に好ましい。
【0025】
構造X-1及びX-2中に記載されたアロファネート基及び構造1A、2A中に任意に含まれるウレタン基は、下部構造Yをベースとするが、アルコールをベースとするものは特に好ましく用いられ、観念的にYから導かれる。その際、異なるアルコールの混合物も使用し得る。
【0026】
本発明によれば、少なくとも1つのオキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物を、例えば、これらのアルコールと反応させる。
好適なアルコールは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート(PEA6 / PEM6; Laporte Performance Chemicals Ltd.)、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート(PPA6, PPM5S; Laporte Performance Chemicals Ltd.)、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート(PEM63P, Laporte Performance Chemicals Ltd.)、例えば(Tone M100(登録商標); Union Carbide)などのポリ(ε-カプロラクトン)モノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、多価アルコールのモノアクリレート、ジアクリレート又はテトラアクリレート、例えばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシル化、プロポキシル化又はアルコキシル化トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール又はそれらの工業用混合物;好適には、アクリレート化モノアルコール、例えばグリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。二重結合を含む酸と任意に二重結合を含むエポキシ化合物の反応から得ることのできるアルコール、例えば(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレート又はビスフェノールAジグリシジルエーテルの反応生成物など、も本発明によるものである。
【0027】
アロファネート構造X-1及びX-2に加えて、下部構造Xは、場合により、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造を含むイソシアネート二次生成物の他の同一又は異なる基を、少量含み得る。ジアルコールとイソシアネート基の反応によって生成するウレタン型の構造が好適である。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物をベースとする短鎖ポリエーテル、1,2-及び1,3-プロパンジオール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン及び-エタンのモノ(メタ)アクリレート、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート、及びそれらのエポキシル化及びプロポキシル化誘導体、或いは該アルコールの、アクリル酸、2-アミノエタノール及び異性体アミノプロパノールによるエステル化によって得ることのできる工業用混合物は、特に好ましく用い得る。例えばε-カプロラクトンなどの短鎖ポリエステルジオール、伸張(verlaengerte)ジオール、例えばエタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールも、使用される。エタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及びグリセリンのモノ(メタ)アクリレートなどのジオールが好ましく、エタンジオール及びヘキサンジオールが特に好ましい。
【0028】
本発明の方法においては、オキサジアジントリオンを含むポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物を準備し、温度を−20〜100℃、好ましくは0〜100℃又は20〜80℃、特に好ましくは40〜60℃に調節し、安定剤の必要量をその中に溶解させる。活性化二重結合含有アルコールと適当な触媒を添加した後、二酸化炭素が自然に発生し、ガス状に逃げる。反応混合物からの二酸化炭素の除去は、800と0 mbarの間か200と10 mbarの間の真空を適用し、又は、空気又は窒素などの不活性ガスを導入することによって促進し得る。反応が終了する頃に、200〜10 mbarの真空を適用し二酸化炭素の発生が検出できなくなるまで維持することが好適である。
【0029】
例えばトルエン、キシレン、イソオクタン、アセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶剤を、反応中に使用し得るが、溶剤を添加しないことが好ましい。あるいは、UV硬化の間に同様に(共)重合する希釈剤中で、反応を行うこともできる。そのような反応性希釈剤は、P. K. T. Oldring (編), Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatings, Inks & Paints、第2巻、1991年、SITA Technology, London, 第237〜285頁に記載されている。アクリル酸又はメタクリル酸、好ましくは以下のアルコールのアクリル酸、のエステルが、具体例として挙げられる。一価アルコールとしては、異性体ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール及びデカノール、並びにイソボルネオール(Isobornol)、シクロヘキサノール及びアルキル化シクロヘキサノール、ジシクロペンタノールなどの脂環式アルコール、フェノキシエタノール及びノニルフェニルエタノールなどのアリール脂肪族アルコール、及びテトラヒドロフルフリルアルコールである。これらのアルコールのアルコキシル化誘導体もまた使用し得る。二価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール-1,2、プロパンジオール-1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール-1,6、2-エチルヘキサンジオール及びトリプロピレングリコールなどのアルコール、又はこれらのアルコールのアルコキシル化誘導体である。好適な二価アルコールは、ヘキサンジオール-1,6、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールである。三価アルコールは、グリセリン又はトリメチロールプロパン又はそのアルコキシル化誘導体である。四価アルコールは、ペンタエリスリトール又はそのアルコキシル化誘導体である。好適なアルコールは、低いヒドロキシル含量を有し、特に好ましくは20 mg/g KOH以下である。
【0030】
例えばアクリレート基を有する放射線硬化性バインダは、自然重合に対して保護されなければならない。従って、重合を抑制するフェノール性安定剤を添加する。しかし、例えば当業者に既知のHALS安定剤類(HALS=ヒンダードアミン光安定剤)などの他の安定剤では、そのような効果的な安定化が可能とならない不都合がある。それどころか、「クリーピング」ラジカル重合が起こる。
【0031】
別の安定剤、好ましくは非フェノール性安定剤を、真空を適用する前に添加することも有用であり得る。また、この手順の間に、反応混合物から揮発性触媒を部分的に又は完全に除去する。最後に、長期安定性のために別のフェノール性安定剤を徐々に添加し、場合により反応生成物を空気で飽和する。
【0032】
一般に、適当な触媒は、pKa>7.5を有する化合物である。異なった触媒が、用いる各々の二重結合含有アルコールにより適している。特に、オキサジアジントリオン環での反応転化率及びバッチの重合傾向は、触媒選択及び触媒量の影響を強く受ける。とりわけ、共通安定剤がオキサジアジントリオン環又はイソシアネート基とさえ反応する傾向は、ここで決定的な役割を果たす。触媒は、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の間の量で有利に用いられる。
【0033】
適当な触媒は、第三アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス-イソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルビンジルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-オン(DBU)、テトラメチルブタンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、ジメチルアミノアリール化合物、例えばジメチルアミノベンゼン、ジメチルアミノピリジン;炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸及び置換安息香酸のアルカリ及びアルカリ土類塩、及び脂肪族及び芳香族ヒドロキシル化合物のアルコラート、例えばナトリウムフェノラート及びナトリウムメチラートである。環式脂肪族及び環式芳香族窒素化合物、例えばC1-C4 N-アルキルピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、異性体トリアゾール、任意にアルキル化されたピリミジン、ピリダジン、異性体トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン及びアクリジンもまた使用される。好適な触媒は、第三アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス-イソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルビンジルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-オン(DBU)であり、特に好ましい触媒は、トリエチルアミン、ビス-イソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-オン(DBU)である。
【0034】
本発明によるポリイソシアネート化合物は、早期重合に対して安定化させなければならない。パラ-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert.-ブチルヒドロキノン又は2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールなどのフェノールが、この目的で用いられる。N-オキシル化合物もまた、安定化のために適しており、例えば2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシド(TEMPO)又はその誘導体の一つが挙げられる。安定剤をバインダ中へ化学的に取り込むこともできる;前記種類の化合物はこのために、特にこれらが他の遊離の脂肪族アルコール基又は第一級或いは第二級アミン基も持ち、それによってウレタン又は尿素基で化学的に結合する安定剤を構成する場合に、適当である。2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-N-オキシドは、このために特に適している。例えばフェノチアジンなど他のフリーラジカル捕捉剤も用いられる。
【0035】
本発明による方法の後に、生成物を更に変性させるために、ポリウレタン化学において通常用いられる他の反応を行い得る。遊離のイソシアネート基は、一般的なブロッキング剤によってブロックし得る。これは、完全に配合した系のポットライフ、換言すれば架橋前の細孔加工時間、を延ばすために、NCO/OH反応の反応温度を変えることになる場合、特に有用である。用い得るブロッキング剤は、ε-カプロラクタム、メチルエチルケトンオキシム、3,5-ジメチルピラゾール、ジイソプロピルアミン、マロン酸ジエチル、イミダゾール、ジエチルアミン、アセト酢酸エステルである。
【0036】
本発明による生成物がまだイソシアネート基を含む場合には、これをイソシアネート反応性化合物と反応させることも可能である。好適なイソシアネート反応性化合物は、例えばジオール、ジアミン又はアミノアルコールであって、それらは他の活性化二重結合も含み得る。従って、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物をベースとする短鎖ポリエーテル、1,2-及び1,3-プロパンジオール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン及び−エタンの、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート、及びそれらのエポキシル化及びプロポキシル化誘導体、若しくは該アルコールをアクリル酸でエステル化して得られる工業用混合物、2-アミノエタノール及び異性体アミノプロパノールを使用し得る。例えばε-カプロラクトンなどの短鎖ポリエステルジオール、伸張(verlaengerte)ジオール、例えばエタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールも用いられる。エタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及びグリセリンのモノメタクリレートなどのジオールが好ましく、エタンジオール及びヘキサンジオールは特に好ましい。
【0037】
本発明はまた、コーティング、接着剤及び硬化組成物系に関し、それらは以下の成分:
1.)本発明によるポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物
2.)任意に1以上の更なるポリイソシアネート(それらは場合により活性化二重結合を含む)
3.)任意に1以上のラジカル重合開始剤(それらは熱又は高エネルギー放射によって活性化され得る)、
4.)任意に1以上のイソシアネート反応性化合物(それらは場合により活性化二重結合を含む)、
5.)任意に耐候性向上のためのUV吸収剤及び/又はHALS安定剤、
6.)任意に流れ調整剤及び脱気剤など通常の塗料添加剤、
7.)任意に熱架橋反応を促進するための触媒、
8.)任意に溶剤、及び
9.)任意に反応性希釈剤
を含み得る。
【0038】
2.)に述べたポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートをベースとすることが好ましく、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、ウレトジオン及び/又はイミノオキサジアジントリオン構造を有することが好ましい。
【0039】
放射及び/又は熱により活性化し得る開始剤は、ラジカル重合用の開始剤3.)として使用し得る。ここでは、UV又は可視光により活性化される光開始剤が好適である。光開始剤は、それ自体既知の市販化合物であって、一分子(I型)及び二分子(II型)開始剤の間で区別がなされる。適当な(I型)系は、芳香族ケトン化合物、例えばベンゾフェノンと、第三アミン、アルキルベンゾフェノン、4,4'-ビス-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、アントロン及びハロゲン化ベンゾフェノン又は前述タイプの混合物との組合せである。ベンゾイン及びその誘導体、ベンジルケタール、アシルホスフィンオキシド、例えば2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、フェニルグリオキシル酸エステル、カンファーキノン、α-アミノアルキルフェノン、α,α-ジアルコキシアセトフェノン及びα-ヒドロキシアルキルフェノンなどの(II型)開始剤も適当である。
【0040】
塗料用樹脂の重量に対し0.1〜10重量%の間、好ましくは0.1〜5重量%の量で用いられる光開始剤は、単独物質として、若しくは、しばしば有利な相乗効果が得られるため互いに混合して、使用し得る。
【0041】
UV放射に代えて電子線を用いる場合、光開始剤は必要とされない。当業者に既知の通り、電子線放射は熱放射により生じ、電位差により加速する。高エネルギーの電子はチタン膜を通過し、硬化すべきバインダへガイドされる。電子線硬化の一般的な原理は、"Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatings, Inks & Paints"、第1巻、P K T Oldring (編), SITA Technology, London, England、第101-157頁、1991年に詳述されている。
【0042】
活性化二重結合の熱硬化の場合、熱解離性ラジカル形成剤の添加によっても熱硬化が起こり得る。当業者に既知のように、適当な具体例としては、ペルオキシ化合物であって、例えば、例えばビス-(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどのジアルコキシジカーボネート、例えばジラウリルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド、例えばtert.-ブチルペルベンゾエート又はtert.-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートなど芳香族又は脂肪族の酸のペルオキシエステル、例えばアンモニウムペルオキソジスルフェート、カリウムペルオキソジスルフェートなどの無機ペルオキシド、例えば2,2-ビス-(tert.-ブチルペルオキシ)ブタン、ジクミルペルオキシド、tert.-ブチルヒドロペルオキシドなどの有機ペルオキシド、若しくは、2,2'-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、1-[(シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2'-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド、2,2'-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミドなどのアゾ化合物である。高置換された1,2-ジフェニルエタン(ベンゾピナコール)も適当であり、例えば3,4-ジメチル-3,4-ジフェニルヘキサン、1,1,2,2-テトラフェニルエタンジオール-1,2など、若しくはシリル化誘導体である。
UV光や熱により活性化され得る開始剤の組合せも、使用し得る。
【0043】
4.)におけるイソシアネート反応性化合物は、例えばポリオールである。それらはジオール、トリオール及びテトラオールと、二価酸、三価酸並びに不飽和酸、例えばマレイン酸(無水物)(ポリエステルポリオール)、から得ることができる。必要な二重結合の密度を増加させるため、低分子のポリオールのエステル化生成物も用いることができ、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート又はポリエステルアクリレート(例えばLaromer(登録商標) PE 44F(BASF AG、ドイツ製))などが挙げられる。ポリオールは、アクリル又はメタクリル酸の脂肪族エステル、スチレン、アクリロニトリルなどのモノマーと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ポリアクリレートポリオール)などのヒドロキシ-官能性モノマーとのラジカル共重合から得ることもできる。(メタ)アクリル酸のグリシジルエステルを用いる場合、得られるポリアクリレートポリオール(放射線硬化性であることも有利である)は、その後に(メタ)アクリル酸によって変性させることもできる。マレイン酸エステルのシクロ脂肪族への添加によって生成するようなジオール及びポリオール(ポリエーテルポリオール)のアルコキシル化生成物、及び立体障害アミン、第一アミン(アスパラギン酸エステル)も適当である。炭酸ポリエステル(ポリカーボネート)も使用される。
【0044】
5.)に記載のUV吸収剤及びHALS安定剤は、硬化塗膜の耐候性を増加させるのに適している。前者は最大390 nmの吸収領域を有するべきであって、例えばトリフェニルトリアジン型(例えば、Tinuvin 400 (Cibaからの市販品))又はシュウ酸ジアニリド(例えば、Sanduvor 3206 (Clariantからの市販品))が挙げられ、固体樹脂に対して0.5〜3.5%の量で添加される。適当なHALS安定剤は、商業的に入手可能である(Tinuvin 292又はTinuvin 123(いずれもCibaからの市販品)又はSanduvor 3258(Clariantからの市販品))。好適な量は固体樹脂に対して0.5〜2.5%である。
【0045】
6.)に記載の、通常の流れ調整及び脱気の添加剤は、一般に、ポリアクリレート及びポリシロキサンをベースとする。
7.)に記載の触媒は、例えば、錫及び/又は亜鉛の塩、又はオルガノ錫化合物、錫及び/又は亜鉛の石鹸、例えば錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシド、又は第三アミン、例えばジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)である。
8.)に記載の溶剤は、イソシアネート及び活性化二重結合との反応性のないものである。例えば、エステル、ケトン、エーテル、エーテルエステル、アルカン又は芳香族の溶剤、例えばキシレン又はトルエンが用いられる。
【0046】
9.)に記載の反応性希釈剤は、UV硬化の下で同様に(共)重合する希釈剤である。そのような反応性希釈剤は、P. K. T. Oldring (編), Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatins, Inks & Paints, 第2巻、1991年, SITA Technology, London、第237〜285頁に記載されている。アクリル酸エステル又はメタクリル酸、下記アルコールの好適にはアクリル酸が、具体例として挙げられる。一価アルコールとしては、異性体ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール及びデカノール、並びに脂環式アルコール、例えばイソボルネオール(Isobornol)、シクロヘキサノール及びアルキル化シクロヘキサノール、ジシクロペンタノール、アリール脂肪族アルコール、例えばフェノキシエタノール及びノニルフェニルエタノール、及びテトラヒドロフルフリルアルコールである。これらのアルコールのアルコキシル化誘導体もまた使用し得る。二価アルコールとしては、例えばアルコール、例えばエチレングリコール、プロパンジオール-1,2、プロパンジオール-1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール-1,6、2-エチルヘキサンジオール及びトリプロピレングリコール、若しくはこれらのアルコールのアルコキシル化誘導体である。好適な二価アルコールは、ヘキサンジオール-1,6、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールである。三価アルコールとしては、グリセリン又はトリメチロールプロパン、又はそのアルコキシル化誘導体である。四価アルコールとしては、ペンタエリスリトール又はそのアルコキシル化誘導体である。
【0047】
本発明によるコーティング系の全構成物質を一成分として配合し、遊離のイソシアネート基がまだ存在する場合、該系は限られたポットライフを有する。従って、好適な配合形態は二成分系であって、成分1は構成物質1.)及び任意に2.)を含み、成分2は構成物質4.)を含む。要すれば、他の成分を成分1又は2へ、若しくは両者へさえ組み込み得る。特定の成分は、個々の構成成分の貯蔵安定性を有する。付与前に、成分を前記比率で混合し、又は所謂二成分プラントによって適用する。
【0048】
塗布される材料上への塗料の付与は、例えば噴霧、ナイフ塗布、ローリング、キャスティング、ディップ塗布、遠心注型、はけ塗り又は吹付など、塗料技術に既知の通常の方法を用いて行われる。
【0049】
硬化は、下記のプロセス段階の同時及び/又は段階的なシーケンスによって行い得る:
-場合により、溶剤を蒸発させることによる。これは、室温、場合により高温、好ましくは60〜90℃で行われる
-3.)における光開始剤を用いる場合、放射硬化は、高エネルギー放射、換言すればUV放射又は昼光、例えば波長200〜700 nmの光、の作用下で、又は高エネルギー電子(電子線放射、150〜300 keV)で放射することにより、好適に行われる。光又はUV光に使用し得る放射源の具体例としては、高圧又は中圧の水銀蒸気ランプが挙げられ、水銀蒸気は、ガリウム又は鉄など他の元素でドーピングすることにより変性させ得る。レーザー、パルスレーザー(UVフラッシュラジエターとして既知)、ハロゲン電球又はエキシマーラジエターも可能である。ラジエターには、放射されたラジエタースペクトルの一部が放出するのを防ぐフィルターを取り付けることができる。例えば、健康上及び安全上の理由から、例えばUV-C又はUV-C及びUV-Bに割り当てられる放射線をフィルター除去し得る。照射する部材を機械装置で放射線源を通過させるように、ラジエターを固定位置に設置することができ、又はラジエターを可動とすることができ、照射する部材は硬化中に位置を変えない。UV硬化による架橋のために通常十分な放射線量は、80〜5000 mJ/cm2の範囲内である。
【0050】
放射は、場合により、酸素を排除して、例えば不活性ガス雰囲気又は酸素を減じた雰囲気の下で、行うこともできる。窒素、二酸化炭素、希ガス又は燃焼ガスは、不活性ガスとして好適である。また、放射のために透明な媒体でコーティングを覆うことによって、放射を行うこともできる。これらの具体例としては、プラスチックフィルム、ガラス又は水などの液体が挙げられる。
放射線量及び硬化条件に応じて、任意に用いられる開始剤の種類と濃度を、当業者に既知の方法で変更することができる。
【0051】
固定設置の高圧水銀ラジエターは、硬化のために特に好適に用いられる。従って、光開始剤は、コーティング中の固形分に対して0.1〜10重量%、特に好適には0.2〜3.0重量%の濃度で用いられる。200〜600 nmの波長範囲で測定される200〜3000 mJ/cm2の線量が、これらのコーティングを硬化させるために好適に用いられる。
【0052】
-熱によって活性化され得る3.)における開始剤を用いる場合は、温度を上昇させることによる。
-NCO含有構成成分を、NCO含有構成成分との反応性の構成成分によって架橋させることによる。これは、室温又は高温、有利には150℃までで起こり得る。7.)に記載の化合物は、触媒として適当である。好適な硬化方法においては、NCO含有構成成分の反応は、温度を変化させないでおく場合、高温又は長期のUV放射時間によってUV硬化(放射)の間に部分的に進行する。高温に代え又は組み合わせて、IR放射を用いることもできる。
【0053】
(予備)架橋を第一プロセス段階、好適には放射誘発による重合によって最初に行い、後架橋を第二プロセス段階(例えば、NCO-OH反応)によって行う場合、二重硬化系を有利に用い得る。これら二つの段階の間に、コーティングは一時的に貯蔵され、例えば成形されるのに十分な安定性を有する。そして、最終的な硬化と所望の安定性は、第二段階において得られる。
【0054】
本発明によるバインダは、接着剤及び封止組成物としても使用し得る。UV放射硬化の場合におけるこの使用法のための条件は、一緒に接着又は封止すべき二つの基材の少なくとも一方は、UV放射線を伝え得るものでなければならず、換言すれば、一般に透明なものでなければならないことである。電子線放射の場合、電子の十分な透過率が確認されなければならない。
【0055】
適当な基材は、木、金属、プラスチック、無機物質及び/又は下塗された基材、又はこれらの基材の混合物からなる。
本発明によるバインダは、熱成形法、射出成形法及び加圧ダイカスト法における硬化組成物としても適当である。ここで、目的物表面と型の間の最大間隙を、好ましくは0.3 cm未満だけ残して、コーティングを施すべき目的物を型へ導入する。その後、本発明によるバインダを押出機によって型内へ圧入し、次いで、熱的に及び/又は放射線により硬化させる。
【実施例】
【0056】
NCO含有量は、湿式分析によって決定した。

ウレトジオン基、アロファネート基、ウレタン基及びオキサジアジントリオン基の含有量を決定するため、100 MHz 13C-NMRスペクトルを、緩和遅延4s、2000スキャン、捕捉時間1.03秒及び励起角30℃で、CDCl3 中にて測定した。その後、カルボニル域における全シグナルとNCOシグナルを統合し、様々な構造基へ割り当てた:NCO δ (13C) = 121.4; オキサジアジントリオン δ(13C) = 143.9 (2C)及びδ(13C) = 147.8 (1C);アロファネート δ(13C) = 153.8 (1C)、155.7 (1C)、ウレタン δ(13C) = 156.3 (1C)、ウレトジオン δ(13C) = 157.1 (2C)。下部構造のモル比は、積分値から決定し、重量百分率に外挿した。各下部構造を、プロセスにおけるその対応する分子量に割り当てた。重量百分率を計算するため、残基重量も要される。(NCO: 42 g/mol (残基 42 g/mol = 3 CH2)、オキサジアジントリオン: 128 g/mol (残基 84 g/mol = 6 CH2)、アロファネート: 101 g/mol (残基 183 g/mol = 6 CH2 + CH2CH2-OCO-CH=CH2 ヒドロキシエチルアクリレートの場合)、ウレタン: 59 g/mol (残基 141 g/mol = 3 CH2 + CH2CH2-OCO-CH=CH2 ヒドロキシエチルアクリレートの場合)、ウレトジオン 84 g/mol (残基 84 g/mol = 6 CH2)。
【0057】
本発明による実施例:
下記実施例において、全ての百分率は重量に関するものである。

[実施例1]
69.54 gのBaymicron Oxa WM 06 (Bayer AGからの市販品)及び0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ50℃で入れ、0.1 gのトリエチルアミン、30.08 gの2-ヒドロキシエチルアクリレート及び0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを20分以内で滴下する。反応混合物を50℃で約3時間、最初は常圧下で、次いで、ガスの発生が少なくなり次第(約2時間)、真空下で(約25 mbar)、更にガスが発生しなくなるまで、撹拌する。次に、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを添加し、50℃で30分間溶解する。次いで、空気による飽和(4 l/h)を20分間行う。粘度が1185 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量10.9%、オキサジアジントリオン含有量 = 1.3%、アロファネート含有量19.2%、ウレタン含有量6.5%、ウレトジオン含有量1.0%。
【0058】
[実施例2]
52.86 gのBaymicron Oxa WM 06及び0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを、還流冷却器、撹拌器及びガス注入口を備えた三口フラスコ中へ60℃で入れ、空気を通過させる(時間当たり1/4フラスコ容積)。次に、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールと46.74 gの2-ヒドロキシエチルアクリレートを5分以内で滴下し(60℃を維持)、更に1時間撹拌する。反応混合物を50℃に冷却し、0.1 gのトリエチルアミンを添加する(ガスが発生、空気の導入を中断しない)。ガスの発生が少なくなり次第(約4時間)、更にガスが発生しなくなるまで、更に約2.5時間、真空下で(約20 mbar)撹拌を継続する。次に、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを添加し、50℃で30分間溶解する。粘度が8215 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量0.7%、オキサジアジントリオン含有量 = 0.0%、アロファネート含有量14.7%、ウレタン含有量15.6%、ウレトジオン含有量0.5%。
【0059】
[実施例3]
1000 gのDesmodur H (Bayer AGからの市販品)を、ジャケット付コイル冷却器と撹拌器を備えた三口フラスコ中へ室温で入れ、CO2で2.5時間飽和する。CO2を更に導入しながら混合物を45℃に加熱し、1 gのトリ-n-ブチルホスフィンを素早く添加し、混合物を60℃に加熱する。NCO含有量を監視する。NCO<30%(約19時間)で、2.76 gのトルエンスルホン酸メチルエステルを添加し、80℃で更に2時間撹拌を継続する。1065 g(NCO = 28.9%)から粗生成物を、流下膜式蒸発器(予備的及び主要な蒸発器120℃/0.2 mbar)中で、HDIモノマーから遊離させる。収率641 g(NCO = 16.8)。
【0060】
[実施例4]
0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール及び67.87 gの実施例3からの生成物を、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ50℃で入れ、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール、0.08 gのトリエチルアミン及び31.49 gの2-ヒドロキシエチルアクリレートを、20分以内で、50℃の温度が維持されるようにして滴下する。反応混合物を50℃で、最初は常圧下で撹拌し、次いで、ガスの発生が少なくなり次第(約2時間)、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール及び0.001 gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルを添加し、真空下で(約 25 mbar)更に約3.5時間、更にガスが発生しなくなるまで撹拌を継続する。次に、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール及び0.16 gのジブチルホスフェートを添加し、50℃で30分間溶解する。粘度が5695 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量7.7%、オキサジアジントリオン含有量 = 2.58%、アロファネート含有量19.7%、ウレタン含有量7.2%、ウレトジオン含有量1.0%。
【0061】
[実施例5]
421.67 gの2-ヒドロキシエチルアクリレート及び0.9 gのジブチル錫オキシドを、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ入れ、110℃に加熱する。次に、1077.43 gのε-カプロラクトンを1時間以内で添加し、110℃で更に19時間、撹拌を継続する。ヒドロキシル価が136のモノアルコールが得られる。
【0062】
[実施例6]
778.61 gのBaymicron Oxa WM 06及び2.03 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを、還流冷却器、撹拌器及びガスエントリチューブを備えた三口フラスコ中へ60℃で入れる。2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを溶解する際、空気を導入する(2 l/h)。40分後、2.03 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール、10.15 gの1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-オン及び1205.15 gの実施例5からの生成物を添加する。反応混合物は発泡を始め、これを50℃で3時間撹拌する。次に、0.04 gの2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシルを添加し、真空(20 mbar)を付与する。ガスの発生が終わると、真空を中止し、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを溶解によって導入し(30分)、空気を導入し続ける。粘度が5000 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量4.9%、オキサジアジントリオン含有量 = 0.7%、アロファネート含有量11.2%、ウレタン含有量3.0%、ウレトジオン含有量0.5%。
【0063】
[実施例7]
491.91 gの実施例1からの生成物、7.84 gのエタンジオール及び0.25 gのジブチル錫ジラウレートを、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ入れ、50℃で3時間撹拌する。粘度が5680 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量8.1%、オキサジアジントリオン含有量 = 1.07%、アロファネート含有量17.63%、ウレタン含有量9.04%、ウレトジオン含有量0.91%。
【0064】
[実施例8]
3600 gの酢酸ブチルを圧力釜反応器中へ入れ、165℃(約2.3 bar)に加熱する。次に、2772.0 gのグリシジルメタクリレート、3207.6 gのメチルメタクリレート及び1663.2 gのn-ブチルアクリレートの溶液を、3時間以内で計量導入する。同時に、277.2 gのPeroxan DB (ジ-tert.-ブチルペルオキシド、Pergan GmbHからの市販品)及び480 gの酢酸ブチルの溶液を、3.5時間で計量導入する。撹拌を更に1時間継続し、次いで、混合物を40℃に冷却する。混合物をT5500フィルターで取り除き、容器中へ導入する。
【0065】
[実施例9]
3567.88 gの実施例8からの生成物、417.78 gのアクリル酸、2.75 gのトリエチルベンジルアンモニウムクロリド、2.75 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノール、0.56 gの2,5-ジ-tert.-ブチルヒドロキノン及び8.17 gのp-メトキシフェノールを、還流冷却器、撹拌器及びガスエントリチューブを備えた三口フラスコ中へ入れ、空気を導入しながら90℃に加熱する。混合物を120時間後に冷却する。粘度が735 mPas/23℃の生成物が得られる。
【0066】
[適用例]
生成物をポリオールと、NCO:OHのモル比1:1にて混合し、5 %のIrgacure 184 (Cibaからの市販品)を添加した。次に、金属板をハンドコーター(膜厚は約60 μm)で塗布した。60℃で5分の蒸発フェーズの後、UV光(コンベヤーユニット、1ラジエター、高圧水銀ラジエター 80 W/cm ランプ長 [CK ラジエター、ISTからの市販品、Metzingen、ドイツ]、放射はベルトスピード5 m/分で2回行った)で硬化を行った。次に、200往復アセトン行程(Acetondoppelhueben)で耐薬品性を決定した。このために、アセトンに浸した脱脂綿の詰綿を、表面上で前後に200回、約1キロの力で動かした。結果は、視覚で評価した。等級形式(0 = 変化なし〜5 = 破壊)で結果を記録した。振り子型硬度も決定した。熱的な後硬化(30分、120℃)の後に、これらの試験を繰り返した。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
[実施例20]
125.85 gのBaymicron Oxa WM 06 (Bayer AGからの市販品)、97.55 gのDemodur N3600及び0.3 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ50℃で入れ、0.3 gのトリエチルアミン、75.40 gの2-ヒドロキシエチルアクリレート及び0.3 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを20分以内で滴下する。反応混合物を50℃で約3時間、撹拌する、最初は常圧下で、次いで、ガスの発生が少なくなり次第(約2時間)、真空下で(約25 mbar)、更にガスが発生しなくなるまで、撹拌する。次に、0.1 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを添加し、50℃で30分間溶解する。次いで、空気による飽和(4 l/h)を20分間行う。粘度が3900 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量11.3%。
【0072】
[実施例21]
810.76 gのBaymicron Oxa WM 06 (Bayer AGからの市販品)、11.72 gの1,2-エタンジオール及び1.5 gのトリエチルアミンを、還流冷却器及び撹拌器を備えた三口フラスコ中へ50℃で入れ、50℃で1時間撹拌する。次に、673.02 gの2-ヒドロキシエチルアクリレート及び3.0 gの2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールを、60分以内で滴下する。反応混合物を50℃で約3時間、最初は常圧下で、次いで、ガスの発生が少なくなり次第(約2時間)、真空下で(約25 mbar)、更にガスが発生しなくなるまで、撹拌する。次いで、空気による飽和(4 l/h)を20分間行う。次に、NCO含有量が0.1%以下にまるまで、60℃で撹拌を継続する。粘度が31500 mPas/23℃の生成物が得られる。NCO含有量0.0%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアロファネート基を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物の製造方法であって、アロファネート基の酸素原子上に少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を持ち、該酸素原子は二つの単結合によって結合され、少なくとも1つのオキサジアジントリオン基(式1):
【化1】

を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物を、アクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を有するアルコールと−20℃と100℃の間の温度で反応させることを特徴とする方法。
【請求項2】
塩基性触媒の存在下に反応が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触媒は、pKa>7.5であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
触媒は、アミンを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1種の安定剤の存在下に反応が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールの存在下に反応が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
オキサジアジントリオン基を有するポリイソシアネートは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートから製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ポリイソシアネートは、遊離のイソシアネート基又はキャップされたイソシアネート基を持つことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
更に0.1〜10重量%のウレトジオン基を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物の存在下に反応が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
多官能性アルコールを更に用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法によって製造されるポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物。
【請求項12】
ポリイソシアネート混合物又はポリイソシアネート二次生成物の混合物であって、
a)少なくとも1つのアロファネート基を有し、アロファネート基の酸素原子上に少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート又はビニルエーテル二重結合を持ち、該酸素原子は二つの単結合によって結合されている、ポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物、及び
b)ポリイソシアネート混合物又はポリイソシアネート二次生成物の混合物の全体に対して0.1〜10重量%のウレトジオン基を有するポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物、
を含む混合物。
【請求項13】
ポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物の混合物b)は不飽和基を含むことを特徴とする請求項12に記載のポリイソシアネート混合物又はポリイソシアネート二次生成物の混合物。
【請求項14】
ウレトジオン基及びアロファネート基を持つポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物c)を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のポリイソシアネート混合物又はポリイソシアネート二次生成物の混合物。
【請求項15】
フェノール、HALSアミン又はフェノチアジンを含んでなる群から選択される安定剤を含む請求項11又は12に記載のポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物。
【請求項16】
式2:
【化2】

〔式中、
1A、2Aは、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造を含み、後述する基1Bないしn+1BをN位に持つ、イソシアネート又はイソシアネート二次生成物の同一或いは異なる構造を表し、
1Bないしn+1Bは、脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族ジイソシアネートの二つのイソシアネート基をモデリングすることによって形成される同一或いは異なる基であり、
Xは、構造X-1及び/又はX-2:
【化3】

【化4】

〔式中、Yは、少なくとも1つの活性化二重結合を含む有機基を表す。〕
の1つ、及び任意に、少量の、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素又はオキサジアジントリオン構造を含むイソシアネート二次生成物の同一或いは異なる基を表し、
nは、1より大きく20より小さな数であって、本発明による化合物中に存在する式2を有する全分子の平均を表す。〕
を有する構造要素を含む、請求項12に記載のポリイソシアネート又はポリイソシアネート二次生成物。
【請求項17】
請求項1に記載の方法により製造される化合物を含む、コーティング、接着剤、硬化剤組成物系及び封止組成物。
【請求項18】
請求項11又は12に記載のポリイソシアネート混合物又はポリイソシアネート二次生成物の混合物の反応生成物を含むコーティングを有する基材。
【請求項19】
基材物質は、木、金属、プラスチック及び/又は無機物質を含む、請求項18に記載の基材。

【公表番号】特表2006−502261(P2006−502261A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542362(P2004−542362)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010499
【国際公開番号】WO2004/033522
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】