説明

住宅

【課題】踊り場に居ながらも、リビング、ダイニング及び玄関に居る家族の存在を確認することができる住宅を提供する。
【解決手段】1階(下階)側の下部階段51と2階(上階)側の上部階段52との間に踊り場53が形成された折り返し階段50を備える住宅1であって、踊り場53は、下部階段51及び上部階段52が占有する面積以上の面積を有するとともに、外壁2の内側面に接するように配置され、1階のリビング12、ダイニング13及び玄関10は、踊り場53と連続的な空間で接続されるとともに、リビング12、ダイニング13及び玄関10と踊り場53とは、互いに視認可能な位置となるように配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下階側の下部階段と上階側の上部階段との間に踊り場が形成された折り返し階段を備える住宅の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下階側の下部階段と上階側の上部階段との間に踊り場が形成された折り返し階段を備える住宅の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、玄関ホールから昇降可能となるように配置された折り返し階段の踊り場を、当該玄関ホールと反対側に向かって拡張させることで共有スペースを形成し、当該共有スペースをリビング及びダイニングに面するように配置している。また、玄関ホールからではなく、ダイニングから共有スペースへと移動できるように、当該ダイニングと共有スペースとを接続する階段を設けている。
【0004】
このように構成された住宅においては、共有スペースからリビング及びダイニングを視認することができ、家族(住人)の存在を確認することができる。また、これによって、住人同士のコミュニケーションを効果的に図ることができる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、玄関ホールに面した折り返し階段の踊り場と、リビング及びダイニングに面した共有スペースと、の間は、壁及び引き戸によって仕切られている。このため、共有スペースからは、玄関を出入りする家族(住人)の存在を確認し難いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−138761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、踊り場に居ながらも、リビング、ダイニング及び玄関に居る家族の存在を確認することができる住宅を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、下階側の下部階段と上階側の上部階段との間に踊り場が形成された折り返し階段を備える住宅であって、前記踊り場は、前記下部階段及び上部階段が占有する面積以上の面積を有するとともに、外壁の内側面に接するように配置され、前記下階のリビング、ダイニング及び玄関は、前記踊り場と連続的な空間で接続されるとともに、前記リビング、ダイニング及び玄関と前記踊り場とは、互いに視認可能な位置となるように配置されるものである。
【0010】
請求項2においては、前記踊り場は、平面視において前記玄関と隣接するように配置されるものである。
【0011】
請求項3においては、前記踊り場の外周部のうち、前記外壁、前記上部階段又は前記下部階段と接しない部分には手すりが設けられ、前記リビング及び前記ダイニングは、前記下部階段又は前記手すりを介して前記踊り場から視認可能とされ、前記玄関は、前記手すりを介して前記踊り場から視認可能とされるものである。
【0012】
請求項4においては、前記踊り場と接する外壁には、外を視認可能な窓用開口部が設けられるものである。
【0013】
請求項5においては前記踊り場の下方には、前記玄関から利用可能な収納空間が設けられるものである。
【0014】
請求項6においては、前記踊り場は、前記下部階段及び上部階段の幅方向の少なくとも一方に向かって、当該下部階段及び上部階段の幅よりも突出するように形成されるものである。
【0015】
請求項7においては、平面視において前記下部階段及び前記踊り場と隣接する位置には、吹き抜けが設けられるものである。
【0016】
請求項8においては、前記上階のうち、平面視において前記踊り場と隣接する位置に、多目的に利用可能な空間が設けられるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
請求項1においては、踊り場に居ながらリビング、ダイニング及び玄関に居る家族を視認することができるため、当該踊り場を書斎等のスペースとして有効利用しながらも家族の存在を確認することができる。
また、踊り場から見て外壁と反対方向にリビング、ダイニング及び玄関が配置されることになり、当該リビング、ダイニング及び玄関を同時に見渡し易くすることができる。
さらに、下部階段を介して下階を視認する際の姿勢(体の向き)のまま、上部階段を介して上階を視認することも可能となり、上階の様子(上階に居る家族の存在)を確認することができる。
【0019】
請求項2においては、玄関を通る家族の存在を確認し易くすることができる。
【0020】
請求項3においては、踊り場からの人の落下を防止しながらも、リビング、ダイニング及び玄関を視認可能とすることができる。
【0021】
請求項4においては、踊り場に居ながら、外に居る家族の存在を確認することができる。
【0022】
請求項5においては、踊り場の下方の空間を有効利用することができる。
【0023】
請求項6においては、踊り場の空間を広く確保し、当該踊り場の利便性を向上させることができる。
【0024】
請求項7においては、リビング、ダイニング及び玄関と前記踊り場とを互いに視認し易くすることができる。
【0025】
請求項8においては、上階に設けられた空間に居る家族の存在を、踊り場から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係る住宅の一階部分を示した平面図。
【図2】同じく、二階部分を示した平面図。
【図3】同じく、折り返し階段の様子を示した斜視図。
【図4】同じく、踊り場からの視界を示した側面断面模式図。
【図5】本発明の第二実施形態に係る住宅の一階部分を示した平面図。
【図6】同じく、二階部分を示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係る住宅1の全体構成について説明する。
【0028】
図1に示すように、住宅1の1階(後述する折り返し階段50を挟んで下側の階(下階))には、玄関10、玄関ホール11、リビング12、ダイニング13、キッチン14、廊下15、洗面室16、浴室17、トイレ18、折り返し階段50、階段下収納19及び玄関収納20が配置される。
【0029】
住宅1の南東部分に玄関10が配置され、当該玄関10の西側に玄関ホール11が配置される。玄関ホール11のさらに西側(住宅1の南西部分)にはリビング12が配置される。リビング12の南西角部には、畳が敷かれた略正方形の畳スペース12aが設けられる。
【0030】
リビング12の北側にはダイニング13が配置され、ダイニング13の西端には収納13aが設けられる。ダイニング13のさらに北側(住宅1の北西部分)にはキッチン14が配置される。
【0031】
ダイニング13から東に向かって廊下15が配置され、当該廊下15の北側(住宅1の北東部分)には洗面室16及び浴室17が配置される。廊下15の東側の突き当たり部分にはトイレ18が配置される。
【0032】
リビング12の北東側かつ廊下15の南側には、折り返し階段50が配置される。
【0033】
廊下15の南側(折り返し階段50(より詳細には、後述する上部階段52)の下方)には、階段下収納19が配置される。
玄関10の北側(折り返し階段50(より詳細には、後述する踊り場53)の下方)には、玄関収納20が配置される。
【0034】
図2に示すように、住宅1の2階(折り返し階段50を挟んで上側の階(上階))には、廊下30、主寝室31、第一洋室32、第二洋室33、トイレ34、廊下収納35、バルコニー36及び吹き抜け37が配置される。
【0035】
折り返し階段50の西側から南側にわたって、平面視略L字状の廊下30が配置される。廊下30の西側(住宅1の南西部分)には主寝室31が配置される。主寝室31の北側には、収納31aが設けられる。
【0036】
廊下30の北西側(住宅1の北西部分)には、第一洋室32が配置される。第一洋室32の南側には、収納32aが設けられる。
廊下30の北東側(住宅1の北東部分)には、第二洋室33が配置される。第二洋室33の西側には、収納33aが設けられる。
第一洋室32と第二洋室33との間には、トイレ34が配置される。
【0037】
廊下30の南側には、廊下収納35が配置される。また、廊下30の南東側には、バルコニー36が配置される。
廊下30と折り返し階段50とによって囲まれた部分(廊下30が略L字状に屈曲した部分の内側)には、吹き抜け37が配置される。
【0038】
次に、図1から図3までを用いて、折り返し階段50の構成について詳細に説明する。
【0039】
折り返し階段50は、下部階段51、上部階段52、踊り場53及び手すり54等を備える。
【0040】
図1及び図2に示す折り返し階段50は、1階(下階)側の下部階段51と2階(上階)側の上部階段52との間に踊り場53が形成されたものである。下部階段51及び上部階段52は、踊り場53から見て同じ方向(本実施形態においては、踊り場53の西側)に、互いに隣接するように設けられる。
【0041】
踊り場53は、下部階段51及び上部階段52が占有する面積以上の面積を有するように広く形成される。踊り場53の南北方向の幅は、互いに隣接するように配置された下部階段51及び上部階段52の幅(昇降方向(東西方向)に垂直な方向(南北方向)の幅)よりも大きくなるように形成される。踊り場53の北端は、上部階段52の北端と略同一位置となるように形成され、踊り場53の南端は、下部階段51の南端よりもさらに南方に突出するように形成される。下部階段51の南側であって踊り場53の南端部の西側に、前述した吹き抜け37が配置される。
【0042】
このように、踊り場53は、折り返し階段50を昇降するために最低限必要な広さ以上に広くなるように形成される。これによって、当該踊り場53を、単に下部階段51から上部階段52へ(又は、上部階段52から下部階段51へ)と方向転換するためのスペースとして利用するだけではなく、書斎や子供の遊び場等として多目的にかつ有効に利用することができる。
【0043】
踊り場53の東端は、住宅1の外壁2の内側面に接するように配置される。踊り場53と接する外壁2には、窓用開口部3が設けられる。当該窓用開口部3は、踊り場53に立った住人が当該窓用開口部3を介して住宅1の外を視認できる程度の高さに形成される。さらに当該窓用開口部3には、FIX窓(はめ殺し窓)3aが取り付けられる。
【0044】
踊り場53の南端は、平面視において玄関10と隣接するように配置される。踊り場53の下方には、玄関10と接続された収納空間である玄関収納20が形成される。
【0045】
上部階段52の下方には、1階の廊下15から利用可能な階段下収納19が形成される。
【0046】
図1から図3までに示すように、下部階段51、上部階段52及び踊り場53の周囲には、手すり54が設けられる。より詳細には、手すり54は、下部階段51の南側面、上部階段52の南側面、並びに踊り場53の外周であって住宅1の壁、下部階段51及び上部階段52と接しない部分に設けられる。手すり54の側面は透明板54aで構成される。
【0047】
このような手すり54を設けることにより、折り返し階段50とその他の空間(例えば、玄関10やリビング12等)とを完全に区切ることなく、連続的な空間で接続しながらも、下部階段51、上部階段52又は踊り場53から住人が落下するのを防止することができる。また、手すり54の側面を透明板54aで構成することにより、下部階段51、上部階段52及び踊り場53と周囲の部屋との間の視界を確保することができる。
【0048】
また、前述の如く、折り返し階段50は、リビング12の北東側かつ廊下15の南側に配置されている。当該折り返し階段50の位置は、ダイニング13の東側、かつ玄関10の北側となる。
【0049】
次に、図1から図4までを用いて、踊り場53からの視界について説明する。
【0050】
上述の如く構成された住宅1においては、踊り場53に居る住人(例えば、踊り場53に設けられた書斎に居る住人)から、下部階段51又は当該踊り場53の西側に配置された手すり54(より詳細には、手すり54の上方又は手すり54に設けられた透明板54a)を介してリビング12(畳スペース12aを含む)及びダイニング13を視認することができる。また、踊り場53に居る住人から、当該踊り場53の南側に配置された手すり54(より詳細には、手すり54の上方又は手すり54に設けられた透明板54a)を介して玄関10を視認することができる。
【0051】
さらに、踊り場53に居る住人から、外壁2に設けられた窓用開口部3(より詳細には、FIX窓3a)を介して住宅1の外を視認することができる。また、踊り場53に居る住人から、上部階段52を介して2階(上階)を視認することができる。
【0052】
また、上記とは逆に、リビング12、ダイニング13、玄関10、2階及び住宅1の外から踊り場53を視認することもできる。
【0053】
以上の如く、本実施形態に係る住宅1は、1階(下階)側の下部階段51と2階(上階)側の上部階段52との間に踊り場53が形成された折り返し階段50を備える住宅1であって、踊り場53は、下部階段51及び上部階段52が占有する面積以上の面積を有するとともに、外壁2の内側面に接するように配置され、1階のリビング12、ダイニング13及び玄関10は、踊り場53と連続的な空間で接続されるとともに、リビング12、ダイニング13及び玄関10と踊り場53とは、互いに視認可能な位置となるように配置されるものである。
【0054】
このように構成することにより、踊り場53に居ながらリビング12、ダイニング13及び玄関10に居る家族(住人)を視認することができるため、当該踊り場53を書斎等のスペースとして有効利用しながらも家族の存在を確認することができる。また、踊り場53とその他の場所(リビング12やダイニング13等)にいる家族間で会話をすることもできるため、コミュニケーションをより効果的に図ることができる。
また、踊り場53から見て外壁2と反対方向にリビング12、ダイニング13及び玄関10が配置されることになり、当該リビング12、ダイニング13及び玄関10を同時に見渡し易くすることができる。
さらに、下部階段51を介して1階を視認する際の姿勢(体の向き)のまま、上部階段52を介して2階を視認することも可能となり、2階の様子(上階に居る家族の存在)を確認することができる。
【0055】
なお、本発明に係る住宅は、本実施形態に限るものではなく、踊り場53からリビング、ダイニング、玄関及び上階が視認できるものであれば、その位置関係を限定するものではない。
【0056】
また、踊り場53は、平面視において玄関10と隣接するように配置されるものである。
【0057】
このように構成することにより、玄関を通る家族の存在を確認し易くすることができる。これによって、外へ外出する家族(例えば、外へ遊びに行く子供)や帰宅してきた家族とのコミュニケーションをより効果的に図ることができる。
【0058】
また、踊り場53の外周部のうち、外壁2、上部階段52又は下部階段51と接しない部分には手すり54が設けられ、リビング12及びダイニング13は、下部階段51又は手すり54を介して踊り場53から視認可能とされ、玄関10は、手すり54を介して踊り場53から視認可能とされるものである。
【0059】
このように構成することにより、踊り場53からの人の落下を防止しながらも、リビング12、ダイニング13及び玄関10を視認可能とすることができる。
【0060】
なお、手すり54を介してリビング12等を視認する方法としては、手すり54の上方から視認する方法や、手すり54の透明板54aを介して視認する方法がある。また、透明板54aを設けない(例えば、手すり54の側面に不透明な板を設ける)場合は、手すり54(の側面)の一部に開口部を設け、当該開口部から視認するように構成しても良い。
【0061】
また、踊り場53と接する外壁2には、外を視認可能な窓用開口部3が設けられるものである。
【0062】
このように構成することにより、踊り場53に居ながら、外に居る家族の存在を確認することができる。また、当該窓用開口部3から踊り場53に外部からの光を取り込むことができ、当該踊り場53をより快適な空間とすることができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、窓用開口部3にFIX窓(はめ殺し窓)3aを取り付けるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、開閉可能な窓を取り付ける構成としても良い。
【0064】
また、踊り場53の下方には、玄関10から利用可能な玄関収納20(収納空間)が設けられるものである。
【0065】
このように構成することにより、踊り場53の下方の空間を有効利用することができる。特に、上述の如く踊り場53と玄関10とを平面視において隣接するように配置した場合においては、玄関10及び玄関収納20も平面視において隣接することになるため、当該玄関収納20の形成が容易であるとともに、より玄関収納20が使い易くなる。また、玄関収納20の床面の高さを、玄関10の床面と同じ高さとすることで、玄関収納20の床面から天井までの高さを(玄関ホール11に玄関収納20を設ける場合に比べて)高くすることができ、より玄関収納20を使い易くすることができる。
【0066】
また、踊り場53は、下部階段51及び上部階段52の幅方向の少なくとも一方(南方)に向かって、当該下部階段51及び上部階段52の幅よりも突出するように形成されるものである。
【0067】
このように構成することにより、踊り場53の空間を広く確保し、当該踊り場53の利便性を向上させることができる。また、踊り場53の当該突出した部分からは、よりリビング12やダイニング13等が視認し易くなる。
【0068】
なお、本実施形態に係る踊り場53は、下部階段51側(南方)に突出する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、上部階段52側(北方)に突出する構成であっても、両側に突出する構成であっても良い。
【0069】
また、平面視において下部階段51及び踊り場53と隣接する位置には、吹き抜け37が設けられるものである。
【0070】
このように構成することにより、下部階段51と吹き抜け37とにより左右方向の視界を広げることができ、リビング12、ダイニング13及び玄関10と踊り場53とを互いに視認し易くすることができる。また、踊り場53に居る家族(住人)に対して開放感を与え、当該踊り場53を快適な居住空間にすることができる。
【0071】
以下では、図5及び図6を用いて、本発明の第二実施形態に係る住宅201について説明する。
なお、第二実施形態に係る住宅201のうち、第一実施形態に係る住宅1と同じ目的で利用する部屋には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0072】
住宅201の南西部分に玄関10が配置され、当該玄関10の北側に玄関ホール11が配置される。また、住宅201の南東部分にリビング12が配置され、当該リビング12の北側にダイニング13が配置される。玄関10及び玄関ホール11とリビング12及びダイニング13との間に、折り返し階段50が配置される。
【0073】
折り返し階段50の踊り場53は、住宅201の南側の外壁2の内側面に接するように配置される。当該外壁2には窓用開口部3が設けられ、当該窓用開口部3にFIX窓3aが取り付けられる。
また、折り返し階段50の下部階段51及び上部階段52は、踊り場53の北側に、互いに隣接するように配置される。
【0074】
このように構成された住宅201において、踊り場53からリビング12、ダイニング13、玄関10、2階及び住宅201の外を視認することができる。
【0075】
また、第二実施形態に係る住宅201においては、2階(上階)のうち、平面視において踊り場53と隣接する位置、より詳細には、平面視において踊り場53の西隣り(玄関10の上方)に、多目的に利用可能な空間として畳スペース38が設けられる。当該畳スペース38の東側部には手すり54が設けられる。当該手すり54には、透明板や開口部が設けられ、踊り場53と畳スペース38とが互いに視認可能となるように構成される。
【0076】
以上の如く、本実施形態に係る住宅201は、
2階のうち、平面視において踊り場53と隣接する位置に、多目的に利用可能な空間(畳スペース38)が設けられるものである。
【0077】
このように構成することにより、上階に設けられた畳スペース38に居る家族の存在を、踊り場53から確認することができる。当該畳スペース38は家族が共有することができる空間であるため、家族同士のコミュニケーションをより効果的に図ることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 住宅
2 外壁
3 窓用開口部
10 玄関
12 リビング
13 ダイニング
20 玄関収納(収納空間)
37 吹き抜け
38 畳スペース(空間)
50 折り返し階段
51 下部階段
52 上部階段
53 踊り場
54 手すり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下階側の下部階段と上階側の上部階段との間に踊り場が形成された折り返し階段を備える住宅であって、
前記踊り場は、前記下部階段及び上部階段が占有する面積以上の面積を有するとともに、外壁の内側面に接するように配置され、
前記下階のリビング、ダイニング及び玄関は、前記踊り場と連続的な空間で接続されるとともに、
前記リビング、ダイニング及び玄関と前記踊り場とは、互いに視認可能な位置となるように配置される住宅。
【請求項2】
前記踊り場は、平面視において前記玄関と隣接するように配置される、
請求項1に記載の住宅。
【請求項3】
前記踊り場の外周部のうち、前記外壁、前記上部階段又は前記下部階段と接しない部分には手すりが設けられ、
前記リビング及び前記ダイニングは、前記下部階段又は前記手すりを介して前記踊り場から視認可能とされ、
前記玄関は、前記手すりを介して前記踊り場から視認可能とされる、
請求項2に記載の住宅。
【請求項4】
前記踊り場と接する外壁には、外を視認可能な窓用開口部が設けられる、
請求項3に記載の住宅。
【請求項5】
前記踊り場の下方には、前記玄関から利用可能な収納空間が設けられる、
請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の住宅。
【請求項6】
前記踊り場は、
前記下部階段及び上部階段の幅方向の少なくとも一方に向かって、当該下部階段及び上部階段の幅よりも突出するように形成される、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の住宅。
【請求項7】
平面視において前記下部階段及び前記踊り場と隣接する位置には、吹き抜けが設けられる、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の住宅。
【請求項8】
前記上階のうち、平面視において前記踊り場と隣接する位置に、多目的に利用可能な空間が設けられる、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の住宅。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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