説明

体動検出機および体動検出機を備える携帯端末装置

【課題】取り付け方向に関わりなく、常に鉛直方向の加速度を捉え、正確に体動、特に転倒や歩行、歩行速度などの判定に供する。
【解決手段】使用者の体動を検出する体動検出機であって、少なくとも異なる3軸方向の加速度を検出する加速度検出部8と、前記加速度検出部8で検出した加速度と重力加速度とに基づき当該体動検出機4が静止しているか否かを判断する静止判断部5と、前記静止判断部5が静止と判断する際に、前記加速度検出部8で検出した加速度と重力加速度とに基づき前記加速度検出部で検出された加速度を所定の方向の加速度に変換する補正値を算出する補正値算出部10と、前記静止判断部5が静止していないと判断する際に、前記加速度検出部8で検出した加速度を前記補正値に基づき変換する変換加速度算出部13と、前記変換加速度算出部13で算出された変換加速度を分析し使用者の運動の特徴を判定する運動分析部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が携帯して使用者の体動を検出する体動検出機に関し、特に、体動検出機の使用者への取り付け方向に関わりなく、使用者の運動の状態を高精度に判定する体動検出機及びこれを備える携帯端末装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
加速度を用いて使用者の体動を検出する従来の技術としては、加速度センサを用いて歩数を検出するものがある。(例えば、特許文献1参照)。図15は、前記特許文献1に記載された従来の技術を用いた体動検出装置の機能ブロック図である。
【0003】
図15において、作用軸判定部121は、検出する加速度の方向が異なる複数の体動センサ(111〜114)から最大の振れ幅を示した単一のセンサを選択し、選択された該センサの検出する加速度の方向を体動の方向として、該センサ出力に基づき歩数カウンタ123を用いて歩数の推定をしていた。
【特許文献1】特開2002−191580号公報(第11頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、センサを体動の方向を正確に一致させた状態で人体に取り付けることは不可能であるにもかかわらず、方向が固定されたいくつかのセンサの内単一のセンサが検出する加速度の方向を体動の方向としているため、センサの方向と使用者の体動の向きとが必ずしも完全に一致せず、体動の向きに発生した加速度を精度良く検出できないため、使用者の運動状態を正確に把握し得ないという課題を有していた。
【0005】
さらに該センサで検出する振動が、単なる体動によるものなのか歩行によるものなのか装置の取り外しにかかるものなのか装置の落下によるものなのかを正確に判定できないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者の運動の状態を精度良く判定し、かつ、判定された各状態を定量的に評価することができる体動検出機及びこれを備える携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明にかかる体動検出機は、使用者の体動を検出する体動検出機であって、少なくとも異なる3軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき当該体動検出機が静止しているか否かを判断する静止判断手段と、前記静止判断手段が静止と判断する場合に、前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき、前記加速度検出手段で検出された加速度を所定の方向の加速度に変換する補正値を算出する補正値算出手段と、
前記静止判断手段が静止していないと判断する場合に、前記加速度検出手段で検出した加速度を前記補正値に基づき変換する変換加速度算出手段と、前記変換加速度算出手段で算出された変換加速度を分析し使用者の運動の特徴を判定する運動分析手段とをそなえることを特徴とする。
【0008】
これにより、使用者が体動検出機をいかなる方向に取り付けていたとしても、静止、活動、転倒、歩行などの運動を判定し、歩数、歩幅、歩行速度、など一般的な指標を精度良く算出することができる。
【0009】
また、前記加速度検出手段は、互いに直交する3軸方向の加速度を検出し、前記静止判断手段は、前記3軸の各加速度の平方和を演算し、さらに前記平方和の平方根と重力加速度との差が所定の閾値以下である場合に当該体動検出機が静止いていると判断することとしても良い。
【0010】
これにより、最小の構成で体動検出機の静止を正確に検出することが可能となる。
また、前記補正値算出手段は、前記加速度検出機の各加速度検出軸の、鉛直方向に対する傾斜角に基づき各加速度検出軸に対応する補正値を算出しても良い。さらに、変換加速度算出手段は、前記補正値と前記加速度検出機が検出した加速度とに基づき各軸の変換加速度を算出し、運動分析手段は、前記各軸の変換加速度を加算した値で分析することとしても良い。さらに、前記運動分析手段は、過去の任意の時間区間における前記変換加速度の変化率を算出し、前記変化率と、所定の基準値との比較により、使用者が衝突・転倒したことを判定することとしても良い。
【0011】
これにより、鉛直方向の加速度の変化を検出できるため、正確に使用者の運動状態を判定することができる。
【0012】
本発明にかかる携帯端末装置は、通信手段を備える携帯端末装置であって、上記の体動検出機と、前記携帯端末装置の動作状況を検知し、前記体動検出機の稼働状態を制御する制御手段と、前記体動検出機の運動分析手段の判定結果を取得する判定取得手段と、取得した判定結果を表示する表示装置とを備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、携帯端末装置を操作中など使用者の運動とは異なる加速度を検出することが無く、より正確に使用者の運動状態のみを判定することができる。
なお、本発明は、上記の体動検出機や携帯端末装置に限らず、体動検出方法などとしても同様の作用効果を奏し、課題を解決することができる。さらに前記方法に基づく動作をコンピュータに実行させるプログラムとしても同様である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の体動検出機によれば、使用者が体動検出機をいかなる方向に装着しても、使用者の体動を正確に把握し、転倒、衝突、歩数や歩行速度など健康上有用な情報を正確に判定可能である。また、本発明の携帯端末装置によれば、携帯端末装置使用時の動きと携帯端末装置携帯時の体動とを区別し、体動に関する有用な情報のみを検出可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる体動検出機を具備した携帯端末装置としての折り畳み式の携帯電話を概観した正面図である。
【0016】
同図において携帯電話1は、携帯電話1に必要な情報を表示する液晶ディスプレーからなる表示装置2と、ヒンジを構成する画面側の結合部とキーボード側の結合部に設けられた二つの電気接点3とを備えている。この電気接点3は、携帯電話1の開閉を検出するものであり、携帯電話1の開閉に伴う通電の有無により開閉状態を検出する通電検知部である。
【0017】
図2は、本発明の体動検出機を具備した携帯電話1を用いて、体動に伴う加速度の検出を行い、老人介護施設内において使用者であるところの入所者の衝突・転倒を監視する際の携帯電話1の使用状態を示す図である。
【0018】
携帯電話1は使用者7の腰部分に任意の状態で取り付けられている。また、この携帯電話1は使用者7の体動を検出し、その結果を介護スタッフ用情報端末6に送信できるものとなされている。この図に示すように本実施の形態においては、携帯電話1は使用者7の腰部右側に装着された状態で運用され、介護スタッフ用情報端末6に衝突・転倒の状態を表示させるものである。
【0019】
図3は本実施の形態にかかる携帯電話1の機能ブロック図である。
同図に示すように、携帯電話1は、通常の音声通話や電子メール、その他アプリケーションなどを実行できる端末であり、体動検出機4と、制御部9と、表示装置2と、出力部12と、判定取得部14と、通信部15とを備えている。
【0020】
さらに体動検出機4は、静止判断部5と、加速度検出部8と、補正値算出部10と、運動分析部11と、変換加速度算出部13とを備えている。
【0021】
加速度検出部8は、互いに直交する3軸の加速度を検出することができる3次元加速度センサを備え、これらセンサの信号を処理し出力する。
【0022】
静止判断部5は、加速度検出部8からの軸毎の出力値の平方和を演算し、さらに前記平方和の平方根の重力加速度に対する差を演算し、差が所定値以下(例えば差が0)のとき静止と判断する処理部である。
【0023】
補正値算出部10と変換加速度算出部13、運動分析部11については後述する。
制御部9は、携帯電話1のヒンジに設けられた通電検知部としての電気接点3の通電状態、すなわち、携帯電話1を開いて使用する際には互いに接することで通電が可能となり、携帯電話を閉じて使わない場合は通電が不可能となる電気接点3の接点間の抵抗値を測り、抵抗値が無限大の場合、体動検出機4を稼働させるよう制御する処理部である。
【0024】
判定取得部14は、後述する運動分析部11の判断を体動検出機4から取得する処理部である。
【0025】
出力部12は、携帯電話1に備えられる表示装置である液晶ディスプレイ2に判定取得部14が取得した運動分析部11による分析結果などを表示させるほか、通信部15に当該結果を出力し外部との通信を行わせる処理部である。
【0026】
次に、使用者7の腰部右側にて装着された携帯電話1に具備された体動検出機4の補正値算出部10と変換加速度算出部13、運動分析部11について説明する。
【0027】
まず、使用者7は携帯電話1を閉じて、図2のように装着する。このとき、体動検出機以外の機能であるところの通常の携帯電話機能は停止し、体動検出機4の稼働が開始される。これは前述の電気接点3の通電状態に基づき制御部9が制御する。
【0028】
加速度検出部8は、静止判断部5が静止と判断している間に、互いに直交する3軸の加速度の検出を行い、補正値算出部10へ各軸ごとの加速度情報を出力する。
【0029】
補正値算出部10は、前記各軸の値と重力加速度に基づき各軸の補正値を定める。
以下、補正値の算出方法を詳細に説明する。
【0030】
図4は、3軸の加速度センサの加速度検出軸の方向と、鉛直方向の重力加速度との関係を示す図である。
【0031】
加速度の作用点17は水平面16上にあり、加速度検出部8により得られる静止時の3方向の加速度(Az21、Ax22、Ay23)は、当該作用点17から延びる実線のベクトルで示されている。この時、加速度Az21が鉛直方向18と成す角θz、加速度Ax22が前後方向19と成す角θx、加速度Ay23が左右方向20と成す角θyについては、下式のような関係がある。補正値算出部10は、この関係式に基づき、右辺の余弦関数から得られる値を補正値として算出する。gは重力加速度である。
【0032】

g =Az×cos(θz) ・・・・・・・・・・・(式1)

g =Ax×cos(θx) ・・・・・・・・・・・(式2)

g =Ay×cos(θy) ・・・・・・・・・・・(式3)

【0033】
次に、体動がある場合、すなわち、静止判断部5が静止していないと判断している間は変換加速度算出部13は、下式に基づき変換加速度Zを算出する。
【0034】

Z=Az×cos(θz)+Ax×cos(θx)+Ay×cos(θy)・・・・・・・・・・・(式4)

【0035】
運動分析部11は、変換加速度算出部13により算出された変換加速度Zを用いて、使用者の衝突・転倒の判定を行うアルゴリズムを実行する。このとき実行される衝突・転倒判定用のアルゴリズムについて、図5、および、図6を用いて説明する。
【0036】
図5は、転倒の概念図であり、図中の三角形の領域は転倒後の体軸成分の存在領域24、大きな白抜きの矢印は重力加速度25、26(1g=9.8m/s2)を示している。前後方向27は、使用者7の正面背面方向、上下方向28は使用者7の足から頭の方向を示し、使用者が静止状態で起立している場合は鉛直方向と一致する。
【0037】
同図は、重力加速度を検知していた加速度センサの軸が、転倒前は上下方向から、転倒に伴って外れる特徴を示している。本実施の形態における運動分析部11においては、過去の1秒間における変換加速度Zにおける時間変化率を算出し、その値が20msecあたり0.75G以上の場合に転倒情報を出力する、というアルゴリズムを保持している。
【0038】
図6は使用者7が実際に転倒したときの、転倒を含むその前後の変換加速度の経時変化の特徴を示したグラフである。
【0039】
同図において、横軸は、時間(msec)、縦軸は、加速度である。すなわちこのグラフが示すように、この使用者の転倒に伴い、約40msecあたりの変換加速度変動量が1.5G(20msecあたり0.75G)以上の変動を示し、重力加速度を検出しているセンサの軸が、入れ替わっている様子を示している。本実施の形態におけるこのような信号を受信した運動分析部11は、判定結果として「転倒」を出力する。本発明にかかる出力部12は、携帯電話1の通信機能を介して、転倒情報をスタッフ用端末6に当該結果を表示させる。さらに本実施の形態においては、使用者の装着した携帯電話1上にも転倒情報を表示させることができる。
【0040】
図7(a)(b)は、このときの介護スタッフ用情報端末6の表示画面31、及び携帯電話1の液晶ディスプレイ2の表示内容を示し、転倒情報として転倒した人体を図示したものである。
【0041】
このように、本実施形態にかかる体動検出機を具備した携帯電話1によって使用者の転倒の検出が可能となり、介護スタッフに通報されるばかりでなく、倒れている使用者7を発見した人が携帯電話1の表示内容を見ることにより必要な場所に連絡を入れることが可能になる。
【0042】
なお、本実施の形態において、制御手段としてヒンジ部の接点を設けたが、その他、携帯電話の表示装置の通電情況、キーボード部の通電情況としても良い。
【0043】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2にかかる運動分析部11の構成を詳細に示すブロック図である。
【0044】
この実施形態は、運動分析部11の詳細以外、実施の形態1と同様であり、図1および図2、図3、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0045】
同図に示すように、運動分析部11は、変換加速度算出部13から変換加速度を取得する取得部32と、取得部32により得られた変換加速度を分析する周波数分析部33と、周波数特定部34と、対数変換部35とを備えている。
【0046】
本実施形態における携帯電話1の具備する運動分析部11においては、変換加速度算出部13から取り込んだ変換加速度データに対して、坦持されたプログラム(以下、運動解析プログラム)により行われる。
【0047】
本実施形態における運動分析部11は運動機能評価法として、歩行の状態の解析、すなわち歩様解析を機能として有する。
【0048】
図9は、運動分析部11において実行される歩行速度算出方法を示す。
まず、変換加速度算出部13により算出された上下方向(鉛直方向)のみの変換加速度を取得し(S901)、次に、歩行速度を検出し(S902)、これらの検出結果を出力する(S903)。
【0049】
図10は、運動分析部11へ入力された補正後の上下方向の変換加速度データの波形を示したものである。歩行速度の算出においては、前記図10のように検出される上下方向の変換加速度波形から使用者7の歩行速度を検出することが特徴である。本実施形態においてはこの歩行速度を次のように定義している。
【0050】

[歩行速度]=[歩行周期]×[歩幅] ・・・(式5)
【0051】
式5における歩行周期とは、図10において、上下方向の加速度の隣り合うゼロクロス点(T)間の時間間隔(T(i)-T(i-1))に対応する。ただし、ゼロクロス点は本実施形態の加速度波形において、負の領域から正の領域へ向かう方向でゼロクロスする点としている。
【0052】
図8のブロック図は、上記の原理を反映しており、取得部32は、変換加速度取得ステップ(S901)で、所定の時間区間内で計測された上下方向の変換加速度を取得し、この変換加速度に対して、周波数分析部33は、歩行速度検出ステップ(S902)で、前記所定の時間区間の全ゼロクロス点を抽出し、全てのゼロクロス点間の平均時間間隔を歩行周波数として算出する。さらに、周波数特定部34、歩行速度検出ステップ(S902)において、前記所定の時間区間において、フーリエ変換を用いた周波数解析を行い、周波数パワーの最大値をもとめる。そして、対数変換部35は、周波数パワーを対数変換して歩幅を算出する。
【0053】
図11は、前記加速度データからステップS902で生成されるパワースペクトラムに対して、歩行スタンスと同様に0を除く最小の周波数を有する極大値の検出を行い、該極大値の逆数として一秒間の歩数が算出されることを示した図である。
【0054】
図12は、歩行時の歩幅を変えて収集した上下方向の加速度波形のパワースペクトラムをから、極大値を有するそれぞれの周波数の内で、最低の周波数を示すパワーの値を歩幅指数としてスタンスごとに抽出し、実際の歩幅との対応を示したグラフである。横軸が歩幅を示し、縦軸が該極大値を常用対数で表した歩幅指数である。この図は歩幅と、該極大値との間には線形性の関係を示すものである。
【0055】
本実施形態においては、該周波数パワーの最大値から歩幅の推定を行うことができる。この時に用いた推定式を式6に示す。歩幅の単位は[cm]である。
【0056】

[歩幅]= 143×(最大周波数パワー)−271 ・・・(式6)
【0057】
また、この歩幅と最大周波数パワーの対応関係を示したのが図12である。歩行速度検出ステップ(S12)においてはこの推定式による歩幅を、前記式6に代入し、歩行速度を検出する仕組みになっている。
【0058】
出力ステップ(S903)において、当該結果の出力を行う。
図13は、歩行速度の推移を点数化し表示した画面例である。
【0059】
同図に示すように、歩行速度の推移を点数化して、携帯電話1の液晶ディスプレイに表示したり、また、通信により情報端末に表示することにより、使用者7のリハビリに対する意欲を向上させることができる。
【0060】
図14は、使用者7の歩行速度の経時変化を示した図である。
なお、本実施形態においては、上記歩行速度検出ステップ(S902)で上下方向の加速度の隣り合うゼロクロス点から歩行周期を求めたが、歩行速度検出ステップ(S902)においては、水平面内のいずれか1方向(例えば左右方向、前後方向)の加速度のゼロクロス点間から歩行周期を求めてもよい。ただし、その際、歩行周期は、所定の時間区間における全ゼロクロス点間の平均値を1/2にしたものが対応する。
【0061】
上記実施形態における体動検出機4を備えた携帯電話1によれば、使用者が任意の方向に装着しても複数軸の加速度センサから得られた加速度から、使用者の上下(鉛直方向)、の加速度を抽出することが可能となり、歩行速度計測の精度を向上させ、転倒、衝突、歩幅や左右の脚力差など健康上有用な情報の利用を可能にし、一般的な生活場面における健康管理から医療場面におけるリハビリテーション等の用途にも応用できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、人間などの体の動きを検出する体動検出機に適用でき、特に携帯電話などの携帯端末装置に備えられる体動検出機等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態における携帯電話を展開した状態で示す平面図である。
【図2】携帯電話を取り付けた使用者及び管理者のPCを示す図である。
【図3】本実施形態の携帯電話における機能ブロック図である。
【図4】本実施形態における補正値算出用の概念を示す3次元グラフである。
【図5】転倒時の加速度センサの軸等を示す概念図である。
【図6】転倒時の変換加速度などの波形を示すグラフである。
【図7】解析結果の出力画面を示す図である。
【図8】運動分析部を詳細に説明する機能ブロック図である。
【図9】歩行速度の検出動作を示すフロー図である。
【図10】上下方向の変換加速度の波形を示すグラフである。
【図11】変換加速度の波形から得られるパワースペクトルを示す図である。
【図12】本実施形態における出力事例を示す図である。
【図13】本実施形態における出力事例を示す図である。
【図14】従来の体動検出装置の機能ブロック図である。
【図15】従来の技術を用いた体動検出装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話
2 液晶ディスプレイ、表示装置
3 電気接点
4 体動検出機
5 静止判断部
6 情報端末
7 使用者
8 加速度検出部
9 制御部
10 補正値算出部
11 運動分析部
12 出力部
13 変換加速度算出部
14 判定取得部
15 通信部
17 作用点
18 鉛直方向
19 前後方向
20 左右方向
21、22、23 加速度
24 体軸存在領域
25、26 重力加速度
32 取得部
33 周波数分析部
34 周波数特定部
35 対数変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体動を検出する体動検出機であって、
少なくとも異なる3軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき当該体動検出機が静止しているか否かを判断する静止判断手段と、
前記静止判断手段が静止と判断する場合に、前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき、前記加速度検出手段で検出された加速度を所定の方向の加速度に変換する補正値を算出する補正値算出手段と、
前記静止判断手段が静止していないと判断する場合に、前記加速度検出手段で検出した加速度を前記補正値に基づき変換する変換加速度算出手段と、
前記変換加速度算出手段で算出された変換加速度を分析し使用者の運動の特徴を判定する運動分析手段と
を備えることを特徴とする体動検出機。
【請求項2】
前記加速度検出手段は、互いに直交する3軸方向の加速度を検出し、
前記静止判断手段は、前記3軸の各加速度の平方和を演算し、さらに前記平方和の平方根と重力加速度との差が所定の閾値以下である場合に当該体動検出機が静止していると判断することを特徴とする請求項1に記載の体動検出機。
【請求項3】
前記補正値算出手段は、前記加速度検出機の各加速度検出軸の、鉛直方向に対する傾斜角に基づき各加速度検出軸に対応する補正値を算出することを特徴とする請求項2に記載の体動検出機。
【請求項4】
変換加速度算出手段は、前記補正値と前記加速度検出機が検出した加速度とに基づき各軸の変換加速度を算出し、
運動分析手段は、前記各軸の変換加速度を加算した値で分析することを特徴とする請求項3に記載の体動検出機。
【請求項5】
前記運動分析手段は、過去の任意の時間区間における前記変換加速度の変化率を算出し、前記変化率と、所定の基準値との比較により、使用者が衝突・転倒したことを判定することを特徴とする請求項1に記載の体動検出機。
【請求項6】
前記所定の基準値が、20ミリ秒当たりの変化率が重力加速度の0.7倍以上であることを特徴とする請求項5に記載の体動検出機。
【請求項7】
前記運動分析手段は、変換加速度の変動の振幅、および、前記振幅の中点の存在範囲を算出し、前記振幅と、前記中点それぞれについて、所定の基準値との比較により、前記運動の特徴として歩行の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の体動検出機。
【請求項8】
前記運動分析手段さらには、
変換加速度の所定の時間区間における経時変化に基づいて、周波数スペクトルを生成する周波数分析部と、
生成された前記周波数スペクトルの中から極大値に対応する周波数を特定し、さらに、その中から直流成分を除く最低の周波数を特定する周波数特定部とを備え、
特定された前記周波数に基づいて、前記所定の時間区間における歩数と歩行速度のすくなくとも一つを出力することを特徴とする請求項1に記載の体動検出機。
【請求項9】
通信手段を備える携帯端末装置であって、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の体動検出機と、
前記携帯端末装置の動作状況を検知し、前記体動検出機の稼働状態を制御する制御手段と、
前記体動検出機の運動分析手段の判定結果を取得する判定取得手段と、
取得した判定結果を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
前記制御手段はさらに、
携帯端末装置の所定の部位における通電情況を検知する通電検知部を備え、
前記所定の部位における電流の変化または、電力消費量に応じて、前記体動検出機の稼働状態を制御することを特徴とする請求項9記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記携帯端末装置はさらに、
前記判定取得手段が取得した判定結果に基づき、日時に関連付けたグラフを、前記表示装置に出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記出力手段は、前記判定結果を前記通信手段に出力することを特徴とする請求項11に記載の携帯端末装置。
【請求項13】
少なくとも異なる3軸方向の加速度を検出する加速度検出手段を備える体動検出機で使用者の運動状態を判定する方法であって、
前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき当該体動検出機が静止しているか否かを判断する静止判断ステップと、
前記静止判断手段が静止と判断する際に、前記加速度検出手段で検出した加速度と重力加速度とに基づき前記加速度検出手段で検出された加速度を所定の方向の加速度に変換する補正値を算出する補正値算出ステップと、
前記静止判断ステップによって静止していないと判断する際に、前記加速度検出手段で検出した加速度を前記補正値に基づき変換する変換加速度算出ステップと
前記変換加速度算出ステップで算出された変換加速度を分析し使用者の運動の特徴を判定する運動分析ステップと
を含むことを特徴とする体動検出方法。
【請求項14】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の体動検出機を備える携帯端末装置に適用する方法であって、
前記携帯端末装置の動作状況を検知し、前記体動検出機の稼働状態を制御する制御ステップと、
前記体動検出機の運動分析手段の判定結果を取得する判定取得ステップと
取得した判定結果を表示する表示ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記請求項13または請求項14のいずれか1項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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