説明

体動検出装置、および、体動検出装置の表示制御方法

【課題】運動状態に応じた表示に自動的に切替えること。
【解決手段】体動検出装置は、本体部と、本体部に設けられる表示部と、制御部と、本体部の加速度を検出する検出部とを備え、制御部は、検出部によって検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態を判別する判別部(ステップS110,ステップS120,ステップS131,ステップS132,ステップS141,ステップS142)と、判別部による動作状態の判別に基づいて、表示部の表示状態を切替える表示制御部(ステップS134,ステップS143,ステップS152)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、体動検出装置、および、体動検出装置の表示制御方法に関し、特に、状況に応じた表示をするのに適した体動検出装置、および、体動検出装置の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歩数計および活動量計などにおいては、運動の状態にかかわらず、ボタン操作によってユーザにより選択された指標が表示されるようになっていた。たとえば、ウォーキングの時は、歩数と時計とを見たいのに対し、ジョギングの時は、消費カロリーとピッチとを見たいなど、運動の状態によって、見たい指標が異なる。このため、運動状態に応じた表示に切替えたい場合に、ユーザは、その都度、ボタン操作を行なう必要があった。
【0003】
特許文献1には、加速度から運動内容を判定し、その運動に応じた運動量を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−271893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術を用いた場合であっても、運動状態に応じた表示に切替えたい場合に、ユーザは、ボタン操作を行なう必要があるといった問題があった。
【0006】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、動作状態に基づいて表示を自動的に切替えることが可能な体動検出装置、および、体動検出装置の表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、体動検出装置は、本体部と、本体部に設けられる表示部と、制御部と、本体部の加速度を検出する検出部とを備え、制御部は、検出部によって検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態を判別する判別部と、判別部による動作状態の判別に基づいて、表示部の表示状態を切替える表示制御部とを含む。
【0008】
この発明に従えば、体動検出装置によって、検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態が判別され、判別された動作状態に基づいて、表示部の表示状態が切替えられる。
【0009】
その結果、動作状態に基づいて表示を自動的に切替えることが可能な体動検出装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、表示制御部は、判別部によって動作状態が変化したと判別された場合に、表示部の表示状態を切替える。
【0011】
この発明に従えば、体動検出装置によって、動作状態が変化したと判別された場合に、表示部の表示状態が切替えられる。その結果、動作状態が変化したときに表示を自動的に切替えることができる。
【0012】
好ましくは、制御部は、検出部によって検出された加速度に基づき、ユーザの表示部を見るための所定の姿勢への変化を検知する検知部をさらに含み、判別部は、検知部によって所定の姿勢への変化が検知されたときに、動作状態が変化したと判別する。
【0013】
この発明に従えば、体動検出装置によって、検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態が判別され、検出された加速度に基づき、ユーザの表示部をみるための所定の姿勢への変化が検知され、所定の姿勢への変化が検知されたときに、動作状態が変化したと判別され、動作状態が変化したと判別された場合に、表示部の表示状態が切替えられる。
【0014】
その結果、ユーザが表示を見ようとしたときに、表示を自動的に切替えることができる。
【0015】
さらに好ましくは、検知部は、さらに、検出部によって検出された加速度に基づき、所定の姿勢から他の姿勢への変化を検知し、表示制御部は、さらに、検知部によって他の姿勢への変化が検知されたときに、表示状態を非表示の状態に切替える。
【0016】
この発明に従えば、体動検出装置によって、検出された加速度に基づき、所定の姿勢から他の姿勢への変化が検知され、他の姿勢への変化が検知されたときに、表示状態が非表示の状態に切替えられる。
【0017】
その結果、ユーザが表示を見終えたときに、表示状態を非表示の状態に切替えることができる。
【0018】
さらに好ましくは、検知部は、ユーザが所定の姿勢のときには他の姿勢のときよりも重力加速度の影響が大きくなる方向の加速度を検出し、検知部は、検出部によって検出された加速度が重力加速度の影響が大きくなったと判断できる条件を満たしたときに、所定の姿勢への変化を検知する。
【0019】
この発明に従えば、体動検出装置によって、ユーザが所定の姿勢のときには他の姿勢のときよりも重力加速度の影響が大きくなる方向の加速度が検出され、検出された加速度が重力加速度の影響が大きくなったと判断できる条件を満たしたときに、所定の姿勢への変化が検知され、所定の姿勢への変化が検知されたときに、動作状態が変化したと判別され、動作状態が変化したと判別された場合に、表示部の表示状態が切替えられる。
【0020】
このため、検出される加速度に、どの程度、重力加速度が影響しているかを判断することによって、所定の姿勢への変化を検知することができる。
【0021】
さらに好ましくは、検出部は、2軸または3軸方向の加速度を検出し、検出部は、検出部によって検出された2軸または3軸方向の加速度を合成した合成加速度のピーク値が所定値と比較して小さくなったと判断できる条件を満たしたときに、所定の姿勢への変化を検知する。
【0022】
この発明に従えば、体動検出装置によって、2軸または3軸方向の加速度が検出され、検出された2軸または3軸方向の加速度を合成した合成加速度の代表値が所定値と比較して小さくなったと判断できる条件を満たしたときに、所定の姿勢への変化が検知され、所定の姿勢への変化が検知されたときに、動作状態が変化したと判別され、動作状態が変化したと判別された場合に、表示部の表示状態が切替えられる。
【0023】
検出される加速度の合成加速度は、ユーザがある運動状態である場合、ユーザが表示部を見るための所定の姿勢であるときには、ユーザが所定の姿勢をしていないときと比較して、体動検出装置の本体部が装着されている腕の動きが小さくなるため、合成加速度が小さくなると考えられる。このため、合成加速度の代表値が所定値と比較して小さくなったことを判断することによって、所定の姿勢への変化を検知することができる。
【0024】
好ましくは、表示制御部は、表示部の表示状態を、判別部によって判別された動作状態に応じた表示状態に切替える。
【0025】
この発明に従えば、体動検出装置によって、検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態が判別され、判別された動作状態に基づいて、表示部の表示状態が、判別された動作状態に応じた表示状態に切替えられる。その結果、動作状態に基づいて、動作状態に応じた表示に自動的に切替えることができる。
【0026】
さらに好ましくは、動作状態は、運動状態であり、判別部は、運動状態として走行状態、歩行状態または停止状態を判別し、表示制御部は、判別部によって判別された運動状態が走行状態である場合、走行時に適した表示に切替え、歩行状態である場合、歩行時に適した表示に切替え、停止状態である場合、停止時に適した表示に切替える。
【0027】
この発明に従えば、動作状態に基づいて、走行状態、歩行状態または停止状態に適した表示に自動的に切替えることができる。
【0028】
好ましくは、判別部は、加速度の波形に応じて、動作状態を判別する。
この発明に従えば、動作状態によって加速度の波形に変化が生じ、また、激しい運動の場合は、所定時間当りの加速度の波形の波の数が多くなり、緩い運動の場合は、所定時間当りの加速度の波形の数が少なくなる。このため、加速度の変化、または、運動の強度に応じて、動作状態を判定することができる。
【0029】
この発明の他の局面によれば、体動検出装置の表示制御方法は、本体部と、本体部に設けられる表示部と、制御部と、本体部の加速度を検出する検出部とを備える体動検出装置の表示部の表示状態を切替える方法であって、制御部が、検出部によって検出された加速度に基づき、本体部を装着するユーザの動作状態を判別するステップと、制御部が、表示部の表示状態を、動作状態の判別に基づいて、表示部の表示状態を切替えるステップとを含む。
【0030】
この発明に従えば、動作状態に基づいて表示を自動的に切替えることが可能な体動検出装置の表示制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態における活動量計の外観図である。
【図2】この実施の形態における活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】この実施の形態における活動量計の構成の概略を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における活動量計によって実行される表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態における活動量計によって実行される運動状態検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態における活動量計によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態における活動量計の使用状態における加速度の変化を示すグラフである。
【図8】第2の実施の形態における活動量計によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における活動量計の使用状態における合成加速度の変化を示すグラフである。
【図10】第3の実施の形態における活動量計によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0033】
本実施の形態においては、体動検出装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。しかし、これに限定されず、体動検出装置は、歩数を計測することが可能な歩数計であってもよい。
【0034】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の実施の形態における活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191と、バンド部192とから主に構成される。バンド部192は、活動量計100をユーザの腕に固定するために用いられる。
【0035】
本体部191には、後述する操作部130の一部を構成する表示切換/設定スイッチ131、上操作/メモリスイッチ132、および、下操作/消去スイッチ133、ならびに、後述する表示部140の一部を構成するディスプレイ141が設けられる。
【0036】
本実施の形態においては、ディスプレイ141は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0037】
図2は、この実施の形態における活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、ユーザの腕の手首に、バンド部192を用いて装着される。
【0038】
図2(A)は、ユーザが、活動量計100を装着した腕を振ってジョギングしている状態を示す図である。図2(B)は、ユーザが、ジョギング中に、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認するために、腕を曲げて、活動量計100を装着している手首を胴体の前部に位置させている状態を示す図である。
【0039】
図3は、この実施の形態における活動量計100の構成の概略を示すブロック図である。図3を参照して、活動量計100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、加速度センサ170と、電源190とを含む。また、活動量計100は、外部のコンピュータと通信するためのインターフェイスを含むようにしてもよい。
【0040】
制御部110、メモリ120、操作部130、表示部140、加速度センサ170、および、電源190は、図1で説明した本体部191に内蔵される。
【0041】
操作部130は、図1で説明した表示切換/設定スイッチ131、上操作/メモリスイッチ132、および、下操作/消去スイッチ133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号を制御部110に送信する。
【0042】
加速度センサ170は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ170は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号を制御部110に出力する。しかし、加速度センサ170は、3軸のものに限定されず、1軸または2軸のものであってもよい。
【0043】
ここで、加速度センサ170の3軸の方向について説明する。本実施の形態においては、腕時計型の活動量計100に加速度センサ170が内蔵されるが、活動量計100が本体部191が左手の甲側にディスプレイ141が見えるようにユーザの手首に装着された状態(図2参照)において、加速度センサ170のX軸方向が、本体部191から見て小指側の本体部191とバンド部192との接続部の方向(言い換えれば、ディスプレイ141に時計の文字盤があるとした場合に、12時の方向)、Y軸方向が、本体部191から見て指先の方向(言い換えれば、ディスプレイ141に時計の文字盤があるとした場合に、3時の方向)、Z軸方向が、本体部191から見て手首の内側の方向となるように、加速度センサ170が内蔵される。
【0044】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリを含む。
【0045】
メモリ120は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの所定時間ごと(たとえば日ごと)の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0046】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、加速度センサ170からの検出信号に基づいて、メモリ120、および、表示部140を制御する。
【0047】
表示部140は、図1で説明したディスプレイ141を含み、制御部110からの制御信号に従った所定の情報を、ディスプレイ141に表示するよう制御する。
【0048】
電源190は、取替可能な電池を含み、電池からの電力を活動量計100の制御部110などの動作するのに電力が必要な各部に供給する。
【0049】
図4は、第1の実施の形態における活動量計100によって実行される表示処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS110で、制御部110は、運動状態検出処理を実行する。図5は、第1の実施の形態における活動量計100によって実行される運動状態検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
図5を参照して、ステップS111で、制御部110は、加速度センサ170からの検出値に基づいて、直近の所定秒(本実施の形態においては、5秒)の歩数変化nを計算する。具体的には、直近の所定秒の加速度のグラフの変化のうち極大値を取る山の数を計数することによって歩数変化nを算出することができる。
【0051】
図7は、第1の実施の形態における活動量計100の使用状態における加速度の変化を示すグラフである。図7を参照して、0秒から約7秒までの間は、前述の図2(A)のように、ユーザが活動量計100のディスプレイ141の表示を確認せずにジョギングしているときの3軸方向のそれぞれの加速度検出値の変化を示すグラフであり、約7秒以降は、前述の図2(B)のように、ユーザが活動量計100のユーザがディスプレイ141の表示を確認しならがジョギングしているときの3軸方向のそれぞれの加速度検出値の変化を示すグラフである。
【0052】
たとえば、X軸方向の加速度検出値は、約2秒から約7秒までの間に、9回、極大値を取っているが、この場合、7秒の時点での直近5秒間の歩数変化n=約9歩と算出することができる。
【0053】
図5に戻って、次に、ステップS112で、制御部110は、直近の所定秒の歩数変化nが所定値n1(本実施の形態においては2歩)未満であるか否かを判断する。
【0054】
直近の所定秒の歩数変化nが所定値n1未満であると判断した場合(ステップS112でYESと判断した場合)、ステップS113で、制御部110は、運動状態フラグを「停止」を示す状態にする。運動状態フラグとは、ユーザの現在の運動状態がどのような状態であるかを示すフラグである。ステップS113の後、制御部は、この運動状態検出処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0055】
一方、直近の所定秒の歩数変化nが所定値n1未満でないと判断した場合(ステップS112でNOと判断した場合)、ステップS114で、制御部110は、直近の所定秒の歩数変化nが所定値n2(本実施の形態においては15歩)未満であるか否かを判断する。
【0056】
直近の所定秒の歩数変化nが所定値n2未満であると判断した場合(ステップS114でYESと判断した場合)、ステップS115で、制御部110は、運動状態フラグを「歩行」を示す状態にする。ステップS115の後、制御部は、この運動状態検出処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0057】
一方、直近の所定秒の歩数変化nが所定値n2未満でないと判断した場合(ステップS114でNOと判断した場合)、ステップS116で、制御部110は、運動状態フラグを「走行」を示す状態にする。ステップS116の後、制御部は、この運動状態検出処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0058】
このように、運動状態検出処理が実行されることによって、直近の所定秒(たとえば、5秒)の歩数が、所定値n1(たとえば、2歩)未満であれば、ユーザの運動状態が「停止」の状態であると判断され、所定値n1以上、所定値n2(たとえば、15歩)未満であれば、ユーザの運動状態が「歩行」の状態であると判断され、所定値n2以上であれば、ユーザの運動状態が「走行」の状態であると判断される。
【0059】
なお、この運動状態検出処理においては、ユーザの運動状態が「停止」、「歩行」または「走行」の3つの状態のうちのいずれかであることとしたが、これに限定されず、「停止」または「歩行」の2つの状態のうちのいずれかであることとしてもよいし、4つ以上の状態のうちのいずれかであることとしてもよい。
【0060】
また、この運動状態検出処理においては、ユーザの直近の所定秒の歩数変化nに基づいて運動状態を判断するようにしたが、これに限定されず、ユーザの移動速度に基づいて運動状態を判断するようにしてもよいし、加速度の変化の程度に基づいて運動状態を判断するようにしてもよいし、消費カロリーの変化の程度に基づいて運動状態を判断するようにしてもよいし、身体活動の強さ(活動強度)を安静時の何倍に相当するかで表わす単位であるMETs(メッツ)の数値に基づいて運動状態を算出するようにしてもよいし、活動強度(METs)に時間を掛けた身体活動の量を表わす単位であるEX(エクササイズ)の数値に基づいて運動状態を算出するようにしてもよい。
【0061】
図4に戻って、ステップS110の後、ステップS120で、制御部110は、姿勢変化検出処理を実行する。図6は、第1の実施の形態における活動量計100によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
図6を参照して、ステップS121で、制御部110は、所定姿勢開始フラグおよび所定姿勢終了フラグをオフ状態にする。ここで、所定姿勢開始フラグとは、ユーザが活動量計の表示を確認するための図2(B)で説明した所定姿勢が開始されたと判断されるときにオン状態にされ、そうでないときはオフ状態にされるフラグである。所定姿勢終了フラグとは、ユーザがその所定姿勢を終了したと判断されるときにオン状態にされ、そうでないときはオフ状態にされるフラグである。
【0063】
次のステップS122で、制御部110は、加速度センサ170からの検出値に基づいて、直近のZ軸方向の加速度の絶対値a1を算出する。
【0064】
前述の図2(A)のように、ユーザが、ジョギングしているときに、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認せずに、腕を振っている状態においては、このZ軸の方向は、ほぼ、鉛直方向に対して直交する方向となるので、Z軸方向の加速度は、重力加速度の影響をあまり受けない。
【0065】
一方、前述の図2(B)のように、ユーザが、ジョギングしているときに、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認している状態においては、このZ軸の方向が、鉛直方向に平行な方向に近付くので、Z軸方向の加速度が、重力加速度の影響を受けるようになる。
【0066】
このため、このZ軸方向の加速度の絶対値が、重力加速度の影響が大きくなったと判断可能な所定値ap以上となった場合に、ユーザが、前述の図2(B)のように、活動量計100のディスプレイ141を見るための所定の姿勢へ変化したと判断することができる。
【0067】
ステップ125では、制御部110は、直近のZ軸方向の加速度の絶対値a1が所定値ap(本実施の形態においては、図7のグラフの縦軸の指標である加速度センサ170の検出値において、200)以上であるか否かを判断する。
【0068】
図7に進んで、0秒から約7秒までの、ユーザが活動量計100のディスプレイ141の表示を確認せずにジョギングしているときには、Z軸方向の加速度検出値が、ほぼ0前後となっているのに対して、約7秒以降の、ユーザが活動量計100のディスプレイ141の表示を確認しながらジョギングしているときには、Z軸方向の加速度検出値の絶対値a1が所定値ap(本実施の形態においては、200)以上となっていることが分かる。
【0069】
なお、図7においては、加速度検出値340が、重力加速度g(=9.80665m/s2)と等しい値である。
【0070】
図6に戻って、Z軸方向の加速度の絶対値a1が所定値ap以上であると判断した場合(ステップS125でYESと判断した場合)、ステップS126で、制御部110は、所定姿勢開始フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0071】
Z軸方向の加速度の絶対値a1が所定値ap以上でないと判断した場合(ステップS125でNOと判断した場合)、ステップS127で、制御部110は、所定姿勢終了フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0072】
なお、ここでは、直近のZ軸方向の加速度の絶対値が所定値以上であるか否かによって、所定姿勢が開始されたか終了したかを判断するようにした。しかし、これに限定されず、直近の数周期(たとえば、1周期(1歩分)、または、複数周期(複数歩分))のZ軸方向の加速度の平均値の絶対値が所定値以上であるか否かによって判断するようにしていもよい。
【0073】
図4に戻って、ステップS120の後、ステップS131で、制御部110は、ステップS110で設定されたユーザの運動状態フラグが「停止」を示すか否かを判断する。
【0074】
「停止」を示すと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステップS132で、制御部110は、ステップS120で所定姿勢開始フラグがオン状態に設定されたか否か、つまり、所定姿勢の開始を検出したか否かを判断する。
【0075】
所定姿勢の開始を検出していないと判断した場合(ステップS132でNOと判断した場合)、ステップS133で、制御部110は、表示切換/設定スイッチ131がユーザによって操作されたことを示す操作信号が操作部130から制御部110に入力されたか否かを判断することによって、ディスプレイ141の表示をオン状態にする操作がされたか否かを判断する。
【0076】
所定姿勢の開始を検出したと判断した場合(ステップS132でYESと判断した場合)、および、ディスプレイ141の表示をオン状態にする操作がされたと判断した場合(ステップS133でYESと判断した場合)、ステップS134で、制御部110は、停止時の表示項目をディスプレイ141に表示するように表示部140に制御信号を送信する。停止時の表示項目は、たとえば、歩数および時刻である。
【0077】
図1に戻って、ステップS134が実行されることによって、活動量計100のディスプレイ141に、たとえば、歩数として「10568歩」、および、時刻として「13:15」が表示される。
【0078】
図4に進んで、ユーザの運動状態フラグが「停止」を示さないと判断した場合(ステップS131でNOと判断した場合)、ステップS141で、制御部110は、ステップS110で設定されたユーザの運動状態フラグが「歩行」を示すか否かを判断する。
【0079】
「歩行」を示すと判断した場合(ステップS141でYESと判断した場合)、ステップS142で、制御部110は、ステップS120で所定姿勢開始フラグがオン状態に設定されたか否か、つまり、所定姿勢の開始を検出したか否かを判断する。
【0080】
所定姿勢の開始を検出したと判断した場合(ステップS142でYESと判断した場合)、ステップS143で、制御部110は、歩行時の表示項目をディスプレイ141に表示するように表示部140に制御信号を送信する。歩行時の表示項目は、たとえば、歩数および消費カロリー、または、歩行時間である。
【0081】
ユーザの運動状態フラグが「歩行」を示さないと判断した場合(ステップS141でNOと判断した場合)、つまり、ユーザの運動状態が「走行」である場合、ステップS151で、制御部110は、ステップS120で所定姿勢開始フラグがオン状態に設定されたか否か、つまり、所定姿勢の開始を検出したか否かを判断する。
【0082】
所定姿勢の開始を検出したと判断した場合(ステップS151でYESと判断した場合)、ステップS152で、制御部110は、走行時の表示項目をディスプレイ141に表示するように表示部140に制御信号を送信する。歩行時の表示項目は、たとえば、平均時速および消費カロリー、または、目標値までの残りの消費カロリーである。
【0083】
ディスプレイ141の表示をオン状態にする操作がされていないと判断した場合(ステップS133でNOと判断した場合)、ならびに、ステップS134の後、ならびに、所定姿勢の開始を検出していないと判断した場合(ステップS142およびステップS151でNOと判断した場合)、ならびに、ステップS143の後、ならびに、ステップS152の後、制御部110は、実行する処理をステップS161に進める。
【0084】
ステップS161では、制御部110は、表示切換/設定スイッチ131がユーザによって操作されたことを示す操作信号が操作部130から制御部110に入力されたか否かを判断することによって、ディスプレイ141の表示内容を切替える操作がされたか否かを判断する。
【0085】
ディスプレイ141の表示内容を切替える操作がされたと判断した場合(ステップS161でYESと判断した場合)、ステップS162で、制御部110は、切替えられた表示項目を表示するように表示部140に制御信号を送信する。
【0086】
たとえば、表示内容を切替える操作が行なわれるごとに、運動を開始してからの時間、運動を開始してからの距離、運動を開始してからの消費カロリー、運動を開始してからの平均時速、運動を開始してからのEx量、当日の歩数、当日の移動距離、当日の消費カロリー、および、当日の脂肪燃焼量などの情報のうち、1つまたは複数の情報が、順次、切替えられて、表示される。
【0087】
ディスプレイ141の表示内容を切替える操作がされていないと判断した場合(ステップS161でNOと判断した場合)、および、ステップS162の後、ステップS171で、制御部110は、ステップS120で所定姿勢終了フラグがオン状態に設定されたか否か、つまり、所定姿勢の終了を検出したか否かを判断する。
【0088】
所定姿勢の終了を検出していないと判断した場合(ステップS171でNOと判断した場合)、ステップS172で、制御部110は、下操作/消去スイッチ133がユーザによって操作されたことを示す操作信号が操作部130から制御部110に入力されたか否かを判断することによって、ディスプレイ141の表示をオフ状態にする操作がされたか否かを判断する。
【0089】
ディスプレイ141の表示をオフ状態にする操作がされていないと判断した場合(ステップS172でNOと判断した場合)、ステップS173で、制御部110は、ステップS134、ステップS143、ステップS152、または、ステップS162において、ディスプレイ141の表示がオン状態にされてから所定分(たとえば、1分)経過したか否かを判断する。
【0090】
所定姿勢の終了を検出したと判断した場合(ステップS171でYESと判断した場合)、ディスプレイ141の表示をオフ状態にする操作がされたと判断した場合(ステップS172でYESと判断した場合)、および、ディスプレイ141の表示がオン状態にされてから所定分経過したと判断した場合(ステップS173でYESと判断した場合)、ステップS174で、制御部110は、ディスプレイ141の表示をオフ状態にするように表示部140に制御信号を送信する。
【0091】
一方、所定姿勢の終了を検出しておらず、かつ、ディスプレイ141の表示をオフ状態にする操作がされておらず、かつ、ディスプレイ141の表示がオン状態にされてから所定分経過していないと判断した場合(ステップS173でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をこの表示処理の呼出元の処理に戻す。
【0092】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の図6で説明した姿勢変化検出処理の一部を変更したものである。このため、他の部分については、第1の実施の形態と共通であるので重複する説明は繰返さない。
【0093】
図8は、第2の実施の形態における活動量計によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、ステップS181は、図6のステップS131と同様である。
【0094】
次のステップS182で、制御部110は、加速度センサ170からの検出値に基づいて、直近の3軸の合成加速度のピーク値a1を算出する。
【0095】
前述の図2(A)のように、ユーザが、ジョギングしているときに、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認せずに、腕を振っている状態においては、前述の図2(B)のように、ユーザが、ジョギングしているときに、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認している状態と比較して、腕の動きが大きくなり、3軸方向の加速度の合成加速度の値が大きくなる。
【0096】
このため、3軸方向の合成加速度の代表値(たとえば、ピーク値、1周期の平均値など)が、腕の動きが小さくなって、ユーザが、活動量計100のディスプレイ141に表示されている内容を確認していると判断可能な所定値ap以下となった場合に、ユーザが、前述の図2(B)のように、活動量計100のディスプレイ141を見るための所定の姿勢へ変化したと判断することができる。
【0097】
ステップS185では、制御部110は、直近の合成加速度のピーク値a1が所定値ap(本実施の形態においては、図9のグラフの縦軸の指標である加速度センサ170の検出値において、750)以下であるか否かを判断する。
【0098】
図9は、第2の実施の形態における活動量計の使用状態における合成加速度の変化を示すグラフである。図9を参照して、このグラフは、図7で説明したグラフの3軸方向の加速度を合成した合成加速度の変化を示す。
【0099】
0秒から約7秒までの、ユーザが活動量計100のディスプレイ141の表示を確認せずにジョギングしているときには、合成加速度のピーク値a1が、常に、所定値ap(本実施の形態においては、750)以上となっているのに対して、約7秒以降の、ユーザが活動量計100のディスプレイ141の表示を確認しながらジョギングしているときには、合成加速度のピーク値a1が、常に、所定値ap未満となっていることが分かる。
【0100】
図8に戻って、合成加速度のピーク値a1が所定値ap以下であると判断した場合(ステップS185でYESと判断した場合)、ステップS186で、制御部110は、所定姿勢開始フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0101】
合成加速度のピーク値a1が所定値ap以下でないと判断した場合(ステップS185でNOと判断した場合)、ステップS187で、制御部110は、所定姿勢終了フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0102】
なお、ここでは、直近の合成加速度のピーク値が所定値以下であるか否かによって、所定姿勢が開始されたか終了したかを判断するようにした。しかし、これに限定されず、直近の数周期(たとえば、1周期(1歩分)、または、複数周期(複数歩分))の合成加速度の平均値が所定値以上であるか否かによって判断するようにしてもよい。
【0103】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の図6で説明した姿勢変化検出処理の一部を変更したものである。このため、他の部分については、第1の実施の形態と共通であるので重複する説明は繰返さない。
【0104】
図10は、第3の実施の形態における活動量計によって実行される姿勢変化検出処理の流れを示すフローチャートである。図10を参照して、ステップS191は、図6のステップS131と同様である。
【0105】
次のステップS192で、制御部110は、加速度センサ170からの検出値に基づいて、直近の所定秒(たとえば、2秒前から現在までの2秒間)の合成加速度のピーク値の平均値a1を算出する。
【0106】
また、ステップS193で、制御部110は、加速度センサ170からの検出値に基づいて、その前の所定秒(たとえば、4秒前から2秒前までの2秒間)の合成加速度のピーク値の平均値a2を算出する。なお、直近の所定秒およびその前の所定秒の加速度の検出値は、メモリ120に記憶される。
【0107】
ステップS194では、制御部110は、合成加速度のピーク値の平均値a2とa1との差の絶対値が所定値ad以上であるか否かを判断する。つまり、直近の所定秒とその前の所定秒とを比較して、合成加速度のピーク値の平均値が大きく(所定値ad以上)変化したか否かを判断する。合成加速度のピーク値の平均値が大きく変化したタイミングは、何らかの姿勢変化が生じたタイミングであると考えることができる。
【0108】
合成加速度のピーク値の平均値a2とa1との差の絶対値が所定値ad以上であると判断した場合(ステップS194でYESと判断した場合)、ステップS195で、直近の合成加速度のピーク値a1が所定値ap(本実施の形態においては、図9のグラフの縦軸の指標である加速度センサ170の検出値において、750)以下であるか否かを判断する。
【0109】
合成加速度のピーク値a1が所定値ap以下であると判断した場合(ステップS195でYESと判断した場合)、ステップS196で、制御部110は、所定姿勢開始フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0110】
合成加速度のピーク値a1が所定値ap以下でないと判断した場合(ステップS195でNOと判断した場合)、ステップS197で、制御部110は、所定姿勢終了フラグをオン状態にする。その後、制御部110は、実行する処理をこの姿勢変化検出処理の呼出元の表示処理に戻す。
【0111】
つまり、ステップS194からステップS197までにおいて、合成加速度のピーク値の平均値が大きく変化したと判断でき、かつ、合成加速度のピーク値が小さいと判断できる場合は、所定姿勢が開始されたと判断できる。一方、合成加速度のピーク値の平均値が大きく変化したと判断でき、かつ、合成加速度のピーク値が小さいと判断できない場合は、所定姿勢が終了したと判断できる。
【0112】
なお、図10のステップS192およびステップS193で、それぞれ、直近の所定秒の合成加速度のピーク値の平均値、および、その前の所定秒の合成加速度のピーク値の平均値に基づいて、所定姿勢が開始されたか終了したかを判断するようにした。
【0113】
しかし、これに限定されず、直近の2周期の合成加速度のピーク値の平均値、および、その前の2周期の合成加速度のピーク値の平均値に基づいて判断するようにしてもよい。また、合成加速度のピーク値の平均値に基づいて判断することに替えて、合成加速度の数周期(たとえば、1周期(1歩分)、または、複数周期(複数歩分))の合成加速度の平均値に基づいて判断するようにしてもよい。
【0114】
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、ユーザが活動量計100のディスプレイ141を見るための所定姿勢への変化を、予め定められた条件に基づいて判断するようにした。
【0115】
しかし、これに限定されず、ユーザがディスプレイ141を見るための所定姿勢を開始するとき、ならびに、所定姿勢を維持しているとき、ならびに、所定姿勢を終了するとき、それぞれの加速度センサ170の検出値を、活動量計100を用いて、実際に測定して、それらの検出値から、ユーザごとに異なる加速度に基づく判定値の閾値を算出するようにして、算出された閾値を用いて、所定姿勢への変化を検知できるように、活動量計100を構成してもよい。
【0116】
(2) 前述した実施の形態においては、制御部110によって、図4から図6までの処理、図8の処理、および、図10の処理が実行されることによって、活動量計100が所定の機能を発揮するようにした。しかし、これに限定されず、それらのソフトウェアの処理が実行されることによって発揮される所定の機能が、ハードウェア回路で発揮されるようにしてもよい。
【0117】
(3) 前述した実施の形態においては、活動量計100の装置として発明を説明した。しかし、これに限定されず、活動量計100の装置によって実行される方法として発明を捉えるようにしてもよいし、活動量計100の装置によって実行されるプログラムとして発明を捉えるようにしてもよい。
【0118】
(4) 前述した実施の形態においては、3軸の加速度センサ170を用いるようにした。しかし、これに限定されず、加速度センサの検出値に基づいて、同様の判断ができるのであれば、1軸または2軸の加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0119】
(5) 前述した実施の形態においては、ディスプレイ141を見るためのユーザの所定の姿勢への変化を検知するために、活動量計100がユーザの腕に装着されることとした。しかし、これに限定されず、他の箇所に活動量計100が装着されるようにした場合の加速度センサ170により検出される加速度の変化に基づいて、所定の姿勢への変化を検知するようにしてもよい。
【0120】
(6) 前述した実施の形態においては、図4で説明したように、ディスプレイ141を見るためのユーザの所定の姿勢への変化を検知したときに、ディスプレイ141の表示状態を、判別された運動状態に応じた表示状態に切替えるようにした。
【0121】
しかし、これに限定されず、加速度による動作状態(運動状態または姿勢)の判別に基づいて、ディスプレイ141の表示状態を切替えるものであれば、他のものであってもよい。
【0122】
たとえば、所定の姿勢への変化および運動状態の変化に関わらず、ディスプレイ141の表示状態を、加速度により判別された運動状態または姿勢に応じた表示状態にするようにしてもよい。具体的には、ユーザから表示操作が行なわれたときに、ディスプレイ141の表示状態を、加速度により判別された運動状態に応じた表示状態にする。これにより、動作状態に応じた表示に自動的に切替えることができる。
【0123】
また、加速度により運動状態の変化または姿勢の変化を検知したときに、変化した運動状態または姿勢に応じた表示状態に切替えるのではなく、変化した運動状態または姿勢と関係のない表示状態に切替えるようにしてもよい。
【0124】
具体的には、加速度によりディスプレイ141をみるためのユーザの所定の姿勢への変化を検知したときに、運動状態または姿勢に応じた歩数などではなく、運動状態または姿勢と関係のない時計などのみを表示する表示状態にするようにしてもよい。これにより、動作状態が変化したときに、表示を自動的に切替えることができる。
【0125】
(7) 前述した実施の形態においては、加速度の波形の所定時間当りの波の数に応じて、運動状態を判別するようにした。しかし、これに限定されず、加速度の波形に応じて、運動状態および姿勢などの動作状態を判別するものであれば、たとえば、加速度のピーク値、加速度のピッチ、または、加速度から判断される本体部191の角度に応じて判別するものであってもよい。
【0126】
(8) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0127】
100 活動量計、110 制御部、120 メモリ、130 操作部、131 表示切換/設定スイッチ、132 上操作/メモリスイッチ、133 下操作/消去スイッチ、140 表示部、141 ディスプレイ、170 加速度センサ、190 電源、191 本体部、192 バンド部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に設けられる表示部と、
制御部と、
前記本体部の加速度を検出する検出部とを備え、
前記制御部は、
前記検出部によって検出された前記加速度に基づき、前記本体部を装着するユーザの動作状態を判別する判別手段と、
前記判別手段による前記動作状態の判別に基づいて、前記表示部の表示状態を切替える表示制御手段とを含む、体動検出装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記判別手段によって前記動作状態が変化したと判別された場合に、前記表示部の表示状態を切替える、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記検出部によって検出された前記加速度に基づき、前記ユーザの前記表示部を見るための所定の姿勢への変化を検知する検知手段をさらに含み、
前記判別手段は、前記検知手段によって前記所定の姿勢への変化が検知されたときに、前記動作状態が変化したと判別する、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項4】
前記検知手段は、さらに、前記検出部によって検出された前記加速度に基づき、前記所定の姿勢から他の姿勢への変化を検知し、
前記表示制御手段は、さらに、前記検知手段によって前記他の姿勢への変化が検知されたときに、前記表示状態を非表示の状態に切替える、請求項3に記載の体動検出装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記ユーザが前記所定の姿勢のときには他の姿勢のときよりも重力加速度の影響が大きくなる方向の加速度を検出し、
前記検知手段は、前記検出部によって検出された前記加速度が重力加速度の影響が大きくなったと判断できる条件を満たしたときに、前記所定の姿勢への変化を検知する、請求項3に記載の体動検出装置。
【請求項6】
前記検出部は、2軸または3軸方向の加速度を検出し、
前記検知手段は、前記検出部によって検出された前記2軸または3軸方向の加速度を合成した合成加速度の代表値が所定値と比較して小さくなったと判断できる条件を満たしたときに、前記所定の姿勢への変化を検知する、請求項3に記載の体動検出装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示部の表示状態を、前記判別手段によって判別された前記動作状態に応じた表示状態に切替える、請求項1から請求項6のいずれかに記載の体動検出装置。
【請求項8】
前記動作状態は、運動状態であり、
前記判別手段は、前記運動状態として走行状態、歩行状態または停止状態を判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって判別された前記運動状態が前記走行状態である場合、走行時に適した表示に切替え、前記歩行状態である場合、歩行時に適した表示に切替え、前記停止状態である場合、停止時に適した表示に切替える、請求項7に記載の体動検出装置。
【請求項9】
前記判別手段は、前記加速度の波形に応じて、前記動作状態を判別する、請求項1から請求項8のいずれかに記載の体動検出装置。
【請求項10】
本体部と、前記本体部に設けられる表示部と、制御部と、前記本体部の加速度を検出する検出部とを備える体動検出装置の前記表示部の表示状態を切替える表示制御方法であって、
前記制御部が、前記検出部によって検出された前記加速度に基づき、前記本体部を装着するユーザの動作状態を判別するステップと、
前記制御部が、前記動作状態の判別に基づいて、前記表示部の表示状態を切替えるステップとを含む、体動検出装置の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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