説明

体動検出装置

【課題】ノイズに起因する体動の誤カウントを防止すること。
【解決手段】加速度センサが出力する加速度の大きさに基づいて、下弦ピークの値と当該下弦ピークのつぎに検出された上弦ピークの値との差分(第1の差分)の第1の閾値に対する大小を判断するとともに、第1の差分の後に出現した上弦ピークの値と当該上弦ピークのつぎに検出された下弦ピークの値との差分(第2の差分)の第2の閾値に対する大小を判断し、第1の差分が第1の閾値以上であって、かつ、その後に出現した第2の差分が第2の閾値以上である場合に体動を検出する体動検出装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者の体動を検出する体動検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度センサにより被験者の上下方向の加速度を検出し、その検出値である加速度の大きさの変動傾向に基づいて体動を計数する体動検出装置があった。このような体動検出装置は、たとえば、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる谷型のピークや、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる山型のピークを検出し、隣接する谷型のピークのピーク値と山型のピークのピーク値との差分が閾値を超えた場合に体動(歩行)を検出し、当該差分が閾値を超えた回数をカウントすることによって体動(歩数)をカウントするように構成されている。
【0003】
また、従来、具体的には、たとえば、隣接する谷型のピークのピーク値と山型のピークのピーク値との差分がその時に設定されている閾値より上のレベルの閾値を上回る場合には、体動(歩数)のカウントに用いる閾値を上のレベルの閾値に設定変更し、当該差分がその時に設定されている閾値を下回る場合には、体動(歩数)のカウントに用いる閾値を下のレベルの閾値に設定変更するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−360549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、隣接する谷型のピークのピーク値と山型のピークのピーク値との差分を閾値と比較して差分が閾値を超えた場合に体動(歩行)を検出しているため、1回の体動において検出される本来の谷型のピークと山型のピークとの間にノイズに起因する谷型のピークや山型のピークが重畳された場合に体動(歩行)を誤検出してしまい、体動の誤カウントが生じるという問題があった。
【0006】
また、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、隣接する谷型のピークのピーク値と山型のピークのピーク値との差分がその時に設定されている閾値を上回るか下回るかにより閾値のレベルを設定変更するため、ノイズに起因する谷型のピークや山型のピークのピーク値に基づく差分に基づいて閾値が設定変更されてしまう。このため、体動(歩行)の誤検出が増加し、体動(歩数)の誤カウントがさらに増加してしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができる体動検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる体動検出装置は、加速度センサが出力する加速度を取得する加速度取得手段と、前記加速度取得手段によって取得される加速度の大きさの変動傾向が切り替わる第1のピークを検出する第1のピーク検出手段と、前記加速度取得手段によって取得される加速度の大きさの変動傾向が前記第1のピークとは反対方向に切り替わる第2のピークを検出する第2のピーク検出手段と、前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値と当該第1のピークのつぎに前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値との差分である第1の差分が第1の閾値以上であるか否かを判断する第1の判断手段と、前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値と当該第2のピークのつぎに前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値との差分である第2の差分が第2の閾値以上であるか否かを判断する第2の判断手段と、を備え、前記第1の判断手段によって第1の差分が第1の閾値以上であると判断され、かつ、前記第2の判断手段によって第2の差分が第2の閾値以上であると判断された場合に体動を検出することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1の判断手段によって第1の差分が第1の閾値以上であると判断された第1の差分の後に出現した前記第2の差分が第2の閾値以上であると判断された場合に体動を検出することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第2の判断手段によって前記第2の閾値以上であると判断された第2の差分の後に出現した第1の差分が、前記第1の判断手段によって前記第1の閾値以上ではないと判断された場合、つぎに出現する第2の差分にかかる体動の検出をおこなわないことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値を記憶する第1の記憶手段と、前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値を記憶する第2の記憶手段と、を備え、前記第1の判断手段が、前記第2のピーク検出手段によって第2のピークが検出されるごとに、当該検出された第2のピークの値と前記第1の記憶手段によって記憶された第1のピークの値とに基づいて算出される第1の差分が前記第1の閾値以上であるか否かを判断し、前記第2の判断手段が、前記第1のピーク検出手段によって第1のピークが検出されるごとに、当該検出された第1のピークの値と前記第2の記憶手段によって記憶された第2のピークの値とに基づいて算出される第2の差分が前記第2の閾値以上であるか否かを判断し、前記第1の記憶手段が、前記第2のピーク検出手段によって第2のピークが検出された場合に、先に記憶されている第1のピークの値を消去し、前記第2の記憶手段が、前記第1のピーク検出手段によって第1のピークが検出され、当該第1のピークの値と先に記憶されている第2のピークの値との差分が前記第2の閾値以上であると判断された場合に、先に記憶されている第2のピークの値を消去することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1のピーク検出手段が、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを検出し、前記第2のピーク検出手段が、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを検出することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1のピーク検出手段が、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを検出し、前記第2のピーク検出手段が、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを検出することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1のピーク検出手段および前記第2のピーク検出手段が、前回取得した加速度の大きさと今回取得した加速度の大きさとの差分を算出し、前回算出された差分に対する今回算出された差分の大小に基づいて加速度の大きさの変動傾向を判断することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記第1のピーク検出手段が、加速度の大きさの変動傾向が連続して増加あるいは減少した後に当該変動傾向が減少あるいは増加に切り替わった場合に前記第1のピークを検出し、前記第2のピーク検出手段が、加速度の大きさの変動傾向が連続して減少あるいは増加した後に当該変動傾向が増加あるいは減少に切り替わった場合に前記第2のピークを検出することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる体動検出装置は、上記の発明において、前記加速度取得手段が、任意のサンプリング周期ごとに加速度の大きさを取得し、前記第1のピーク検出手段による第1のピークの検出条件、および、前記第2のピーク検出手段による第2のピークの検出条件を、前記サンプリング周期の長さに応じて変動させることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、加速度センサが出力する加速度の大きさを示す信号に重畳されたノイズに起因する体動の誤検出を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明にかかる体動検出装置によれば、加速度センサが出力する加速度の大きさを示す信号に重畳されたノイズに起因する体動の誤検出を防止することができるので、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明にかかる体動検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】この発明にかかる体動検出装置の処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】この発明にかかる体動検出装置の加速度データ取得部の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】この発明にかかる体動検出装置11の体動検出方法による体動検出処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図5】この発明にかかる体動検出装置11の体動検出方法による体動検出処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【図6】この発明にかかる実施の形態の体動検出装置の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおける、ノイズ誤カウント防止機能を説明する波形図である。
【図7】この発明にかかる実施の形態の体動検出装置の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおける、下弦ピーク値、上弦ピーク値のリセットタイミングを示す説明図である。
【図8】上弦ピークの検出方法を示す説明図である。
【図9】下弦ピークの検出方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる体動検出装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
(体動検出装置のハードウェア構成)
図1は、この発明にかかる体動検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、体動検出装置11は、互いに異なる三方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向とする)の加速度を検出可能な3軸加速度センサを備えている。ここでは、3軸加速度センサを、X軸方向の加速度を検出するX軸加速度センサ12、Y軸方向の加速度を検出するY軸加速度センサ13、およびZ軸方向の加速度を検出するZ軸加速度センサ14として示す。加速度センサとしては、周知のものを用いることができる。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、体動検出装置11に固有の方向であり、体動検出装置11の姿勢(向きや傾き)の変化に伴って変化する。
【0022】
また、体動検出装置11は、3軸加速度センサの出力信号に基づいて、体動検出装置11を携帯する被験者の体動であるか否かを判断し、体動をカウントする処理装置15を備えている。処理装置15の詳細な構成については、後述する。また、体動検出装置11は、処理装置15でカウントされた体動を表示する表示装置16を備えている。表示装置16は、たとえば、液晶パネルと液晶駆動回路とを備えている。
【0023】
(処理装置の機能的構成)
図2は、この発明にかかる体動検出装置11の処理装置の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、処理装置15は、X軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22、Z軸アナログ/デジタル変換部23、加速度データ取得部24、ピーク検出部25、上弦ピーク値記憶部26、下弦ピーク値記憶部27、ピーク差検出部28、閾値判定部29、下弦・上弦検出切替部30、フラグ制御部31および計数部32を備えている。これらの機能部21〜32については、ハードウェアにより実現されてもよいし、CPUなどでプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0024】
X軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22およびZ軸アナログ/デジタル変換部23は、それぞれ、入力端子(図2における符号21a,22a,23aを参照)を介してX軸加速度センサ12、Y軸加速度センサ13およびZ軸加速度センサ14に接続されている。X軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22およびZ軸アナログ/デジタル変換部23は、それぞれ、X軸加速度センサ12、Y軸加速度センサ13およびZ軸加速度センサ14から出力されるアナログ電圧信号を所定の周期でサンプリングしてデジタルデータに変換する。X軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22およびZ軸アナログ/デジタル変換部23は、同一のタイミングでそれぞれのセンサ出力信号をサンプリングするのが望ましい。
【0025】
この発明にかかる体動検出装置11において、X軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22およびZ軸アナログ/デジタル変換部23によって、X軸加速度センサ12、Y軸加速度センサ13およびZ軸加速度センサ14から出力されるアナログ電圧信号を取得する周期(以下「サンプリング周期」という)は、可変とされている。
【0026】
加速度データ取得部24は、各軸のアナログ/デジタル変換部21,22,23の出力値に基づいて加速度の大きさを取得する。加速度の大きさは、増減を繰り返す。加速度データ取得部24の詳細な構成については、後述する。この実施の形態においては、加速度データ取得部24によって取得手段としての機能を実現することができる。
【0027】
ピーク検出部25は、加速度バッファおよびUpDownバッファを備えている。加速度バッファは、加速度データ取得部24から出力された加速度の値(加速度の大きさを示す値)を格納する。ピーク検出部25は、加速度データ取得部24から出力された加速度を、たとえば、所定のサンプリング周期で取得し、取得するごとに加速度バッファを更新する。
【0028】
UpDownバッファは、加速度の増減ステータスを記憶する。UpDownバッファは、前回の加速度に対する今回の加速度の増減ステータス(UpDown今回)と、前々回の加速度に対する前回の加速度の増減ステータス(UpDown前回)と、前々々回の加速度に対する前々回の加速度の増減ステータス(UpDown前々回)と、を記憶する。
【0029】
ピーク検出部25は、UpDownバッファに記憶された加速度の増減ステータスに基づいて、下弦ピーク(谷型のピーク、この実施の形態においては第1のピーク)や上弦ピーク(山型のピーク、この実施の形態においては第2のピーク)を検出するとともに各ピークのピーク値(下弦ピーク値および上弦ピーク値)を検出する。この実施の形態においては、ピーク検出部25によって第1のピーク検出手段および第2のピーク検出手段としての機能を実現することができる。下弦ピーク値は、加速度データ取得部24により取得された加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わるときのピーク値とする。上弦ピーク値は、加速度データ取得部24により取得された加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わるときのピーク値とする。
【0030】
ピーク検出部25は、下弦ピーク値を検出するために、たとえば、次のような処理をおこなう。ピーク検出部25は、加速度データ取得部24から出力された加速度の値を今回の加速度としてバッファに格納し、そのバッファの格納値(n番目の加速度)をつぎに加速度データ取得部24から出力される前に前回の加速度としてバッファに格納する。そして、つぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(n+1番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納し、前回の加速度(n番目の加速度)と今回の加速度(n+1番目の加速度)とを比較し、n+1番目の加速度の値がn番目の加速度の値よりも小さい場合に、n+1番目の加速度を下弦ピーク値に格納する。また、ピーク検出部25は、n+1番目の加速度を前回の加速度としてバッファに格納するとともに、先に格納されていたn番目の加速度を前々回の加速度としてバッファに格納する。
【0031】
つぎに、ピーク検出部25は、そのつぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(n+2番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納して、前回の加速度(n+1番目の加速度)と今回の加速度(n+2番目の加速度)とを比較し、n+2番目の加速度の値がn+1番目の加速度の値よりも小さい場合に、n+2番目の加速度の値を下弦ピーク値に格納する。また、ピーク検出部25は、n+2番目の加速度を前回の加速度としてバッファに格納するとともに、先に格納されていたn+1番目の加速度を前々回の加速度としてバッファに格納する。
【0032】
そして、ピーク検出部25は、加速度データ取得部24から出力された加速度の値が少なくとも2回連続して小さくなった後、そのつぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(n+3番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納して、前回の加速度(n+2番目の加速度)と今回の加速度(n+3番目の加速度)とを比較し、n+3番目の加速度の値がn+2番目の加速度の値よりも大きくなった場合に、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わったと判断する。そのときの下弦ピーク値(n+2番目の加速度の値)が、下弦ピーク値記憶部27によって記憶される。
【0033】
また、ピーク検出部25は、上弦ピーク値を検出するために、たとえば、次のような処理をおこなう。ピーク検出部25は、加速度データ取得部24から出力された加速度の値を今回の加速度としてバッファに格納し、そのバッファの格納値(m番目の加速度)をつぎに加速度データ取得部24から出力される前に前回の加速度としてバッファに格納する。そして、つぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(m+1番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納し、前回の加速度(m番目の加速度)と今回の加速度(m+1番目の加速度)とを比較し、m+1番目の加速度の値がm番目の加速度の値よりも大きい場合に、m+1番目の加速度を上弦ピーク値に格納する。また、ピーク検出部25は、m+1番目の加速度を前回の加速度としてバッファに格納するとともに、先に格納されていたm番目の加速度を前々回の加速度としてバッファに格納する。
【0034】
つぎに、ピーク検出部25は、m+1番目の加速度の値と、そのつぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(m+2番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納して、前回の加速度(m+1番目の加速度)と今回の加速度(m+2番目の加速度)とを比較し、m+2番目の加速度の値がm+1番目の加速度の値よりも大きい場合に、m+2番目の加速度の値を上弦ピーク値に格納する。また、ピーク検出部25は、m+2番目の加速度を前回の加速度として格納するとともに、先に格納されていたm+1番目の加速度を前々回の加速度としてバッファに格納する。
【0035】
そして、ピーク検出部25は、加速度データ取得部24から出力された加速度の値が少なくとも2回連続して大きくなった後、そのつぎに加速度データ取得部24から出力された加速度(m+3番目の加速度)の値を今回の加速度としてバッファに格納して、前回の加速度(m+2番目の加速度)と今回の加速度(m+3番目の加速度)とを比較し、m+3番目の加速度の値がm+2番目の加速度の値よりも小さくなった場合に、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わったと判断する。そのときの上弦ピーク値(m+2番目の加速度の値)が、上弦ピーク値記憶部27によって記憶される。
【0036】
ピーク差検出部28は、上弦ピーク値記憶部26によって記憶された上弦ピーク値および下弦ピーク値記憶部27によって記憶された下弦ピーク値の差分を検出(算出)する。ピーク差検出部28は、上弦ピーク値および下弦ピーク値の差分の検出(算出)に際して、たとえば、上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分を検出(算出)する。また、ピーク差検出部28は、上弦ピーク値および下弦ピーク値の差分の検出(算出)に際して、下弦ピーク値とその直後の上弦ピーク値との差分を検出(算出)する。
【0037】
閾値判定部29は、ピーク差検出部28により検出(算出)された、上弦ピーク値および下弦ピーク値の差分を、あらかじめ設定されている所定の閾値と比較し、その結果に基づいて体動を検出したか否かを判定する。閾値判定部29は、下弦ピーク値(第1のピーク値)とその直後の上弦ピーク値(第2のピーク値)との差分(第1の差分)が、ピーク差検出部28により検出(算出)された場合、当該差分が第1の閾値以上であるか否かを判断する。また、閾値判定部29は、上弦ピーク値(第2のピーク値)とその直後の下弦ピーク値(第1のピーク値)との差分(第2の差分)が、ピーク差検出部28により検出(算出)された場合、当該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断する。
【0038】
第1の閾値および第2の閾値は、あらかじめ設定された値とされる。第1の閾値と第2の閾値とは同じ値とすることができる。また、第1の閾値と第2の閾値とは、たとえば、第1の閾値<第2の閾値や第1の閾値>第2の閾値のように、それぞれが異なる値であってもよい。閾値判定部29は、第1の差分が第1の閾値以上であり、かつ、第2の差分が第2の閾値以上であると判断した場合に体動を検出したと判定する。この実施の形態においては、閾値判定部29によって第1の判断手段および第2の判断手段としての機能を実現することができる。
【0039】
下弦・上弦検出切替部30は、ピーク検出部25が下弦ピーク値を検出するか上弦ピーク値を検出するかを切り替える。下弦・上弦検出切替部30は、山谷判断ステータスを記憶するバッファを備える。山谷判断ステータスは、体動検出装置11のステータス(動作状態)を示し、「山検知済・谷検知中」ステータスまたは「山検知中」ステータスに設定される。山谷判断ステータスの設定の切り替えについては、説明を後述する(図4および図5を参照)。
【0040】
この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11は、下弦・上弦検出切替部30を備えるものに限らない。この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11は、下弦・上弦検出切替部30を備えず、加速度データ取得部24から出力された加速度の値のみに基づいて、上弦ピーク値および下弦ピーク値を検出する構成であってもよい。
【0041】
上弦ピーク値記憶部26は、上弦ピーク値を記憶する。上弦ピーク値記憶部26は、ピーク検出部25によって下弦ピーク値が検出され、かつ、当該下弦ピーク値および上弦ピーク値記憶部26に記憶されているピーク値の差分が所定の閾値を超えている場合に、記憶されている上弦ピーク値をリセットする。すなわち、上弦ピーク値記憶部26は、ピーク検出部25によって下弦ピーク値が検出され、かつ、当該下弦ピーク値および上弦ピーク値記憶部26に記憶されているピーク値の差分が所定の閾値を超えている場合、記憶されている上弦ピーク値をリセットし、つぎに検出された上弦ピーク値を新たに記憶する。この実施の形態においては、上弦ピーク値記憶部26によって第2の記憶手段を実現することができる。
【0042】
下弦ピーク値記憶部27は、下弦ピーク値を記憶する。下弦ピーク値記憶部27は、ピーク検出部25によって上弦ピーク値が検出された場合に、記憶されている下弦ピーク値をリセットする。すなわち、下弦ピーク値記憶部27は、ピーク検出部25によって上弦ピーク値が検出された場合、記憶されている下弦ピーク値をリセットし、つぎに検出された下弦ピーク値を新たに記憶する。この実施の形態においては、下弦ピーク値記憶部27によって第1の記憶手段を実現することができる。
【0043】
フラグ制御部31は、閾値判定部29により体動を検出したと判定された場合に、所定のタイミングで体動検出フラグをオンにする。所定のタイミングは、たとえば、下弦・上弦検出切替部30による、山谷判断ステータスの設定の切り替えタイミングとすることができる。また、フラグ制御部31は、体動検出フラグをオンにした後、所定期間経過した時点で体動検出フラグをオフに切り替える。計数部32は、カウンタにより構成されており、体動検出フラグがオンになった回数をカウントする。計数部32のカウント値のデータは、出力端子(図2における符号32aを参照)を介して前記表示装置16へ送られる。
【0044】
(加速度データ取得部の機能的構成)
図3は、この発明にかかる体動検出装置11の加速度データ取得部の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、加速度データ取得部24は、X軸加速度データ格納部310、Y軸加速度データ格納部320、Z軸加速度データ格納部330、合成加速度データ算出部340、合成加速度データ格納部350および平滑化部360を備えている。
【0045】
X軸加速度データ格納部310、Y軸加速度データ格納部320およびZ軸加速度データ格納部330は、たとえば、リングバッファにより構成されている。X軸加速度データ格納部310、Y軸加速度データ格納部320およびZ軸加速度データ格納部330は、それぞれ、入力端子(図3における符号310a,320a,330aを参照)を介してX軸アナログ/デジタル変換部21、Y軸アナログ/デジタル変換部22およびZ軸アナログ/デジタル変換部23に接続されており、それらアナログ/デジタル変換部の出力値を加速度データとして格納する。
【0046】
合成加速度データ算出部340は、3軸の加速度データから合成加速度データを算出する。合成加速度データ格納部350は、たとえば、リングバッファにより構成されている。合成加速度データ格納部350は、合成加速度データ算出部340によって算出された合成加速度データを格納する。平滑化部360は、合成加速度データ格納部350から連続する所定個数(たとえば、4個)の合成加速度データを読み出し、それらの移動平均値を算出する。合成加速度データの移動平均値を求めることによって、ノイズや微弱な変動などを除去して合成加速度データを平滑化することができる。平滑化部360の出力データは、出力端子(図3における符号360aを参照)を介して前記ピーク検出部25へ送られる。
【0047】
(体動検出処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出処理手順について説明する。図4および図5は、この発明にかかる体動検出装置11の体動検出方法による体動検出処理手順を示すフローチャートである。図4および図5のフローチャートにおいて、まず、今回の加速度を取得する(ステップS401)。ステップS401においては、たとえば、体動検知処理にかかる加速度を、所定のサンプリング周波数で取得する。
【0048】
つぎに、ステップS401において取得された今回の加速度と、ピーク検出部25のバッファにおいて今回の加速度として記憶されている前回の加速度とを比較し、今回の加速度が前回の加速度よりも大きいか否かを判断する(ステップS402)。そして、今回の加速度が前回の加速度よりも大きい場合(ステップS402:Yes)は、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown今回をUPに設定する(ステップS403)。その後、ステップS407へ移行する。
【0049】
ステップS402において、今回の加速度が前回の加速度よりも大きくない場合(ステップS402:No)は、今回の加速度が前回の加速度よりも小さいか否かを判断する(ステップS404)。そして、今回の加速度が前回の加速度よりも小さい場合(ステップS404:Yes)は、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown今回をDOWNに設定する(ステップS405)。その後、ステップS407へ移行する。
【0050】
ステップS404において、今回の加速度が前回の加速度よりも小さくない場合(ステップS404:No)、すなわち、今回の加速度が前回の加速度よりも大きい場合および今回の加速度が前回の加速度よりも小さい場合以外(今回の加速度が前回の加速度と等しい)の場合は、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown今回をUpDown前回に設定された値と同じ値に設定する(ステップS406)。その後、ステップS407へ移行する。
【0051】
ステップS407においては、前回の加速度の値が今回の加速度の値となる(前回の加速度=今回の加速度)ように、前回の加速度の値を更新する(ステップS407)。つぎに、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown前々回、UpDown前回およびUpDown今回を参照して、各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=UPかつUpDown前回=UPかつUpDown今回=DOWNであるか否かを判断する(ステップS408)。ステップS408において、UpDownバッファにおける加速度の各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=UPかつUpDown前回=UPかつUpDown今回=DOWNではない場合(ステップS408:No)は、ステップS412へ移行する。
【0052】
ステップS408において、UpDownバッファにおける加速度の各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=UPかつUpDown前回=UPかつUpDown今回=DOWNである場合(ステップS408:Yes)は、上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS409)。この実施の形態においては、ステップS409においては、第1の閾値と第2の閾値とが同じ閾値に設定されている場合を例に説明し、以下、第1の閾値および第2の閾値を、ともに「閾値」として説明する。
【0053】
ステップS409において、上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上ではない場合(ステップS409:No)は、ステップS411へ移行する。一方、ステップS409において、上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上である場合(ステップS409:Yes)は、山谷判断ステータスを「山検知済・谷検知中」に設定する(ステップS410)。
【0054】
そして、ステップS401において取得された今回の加速度を下弦ピーク値に設定する(ステップS411)。ステップS411によって、先に記憶されていた下弦ピーク値(第1のピーク値)がリセットされ、ステップS401において取得された今回の加速度の値が新たな下弦ピーク値となるように下弦ピーク値が更新される。
【0055】
つぎに、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown前々回、UpDown前回およびUpDown今回を参照して、各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=DOWNかつUpDown前回=DOWNかつUpDown今回=UPであるか否かを判断する(ステップS412)。ステップS412において、UpDownバッファにおける加速度の各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=DOWNかつUpDown前回=DOWNかつUpDown今回=UPである場合(ステップS412:Yes)は、上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS413)。
【0056】
ステップS413において、上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上である場合(ステップS413:Yes)は、ステップS401において取得された今回の加速度を上弦ピーク値に設定する(ステップS414)。ステップS414によって、先に記憶されていた上弦ピーク値(第2のピーク値)がリセットされ、ステップS401において取得された今回の加速度の値が新たな上弦ピーク値となるように上弦ピーク値が更新される。
【0057】
その後、山谷判断ステータスが「山検知済・谷検知中」に設定されているか否かを判断する(ステップS415)。ステップS415において、山谷判断ステータスが「山検知済・谷検知中」に設定されている場合(ステップS415:Yes)は、図5におけるステップS501へ移行する。
【0058】
一方、ステップS415において、山谷判断ステータスが「山検知済・谷検知中」に設定されていない場合(ステップS415:No)は、図5におけるステップS503へ移行する。また、ステップS413において上弦ピーク値と下弦ピーク値との差分(上弦ピーク値−下弦ピーク値)が、所定の閾値以上ではない場合(ステップS413:No)、および、ステップS412においてUpDownバッファにおける加速度の各ステータスが、それぞれ、UpDown前々回=DOWNかつUpDown前回=DOWNかつUpDown今回=UPではない場合(ステップS412:No)は、図5におけるステップS503へ移行する。
【0059】
山谷判断ステータスが「山検知済・谷検知中」に設定されている場合(ステップS415:Yes)は、図5のフローチャートにおけるステップS501において、山谷判断ステータスを「山検知中」に設定する(ステップS501)とともに、体動検出フラグをONに設定する(ステップS502)。ステップS501における処理とステップS502における処理とは、実行順序が逆であってもよい。すなわち、山谷判断ステータスが「山検知済・谷検知中」に設定されている場合は、体動検出フラグをONに設定した後に、山谷判断ステータスを「山検知中」に設定するようにしてもよい。
【0060】
つぎに、ステップS401において取得された今回の加速度が、上弦ピーク値以上であるか否かを判断する(ステップS503)。ステップS503において、ステップS401において取得された今回の加速度が上弦ピーク値以上である場合(ステップS503:Yes)は、ステップS401において取得された今回の加速度を上弦ピーク値に設定する(ステップS504)ことにより、上弦ピーク値を更新する。ステップS503において、ステップS401において取得された今回の加速度が上弦ピーク値以上ではない場合(ステップS503:No)は、ステップS505へ移行する。
【0061】
ステップS505においては、ステップS401において取得された今回の加速度が、下弦ピーク値以下であるか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505において、ステップS401において取得された今回の加速度が下弦ピーク値以下である場合(ステップS505:Yes)は、ステップS401において取得された今回の加速度を下弦ピーク値に設定する(ステップS506)ことにより、下弦ピーク値を更新する。ステップS505において、ステップS401において取得された今回の加速度が下弦ピーク値以下ではない場合(ステップS505:No)は、ステップS507へ移行する。
【0062】
そして、UpDownバッファにおける加速度の増減ステータスのうちのUpDown前々回のステータスがUpDown前回のステータスとなる(UpDown前々回=UpDown前回)ように、UpDown前々回のステータスを更新する(ステップS507)とともに、UpDown前回のステータスがUpDown今回のステータスとなる(UpDown前回=UpDown今回)ように、UpDown前回のステータスを更新して(ステップS508)、一連の処理を終了する。ステップS507の処理とステップS508の処理とは、実行順序が逆であってもよい。すなわち、UpDown前回のステータスを更新した後に、UpDown前々回のステータスを更新するようにしてもよい。
【0063】
(体動検出アルゴリズム)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズム例について説明する。
この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムは、第1の差分が閾値(第1の閾値)以上であり、かつ、第2の差分が閾値(第2の閾値)以上である場合に体動を検出したと判定し、体動を検出したと判定するごとに体動を1回ずつカウントする。
【0064】
体動をカウントするカウント判定タイミングは、下弦ピーク値(第1のピーク値)とその直後の上弦ピーク値(第2のピーク値)との差分(第1の差分)が閾値(第1の閾値)以上であり、その後に、当該上弦ピーク値に対する差分(第2の差分)が閾値(第2の閾値)以上となる下弦ピークが出現した時点とすることができる。
【0065】
また、体動をカウントするカウント判定タイミングは、たとえば、上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分(第1の差分)が閾値(第1の閾値)以上であり、その後に、当該下弦ピーク値に対する差分(第2の差分)が閾値(第2の閾値)以上となる上弦ピークが出現した時点としてもよい。
【0066】
(ノイズ誤カウント防止)
つぎに、上述の体動検出アルゴリズムによって、どのようにしてノイズによる誤カウントが防止されるかについて説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムを説明する波形図である。
【0067】
この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおいては、下弦ピークから当該下弦ピークの直後に出現する上弦ピークまでの振幅に対して設けられた所定の閾値に基づいて、前記振幅(下弦ピーク値と当該下弦ピークの直後の上弦ピーク値との差分)が前記所定の閾値以下の場合、つぎに出現する上弦ピーク値(前記上弦ピーク値)から当該上弦ピークの直後に出現する下弦ピークまでの振幅(前記上弦ピーク値と当該上弦ピークの直後の下弦ピーク値との差分)はノイズとみなし、体動検出をおこなわない。
【0068】
具体的に、たとえば、図6に示したような振幅の信号においては、上弦ピーク値に対する差分が所定の閾値以上となる振幅(符号610を参照)の下弦ピークを検出し、体動のカウントをおこなった後に、当該下弦ピークから当該下弦ピークの直後に出現する上弦ピークまでの振幅(符号620を参照)が、所定の閾値以下である場合、当該上弦ピーク値から当該上弦ピークの直後に出現する下弦ピークまでの振幅(符号630を参照)が体動の検出にかかる所定の閾値よりも大きい場合であっても体動のカウントをおこなわない。
【0069】
また、具体的に、たとえば、図6に示したような振幅の信号において、矢印640に示したピークは、矢印640の1つ前の下弦ピークから当該下弦ピークの直後に出現する上弦ピークまでの振幅が所定の閾値以下であり振幅が小さいので体動のカウントをおこなわない。このような体動検出アルゴリズムとすることにより、たとえば鉄道などの乗り物に乗車していることに起因する揺れや振動によって出現する振幅(ノイズ)による体動の誤カウントを防止し、体動を精度良くカウントすることができる。
【0070】
(下弦ピーク値、上弦ピーク値のリセットタイミング)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおける、下弦ピーク値、上弦ピーク値のリセットタイミングについて説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおける、下弦ピーク値、上弦ピーク値のリセットタイミングを示す説明図である。
【0071】
図7において、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムでは、体動によって振幅(山谷)を生じる信号において、上弦ピークを検出した場合に、下弦ピーク値をリセットする。また、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムでは、体動によって振幅(山谷)を生じる信号において、下弦ピークを検出し、かつ、当該下弦ピークを検出した時点における上弦ピーク値および下弦ピーク値の差分が所定の閾値を超えた場合に、下弦ピーク値をリセットする。
【0072】
この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおいては、図7において矢印710で示したような下弦ピークを検出しても、上弦ピーク値と当該下弦ピーク値との差分が所定の閾値を超えない場合は、上弦ピーク値はリセットされない。すなわち、この発明にかかる実施の形態の体動検出装置11の体動検出方法による体動検出アルゴリズムにおいては、体動によって振幅(山谷)を生じる信号における下弦ピークを検出しても、当該検出された下弦ピーク値の上弦ピーク値に対する差分が所定の閾値を超えるまでの間は、上弦ピーク値はリセットされない。図7においては、上弦ピーク値との差分が所定の閾値を超える矢印720で示した下弦ピーク(下弦ピーク)を検出した時点において、上弦ピーク値がリセットされる。
【0073】
このとき、上弦ピーク値をリセットするタイミングは、下弦ピークの検出、当該下弦ピーク値と直前の上弦ピーク値との差分の閾値との比較、体動のカウントの条件から必要な条件を組み合わせた条件とすることができる。たとえば、上弦ピーク値をリセットするタイミングを、「下弦ピークを検出し、かつ、体動検出のカウントをおこなった時点」と限定してもよい。
【0074】
また、同様に、下弦ピーク値をリセットするタイミングは、上弦ピークの検出、当該上弦ピーク値と直前の下弦ピーク値との差分の閾値との比較、体動のカウントの条件から必要な条件を組み合わせた条件とすることができる。たとえば、下弦ピーク値をリセットするタイミングを、「上弦ピークを検出し、かつ、当該上弦ピーク値と直前の下弦ピーク値との差分が所定の閾値以上となった時点」とさらに限定することもできる。
【0075】
そして、下弦ピーク値をリセットするタイミングを、「上弦ピークを検出し、かつ、当該上弦ピーク値と直前の下弦ピーク値との差分が所定の閾値以上となった時点」とした場合は、さらに、「上弦ピーク値と当該上弦ピークの直前の下弦ピーク値との差分を判断する閾値」が、「下弦ピーク値と当該下弦ピークの直前の上弦ピーク値との差分を判断する閾値」よりも小さくなるような条件(「上弦ピーク値と当該上弦ピークの直前の下弦ピーク値との差分を判断する閾値」<「下弦ピーク値と当該下弦ピークの直前の上弦ピーク値との差分を判断する閾値」)と設定することも誤カウント防止には有効である。
【0076】
上述の例に限らず、ピークの検出、当該ピーク値と直前のピーク値との差分の閾値との比較、体動のカウントの条件からを組み合わせることによって上弦ピーク値、下弦ピーク値のリセットタイミングとすればよい。
【0077】
これまでの実施の形態では、体動をカウントするカウント判定タイミングが、下弦ピーク値(第1のピーク値)とその直後の上弦ピーク値(第2のピーク値)との差分(第1の差分)が閾値(第1の閾値)以上であり、その後に、当該上弦ピーク値に対する差分(第2の差分)が閾値(第2の閾値)以上となる下弦ピークが出現した時点で体動をカウントする場合の上弦ピークと下弦ピークのリセットタイミングについて説明した。
【0078】
一方、体動をカウントするカウント判定タイミングは、上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分(第1の差分)が閾値(第1の閾値)以上であり、その後に、当該下弦ピーク値に対する差分(第2の差分)が閾値(第2の閾値)以上となる上弦ピークが出現した時点というように、上述の説明とは上弦ピークと下弦ピークの順が逆となるようにしてもよい。その場合は、上弦ピーク値と下弦ピーク値をリセットするタイミングの条件も上弦ピーク値と下弦ピーク値とで上述の説明の逆になる。
【0079】
(上弦ピーク/下弦ピークの検出方法)
図8は、上弦ピークの検出方法を示す説明図である。図8において、上弦ピークは、所定のサンプリング周期で取得された加速度の値に基づいて、当該加速度の大きさの増減傾向が2回連続して増加傾向を示した後(図8における符号801,802を参照)、減少傾向を示した(図8における符号803を参照)場合に検出される。
【0080】
図9は、下弦ピークの検出方法を示す説明図である。図9において、下弦ピークは、所定のサンプリング周期で取得された加速度の値に基づいて、当該加速度の大きさの増減傾向が2回連続して減少傾向を示した後(図9における符号901,902を参照)、増加傾向を示した(図9における符号903を参照)場合に検出される。
【0081】
以上説明したように、この実施の形態の体動検出装置11は、加速度センサが出力する加速度を取得し、取得される加速度の大きさの変動傾向が切り替わる第1のピークと、取得される加速度の大きさの変動傾向が第1のピークとは反対方向に切り替わる第2のピークと、を検出する。そして、第1のピークの値と当該第1のピークのつぎに検出された第2のピークの値との差分である第1の差分が第1の閾値以上であって、かつ、第2のピークの値と当該第2のピークのつぎに検出された第1のピークの値との差分である第2の差分が第2の閾値以上である場合に体動を検出することを特徴としている。すなわち、下弦ピーク値とその直後の上弦ピーク値との差分が閾値以上であり、かつ、上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分が閾値以上である場合に体動を検出することを特徴としている。
【0082】
この実施の形態の体動検出装置11によれば、加速度センサが出力する加速度の大きさを示す信号に重畳されたノイズに起因する体動の誤検出を防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0083】
具体的には、被験者は、たとえば、通勤などのような歩行状態、散歩などのような比較的ゆっくりした歩行状態、ジョギングなどのように走行している状態、などのように様々な状態となることが想定される。この実施の形態の体動検出装置11によれば、被験者の状態が様々に変わっても当該被験者が体動検出装置11に対して何らの操作をすることなく、各状態における体動を精度良くカウントすることができる。
【0084】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、第1の差分が第1の閾値以上であると判断された第1の差分の後に出現した第2の差分が第2の閾値以上であると判断された場合に体動を検出することを特徴としている。すなわち、下弦ピーク値とその直後の上弦ピーク値との差分が閾値以上であり、その後出現した上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分が閾値以上である場合に体動を検出することを特徴としている。
【0085】
この実施の形態の体動検出装置11によれば、加速度センサが出力する加速度の大きさを示す信号に重畳されたノイズに起因する体動の誤検出を防止しつつ、体動に起因する振幅を精度良く検出することができる。これによって、どのような状態における体動であってもノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0086】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、第2の閾値以上であると判断された第2の差分の後に出現した第1の差分が第1の閾値以上ではない場合は、つぎに出現する第2の差分にかかる体動の検出をおこなわないことを特徴としている。この実施の形態の体動検出装置11によれば、たとえば、上記のように体動を検出した後、被験者がつぎの体動となる動作をおこなう前にノイズが重畳された場合、当該ノイズに起因して検出された上弦ピーク値や下弦ピーク値に基づいて体動の検出がおこなわれることを防止することができる。これによって、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0087】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、第1の差分および第2の差分が閾値を超えているかどうかの判断を、上弦ピーク値記憶部26に記憶された上弦ピーク値(第2のピーク値)や下弦ピーク値記憶部27に記憶された下弦ピーク値(第1のピーク値)に基づいておこなう。下弦ピーク値記憶部27に記憶された下弦ピーク値は、上弦ピークが検出されるごとにリセット(消去)する。上弦ピーク値記憶部26に記憶された上弦ピーク値は、下弦ピークが検出され、当該下弦ピーク値と上弦ピーク値記憶部26において先に記憶されている上弦ピーク値との差分が閾値以上であると判断された場合に、上弦ピーク値記憶部26において先に記憶されている上弦ピーク値をリセット(消去)する。
【0088】
この実施の形態の体動検出装置11によれば、下弦ピーク値記憶部27に記憶された下弦ピーク値や上弦ピーク値記憶部26に記憶された上弦ピーク値を上記のようにリセット(消去)することにより、被験者の体動に起因する第1の差分および第2の差分を精度良く検出することができる。これによって、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0089】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、前記第1のピーク検出手段および前記第2のピーク検出手段が、前回取得した加速度の大きさと今回取得した加速度の大きさとの差分を算出し、前回算出された差分に対する今回算出された差分の大小に基づいて加速度の大きさの変動傾向を判断することを特徴とする。この実施の形態の体動検出装置11によれば、加速度の大きさ(加速度の値)の変動傾向を容易かつ正確に算出することができるので、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0090】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、加速度の大きさの変動傾向が連続して減少した後に当該変動傾向が増加に切り替わった場合に下弦ピークを検出し、加速度の大きさの変動傾向が連続して増加した後に当該変動傾向が減少に切り替わった場合に上弦ピークを検出することを特徴としている。この実施の形態の体動検出装置11によれば、加速度の大きさの変動傾向が確実に減少した後に増加した場合に下弦ピークを検出し、加速度の大きさの変動傾向が確実に増加した後に減少した場合に上弦ピークを検出することができるので、ノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0091】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、任意のサンプリング周期ごとに加速度の大きさを取得し、下弦ピークの検出条件および上弦ピークの検出条件をサンプリング周期の長さに応じて変動させることを特徴としてもよい。サンプリング周期の長さは、たとえば、上述した実施の形態の方法でのサンプリング周期の長さよりも長いサンプリング周期を設定することができる。この場合、サンプリング周波数は、上述した実施の形態の方法でのサンプリング周波数よりも低くなる。
【0092】
具体的には、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出したが、サンプリング周期の長さを長くした場合は、たとえば、「UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出するように検出条件を変動させる。同様に、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出したが、サンプリング周期の長さを長くした場合は、たとえば、「DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出するように検出条件を変動させる。
【0093】
また、サンプリング周期の長さは、たとえば、上述した実施の形態の方法でのサンプリング周期の長さよりも短いサンプリング周期を設定することができる。この場合、サンプリング周波数は、上述した実施の形態の方法でのサンプリング周波数よりも高くなる。
【0094】
具体的には、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出したが、サンプリング周期の長さを短くした場合、たとえば、「UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出するように検出条件を変動させる。同様に、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出したが、サンプリング周期の長さを短くした場合は、たとえば、「DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出するように検出条件を変動させる。
【0095】
なお、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出したが、加速度の大きさが「UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出するようにしてもよい。同様に、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出したが、加速度の大きさが「DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出するようにしてもよい。
【0096】
また、この実施の形態の体動検出装置11は、加速度の大きさが所定のサンプリング周期ごとに取得された場合に、前記変動傾向が連続して変動した後に当該変動傾向が切り替わった時点で、下弦ピーク(第1のピーク)および上弦ピーク(第2のピーク)を検出することを特徴としている。すなわち、上述した実施の形態においては、加速度の大きさが「UP(増加傾向)→UP(増加傾向)→DOWN(減少傾向)」という増減傾向を示した時点で上弦ピークを検出し、加速度の大きさが「DOWN(減少傾向)→DOWN(減少傾向)→UP(増加傾向)」という増減傾向を示した時点で下弦ピークを検出する。
【0097】
この実施の形態の体動検出装置11によれば、加速度センサが出力する加速度の大きさを示す信号に重畳されたノイズに起因する体動の誤検出を防止しつつ、体動に起因する振幅を精度良く検出することができる。これによって、どのような状態における体動であってもノイズに起因する体動の誤カウントを防止することができ、体動を精度良くカウントすることができる。
【0098】
上述した実施の形態においては、下弦ピークおよび下弦ピーク値を第1のピークおよび第1のピーク値とし、上弦ピークおよび上弦ピーク値を第2のピークおよび第2のピーク値とした場合について説明したが、第1のピークおよび第2のピークはこれに限るものではない。すなわち、上述した実施の形態の体動検出装置11は、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを第1のピークとして検出し、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを第2のピークとして検出することを特徴としているが、この発明にかかる体動検出装置11においては、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを第1のピークとして検出し、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを第2のピークとして検出するものであってもよい。
【0099】
この場合、上弦ピーク値とその直後の下弦ピーク値との差分である第1の差分が第1の閾値以上であり、かつ、下弦ピーク値とその直後の上弦ピーク値との差分である第2の差分が第2の閾値以上であると判断した場合に体動を検出したと判定する。また、この場合、第1の閾値および第2の閾値を同じ値に設定してもよいし、第1の閾値と第2の閾値を異なる値に設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、この発明にかかる体動検出装置は、被験者の体動をカウントする体動検出装置に有用であり、特に、歩行や走行などの各状態において被験者の体動をカウントする体動検出装置に適している。
【符号の説明】
【0101】
11 体動検出装置
24 加速度データ取得部
25 ピーク検出部
26 上弦ピーク値記憶部
27 下弦ピーク値記憶部
28 ピーク差検出部
29 閾値判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサが出力する加速度を取得する加速度取得手段と、
前記加速度取得手段によって取得される加速度の大きさの変動傾向が切り替わる第1のピークを検出する第1のピーク検出手段と、
前記加速度取得手段によって取得される加速度の大きさの変動傾向が前記第1のピークとは反対方向に切り替わる第2のピークを検出する第2のピーク検出手段と、
前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値と当該第1のピークのつぎに前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値との差分である第1の差分が第1の閾値以上であるか否かを判断する第1の判断手段と、
前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値と当該第2のピークのつぎに前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値との差分である第2の差分が第2の閾値以上であるか否かを判断する第2の判断手段と、
を備え、
前記第1の判断手段によって第1の差分が第1の閾値以上であると判断され、かつ、前記第2の判断手段によって第2の差分が第2の閾値以上であると判断された場合に体動を検出することを特徴とする体動検出装置。
【請求項2】
前記第1の判断手段によって第1の閾値以上であると判断された第1の差分の後に出現した前記第2の差分が第2の閾値以上であると判断された場合に体動を検出することを特徴とする請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
前記第2の判断手段によって前記第2の閾値以上であると判断された第2の差分の後に出現した第1の差分が、前記第1の判断手段によって前記第1の閾値以上ではないと判断された場合、つぎに出現する第2の差分にかかる体動の検出をおこなわないことを特徴とする請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項4】
前記第1のピーク検出手段によって検出された第1のピークの値を記憶する第1の記憶手段と、
前記第2のピーク検出手段によって検出された第2のピークの値を記憶する第2の記憶手段と、
を備え、
前記第1の判断手段は、前記第2のピーク検出手段によって第2のピークが検出されるごとに、当該検出された第2のピークの値と前記第1の記憶手段によって記憶された第1のピークの値とに基づいて算出される第1の差分が前記第1の閾値以上であるか否かを判断し、
前記第2の判断手段は、前記第1のピーク検出手段によって第1のピークが検出されるごとに、当該検出された第1のピークの値と前記第2の記憶手段によって記憶された第2のピークの値とに基づいて算出される第2の差分が前記第2の閾値以上であるか否かを判断し、
前記第1の記憶手段は、前記第2のピーク検出手段によって第2のピークが検出された場合に、先に記憶されている第1のピークの値を消去し、
前記第2の記憶手段は、前記第1のピーク検出手段によって第1のピークが検出され、当該第1のピークの値と先に記憶されている第2のピークの値との差分が前記第2の閾値以上であると判断された場合に、先に記憶されている第2のピークの値を消去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の体動検出装置。
【請求項5】
前記第1のピーク検出手段は、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを検出し、
前記第2のピーク検出手段は、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の体動検出装置。
【請求項6】
前記第1のピーク検出手段は、加速度の大きさが増加傾向から減少傾向に切り替わる上弦ピークを検出し、
前記第2のピーク検出手段は、加速度の大きさが減少傾向から増加傾向に切り替わる下弦ピークを検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の体動検出装置。
【請求項7】
前記第1のピーク検出手段および前記第2のピーク検出手段は、前回取得した加速度の大きさと今回取得した加速度の大きさとの差分を算出し、前回算出された差分に対する今回算出された差分の大小に基づいて加速度の大きさの変動傾向を判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の体動検出装置。
【請求項8】
前記第1のピーク検出手段は、加速度の大きさの変動傾向が連続して増加あるいは減少した後に当該変動傾向が減少あるいは増加に切り替わった場合に前記第1のピークを検出し、
前記第2のピーク検出手段は、加速度の大きさの変動傾向が連続して減少あるいは増加した後に当該変動傾向が増加あるいは減少に切り替わった場合に前記第2のピークを検出することを特徴とする請求項7に記載の体動検出装置。
【請求項9】
前記加速度取得手段は、任意のサンプリング周期ごとに加速度の大きさを取得し、
前記第1のピーク検出手段による第1のピークの検出条件、および、前記第2のピーク検出手段による第2のピークの検出条件を、前記サンプリング周期の長さに応じて変動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の体動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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