説明

体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のためのシステム、方法およびデバイス

【課題】非侵襲性の体液サンプリングおよび分析のシステム、方法及びデバイスを提供する。
【解決手段】或る透過率レベルを有する生物学的膜の領域を識別し、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させ、生物学的膜の領域と受け器とを接触させ、体液を生物学的膜の領域を通じて抽出し、体液の抽出を高めるために外部力を提供し、受け器に体液を収集し、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した体液を分析し、体液の分析結果を提供することにより、非侵襲性の体液サンプリングおよび分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野 本発明は、体液の非侵襲性サンプリングに関し、特に、体液の非侵襲性サンプリングおよび分析のためのシステム、方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照: 本発明は、2000年3月17日付けで提出された米国仮特許出願第60/189971号の利益を享受することを求める。本明細書では、この開示の全体を参照として援用する。
【0003】
更に、本発明は、「Ultrasound Enhancement of Transdermal Transport」という名称の米国特許出願第08/885931号、「Chemical and Physical Enhancers and Ultrasound for Transdermal Drug Deivery」という名称の米国特許出願第09/260265号、および「Method and Apparatus for Enhancement of Transdermal Transport」という名称のPCT国際特許出願第PCT/US99/30067号に関連する。本明細書では、これらの開示の全体を参照として援用する。
【0004】
2.関連技術の説明
糖尿病患者は、血糖値をモニタするために、頻繁に指および前腕を刺して血液を得る。モニタリングを頻繁に行うために血液を用いることは苦痛を伴うと共に、面倒である。新しい、苦痛が軽減された体液のサンプリング方法が検討され、開示されている。例えば、これらの苦痛のない方法では、血液および間質液などの体液をサンプリングするために、小さな針、イオン浸透療法、および超音波を用いる。
【0005】
超音波を与えることによって皮膚の透過率を高めることが可能であることが示されている。このような例は、米国特許第4767402号、米国特許第5947921号、および米国特許第6002961号に開示されている。これらの開示の全体を参照として援用する。超音波は、キャビテーション(空洞現象)およびその生物音響学的効果の作用により脂質二層構造体を壊すために結合媒体を介して角質層に与えられる。輸送に対するバリアである角質層を破壊することにより、皮膚を通した、および皮膚への、および皮膚からのグルコースまたは薬剤などの分析物の拡散が高められる。
【0006】
分析物および体液の輸送は、原動力の作用によって更に高められ得る。これらの原動力には、とりわけ、ソノフォレティック(sonophoretic)、イオン導入力、電動力、圧力、真空、電磁気原動力、熱力、磁力、化学原動力、毛管現象、および浸透圧が挙げられる。能動的な力を用いることにより、次の分析のための流体を得るための手段が提供される。
【0007】
皮膚を透過性にする前、透過性にしている間、および透過性にした後に原動力を与えることは、米国特許第5279543号、米国特許第5722397号、米国特許第5947921号、米国特許第6002961号、および米国特許第6009343号に開示されている。これらの開示の全体を参照として援用する。原動力を用いる目的は、分析に用いるために体液およびその内容物を皮膚から積極的に抽出することである。上記のように、真空、音波便乗力(ソノフォレシス)、および電気浸透力などの能動的力は、角質層を通した対流を形成し得る。これらの力は、体液を抽出するために用いられ得るが、これらの力が人間の皮膚に与えられる場合には、特定の制限が課される。例えば、主な制限としては、角質層をわたって輸送される体液の流れおよび容量である。一般に、角質層の透過
率が高められた領域を横切って流体を輸送するためには、高圧力が必要である。長期にわたって皮膚を真空状態にすると、表皮が真皮から物理的に分離することがあり、傷や水ぶくれになる。
【0008】
他の制限の例としては、対流を形成するために皮膚に与えられるエネルギーの量が挙げられる。使用可能な量の体液を抽出する場合、超音波に長時間さらされることで、苦痛および皮膚の損傷が引き起こされ得る。同様に、角質層を通した体液の電気浸透抽出では、高密度の電流を用いる必要があるため、皮膚が損傷し得る。上記の抽出方法を人間の皮膚に適用する場合、その使用が制限されることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
米国特許第4767402号
米国特許第5947921号
米国特許第6002961号
米国特許第5279543号
米国特許第5722397号
米国特許第5947921号
米国特許第6002961号
米国特許第6009343号
米国特許第6041253号
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
従って、関連技術の上記および他の欠点を克服する体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のためのシステム、方法、およびデバイス(装置)が必要とされる。
【0011】
従って、皮膚、口内、および爪などの生物学的膜の透過率を長期にわたって高める方法、ならびに非侵襲性で実用的な不連続または連続した様式で、血液、間質液、リンパ液、または他の体液分析物のモニタリングを行うために体液を抽出するための方法が必要とされる。
【0012】
体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析の方法が開示される。本発明の一実施形態によると、方法は、(1)或る透過率レベルを有する生物学的膜の領域を識別するステップと、(2)生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させるステップと、(3)生物学的膜の領域と受け器(receiver)とを接触させるステップと、(4)体液を生物学的膜の領域を通して生物学的膜から抽出するステップと、(5)外部力を与えて体液抽出を向上させるステップと、(6)受け器に体液を収集するステップと、(7)少なくとも1つの分析物の存在を検出するために、収集した体液を分析するステップと、(8)体液を分析するステップの結果を提供するステップとを含む。
【0013】
生物学的膜の領域は、線量測定法の制御された超音波を用いて、透過性にされる。体液の抽出は、浸透輸送を用いて超音波にさらされる領域において行われる。体液は、受け器を用いて収集される。受け器は、パッチ、装着可能な貯蔵器、膜、吸収性細片、ヒドロゲル、またはそれらと等価物の形態で生物学的膜に取り付けられる。受け器は、血液分析物を示す様々な分析物の存在を検出するために分析される。分析には、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度(吸収度)、反射率、ラマン、磁気、質量分析、赤外(IR)分光学の測定方法、およびそれらの組み合わせが用いられ得る。受け器はまた、第2の受け器に取り付けられ得る。第2の受け器における分析物の濃度は、体液内の濃度よりも実質的に低くなるように連続的に維持され、体液と第2の受け器との間の化学的濃度駆動力が最大
になるようにされる。これは、化学反応または希釈容量または同様の手段によって成し遂げられる。一実施形態では、受け器および第2の受け器は、異なる原理(例えば、浸透、希釈など)で作動し得る。他の実施形態では、受け器は、同じ原理で作動し得る。
【0014】
体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のためのシステムが開示される。本発明の一実施形態によると、システムは、超音波の生成を制御するコントローラと、超音波を生物学的膜の領域に与える超音波アプリケータと、生物学的膜の領域と接触し、生物学的膜の領域を通しておよび生物学的膜から体液を受ける受け器と、受け器と相互作用し、受け器内の体液における少なくとも1つの分析物の存在を検出するメータ(計器)とを有する。受け器は、膜と、膜内に含まれるヒドロゲル、流体、または液体などの媒体とを含むことができる。
【0015】
体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のための方法が開示される。本発明の一実施形態によると、方法は、(1)生物学的膜の領域の透過率レベルを高めるステップと、(2)生物学的膜の領域に受け器を取り付けるステップと、(3)生物学的膜の領域を通しておよび生物学的膜から分析物を抽出するステップと、(4)体液を受け器に収集するステップと、(5)体液内の少なくとも1つの分析物の濃度を判定するステップとを含む。
【0016】
体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のためのデバイスが開示される。本発明の一実施形態によると、デバイスは、透過率が高められた生物学的膜の領域に取り付けられ、生物学的膜の領域を通して生物学的膜から体液を受ける受け器と、受けた体液内の少なくとも1つの分析物の存在を検出し、その分析物の濃度を示す装着可能なメータとを有する。受け器は、膜と、膜に含まれるヒドロゲル、流体、または液体などの媒体とを含む。メータは、プロセッサおよび分析物の存在を検出するデバイスを有する。検出デバイスは、電気化学検出器、生化学検出器、蛍光検出器、吸光度(吸収度)検出器、反射率検出器、ラマン検出器、磁気検出器、質量分析検出器、IR分光測定検出器、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0017】
本発明の一実施形態によると、浸透力は、オン・デマンド様式で、生物学的膜を通して生物学的膜から体液をサンプリングするために用いられる。溶液、ゲル、ヒドロゲル、または他の形態の浸透剤(浸透作用物質)は、診断およびモニタリング(監視)のために分析物の濃度を判定する必要がある場合にはいつでも、薄い液体貯蔵器などの受け器を用いて、超音波で処理される生物学的膜に与えられる。受け器は、接着剤を用いて生物学的膜に取り付けられる。受け器は、短期間だけ生物学的膜に取り付けられる。その後、受け器内の溶液は除去され、分析物の存在を検出するために分析される。一実施形態では、受け器は、パッチの形態で構成される。受け器は、ヒドロゲルおよび浸透剤を含み得る。受け器は、浸透剤と化学試薬とを組み合わせて分析物の存在を検出する。試薬(反応物)によって、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度、反射率、ラマン、磁気、質量分析、赤外線(IR)分光学測定の方法、およびそれらの組み合わせを、受け器上で行うことが可能になる。
【0018】
他の実施形態では、浸透力は、周期的または連続した様式で、生物学的膜からまたは生物学的膜を通して体液をサンプリングするために用いられる。溶液状の浸透剤は、診断およびモニタリングのために分析物の濃度を決定する必要がある場合に、薄い液体貯蔵器などの薄い受け器を用いて、超音波で処理された生物学的膜に与えられる。受け器は、接着剤を用いて生物学的膜に取り付けられる。一実施形態では、受け器は、パッチの形態で構成される。受け器は、浸透剤を含むヒドロゲルを含み得る。受け器は、浸透力の強度および持続時間を操作するための手段を含み得る。浸透力の強度は、電界力、磁界力、電磁界力、生化学反応、薬品、モル濃度調節、溶剤調節、pH調節、超音波界力、電気浸透フィールド力、イオン浸透フィールド力、電気穿孔(エレクトロポレーション)フィールド力
、およびそれらの組み合わせを用いて操作され得る。浸透力の持続時間は、電界力、磁界力、電磁界力、生化学反応、化学製品(薬品)、モル濃度調節、溶剤調節、pH調節、超音波フィールド力、電気浸透フィールド力、イオン浸透フィールド力、電気穿孔フィールド力、およびそれらの組み合わせを用いて操作され得る。受け器は、浸透剤と生化学試薬とを組み合わせて分析物の存在を検出し得る。試薬によって、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度、反射率、ラマン、磁気、質量分析、赤外(IR)分光学測定の方法、およびそれらの組み合わせを受け器上で行うことが可能になる。受け器はまた、検出のために周期的に除去され得る。
【0019】
一実施形態では、生物学的膜を浸透力にさらす強度、持続時間、および頻度は、超音波にさらされた生物学的膜と接触する浸透剤の濃度を、電流を用いて変化させることによって、操作される。浸透剤は、いくつかの荷電した種に解離し得る多荷電剤である。これらの帯電(荷電)した種は、電界力を用いて輸送される。膜は、荷電した種を分離するために用いられる。荷電した種は、電界力が除去されると自由に拡散および結合する。
【0020】
一実施形態では、生物学的膜を浸透力にさらす強度、持続時間、および頻度は、超音波にさらされた生物学的膜と接触する浸透剤の濃度を、活性力を用いて変化させることによって、操作される。浸透剤は、中性電荷剤であり得る。浸透剤は、様々なフィールドの力を用いて輸送される。フィールド力(界力)は、選択された浸透剤の構成および束一的性質に依存する。界力は、生物学的膜表面に向かっておよび生物学的膜表面から離れるように浸透剤を移動させるのに必要な力を生成する。浸透剤の移動によって、角質層を通した体液の周期的および連続的な抽出が調節される。
【0021】
一実施形態では、生物学的膜を浸透力にさらす強度、持続時間、および頻度は、超音波にさらされた生物学的膜と接触する浸透剤の濃度を変化させることによって操作される。溶剤の容量および浸透剤を含むヒドロゲルの容量を操作することによって、浸透剤の濃度を変化させる。ヒドロゲルの容量は、その容量がゲルに拡散し得る分子の濃度に敏感なヒドロゲルを構成することによって、変化させることが可能である。1つの例としては、分子グルコースに敏感なように構成されたヒドロゲルが挙げられる。ヒドロゲル容量はまた、その温度を操作することによって、およびゲルのpHを変更することによっても変化させることが可能である。
【0022】
浸透率が高められた生物学的膜の領域に取り付けられ、生物学的膜の領域を通しておよび生物学的膜から体液を受ける受け器が開示される。本発明の一実施形態によると、受け器は、第1のグリッド、少なくとも1つの薬品を含む媒体層、上記少なくとも1つの薬品に対する濃度勾配バリアを誘導する膜、対向グリッド、オキシダーゼ層、検出層、および上記第1のグリッドと上記対向グリッドとの間に電位差を提供する電圧源を有する。血液、間質液、分析物、およびリンパ液を含む体液は、生物学的膜からまたは生物学的膜を通して、第1のグリッド、対向グリッド、およびオキシダーゼ層を介して、検出層へ流れる。
【0023】
本発明の技術的利点は、体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のためのシステム、方法、およびデバイスが開示されることである。本発明の他の技術的利点は、分析物の濃度が連続的または周期的に測定されることである。
【0024】
本発明、本発明の目的および利点を更に完全に理解するために、添付の図面を参照しながら以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態による体液の非侵襲性のサンプリングの方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態による、生物学的膜の透過率を高めるために生物学的膜に超音波を制御して適用するためのデバイスを示す。
【図3】本発明の一実施形態による、分析物の濃度を推定するために体液の不連続の抽出および測定を行うための構成要素を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、分析物の濃度を推定するために体液の連続した抽出および測定を行うための構成要素を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、体液の定期的な浸透抽出を行うことによる分析物の定期的なモニタリングについてのアプローチを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による装着可能な抽出チャンバの構成要素を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるグルコース・フラックス対血液グルコース濃度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施形態およびその利点は、図面の図1から図7を参照することによって最良に理解される。同様の参照符号は、様々な図面において同様のおよび対応する部分を示すために用いられる。
【0027】
本明細書で用いる用語「体液」は、血液、間質液、リンパ液、および/または分析物を含む。更に、本明細書に用いる用語「生物学的膜」は、組織、粘膜、ならびに皮膚、口内および爪を含む角質組織を含む。更に、本明細書で用いる用語「力」は力グラジエント(力勾配)も含む。
【0028】
本発明は、人間への応用に関連して記載されているが、獣医学的応用も本発明の意図および範囲内である。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による体液の非侵襲性のサンプリングおよび分析のための方法を示すフローチャートが提供される。ステップ102において、生物学的膜の領域の透過率が高められる。一実施形態では、生物学的膜の領域は、哺乳類被検体の掌側前腕(volar forearm)に位置する。他の実施形態では、生物学的膜の領域は、哺乳類被検体の腿に位置する。更に他の実施形態では、生物学的膜の領域は、腹部に位置する。更に他の実施形態では、生物学的膜の領域は、背中に位置する。その他の体の位置を用いてもよい。
【0030】
一般に、生物学的膜の透過率を高めるために、物理的微小孔を形成すること、脂質二層構造を物理的に壊すこと、脂質二層構造を化学的に変性させること、角質層を物理的に壊すこと、および角質層を化学的に変性させることなどの、いくつかの技術が用いられ得る。微小孔(ミクロポア)の形成またはその破壊は、針、顕微針、シリコン顕微針、レーザ、吸収染料と組み合わせたレーザ、熱源、超音波針、超音波トランスデューサ、低温切除、RF切除、光音響切除、およびそれらの組み合わせを用いた物理的な侵入によって成し遂げられる。
【0031】
好ましい実施形態では、超音波を生物学的膜の領域に与えて、その透過率を高める。超音波は、一般に、約20kHzより大きい周波数の音として定義される。治療用超音波は、通常、20kHzから5MHzの間である。近超音波は、通常、約10kHzから約20kHzである。超音波に加えて、近超音波が本発明の実施形態で用いられ得ることを理解されたい。
【0032】
一般に、超音波または近超音波は、好ましくは、空洞化(キャビテーション)を引き起こし、生物学的膜の透過率を高めるのに十分な周波数で、生物学的膜の領域に与えられる。一実施形態では、超音波は、約10kHzから約500kHzの周波数で与えられる。他の実施形態では、超音波は、約20kHzから約150kHzの周波数で与えられる。更に他の実施形態では、超音波は、50kHzで与えられる。生物学的膜の透過率レベルを高めるために、他の周波数の超音波を用いてもよい。
【0033】
一実施形態では、超音波は、約0から約100ワット/cm2の範囲、好ましくは、0から約20ワット/cm2の範囲の強度を有する。他の適切な強度は必要に応じて用いられる。
【0034】
生物学的膜の浸透率を高めるための技術は、コスト(Kost)その他の米国特許第6190315号に開示されている。この開示の全体を本明細書では参照として援用する。
【0035】
ステップ104において、体液は、生物学的膜の領域を通して又は生物学的膜から抽出される。一実施形態では、浸透力などの外部力が抽出を助ける。一実施形態では、浸透力は、生物学的膜の透過率が高められる前、その間、およびその後に制御される。
【0036】
一実施形態では、浸透力は、浸透剤を生物学的膜の領域に与えることによって生成される。浸透剤は、元素、分子、巨大分子、化学化合物、またはそれらの組み合わせの形態であり得る。浸透剤はまた、液体溶剤、ヒドロゲル、ゲル、または同様の機能を有する溶剤と組み合わせられ得る。
【0037】
ステップ106では、外部力(external force)の大きさ、強度、および持続時間は、少なくとも1つの更なる第1のエネルギーおよび/または力によって調節され得る。一実施形態では、更なる第1のエネルギーおよび/または力は、生物学的膜を通しておよび生物学的膜から体液を抽出するための浸透剤の動きおよび機能を制御および調節するために与えられる。更なる第1のエネルギーおよび/または力は、熱、温度力、圧力、電動力、機械的振動、超音波、イオン導入、電磁力、磁力、光熱力、光音響力、およびそれらの組み合わせの形態で提供され得る。経皮的薬剤配送における電界および超音波の効果は、米国特許第6041253号に開示されている。この開示の全体を参照として援用する。
【0038】
一実施形態では、更なる第1のエネルギーおよび/または力が超音波によって提供される場合、超音波の周波数は、生物学的膜の透過率を高めるために用いられる周波数とは異なる周波数で提供される。一実施形態では、更なる第1のエネルギー/力の超音波の周波数は、透過率を高める超音波の周波数よりも高くてよい。
【0039】
ステップ108では、体液は受け器に収集される。一実施形態では、受け器は、パッチ、装着可能な貯蔵器、膜、吸収性ストリップ、ヒドロゲル、または等価の機能を果たす構造の形態で生物学的膜と接触する。他のタイプおよび構成の受け器を用いてもよい。
【0040】
一実施形態では、受け器には、体液中の分析物の濃度よりも実質的に低くなるように連続的に維持される分析物濃度を有する第2の受け器が設けられ、体液と第2の受け器との間の化学的濃度駆動力が最大になるようにする。これは、化学反応または希釈容量(volume for dilution)または同様の手段で成し遂げられる。
【0041】
一実施形態では、第2の外部エネルギー/力は、第1の受け器と第2の受け器との間に与えられる。一実施形態では、第2の外部エネルギー/力は、第1の外部エネルギー/力とは異なり得る(例えば、異なるタイプの外部力)。他の実施形態では、第2の外部エネルギー/力は、第1の外部エネルギー/力と同じであり得る(例えば、同じタイプの外部
力)。第1および第2の外部エネルギー/力は、タイプ(形式)、持続時間、および強度が多種におよび、更なる異なるエネルギーおよび/または力を通じて制御され得る。
【0042】
ステップ110では、収集された体液が分析される。一実施形態では、分析には、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度、反射率、ラマン、磁気、質量分析、赤外(IR)分光学の測定方法、およびそれらの組み合わせなどの適切な方法の使用が含まれ得る。
【0043】
一実施形態では、多数の分析物は、同時に、または平行して、または連続して分析される。これらの多数の分析からの結果は、例えば、分析および測定の正確さもしくは精度またはその両方を向上させるために、アルゴリズムと組み合わせて用いられ得る。
【0044】
一実施形態では、受け器は、収集した体液を分析するために、生物学的膜との接触を外される。他の実施形態では、受け器は、収集した体液を分析している間、生物学的膜と接触したまま維持される。
【0045】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による、生物学的膜の透過率を高めるために生物学的膜に超音波を制御して与えるデバイスが示されている。デバイス200はコントローラ202を有し、コントローラ202は、ケーブルなどの任意の適切な手段によって超音波アプリケータ204とインターフェースする。コントローラ202は、生物学的膜の領域に対する超音波の適用を制御する。一実施形態では、約0から約20ワット/cm2の範囲の強度を有する超音波または近超音波が、コントローラ202および超音波アプリケータ204によって生成される。一実施形態では、超音波は、約20kHzから約150kHzの周波数を有する。他の実施形態では、超音波は、50kHzの周波数を有する。他の超音波周波数も用いることができる。
【0046】
更に、コントローラ202は、必要に応じて情報をユーザに伝えるために、LCDまたはLEDディスプレイなどのようなディスプレイを含み得る。コントローラ202はまた、当該技術分野で知られたユーザ・インターフェースを含み得る。
【0047】
超音波アプリケータ204には、超音波結合溶液208を含むカートリッジ206が設けられる。カートリッジ206は、超音波結合溶液208をカプセル化したプラスチックなどの任意の材料で形成され得る。適切な超音波結合溶液208としては、限定はされないが、水、塩水、エタノールおよびイソプロパノールを含むアルコール類(水溶液中に10から100%の濃度範囲)、トリトンX−100、SLS、またはSDSなどの界面活性剤(好ましくは、水溶液中に0.001%ないし10%の間の濃度範囲)、DMSO(好ましくは、水溶液中に10%ないし100%の間の濃度範囲)、リノール酸などの脂肪酸(好ましくは、エタノール−水(50:50)混合物中に0.1%ないし2%の間の濃度範囲)、アゾン(好ましくは、エタノール−水(50:50)混合物中に0.1%ないし10%の間の濃度範囲)、好ましくは水溶液中に0.1%ないし50%の間の濃度範囲のポリエチレン・グリコール、好ましくは水溶液中に0.1ないし100mg/mlの間の濃度範囲のヒスタミン、好ましくは1ないし100mMの間の濃度範囲のEDTA、好ましくは1ないし100mMの間の濃度範囲の水酸化ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン、オクチルトリメチル臭化アンモニウム、ドデシルトリメチル臭化アンモニウム、テトラデシルトリメチル臭化アンモニウム、ヘキサデシルトリメチル臭化アンモニウム、塩化ドデシルピリジニウム水和物、SPAN20、BRIJ30、グリコール酸エトキシレート4−t−ブチル・フェニル・エーテル、IGEPAL CO−210、およびそれらの組み合わせなどの任意の材料が含まれ得る。
【0048】
一実施形態では、結合媒体はまた、化学エンハンサを含む。毛管透過率エンハンサ、例えば、ヒスタミン、を結合媒体に加えることによって、輸送が向上する。結合媒体中のヒ
スタミンの濃度は、0.1ないし100mg/mlの間の範囲である。これらの作用物質は、超音波を印加している間に生物学的膜をわたって送達され、局部流体圧力を増加させる局部浮腫を引き起こし、生物学的膜を通した分析物の輸送を高める。更に、浮腫による遊離流体の発生によって、空洞化が局部的に誘導され、生物学的膜を通しての分析物の輸送が高められる。
【0049】
一実施形態では、カートリッジ206は、超音波アプリケータ204に挿入されると穴をあけられ、超音波結合溶液208はチャンバ(図示せず)に転送される。
【0050】
ターゲット・リング210などのターゲット識別デバイスは、透過率が高められる生物学的膜の領域に取り付けられる。ターゲット・リング210は、経皮接着剤(図示せず)によって生物学的膜の領域に取り付けられる。一実施形態では、ターゲット・リング210は、経皮接着剤を予め適用され、それぞれの使用後に処理される。他の実施形態では、ターゲット・リング210は再利用可能である。
【0051】
ターゲット・リング210は、プラスチック、セラミック、ゴム、発泡材などを含む任意の適切な材料で形成される。一般に、ターゲット・リング210は、透過率を高めて体液を抽出するための生物学的膜の領域を識別する。一実施形態では、ターゲット・リング210は、生物学的膜の透過率が高められた後に、受け器214を生物学的膜と接触したまま保持するために用いられる。
【0052】
一実施形態では、ターゲット・リング210は、「Method and Apparatus for Enhancement of Transdermal Transport」という名称のPCT国際特許出願第PCT/US99/30067号において開示されているように、生物学的膜の透過率レベルをモニタするために用いられる。この開示の全体を参照として援用する。このような実施形態では、ターゲット・リング210は、超音波アプリケータ204とインターフェースする。
【0053】
超音波アプリケータ204は、ターゲット・リング210に適用され、活性化されて、超音波結合溶液208を生物学的膜にさらす。コントローラ202は、超音波アプリケータ204を制御し、超音波結合溶液208を通して超音波を伝達する。超音波にさらされている間、コントローラ202は、生物学的膜の透過率の変化を監視し、この情報をユーザに表示する。
【0054】
コントローラ202は、生物学的膜の透過率が所定のレベルに到達すると、超音波の適用を中止または停止する。この透過率のレベルは予めプログラムされるか、または超音波が与えられている間にリアルタイムで決定される。固体間で生物学的膜が相違するために、各固体に対しての所定のレベルの透過率がプログラムされる。
【0055】
透過率が所定のレベルに到達した後、超音波結合溶液208は、チャンバ(図示せず)からカートリッジ206に排出され、破棄される。他の実施形態では、超音波結合溶液208は、超音波アプリケータ204内の保持領域(図示せず)に排出され、後に破棄される。次に、超音波アプリケータ204は、ターゲット・リング210から外される。
【0056】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による、体液を分析するためのデバイスが提供される。受け器214は、ターゲット・リング210に配置され、生物学的膜を通しておよび/または生物学的膜から体液の不連続またはオンデマンドの抽出を行い得る。受け器214は、浸透剤を組み入れたヒドロゲル層などの媒体を含み得る。一実施形態では、ヒドロゲルは、リン酸緩衝塩水(PBS(phosphate buffered saline))を含むように調製され、塩水は、約0.01Mから約10Mの濃度範囲を有する塩化ナトリウムである。ヒドロゲルは、pH7で緩衝される。他の浸透剤もまた、塩化ナトリウムの代わりにま
たは塩化ナトリウムに加えて用いられる。好ましくは、これらの浸透剤は、刺激がなく、着色がなく、非免疫性である。このような浸透剤の例としては、とりわけ、乳酸塩および硫酸マグネシウムが挙げられる。
【0057】
他の実施形態では、受け器214は、半透過性膜内に含まれる水または緩衝液などの流体または液体媒体を含む。受け器214はまた、発泡材などの海綿状の材料を含み得る。
【0058】
受け器214は、生物学的膜に適用され、超音波にさらされた生物学的膜と接触する。一実施形態では、受け器214は、検出するのに十分な量の体液を収集するのに十分な期間、生物学的膜に接触される。他の実施形態では、受け器214は、所定量の体液を収集するのに十分な期間、生物学的膜に接触される。更に他の実施形態では、受け器214は、所定の時間、生物学的膜に接触される。一実施形態では、受け器214と生物学的膜との接触は、15分以下である。他の実施形態では、受け器214と生物学的膜との接触は、5分以下である。更に他の実施形態では、受け器214と生物学的膜との接触は、2分以下である。接触の実際の持続時間は、分析に用いられる検出方法の感度に依存する。
【0059】
一実施形態では、受け器214の媒体は、生物学的膜からまたは生物学的膜を通して抽出された体液中の特定の分析物の存在を検出するために、少なくとも1つの試薬(図示せず)を含み得る。一実施形態では、受け器214のヒドロゲル層は試薬を含み、試薬はイオン手段および/または共有結合手段によってヒドロゲルに付着されるか、またはゲル捕捉によって不動にされる。試薬はまた、ヒドロゲルに隣接した層として配置され、ヒドロゲルへと抽出された体液からの分析物は、拡散して反応し、副産物を生成することができる。次に、副産物は、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度、反射率、ラマン、磁気、質量分析、IR分光学の測定方法、およびそれらの組み合わせを用いて検出され得る。
【0060】
検出方法は、メータ212によって成し遂げられる。メータ212は、プロセッサ(図示せず)およびLCDディスプレイなどのディスプレイを含み得る。他の適切なディスプレイも提供され得る。
【0061】
一実施形態では、メータ212は、情報をコンピュータなどの外部デバイスにダウンロードさせるインターフェースを提供する。このようなインターフェースは、インターフェース・ケーブルの接続を可能にするものか、または無線インターフェースであり得る。
【0062】
メータ212は、グルコース・オキシダーゼを受け器214の媒体に導入(incorporate)することによって体液グルコース濃度を判定するように構成され得る。一実施形態では、抽出された体液からのグルコースは、グルコース・オキシダーゼと反応し、過酸化水素を生成する。過酸化水素は、受け器214に導入された電極の表面における過酸化水素の酸化によって検出される。過酸化水素の酸化は、電子を電極表面に転送し、それが、メータ212に導入されるポテンシオスタットを用いて計量され得る電流の流れを生成する。過酸化水素の濃度に比例するグルコース濃度が計算され、その結果は、ディスプレイを介してユーザに報告される。当業者に既知の電極および試薬の様々な構成が、グルコースおよび他の分析物の検出および分析を行うために導入され得る。
【0063】
メータ212はまた、体液濃度が変動することが予想されるグルコースなどの分析物、および体液濃度が、数分、数時間、または数日にわたって比較的安定したままであることが予想されるクレアチニンまたはカルシウムなどの分析物の濃度を同時に測定するようにも構成され得る。変動する及び安定した分析物の相対的な濃度を考慮するアルゴリズムによって判定される分析物濃度が、ディスプレイを介してユーザに報告される。
【0064】
他の実施形態では、メータ212は、同時に、または平行して、または連続して多数の
分析物を分析し得る。これらの多数の分析からの結果は、例えば、分析および測定の正確さもしくは精度またはその両方を向上させるためにアルゴリズムと組み合わせて用いられる。
【0065】
受け器214は、抽出および測定ステップの後に破棄される。他の実施形態では、受け器214は、再利用される。一実施形態では、受け器214は、再利用される前に、洗浄、殺菌等をされる。当業者に既知の電極および試薬の様々な構成を、グルコースおよび他の分析物を検出および分析するために導入することができる。
【0066】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態による、分析物の濃度を推定するための体液の連続した抽出および分析のためのデバイスが提供される。図に示されるように、前腕、腹部、または腿における生物学的膜の部位が、超音波にさらされる。背中の部位などの他の生物学的膜の部位も使用することができる。受け器214に類似であってもよい受け器402は、超音波にさらされた生物学的膜の部位と接触し、体液の連続した抽出を行う。一実施形態では、受け器402は、塩化ナトリウムなどの浸透剤を導入し得るヒドロゲル層などの媒体を含み得る。ヒドロゲルは、リン酸緩衝塩水(PBS)を含むように調製され、塩水は、0.01Mから10Mの濃度範囲を有する塩化ナトリウムである。ヒドロゲルは、pH7で緩衝される。
【0067】
他の浸透剤を、塩化ナトリウムの代わりにまたは塩化ナトリウムに加えて用いることもできる。これらの浸透剤は、好ましくは、刺激がなく、着色がなく、および非免疫性である。これらの他の浸透剤の例としては、とりわけ、乳酸塩および硫酸マグネシウムが挙げられる。受け器402は、超音波にさらされた生物学的膜と接触するように適用される。一実施形態では、この接触の持続時間は、12ないし24時間、またはそれ以上であり得る。他の実施形態では、実質的により短い持続時間および実質的により長い持続時間を含む他の接触持続時間も、必要に応じて用いることができる。
【0068】
他の実施形態では、受け器402は、半浸透性膜内に含まれる水もしくは緩衝液などの流体または液体媒体を含み得る。受け器402はまた、発砲材などの海綿状の材料を含み得る。
【0069】
一実施形態では、受け器402の媒体は、生物学的膜を通しておよび生物学的膜から抽出された体液中の分析物の存在を検出する少なくとも1つの試薬(図示せず)を含む。一実施形態では、受け器402のヒドロゲル層は、イオンおよび共有結合手段によってヒドロゲルに付着されるか、またはゲル捕捉によって不動にされる試薬を含む。試薬はまた、ヒドロゲルの隣接層として配置され、ヒドロゲルへと抽出された体液からの分析物は、それへ拡散および反応して副産物を生成する。副産物は、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸光度、反射率、ラマン、磁気、質量分析、IR分光学の測定方法、およびそれらの組み合わせを用いて検出され得る。
【0070】
検出方法および結果は、上記のメータ212と機能が同様であり得るメータ404によって行われ、ユーザに提示される。一実施形態では、メータ404は装着可能である。例えば、図示するように、メータ404は、腕時計を装着するのと同様に装着され得る。また、メータ404は、ベルト上、ポケット内等にも装着され得る。
【0071】
メータ404は、パワー(電力)および電子機器を導入し、体液の周期的な抽出を制御し、分析物を検出し、分析物の濃度を連続して提示することができる。メータ404は、センサ信号を得るために電子機器およびソフトウェアを含み、信号処理を行い、分析情報および傾向情報を格納することができる。
【0072】
一実施形態では、メータ404は、コンピュータなどの外部デバイスへ情報をダウンロードさせるインターフェースを提供する。このようなインターフェースは、インターフェース・ケーブルの接続を可能にするか、または無線インターフェースである。
【0073】
メータ404は、グルコース・オキシダーゼを媒体に導入することによって体液グルコース濃度を判定するように構成される。一実施形態では、抽出された体液からのグルコースは、グルコース・オキシダーゼと反応し、過酸化水素を生成する。過酸化水素は、受け器402に導入された電極の表面における過酸化水素の酸化によって検出される。過酸化水素の酸化は電極表面に電子を運び、それが、メータ404に導入されるポテンシオスタットを用いて計量され得る電流の流れを生成する。過酸化水素の濃度に比例するグルコース濃度は計算され、その結果は、ディスプレイを介してユーザに報告される。当業者に既知の電極および試薬の様々な構成を、グルコースおよび他の分析物の検出および分析を行うために導入することができる。
【0074】
一実施形態では、メータ404はまた、グルコースのような、体液濃度が変動することが予想される分析物、およびクレアチニンまたはカルシウムなどのような、体液濃度が、数分、数時間または数日にわたって比較的安定したままであることが予想される分析物の濃度を同時に測定するようにも構成できる。変動するおよびより安定した分析物の相対的な濃度を考慮するアルゴリズムによって判定され得る分析物濃度を、ディスプレイを介してユーザに報告することができる。
【0075】
他の実施形態では、メータ404は、同時に、または平行して、または連続して、多数の分析物を分析することができる。これらの多数の分析からの結果は、例えば、分析および測定の正確度もしくは精度またはその両方を向上させるために、アルゴリズムと組み合わせて用いることができる。
【0076】
他の実施形態では、受け器402は、メータ404によって分析のために生物学的膜との接触を外される。受け器402は、このような分析の後に、生物学的膜と接触される。
【0077】
メータ404は、周期的にまたは連続して分析物の読み取り値をユーザに提供する。例えば、一実施形態では、分析物グルコースの連続的監視において、グルコース濃度が、30分毎に、より好ましくは15分毎に、最も好ましくは5分毎に、または更に頻繁に、ユーザに表示され得る。他の実施形態では、グルコース濃度は、連続して表示され得る。周期は、分析物検出の感度および方法に依存する。連続的グルコース監視(モニタリング)では、一実施形態において、グルコースの検出は、受け器402に導入された電極および試薬を用いた電気化学方法で行われ、検出および分析はメータ404によって行われる。測定期間の間、体液の浸透抽出は、受け器402のヒドロゲル層によって連続して行われる。体液は、受け器402のヒドロゲルにおいて蓄積する。体液のグルコースは、拡散してグルコース・オキシダーゼと反応し、過酸化水素に変換される。過酸化水素は、基準電極に対して動作電極を保つことによって消費される。休止期間の間、過酸化水素は蓄積し、測定期間の前に消費または破壊される。蓄積された過酸化水素を迅速に消費するような大きさの動作電位を与えることができる。
【0078】
図5を参照すると、本発明の他の実施形態による、体液の周期的な浸透抽出を行うことによる分析物の定期的な監視のためのアプローチが示されている。浸透抽出の強度および頻度は、多荷電種(multiple charged species)に解離する浸透剤を用いて操作され、電位は、電荷の濃度を生物学的膜の表面550の方へおよび生物学的膜の表面550から移動させるために用いられる。受け器500は、グリッド、メッシュまたはスクリーン504、ヒドロゲル層であり得る媒体506、膜508、対向グリッド、メッシュまたはスクリーン510、オキシダーゼ層512、および検出層514を含む。グリッド504お
よび対向グリッド510は、電圧源516に接続される。膜508は半浸透性膜であり、媒体506に含まれる浸透剤に対する濃度勾配バリアを誘導するために用いられる。好ましい浸透剤は、負および正の種または対イオンを含み得る。超音波にさらされた生物学的膜の角質層に隣接した境界において荷電種(charged species)の濃度を操作することによって、体液の周期的な抽出を行うことができる。
【0079】
一実施形態では、受け器500は、ヒドロゲルまたは他の適切な媒体である接触媒体502を通して皮膚と接触する。
【0080】
荷電種の濃度は、電源516を用いてグリッド504と対向グリッド510との間に電位差を与えることによって操作される。一実施形態では、電位差は、浸透剤を操作するのに十分な大きさである。また、グリッドの極性を変化させて、生物学的膜の表面550に向かっておよび生物学的膜の表面500から電荷を輸送するようにする。グリッド504および対向グリッド510は、角質層からグリッド504、グリッド510を通して、オキシダーゼ層512、および最終的には検出層514へ体液および/または分析物を移動させるような最適な孔を備えるように構成される。オキシダーゼ層512は、分析物検出の特異性を与えるために、適切な触媒または酵素と共に用いられる。検出層514は動作電極および基準電極(図示せず)を含み、オキシダーゼ層512の副産物の検出を可能し、分析の所望の分析物の濃度を計量する。
【0081】
実施例: 本発明をより理解するために実施例を提供する。実施例は、本発明をいかなるようにも限定するものではなく、本発明の実施形態を例示することを意図する。
【0082】
以下は、本発明の一実施形態に従って、高浸透(hyperosmotic)抽出流体を用い、この状態と等浸透(iso-osmotic)抽出流体とを比較しての、人間における体液グルコース濃度を判定するための、体液を苦痛なく抽出、収集、および分析するように実施した実験に関する記載である。体液グルコース濃度を、実行可能性を示すための一例として用いるが、他の分析物も本発明の範囲内である。更に、多数の分析物を、同時に、または平行して、または連続して測定および/または分析し、これらの多数の測定からの結果を、例えば、測定の正確度もしくは精度またはその両方を向上させるためにアルゴリズムと組み合わせて用いることができる。当業者に認識され得るように、これらのステップは、自動化され、上記のデバイスを用いて実行され得る。
【0083】
志願者の掌側前腕における4つの部位を、図2に示すデバイスを用いて超音波で処理した。超音波トランスデューサおよびそのハウジングを、十分な圧力をかけて、志願者の掌側前腕に配置し、皮膚と外部トランスデューサハウジングとを良好に接触させ、漏れを防止した。その後、トランスデューサを囲む領域を、リン酸緩衝塩水(PBS)中のシリカの粒子およびドデシル硫酸ナトリウムの結合媒体で充填した。超音波を短期間(5から30秒)与え、トランスデューサ装置を生物学的膜から除去し、皮膚を水道水ですすいで、乾燥させた。
【0084】
図6は、装着可能な抽出チャンバ600の構成要素を示す。4つの抽出チャンバを、志願者の音波処理した各部位に配置した。薄い円形のフォーム(泡)チャンバ602をフォームMED5636 Avery Dennison(7/16”ID×1 1/8”OD)(1”は約2.54cm)を用いて構成した。泡チャンバ602を、エレメント602の一側に付着した両面接着剤(Adhesive Arcade 8570、7/16”ID×7/8”OD)を用いて、音波処理された生物学的膜の部位に同心状に付着させた。泡チャンバ602の他側を両面接着剤604(Adhesive Arcade 8570、7/16”ID×7/8”OD)に同心状に付着させた。薄い透明な蓋606は、3M(R)ポリエステル1012(1 1/8”×1 1/8”)で形成した。生物学
的膜に付着させたときに、液体を泡チャンバ602の内径に配置した後、両面接着剤604は、薄い透明な蓋606を泡チャンバ602に付着させることを可能にした。薄い透明な蓋606は、抽出チャンバから液体が漏れないようにし、抽出チャンバを長期にわたって装着可能にするように作用した。
【0085】
各抽出チャンバを100μlの抽出溶液で15分間および100μlの水和物溶液で10ないし40分間、交互に充填した。抽出溶液はPBSであった。2つの部位では、PBSは更なるNaClを含み、NaClの全濃度は1Mになった。すべての部位に対して水和物溶液はPBSであった。
【0086】
溶液を収集し、高圧液体クロマトグラフィーを用いてグルコース濃度を分析した。HPLC濃度の結果を注入量および全溶液容量に関して正規化し、グルコース・フラックス(Qg)、即ち、単位面積当たりかつ単位時間当たりの音波処理された部位を横切ったグルコースの質量、として報告した。ベイヤ・グルコメータ・エリート(Bayer Glucometer Elite)(R)・メータにおいて刺した(lanced)指から得られた毛細管血液をテストすることによって、体液グルコース濃度(Cbg)を得た。QgはCbgに対して線形に比例すると仮定した。図7は、Qg対Cbgのグラフを示す。予想外に、1MのNaClにさらした音波処理部位からのQgは、0.15MのNaClにさらした音波処理部位からのQgよりもはるかに強くCbgと関連していた。
【0087】
本発明の他の実施形態および使用は、明細書および本明細書で開示した本発明の実施を考慮すると当業者には明白である。米国および外国の特許ならびに特許出願を含む本明細書で引用したすべての参照文献は、本明細書では、特にその全体を参照として援用する。明細書および実施例は、例示のみを目的とし、本発明の真の範囲および精神は請求の範囲に示されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲性の体液のサンプリングおよび分析の方法であって、
或る透過率レベルを有する生物学的膜の領域を識別するステップと、
生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させるステップと、
前記生物学的膜の領域と受け器とを接触させるステップと、
体液を前記生物学的膜の領域を通じて抽出するステップと、
前記体液の抽出を高めるために外部力を提供するステップと、
前記受け器に体液を収集するステップと、
少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析するステップと、
前記体液を分析する前記ステップの結果を提供するステップと
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、或る透過率レベルを有する生物学的膜の領域を識別する前記ステップが、前記生物学的膜の領域へターゲット識別デバイスを提供するステップを備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させる前記ステップが、約10kHzから約500kHzの周波数範囲を有する超音波を前記生物学的膜の領域へ印加するステップを備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させる前記ステップが、約20kHzから約150kHzの周波数範囲を有する超音波を前記生物学的膜の領域へ印加するステップを備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させる前記ステップが、約50kHzの周波数を有する超音波を前記生物学的膜の領域へ印加するステップを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させる前記ステップが、前記生物学的膜の領域の透過率レベルを所定のレベルへ増加させるステップを備える方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、生物学的膜の領域の透過率レベルを増加させる前記ステップが、
前記生物学的膜の領域に微小孔を作ることと、
前記生物学的膜の領域の脂質二層構造体を物理的に壊すことと、
前記生物学的膜の領域の脂質二層構造体を化学的に変えることと、
前記生物学的膜の領域の角質層を物理的に壊すことと、
前記生物学的膜の領域の角質層をを化学的に変えることと
を含むグループから選択された方法で前記生物学的膜の透過率レベルを増加させるステップ
を備える、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記受け器に、或る濃度の前記少なくとも1つの分析物を有する第2の受け器を提供するステップと、
前記第2の受け器の前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を、前記体液の前記少なくとも1つの分析物の濃度よりも低いレベルに維持するステップと
を更に備える方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、第2の外部力を前記第2の受け器へ提供するステップを更に備える方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記第1の外部力と前記第2の外部力とは、形式、持続期間、強度のうちの少なくとも1つが異なる、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記体液の抽出を高めるために外部力を提供する前記ステップは、前記体液の抽出を向上させるために少なくとも1つの浸透力を発生するステップを備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記体液の抽出を向上させるために少なくとも1つの浸透力を発生する前記ステップは、少なくとも1つの浸透作用物質を前記生物学的膜の領域へ適用することにより前記少なくとも1つの浸透力を発生するステップを更に備える、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記体液の抽出を向上させるために少なくとも1つの浸透力を発生する前記ステップは、
熱と、温度力と、圧力と、電動力と、機械的振動と、超音波と、イオン導入と、電磁気力と、磁力と、光熱力と、光音響力と、これらの組み合わせとを含むグループから選択された外部力で前記少なくとも1つの浸透力を調整するステップ
を更に備える、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記体液の抽出を向上させるために少なくとも1つの浸透力を発生する前記ステップは、前記少なくとも1つの浸透力の強度と、前記少なくとも1つの浸透力の期間と、前記少なくとも1つの浸透力の周波数とのうちの少なくとも1つを操作するステップを更に備える、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、電界力を適用することと、磁界力を適用することと、電磁界力を適用することと、化学物質を適用することと、前記少なくとも1つの浸透作用物質のモル濃度を調節することと、前記少なくとも1つの浸透作用物質のpHレベルを調節することと、超音波フィールド力を適用することと、電気浸透フィールド力を適用することと、イオン導入フィールド力を適用することと、エレクトロポレーション・フィールド力を適用することと、これらの組み合わせとを含むグループから選択された方法で、前記外部力を生成するステップ
を更に備える方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、前記少なくとも1つの分析物を検出するために前記受け器へ少なくとも1つの試薬を提供するステップを更に備える、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、
電気化学、生化学、光学、蛍光、吸収度、反射率、ラマン効果、磁気、質量分析、IR分光学の方法、およびこれらの組み合わせを含むグループから選択された方法を用いて、前記少なくとも1つの分析物の存在を検出するステップ
を更に備える、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集
した前記体液を分析する前記ステップは、
前記少なくとも1つの分析物の存在を検出するために、電気化学、生化学、光学、蛍光、吸収度、反射率、ラマン効果、磁気、質量分析、IR分光学の測定方法、およびこれらの組み合わせを含むグループから選択された方法を用いて前記体液を分析するための計器を提供するステップ
を更に備える、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、少なくとも1つの分析物の存在に対して、集めた前記体液を周期的に分析するステップを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、少なくとも1つの分析物の存在に対して、集めた前記体液を連続的に分析するステップを更に備える、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、前記体液の前記少なくとも1つの分析物の濃度を判定するステップを更に備える、方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの分析物の存在を検出するために収集した前記体液を分析する前記ステップは、前記体液の複数の分析物の濃度に基づいて、前記体液の前記少なくとも1つの分析物の濃度を判定するステップを更に備える、方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法であって、所定の状態の後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除くステップを更に備える方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、所定の状態の後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除く前記ステップは、分析のために十分な量の体液が前記受け器に集められた後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除くステップを備える、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、所定の状態の後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除く前記第ステップは、前記受け器が前記生物学的膜の領域に接触した後の15分以内に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除くステップを備える、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、所定の状態の後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除く前記ステップは、前記受け器が前記生物学的膜の領域に接触した後の10分以内に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除くステップを備える、方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であって、所定の状態の後に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除く前記ステップは、前記受け器が前記生物学的膜の領域に接触した後の5分以内に前記生物学的膜の領域から前記受け器を除くステップを備える、方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法であって、前記体液を分析する前記ステップの結果を提供する前記ステップは、前記体液を分析する前記ステップの前記結果を表示するステップを備える、方法。
【請求項29】
体液を非侵襲的にサンプリング及び分析するシステムであって、
超音波の発生を制御するコントローラと、
前記超音波を生物学的膜のある領域に適用する超音波アプリケータと、
生物学的膜の前記領域に接触し、生物学的膜の前記領域を通してその内部からの体液を
受け取る受け器であって、膜と、前記膜に含まれる媒体とを備えた受け器と、
前記受け器と相互作用して、前記受け器の中の体液における少なくとも1つの分析物の存在を検出する計器と、
を備えるシステム。
【請求項30】
請求項29記載のシステムであって、前記コントローラは、生物学的膜の前記領域の浸透率レベルを測定するデバイスを備える、システム。
【請求項31】
請求項29記載のシステムであって、前記超音波アプリケータへ挿入される超音波結合溶液を含むカートリッジを更に備えるシステム。
【請求項32】
請求項31記載のシステムであって、前記超音波アプリケータは、
前記カートリッジを受けるカートリッジ・チャンバと、
前記カートリッジから前記超音波結合溶液を受ける溶液チャンバと
を備える、システム。
【請求項33】
請求項29記載のシステムであって、前記媒体は、少なくとも1つの浸透剤と、ヒドロゲル層、流体、及び液体の中の少なくとも1つとを含む、システム。
【請求項34】
請求項33記載のシステムであって、前記浸透剤は、塩化ナトリウム、乳酸塩、硫化マグネシウムの少なくとも1つを含む、システム。
【請求項35】
請求項33記載のシステムであって、前記媒体は少なくとも1つの試薬を含む、装置。
【請求項36】
請求項29記載のシステムであって、前記計器は、
プロセッサと、
電気化学的検出器、生化学的検出器、蛍光性検出器、吸収度検出器、反射率検出器、ラマン検出器、磁気検出器、質量分析検出器、IR分光検出器、及びこれらの組合せを含むグループから選択される、前記分析物の存在を検出するデバイスと
を備える、システム。
【請求項37】
請求項29記載のシステムであって、前記計器は、分析物の濃度を表示するディスプレイを備える、システム。
【請求項38】
請求項請求項29記載のシステムであって、生物学的膜の前記領域に第1の追加的なエネルギ/力を提供するデバイスを更に備える、システム。
【請求項39】
請求項29記載のシステムであって、生物学的膜の前記領域に付着されるターゲット・リングを更に備える、システム。
【請求項40】
請求項29記載のシステムであって、前記ターゲット・リングは接着剤を用いて予め適用される、システム。
【請求項41】
請求項38記載のシステムであって、
前記受け器と連絡し、或る濃度の前記少なくとも1つの分析物を有する第2の受け器を更に備え、
前記第2の受け器の中の前記少なくとも1つの分析物の前記濃度は、前記体液の中の前記少なくとも1つの分析物の濃度よりも低いレベルに維持される、
システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムであって、前記受け器に第2の追加的なエネルギ/力を提供するデバイスを更に備える、システム。
【請求項43】
請求項42記載のシステムであって、前記第1の追加的なエネルギ/力と前記第2のエネルギ/力とは、形式、持続時間、及び強度のうちの少なくとも1つが異なる、システム。
【請求項44】
請求項29記載のシステムであって、前記計器は装着可能である、システム。
【請求項45】
体液を非侵襲的にサンプリング及び分析する方法であって、
或る生物学的膜の領域の透過率レベルを上昇させるステップと、
受け器を前記生物学的膜の領域に付着させるステップと、
生物学的膜の前記領域を通してその外部へ体液を抽出するステップと、
前記受け器の中に体液を収集するステップと、
前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項46】
請求項45記載の方法であって、受け器を生物学的膜の前記領域に付着させる前記ステップは、接着剤を用いて前記受け器を生物学的膜の前記領域に接触させるステップを含む、方法。
【請求項47】
請求項45記載の方法であって、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を判定する前記ステップは、
電気化学、生化学、光学、蛍光性、吸収度、反射率、ラマン効果、磁気、質量分析、IR分光の測定方法、及びこれらの組合せを含むグループから選択された方法を用いて、前記少なくとも1つの分析物の存在を検出するステップ
を備える、方法。
【請求項48】
請求項45記載の方法であって、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を判定する前記ステップは、
前記少なくとも1つの分析物の存在を検出するために、電気化学、生化学、光学、蛍光性、吸収度、反射率、ラマン効果、磁気、質量分析、IR分光による測定方法、及びこれらの組合せを含むグループから選択された方法を用いて前記体液を分析する計器を提供するステップ
を備える、方法。
【請求項49】
請求項48記載の方法であって、前記計器を装着するステップを更に備える、方法。
【請求項50】
請求項45記載の方法であって、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を判定する前記ステップは、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を連続的に判定するステップを備える、方法。
【請求項51】
請求項45記載の方法であって、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定する前記ステップは、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を周期的に判定するステップを備える、方法。
【請求項52】
請求項45記載の方法であって、前記体液の中の少なくとも1つの分析物の濃度を判定する前記ステップは、前記体液の中の複数の分析物の濃度に基づいて、前記体液の中の前記少なくとも1つの分析物の濃度を判定するステップを備える、方法。
【請求項53】
請求項45記載の方法であって、前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を表示するステップを更に備える、方法。
【請求項54】
請求項45記載の方法であって、受け器を生物学的膜の領域に付着させる前記ステップは、前記受け器を前記生物学的膜の領域に少なくとも24時間の間付着させるステップを備える、方法。
【請求項55】
請求項45記載の方法であって、受け器を生物学的膜の領域に付着させる前記ステップは、前記受け器を前記生物学的膜の領域に少なくとも12時間の間付着させるステップを備える、方法。
【請求項56】
請求項45記載の方法であって、受け器を生物学的膜の領域に付着させる前記ステップは、前記受け器を前記生物学的膜の領域に少なくとも6時間の間付着させるステップを備える、方法。
【請求項57】
請求項45記載の方法であって、受け器を生物学的膜の領域に付着させる前記ステップは、前記受け器を前記生物学的膜の領域に少なくとも2時間の間付着させるステップを備える、方法。
【請求項58】
体液を非侵襲的にサンプリング及び分析する装置であって、
透過率を上昇させた生物学的膜のある領域に付着され、生物学的膜の前記領域を通過してその内部からの体液を受け取る受け器であって、膜と前記膜に含まれる媒体とを備えた受け器と、
前記受け取られた体液における少なくとも1つの分析物の存在を検出し、前記分析物の濃度を示す装着可能な計器と、
を備え、前記計器は、
プロセッサと、
電気化学的検出器、生化学的検出器、蛍光検出器、吸収度検出器、反射率検出器、ラマン検出器、磁気検出器、質量分析検出器、IR分光検出器、及びこれらの組合せを含むグループから選択される、前記分析物の存在を検出するデバイスとを備える、
装置。
【請求項59】
請求項58記載の装置であって、前記媒体は、少なくとも1つの浸透剤と、ヒドロゲル層、流体、及び液体の中の少なくとも1つとを備える、装置。
【請求項60】
請求項59記載の装置であって、前記浸透剤は、塩化ナトリウム、乳酸塩、硫化マグネシウムの中の少なくとも1つを備える、装置。
【請求項61】
請求項59記載の装置であって、前記媒体は少なくとも1つの試薬を更に備える、装置。
【請求項62】
請求項58記載の装置であって、前記装着可能な計器は、分析物の濃度を表示するディスプレイを更に備える、装置。
【請求項63】
請求項58記載の装置であって、前記受け器は経皮的な接着剤を更に備える、装置。
【請求項64】
透過率を上昇させた生物学的膜のある領域に付着され、生物学的膜の前記領域を通過してその内部からの体液を受け取る受け器であって、
第1のグリッドと、
少なくとも1つの薬剤を含む媒体層と、
前記少なくとも1つ薬剤に対する濃度勾配バリアを誘導する膜と、
カウンタ・グリッドと、
オキシダーゼ層と、
検出層と、
前記第1のグリッドと前記カウンタ・グリッドとの間に電位差を提供する電圧源と、
を備え、前記体液は、前記生物学的膜から外へ又はそれを通過して、前記第1のグリッド、前記カウンタ・グリッド、及び前記オキシダーゼ層を介して、前記検出層へ流れる、
受け器。
【請求項65】
請求項64記載の受け器であって、前記体液は、血液、間隙流体、分析物、及びリンパ液の中の少なくとも1つを含む、受け器。
【請求項66】
請求項64記載の受け器であって、前記媒体層は、ヒドロゲルと液体との少なくとも一方を含む、受け器。
【請求項67】
請求項64記載の受け器であって、前記少なくとも1つの薬剤は浸透性薬剤を含む、受け器。
【請求項68】
請求項67記載の受け器であって、前記浸透性薬剤は、負又は正に荷電した核種を含む、受け器。
【請求項69】
請求項68記載の受け器であって、前記荷電した核種の濃度は、前記電圧源を用いて変更させることができる、受け器。
【請求項70】
請求項64記載の受け器であって、前記オキシダーゼ層は、少なくとも1つ分析物を検出する少なくとも1つの触媒又は酵素を含む、受け器。
【請求項71】
請求項64記載の受け器であって、前記検出層は、
少なくとも1つの作業電極と、
少なくとも1つの基準電極と
を更に備え、前記少なくとも1つの作業電極と前記少なくとも1つの基準電極とにより、前記オキシダーゼ層の副生成物を検出し、検出対象である所望の分析物の濃度を数量化することを可能とする、
受け器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−68263(P2012−68263A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−270093(P2011−270093)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2001−568521(P2001−568521)の分割
【原出願日】平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願人】(501242701)ソントラ・メディカル・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】