説明

体液サンプリングデバイスおよびその方法

本発明の実施形態に従って、体液サンプリングデバイスを開示する。デバイスは、チャネルを通る流体の通過を可能にするためのチャネルと、チャネル内の流体の流れを維持するための流量制御器と、捕集媒体に向けて流体の流れの方向を変化させるための流動方向制御器とを含み、流量制御器は、捕集媒体上にサンプルとしての流体の一部を送達する。
一実施形態において、チャネルは、カテーテル管等の可撓性管およびデバイスの筐体内の通路から選択される、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプリングデバイスに関する。より具体的には、本発明は、流体サンプリングデバイスおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体サンプルの収集およびそれに続く分析は、工業過程を監視し、薬学的、化学的化合物ならびに動物およびヒト、ならびに自然または人為システムにおける生体物質の特性および原動力を判定し、環境調査および監視のために、汚水、小川および川における流水、降水を監視するために使用される。
【0003】
医学および製薬工業において、しばしば、生物、例えば、ラットおよびブタ等の検査対象を用いて薬物動態学的研究を実行する必要性がある。そのような研究では、検査対象から複数のサンプルまたは標本を採取するのが一般的である。また、検査対象における段階的反応の観察を可能にするために、数時間または数日間の過程で、検査対象に物質を注入することも一般的である。
【0004】
同様に、患者の血液化学および患者の血液化学の監視は、患者治療において重要な診断手段である。例えば、血液検体およびパラメータの測定は、しばしば、切望する患者に適正な投与量および投与期間に関する情報を提供する。血液検体およびパラメータは、頻繁に変化する傾向があるが、しかしながら、それゆえに特に連続治療下の患者の場合において、測定過程を面倒かつ高頻度、および扱いを困難にさせる。従来の測定法は、体の好都合な部分(通常、指先)を鋭いランセットで切開し、刺通部位で一滴の血液を生み出すために指を絞り、測定デバイス(分析ストリップ等)上に一滴の血液を置くことを必要とする。このランセットで切開する方法は、痛みを伴い、面倒で、患者に不便である。
【0005】
標本を採取する手作業の時間および費用、ならびにそのような手作業に関連する実験動物またはヒト対象のストレスを最小限にするために、サンプル採取手順を自動化する試みがもたらされている。
【0006】
しかしながら、既存のサンプリングシステムの大部分は、通常、以下の制限の少なくとも1つに悩まされる。システムは、携帯型ではなく、それらの機能性は、重力または一定のシステム向きのいずれか一方に依存する。いくつかのシステムは、1つのサンプルからそれに続くサンプルまでに起こり得るサンプルキャリーオーバーに悩まされる。他では、サンプルは、水洗流体で希釈されるが、1つのサンプルから別のサンプルまでのキャリーオーバーを制限するための水洗流体の使用はまた、いくつかのサンプル流体の消耗に導く。いくつかの他のシステムでは、サンプルは、分析デバイスに導入される前に、ピペット操作、希釈、または遠心分離等の手動処置のある種の形態を必要とする。他のシステムでは、サンプルは、起こり得る検体の劣化を最小限にするために、冷却または凍結を必要とする。また、個々のサンプルは、サンプリングと分析との間で破壊、紛失、または汚染される場合があり、いくつかのシステムでは、サンプルは、出荷または保存への準備はすぐには整わない。さらに、いくつかの他のシステムにおいて、サンプルの取り扱いを可能にするために、略50マイクロリットルの最小のサンプル量が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のシステムの制限を打開し、携帯性、流体の連続サンプリング、容易な保存および取り扱い、ならびに収集サンプルの自動調製および分析を可能にする体液サンプリングデバイスの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に従って、体液サンプリングデバイスが開示される。デバイスは、チャネルを通る流体の通過を可能にするためのチャネル、チャネル内の流体の流れを維持するための流量制御器、捕集媒体に向かって流体の流れの方向を変化させるための流動方向制御器を含み、流量制御器は、捕集媒体上にサンプルとしての流体の一部を送達する。
【0009】
本発明の別の実施形態に従って、本発明は、体液をサンプリングするための方法を開示する。方法は、チャネルを通して流体を通過させること、流体制御器を使用して、チャネル内で流体の流れを維持すること、捕集媒体に向かって流体の流れの方向を変化させること、および流体制御器を使用して、捕集媒体上にサンプルとしての流体の一部を送達することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態は、その利点とともに、添付の図と併せて解釈される以下の詳述から最もよく理解され得る:
【図1】図1は、本発明の実施形態による体液サンプリングデバイスを示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態によるチャネルを示す。
【図3A】図3は、本発明の実施形態によるチャネル部を示し、図3(A)では、チャネル部は第1の位置にあり、図3(B)では、チャネル部は第2の位置にある。
【図3B】図3は、本発明の実施形態によるチャネル部を示し、図3(A)では、チャネル部は第1の位置にあり、図3(B)では、チャネル部は第2の位置にある。
【図4】図4は、本発明の実施形態による照射手段および検出器を備えているデバイスを示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態による捕集媒体の設定を示す。
【図6】図6は、本発明の実施形態による小型サンプル記録媒体を示す。
【図7】図7は、本発明の実施形態による分離膜コイルを示す。
【図8】図8は、本発明の実施形態による捕集媒体を示す。
【図9】図9(A)、図9(B)は、本発明の実施形態によるカセットを示す。
【図10】図10は、本発明の実施形態による流体をサンプリングするための方法を示す。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態による流体をサンプリングするための方法を示す。
【図12】図12は、本発明の実施形態による捕集媒体の移動を示す。
【図13】図13は、図13(A)では、複数の指を示す直線蠕動ポンプの断面図、および図13(B)では、直線蠕動ポンプ内のカムローブに操作可能に接続される指の別の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、生体液等であるが、それに限定されない流体サンプルの収集、保存、処置/調製、および分析のための方法およびデバイスに関する。流体は、血液、消化器内容物、尿、脳脊髄液、唾液を含み得、他の状況では、流体は、発酵および化学反応器からの工業用流体、海水、小川、川、降水、帯水層、ならびに汚泥および汚水等の他の供給源等の天然源からの流体を含み得、それらは、捕集媒体上にサンプルを堆積することによって、流体を運搬するチャネルのチャネル部に移動および曝露される。媒体は、容易な取り扱いおよび汚染の防止のためにカセット内に含まれ得、分析は、捕集媒体を知られている分析法に直接供することによって実行され得る。
【0012】
本発明のデバイスおよび方法は、収集および保存が、小動物または産業、自然、もしくは生物学的システムにおける流体の小さい流れ等、利用可能な流体の量が非常に限られている供給源/対象からであり得る状況において使用され得る。また、デバイスは、ヒトもしくは動物からのサンプリング(収集)の他の手段が対象に支障を来たすか、または測定に影響を及ぼし得る場合に使用され得る。
【0013】
本発明は、添付の図を用いて下で説明される。デバイスの構成要素の同一の特性が、異なる図において、同一の参照番号で参照されることが当業者に理解されるであろう。
【0014】
本発明の実施形態に従って、体液サンプリングデバイスが開示される。図1は、本発明の実施形態による体液サンプリングデバイスを示す。デバイス100は、チャネルを通る流体の通過を可能にするためのチャネル105、チャネル105内の流体の流れを維持するための流量制御器110、捕集媒体120に向かって流体の流れの方向を変化させるための流動方向制御器115を含み、流量制御器は、捕集媒体120上にサンプルとしての流体の一部を送達する。
【0015】
流体の一部は、サンプルの分析を可能にする量である。典型的には、流体の一部は、5〜25マイクロリットル、好ましくは、15マイクロリットルの範囲である。しかしながら、他の実施形態では、25マイクロリットルを超える、または5マイクロリットル未満のいずれか一方を含む量を有する可能性もある。流体の一部は、通常分析目的のために必要とされる最低限の流体の関数である。
【0016】
端部130は、患者または動物等の対象に、患者から流体を引き出すために接続される。端部135は、一実施形態では、流体を対象に戻すことによって、流体流動の閉ループを形成する。チャネルに沿った方向は、流体流動の方向を示す。代替実施形態では、端部135は、廃棄物容器等の流体収集器に流体を送達することによって、流体流動の開ループを形成する。他の実施形態では、流体は、他の流体収集器、例えば、流体分析装置の容器に送達され得る。作動システムは流体方向制御器の一部である(後に示される)。
【0017】
図2を参照すると、本発明の実施形態によるチャネルが開示される。チャネル105は、カテーテル管等の可撓性管を含む。チャネル105は、流入チャネル205、流出チャネル210、および流入チャネル205と流出チャネル210との間に位置付けられるチャネル部215を含む。
【0018】
別の実施形態では、チャネルはまた、流体を運搬するためのサンプリングデバイスの筐体内に通路を含むことによって、流入チャネルおよび流出チャネルを規定し得る。チャネル部は、流入チャネルと流出チャネルとの間に流体接続を提供するように適合される回転可能なシリンダ内の通路によって規定され得る。蠕動ポンプ(流量制御器)と相互作用する可撓性管は、流入チャネルを規定する通路に接続される曲線管部分として使用され得る。図1の流量制御器に示される環状方向は、流入チャネルからチャネル部に向かう流体の流れを可能にするための蠕動ポンプの回転の方向を示す。あるいは、可撓性管が使用されるかに関わらず、他のポンプ手段も使用され得る。
【0019】
本発明の実施形態では、流入チャネル205は、曲線管部分125を含む。曲線管部分は、チャネル内の流体の流れを維持する流量制御器(図1の110を参照)と相互作用する。流量制御器は、蠕動ポンプ等のポンプを備えている。本発明の他の実施形態では、チャネル内の流体の流れを維持するために、他のポンプ手段も使用され得る。曲線管部分は、本発明の一実施形態のみを表すことが当業者に理解されるであろう。他の実施形態では、他のポンプ手段がチャネル内の流体の流れを維持するため、および捕集媒体に流体を送達するためのそのような曲線を好ましくは必要としない場合に、曲線管部分は必要とされない場合もある。例えば、チャネルの管部分は、流量制御器としての機能を果たす直線蠕動ポンプを適応させるために、代案として直線である場合もあり、それは直線管部分である。直線管部分および直線蠕動ポンプは、本出願で後に説明される。
【0020】
図3は、本発明の実施形態による第1の位置および第2の位置におけるチャネル部を示す。弁等の流動方向制御器115は、作動手段140によって制御されるチャネル部215を含む。作動手段は、第1の位置および第2の位置である、少なくとも2つの位置にチャネル部を位置付けるように適合される。
【0021】
弁は、円筒状回転部材115ならびに求心部、スリット、および遠心部を有する可撓性導管を含み、遠心部は、回転部材の溝の中を接線方向に通過し、求心部および遠心部は、部材からある距離を置いて筐体に固定されることにより、回転部材の45度から180度の回転を可能にし、筐体が部材の1つの位置にある場合に、遠心導管は、スリットにおいて導管がスリットを開くよう曲げられる一方で、筐体に押し付けられ、ニックを作成して遠心流動を閉鎖し、別の位置における部材は、遠心導管の該ニックを真っ直ぐにして、該スリットとともに求心導管を反対方向に曲げて、該スリットを閉鎖させる。
【0022】
第2の位置において、チャネル部は、捕集媒体120に対面し、捕集媒体上へのサンプルとしての流体の一部の送達を可能にする(図3B)。一実施形態では、チャネル部215は、第1の位置に位置付けられるときに、チャネル内に流体流動の閉ループを形成する(図3A)。閉ループは、対象の体から130を介し、チャネル105を通り、135を介して対象に戻される流体の流れによって規定される。しかしながら、別の実施形態(図示されず)では、チャネル部は、流出チャネル210に流体を戻し、次に、135を介して流体を流体収集器に送達し、それによって代わりに開ループを形成する。
【0023】
管曲線125と相互作用する流量制御器(図1の110を参照)は、チャネル内の流れを維持するため、およびチャネル部が第2の位置にあるときに、捕集媒体上にチャネル部の流出端部からの流体の一部を送達するために、流入チャネルの曲線管部分125を圧迫する。
【0024】
例えば、流量制御器に基づく典型的な蠕動ポンプにおいて、ポンプは、可撓性曲線管部分を圧迫する、回転子の外周に付着されるいくつかのローラを伴う回転子を含む。回転子が回転すると、圧縮下にある管の部分が閉塞することによって、チャネルを通して移動するように流体がポンプ送出されるようにする。ローラの通過後に、チャネルがその自然状態に開く(減圧される)と、流体流動は蠕動ポンプによって誘導される。蠕動ポンプの連続的な操作は、したがって、チャネル内の流体の流れを維持する。
【0025】
別の実施形態では、図13に示されるように、流量制御器110は、直線管部分1315がカセットの一部であるプラテン1305に対して静置する直線蠕動ポンプを含む可能性もある。当業者によく知られているように、蠕動機構は、管部分の圧迫を可能にするように、プラテンと蠕動ポンプとの間の管部分の位置決めを必要とする。図13Aに示されるように、この係合において、直線管部分1315は、指1310で直線管部分1315の圧迫を可能にするように、プラテン1305と直線蠕動ポンプとの間に位置付けされる。図13Bを参照すると、簡潔さの理由から、全ての指およびカムローブは、それぞれ、概して1310および1335として参照される。個々の指1310の各々は、そこに個々のカムローブ1335を受け取るように、開口1320を伴って形成される。各指1310は、カム軸1330の縦軸に実質的に垂直である方向への移動のために、ケーシング1325内に装着される。カム軸1330の回転は、カムローブ1335が開口1320のそれぞれの壁部分1340に対して押圧されることにより、ケーシング1325内で指1310の往復運動を引き起こさせるように、偏心して装着される各カムローブ1335を回転させる。当業者に理解されるように、カムローブ1335は、カム軸1330の軸に沿って螺旋形態でカム軸1330上に偏心して装着され、カム軸1330が回転させられるときに(図13Aに示される)、1330で通常表される指の波状動作を引き起こす方法で指1310と係合され、それによって、チャネル内の流体の流れを維持する。
【0026】
このような種類のポンプの主な利点は、使用における簡潔さと清潔さである。さらにより重要なことには、血液細胞等の繊細な体液の細胞は、このような種類のポンプによって損傷されない。それでもなお、他のポンプ手段も本発明で利用され得ることが当事者に理解される。
【0027】
チャネルの流入チャネル205は、患者または任意の試験動物等の対象からの流体を受け取る。チャネル部215は、チャネル部が第2の位置にあるときに、捕集媒体上のサンプルとしての流体の一部の送達を可能にし(図3B)、一実施形態では、流出チャネル210は、チャネル部が第1の位置にあるときに、流体を対象に戻し、それによって閉ループを形成する(図3A)。同等に好ましい実施形態では、流出チャネルは、戻された流体を流体収集器に送達し得、それによって開ループを形成し得る。
【0028】
本発明の実施形態によるチャネル部はまた、図3に示される。チャネル部215は、流入端部305および流出端部310を含む。流入端部305は、第1の位置および第2の位置の両方において、流入チャネル205から流体を受け取る(図3Aおよび3B)。流出端部310は、チャネル部215が第2の位置にある時、すなわち、流出端部310が捕集媒体に対面するときに、捕集媒体120上へのサンプルの送達を可能にし(図3B)、チャネル部215が第1の位置にある時、すなわち、流出端部215が流出チャネル210に整合されるときに、流出チャネル210を通して対象に流体を戻して提供し、それによって閉ループを形成する(図3A)。
【0029】
本発明別の実施形態では、流入端部は、流入チャネルの連続部分である。ポンプ手段が蠕動ポンプを含む場合、流入端部は、流入チャネルの一部として曲線管部分の後に位置付けられる。流出端部は、チャネル内のスリットによって規定され、流入端部の後に位置付けられ得る。
【0030】
さらに別の実施形態では、チャネルが、流入チャネルと流出チャネルを接続するように適合される回転可能なシリンダ内の通路である場合に、流出端部は、そこから流体がシリンダの外へ流れ出る、回転可能なシリンダの通路内の端部である。第2の位置では、流体は、捕集媒体上にサンプルとして送達される。流入端部は、シリンダの外縁面の一部における外縁通路であり、第1の位置および第2の位置の両方で流入チャネルからの流体の流入を可能にし、両位置は、シリンダを回転させることによって取得される。シリンダの外縁面に対する外縁通路の末端は、流出端部を第1の位置から第2の位置に変えさせる回転によって規定される。外縁通路は、シリンダ内を横断する直径通路(diametric passage)を使用して、流出端部に連結する。
【0031】
本発明の異なる実施形態では、チャネル部の位置を制御するための作動手段140は、手動機構および自動機構から選択される。手動機構および自動機構の両方ともに、2つのサンプルの間の時間差等の所定のパラメータ、またはサンプルが収集される特定の時間等に基づいて、チャネル部の位置決めを制御するように適合される。
【0032】
手動作動機構140は、手動で操作可能な物理的手段、または一方の位置からもう一方までのチャネル部の位置決めを変えるためのシステムにおいて、手段に指令信号を順に送る手動で操作される電子デバイスであり得る。自動機構は、2つのサンプルの間の時間遅延、収集されたサンプル量、チャネル部が第2の位置にある期間等の所定のパラメータに基づいて、チャネル部の位置を変えるためのシステムにおいて、手段に指令信号を送るように適合される処理ユニットを含み得る。手段は、通常ラックアンドピニオンシステム等の歯車システムを介して、または駆動ベルトシステムを介して、チャネル部に接続されるDCモータ等のモータを含む。典型的には、作動機構は、第1の位置から第2の位置まで、およびその逆も同様に、位置を変えるのに約1秒かかる。
【0033】
本発明の別の実施形態では、デバイスは、チャネル内の流体の流れの速度を測定する流動計を含み得る。測定された流速は、所望のサンプル量を取得するのに必要とされる期間中、第2の位置内にチャネル部を位置付けするための作動手段を調整するために使用され得る。
【0034】
収集されたサンプル量を判定するために、図4に示される、別の実施形態による本発明のデバイスは、捕集媒体120上のサンプル領域410を照射するための少なくとも1つの発光ダイオード(LED)等の照射手段405、サンプル領域からの信号を検出するための小型デジタルカメラ等の検出器415、ならびに信号を処理するため、およびサンプルに関連する、各画素における吸収の変化を測定することによって、サンプル量等の特性を判定するために、検出器に連結されるプロセッサ(図示せず)を含む。サンプル領域は、サンプルが沈着する捕集媒体の領域によって規定される。さらに、デバイスは、デバイス上に、または他の携帯式デバイスにおいてはデバイスの外側に提供され得るプロセッサに、検出された信号を伝送することができる。他の質的および量的特性はまた、検出された信号に基づいて同定および分析され得る。
【0035】
捕集媒体は、捕集媒体上に沈着されるサンプルの吸収を可能にする吸収性材料で構成される。本発明の様々な実施形態では、捕集媒体は、捕集媒体上の各サンプル用のロール、テープ、紐、ディスク、およびポケットから選択される。
【0036】
ある実施形態では、捕集媒体はセルロース紙であり得る。他の実施形態では、吸収性材料は、コラーゲン性、他のゲル、もしくは多孔質材料の薄層、または異なる特性を有する異なる材料の層を含み得るか、媒体は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、3−ヒドロキシピコリン酸、1−チオグリセロール、2′,5′−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、3−ニトロベンジルアルコール、グリセロール、イソバニリン、ニコチン酸、ペルフルオロケロシン、サリチルアミド、シナピン酸、シナピニン酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、トランス−桂皮酸等の有機分子から成り得るか、またはそれを含有し得る。捕集媒体はまた、セルロースまたはSDS−PAから成り得る。捕集媒体の1つの層は、テープの他の層での水分活性の減少を可能にする高親水性を有し得る。捕集媒体は、タンパク質およびペプチドの劣化を防止するために、アプロチニンを含有し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、捕集媒体は、分子が、記録媒体の化学的、生物学的、または物理的特性に応じて、捕集媒体中の異なる深さに拡散するのを可能にする構成を含む。記録媒体はまた、異なる抗体および反応物の帯域を通る側方流動を可能にするように検体に向けられる特定標識または非標識の抗体、もしくは抗体の組み合わせを含有し得る。
【0038】
図5は、本発明の実施形態による捕集媒体の設定を示す。捕集媒体120は、未使用の捕集媒体505および使用済みの捕集媒体510を備えている。使用済みの捕集媒体は、サンプル515を含有する捕集媒体を含む。
【0039】
本発明のある実施形態では、未使用の捕集媒体505は、未使用ボビン520に巻き取られ、使用済みの捕集媒体510は、使用済みボビン525に巻き取られる。使用済みボビンは、捕集媒体505が未使用ボビン520から解け、使用済みの捕集媒体510が使用済みボビン525に巻き付くように、使用済みボビン525を回転させる駆動手段530に接続される。この図における方向は、捕集媒体の移動の方向、ならびに使用済みボビンおよび未使用ボビンの回転方向を示す。解かれた捕集媒体は、チャネル部215の流出端部を横断させられて、それに曝露され、曝露された未使用の捕集媒体上にサンプルを収集し(Z域で示される)、使用済みの捕集媒体510は、使用済みボビン525に巻き付く。駆動手段は、使用済みボビンを連続的または断続的のどちらか一方で回転させるように操作され得、チャネル部の流出端部にわたって捕集媒体の連続的または断続的移動のどちらか一方をもたらす。駆動手段は、通常ラックアンドピニオンシステム等の歯車システムを介して、または駆動ベルトシステムを介して、チャネル部に接続されるDCモータ等のモータを含む。本発明の実施形態において、当業者は、同一のDCモータが、作動システムに連結される手段のために、および駆動手段のために使用され得ることを理解するであろう。図はまた、第1の位置から第2の位置まで、およびその逆も同様に、方向流量制御器115の位置を変えるように適合される作動手段140を示す。さらに、流量制御器駆動手段515もまた示される。流量制御器駆動手段は、流量制御器を制御および駆動し、蠕動ポンプ等の流量制御器の操作を可能にする任意の従来の手段を含み得る。
【0040】
ある実施形態では、使用済みボビンは、未使用ボビン内に封入される。ロールである捕集媒体は、駆動手段が使用済みボビンを回転させる時、および捕集媒体が、未使用ボビンから使用済みボビンの途中でサンプル沈着のためにチャネル部に曝露されるときに、未使用ボビンから使用済みボビンに及ぶ。本発明の別の実施形態では、未使用ボビンは、使用済みボビン内に封入される。しかしながら、駆動手段は、さらに使用済みボビンを駆動し、未使用ボビンから使用済みボビンまで捕集媒体を移動させ、捕集媒体は、未使用ボビンから使用済みボビンの途中でサンプルを収集する。実施形態は、図6で後に説明される。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態では、未使用のコイルおよび使用済みのコイルは、一方のコイルがもう一方によって封入されることなく位置付けられる(図5を参照)。例えば、未使用ボビンおよび使用済みボビンは、軸に沿って配置され得、捕集媒体は、使用済みボビンを回転させる駆動手段によって産生される牽引力の影響下で、未使用ボビンから使用済みボビンに移動する。捕集媒体は、未使用ボビンから使用済みボビンの途中でサンプルに曝露される。
【0042】
図6は、本発明の実施形態による小型サンプル記録媒体を示す。記録媒体は、未使用ボビンに巻き取られる未使用の捕集媒体505を備えている未使用ボビンと、回転するように適合され、使用済みボビンに巻き取られる使用済みの捕集媒体510を備えている使用済みボビン525とを含む。図における方向は、使用済みの内側ボビン525および未使用の外側ボビンの回転方向を示す。未使用の捕集媒体は、未使用ボビンから解け、流体に曝露され、Z域でサンプルを収集し、使用済みの捕集媒体として使用済みボビンに向かって移動する。使用済みボビンは、図6に示されるように、未使用ボビン内に封入される。本発明の別の実施形態では、未使用ボビンが、使用済みボビン内に封入されるが、原則として、使用済みボビンおよび未使用ボビンの位置が入れ替えられることを除いて、図6のそれに類似する記録媒体を表す。また、この実施形態において、外側の使用済みボビンを回転させる駆動手段は、未使用ボビンから未使用の媒体を解くことを可能にする方向で、使用済みボビンを回転させる。140は、流体方向制御器の一部である作動システムを表し、115は、捕集媒体520に向かって流体の流れの方向を変化させるための流動方向制御器を表す。
【0043】
本発明のさらに別の実施形態では、捕集媒体はディスクを含む。ディスクは、捕集表面領域を含む。ディスクは、各作動とともに、ディスクが、チャネル部の流出端部に未使用のディスク領域を曝露するような方法で、次第にディスクを回転させるモータに連結される。サンプルは、曝露されたディスク領域上に送達され、サンプルが収集されると、モータは、サンプル収集のために、さらに別の未使用のディスク面を曝露するようにディスクを回転させる。様々な実施形態では、サンプルは、中心に一方の端部を有し、他方はディスクの外縁面に近接する、半径を連続的に減少させる円の同心円として収集される。
【0044】
図7は、本発明の実施形態による分離膜コイルを示す。分離膜コイル705は、サンプルの汚染を防止するために、使用済みの捕集媒体510のサンプル領域515上に試薬/保護層710を提供する。使用済みボビンを回転させる駆動手段530は、保護層710を分離膜コイルから解くため、および使用済みの捕集媒体510上で保護層を巻き取るための牽引力を引き起こす。使用済みボビン、未使用ボビン、および分離膜コイルの回転方向は、図示される方向によって示される。代替実施形態では、デバイスは、試薬を使用済みの記録媒体上、より具体的には、サンプルを汚染から保護する使用済みの記録媒体のサンプル領域上に塗布する試薬塗布器を含み得る。図はまた、検出器415とともに、流動方向制御器115および照射手段405を示す。照射手段と検出器の組み合わせは、サンプル領域515から検出される信号に基づいて、サンプルの特性を判定することを可能にする。図7は、一方のボビンがもう一方のボビンに封入されていない捕集媒体設定のための分離膜コイルを示すが、しかしながら、当業者は、デバイスが、同様に図6の小型記録媒体内の分離膜コイルおよび試薬塗布器の原理を使用するために容易に変更され得ることを理解するであろう。
【0045】
本発明のさらに別の実施形態では、図8は捕集媒体を示す。記録媒体は、多孔質材料805、親水性材料810、および磁気テープ815の層を含み得る。磁気層815は、デジタルデータの保存を可能にする。さらに捕集媒体は、個々のサンプルの同定のために、テープ上にバーコードまたはデータマトリックスマーキング等のマーキングを含み得る。
【0046】
図9は、本発明の実施形態によるカセットを示す。図9Aでは、デバイスは、チャネル105、流動方向制御器115、曲線管部分125、捕集媒体120、未使用ボビン520、および使用済みボビン525を含むカセット905を含む。曲線管部分は、カセットの一部を形成する湾曲プラテン910に対して静置する。本発明の別の実施形態では、カセットは、流量制御器をさらに備える。さらに別の実施形態では、カセットは、チャネル105、流動方向制御器115、および曲線管部分125を含む。この特定の実施形態のカセットは、流量制御器も含み得る。
【0047】
カセットは、密閉可能であり、図9Bに示されるように密閉され、殺菌可能および使い捨てである。カセットは、容易に輸送可能である。カセットは、捕集媒体の同定のためにデジタル保存媒体を含み得、サンプルに関するデータも含み得る。全体の捕集媒体が使用されている場合、またはサンプルが異なる対象から収集される場合、カセットは除去され、新しいカセットに交換される。サンプルが収集された場合、カセットは保存、輸送、事前処理、または分析され得る。
【0048】
本発明のある実施形態では、事前処理または調製のある種の形態が分析前に必要とされる場合、サンプルを有するカセットは、媒体の処理を実行する装置の中に挿入される。処理は、得られた溶液のそれに続く分析のための溶媒、電流、基質の蒸解または溶解による検体の抽出、洗浄、イオン置換、または他の手段による無機イオンの除去、凍結乾燥によるサンプルからの水または他の溶媒の除去、特異抗体等の免疫反応物を含有する溶液の適用、ブドウ糖等のサンプル内の成分の測定のための、関連酵素および反応物との併用での発光酵素の適用、検体に向けられる1つ以上の特異抗体の適用を含み得るが、それらに限定されない。これらは、色変化、蛍光性、および他の検出可能な反応を発生させるために、酵素と関連している場合もある。
【0049】
捕集媒体を有するカセットが分析のために準備されると、カセットは、一実施形態では、使用済みの捕集媒体のループを分析デバイス内に搬送するカセットデバイス内に挿入される。分析デバイスがレーザーイオン化を使用する場合、その結果使用済みの捕集媒体は、レーザーに曝露される。他の実施形態では、分析デバイスは、LC−MS、MS、LDI−MS、MALDI−MS、MS/MS、MALDI−TOF、MALDI−TOF/TOF、HPLC、蛍光測定もしくは吸光測定またはそれらの組み合わせ等の技法を使用する場合もある。さらに別の実施形態では、使用済みの捕集媒体は、断片に切断されるか、またはサンプルは、テープから穿孔され、管、小瓶、またはマイクロタイタープレートの中に配置され、検体は、分析のために適切な溶媒で抽出され、得られた溶液は従来法で分析される。
【0050】
本発明の実施形態に従って、流体をサンプリングするための方法が、図10に開示される。方法は、1005において、チャネルを通して流体を通過させるステップ、1010において、流体制御器を使用してチャネル内の流体の流れを維持するステップ、1015において、捕集媒体に向けて流体の流れの方向を変化させるステップ、および1020において、流体制御器を使用して捕集媒体上にサンプルとしての流体の一部を送達するステップを含む。
【0051】
図11は、本発明の別の実施形態による流体をサンプリングするための方法のさらなるステップを示す。方法は、図10の1005および1010のステップを含む。1010において、チャネル部は第1の位置にあり、したがって、閉ループを形成する。閉ループは、チャネルを通して対象の体から対象に戻される流体の流れによって規定される。しかしながら、代替実施形態では、チャネルは、チャネル部が第1の位置にある時でさえ、先に説明したように、流体収集器に流出チャネルを通して流体を送達することによって、開ループを形成し得る。その後、1105において、サンプルが収集されるべきかの判定が下される。そのような判定は、連続的なサンプルの収集の間の時間遅延等のパラメータに基づき得る。サンプルが収集されるべき場合、1110において、チャネル部の位置は、第1の位置から第2の位置に変えられる。第2の位置では、チャネル部の流出端部は、捕集媒体に対面する。1115において、チャネルの曲線管部分は、捕集媒体上へのサンプルとしての流体の一部の送達を可能にする流量制御器を使用して圧迫される。さらに、判定は、サンプルが捕集媒体に送達された場合、1120で下され得る。いいえの場合、その結果曲線管部分の圧迫は、流量制御器を使用して継続される。しかしながら、サンプルが送達される場合、1125において、チャネルは、第1の位置に戻って位置付けられ、それによって閉ループを形成する。
【0052】
上で説明された方法は、第1の位置において、チャネル部がチャネル内の流体流動の閉ループを形成するように、および第2の位置において、チャネル部が捕集媒体に対面し、捕集媒体上へのサンプルとしての流体の一部の送達を可能にするように、少なくとも2つの位置で流動方向制御器を使用してチャネル部の位置を制御するステップを含む。加えて、方法は、チャネル内の流れを維持し、チャネル部が第2の位置にあるときに、捕集媒体にチャネル部の流出端部からの流体の一部を送達するための流量制御器を使用して、流入チャネルの曲線管部分を圧迫するステップを含む。
【0053】
本発明のある実施形態では、方法は、捕集媒体が未使用の捕集媒体を有する未使用ボビンから解け、使用済みの捕集媒体が使用済みボビンに巻き付くように、駆動手段を使用して、使用済みボビンを回転させるステップを含む。方法はまた、未使用の捕集媒体を未使用ボビンから解くステップ、チャネル部に対して未使用の捕集媒体を横断させて曝露し、曝露された未使用の捕集媒体上にサンプルを収集するステップ、および使用済みの捕集媒体を使用済みボビンに巻き付けるステップを含む。
【0054】
本発明のこれらの特性は、本発明の実施形態による捕集媒体の移動を示す図12に実証される。サンプルが収集される場合、使用済みボビンに接続される駆動手段は、使用済みボビンを回転させるために、1205において操作される。これは、捕集媒体内に、使用済みボビンに向かう牽引力を引き起こし、1210において未使用の捕集媒体が未使用ボビンから解ける結果となる。1215において、解かれた未使用の捕集媒体は、未使用ボビンから使用済みボビンに向かって移動する。解かれた未使用の捕集媒体は、チャネル部が第2の位置にあり、使用済みボビンに向かう途中でチャネル部の流出端部に曝露される。流体の一部は、1220においてサンプルとして送達される。サンプルが捕集媒体上に送達されると、サンプル(使用済みの捕集媒体)を有する捕集媒体は、1225において使用済みボビンに向かって移動され、使用済みの捕集媒体は、1230において使用済みボビンに巻き取られる。
【0055】
本発明のさらなる実施形態では、方法は、照射手段を使用して、捕集媒体上のサンプル領域を照射するステップであって、サンプル領域は、サンプルが沈着する捕集媒体の領域によって規定されるステップ、検出器を使用してサンプル領域からの信号を検出するステップ、およびサンプルに関連する、サンプル量等の特性を判定するために、検出器に連結されるプロセッサを使用して信号を処理するステップを含む。
【0056】
「一実施形態」または「ある実施形態」に対するこの詳述を通しての参照は、実施形態に関連して説明される特定の特性、構造、もしくは特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することが理解されるはずである。したがって、この様々な詳述部分における「ある実施形態」もしくは「一実施形態」または「代替実施形態」に対する2つ以上の参照は、必ずしも全てが同一の実施形態を参照していないことが強調され、理解されるはずである。さらに、特定の特性、構造、または特徴は、本発明の1つ以上の実施形態において適切であるとして組み合わせられ得る。
【0057】
前述の説明を通して、説明の目的として、本発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が示された。しかしながら、本発明は、一部のそれらの特定の詳細なしで実行され得ることが当業者には明らかである。
【0058】
さらに、本発明の範囲および精神は、続く請求項の観点から判断されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体サンプリングデバイスであって、
チャネルであって、該チャネルを通る流体の通過を可能にするためのチャネルと、
該チャネル内の流体の流れを維持するための流量制御器と、
捕集媒体に向けて該流体の流れの方向を変化させるための流動方向制御器と
を備え、
該流量制御器は、該捕集媒体上にサンプルとしての該流体の一部を送達する、
デバイス。
【請求項2】
前記チャネルは、カテーテル管等の可撓性管および前記デバイスの筐体内の通路から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記チャネルは、流入チャネルと、流出チャネルと、該流入チャネルと該流出チャネルとの間に位置付けられるチャネル部とを含む、請求項1または2のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項4】
前記流入チャネルは、曲線/直線管部分を備え、該曲線/直線管部分は、前記チャネル内の前記流体の流れを維持する前記流量制御器と相互作用する、請求項1〜請求項3のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記流量制御器は、蠕動ポンプ等のポンプを備えている、請求項1〜請求項4のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記流動方向制御器は、作動手段によって制御される前記チャネル部を備え、該作動手段が少なくとも2つの位置に該チャネル部を位置付けるように適合されることにより、第1の位置において、該チャネル部は、該チャネル内に流体流動の閉ループを形成し、第2の位置において、該チャネル部は、前記捕集媒体に対面して、該捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にする、請求項1〜請求項5のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記流動方向制御器は、作動手段によって制御される前記チャネル部を備え、該作動手段が少なくとも2つの位置に該チャネル部を位置付けるように適合されることにより、第1の位置において、該チャネル部は、該チャネル内に流体流動の開ループを形成し、第2の位置において、該チャネル部は、前記捕集媒体に対面して、該捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にする、前記請求項1〜6のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記流動方向制御器は、
円筒状回転部材と、
求心部とスリットと遠心部とを有する可撓性導管と
を備え、
該遠心部は、該回転部材の溝の中を接線方向に通過し、該求心部および遠心部は、該部材からある距離を置いて前記筐体に固定されることにより、該回転部材の45度から180度の回転を可能にし、該筐体が該部材の1つの位置にある場合に、該遠心導管は、該スリットにおいて該導管が該スリットを開くよう曲げられる一方で、該筐体に押し付けられ、ニックを作成して該遠心流動を閉鎖し、別の位置における該部材は、該遠心導管の該ニックを真っ直ぐにして、該スリットとともに該求心導管を反対方向に曲げて、該スリットを閉鎖させる、請求項1〜請求項7のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記流量制御器は、前記チャネル内の流れを維持するために、および前記チャネル部が前記第2の位置にあるときに前記捕集媒体上に該チャネル部の流出端部から前記流体の一部を送達するために、前記流入チャネルの前記曲線/直線管部分を圧迫する、請求項1〜請求項8のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記流入チャネルは、対象から前記流体を受け取り、
前記チャネル部は、該チャネル部が前記第2の位置にあるときに、前記捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にし、
前記流出チャネルは、該チャネル部が前記第1の位置にあるときに、該流体を該対象に戻すことによって前記閉ループを形成するか、または開ループを形成する、
請求項1〜請求項9のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記チャネル部は、流入端部と流出端部とを備え、
該流入端部は、前記第1の位置および前記第2の位置の両方において、前記流入チャネルから前記流体を受け取り、
該流出端部は、該チャネル部が該第2の位置にあるときに、前記捕集媒体上へのサンプルの送達を可能にし、該チャネル部が該第1の位置にあるときに、前記流出チャネルを通して前記対象に該流体を戻すことによって前記閉ループを形成するか、または開ループを形成する、
請求項1〜請求項10のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記作動手段は、手動機構および自動機構から選択され、該機構は、2つのサンプルの送達の間の時間差等の所定のパラメータに基づいて、前記チャネル部の位置決めを制御するように適合されている、請求項1〜請求項11のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記捕集媒体は、吸収性材料で構成され、該捕集媒体上の各サンプル用のロール、テープ、紐、ディスク、およびポケットから成る群より選択される、請求項1〜請求項12のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記捕集媒体は、未使用の捕集媒体と使用済みの捕集媒体とを備え、該使用済みの捕集媒体は、サンプルを含有する該捕集媒体を備えている、請求項1〜請求項13のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
前記未使用の捕集媒体は、未使用ボビンに巻き取られ、前記使用済みの捕集媒体は、使用済みボビンに巻き取られ、
該使用済みボビンは、該捕集媒体が該未使用ボビンから解け、該使用済みの捕集媒体が該使用済みボビンに巻き付くように、該使用済みボビンを回転させる駆動手段に接続されている、
請求項1〜請求項14のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記未使用の捕集媒体は、前記未使用ボビンから解け、
該解かれた捕集媒体は、前記チャネル部の前記流出端部を横断させられて、該流出端部に曝露され、該曝露された未使用の捕集媒体上にサンプルを収集し、
該使用済みの捕集媒体は、前記使用済みボビンに巻き付く、
請求項1〜請求項15のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項17】
前記使用済みボビンは、前記未使用ボビン内に封入される、請求項1〜請求項16のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記未使用ボビンは、前記使用済みボビン内に封入される、請求項1〜請求項17のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記未使用ボビンおよび前記使用済みボビンは、一方のボビンがもう一方によって封入されることなく位置付けられる、請求項1〜請求項18のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項20】
前記捕集媒体は、ディスクを含み、該ディスクは、サンプルを収集するための収集表面領域を備え、該ディスクは、モータに連結され、該モータは、各作動とともに、該ディスクが、前記チャネル部の前記流出端部に未使用のディスク領域を曝露するような方法で、次第に該ディスクを回転させる、請求項1〜請求項19のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項21】
前記捕集媒体上のサンプル領域を照射するための照射手段であって、該サンプル領域は、サンプルが沈着する該捕集媒体の領域によって規定される、手段と、
前記サンプル領域からの信号を検出するための検出器と、
該検出器と連結されるプロセッサであって、該信号を処理し、該サンプルと関連するサンプル量等の特性を判定するプロセッサと
をさらに備える、請求項1〜請求項20のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項22】
未使用ボビンであって、該未使用ボビンに巻き取られる未使用の捕集媒体を備えている未使用ボビンと、
回転するように適合されている使用済みボビンであって、該使用済みボビンに巻き取られる使用済みの捕集媒体を備えている使用済みボビンと
を備え、
該未使用の捕集媒体は、該未使用ボビンから解け、サンプルを収集し、使用済みボビンに向かって移動する間に該使用済みの捕集媒体を規定し、
該使用済みボビンが該未使用ボビン内に封入されるか、該未使用ボビンが該使用済みボビン内に封入される、
小型サンプル記録媒体。
【請求項23】
前記デバイスは、前記チャネルと、前記流動方向制御器と、前記曲線/直線管部分とを含むカセットを備えている、請求項1〜請求項22のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスは、前記チャネルと、前記流動方向制御器と、前記曲線/直線管部分と、前記捕集媒体と、前記未使用ボビンと、前記使用済みボビンとを含むカセットを備えている、請求項1〜請求項23のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項25】
前記カセットは、前記流量制御器をさらに備えている、請求項1〜請求項24のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項26】
前記カセットは、密閉可能、殺菌可能、および使い捨てである、請求項1〜請求項25のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項27】
前記サンプルの汚染を防止するために、前記サンプル領域上に試薬/保護層を提供する分離膜コイルをさらに備えている、請求項1〜請求項26のうちのいずれかに記載のデバイス。
【請求項28】
流体をサンプリングする方法であって、
該流体をチャネルに通すことと、
流体制御器を使用して、該チャネル内の該流体の流れを維持することと、
捕集媒体に向けて該流体の流れの方向を変化させることと、
該流体制御器を使用して、該捕集媒体上にサンプルとしての該流体の一部を送達することと
を含む、方法。
【請求項29】
前記チャネルは、流入チャネルと、流出チャネルと、該流入チャネルと該流出チャネルとの間に位置付けられるチャネル部とを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも2つの位置における前記流動方向制御器を用いて、前記チャネル部の位置を制御することをさらに含み、第1の位置において、該チャネル部は、前記チャネル内に流量の閉ループを形成し、第2の位置において、該チャネル部は、前記捕集媒体に対面して、該捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にする、請求項28〜29のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項31】
少なくとも2つの位置における前記流動方向制御器を用いて、前記チャネル部の位置を制御することをさらに含み、第1の位置において、該チャネル部は、前記チャネル内に流量の開ループを形成し、第2の位置において、該チャネル部は、前記捕集媒体に対面して、該捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にする、請求項28〜29のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項32】
少なくとも2つの位置における前記流動方向制御器を用いて、前記チャネル部の位置を制御することをさらに含み、第1の位置において、該チャネル部は、前記チャネル内に流量の開ループを形成し、第2の位置において、該チャネル部は、前記捕集媒体に対面して、該捕集媒体上へのサンプルとしての前記流体の一部の送達を可能にする、請求項28〜31のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記チャネル内の前記流れを維持するために、および前記チャネル部が前記第2の位置にあるときに該チャネル部の流出端部から前記捕集媒体上へ流体の一部を送達するために、前記流量制御器を使用して、前記流入チャネルの曲線/直線管部分を圧迫することをさらに含む、請求項28〜32のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記捕集媒体は、未使用の捕集媒体と使用済みの捕集媒体とを備え、該使用済みの捕集媒体は、サンプルを含有する該捕集媒体を備えている、請求項28〜33のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記捕集媒体が、未使用の捕集媒体を有する未使用ボビンから解け、使用済みの捕集媒体が、使用済みボビンに巻き付くように、駆動手段を使用して、該使用済みボビンを回転させることをさらに含む、請求項28〜34のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記未使用ボビンから未使用の捕集媒体を解くことと、
該未使用の捕集媒体を横断させて前記チャネル部に曝露し、該曝露された未使用の捕集媒体上でサンプルを収集することと、
該使用済みの捕集媒体を前記使用済みボビンに巻き取ることと
をさらに含む、請求項28〜35のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項37】
照射手段を使用して、前記捕集媒体上のサンプル領域を照射することであって、該サンプル領域は、サンプルが沈着される該捕集媒体の領域によって規定される、ことと、
検出器を使用して、該サンプル領域から信号を検出することと、
該検出器と連結されるプロセッサを使用して、該信号を処理することであって、該プロセッサは、該サンプルに関連するサンプル量等の特性を判定する、ことと
をさらに含む、請求項28〜36のうちのいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(A)】
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【図9(B)】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2012−510833(P2012−510833A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538837(P2011−538837)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050317
【国際公開番号】WO2010/063290
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511135075)
【Fターム(参考)】