体液吸収性物品
【課題】体液吸収後の悪臭発生を抑制する。
【解決手段】液透過性表面シート3と、不液透過性裏面シート2と、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コア41およびこの吸収コア41を直接的に包囲する包囲材42と、を備える体液吸収性物品1において、前記包囲材42の少なくとも液透過性表面シート3側に面する部位42Aを、トウからなる繊維集合体で構成することにより解決される。
【解決手段】液透過性表面シート3と、不液透過性裏面シート2と、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コア41およびこの吸収コア41を直接的に包囲する包囲材42と、を備える体液吸収性物品1において、前記包囲材42の少なくとも液透過性表面シート3側に面する部位42Aを、トウからなる繊維集合体で構成することにより解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汗、尿、経血の如き体液の吸収を図ることを意図する、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。特には、トウからなる繊維集合体を含む体液吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
この主の体液吸収性物品が、一般に、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられたクレープ紙で包囲された吸収コアを備え、液透過性表面シートから体液を体液吸収性物品内に取り込み、前記クレープ紙を介して吸収コアに移動させて、吸収保持させるものであることは良く知られているところである。
【特許文献1】特開2001−170111号公報
【特許文献2】特表平8−503397号公報
【特許文献3】特開昭57−205503号公報
【特許文献4】特開昭64−45801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の体液吸収性物品の有する問題の一つしてとして、体液吸収後における悪臭の発生が挙げられる。この悪臭の発生原因は、吸収性コアを包囲するクレープ紙、あるいは、吸収体と液透過性表面シートとの間に、拡散、体液の逆戻り防止等のために設けられるいわゆるセカンドシート、の体液保持率が高いために体液がクレープ紙等において吸収保持された状態で乾燥し、体温により暖められることによる。
【0004】
特に、体液吸収性物品が生理用ナプキンである場合には、吸収対象とする経血が尿と異なり凝固する性質を備えるため、クレープ紙等の液透過性表面シートに面する側にて経血が凝固することがあり、悪臭の発生がより顕著である。また、一旦、上述の経血の凝固が生ずると、後に排出された経血の吸収コアへの移動が阻害され、これによりさらにクレープ紙等での経血凝固が引き起こされ、悪臭発生の原因となるという悪循環が生ずる。
【0005】
このような悪臭を抑制すべく、上記クレープ紙あるいはセカンドシートの表面にゼオライト等の固体消臭材を配置した吸収性物品、あるいはクレープ紙あるいはセカンドシートの表面に液体消臭材を塗布した吸収性物品が知られているが十分な消臭効果が得られていない。その理由は、以下のとおりである。
【0006】
(1)固体消臭材は一般に表面に微細孔を有し、この微細孔に悪臭成分を取り込み保持して消臭機能を発揮するが、クレープ紙、セカンドシートは液保持性が高いため、クレープ紙等近傍に消臭材を配置する従来形態では、クレープ紙に保持された体液が固体消臭材を包囲し、微細孔を閉塞させるため十分な消臭機能が発揮されない。
【0007】
(2)他方、液体消臭材は一般的に、化学反応により消臭機能を発揮するものであるが、クレープ紙、セカンドシートへの塗布量には限度があり、かかるクレープ紙等に体液が保持されると処理当量を超え十分な消臭機能が発揮されない。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、セカンドシート、吸収コアを包囲するクレープ紙の液透過性を改善して、従来、セカンドシートあるいはクレープ紙に体液が保持されることに起因して発生する悪臭が格段に低減された体液吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアおよびこの吸収コアを直接的に包囲する包囲材と、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記包囲材の少なくとも液透過性表面シート側に面する部位が、トウからなる繊維集合体で形成され、かつ前記消臭材がトウからなる繊維集合体の表面または内部に散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【0010】
<請求項2記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記液透過性表面シートと前記吸収コアの前記液透過性表面シート側に面との間に、トウからなる繊維集合体で形成された液透過性のセカンドシートが介在され、このセカンドシートの表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【0011】
<請求項3記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記吸収コアの少なくとも幅方向両脇部に、表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布された、トウからなる繊維集合体が配置されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【発明の効果】
【0012】
トウからなる繊維集合体は、繊維の連続方向に沿って液が流れやすく拡散性に優れる。また、液透過性に優れしかも体液保持性が極めて低い。本発明では、クレープ紙に代えてトウからなる繊維集合体により吸収コアを直接的に包囲する、あるいは、セカンドシートをトウからなる繊維集合体で構成することとしたので、液透過性表面シートから体液吸収性物品内に取りこまれた体液が拡散しつつしかも留まることなく素早く吸収コアに到達し迅速に吸収保持される。そして、これらのトウからなる繊維集合体の表面または内部に消臭材を配置することとしたので、従来製品が有していた、クレープ紙等の体液保持に起因する消臭材の機能阻害が排除され、悪臭発生のない体液吸収後となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について生理用ナプキンへの適用例を引いて詳述するが、本発明はパンツ型若しくはテープ式紙おむつへの適用も可能である。また、本実施の形態での生理用ナプキンとしては、実質的に前後対称形状の昼用のものであるか、臀部側に延在し、その臀部側が大きく張り出した形状をした夜用のもの、側部に張り出すウイングを有するいわゆるウイングタイプのものであるか、ウイングを有さない非ウイングタイプの生理用ナプキンであるかは問わず適用できることはもちろんである。夜用のものやウイングタイプの生理用ナプキンのものは、周知であるのため構造説明は省略する。
【0014】
(本発明の吸収性物品の第1の実施の形態)
図1及び図2は、本発明に係る生理用ナプキンの一例1を示したものである。この生理用ナプキンの例1は、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不液透過性裏面シート(裏面材)2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる液透過性表面シート(表面材)3とを有する。これら両シート2,3間には、綿状パルプまたは合成パルプなどからなり吸収コア41を、トウからなる繊維集合体で構成される包囲材42によりその略全体を包んでなる吸収体4が介在されている。
【0015】
不液透過性裏面シート2としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不液透過性を確保した不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不液透過性裏面シートを構成する。また通常、製品外面側に不織布が位置する積層形態が採られる)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートがある。
【0016】
液透過性表面シート3としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。
【0017】
液透過性表面シート3には、図示しない表面エンボスを付与することができる。ここにいう表面エンボスは、液透過性表面シート3が吸収コア41と組み合わされる前の工程で付与されるので、吸収体4の変形はないものである。
【0018】
吸収コア41は、主にフラッフ状パルプと高吸収性ポリマーとにより形成できる。吸収コア41は、図面では概略的に示したため平坦になっているが、通常はフィット性向上のために前後方向及び幅方向中央が周囲に対して膨出する中高に形成される。高吸収性ポリマーは吸収コア41を構成するパルプ中に例えば粉粒体として混入できるほか、吸収コア41の表面に保持させることもできる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
【0019】
高吸収性ポリマーは、自重のたとえば10倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマーの形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適である。
【0020】
高吸収性ポリマーは、当該吸収体の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、例えば、生理用ナプキンの場合であれば3〜400g/m2となるように散布することができる。
【0021】
フラッフ状パルプに対する高吸収性ポリマーの量的配置、密度分布、繊維密度は汎用を目的とする場合には均一であるのが好ましいが、特別の吸収特性を発揮させることを目的とした場合、その目的に応じて偏らせるのも好ましい。
【0022】
吸収コア41を直接的に包囲する包囲材42を構成する繊維集合体は、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなる。図示はしないがこのトウからなる繊維集合体で構成した包囲材42の内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されている。この消臭剤としては、従来既知のものが使用できる。具体例としては、活性炭、ゼオライト等が挙げられる。なお、本実施形態においては、消臭剤として粉状のものを用いているが、液状消臭材を塗布あるいは散布したトウからなる繊維集合体を用いて包囲材42を構成することで同様の作用効果をもたらすことができる。
【0023】
(本発明の吸収性物品の他の実施の形態)
以下に示す他の形態は、表裏面からの平面視については上記の形態と相違しない。上述の形態は、包囲材42がトウからなる繊維集合体のみで構成されているが、図3に示す生理用ナプキン例1Aは、包囲材42の透過液性シートに面する側の部位42Aのみ。内部および内外表面に粉状消臭剤が散在されている、トウからなる繊維集合体で構成されており、その他の部分42Bは、従来のクレープ紙により構成されている。この図3に示す形態は、トウよりも安価なクレープ紙を使用することで、トウからなる繊維集合体および消臭材の使用量を抑制でき製造コストを低くすることが可能となる。
【0024】
図4に示す生理用ナプキン例1Bは、液透過性表面シート3と吸収体4との間にいわゆるセカンドシート50が設けられおり、このセカンドシート50についても、内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されているトウからなる繊維集合体で形成されている形態である。トウからなる繊維集合体は、繊維の並びに方向性があるため、液透過性表面シート3から内部に取り込まれた経血がかかるセカンドシート50に到達すると、繊維流れに沿って拡散されつつ吸収体4がわに向かって迅速に透過し、さらに吸収体4に到達した経血はトウからなる繊維集合体で形成された包囲材42によって拡散されつつ吸収コア41に移動せしめられる。従って、液透過性表面シート3の特定の部位から取り込まれた経血は、広範に拡散されつつ迅速に吸収コア41に到達するため、吸収コア41における吸収速度が高められる。もって、吸収コア41以外の部位での経血の凝固するおそれが格段に少なくなり、消臭材の効果と相まって悪臭の発生が抑制される。
【0025】
なお、セカンドシート50と包囲材42とを構成する繊維集合体は同様である必要はなく、材料、開繊具合などを適宜異ならしめることができる。
【0026】
(本発明の吸収性物品の製造方法例)
本発明の吸収性物品の製造方法について、内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されているトウからなる繊維集合体で形成されているセカンドシートを備える生理用ナプキンを例に以下に説明する。図5および6に本発明にかかる生理用ナプキンの第1の形態N1を示す。この第1の形態の生理用ナプキンN1は、図5に示される使用面側からの平面図から理解されるように、吸収コア41およびセカンドシート50ともに吸収性物品の長手方向単部に至らない形態である。
【0027】
この形態の生理用ナプキンN1の製造方法は、図7に示す。まず、上流からコンベア等により搬送されてくる吸収コア41を構成するための積繊パルプシート等の吸収コア構成材帯BOの使用面側の適宜の箇所に接着剤Gを塗布し、セカンドシート50を構成する、予め粉状消臭材を散在せしめた繊維集合体帯AOを連続的に積層して接着する。次いで、この繊維集合体帯AOと吸収コア構成材帯BO積層された積層物帯XOをカッター80,80にて適宜の大きさに裁断して積層物X,X…としさらに下流に搬送する。その後、この積層物Xの表面側(使用面側)にトップシート材帯tO、裏面側にバックシート材帯bOを重ね合せつつコンベア等で下流に搬送する。次いで、適当間隔で前記トップシート材帯tOとバックシート材帯bOとをホットメルト接着装置81,81にて接着し、適宜当該ホットメルト接着部Hで裁断して個々の生理用ナプキンN1を得る。なお、ホットメルト接着部は生理用ナプキンの長手方向単部を構成する。
【0028】
次いで、図8および9に本発明にかかる生理用ナプキンの第2形態N2を示す。この第2の形態の生理用ナプキンN2は、図8に示される使用面側からの平面図から理解されるように、吸収コア41が吸収性物品の長手方向単部には至っていないが、セカンドシート50は生理用ナプキンの長手方向単部にまで到達している形態である。
【0029】
この生理用ナプキンN2の製造方法は、図10に示す。まず、上流からコンベア等にて搬送されてくる吸収コア41を構成するための積繊パルプシート等の吸収コア構成材帯BXをカッター80,80にて適宜の大きさに裁断して吸収コア41,41…を形成し、さらに下流に搬送する。次いで、この吸収コア41,41…の使用面側の適宜の箇所に接着剤Gを塗布し、セカンドシート50を構成する予め粉状消臭材を散在せしめた繊維集合体帯AOを連続的に積層して接着しつつ下流に搬送する。次いで、この吸収コア41,41…に繊維集合体帯AOが積層された積層物帯XOの表面側(使用面側)にトップシート材帯tO、裏面側にバックシート材帯Nbを重ね合せつつコンベアで下流に搬送する。次いで、適当間隔で前記トップシート材帯Ntとバックシート材帯bOとをホットメルト接着装置にて接着し、適宜当該ホットメルト接着部で裁断して個々の吸収性物品N2を得る。
【0030】
(本発明にかかる繊維集合体の製造方法例)
次いで、本発明に係るトウからなる繊維集合体について説明する。トウからなる繊維集合体は公知の方法により必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mm程度とすることができる。トウを開繊すると、後述する粉状消臭材の移動がより容易になるため好ましい。また、包囲材あるいはセカンドシートに適するようにトウの開繊度合いを調整することができる。
【0031】
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛渡し、トウの進行に伴なって次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
【0032】
図11は開繊設備例を示す概略図である。この例では、原反となるトウ70が順次繰り出され、その搬送過程で、圧縮エアーを用いる拡幅手段72と下流側のロールほど周速の速い複数の開繊ニップロール73,74,75とを組み合わせた開繊部を通過され拡幅・開繊された後、バインダー添加ボックス76に通され、バインダーを付与され、所望の幅・密度のトウからなる繊維集合体Aとして形成されるようになっている。バインダーの付与は、例えばバインダーを浸透させたフェルトをスチロール表面に接触させることによりバインダーをロール表面に転写し、そのロール表面を介して開繊されトウにバインダーを付与するいわゆるウィックアプリケータ方式、ボックス内でスリットから染み出させたバインダーを回転ブラシにより跳ね飛ばすことでミスト状として、このボックス内に開繊されトウを通してバインダーを付与するいわゆるブラシアプリケーター方式などの方法を採ることができる。
【0033】
バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0034】
熱可塑性樹脂は、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性または水難溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれる。水不溶性または水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
【0035】
水不溶性または水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
【0036】
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
【0037】
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
【0038】
他方、繊維集合体の内部および内外表面に粉状消臭剤が散在せしめるにあたっては、拡幅・開繊したトウからなる繊維集合体に対して粉状消臭材を一方の面から散布した後、散布された面と反対面を吸引ドラム等に面接させるとともに適当な吸引力で吸引して、散布した粉状消臭材を内部に移動せしめる方法を用いることができる。粉状消臭材の配合量については、その消臭材の消臭効果等を考慮して適宜定めることができる。他方、繊維集合体に液状の消臭材を散布あるいは塗布するにあたっては、液状消臭材を浸透させたフェルトをスチロール表面に接触させることにより液状消臭材をロール表面に転写し、そのロール表面を介して開繊され繊維集合体に付与するいわゆるウィックアプリケータ方式、ボックス内でスリットから染み出させた液状消臭材を回転ブラシにより跳ね飛ばすことでミスト状として、このボックス内に開繊された繊維集合体を通して液状消臭材を付与するいわゆるブラシアプリケーター方式などの方法を採ることができる。
【0039】
(本発明にかかる繊維集合体の構成物例)
上記例に用いる繊維集合体は、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなるものであるが、そのトウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができる。特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
【0040】
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。セルロースの形状と大きさは、実質的に無限長とみなし得る連続繊維から長径が数ミリ〜数センチ(例えば、1mm〜5cm)程度のもの、粒径が数ミクロン(例えば、1〜100μm)程度の微粉末状のものまで、様々な大きさから選択できる。セルロースは、叩解パルプなどのように、フィブリル化していてもよい。
【0041】
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
【0042】
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
【0043】
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。
【0044】
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
【0045】
トウ構成繊維の繊度は、例えば、1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ましくは2〜8デニール程度とすることができる。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、紙おむつや生理用ナプキン等の体液吸収性物品に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】生理用ナプキンの第1の形態を概略的に示す平面図である。
【図2】そのII−II断面図である。
【図3】生理用ナプキンの第2の形態を概略的に示す断面図である。
【図4】生理用ナプキンの第3の形態を概略的に示す断面図である。
【図5】生理用ナプキンの第4の形態を概略的に示す平面図である。
【図6】そのV1−V1断面図である。
【図7】生理用ナプキンの第4の形態の製造方法の概略を示す図である。
【図8】生理用ナプキンの第5の形態を概略的に示す平面図である。
【図9】そのV2−V2断面図である。
【図10】生理用ナプキンの第5の形態の製造方法の概略を示す図である。
【図11】繊維集合体の製造フローを示す概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B,N1,N2…生理用ナプキン、2…不液透過性裏面シート、3…液透過性表面シート、4…吸収体、41…吸収コア、42…包囲材、42A…包囲材の液透過性表面シートに面する部位、42B…包囲材の液透過性表面シートに面しない部位、4U…上層、4L…下層、50…セカンドシート、6…サイド不織布、6A…弾性伸縮部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、汗、尿、経血の如き体液の吸収を図ることを意図する、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。特には、トウからなる繊維集合体を含む体液吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
この主の体液吸収性物品が、一般に、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられたクレープ紙で包囲された吸収コアを備え、液透過性表面シートから体液を体液吸収性物品内に取り込み、前記クレープ紙を介して吸収コアに移動させて、吸収保持させるものであることは良く知られているところである。
【特許文献1】特開2001−170111号公報
【特許文献2】特表平8−503397号公報
【特許文献3】特開昭57−205503号公報
【特許文献4】特開昭64−45801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の体液吸収性物品の有する問題の一つしてとして、体液吸収後における悪臭の発生が挙げられる。この悪臭の発生原因は、吸収性コアを包囲するクレープ紙、あるいは、吸収体と液透過性表面シートとの間に、拡散、体液の逆戻り防止等のために設けられるいわゆるセカンドシート、の体液保持率が高いために体液がクレープ紙等において吸収保持された状態で乾燥し、体温により暖められることによる。
【0004】
特に、体液吸収性物品が生理用ナプキンである場合には、吸収対象とする経血が尿と異なり凝固する性質を備えるため、クレープ紙等の液透過性表面シートに面する側にて経血が凝固することがあり、悪臭の発生がより顕著である。また、一旦、上述の経血の凝固が生ずると、後に排出された経血の吸収コアへの移動が阻害され、これによりさらにクレープ紙等での経血凝固が引き起こされ、悪臭発生の原因となるという悪循環が生ずる。
【0005】
このような悪臭を抑制すべく、上記クレープ紙あるいはセカンドシートの表面にゼオライト等の固体消臭材を配置した吸収性物品、あるいはクレープ紙あるいはセカンドシートの表面に液体消臭材を塗布した吸収性物品が知られているが十分な消臭効果が得られていない。その理由は、以下のとおりである。
【0006】
(1)固体消臭材は一般に表面に微細孔を有し、この微細孔に悪臭成分を取り込み保持して消臭機能を発揮するが、クレープ紙、セカンドシートは液保持性が高いため、クレープ紙等近傍に消臭材を配置する従来形態では、クレープ紙に保持された体液が固体消臭材を包囲し、微細孔を閉塞させるため十分な消臭機能が発揮されない。
【0007】
(2)他方、液体消臭材は一般的に、化学反応により消臭機能を発揮するものであるが、クレープ紙、セカンドシートへの塗布量には限度があり、かかるクレープ紙等に体液が保持されると処理当量を超え十分な消臭機能が発揮されない。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、セカンドシート、吸収コアを包囲するクレープ紙の液透過性を改善して、従来、セカンドシートあるいはクレープ紙に体液が保持されることに起因して発生する悪臭が格段に低減された体液吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアおよびこの吸収コアを直接的に包囲する包囲材と、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記包囲材の少なくとも液透過性表面シート側に面する部位が、トウからなる繊維集合体で形成され、かつ前記消臭材がトウからなる繊維集合体の表面または内部に散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【0010】
<請求項2記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記液透過性表面シートと前記吸収コアの前記液透過性表面シート側に面との間に、トウからなる繊維集合体で形成された液透過性のセカンドシートが介在され、このセカンドシートの表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【0011】
<請求項3記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記吸収コアの少なくとも幅方向両脇部に、表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布された、トウからなる繊維集合体が配置されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【発明の効果】
【0012】
トウからなる繊維集合体は、繊維の連続方向に沿って液が流れやすく拡散性に優れる。また、液透過性に優れしかも体液保持性が極めて低い。本発明では、クレープ紙に代えてトウからなる繊維集合体により吸収コアを直接的に包囲する、あるいは、セカンドシートをトウからなる繊維集合体で構成することとしたので、液透過性表面シートから体液吸収性物品内に取りこまれた体液が拡散しつつしかも留まることなく素早く吸収コアに到達し迅速に吸収保持される。そして、これらのトウからなる繊維集合体の表面または内部に消臭材を配置することとしたので、従来製品が有していた、クレープ紙等の体液保持に起因する消臭材の機能阻害が排除され、悪臭発生のない体液吸収後となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について生理用ナプキンへの適用例を引いて詳述するが、本発明はパンツ型若しくはテープ式紙おむつへの適用も可能である。また、本実施の形態での生理用ナプキンとしては、実質的に前後対称形状の昼用のものであるか、臀部側に延在し、その臀部側が大きく張り出した形状をした夜用のもの、側部に張り出すウイングを有するいわゆるウイングタイプのものであるか、ウイングを有さない非ウイングタイプの生理用ナプキンであるかは問わず適用できることはもちろんである。夜用のものやウイングタイプの生理用ナプキンのものは、周知であるのため構造説明は省略する。
【0014】
(本発明の吸収性物品の第1の実施の形態)
図1及び図2は、本発明に係る生理用ナプキンの一例1を示したものである。この生理用ナプキンの例1は、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不液透過性裏面シート(裏面材)2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる液透過性表面シート(表面材)3とを有する。これら両シート2,3間には、綿状パルプまたは合成パルプなどからなり吸収コア41を、トウからなる繊維集合体で構成される包囲材42によりその略全体を包んでなる吸収体4が介在されている。
【0015】
不液透過性裏面シート2としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不液透過性を確保した不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不液透過性裏面シートを構成する。また通常、製品外面側に不織布が位置する積層形態が採られる)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートがある。
【0016】
液透過性表面シート3としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。
【0017】
液透過性表面シート3には、図示しない表面エンボスを付与することができる。ここにいう表面エンボスは、液透過性表面シート3が吸収コア41と組み合わされる前の工程で付与されるので、吸収体4の変形はないものである。
【0018】
吸収コア41は、主にフラッフ状パルプと高吸収性ポリマーとにより形成できる。吸収コア41は、図面では概略的に示したため平坦になっているが、通常はフィット性向上のために前後方向及び幅方向中央が周囲に対して膨出する中高に形成される。高吸収性ポリマーは吸収コア41を構成するパルプ中に例えば粉粒体として混入できるほか、吸収コア41の表面に保持させることもできる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
【0019】
高吸収性ポリマーは、自重のたとえば10倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマーの形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適である。
【0020】
高吸収性ポリマーは、当該吸収体の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、例えば、生理用ナプキンの場合であれば3〜400g/m2となるように散布することができる。
【0021】
フラッフ状パルプに対する高吸収性ポリマーの量的配置、密度分布、繊維密度は汎用を目的とする場合には均一であるのが好ましいが、特別の吸収特性を発揮させることを目的とした場合、その目的に応じて偏らせるのも好ましい。
【0022】
吸収コア41を直接的に包囲する包囲材42を構成する繊維集合体は、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなる。図示はしないがこのトウからなる繊維集合体で構成した包囲材42の内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されている。この消臭剤としては、従来既知のものが使用できる。具体例としては、活性炭、ゼオライト等が挙げられる。なお、本実施形態においては、消臭剤として粉状のものを用いているが、液状消臭材を塗布あるいは散布したトウからなる繊維集合体を用いて包囲材42を構成することで同様の作用効果をもたらすことができる。
【0023】
(本発明の吸収性物品の他の実施の形態)
以下に示す他の形態は、表裏面からの平面視については上記の形態と相違しない。上述の形態は、包囲材42がトウからなる繊維集合体のみで構成されているが、図3に示す生理用ナプキン例1Aは、包囲材42の透過液性シートに面する側の部位42Aのみ。内部および内外表面に粉状消臭剤が散在されている、トウからなる繊維集合体で構成されており、その他の部分42Bは、従来のクレープ紙により構成されている。この図3に示す形態は、トウよりも安価なクレープ紙を使用することで、トウからなる繊維集合体および消臭材の使用量を抑制でき製造コストを低くすることが可能となる。
【0024】
図4に示す生理用ナプキン例1Bは、液透過性表面シート3と吸収体4との間にいわゆるセカンドシート50が設けられおり、このセカンドシート50についても、内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されているトウからなる繊維集合体で形成されている形態である。トウからなる繊維集合体は、繊維の並びに方向性があるため、液透過性表面シート3から内部に取り込まれた経血がかかるセカンドシート50に到達すると、繊維流れに沿って拡散されつつ吸収体4がわに向かって迅速に透過し、さらに吸収体4に到達した経血はトウからなる繊維集合体で形成された包囲材42によって拡散されつつ吸収コア41に移動せしめられる。従って、液透過性表面シート3の特定の部位から取り込まれた経血は、広範に拡散されつつ迅速に吸収コア41に到達するため、吸収コア41における吸収速度が高められる。もって、吸収コア41以外の部位での経血の凝固するおそれが格段に少なくなり、消臭材の効果と相まって悪臭の発生が抑制される。
【0025】
なお、セカンドシート50と包囲材42とを構成する繊維集合体は同様である必要はなく、材料、開繊具合などを適宜異ならしめることができる。
【0026】
(本発明の吸収性物品の製造方法例)
本発明の吸収性物品の製造方法について、内部および内外表面には粉状消臭剤が散在されているトウからなる繊維集合体で形成されているセカンドシートを備える生理用ナプキンを例に以下に説明する。図5および6に本発明にかかる生理用ナプキンの第1の形態N1を示す。この第1の形態の生理用ナプキンN1は、図5に示される使用面側からの平面図から理解されるように、吸収コア41およびセカンドシート50ともに吸収性物品の長手方向単部に至らない形態である。
【0027】
この形態の生理用ナプキンN1の製造方法は、図7に示す。まず、上流からコンベア等により搬送されてくる吸収コア41を構成するための積繊パルプシート等の吸収コア構成材帯BOの使用面側の適宜の箇所に接着剤Gを塗布し、セカンドシート50を構成する、予め粉状消臭材を散在せしめた繊維集合体帯AOを連続的に積層して接着する。次いで、この繊維集合体帯AOと吸収コア構成材帯BO積層された積層物帯XOをカッター80,80にて適宜の大きさに裁断して積層物X,X…としさらに下流に搬送する。その後、この積層物Xの表面側(使用面側)にトップシート材帯tO、裏面側にバックシート材帯bOを重ね合せつつコンベア等で下流に搬送する。次いで、適当間隔で前記トップシート材帯tOとバックシート材帯bOとをホットメルト接着装置81,81にて接着し、適宜当該ホットメルト接着部Hで裁断して個々の生理用ナプキンN1を得る。なお、ホットメルト接着部は生理用ナプキンの長手方向単部を構成する。
【0028】
次いで、図8および9に本発明にかかる生理用ナプキンの第2形態N2を示す。この第2の形態の生理用ナプキンN2は、図8に示される使用面側からの平面図から理解されるように、吸収コア41が吸収性物品の長手方向単部には至っていないが、セカンドシート50は生理用ナプキンの長手方向単部にまで到達している形態である。
【0029】
この生理用ナプキンN2の製造方法は、図10に示す。まず、上流からコンベア等にて搬送されてくる吸収コア41を構成するための積繊パルプシート等の吸収コア構成材帯BXをカッター80,80にて適宜の大きさに裁断して吸収コア41,41…を形成し、さらに下流に搬送する。次いで、この吸収コア41,41…の使用面側の適宜の箇所に接着剤Gを塗布し、セカンドシート50を構成する予め粉状消臭材を散在せしめた繊維集合体帯AOを連続的に積層して接着しつつ下流に搬送する。次いで、この吸収コア41,41…に繊維集合体帯AOが積層された積層物帯XOの表面側(使用面側)にトップシート材帯tO、裏面側にバックシート材帯Nbを重ね合せつつコンベアで下流に搬送する。次いで、適当間隔で前記トップシート材帯Ntとバックシート材帯bOとをホットメルト接着装置にて接着し、適宜当該ホットメルト接着部で裁断して個々の吸収性物品N2を得る。
【0030】
(本発明にかかる繊維集合体の製造方法例)
次いで、本発明に係るトウからなる繊維集合体について説明する。トウからなる繊維集合体は公知の方法により必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mm程度とすることができる。トウを開繊すると、後述する粉状消臭材の移動がより容易になるため好ましい。また、包囲材あるいはセカンドシートに適するようにトウの開繊度合いを調整することができる。
【0031】
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛渡し、トウの進行に伴なって次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
【0032】
図11は開繊設備例を示す概略図である。この例では、原反となるトウ70が順次繰り出され、その搬送過程で、圧縮エアーを用いる拡幅手段72と下流側のロールほど周速の速い複数の開繊ニップロール73,74,75とを組み合わせた開繊部を通過され拡幅・開繊された後、バインダー添加ボックス76に通され、バインダーを付与され、所望の幅・密度のトウからなる繊維集合体Aとして形成されるようになっている。バインダーの付与は、例えばバインダーを浸透させたフェルトをスチロール表面に接触させることによりバインダーをロール表面に転写し、そのロール表面を介して開繊されトウにバインダーを付与するいわゆるウィックアプリケータ方式、ボックス内でスリットから染み出させたバインダーを回転ブラシにより跳ね飛ばすことでミスト状として、このボックス内に開繊されトウを通してバインダーを付与するいわゆるブラシアプリケーター方式などの方法を採ることができる。
【0033】
バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0034】
熱可塑性樹脂は、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性または水難溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれる。水不溶性または水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
【0035】
水不溶性または水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
【0036】
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
【0037】
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
【0038】
他方、繊維集合体の内部および内外表面に粉状消臭剤が散在せしめるにあたっては、拡幅・開繊したトウからなる繊維集合体に対して粉状消臭材を一方の面から散布した後、散布された面と反対面を吸引ドラム等に面接させるとともに適当な吸引力で吸引して、散布した粉状消臭材を内部に移動せしめる方法を用いることができる。粉状消臭材の配合量については、その消臭材の消臭効果等を考慮して適宜定めることができる。他方、繊維集合体に液状の消臭材を散布あるいは塗布するにあたっては、液状消臭材を浸透させたフェルトをスチロール表面に接触させることにより液状消臭材をロール表面に転写し、そのロール表面を介して開繊され繊維集合体に付与するいわゆるウィックアプリケータ方式、ボックス内でスリットから染み出させた液状消臭材を回転ブラシにより跳ね飛ばすことでミスト状として、このボックス内に開繊された繊維集合体を通して液状消臭材を付与するいわゆるブラシアプリケーター方式などの方法を採ることができる。
【0039】
(本発明にかかる繊維集合体の構成物例)
上記例に用いる繊維集合体は、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなるものであるが、そのトウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができる。特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
【0040】
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。セルロースの形状と大きさは、実質的に無限長とみなし得る連続繊維から長径が数ミリ〜数センチ(例えば、1mm〜5cm)程度のもの、粒径が数ミクロン(例えば、1〜100μm)程度の微粉末状のものまで、様々な大きさから選択できる。セルロースは、叩解パルプなどのように、フィブリル化していてもよい。
【0041】
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
【0042】
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
【0043】
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。
【0044】
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
【0045】
トウ構成繊維の繊度は、例えば、1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ましくは2〜8デニール程度とすることができる。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、紙おむつや生理用ナプキン等の体液吸収性物品に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】生理用ナプキンの第1の形態を概略的に示す平面図である。
【図2】そのII−II断面図である。
【図3】生理用ナプキンの第2の形態を概略的に示す断面図である。
【図4】生理用ナプキンの第3の形態を概略的に示す断面図である。
【図5】生理用ナプキンの第4の形態を概略的に示す平面図である。
【図6】そのV1−V1断面図である。
【図7】生理用ナプキンの第4の形態の製造方法の概略を示す図である。
【図8】生理用ナプキンの第5の形態を概略的に示す平面図である。
【図9】そのV2−V2断面図である。
【図10】生理用ナプキンの第5の形態の製造方法の概略を示す図である。
【図11】繊維集合体の製造フローを示す概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B,N1,N2…生理用ナプキン、2…不液透過性裏面シート、3…液透過性表面シート、4…吸収体、41…吸収コア、42…包囲材、42A…包囲材の液透過性表面シートに面する部位、42B…包囲材の液透過性表面シートに面しない部位、4U…上層、4L…下層、50…セカンドシート、6…サイド不織布、6A…弾性伸縮部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアおよびこの吸収コアを直接的に包囲する包囲材と、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記包囲材の少なくとも液透過性表面シート側に面する部位が、トウからなる繊維集合体で形成され、かつ前記消臭材がトウからなる繊維集合体の表面または内部に散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【請求項2】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記液透過性表面シートと前記吸収コアの前記液透過性表面シート側に面との間に、トウからなる繊維集合体で形成された液透過性のセカンドシートが介在され、このセカンドシートの表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【請求項3】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記吸収コアの少なくとも幅方向両脇部に、表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布された、トウからなる繊維集合体が配置されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【請求項1】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアおよびこの吸収コアを直接的に包囲する包囲材と、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記包囲材の少なくとも液透過性表面シート側に面する部位が、トウからなる繊維集合体で形成され、かつ前記消臭材がトウからなる繊維集合体の表面または内部に散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【請求項2】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記液透過性表面シートと前記吸収コアの前記液透過性表面シート側に面との間に、トウからなる繊維集合体で形成された液透過性のセカンドシートが介在され、このセカンドシートの表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【請求項3】
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の液透過性表面シートと、身体の肌から遠ざかる側に設けられた不液透過性裏面シートと、両者の間に設けられた、体液の吸収保持機能を有する吸収コアと、消臭材とを備える体液吸収性物品であって、
前記吸収コアの少なくとも幅方向両脇部に、表面または内部に消臭材が散在あるいは塗布された、トウからなる繊維集合体が配置されていることを特徴とする体液吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−14888(P2006−14888A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194875(P2004−194875)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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