体臭発生抑制組成物および体臭除去組成物
【課題】 体臭、特に加齢臭および頭皮臭を効果的に抑制および除去すること。
【解決手段】 水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物、ならびに水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物。
【解決手段】 水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物、ならびに水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加齢臭の主要な原因物質とされる2−ノネナールの発生に関与する活性酸素を抑制し、または、2−ノネナールを無臭に変化させる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデオドラントブーム下では加齢に伴って生じる体臭が注目されており、それを炭やヤシガラ活性炭などの多孔性担体に吸着することにより除去する技術(特許文献1)、原因常在菌の繁殖を抑制する技術(特許文献2)や他の香料成分でマスキングする技術などが開発されている。
このように加齢に伴って特異的に生じる体臭は加齢臭と呼ばれており、頭皮臭とともに不快なものとされ、その解消が求められている。
【0003】
一方で、加齢臭の主要な原因物質として2−ノネナールが提唱されており、この成分は加齢臭が発生する年齢とされる40歳以降に特異的に増大することが示されている。2−ノネナールはω7不飽和脂肪酸の酸化的分解によって発生し、過酸化脂質がその酸化的分解を促進することが示されている(非特許文献1)。
しかしながら、従来の技術では、この2−ノネナールの発生を抑制することや、一旦発生した2−ノネナールを無臭物に変換することは困難であった。
【特許文献1】特開2002-145747公報
【特許文献2】特開2008-110999公報
【非特許文献1】Haze et al., The Journal of Investigative Dermatology, Vol. 116, No.4 (2001), pp.520-524.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの状況の下、加齢臭の主要な原因物質である2−ノネナールの発生を効果的に抑制し、また、発生した2−ノネナールを無臭物に変換することにより、加齢臭を根本的に解消することに対する要望が存在する。
【0005】
そこで、本発明者は、2−ノネナールの発生を抑制し、また、発生した2−ノネナールを無臭物に変換する物質について鋭意検討した結果、ブドウ糖が2−ノネナール発生の原因となる活性酸素の生成を抑制し、また、システインが2−ノネナールと化学的に反応して無臭物に変換することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物;
(2)水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物;
(3)水、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸、およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制および除去用組成物;
(4)ブドウ糖を7.5〜150mM含有する前記(1)または(3)記載の組成物;
(5)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を1種のアミノ酸濃度として0.1〜50mM含有する前記(2)または(3)記載の組成物;
(6)皮膚化粧料添加剤である前記(1)ないし(5)のいずれか1に記載の組成物;
(7)消臭剤添加剤である前記(6)記載の組成物;
(8)前記(6)に記載の皮膚化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料;
(9)前記(7)に記載の消臭剤添加剤を含有することを特徴とする消臭剤
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不快な加齢臭や頭皮臭の問題を根本的に解消することができる。
また、本発明の組成物に配合される成分は従来より種々の皮膚化粧料などに配合されてその安全性が確認されているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、第一の態様において、体臭発生抑制用組成物を提供する。
本明細書において用いる「体臭」とは主に上述した加齢臭や頭皮のことをいうが、一般的に加齢臭と呼ばれている体臭に加えて、2−ノネナールが主要な原因物質となっている他の体臭も包含する。
【0009】
本発明の体臭発生抑制組成物に用いるブドウ糖は、天然に多量に存在するD−グルコピラノースを用いることができる。ブドウ糖は三大栄養素の一つとして旧来より用いられており、その拡散、浸透をより図るため、皮膚への適用は、水溶液として組成物に処方される。
【0010】
本発明の体臭発生抑制用組成物におけるブドウ糖の配合濃度は、通常7.5〜150mM、好ましくは10〜100mM、より好ましくは15〜50mM、最も好ましくは20〜30mMである。体臭発生抑制用組成物におけるブドウ糖の濃度が7.5mM未満である場合は2−ノネナールの発生を効果的に抑制することができず、一方150mMを超えて配合してもそれに応じた効果が期待できないばかりか、皮膚適用時に不快な感触を生じる。
【0011】
また、本発明は、第二の態様において、体臭除去用組成物を提供する。
本発明の体臭除去用組成物に用いるアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸またはその塩であり、自体公知の方法に従って天然物から抽出したものであっても、化学的に合成したものであってもよい。例えば、塩酸L-システイン一水和物、L-システイン(以後、「システイン」と表示)を用いることができる。アミノ酸は皮膚への適用を容易にするためおよび安全性のために、水溶液として組成物に処方される。
【0012】
本発明の体臭除去用組成物におけるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの配合濃度は、通常0.1〜50mM、好ましくは0.5〜30mM、より好ましくは1.0〜20mM、最も好ましくは1.5〜15mMである。体臭除去用組成物におけるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン濃度が0.1mM未満である場合は2−ノネナールを無臭物に効果的に変換することができず、一方50mMを超えて配合してもそれに応じた効果が期待できない。
【0013】
さらに、本発明は上記したブドウ糖とシステインを配合した体臭発生抑制および除去用組成物を提供する。2−ノネナールの発生を抑制するブドウ糖および発生した2−ノネナールを無臭物に変換するシステインの両成分を配合することにより、不快な体臭をより効果的に解消することができる。
本発明の体臭発生抑制および除去用組成物に配合するブドウ糖およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンならびにそれらの配合濃度は、上記のとおりである。
【0014】
本発明の組成物には、上述した必須の成分のほかに、適宜用途に応じて、後記するようなpH調製剤、防腐剤、キレート剤、安定化剤などを配合することができる。
【0015】
また、本発明は、第三の形態において、皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤として用いる前記の組成物を提供する。ここに、皮膚化粧料添加剤は、好ましくは消臭剤添加剤である。
【0016】
本発明の皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤において用いる成分および配合量は抗酸化組成物について前記したものと同じであり、前記した任意の成分を適宜配合することができる。
【0017】
また、本発明は、第四の形態において、各々、前記の皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料、好ましくは消臭剤、皮膚外用剤、または毛髪化粧料を提供する。
【0018】
本発明の皮膚化粧料、皮膚外用剤、または毛髪化粧料におけるブドウ糖の最終濃度は、通常7.5〜150mM、好ましくは10〜100mM、より好ましくは15〜50mM、最も好ましくは20〜30mMであり、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの最終濃度は、通常0.1〜50mM、好ましくは0.5〜30mM、より好ましくは1.0〜20mM、最も好ましくは1.5〜15mMである。
【0019】
本発明の皮膚化粧料、皮膚外用剤、または毛髪化粧料は、組成物について前記した必須の成分のほかに、以下のような公知成分を自体公知の方法で配合して、半固体、溶液、懸濁液、分散液、または油中水型もしくは水中油型の乳化液などの含水組成物の剤型とすることができる。
【0020】
油剤
セチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの高級脂肪酸;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸オクチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリルなどのエステル油;流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、パラフィンなどの炭化水素;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレン・ポリプロピレンコポリマーなどのワックス;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ダイズ油、落花生油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油などの植物油脂;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油などの動物油脂;鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコールなどのラノリン;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、スフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチンなどのリン脂質;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)などの脂肪酸アルカノールアミド;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、アミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーンなどのシリコーン;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素系油
【0021】
保湿剤・感触向上剤
グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、シクロデキストリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、チューベロース多糖体、尿素、コラーゲン、魚由来コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、カモミラエキス、カンゾウエキス、シルクエキス、ユーカリエキス、セラミド
【0022】
界面活性剤
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤;ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ポリオキシエチレン付加数のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ステアリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ソルビタンモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)などの非イオン性界面活性剤;ステアルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリドなどの陽イオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤
【0023】
粘度調整剤
カラギーナン、カラヤガム、トラガントガム、キサンタンガム、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム等の塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、ポリビニルピドリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、マレイン酸共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体
【0024】
溶剤・噴射剤
エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、イソブチルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、炭酸プロピレン、炭酸ジアルキル、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、トルエン、フルオロカーボン、LPG、ジメチルエーテル、炭酸ガス
【0025】
酸化防止剤・還元剤・酸化剤
トコフェロール、酢酸トコフェロール、BHT、BHA、アスコルビン酸またはその誘導体、チオグリコール酸、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸
【0026】
防腐剤・抗菌剤・キレート剤
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、トリクロサン、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、銀イオン、エチレンジアミン四酢酸塩、シュウ酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸;クエン酸ナトリウム、クエン酸、アラニン、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸
【0027】
pH調整剤
クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硫酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、
【0028】
粉体
マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、雲母、酸化チタン、雲母チタン、
【0029】
紫外線吸収剤
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート、オクチルシンナメート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、オクチルトリアゾン、アントラニル酸メチル、オリザノール
【0030】
薬効成分
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー、サリチル酸、レゾルシン、ピリドキシン、メントール、サリチル酸メチル等、クエン酸、酒石酸、乳酸、タンニン酸、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、塩化リゾチーム、リパーゼ、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ
【実施例】
【0031】
つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの態様は本発明を説明することを目的とするものであって、これらに本発明が制限されるものではない。
また、下記実施例で使用したシステインは、別段指摘しない限り、すべて塩酸システイン一水和物である。
【0032】
実施例1
ヒトケラチン細胞(倉敷紡績株式会社)を5、20、50mMのブドウ糖水溶液中で4日間培養したのち、活性酸素とMTT(細胞のViability)を測定した。数値は活性酸素をMTT値で除して平準化し、ブドウ糖濃度5mMのときの値を100として示した。データはn=4での平均値。
【0033】
【表1】
【0034】
その結果、ブドウ糖濃度が20mMのとき、活性酸素発生量は最も低い値を示し、高濃度のブドウ糖が2−ノネナール発生の原因となる活性酸素の発生を抑制していることが示された。
【0035】
実施例2
ブドウ糖による活性酸素抑制の機構を調べるために、ヒトケラチン細胞を5、20mMのブドウ糖水溶液中で4日間培養したのち、ペントースリン酸経路にあるグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)活性を測定した。数値は活性酸素をタンパク質量で除して平準化し、5mMのときの値を100として示した。データはn=4での平均値。
【0036】
【表2】
【0037】
ペントースリン酸回路の最初の律速酵素G6PDは、NADPHの主供給源であり、近年、NADPHオキシデースを介して活性酸素の発生に関与することが注目されるに至った。上の結果は、高濃度のブドウ糖によってG6PDの活性が抑制され、活性酸素の発生が阻害されることを示唆した。
【0038】
実施例3
加齢臭の元凶ともいわれる2−ノネナールを変換するシステインの能力について検討した。以下のSampleを用いて、400MHz 核磁気共鳴(以下NMR)にて室温、重メタノール中における2−ノネナールと生成物の比を求めた。
その結果を表3に示す。
Sample A (Cys 6mg): 7 mgの2−ノネナールを0.5 mLの重メタノールに溶
解し、6 mg のシステイン(塩酸塩ではない)を加え
たもの。
2−ノネナール:システイン=1:1(モル比)。
Sample B (Cys 12mg): 7 mgの2−ノネナールを0.5 mLの重メタノールに溶
解し、12 mg のシステイン(塩酸塩ではない)を加
えたもの。
2−ノネナール:システイン=1:2(モル比)。
Sample A,Bともに、ガラス製の容器(NMR測定管・蓋付)にて室温で保存した。
【0039】
【表3】
その結果、システインにより2−ノネナールが減少することが判明した。
【0040】
実施例4
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンにおいて、上のシステインによる2−ノネナール減少実験と同じく、2−ノネナール(7mg)とアミノ酸(1:1(モル比))を重メタノールに溶解、24時間後の2−ノネナール残存率をNMRに測定した。
【0041】
【表4】
すべてのアミノ酸において、程度の差はあるが、2−ノネナールの減少効果が認められた。
【0042】
実施例5
ブドウ糖およびシステインを含有する水溶液による2−ノネナール臭の消去効果について4名の成人健常男性の嗅覚にて評価した。エタノールに溶解した1重量%2−ノネナール溶液を10cm×5cm×20cmのプラスチック容器2個に噴霧し、さらにそのうちの1個の容器に(20mMブドウ糖+3mMシステイン)混合水溶液を噴霧、Blindにて30分後のそれぞれの容器内の臭いを直接嗅ぎ、検討した。
その結果を表4に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
2−ノネナール単独を噴霧した場合には強烈な2−ノネナール臭が認められたのに対して、それにブドウ糖およびシステインの混合物を噴霧した場合には2−ノネナール臭が減弱されることが判明した。
【0045】
実施例6
体臭発生抑制用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 5mM
水
【0046】
実施例7
体臭除去用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 3.0mM
グルタミン酸Na 7.5mM
水
【0047】
実施例8
体臭発生抑制および体臭除去用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 5.0mM
グルタミン酸Na 7.5mM
グリシン 5.0mM
水
【0048】
実施例9
皮膚外用剤
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 5.0mM
水
【0049】
実施例10
皮膚化粧料
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 7.5mM
水
【0050】
実施例11
毛髪化粧料
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 5.0mM
水
【0051】
実施例12
消臭剤
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 3.0mM
水
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、ブドウ糖が有する2−ノネナール発生抑制効果およびシステインが有する2−ノネナール除去効果により、加齢臭や頭皮臭の発生を効果的に抑制し、また、発生した加齢臭や頭皮臭除去できる皮膚外用剤、皮膚化粧料、毛髪化粧料を提供することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、加齢臭の主要な原因物質とされる2−ノネナールの発生に関与する活性酸素を抑制し、または、2−ノネナールを無臭に変化させる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデオドラントブーム下では加齢に伴って生じる体臭が注目されており、それを炭やヤシガラ活性炭などの多孔性担体に吸着することにより除去する技術(特許文献1)、原因常在菌の繁殖を抑制する技術(特許文献2)や他の香料成分でマスキングする技術などが開発されている。
このように加齢に伴って特異的に生じる体臭は加齢臭と呼ばれており、頭皮臭とともに不快なものとされ、その解消が求められている。
【0003】
一方で、加齢臭の主要な原因物質として2−ノネナールが提唱されており、この成分は加齢臭が発生する年齢とされる40歳以降に特異的に増大することが示されている。2−ノネナールはω7不飽和脂肪酸の酸化的分解によって発生し、過酸化脂質がその酸化的分解を促進することが示されている(非特許文献1)。
しかしながら、従来の技術では、この2−ノネナールの発生を抑制することや、一旦発生した2−ノネナールを無臭物に変換することは困難であった。
【特許文献1】特開2002-145747公報
【特許文献2】特開2008-110999公報
【非特許文献1】Haze et al., The Journal of Investigative Dermatology, Vol. 116, No.4 (2001), pp.520-524.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの状況の下、加齢臭の主要な原因物質である2−ノネナールの発生を効果的に抑制し、また、発生した2−ノネナールを無臭物に変換することにより、加齢臭を根本的に解消することに対する要望が存在する。
【0005】
そこで、本発明者は、2−ノネナールの発生を抑制し、また、発生した2−ノネナールを無臭物に変換する物質について鋭意検討した結果、ブドウ糖が2−ノネナール発生の原因となる活性酸素の生成を抑制し、また、システインが2−ノネナールと化学的に反応して無臭物に変換することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物;
(2)水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物;
(3)水、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸、およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制および除去用組成物;
(4)ブドウ糖を7.5〜150mM含有する前記(1)または(3)記載の組成物;
(5)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を1種のアミノ酸濃度として0.1〜50mM含有する前記(2)または(3)記載の組成物;
(6)皮膚化粧料添加剤である前記(1)ないし(5)のいずれか1に記載の組成物;
(7)消臭剤添加剤である前記(6)記載の組成物;
(8)前記(6)に記載の皮膚化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料;
(9)前記(7)に記載の消臭剤添加剤を含有することを特徴とする消臭剤
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不快な加齢臭や頭皮臭の問題を根本的に解消することができる。
また、本発明の組成物に配合される成分は従来より種々の皮膚化粧料などに配合されてその安全性が確認されているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、第一の態様において、体臭発生抑制用組成物を提供する。
本明細書において用いる「体臭」とは主に上述した加齢臭や頭皮のことをいうが、一般的に加齢臭と呼ばれている体臭に加えて、2−ノネナールが主要な原因物質となっている他の体臭も包含する。
【0009】
本発明の体臭発生抑制組成物に用いるブドウ糖は、天然に多量に存在するD−グルコピラノースを用いることができる。ブドウ糖は三大栄養素の一つとして旧来より用いられており、その拡散、浸透をより図るため、皮膚への適用は、水溶液として組成物に処方される。
【0010】
本発明の体臭発生抑制用組成物におけるブドウ糖の配合濃度は、通常7.5〜150mM、好ましくは10〜100mM、より好ましくは15〜50mM、最も好ましくは20〜30mMである。体臭発生抑制用組成物におけるブドウ糖の濃度が7.5mM未満である場合は2−ノネナールの発生を効果的に抑制することができず、一方150mMを超えて配合してもそれに応じた効果が期待できないばかりか、皮膚適用時に不快な感触を生じる。
【0011】
また、本発明は、第二の態様において、体臭除去用組成物を提供する。
本発明の体臭除去用組成物に用いるアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸またはその塩であり、自体公知の方法に従って天然物から抽出したものであっても、化学的に合成したものであってもよい。例えば、塩酸L-システイン一水和物、L-システイン(以後、「システイン」と表示)を用いることができる。アミノ酸は皮膚への適用を容易にするためおよび安全性のために、水溶液として組成物に処方される。
【0012】
本発明の体臭除去用組成物におけるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの配合濃度は、通常0.1〜50mM、好ましくは0.5〜30mM、より好ましくは1.0〜20mM、最も好ましくは1.5〜15mMである。体臭除去用組成物におけるアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン濃度が0.1mM未満である場合は2−ノネナールを無臭物に効果的に変換することができず、一方50mMを超えて配合してもそれに応じた効果が期待できない。
【0013】
さらに、本発明は上記したブドウ糖とシステインを配合した体臭発生抑制および除去用組成物を提供する。2−ノネナールの発生を抑制するブドウ糖および発生した2−ノネナールを無臭物に変換するシステインの両成分を配合することにより、不快な体臭をより効果的に解消することができる。
本発明の体臭発生抑制および除去用組成物に配合するブドウ糖およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンならびにそれらの配合濃度は、上記のとおりである。
【0014】
本発明の組成物には、上述した必須の成分のほかに、適宜用途に応じて、後記するようなpH調製剤、防腐剤、キレート剤、安定化剤などを配合することができる。
【0015】
また、本発明は、第三の形態において、皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤として用いる前記の組成物を提供する。ここに、皮膚化粧料添加剤は、好ましくは消臭剤添加剤である。
【0016】
本発明の皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤において用いる成分および配合量は抗酸化組成物について前記したものと同じであり、前記した任意の成分を適宜配合することができる。
【0017】
また、本発明は、第四の形態において、各々、前記の皮膚化粧料添加剤、皮膚外用剤添加剤、または毛髪化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料、好ましくは消臭剤、皮膚外用剤、または毛髪化粧料を提供する。
【0018】
本発明の皮膚化粧料、皮膚外用剤、または毛髪化粧料におけるブドウ糖の最終濃度は、通常7.5〜150mM、好ましくは10〜100mM、より好ましくは15〜50mM、最も好ましくは20〜30mMであり、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの最終濃度は、通常0.1〜50mM、好ましくは0.5〜30mM、より好ましくは1.0〜20mM、最も好ましくは1.5〜15mMである。
【0019】
本発明の皮膚化粧料、皮膚外用剤、または毛髪化粧料は、組成物について前記した必須の成分のほかに、以下のような公知成分を自体公知の方法で配合して、半固体、溶液、懸濁液、分散液、または油中水型もしくは水中油型の乳化液などの含水組成物の剤型とすることができる。
【0020】
油剤
セチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの高級脂肪酸;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸オクチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリルなどのエステル油;流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、パラフィンなどの炭化水素;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレン・ポリプロピレンコポリマーなどのワックス;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ダイズ油、落花生油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油などの植物油脂;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油などの動物油脂;鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコールなどのラノリン;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、スフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチンなどのリン脂質;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)などの脂肪酸アルカノールアミド;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、アミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーンなどのシリコーン;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素系油
【0021】
保湿剤・感触向上剤
グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、シクロデキストリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、チューベロース多糖体、尿素、コラーゲン、魚由来コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、カモミラエキス、カンゾウエキス、シルクエキス、ユーカリエキス、セラミド
【0022】
界面活性剤
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤;ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ポリオキシエチレン付加数のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ステアリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ソルビタンモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)などの非イオン性界面活性剤;ステアルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリドなどの陽イオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤
【0023】
粘度調整剤
カラギーナン、カラヤガム、トラガントガム、キサンタンガム、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム等の塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、ポリビニルピドリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、マレイン酸共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体
【0024】
溶剤・噴射剤
エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、イソブチルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、炭酸プロピレン、炭酸ジアルキル、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、トルエン、フルオロカーボン、LPG、ジメチルエーテル、炭酸ガス
【0025】
酸化防止剤・還元剤・酸化剤
トコフェロール、酢酸トコフェロール、BHT、BHA、アスコルビン酸またはその誘導体、チオグリコール酸、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸
【0026】
防腐剤・抗菌剤・キレート剤
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、トリクロサン、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、銀イオン、エチレンジアミン四酢酸塩、シュウ酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸;クエン酸ナトリウム、クエン酸、アラニン、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸
【0027】
pH調整剤
クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硫酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、
【0028】
粉体
マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、雲母、酸化チタン、雲母チタン、
【0029】
紫外線吸収剤
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート、オクチルシンナメート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、オクチルトリアゾン、アントラニル酸メチル、オリザノール
【0030】
薬効成分
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー、サリチル酸、レゾルシン、ピリドキシン、メントール、サリチル酸メチル等、クエン酸、酒石酸、乳酸、タンニン酸、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、塩化リゾチーム、リパーゼ、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ
【実施例】
【0031】
つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの態様は本発明を説明することを目的とするものであって、これらに本発明が制限されるものではない。
また、下記実施例で使用したシステインは、別段指摘しない限り、すべて塩酸システイン一水和物である。
【0032】
実施例1
ヒトケラチン細胞(倉敷紡績株式会社)を5、20、50mMのブドウ糖水溶液中で4日間培養したのち、活性酸素とMTT(細胞のViability)を測定した。数値は活性酸素をMTT値で除して平準化し、ブドウ糖濃度5mMのときの値を100として示した。データはn=4での平均値。
【0033】
【表1】
【0034】
その結果、ブドウ糖濃度が20mMのとき、活性酸素発生量は最も低い値を示し、高濃度のブドウ糖が2−ノネナール発生の原因となる活性酸素の発生を抑制していることが示された。
【0035】
実施例2
ブドウ糖による活性酸素抑制の機構を調べるために、ヒトケラチン細胞を5、20mMのブドウ糖水溶液中で4日間培養したのち、ペントースリン酸経路にあるグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)活性を測定した。数値は活性酸素をタンパク質量で除して平準化し、5mMのときの値を100として示した。データはn=4での平均値。
【0036】
【表2】
【0037】
ペントースリン酸回路の最初の律速酵素G6PDは、NADPHの主供給源であり、近年、NADPHオキシデースを介して活性酸素の発生に関与することが注目されるに至った。上の結果は、高濃度のブドウ糖によってG6PDの活性が抑制され、活性酸素の発生が阻害されることを示唆した。
【0038】
実施例3
加齢臭の元凶ともいわれる2−ノネナールを変換するシステインの能力について検討した。以下のSampleを用いて、400MHz 核磁気共鳴(以下NMR)にて室温、重メタノール中における2−ノネナールと生成物の比を求めた。
その結果を表3に示す。
Sample A (Cys 6mg): 7 mgの2−ノネナールを0.5 mLの重メタノールに溶
解し、6 mg のシステイン(塩酸塩ではない)を加え
たもの。
2−ノネナール:システイン=1:1(モル比)。
Sample B (Cys 12mg): 7 mgの2−ノネナールを0.5 mLの重メタノールに溶
解し、12 mg のシステイン(塩酸塩ではない)を加
えたもの。
2−ノネナール:システイン=1:2(モル比)。
Sample A,Bともに、ガラス製の容器(NMR測定管・蓋付)にて室温で保存した。
【0039】
【表3】
その結果、システインにより2−ノネナールが減少することが判明した。
【0040】
実施例4
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンにおいて、上のシステインによる2−ノネナール減少実験と同じく、2−ノネナール(7mg)とアミノ酸(1:1(モル比))を重メタノールに溶解、24時間後の2−ノネナール残存率をNMRに測定した。
【0041】
【表4】
すべてのアミノ酸において、程度の差はあるが、2−ノネナールの減少効果が認められた。
【0042】
実施例5
ブドウ糖およびシステインを含有する水溶液による2−ノネナール臭の消去効果について4名の成人健常男性の嗅覚にて評価した。エタノールに溶解した1重量%2−ノネナール溶液を10cm×5cm×20cmのプラスチック容器2個に噴霧し、さらにそのうちの1個の容器に(20mMブドウ糖+3mMシステイン)混合水溶液を噴霧、Blindにて30分後のそれぞれの容器内の臭いを直接嗅ぎ、検討した。
その結果を表4に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
2−ノネナール単独を噴霧した場合には強烈な2−ノネナール臭が認められたのに対して、それにブドウ糖およびシステインの混合物を噴霧した場合には2−ノネナール臭が減弱されることが判明した。
【0045】
実施例6
体臭発生抑制用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 5mM
水
【0046】
実施例7
体臭除去用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 3.0mM
グルタミン酸Na 7.5mM
水
【0047】
実施例8
体臭発生抑制および体臭除去用組成物
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 5.0mM
グルタミン酸Na 7.5mM
グリシン 5.0mM
水
【0048】
実施例9
皮膚外用剤
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 5.0mM
水
【0049】
実施例10
皮膚化粧料
成分 配合濃度
ブドウ糖 20mM
システイン 1.5mM
グルタミン酸Na 7.5mM
水
【0050】
実施例11
毛髪化粧料
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 5.0mM
水
【0051】
実施例12
消臭剤
成分 配合濃度
ブドウ糖 25mM
システイン 3.0mM
水
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、ブドウ糖が有する2−ノネナール発生抑制効果およびシステインが有する2−ノネナール除去効果により、加齢臭や頭皮臭の発生を効果的に抑制し、また、発生した加齢臭や頭皮臭除去できる皮膚外用剤、皮膚化粧料、毛髪化粧料を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物。
【請求項2】
水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物。
【請求項3】
水、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭発生抑制および除去用組成物。
【請求項4】
ブドウ糖を7.5〜150mM含有する請求項1または3記載の組成物。
【請求項5】
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を1種のアミノ酸濃度として0.1〜50mM含有する請求項2または3記載の組成物。
【請求項6】
皮膚化粧料添加剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
消臭剤添加剤である請求項6記載の組成物。
【請求項8】
請求項6に記載の皮膚化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項9】
請求項7に記載の消臭剤添加剤を含有することを特徴とする消臭剤。
【請求項1】
水およびブドウ糖を含有することを特徴とする体臭発生抑制用組成物。
【請求項2】
水およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭除去用組成物。
【請求項3】
水、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有することを特徴とする体臭発生抑制および除去用組成物。
【請求項4】
ブドウ糖を7.5〜150mM含有する請求項1または3記載の組成物。
【請求項5】
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、N-アセチルシステイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を1種のアミノ酸濃度として0.1〜50mM含有する請求項2または3記載の組成物。
【請求項6】
皮膚化粧料添加剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
消臭剤添加剤である請求項6記載の組成物。
【請求項8】
請求項6に記載の皮膚化粧料添加剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項9】
請求項7に記載の消臭剤添加剤を含有することを特徴とする消臭剤。
【公開番号】特開2010−13418(P2010−13418A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176872(P2008−176872)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(500264375)株式会社ゲオ (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(500264375)株式会社ゲオ (11)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]