説明

作業フード及び当該作業フードを備えた作業ボックス

【課題】簡単な構造を有して、作業ボックス内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保するとともに、作業フードの脱着が容易で、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことのできる作業フードを提供する。
【解決手段】作業フードは、可撓性の作業フード本体30が枠体20に固着されている。枠体20は、作業ボックスの周壁部に取付けられる主枠部20aと、この主枠部20aの両基端部から作業ボックス内に突出する副枠部20bとから構成されている。作業フード本体30は、主枠部20a及び副枠部20bから延出されて、作業ボックス内部に向けて突出する突壁部31と、この突壁部31から延出される左右両側筒部32、33から構成されている。この突壁部31の少なくとも一部は透明に形成されており、左右両側筒部32、33の各先端部には、グローブ34、35が装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄度が要求される環境での作業に使用され、作業者を当該環境から隔離するための作業フードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品などの製造段階或いは研究開発段階の作業においては、無菌室、無塵室など空気清浄度の高い環境が要求される。また、医薬品を無菌容器に充填する作業などは、手作業によって行われることも多く、作業者による作業環境の汚染を防止するために、無菌状態或いは無塵状態に管理された作業ボックスが採用される。これとは逆に、人体に有害な物質等を取り扱う作業においては、作業者を保護するために封じ込め状態に管理された作業ボックスが採用される。これらの作業ボックスにおいては、作業者が作業ボックスの外部からグローブを介して作業を行うグローブボックス方式、或いは、作業者がハーフスーツなどの作業フードを介して上半身を作業ボックス内に突出させて作業を行う作業フード方式が採用される。
【0003】
グローブボックス方式による作業は、作業ボックスの一部の壁部を透明なガラスパネルとし、この透明壁部にグローブを装着することにより、作業者は、作業ボックスの外部から透明壁部を通して作業ボックス内を視認しながらグローブを介して作業ボックス内での作業を行うことができる。しかし、このグローブボックス方式による作業では、作業範囲が限定されるとともに、グローブの位置が固定されているので作業者の腕の動きが規制され作業性が十分ではない。
【0004】
これに対して、ハーフスーツなどの作業フード方式による作業においては、作業者は、作業ボックス外からハーフスーツを着用する。このハーフスーツを着用した作業者は、上半身を作業ボックス内に突出させた状態で作業することができるので、グローブを介して行う作業に比べ、作業性が一段と向上する。
【0005】
このようなハーフスーツを介して作業を行う作業ボックスとしては、例えば、下記特許文献1において、非通気性及び柔軟性を有する材料から形成されたハーフスーツを無菌室内に突出するようにして備えた無菌充填包装装置が提案されている。
【0006】
ここで、上記ハーフスーツは、柔軟性の材料、例えば、ゴム材、塩化ビニル樹脂などで形成されており、柔軟性があり作業性が向上する反面、作業者の体に密着しやすくなる。特に、外部環境から作業ボックス内への汚染を防止するために、作業ボックス内の空気圧を外気圧より高く維持する無菌状態或いは無塵状態においては、作業ボックス内の空気圧によりハーフスーツが作業者の体により密着しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−208623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1に記載の無菌充填包装装置で使用されるハーフスーツにおいては、上述のように作業者の体にハーフスーツが密着すると、作業者は、ハーフスーツ内での呼吸がしづらく、また、作業者の呼吸によってハーフスーツ内の湿度が上昇する。そうすると、ハーフスーツに設けられた視認窓が曇り、作業者が作業ボックス内を正確に視認することができなくなり、作業性を大きく低下させてしまうという問題があった。
【0009】
そこで、この問題を解決するために、ハーフスーツ内にエアホースを介して送風機からの清浄空気を常に送り込むエアラインスーツが採用される。しかし、このエアラインスーツは、送風機を設置してエアホースをハーフスーツに接続する必要があり装置の構造が複雑となり、また作業性を阻害するという問題があった。また、ハーフスーツは、作業者の上半身を被覆するためにその構造が袋状であり、作業者がハーフスーツを脱着する際に体に纏わりつきやすく、また、ハーフスーツ内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を煩雑なものとするという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、送風機などの装備を必要とせず、簡単な構造を有して、作業ボックス内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保するとともに、作業フードの脱着が容易で、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことのできる作業フードを提供することを目的とする。更に、本発明は、上記作業フードを備えてなる作業ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、作業フードの背面部を外部環境に開放しても作業性は低下せず、また、作業フードの前面部の清浄度を十分に維持できることを確認し、本発明の目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
【0012】
すなわち、本発明に係る作業フードは、請求項1の記載によれば、
左右両側に離隔した両基端部を結んで上記両基端部から上方に凸な形状を形成するように延出される主枠部(20a)、及び、この主枠部(20a)の上記両基端部を結んで上記両基端部から前方に凸な形状を形成するように延出される副枠部(20b)からなる枠体(20)と、
上記主枠部(20a)及び上記副枠部(20b)から延出されて上記主枠部(20a)から前方に凸な形状を形成する突壁部(31)、この突壁部(31)の左側部位の上下方向中間部位から延出される左側筒部(32)、並びに、上記突壁部(31)の右側部位の上下方向中間部位から延出される右側筒部(33)からなる可撓性の作業フード本体(30)とを備えており、
上記突壁部(31)は、少なくとも上記左右両側筒部(32、33)の各延出基端部間の部位にて透明に形成されており、
上記左右両側筒部(32、33)の各延出先端部には、グローブ(34、35)が脱着可能に装着されている。
【0013】
上記構成による作業フードは、作業者が無菌状態、無塵状態或いは封じ込め状態の作業領域に上半身を挿入して作業を行う作業ボックスで使用される。この場合、上記構成による作業フードは、可撓性を有する作業フード本体が枠体に固定されており、この枠体が上記作業ボックスの壁部に取り付けられる。
【0014】
ここで、枠体は、主枠部と副枠部とからなり、主枠部は作業者の頭部及び胴部を覆うように上方に凸な形状に形成され、副枠部は、主枠部の下端部に側面形状がL字状に連結されて、主枠部の下端部から前方に凸な形状に形成されている。
【0015】
一方、作業フード本体は、作業者の頭部及び胴部を挿入する突壁部を主枠部と副枠部とに固着された状態で作業ボックス内に突出するように設けられている。この突壁部には、作業ボックス内部に突出して作業者が両腕を挿入する左右両側筒部が設けられ、この左右両側筒部の各先端部には作業用のグローブが装着されている。
【0016】
上記構成による作業フードは、主枠部を作業ボックスの周壁部に開口した開口部に気密的に取り付けられ、副枠部を作業ボックス内に突出させるようにして設けられる。ここで、作業ボックスが、アイソレーター装置のように気密度の高い完全封鎖型の作業ボックスである場合には、作業フードの副枠部は、作業ボックスの底壁部にこの底壁部の一部を開口した開口部に気密的に取り付けられる。
【0017】
一方、作業ボックスが、RABS(アクセス制限バリアシステム)におけるように下方部が開放された作業ボックスである場合には、作業フードの副枠部は、作業ボックスの内部に突出した状態で作業室の下方部と同様に開放された状態でよい。なお、この場合には、作業フードの副枠部の下方に向けて、作業者の脚部を覆う壁面材を設けるようにしてもよい。
【0018】
このような構造において、作業者は、作業ボックスの外部から作業ボックス内に突出した突壁部に上半身を挿入する。この時、作業者は、主枠部の位置(作業ボックスの周壁部の位置)から作業ボックス内に凸な形状に形成された副枠部の前端部まで上半身を挿入することができる。従って、作業者は、作業ボックスの内部に上半身の略全体を挿入することができるようになる。
【0019】
この状態で、作業者は左右両側筒部に両腕を挿入し、この左右両側筒部の先端に取り付けられたグローブを着用する。また、突壁部に挿入された作業者の顔面部には、突壁部の透明に形成された部位が対向しており、作業者は、この透明部位から作業ボックス内を視認しながらグローブを介して作業を行うことができる。
【0020】
ここで、この作業フード本体は、可撓性の材料から形成されており、作業者は、上半身及び両腕を作業ボックス内で自由に動かすことができる。このことにより、作業者は、この作業フードを着用した状態で作業を行った場合でも、ハーフスーツなどの従来の作業フードによる作業と何ら変わらない広い作業領域と高い作業性を確保することができる。
【0021】
また、上記構成による作業フードは、簡単な構造をしており、また作業者の背面部が作業ボックスの外部に開放されている。従って、上記構成による作業フードは、ハーフスーツなどの従来の作業フードのように送風機など特別な装備を必要とせず、また、作業者は、作業フードの脱着を容易に行うことができる。更に、この作業フードの背面部が開放された構造から、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
【0022】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の作業フードであって、
上記主枠部(20a)は、上記両基端部から上方にコ字状に形成された内周縁部を備えており、
上記副枠部(20b)は、上記両基端部から前方に円弧状に形成された内周縁部を備えており、
上記突壁部(31)は、上側シート(31a)、左右両側シート(31b、31c)及び前側シート(31d)から構成され、
この突壁部(31)は、上記上側シート(31a)の上側縁部、上記左側シート(31b)の左側縁部及び上記右側シート(31c)の右側縁部にて、上記主枠部(20a)のコ字状に形成された内周縁部に固着されると共に、上記前側シート(31d)の下側縁部にて、上記副枠部(20b)の円弧状に形成された内周縁部に固着されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、請求項1に記載の作業フードにおいて、主枠部は、その内周縁部をコ字状に形成されており、作業ボックスの周壁部に開口した開口部に気密的に取り付けられる。これに対して、副枠部は、その内周縁部を円弧状に形成されており、作業ボックスの内部に突出するように設けられる。また、作業フード本体の突壁部は、4片のシートから構成されており、これら4片のシートは、それぞれその周縁部にて、主枠部のコ字状の内周縁部及び副枠部の円弧状の内周縁部と気密的に固着されている。
【0024】
このことにより、枠体20と作業フード本体30との気密性を十分に確保することができると共に、作業ボックス内に突出した突壁部に上半身を挿入した作業者は、作業ボックス内に突出した副枠部の円弧状内周縁部にまで上半身を挿入することができる。従って、作業者は、作業ボックスの内部に上半身の略全体を挿入することができるようになる。
【0025】
よって、請求項2に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る。
【0026】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1又は2に記載の作業フードであって、
上記枠体(20)を下方から支持する架台(40)を備えており、
この架台(40)の下端部には、移動用キャスター(41)が設けられていることを特徴とする。
【0027】
上記構成による作業フードは、無菌状態或いは無塵状態など特定環境を維持したクリーンルームの内部で使用される。クリーンルーム内では、作業者が直接作業を行っているので、人による汚染を完全に排除することは不可能である。そこで、クリーンルーム内の空気の流れを一方向流として、作業者が直接作業を行うことのない領域をクリティカルゾーンとして区別し、このクリティカルゾーンにおいて上記構成による作業フードを採用する。
【0028】
上記構成においては、作業フードは、請求項1又は2に記載の作業フードの枠体が下方から架台によって支持されている。また、この架台の下端部には、床面上を移動するための移動用キャスターが設けられている。
【0029】
上記構成による作業フードにおいては、クリーンルームなどの内部で無菌衣を着用した作業者は、作業フード本体の背面部から突壁部に向けて上半身を挿入する。この時、作業者は、主枠部の位置から前方に凸な形状に形成された副枠部の前端部まで上半身を挿入することができる。従って、作業者は、作業フード本体によって上半身の上部、前部及び両側面部の略全体を覆うことができるようになる。
【0030】
この状態で、作業者は左右両筒部に両腕を挿入し、この左右両筒部の先端に取り付けられたグローブを着用する。また、突壁部に挿入された作業者の顔面部には、突壁部の透明に形成された部位が対向しており、作業者は、この透明部位からクリーンルーム内のクリティカルゾーンを視認しながらグローブを介して作業を行うことができる。
【0031】
また、上記構成による作業フードは、架台の下端部に設けられた移動用キャスターによって、作業フードを装着した状態のままクリーンルーム内を移動することができる。従って、作業フードの前方位置においては、クリーンルームの中でも特に清浄度を要求されるクリティカルゾーンを維持することができる。このように、作業者は、可撓性の作業フード本体を上半身に纏った状態でクリーンルーム内を移動することができるので、更に広い作業領域と高い作業性を確保することができる。
【0032】
また、上記構成による作業フードは、簡単な構造をしており、また作業者の背面部が開放されている。従って、上記構成による作業フードにおいては、作業者は、作業フードの脱着を容易に行うことができ、更に、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
【0033】
よって、請求項3に記載の発明においても、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る。
【0034】
また、本発明に係る作業ボックスは、請求項4の記載によれば、
チャンバー(51、51a)と作業フード(10)とを備えた作業ボックス(50、50a)において、
上記作業フード(10)は、請求項1又は2に記載の作業フード(10)であって、
この作業フード(10)は、その枠体(20)を介して上記チャンバー(51、51a)の壁部(52、52a、58a)に形成された開口部(53、53a、59a)に設けられていることを特徴とする。
【0035】
上記構成による作業ボックスにおいては、請求項1又は2に記載の作業フードが採用される。よって、この作業ボックスにおいては、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0036】
従って、送風機などの装備を必要とせず、簡単な構造を有する作業フードを備えて、作業ボックス内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保するとともに、作業フードの脱着が容易で、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことのできる作業フードを備えた作業ボックスを提供することができる。
【0037】
ここで、本発明において、作業ボックスとは、広い意味に解釈するものとし、作業室の外部から作業フードを介して作業室内での作業を行う機具、装置或いは作業室そのものなど全てを含ものとする。例えば、無菌状態での作業を行う無菌室や無菌アイソレーター装置のチャンバー、無塵状態での作業を行う無塵室や無塵アイソレーター装置のチャンバー、作業室の内部で人体に有害な物質を扱う作業を行う封じ込め室や封じ込めアイソレーター装置のチャンバー、空気の流れを一方向流として無菌状態或いは無塵状態を確保するRABS(アクセス制限バリアシステム)における作業室、或いは、過酷な温度条件等での作業などを行う作業室などにおいて、作業者が作業室内に上半身を挿入して作業できる作業フードを備えたものをいう。
【0038】
従って、本発明における作業ボックスには、室内の空気清浄度、封じ込め度などの厳密な気密性を要求される作業ボックスから低度の気密性を満たせばよい作業ボックスまで多くのものを含むものとする。
【0039】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る作業フードの第1実施形態を示す正面図である。
【図2】上記第1実施形態における作業フードの左側面図である。
【図3】上記第1実施形態における作業フードの右側面図である。
【図4】上記第1実施形態における作業フードの背面図である。
【図5】上記第1実施形態における作業フードの平面図である。
【図6】上記第1実施形態における作業フードの底面図である。
【図7】本発明に係る作業ボックスの第2実施形態であって、上記第1実施形態の作業フードをRABS(アクセス制限バリアシステム)に採用した状態を表す概要図である。
【図8】本発明に係る作業ボックスの第3実施形態であって、上記第1実施形態の作業フードをアイソレーター装置に採用した状態を表す概要図である。
【図9】本発明に係る作業フードの第4実施形態を示す正面図である。
【図10】上記第4実施形態における作業フードの左側面図である。
【図11】上記第4実施形態における作業フードの右側面図である。
【図12】上記第4実施形態における作業フードの背面図である。
【図13】上記第4実施形態における作業フードの平面図である。
【図14】上記第4実施形態における作業フードの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を各実施形態により説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る作業フードの第1実施形態を図面に基づいて説明する(図1〜図6参照)。作業フード10は、枠体20と、この枠体20に固着された作業フード本体30とから構成されている。枠体20は、主枠部20aと、この主枠部20aの下端部から側面形状がL字状に延出する副枠部20bとから構成されている(図1〜図4参照)。
【0042】
主枠部20aは、枠体20の上部に位置する第1枠材21と、この第1枠材21の左右両端部から下方に向けて延出する左右両側第2枠材22、23とから構成されている。この主枠部20aにおいては、第1枠材21及び左右両側第2枠材22、23が上方に凸なコ字状の3辺を形成している(図1、図4参照)。
【0043】
一方、副枠部20bは、枠体20の下部前方に位置する第4枠材26と、この第4枠材26の左右両端部から主枠部20aの各下端部に向けて延出する左右両側第3枠材24、25と、これら各枠材の上面を覆う上面被覆板27とから構成されている。この副枠部20bにおいては、左右両側第3枠材24、25及び第4枠材26が前方に凸なコ字状の3辺を形成し(図5、図6参照)、一方、上面被覆板27が当該コ字状の3辺に接すると共に左右両側第3枠材24、25の主枠部20a側各延出端部から第4枠材26の中央部位に向けて円弧状の開口部を形成している(図5参照)。
【0044】
主枠部20aの左側第2枠材22と副枠部20bの左側第3枠材24、及び、主枠部20aの右側第2枠材23と副枠部20bの右側第3枠材25は、それぞれL字状に連結しており、このことにより、主枠部20aと副枠部20bとは、側面形状がL字状に連結している(図2、図3参照)。
【0045】
本第1実施形態の作業フードを作業ボックスに取り付ける場合には、主枠部20aは、作業ボックスの周壁部に開口する開口部に設けられ、副枠部20bは、主枠部20aの下端部から作業ボックス内に延出するように設けられる。
【0046】
作業フード本体30は、作業者の頭部及び胴部を含む上半身の上面、前面及び左右両側面を覆うようにして、枠体20の主枠部20aから凸状に前方に向けて突出した突壁部31と、この突壁部31の左右両側部位から前方に向けて突出して、作業者の両腕を覆う左右両側筒部32、33とから構成されている(図1〜図4参照)。
【0047】
突壁部31は、上側シート31a、左側シート31b、右側シート31c及び前側シート31dの4片の可撓性シートから構成されている(図1参照)。上側シート31aの下側縁部は、前側シート31dの上側縁部と気密的に接合されて、この接合された上側シート31a及び前側シート31dの各左側縁部は、それぞれ左側シート31bの右側縁部と気密的に接合されている。同様にして、接合された上側シート31a及び前側シート31dの各右側縁部は、それぞれ右側シート31cの左側縁部と気密的に接合されている(図2、図3参照)。
【0048】
突壁部31の上側シート31aの上側縁部、左側シート31bの左側縁部及び右側シート31cの右側縁部は、第1枠材21、左側第2枠材22及び右側第2枠材23からなるコ字状の主枠部20aにそれぞれ気密的に固着されている。一方、前側シート31dの下側縁部は、上記上面被覆板27の形成する開口部の円弧状内周縁部に気密的に固着されている。
【0049】
左側筒部32は、左側シート31bの上下方向中間部位に開口した開口部にその基端部を連通させて左前方に突出するように気密的に固着されている。一方、右側筒部33は、右側シート31cの上下方向中間部位に開口した開口部にその基端部を連通させて右前方に突出するように気密的に固着されている。
【0050】
前側シート31dの中央部から上方にかけての部位には、作業者が作業ボックス内を視認することができる透明塩化ビニル板からなる前方後円形の透視窓36が設けられている。また、左右両側筒部32、33の各先端部には、それぞれ樹脂製のグローブ34、35が気密的且つ脱着可能に装着されている。
【0051】
ここで、作業フード本体30は、作業者の作業性を確保するために可撓性材料から形成されていればよく、この可撓性材料は特に限定するものではないが、本第1実施形態においては、上側シート31a、左側シート31b、右側シート31c及び左右両側筒部34、35には、長繊維織物に樹脂フィルムを積層したターポリン素材が採用されている。
【0052】
例えば、作業フードが取り付けられる作業ボックスが無菌室の場合には、作業ボックス内の汚染を防止する理由から作業室内の空気圧を外部環境の空気圧より高く設定している。このような作業ボックスに作業フードを取り付けると、作業ボックス内の空気圧によって作業フードが作業ボックス内から外部に押し出されることとなり作業性を損ねることがある。そこで、このような場合に対して、可撓性があり作業者の作業性は損なわないが、空気圧に対する抵抗性を有する強靭な素材として、上記ターポリン素材を採用することが好ましい。
【0053】
一方、本第1実施形態においては、前側シート31dには、透明塩化ビニルシートが採用されている。これは、上記透視窓36以外の部分においても作業者の視認性を確保する意味から採用されている。
【0054】
上述のように構成された本第1実施形態の作業フードは、簡単な構造を有している。このことにより、作業フードの製造が容易で作業ボックスへの取り付けも簡単に行うことができる。また、本第1実施形態の作業フードにおいては、作業者は、上半身を作業ボックス内に突出させた状態で作業することができるので、グローブボックス方式による作業に比べ、作業性が一段と向上し、従来のハーフスーツによる作業と同様、作業ボックス内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保することができる。
【0055】
更に、本第1実施形態の作業フードにおいては、作業者の背面部が開放されているので、送風機を設置してエアホースを作業フードに接続する必要がなく、作業者は、作業フード内での呼吸が容易である。そのことにより、作業者の呼吸に起因する湿度によって作業フードに設けられた視認窓が曇るということもない。また、作業者の背面部が開放されていることは、作業フードの脱着を容易にして、また、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る作業ボックスの第2実施形態を図面に基づいて説明する。本第2実施形態は、作業ボックス内の無菌状態を維持して作業を行うためのRABS(アクセス制限バリアシステム)に上記第1実施形態の作業フードを適用したものである。図7に示すようにRABSにおいては、クリーンルーム60の内部に周囲から隔離された作業ボックス50が設けられている。
【0056】
クリーンルーム60の天井部位には、このクリーンルーム60内に清浄空気を供給する給気装置61、62が設けられ、RABS(アクセス制限バリアシステム)におけるサポートエリアを形成している。このクリーンルーム60のサポートエリアには、クリーン衣を着用した作業者63が作業を行っている。
【0057】
作業ボックス50は、クリーンルーム60と天井部を共有し、この天井部とこの天井部から下方に向けて延出する周壁部52とから構成されたチャンバー51と、このチャンバー51の周壁部52に開口した開口部53に取り付けられた作業フード10とを備えている。
【0058】
チャンバー51は、その天井部位に給気装置55を設けて、このチャンバー51の内部には、作業台56とこの作業台56の上に載置された作業機器57とが設置されている。チャンバー51の天井部位に設けられた給気装置55は、チャンバー51内に清浄空気を供給しており、この清浄空気は、上方から下方に向けて一方向流となって流れている。この給気装置55から供給される一方向流の清浄空気は、チャンバー51の周壁部52の下方に設けられた解放部54からクリーンルーム60に排気されている。このように、RABS(アクセス制限バリアシステム)においては、チャンバー51内を流れる一方向流の清浄空気によって、クリーンルーム60よりも高度の空気清浄度が維持されている。
【0059】
ここで、作業フード10は、枠体20の主枠部20aによって、チャンバー51の周壁部52に取り付けられて、この作業フード10は、その枠体20の副枠部20bをチャンバー51の内部に向けて突出させている。また、作業フード10の作業フード本体30は、枠体20から延出されてチャンバー51の内部に向けて突出するように設けられている。ここで、作業フード10の副枠部20bの下方部には、作業者の脚部を覆う壁面材20cが取り付けられ、この壁面材20cは、副枠部20bからチャンバー51の周壁部52の下端部までの間に設けられている。
【0060】
ここで、クリーンルーム60内の作業者63は、クリーンルーム60内から作業フード10の作業フード本体30に上半身を挿入して、この作業フード本体30の両筒部32、33とその先端部に装着されたグローブ34、35を介してチャンバー51内での作業を行うことができる。
【0061】
上述のように、本第2実施形態で説明したRABS(アクセス制限バリアシステム)においては、作業者は、上半身をチャンバー内に突出させた状態で作業することができるので、チャンバー内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保することができる。
【0062】
更に、本第2実施形態において、チャンバーに取り付けられた作業フードは、作業者の背面部が開放されているので、作業フードに設けられた視認窓が曇るということもない。また、作業者の背面部が開放されていることは、作業フードの脱着を容易にして、また、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る作業ボックスの第3実施形態を図面に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態の作業フードを無菌アイソレーター装置に適用したものである。図8に示すように本第3実施形態の無菌アイソレーター装置50aは、床面上に載置される架台51bと、この架台51bの上に乗載されるチャンバー51aと、このチャンバー51aの周壁部52aに取り付けられた作業フード10とを備えている。
【0063】
チャンバー51aは、HEPAフィルター(図示せず)を介してチャンバー51a内の空気を吸排気する吸排気装置(図示せず)を備えて、チャンバー51a内の無菌状態を維持するためにチャンバー51a内の空気圧を外気圧より高く維持している。また、チャンバー51aの内部には、作業機器57aが載置されている。
【0064】
ここで、作業フード10は、その枠体20の主枠部20aによって、チャンバー51aの周壁部52aに開口した開口部53aに気密的に取り付けられ、一方、この作業フード10は、その枠体20の副枠部20bによって、チャンバー51aの底壁部58aに開口した開口部59aに気密的に取り付けられている。また、作業フード10の作業フード本体30は、枠体20の主枠部20a及び副枠部20bから延出されてチャンバー51aの内部に向けて突出するように設けられている。
【0065】
ここで、チャンバー51aの外部に位置する作業者63aは、チャンバー51aの外部から作業フード10の作業フード本体30に上半身を挿入して、この作業フード本体30の両筒部32、33とその先端部に装着されたグローブ34、35を介してチャンバー51a内での作業を行うことができる。
【0066】
上述のように、本第3実施形態で説明した無菌アイソレーター装置においては、作業者は、上半身をチャンバー内に突出させた状態で作業することができるので、チャンバー内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保することができる。
【0067】
更に、本第3実施形態において、チャンバーに取り付けられた作業フードは、作業者の背面部が開放されているので、作業フードに設けられた視認窓が曇るということもない。また、作業者の背面部が開放されていることは、作業フードの脱着を容易にして、また、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る作業フードの第4実施形態を図面に基づいて説明する(図9〜図14参照)。本第4実施形態は、無菌室などのクリーンルームの内部で使用される移動可能な作業フードに関するものである。
【0068】
作業フード10aは、枠体20と、この枠体20に固着された作業フード本体30と、上記枠体20を下方から支持する架台40と、この架台40の下端部に設けられた移動用キャスター41とから構成されている。枠体20は、上記第1実施形態と同様に、主枠部20aと、この主枠部20aの下端部から側面形状がL字状に延出する副枠部20bとから構成されている(図9〜図12参照)。
【0069】
主枠部20aは、枠体20の上部に位置する第1枠材21と、この第1枠材21の左右両端部から下方に向けて延出する左右両側第2枠材22、23とから構成されている。この主枠部20aにおいては、第1枠材21及び左右両側第2枠材22、23が上方に凸なコ字状の3辺を形成している(図9、図12参照)。
【0070】
一方、副枠部20bは、枠体20の下部前方に位置する第4枠材26と、この第4枠材26の左右両端部から主枠部20aの各下端部に向けて延出する左右両側第3枠材24、25と、これら各枠材の上面を覆う上面被覆板27とから構成されている。この副枠部20bにおいては、左右両側第3枠材24、25及び第4枠材26が前方に凸なコ字状の3辺を形成し(図13、図14参照)、一方、上面被覆板27が当該コ字状の3辺に接すると共に左右両側第3枠材24、25の主枠部20a側各延出端部から第4枠材26の中央部位に向けて円弧状の開口部を形成している(図13参照)。
【0071】
主枠部20aの左側第2枠材22と副枠部20bの左側第3枠材24、及び、主枠部20aの右側第2枠材23と副枠部20bの右側第3枠材25は、それぞれL字状に連結しており、このことにより、主枠部20aと副枠部20bとは、側面形状がL字状に連結している(図10、図12参照)。
【0072】
作業フード本体30は、作業者の頭部及び胴部を含む上半身の上面、前面及び左右両側面を覆うようにして、枠体20の主枠部20aから凸状に前方に向けて突出した突壁部31と、この突壁部31の左右両側部位から前方に向けて突出して、作業者の両腕を覆う左右両側筒部32、33とから構成されている(図9〜図12参照)。
【0073】
突壁部31は、上側シート31a、左側シート31b、右側シート31c及び前側シート31dの4片の可撓性シートから構成されている(図9参照)。上側シート31aの下側縁部は、前側シート31dの上側縁部と気密的に接合されて、この接合された上側シート31a及び前側シート31dの各左側縁部は、それぞれ左側シート31bの右側縁部と気密的に接合されている。同様にして、接合された上側シート31a及び前側シート31dの各右側縁部は、それぞれ右側シート31cの左側縁部と気密的に接合されている(図10、図12参照)。
【0074】
突壁部31の上側シート31aの上側縁部、左側シート31bの左側縁部及び右側シート31cの右側縁部は、第1枠材21、左側第2枠材22及び右側第2枠材23からなるコ字状の主枠部20aにそれぞれ気密的に固着されている。一方、前側シート31dの下側縁部は、上記上面被覆板27の形成する開口部の円弧状内周縁部に気密的に固着されている。
【0075】
左側筒部32は、左側シート31bの上下方向中間部位に開口した開口部にその基端部を連通させて左前方に突出するように気密的に固着されている。一方、右側筒部33は、右側シート31cの上下方向中間部位に開口した開口部にその基端部を連通させて右前方に突出するように気密的に固着されている。
【0076】
前側シート31dの中央部から上方にかけての部位には、作業者が作業ボックス内を視認することができる透明塩化ビニル板からなる前方後円形の透視窓36が設けられている。また、左右両側筒部32、33の各先端部には、それぞれ樹脂製のグローブ34、35が気密的且つ脱着可能に装着されている。
【0077】
ここで、本第4実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、上側シート31a、左側シート31b、右側シート31c及び左右両側筒部34、35には、長繊維織物に樹脂フィルムを積層したターポリン素材が採用され、一方、前側シート31dには、透明塩化ビニルシートが採用されている。
【0078】
架台40は、枠体20の副枠部20bを下方から支持する垂直方向の4本の支柱42、43、44、45と、この4本の支柱42、43、44、45を下方にて連結する3本の横桟46、47、48とから構成されている。
【0079】
本第4実施形態においては、枠体20の副枠部20aと架台40との接合は次のようになされている。枠体20の副枠部20bがなすコ字状の各角部位において、第4枠材の左右両端部には、支柱42、43が下方から連結し、左右両側第3枠材の他方の各端部には、支柱44、45が下方から連結して枠体20を下方から支持している。また、副枠部20bの第4枠材の下方には、横桟48が位置し、この横桟48の左右両端部にて上記支柱42、43の各下端部とL字状に連結している。副枠部20bの左右両側第3枠材の各下方には、横桟46、47が位置し、上記横桟48の左右両端部からL字状に延出して各延出端部にて上記支柱44、45の各下端部とL字状に連結している。
【0080】
従って、上記3本の横桟46、47、48は、枠体20の副枠部20bがなすコ字状の形状と同様の形状をして、当該副枠部20bの下方に形成されている。よって、このコ字状をなす3本の横桟46、47、48は、副枠部20bと同様に前方に凸な形状に延出しており、作業者は、その上半身を上記副枠部20bの第4枠材の位置まで前進させることができると共に、作業者は、その脚部を上記横桟48の位置まで前進させることができる。なお、本第4実施形態においては、架台40の内側部位に挿入される作業者の脚部の前面及び左右両側側面を覆う壁面材を採用していないが、これを採用するようにしてもよい。
【0081】
4個の移動用キャスター41は、架台40の下端部において上記3本の横桟46、47、48がなすコ字状の各角部位に設けられている。このことにより、作業フード10aは、その架台40に支持された状態でクリーンルーム内を移動することができる。
【0082】
ここで、クリーンルーム内の作業者は、作業フード10aの作業フード本体30に上半身を挿入すると共に、作業者は、その脚部を架台40の内側部位に形成された空間に挿入することができる。この状態で、作業者は、クリーンルーム内を移動して所定の位置に到達し、この位置において、作業者は、作業フード本体30の両筒部32、33とその先端部に装着されたグローブ34、35を介してクリーンルーム内での作業を行うことができる。このようにして、作業者は、クリーンルーム内において、清浄度を最も必要とされるクリティカルゾーンを維持したまま作業を行うことができる。
【0083】
上述のように構成された本第4実施形態の作業フードは、簡単な構造を有しており、作業者は、上半身を作業フード内に挿入させた状態でクリーンルーム内を移動することができる。従って、クリーンルーム内での作業領域が広く、且つ、高い作業性を確保することができる。
【0084】
更に、本第4実施形態の作業フードにおいては、作業者の背面部が開放されているので、作業者は、作業フードの脱着を容易にして、また、作業フード内部の殺菌、除菌或いは除塵などの作業を簡単に行うことができる。
【0085】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
1.上記各実施形態においては、副枠部20bの上面に上面被覆板27が設けられ、この上面被覆板27の有する円弧状内周縁部に突壁部31の前側シート31dが固着されているが、当該上面被覆板27を設けることなく、副枠部20bのコ字状の枠材に直接、前側シート31dを固着するようにしてもよい。
2.上記各実施形態においては、作業フード本体30の素材としてターポリン素材と透明塩化ビニルシートとの組み合わせを採用するものであるが、これに限定されるものではなく、可撓性材料であればどの様な素材を採用するようにしてもよい。例えば、作業ボックス内の空気圧が外部環境の空気圧に対して低圧に維持される封じ込めアイソレーター装置においては、作業フード本体30の素材は、より柔軟な素材、例えば、透明塩化ビニルシートのみによって形成してもよい。このような封じ込めアイソレーター装置の場合には、作業フード本体30は外部環境の空気圧によって常に作業ボックス内に押し込まれる状態であり、作業フード本体30が柔軟な素材で形成されていても、作業者の体に纏わりつくことがないからである。
3.上記各実施形態においては、作業フード本体30に形成される透視窓36として、透明塩化ビニル板を採用するものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、透明ポリカーボネート樹脂板、透明ポリエステル樹脂板或いは透明ガラス板などを採用するようにしてもよい。
4.上記第2及び第3実施形態においては、無菌状態を維持するRABS或いは無菌アイソレーター装置に作業フードを採用するものであるが、無菌状態の作業ボックスに限定するものではなく、無塵状態或いは封じ込め状態などその他の用途の作業ボックスにおいて採用するものであってもよい。
【符号の説明】
【0086】
10、10a…作業フード、20…枠体、20a…主枠部、20b…副枠部、21〜26…枠材、30…作業フード本体、31…突壁部、31a〜31d…シート、32、33…筒部、34、35…グローブ、40…架台、41…キャスター、42、43、44、45…支柱、46、47、48…横桟、50、50a…作業ボックス、51、51a…チャンバー、52、52a、58a…壁部、53、53a、59a…開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に離隔した両基端部を結んで前記両基端部から上方に凸な形状を形成するように延出される主枠部、及び、この主枠部の前記両基端部を結んで前記両基端部から前方に凸な形状を形成するように延出される副枠部からなる枠体と、
前記主枠部及び前記副枠部から延出されて前記主枠部から前方に凸な形状を形成する突壁部、この突壁部の左側部位の上下方向中間部位から延出される左側筒部、並びに、前記突壁部の右側部位の上下方向中間部位から延出される右側筒部からなる可撓性の作業フード本体とを備えており、
前記突壁部は、少なくとも前記左右両側筒部の各延出基端部間の部位にて透明に形成されており、
前記左右両側筒部の各延出先端部には、グローブが脱着可能に装着されている作業フード。
【請求項2】
前記主枠部は、前記両基端部から上方にコ字状に形成された内周縁部を備えており、
前記副枠部は、前記両基端部から前方に円弧状に形成された内周縁部を備えており、
前記突壁部は、上側シート、左右両側シート及び前側シートから構成され、
この突壁部は、前記上側シートの上側縁部、前記左側シートの左側縁部及び前記右側シートの右側縁部にて、前記主枠部のコ字状に形成された内周縁部に固着されると共に、前記前側シートの下側縁部にて、前記副枠部の円弧状に形成された内周縁部に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の作業フード。
【請求項3】
前記枠体を下方から支持する架台を備えており、
この架台の下端部には、移動用キャスターが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業フード。
【請求項4】
チャンバーと作業フードとを備えた作業ボックスにおいて、
前記作業フードは、請求項1又は2に記載の作業フードであって、
この作業フードは、その枠体を介して前記チャンバーの壁部に形成された開口部に設けられていることを特徴とする作業ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−5598(P2011−5598A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152388(P2009−152388)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(599053643)株式会社エアレックス (29)
【Fターム(参考)】