説明

作業台

【課題】高さ調節を一人で容易に行うことができる作業台の提供
【解決手段】作業台1は台部111と本体部131を備えており、本体部131に設けられた本体部支柱134の側面には切換装置30が取り付けられている。切換装置30の固定部材70から伸びる操作体75を案内溝50に沿って動かすことにより、固定部材70を回動又は軸方向に移動させることができる。台部111を所望の高さとし、操作体75を案内溝50の固定位置位置決め部53に移動させると、固定部材70の先端部71が台部支柱114の中に完全に入り込む。このとき台部支柱114の調節孔20の縁が固定部材70の停止面74に載るため、台部111から手を離しても台部111が下がることはない。操作体75を解除位置位置決め部54まで移動させると、固定部材70の先端部71は本体部支柱134から完全に抜け出た状態となり、台部111を容易に下端まで下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は作業台に関し、さらに詳しく言えば、高さ調節機能付きの作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用者の身長や作業の内容に合わせてテーブルの高さを調節することができる作業台が利用されている。図1に従来の高さ調節構造を備える作業台101を示す。図1(a)は作業台101の正面図,(b)は右側面図を表す。
【0003】
作業台101は、台部111と、本体部131とを備える。台部111は、物を載せるテーブル112と、このテーブル112の両端から下方に略垂直に伸びる中空の台部支柱114とを有する。他方、本体部131は、キャスター133が取り付けられた台車132と、この台車132の両端から上方に略垂直に伸びる中空の本体部支柱134とを有する。
【0004】
台部支柱114間と本体部支柱134間の間隔は等しくなるよう構成され、本体部支柱134内に台部支柱114を挿入することにより、台部111と本体部131が組み合わされる。また、台部支柱114及び本体部支柱134には、1つの垂直部116,136と複数の水平部117,137とから成る溝115,135がそれぞれ対応するよう設けられており、本体部支柱134内に台部支柱114を挿入した際にそれぞれの溝115,135が重なるようになっている。本体部131と台部111の固定は、台部111を所望の高さに位置させ、台部支柱114と本体部支柱134の溝115,135の水平部117,137を重ねた状態で、両水平部117,137にボルト138を挿通し、他端をナット(図示せず)で締めることにより行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の高さ調節構造を備える作業台101のテーブル112を上下動させる場合、初めに急激な落下を避けるためにテーブル112を支えた状態でボルト138とナットの螺合を緩める。次にボルト138を溝115,135の水平部117,137から垂直部116,136に移動させからテーブル112を上下動させる。テーブル112の高さが決まったら、テーブル112を支えたまま、溝115,135の水平部117,137を重ね合わせ、そこにボルト138を移動させてナットで締め付け、本体部131と台部111を固定する。
【0006】
従来の作業台の高さ調節には上述のような多くの工程が必要なため、これを一人で行うことは容易でなかった。本願発明はかかる課題を解決するためのものであり、より具体的には、高さ調節を一人で容易に行うことができる作業台を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る作業台は、上方に伸びる第1の支柱を有する本体部と、下方に伸びる第2の支柱と積載面とを有する台部とを備え、前記第1及び第2の支柱のいずれか一方の支柱が他方の支柱に挿入され、前記本体部に対して前記台部が上下動可能な作業台において、前記他方の支柱には切換装置が設けられており、該切換装置は、前記第1の支柱及び前記第2の支柱に設けられた孔に挿通された状態となる固定位置と前記一方の支柱の前記孔から抜けた状態となる解除位置との間を軸方向移動可能に取り付けられた固定部材と、該固定部材に取り付けられる操作体と、該操作体を案内する案内溝とを備え、前記案内溝は、前記固定部材が前記固定位置となる固定位置位置決め部と、前記固定部材が前記解除位置となる解除位置位置決め部を備えることとした。
さらに本発明に係る作業台において、前記切換装置は、前記固定部材を挿入方向に付勢する付勢手段を備え、前記案内溝の前記固定位置位置決め部及び解除位置位置決め部は、前記付勢手段の付勢方向に向かって伸び、先端が閉じていることとした。
さらに本発明に係る作業台おいて、前記固定部材は、その先端部が先端に向かって伸びる停止面と先端に向かって傾斜する傾斜面とから成り、該先端部が前記一方の支柱の前記孔内に位置する状態となる中間位置に軸方向移動可能であり、前記案内溝は、前記固定部材が前記中間位置となる中間位置位置決め部を備え、前記中間位置位置決め部は、前記付勢手段の付勢方向に向かって伸び、先端が閉じており、前記台部が上昇する際、前記一方の支柱の前記孔と前記固定部材の前記傾斜面が当接することとした。
さらに本発明に係る作業台において、前記固定部材は前記中間位置において周方向に回動可能であることとした。
さらに本発明に係る作業台において、前記案内溝は周方向に伸びる反転部を備えることとした。
【発明の効果】
【0008】
本願発明により、少ない工数,簡単な操作で作業台の高さを調節することができ、一人でも容易に作業台を上下動させ、固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は従来の高さ調節構造を備える作業台101を示し、(a)はその正面図,(b)は右側面図である。
【図2】図2は本願発明の実施の形態に係る作業台1の、中間位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)はその平面図,(b)はA‐A線断面図である。
【図3】図3は本願発明の実施の形態に係る作業台1の切換装置30を示し、(a)はその平面図,(b)はB‐B線断面図,(c)は底面図,(d)は左側面図である。
【図4】図4は本願発明の実施の形態に係る作業台1の、退避位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)はその平面図,(b)はD‐D線断面図である。
【図5】図5は本願発明の実施の形態に係る作業台1の、固定位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)はその平面図,(b)はE‐E線断面図である。
【図6】図6は本願発明の実施の形態に係る作業台1の、解除位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)はその平面図,(b)はF‐F線断面図である。
【図7】図7は本願発明の実施の形態に係る作業台1の、反転中間位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)はその平面図,(b)はG‐G線断面図,(c)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2,3を参照して、本願発明の全体の構成について説明する。図2は中間位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)が平面図,(b)がA‐A線断面図を表す。図2はテーブル112及び台車132が取り外された状態を表している。図3は切換装置30を示し、(a)が平面図,(b)がB‐B線断面図,(c)が底面図,(d)が左側面図を表す。
【0011】
本願発明に係る実施の形態は、図1に示す作業台101と略同じ基本的構成を備えており、高さ調節構造のみ相違する。そのため、同一の部材については同一の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0012】
本願発明に係る実施の形態においても、作業台1(図示せず)は、台部111(図示せず)と、本体部131(図示せず)とを備えており、台部111に設けられた台部支柱114を本体部131に設けられた本体部支柱134内に挿入することにより組み合わされる。
【0013】
図2に示すように、台部支柱114,本体部支柱134は角パイプであり、一部分が欠けたC字状の横断面を有している。さらに、台部支柱114は、C字状横断面の一端側が180°逆方向(図2(a)において左側)に向かって伸びて、本体部支柱134とのスペーサとして機能する離間部10を有している。台部支柱114と本体部支柱134を組み合わせる際は、C字状の横断面を向き合わせた状態で台部支柱114を本体部支柱134内に挿入する。
【0014】
テーブル112の一端には物の積載面積を増やすことができるよう、折畳み式の延長テーブル12が蝶番を介して取り付けられている(この構成については図1に示す)。延長テーブル12を取り付けるにはこれに掛かる荷重を下から支えて水平を保つための支えが必要となるが、台部支柱114,本体部支柱134がC字状の横断面を備えているため、伸縮式のステー13を、台部支柱114の、本体部支柱134のC字状横断面の開口部11に対応する位置に取り付けることが可能となり、台部111の上下動と一緒にステー13も上下動することができるようになっている。また、テーブル112の下部にケースなどを載せる棚を追加する際も、本体部支柱134の開口部11に対応する位置に取り付けることにより、台部111の上下動と一緒に棚を上下動させることができる。
【0015】
台部支柱114を囲繞する本体部支柱134の側面には、後述する切換装置30が溶接又はビス若しくはボルトで取り付けられる。本体部支柱134の側面には、切換装置30の後述する固定部材70が挿入される挿入孔15が設けられている。また、台部支柱114の側面には軸方向に略等間隔で調節孔20が複数設けられており、これらの調節孔20は側面の幅方向において挿入孔15に対応する位置に設けられている。
【0016】
図3を参照して切換装置30について詳述する。切換装置30は、断面略コの字型の蓋部材40と、断面略L字型の底部材60(図3(a)及び(d)において破線で示す)とを備え、これらを溶接することにより一面(図3(b)において背面側)が開いた箱型形状を有する。また、切換装置30は蓋部材40から底部材60まで続くひとつながりの案内溝50を備える。
【0017】
まず蓋部材40について説明する。蓋部材40は、左右側面部41,42と、左右側面部41,42の上端を繋ぐ上面部45とから構成される。上面部45の略中央には案内溝50が形成されており、左右側面部41,42にはそれぞれ後述する固定部材70よりも僅かに大きな挿通孔43,44が対向して形成される。
【0018】
蓋部材40に設けられた案内溝50の形状をより詳細に説明する。案内溝50は、固定部材70の軸方向に対して略垂直(図3(a)において上下方向)に伸びる縦溝部51と、固定部材70の軸方向(図3(a)において左右方向)に伸びる横溝部52とを備える。縦溝部51と横溝部52は時計周りに略90°回転させたT字状に繋がっており、縦溝部51は一端が蓋部材40の端(図3(a)において下側端)まで伸びている。また、案内溝50は、縦溝部51の他端部(図3(a)において上側端部)から横溝部52とは逆方向(図3(a)において右側)に伸び、先端が閉じられた固定位置位置決め部53を備えている。横溝部52には端部から僅かに縦溝部51と平行(図3(a)において上側)に伸びる部分があり、そこからさらに固定位置位置決め部53と同方向に伸び、先端が閉じられている解除位置位置決め部54が形成される。さらに、縦溝部51と横溝部52との交点において、横溝部52とは逆方向に僅かに伸び、先端が閉じられた中間位置位置決め部55が形成されている。
【0019】
次に底部材60について説明する。底部材60は、底面部61と、その一端から略垂直に起立する壁面部67とから構成される。壁面部67には上端から下端まで伸びる垂直溝部68が設けられており、これが蓋部材40の縦溝部51に繋がって案内溝50を形成するようになっている。一方、底面部61には、壁面部67の垂直溝部68と繋がってそのまま真っ直ぐに伸びる縦溝部62と、図3(c)において逆L字を形成するように縦溝部62の端部から略垂直に伸びる横溝部63とが設けられており、さらに縦溝部62と横溝部63との交点から横溝部63と逆方向に伸びる反転中間位置位置決め部64が形成されている。そして、これにより蓋部材40から底部材60まで続く案内溝50が形成されることとなる。
【0020】
切換装置30はその内部に、中実丸棒状の固定部材70と、固定部材70の略中央において垂直に取り付けられる同じく中実丸棒状の操作体75と、内側に固定部材70が挿通される丸い板状のばね受け76と、コイルばね77とを備える。固定部材70は、図3(b)において上側に向かう傾斜面72と、そこからさらに上方(図3(b)において上側)に伸びる垂直面73と、傾斜面72と垂直面73に繋がる固定部材70の側周面からなる停止面74とで構成される先端部71が設けられている。図3(b)に示されるように、固定部材70は、蓋部材40の左右側面部41,42の挿通孔43,44及び左側面部41の内側配置されたコイルばね77の内側を通るよう切換装置30内を貫通しており、ばね受け76を介してコイルばね77によって本体部支柱134側に付勢されている。固定部材70は切換装置30内に挿入されただけで固定されていないため、軸方向に移動することが可能であり、またその軸心回りに回動可能となっている。
【0021】
固定部材70から伸びる操作体75は案内溝50内を通って切換装置30の外部に伸びており、操作体75を案内溝50に沿って動かすことにより、固定部材70を回動又は軸方向に移動させることができる。例えば、図3において、操作体75はコイルばね77の付勢力によって案内溝50の中間位置位置決め部55に位置決めされた状態にあるが、これを案内溝50に沿って固定位置位置決め部53や解除位置位置決め部54に移動させることにより、固定部材70を軸方向に移動させることができる(このときの操作体75の状態を図3(d)中に二点鎖線で示す)。さらに、操作体75を底部材60に設けられた案内溝50(垂直溝部68,縦溝部62及び横溝部63(これらを合わせて「反転部」と呼ぶ))に沿って図3(d)の矢印Cの如く移動させることにより、固定部材70を周方向に略180°反転させることができる(このときの固定部材70及び操作体75の状態を図3(b),(d)において一点鎖線で示す)。
【0022】
なお、本実施の形態において切換装置30は本体部支柱134の一方にのみ取り付けられているが、作業台1に加わる荷重を考慮し、本体部支柱134の両方に取り付けてもよい。また、必ずしも本体部支柱134の両方に同じ切換装置30を取り付ける必要は無く、他方には案内溝50のうち反転部(垂直溝部68,縦溝部62,横溝部63)及び反転中間位置位置決め部64が無い(すなわち操作体75を反転させることができない)切換装置30を用いてもよい。具体的には、切換装置30の底部材60を案内溝50が形成されていない壁面部67のみとし、構成を簡略化してもよい。
【0023】
次に図2,4,5,6,7を参照して、本実施形態における高さ調節構造を説明する。図4は退避位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)が平面図,(b)がD‐D線断面図を表す。図5は固定位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)が平面図,(b)がE‐E線断面図を表す。図6は解除位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)が平面図,(b)がF‐F線断面図を表す。図7は反転中間位置における台部支柱114,本体部支柱134及び切換装置30の部分拡大図であり、(a)が平面図,(b)がG‐G線断面図,(c)が底面図を表す。なお、図2同様、図4〜7はテーブル112及び台車132が取り外された状態を表している。
【0024】
図2において、固定部材70は台部支柱114の調節孔20に入り込んだ状態となっている。具体的には、固定部材70の傾斜面72が台部支柱114の調節孔20内に位置した状態となる(これを「中間位置」と呼ぶ)。この状態では、台部支柱114の調節孔20の縁が固定部材70の側周面からなる停止面74に載った状態にあるため、台部111が下がることはない。また、このとき操作体75は案内溝50の中間位置位置決め部55に位置しているため、固定部材70が図に示す位置よりも深く台部支柱114内に入り込むことはない。
【0025】
この状態から台部111を持ち上げると、台部支柱114の調節孔20の縁が固定部材70の傾斜面72に当接して、コイルばね77の付勢力に抗して固定部材70をその軸方向後端側に押し下げる。そして、図4に示すように、固定部材70の垂直面73が台部支柱114の側面に載り上げられ、コイルばね77の付勢力によって台部支柱114の側面に当接した状態(これを「退避位置」と呼ぶ)となる。このとき、操作体75は案内溝50の横溝部52内に位置している。
【0026】
台部111をさらに持ち上げると、コイルばね77の付勢力によって固定部材70が次の調節孔20に入り込み、固定部材70が再度中間位置に位置するようなる。したがって、使用者は固定部材70を何ら操作することなく、台部111の高さを上げ、その状態を保持することができる。
【0027】
次に、図5を参照して、台部111の固定方法を説明する。上述のように高さを上げていき、台部111が所望の高さになったら、操作体75を案内溝50の中間位置位置決め部55から固定位置位置決め部53に移動させる。このとき、固定部材70の先端部71(傾斜面72)が台部支柱114の中に完全に入り込むようになっている(これを「固定位置」と呼ぶ)。
【0028】
この場合、中間位置と同様、台部支柱114の調節孔20の縁が固定部材70の停止面74に載るため、台部111から手を離しても台部111が下がることはない。また一方で、台部111を持ち上げても調節孔20の縁が固定部材70の側面に当たるため、台部111の上昇が制限され、台部111を上下動できない固定状態にすることができる。台部111の固定を解除するには、逆の手順を取ればよく、具体的には、操作体75を案内溝50に沿って中間位置位置決め部55まで移動させ、固定部材70を中間位置に移動させることにより、台部111の高さを再度上げることが可能となる。
【0029】
次に図6を参照して台部111の高さを下げる方法を説明する。前述の通り、固定部材70が中間位置や固定位置に位置する場合、調節孔20の縁が固定部材70の停止面74に載るため、台部111を下げることはできない。そこで、台部111を僅かに持ち上げた状態で操作体75を案内溝50に沿って解除位置位置決め部54まで移動させる。すると、コイルばね77により操作体75が解除位置位置決め部54の先端側に付勢されて位置決めされ、固定部材70(の先端部71)は本体部支柱134から完全に抜け出た状態となる。したがって、台部111を容易に下端まで下げることができる。
【0030】
また、台部111を調節孔20一つ分だけ下げる場合には、まず、操作体75を案内溝50の横溝部52に沿って(図6において左側に)引き下げて、固定部材70(の先端部71)が本体部支柱134から抜けた状態にしてから、台部111を僅かに下げて操作体75を離せばよい。これにより固定部材70は図3に示すような退避位置に位置することとなるが、そのまま台部111を下げていけば、コイルばね77の付勢力により次の調節孔20に固定部材70が入り込み、中間位置へと移動することとなる。
【0031】
さらに、台部111を調節孔20ごとに連続して段階的に下げることも可能である。まず、中間位置や固定位置から、台部111を僅かに持ち上げた状態で、操作体75を、底部材60の壁面部67の垂直溝部68,底面部61の縦溝部62,横溝部63,反転中間位置位置決め部64の順に案内溝50に沿って移動させ、前述のように固定部材70を周方向に略180°反転させる(図7参照)。このときの固定部材70は中間位置の場合と同様、その傾斜面72が台部支柱114の調節孔20内に位置した状態にある(「反転中間位置」と呼ぶ)。
【0032】
固定部材70の傾斜面72も反転した状態となるため、中間位置の場合と逆に、この状態から台部111を下げると、台部支柱114の調節孔20の縁が固定部材70の傾斜面72に当接して、固定部材70をその軸方向後端側に押し下げる。そして、固定部材70の垂直面73が台部支柱114の側面に載り上げられ、固定部材70は退避位置に位置することとなる。ここからさらに台部111を下げると、固定部材70はコイルばね77の付勢力により次の調節孔20に入り込み、反転中間位置に移動する。これを繰り返すことにより、調節孔20の都度操作体75を操作すること無く、台部111を連続して段階的に下げることができる。また、台部111を固定するには、操作体75を案内溝50に沿って中間位置位置決め部55や固定位置位置決め部53に移動さればよい。
【0033】
なお、本実施の形態においては台部支柱114が本体部支柱134の内側に挿入されているが、これを逆の構成とすることも可能である。その場合は固定部材70を傾斜面72が反対向きとなるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0034】
1 作業台
20 調節孔
30 切換装置
50 案内溝
51 縦溝部
52 横溝部
53 固定位置位置決め部
54 解除位置位置決め部
55 中間位置位置決め部
62 縦溝部
63 横溝部
64 反転中間位置位置決め部
68 垂直溝部
70 固定部材
71 先端部
72 傾斜面
73 垂直面
74 停止面
75 操作体
77 コイルばね
111 台部
114 台部支柱
132 台車
134 本体部支柱


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に伸びる第1の支柱を有する本体部と、下方に伸びる第2の支柱と積載面とを有する台部とを備え、前記第1及び第2の支柱のいずれか一方の支柱が他方の支柱に挿入され、前記本体部に対して前記台部が上下動可能な作業台において、
前記他方の支柱には切換装置が設けられており、
該切換装置は、前記第1の支柱及び前記第2の支柱に設けられた孔に挿通された状態となる固定位置と前記一方の支柱の前記孔から抜けた状態となる解除位置との間を軸方向移動可能に取り付けられた固定部材と、該固定部材に取り付けられる操作体と、該操作体を案内する案内溝とを備え、
前記案内溝は、前記固定部材が前記固定位置となる固定位置位置決め部と、前記固定部材が前記解除位置となる解除位置位置決め部を備える
ことを特徴とする作業台。
【請求項2】
請求項1記載の作業台において、
前記切換装置は、前記固定部材を挿入方向に付勢する付勢手段を備え、
前記案内溝の前記固定位置位置決め部及び解除位置位置決め部は、前記付勢手段の付勢方向に向かって伸び、先端が閉じている
ことを特徴とする作業台。
【請求項3】
請求項2記載の作業台において、
前記固定部材は、その先端部が先端に向かって伸びる停止面と先端に向かって傾斜する傾斜面とから成り、該先端部が前記一方の支柱の前記孔内に位置する状態となる中間位置に軸方向移動可能であり、
前記案内溝は、前記固定部材が前記中間位置となる中間位置位置決め部を備え、
前記中間位置位置決め部は、前記付勢手段の付勢方向に向かって伸び、先端が閉じており、
前記台部が上昇する際、前記一方の支柱の前記孔と前記固定部材の前記傾斜面が当接する
ことを特徴とする作業台。
【請求項4】
請求項3記載の作業台において、
前記固定部材は前記中間位置において周方向に回動可能である
ことを特徴とする作業台。
【請求項5】
請求項4記載の作業台において、
前記案内溝は周方向に伸びる反転部を備える
ことを特徴とする作業台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−252342(P2011−252342A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128009(P2010−128009)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(591088397)株式会社日搬 (3)
【Fターム(参考)】