説明

作業機械の伸縮ブーム

【課題】スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる作業機械の伸縮ブームを提供する。
【解決手段】スライドプレート22の対向面22a上のグリースは、伸縮ブームの伸縮動作に伴い、スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材(内筒)の下面に広がる。第2ブーム部材の下面の部分に広がったグリースは、伸縮ブームの第2ブーム部材がスライドプレート22に対して矢印S方向に移動した場合、スライドプレート22の一方の切欠部23に矢印G1,G2,G3で示すように掻き集められ対向面22a上に移動する。第2ブーム部材がスライドプレート22に対して矢印S方向と反対方向に動作したときには、グリースは他方の切欠部23により掻き集められ対向面22a上に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車やクレーン等の作業機械に備えられ、外筒に挿入された内筒が外筒に対し挿入方向または挿入方向と反対方向に移動することによって伸縮するテレスコピック式の伸縮ブームであって、外筒および内筒の一方の筒にスライドプレートが固定されていて、このスライドプイレートが外筒および内筒の他方の筒に対向して位置する対向面を有し、この対向面にグリースを案内する機能を有する作業機械の伸縮ブームに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作業機械の伸縮ブームにおいて、従来、スライドプレートは内筒に固定されていた。スライドプレートの対向面へのグリースの給脂は、外筒を貫通して設けられたグリース注入口を使用して外筒の外部から行われる。また、スライドプレートの軌道上において対向面外に広がったグリースを、伸縮ブームの伸縮動作に伴ってスライドプレートに案内するスクレーパが設けられている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載のスライドプレートは内筒の外面に設けられているが、外筒の内面に設けられているスライドプレートもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63−20712
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された伸縮ブームにおいて、スライドプレートの対向面上のグリースは、外筒に対する内筒の移動に伴い、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面に広がっていく。広がったグリースはスクレーパによりスライドプレートに案内されるものの、そのグリースの大部分は再びスライドプレートが通過する際に、内筒の移動方向の前側に位置するスライドプレートの端部によって、スライドプレートの軌道の外側に押し退けられるため、スライドプレートの潤滑に寄与しにくい。スライドプレートの軌道の外側に押し退けられたグリースは無駄になるたけでなく伸縮ブームの汚れになる。
【0005】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる作業機械の伸縮ブームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために本発明の作業機械の伸縮ブームは次のように構成されている。
【0007】
〔1〕 本発明は、外筒に挿入された内筒が前記外筒に対し挿入方向または挿入方向と反対方向に移動することによって伸縮するテレスコピック式の伸縮ブームであって、前記外筒および前記内筒の一方の筒にスライドプレートが固定されていて、このスライドプイレートが前記外筒および前記内筒の他方の筒に対向して位置する対向面を有し、この対向面にグリースを案内する機能を有する作業機械の伸縮ブームにおいて、前記スライドプレートには、前記スライドプレートの軌道に沿って位置する前記他方の筒の部分に広がったグリースを、前記伸縮ブームの伸縮動作に伴って前記対向面に導くグリース導入部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
この「〔1〕」に記載された本発明においては、一方の筒が内筒であり他方の筒が外筒である場合には、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面に広がったグリースを、グリース導入部が、外筒の内面に対向して位置するスライドプレートの対向面に導くことになる。一方の筒が外筒であり他方の筒が内筒である場合には、スライドプレートの軌道に沿って内筒の外面に広がったグリースを、グリース導入部が、内筒の外面に対向して位置するスライドプレートの対向面に導くことになる。これによって、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる。
【0009】
〔2〕 本発明は「〔1〕」に記載の発明において、前記グリース導入部は、前記伸縮ブームの伸縮方向における前記スライドプレートの両端のそれぞれから、前記伸縮方向における前記スライドプレートの中央に向かって凹んだ切欠部であることを特徴とする。
【0010】
この「〔2〕」に記載された発明においては、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースは、伸縮ブームの伸縮動作に伴い、伸縮方向におけるスライドプレートの両端部のうちの一方側の切欠部(グリース導入部)の内側に掻き集められ、スライドプレートの対向面上に移動する。これにより、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる。
【0011】
〔3〕 本発明は「〔2〕」に記載の発明において、前記グリース導入部は、さらに、前記伸縮ブームの伸縮方向において前記対向面を横切り前記伸縮方向に交差する方向に延びた溝を有することを特徴とする。
【0012】
この「〔3〕」に記載された発明においては、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースは、伸縮ブームの伸縮動作に伴い、溝(グリース導入部)に入る。溝は伸縮方向に交差する方向に延びているので、溝に入ったグリースの一部は溝から溝の周囲の対向面上に移動する。これにより、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる。
【0013】
〔4〕 本発明は「〔1〕」に記載の発明において、前記対向面には複数の突出部が全体的に点在して形成されていて、これら複数の突出部の間に形成された網状溝が前記グリース導入部であることを特徴とする。
【0014】
この「〔4〕」に記載された本発明においては、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースは、伸縮ブームの伸縮動作に伴い、スライドプレートの一端側から網状溝(グリース導入部)に入る。網状溝に入ったグリースの一部は突出部の突端面上に移動し、その突端面と外筒の内面または内筒の外面との間を潤滑にする。これにより、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前述したように、スライドプレートの軌道に沿って外筒の内面または内筒の外面に広がったグリースを、スライドプレートの潤滑に効果的に利用できる。したがって、スライドプレートに対するグリースの給脂の効果を長持ちさせることができ、グリースによる伸縮ブームの汚れを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る作業機械の一例である高所作業車の左側面図である。
【図2】図1で示した先端アームが屈曲した状態の伸縮ブームの拡大右側面図である。
【図3】図2で示した伸縮ブームの第1ブーム部材および第2ブーム部材の先端部の拡大右側面図である。
【図4】図3のIV方向から見た第2ブーム部材と第3ブーム部材の間におけるスライドプレートの配置を示す図である。
【図5】図3のV方向から見た側部スライドプレートの拡大図である。
【図6】図4のVI方向から見た下部スライドプレートの拡大図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るスライドプレートの3面図であり、(a)は上面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は前面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るスライドプレートの3面図であり、(a)は上面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は前面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るスライドプレートの3面図であり、(a)は上面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1〜図7を用いて説明する。
【0018】
図1で示す高所作業車1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2と、この走行体2に旋回可能に結合している旋回体3と、旋回体3の前端部の略中央に起伏可能に結合して後方に延びたテレスコピック式の伸縮ブーム4とを備えている。
【0019】
伸縮ブーム4は、第1ブーム部材5、第2ブーム部材6、第3ブーム部材7および第4ブーム部材8を備えている。第1ブーム部材5の前端部は旋回体3に起伏可能に結合している。第2ブーム部材6は第1ブーム部材5に挿入されて第1ブーム部材5の後端から突出している。第3ブーム部材7は第2ブーム部材6に挿入されて第2ブーム部材6の後端から突出している。第4ブーム部材8は第3ブーム部材7に挿入されて第3ブーム部材7の後端から突出している。第1ブーム部材5と第2ブーム部材6はテレスコピック構造における外筒と内筒の関係にある。第2ブーム部材6と第3ブーム部材も外筒と内筒の関係にある。第3ブーム部材7と第4ブーム部材も外筒と内筒の関係にある。外筒に挿入された内筒が外筒に対し挿入方向または挿入方向と反対方向に移動することによって伸縮ブーム4は伸縮する。
【0020】
第4ブーム部材8の後端には先端アーム9が設けられている。この先端アーム9は、第4ブーム部材8の後端に対して下方向に回動可能に設けられた第1アーム部9aと、この第1アーム部9aの後端部に回動可能に設けられた第2アーム部9bとを有する。第2アーム部9bの後端には、作業床10が左右方向に回動可能に設けられている。第2アーム部9bはリンク機構により第1アーム部9aに連動して回動し、作業床10の姿勢を水平に保持するようになっている(図1,図2を比較参照)。
【0021】
第1ブーム部材5、第2ブーム部材6、第3ブーム部材7および第4ブーム部材8のいずれの断面形状も略長方形である。それらの長方形のいずれにおいても、2組の対辺のうち一方の組の対辺は左右方向に並んで位置し、他方の組の対辺は上下方向に並んで位置する。
【0022】
図4で示すように、外筒である第2ブーム部材6および内筒である第3ブーム部材7の一方の筒、例えば外筒である第2ブーム部材6には、側部スライドプレート20、上部スライドプレート21、および下部スライドプレート22が設けられている。図4は、第2ブーム部材6の右側に設けられた側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22のみ示しているが、第2ブーム部材6の左側にも側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22が設けられている。右側の側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22と、左側の側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22は左右対称に位置している。第1ブーム部材5(外筒)および第3ブーム部材7(外筒)のいずれにも、第2ブーム部材6に対するのと同様の配置および取付構造で、側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22が設けられている。
【0023】
図5で示すように、側部スライドプレート20は、第1ブーム部材5の後端部に設けられた板状の取付部30に、ドルと31,32によりネジ止めされている。第1ブーム部材5において、側部スライドプレート20は第1ブーム部材5(外筒)の内側から取付部30に重なって位置していて、第1ブーム部材5の内面よりも第2ブーム部材6側に突出している。側部スライドプレート20にはボルト31,32が取付部30側から螺合するネジ孔(図示してない)が形成されている。上部スライドプレート21も下部スライドプレート22も、側部スライドプレート20の場合と同様に第1ブーム部材5にネジ止めされている。
【0024】
取付部30の中央にはグリースの給脂部33が突出して設けられている。この給脂部33は突端に給脂口33aを有し、この給脂口33aから側部スライドプレート20の中央にグリースを導く管路を成している。側部スライドプレート20の中央には、取付部30側から第2ブーム部材6(内筒)側にグリースを導く貫通孔からなる給脂管路(図示してない)が設けられている。第2ブーム部材6(内筒)の右外側面に対向して位置する側部スライドプレート20の対向面20aには、給脂管路からのグリースを対向面20a上に広げるための給脂溝(図示してない)が設けられている。
【0025】
図6において、6aは第2ブーム部材6(内筒)の外面のうちの下面である。22aはその下面6aに対向して位置する下部スライドプレート22の対向面である。40は下部スライドプレート22の取付部である。この取付部40に下部スライドプレート22はボルト41,42によりネジ止めされている。取付部40の中央にはグリースの給脂部43が突出して設けられている。
【0026】
図7で示すように、下部スライドプレート22は、第2ブーム部材6(内筒)の下面6aにおいて、第2ブーム部材6に対する下部スライドプレート22の軌道に沿って広がったグリースを、伸縮ブーム4の伸縮動作に伴って下部スライドプレート22の対向面22aに導くグリース導入部としての切欠部23が形成されている。これら切欠部23は、伸縮ブーム4の伸縮方向(図7の左右方向)における下部スライドプレート22の両端のそれぞれから、伸縮方向における下部スライドプレート22の中央に向かって半円形に凹んでいる。また、これらの切欠部23のどちらの最深部(半円形の頂部に相当する部分)も、下部スライドプレート22の幅方向(図7の上下方向)における中央に位置する。
【0027】
対向面22aの中央には、下部スライドプレート22を厚さ方向に貫通した給脂管路22bが設けられている。図6で示した給脂部43から注入されたグリースは、給脂管路22bの入口22b1から出口22b2に抜け出ることになる。対向面22aには、出口22b2を中心として四方に延びた十字形の給脂溝22cが設けられている。グリースは、給脂管路22bの出口22b2から下部スライドプレート22と第2ブーム部材6の下面6aとの間に形成された隙間に出て、給脂溝22cに沿って対向面22a上に広がることになる。なお、図7において22d,22eはボルト41,42が螺合するネジ孔である。
【0028】
対向面22a上のグリースは、伸縮ブーム4の伸縮動作に伴って、下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6(内筒)の下面6aに広がる。その後、伸縮ブーム4の第2ブーム部材6が下部スライドプレート22に対して矢印S方向に移動した場合、第2ブーム部材6の下面6aの部分に広がったグリースは、下部スライドプレート22の一方の切欠部23に矢印G1,G2,G3で示すように掻き集められ、対向面22a上に移動する。第2ブーム部材6が下部スライドプレート22に対して矢印S方向と反対方向に動作したときには、グリースは他方の切欠部23により掻き集められ、対向面22a上に移動する。つまり、第1実施形態はグリース導入部としての切欠部23により、下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6の下面6aに広がったグリースを、下部スライドプレート22の潤滑に効果的に利用できる。
【0029】
なお、前述の第1実施形態においては外筒にスライドプレートが固定されていたが、本発明おいてスライドプレートが固定されている個所は外筒に限定されるものではなく、内筒であってもよい。
【0030】
また、前述の第1実施形態においてグリース導入部としての切欠部23は半円形であったが、本発明において切欠部は半円形に限定されるものではなく、伸縮方向における下部スライドプレート22の中央に向かって先細りする形状であればよい。
【0031】
また、前述の第1実施形態においてグリース導入部としての切欠部23は下部スライドプレート22に対してのみ採用されていた。この理由は、側部スライドプレート20、上部スライドプレート21および下部スライドプレート22のうち、下部スライドプレート22は内筒との間で生じる摩擦力が最も大きく、すなわちグリースを最も消耗しやすくいからである。しかし、本発明においてグリース導入部が採用されるスライドプレートは下部スライドプレートに限定されるものではない。
【0032】
〔第2実施形態〕
第2実施形態について図8を用いて説明する。図8で示すもののうち、図7で示したものと同等のものには、図7に付した符号と同じものを使用した。
【0033】
第2実施形態において、グリース導入部は、伸縮ブーム4の伸縮方向において下部スライドプレート22の対向面22aを横切り伸縮方向に交差する方向に延びた溝50を含んでいる。
【0034】
下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6(内筒)の下面6aに広がったグリースは、伸縮ブーム4の伸縮動作、例えば矢印S方向の第2ブーム部材6の移動に伴い、一方の切欠部23により掻き集められ、溝50(グリース導入部)に矢印T1方向から入って、溝50を矢印T2方向に通過し、溝50から矢印T3方向に出る。この際、溝50は伸縮方向に交差する方向に延びているので、溝50に入ったグリースの一部は対向面22a上に移動する。第2ブーム部材6が下部スライドプレート22に対して矢印S方向と反対方向に動作したときには、グリースは溝50に対して矢印T1方向、矢印T2方向、矢印T3方向とは反対方向に移動し、この際、グリースの一部が対向面22a上に移動する。つまり、第2実施形態はグリース導入部としての溝50により、下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6の下面6aに広がったグリースを、下部スライドプレート22の潤滑に効果的に利用できる。
【0035】
なお、前述の第2実施形態は切欠部23によりグリースを溝50側に掻き集めて、切欠部23がない場合よりも多くのグリースを対向面22a上に移動させることができる。しかしながら、本発明においてグリース導入部としての溝は切欠部と組合せたものに限定されず、単独でも設けられていてもよい。
【0036】
〔第3実施形態〕
第3実施形態について図9を用いて説明する。図9で示すもののうち、図7で示したものと同等のものには、図7に付した符号と同じものを使用した。
【0037】
第3実施形態において、対向面22aには複数の円柱状の突出部60が全体的に点在して形成されている。これら複数の突出部60の間に形成された網状溝61がグリース導入部を構成している。また、幅方向の両端部のそれぞれには、その端部全体に亘って延びた堤部62が形成されている。
【0038】
下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6の下面6aに広がったグリースは、伸縮ブーム4の伸縮動作に伴い、網状溝61(グリース導入部)に入る。網状溝61に入ったグリースの一部は突出部60の突端面に移動し、その突端面と第2ブーム部材6の下面との間を潤滑にする。つまり、第3実施形態は網状溝61により、下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6の下面に広がったグリースを、下部スライドプレート22の潤滑に効果的に利用できる。
【0039】
また、第2実施形態は堤部62により、下部スライドプレート22と第2ブーム部材6との間を通過中のグリースが、下部スライドプレート22の幅方向において下部スライドプレート22の軌道の外側に逸れるのを抑制できる。これによっても、下部スライドプレート22の軌道に沿って第2ブーム部材6の下面に広がったグリースの効果的な利用に貢献できる。
【0040】
なお、前述の第3実施形態において突出部60は円柱状であったが、断面が平行四辺形の四角柱であってもよい。この場合、平行四辺形の対角が伸縮方向に並んで位置していることが好ましい。
【符号の説明】
【0041】
1 高所作業車(作業機械)
2 走行体
2a 履帯
3 旋回体
4 伸縮ブーム
5 第1ブーム部材
6 第2ブーム部材
6a 下面
7 第3ブーム部材
8 第4ブーム部材
9 先端アーム
9a 第1アーム部
9b 第2アーム部
10 作業床
20 側部スライドプレート
20a 対向面
21 上部スライドプレート
22 下部スライドプレート
22a 対向面
22b 給脂管路
22b1 入口
22b2 出口
22c 給脂溝
22d,22e ネジ孔
23 切欠部
30 取付部
31,32 ボルト
33 給脂部
33a 給脂口
40 取付部
41,42 ボルト
43 給脂部

50 溝

60 突出部
61 網状溝
62 堤部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒に挿入された内筒が前記外筒に対し挿入方向または挿入方向と反対方向に移動することによって伸縮するテレスコピック式の伸縮ブームであって、
前記外筒および前記内筒の一方の筒にスライドプレートが固定されていて、このスライドプイレートが前記外筒および前記内筒の他方の筒に対向して位置する対向面を有し、この対向面にグリースを案内する作業機械の伸縮ブームにおいて、
前記スライドプレートには、前記スライドプレートの軌道に沿って位置する前記他方の筒の部分に広がったグリースを、前記伸縮ブームの伸縮動作に伴って前記対向面に導くグリース導入部が形成されている
ことを特徴とする作業機械の伸縮ブーム。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、
前記グリース導入部は、前記伸縮ブームの伸縮方向における前記スライドプレートの両端のそれぞれから、前記伸縮方向における前記スライドプレートの中央に向かって凹んだ切欠部である
ことを特徴とする作業機械の伸縮ブーム。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、
前記グリース導入部は、さらに、前記伸縮ブームの伸縮方向において前記対向面を横切り前記伸縮方向に交差する方向に延びた溝を有する
ことを特徴とする作業機械の伸縮ブーム。
【請求項4】
請求項1に記載の発明において、
前記対向面には複数の突出部が全体的に点在して形成されていて、これら複数の突出部の間に形成された網状溝が前記グリース導入部である
ことを特徴とする作業機械の伸縮ブーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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