作業機
【課題】作業機の前部に操作者が体重を容易にかけることができ、グリップの高さを操作者の体格に合わせて調整することで使い勝手のよい作業機を提供する。
【解決手段】作業機10は、トランスミッションケース12に設けられたハンドルポスト45の支持梁部61にループ状の操作ハンドル65が連結されている。この操作ハンドル65は、作業形態に応じて、トランスミッションケース12の幅方向に延びるハンドル支軸部74を支点にして、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147側とその逆側との双方の位置に揺動自在とした。
【解決手段】作業機10は、トランスミッションケース12に設けられたハンドルポスト45の支持梁部61にループ状の操作ハンドル65が連結されている。この操作ハンドル65は、作業形態に応じて、トランスミッションケース12の幅方向に延びるハンドル支軸部74を支点にして、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147側とその逆側との双方の位置に揺動自在とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルが連結された作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘機のなかには、作業機本体の後部にハンドルポストを設け、ハンドルポストの上端部に操作ハンドルを前後方向に揺動自在に支持し、操作ハンドルを前後方向に揺動することでグリップの位置を調整するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−178401号公報 特許文献1の耕耘機によれば、操作ハンドルを作業機本体前方側に揺動させてグリップを前方に移動したり、操作ハンドルを作業機本体後方側に揺動させてグリップを後方に移動したりすることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、耕耘機の作業形態のなかには、耕耘機の前部に操作者の体重をかけたい場合がある。しかし、特許文献1の耕耘機では、グリップを作業機本体前方側に移動しても、グリップをハンドルポストの前方側まで移動することはできない。
加えて、グリップを作業機本体前方側に移動した場合に、グリップは作業機本体前方に向けて下り勾配になる。
【0004】
このように、グリップがハンドルポストの後方側で、かつ、グリップが作業機本体前方に向けて下り勾配になるため、操作者はグリップを握った状態で、操作者の体重を耕耘機の前部にかけることは難しい。
【0005】
また、特許文献1の耕耘機では、操作者の体格に合わせてグリップの高さを調整することはできない。
このため、操作者の体格に合わせてグリップの高さを調整することが可能な技術の実用化が望まれていた。
【0006】
本発明は、作業機の前部に操作者が体重を容易にかけることができ、グリップの高さを操作者の体格に合わせて調整することで使い勝手のよい作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルを連結した作業機において、前記ループ状の操作ハンドルは、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる支軸を支点にして、前記ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に揺動自在としたことを特徴とする。
【0008】
ここで、作業機を使用する場合、作業形態(移動、耕耘、培土など)に合わせて操作ハンドルを最適の位置に選択可能であることが好ましい。
そこで、請求項1において、操作ハンドルを、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる軸を支点にして、ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に回動可能とした。
【0009】
請求項2において、前記ハンドルポストは、長手方向において複数個に分割された複数の分割ポストを有し、前記複数の分割ポストが長手方向にスライド可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
ここで、作業機を使用する場合、操作者の体格(身長や握力など)や作業形態に合わせて操作ハンドルの高さを最適の位置に選択可能であることが好ましい。
そこで、請求項2において、ハンドルポストを、複数の分割ポストに分割し、分割ポストを長手方向にスライド可能とした。
【0011】
請求項3では、前記ループ状の操作ハンドルは、その内周壁において、作業機本体の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央湾曲部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記操作ハンドルに、走行用のクラッチレバーが揺動自在に設けられ、前記クラッチレバーは、前記操作ハンドルに揺動自在に設けられた金属製のレバー部と、前記レバー部を覆う樹脂カバーとを有することを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるスライド切換手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、操作ハンドルを、ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側(すなわち、作業機本体側)との双方の位置に揺動自在とした。
この構成によれば、ハンドルポストの延長線上を境に、操作ハンドルを操作者の逆側の位置に揺動することで、操作ハンドルを作業機本体前方に向けて上り勾配に配置することができる。
【0015】
操作ハンドルを作業機本体側に配置するとともに、上り勾配に配置することで、操作ハンドルを操作者に臨む位置に配置できる。
よって、操作者は操作ハンドルを握った状態で、作業機の前部に体重を容易にかけることが可能になり、耕耘の作業形態に容易に対応することができる。
【0016】
また、操作ハンドルを操作者側の位置に配置することで、作業機本体と操作者との間に十分な空間を確保することができる。
よって、作業機本体と操作者との間の空間を利用して、作業機本体の後部に、例えば培土器を取り付けることが可能になり、培土の作業形態に容易に対応することができる。
【0017】
さらに、操作ハンドルをハンドルポストの上端部に揺動自在に構成することで、移動の作業形態に容易に対応することができる。
このように、作業機の作業形態(耕耘、培土、移動など)に合わせて操作ハンドルを最適の位置に選択することができるので、使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
【0018】
請求項2に係る発明では、複数の分割ポストを長手方向にスライドすることで、ハンドルポストの高さを調整することができる。
これにより、操作ハンドルの高さを操作者の体格や作業形態に合わせて最適の位置に調整することが可能になり、使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
【0019】
請求項3に係る発明では、操作ハンドルの内周壁において、作業機本体の幅方向中央に中央湾曲部を設けた。中央湾曲部は、ループ内側に向けて隆起されている。
操作ハンドルの中央に中央湾曲部を設けることで、操作者は操作ハンドルを握った感覚で中央湾曲部を確認することができる。
【0020】
これにより、操作ハンドルを握った感覚だけで中央位置を確認することができるという利点がある。
加えて、操作ハンドルに中央湾曲部を設けることで、操作ハンドルを握った状態において、握った手が操作ハンドルに沿って滑らないようにできるという利点がある。
【0021】
請求項4に係る発明では、走行用のクラッチレバーが、操作ハンドルに揺動自在に金属製のレバー部が設けられ、レバー部が樹脂カバーで覆われている。
クラッチレバーに金属製のレバー部を採用することで、クラッチレバーの剛性を確保することができる。
【0022】
加えて、金属製のレバー部を樹脂カバーで覆うことで、樹脂カバーを握りやすい形状に簡単に形成することができる。
これにより、クラッチレバーの剛性を確保することができ、かつ、クラッチレバーの握り心地を良好に確保することができるという利点がある。
【0023】
請求項5に係る発明では、スライド切換手段を備えた。このスライド切換手段は、複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができる。
これにより、スライド切換手段を操作することで、ハンドルポストの高さを容易に調整することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は操作者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
なお、本実施の形態では作業機として歩行型耕耘機を例示するが、作業機は歩行型耕耘機に限定するものではない。
【0025】
図1は本発明に係る作業機を示す側面図である。
作業機としての歩行型耕耘機10は、作業機本体を兼ねるトランスミッションケース12の上部12aに搭載されたエンジン13と、トランスミッションケース12内に設けられた変速機構(図示せず)と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられた左右の駆動輪15,15と、トランスミッションケース12の前端部12cに設けられたロータリ作業部17および補助輪18と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドル装置20と、ハンドル装置20側の部材およびトランスミッションケース12側の部材を連結/接続する線状部材の配設構造22とを備える。
【0026】
エンジン13は、出力軸であるクランクシャフト31を備え、このクランクシャフト31を縦置き、すなわち下方に延ばした形式のバーチカルエンジンである。
このエンジン13は、始動用のスタータモータ32を備え、スロットル弁33の開度を調整するスロットルレバー34を備える。
【0027】
クランクシャフト31の下端部は、走行クラッチ35を介して前記変速機構に連結されている。この変速機構および走行クラッチ35はトランスミッションケース12の内部に設けられている。
走行クラッチ35は、走行クラッチ35をオン状態とオフ状態とに切り換えるクラッチレバー36を備える
【0028】
走行クラッチ35をオン状態にすることで、エンジン13の回転を前記変速機構を介して左右の駆動輪15,15やロータリ作業部17に伝える。
これにより、左右の駆動輪15,15で走行しながら、ロータリ作業部17を回転させる。ロータリ作業部17が回転することで、耕耘爪37…が回転して土壌を耕耘する。
【0029】
一方、走行クラッチ35をオフ状態にすることで、エンジン13の回転を前記変速機構に伝わらないようにする。
これにより、左右の駆動輪15,15を静止状態に保つとともに、ロータリ作業部17を静止状態に保つ。
以下、図2〜図9においてハンドル装置20について詳しく説明する。
【0030】
図2は本発明に係る作業機のハンドル装置を示す分解斜視図、図3は本発明に係るハンドルユニットからハンドルポストカバーを外した状態を示す斜視図である。
ハンドル装置20は、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドルポストユニット41と、ハンドルポストユニット41の上端部に揺動自在に設けられた操作ハンドルユニット42と、ハンドルポストユニット41を覆うとともに操作ハンドルユニット42の一部を覆うハンドルポストカバー43とを備える。
【0031】
ハンドルポストユニット41は、トランスミッションケース12の後端部12bに伸縮可能(可変可能)に設けられたハンドルポスト45と、ハンドルポスト45を伸縮可能に切り換えるスライド切換手段46とを備える。
ハンドルポスト45は、長手方向において複数個(2個)に分割されたロア固定ポスト(分割ポスト)51およびアッパ昇降ポスト(分割ポスト)52を有する。
【0032】
ロア固定ポスト51は、トランスミッションケース12の後端部12bに、左ロアポスト部54が左取付ブラケット56を介してボルト止めされるとともに、右ロアポスト部55が右取付ブラケット57を介してボルト止めされている。
左右のロアポスト部54,55は、それぞれパイプで形成され、トランスミッションケース12の後端部12bから後方に向けて上り勾配で延出されている。
【0033】
左ロアポスト部54は、右ロアポスト部55に臨む壁部に左ロック孔54a…(図4も参照)が所定の間隔をおいて複数個形成されている。
右ロアポスト部55は、左ロアポスト部54に臨む壁部に右ロック孔55a…が所定の間隔をおいて複数個形成されている。
【0034】
アッパ昇降ポスト52は、左ロアポスト部54の上半分54bにスライド自在に嵌合された左アッパポスト部58と、右ロアポスト部55の上半分55bにスライド自在に嵌合された右アッパポスト部59と、左右のアッパポスト部58,59のそれぞれの上端部に連結された支持梁部(ハンドルポストの上端部)61と、左右のアッパポスト部58,59のそれぞれの下端部に架け渡されたポスト連結部材62を有する。
【0035】
左右のアッパポスト部58,59および支持梁部61は、パイプで略逆U字状に曲げ形成された部材である。
左アッパポスト部58は、右アッパポスト部59に臨む壁部に左保持孔58c(図4も参照)が形成されている。
右アッパポスト部59は、左アッパポスト部58に臨む壁部に右保持孔59cが形成されている。
【0036】
すなわち、ハンドルポスト45は、トランスミッションケース12の後端部12bから後方に向けて上り勾配で延出され、ロア固定ポスト51およびアッパ昇降ポスト52が長手方向にスライド可能に構成されている。
【0037】
スライド切換手段46は、ポスト連結部材62に設けられ、アッパ昇降ポスト52を長手方向にスライド可能なスライド状態と、アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する保持状態とに切り換えるものである。
なお、スライド切換手段46については図4〜図5で詳しく説明する。
【0038】
操作ハンドルユニット42は、ハンドルポスト45の支持梁部61に取り付けられた支持部材64と、支持部材64に揺動自在に設けられた操作ハンドル65と、支持部材64に設けられた揺動切換手段66と、操作ハンドル65に揺動自在に設けられた走行用のクラッチ操作レバー68とを備える。
【0039】
支持部材64は、支持梁部61に支持ブラケット71が取り付けられ、支持ブラケット71に収納凹部72(図6参照)が設けられている。
収納凹部72は、操作ハンドル65のハンドル支軸部(支軸)74を回動自在に支持するものである。
揺動切換手段66は、操作ハンドル65を揺動可能な揺動状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるものである。
なお、揺動切換手段66については図6で詳しく説明する。
【0040】
操作ハンドル65は、トランスミッションケース12の幅方向(以下、「作業機本体幅方向」という)に延びたハンドル支軸部74と、ハンドル支軸部74の左端部から後方に延出された左ハンドル側部75と、ハンドル支軸部74の右端部から後方に延出された右ハンドル側部76と、左右のハンドル側部75,76のそれぞれの後端部に連結されたハンドルグリップ部77とを有する。
この操作ハンドル65は、ハンドル支軸部74、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77で略矩形のループ状に形成されている。
【0041】
操作ハンドル65には走行用のクラッチ操作レバー68が揺動自在に設けられている。
クラッチ操作レバー68は、操作ハンドル65に揺動自在に設けられた金属製のレバー部81と、レバー部81を覆う樹脂カバー82とを有する。
レバー部81は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77に重なり合うように形成され、左右の端部81a,81aが支持ピン83,83で左右のハンドル側部75,76にそれぞれ回動自在に支持されている。
【0042】
レバー部81および樹脂カバー82は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77にそれぞれ重なり合うように形成されている。
レバー部81は、右端部81a近傍にケーブルブラケット91が設けられている。ケーブルブラケット91はクラッチケーブル92を介してクラッチレバー36(図1参照)に連結されている。
【0043】
クラッチ操作レバー68を操作ハンドル65と一緒に握ることで、クラッチ操作レバー68が操作ハンドル65に重ねられる。クラッチケーブル92が引っ張られ、走行クラッチ35がオン状態になる。
クラッチ操作レバー68の握りを解放することで、クラッチ操作レバー68が操作ハンドル65から離れる。クラッチケーブル92の引っ張り状態が解除され、走行クラッチ35がオフ状態になる。
【0044】
図2に示すように、ハンドルポストカバー43は、上カバー部93と、下カバー部94とを備える。
上カバー部93は、略矩形状の外周壁95を有するとともに、略矩形状の内周壁96を有することで、中央に略矩形状の中央開口部97が形成され、上端部に操作パネル98が形成されている。
上カバー部93を、アッパ昇降ポスト52、スライド切換手段46、ハンドル支軸部74および揺動切換手段66に被せることで、これらの部材を覆う。
上カバー部93の底部開口93a(図5も参照)に下カバー部94がボルト止めされる。
中央開口部97にスライド切換手段46の切換ハンドル47が配置される。
【0045】
操作パネル98には、スタータスイッチ101やスロットル操作レバー102が設けられている。
スタータスイッチ101は、図3に示すワイヤハーネス103を介してエンジン13のスタータモータ32(図1参照)に接続されている。
スタータスイッチ101を押すことにより、スイッチがオン状態になり、スタータモータ32が作動する。スタータモータ32が作動することでエンジン13が始動する。
【0046】
スロットル操作レバー102は、図3に示す支軸105を介してレバー106に連結されている。レバー106は、スロットルケーブル107を介してスロットルレバー34(図1参照)に連結されている。
スロットル操作レバー102を前後方向に操作することで、スロットルレバー34を操作する。スロットルレバー34を操作することで、スロットル弁33の開度を調整する。
【0047】
図3に示すように、線状部材の配設構造22は、クラッチ操作レバー68およびクラッチレバー36(図1参照)を連結するクラッチケーブル92と、スロットル操作レバー102およびスロットルレバー34(図1参照)を連結するスロットルケーブル107と、スタータスイッチ101およびスタータモータ32を接続するワイヤハーネス103とを有する。
【0048】
この線状部材の配設構造22は、クラッチケーブル92がクラッチ操作レバー68およびクラッチレバー36間においてループ状に巻かれ、スロットルケーブル107がスロットル操作レバー102およびスロットルレバー34間においてループ状に巻かれ、ループ状に巻いたクラッチケーブル92およびスロットルケーブル107がハンドルポストカバー43の内部空間に収納されている。
【0049】
また、線状部材の配設構造22は、ワイヤハーネス103が相対的に硬い硬ハーネス部(図示せず)と軟らかい軟ハーネス部112とで形成され、軟ハーネス部112が、少なくともハンドルポスト45が伸びきった状態を除いてハンドルポストカバー43に収納される。
【0050】
図4は本発明に係るハンドル装置のスライド切換手段を示す断面図、図5は図4の5−5線断面図である。
スライド切換手段46は、ポスト連結部材62にハンドルブラケット121が設けられ、ハンドルブラケット121の左側に左移動体122が配置され、ハンドルブラケット121の右側に右移動体123が配置され、左右の移動体122,123にそれぞれ左右の連結ピン128,129を介してレバー124が連結され、レバー124が回動シャフト125を介して切換ハンドル47に連結されている。
左連結ピン128は、左移動体122の長孔122aにスライド自在に嵌入されている。右連結ピン129は、右移動体123の長孔123aにスライド自在に嵌入されている。
【0051】
このスライド切換手段46は、左移動体122の左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aに進退自在に配置され、右移動体123の右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aに進退自在に配置されている。
回動シャフト125は、ポスト連結部材62の中央部位およびハンドルブラケット121の中央部位に回動自在に支持されている。
【0052】
スライド切換手段46によれば、切換ハンドル47を手で握って切換ハンドル47に回動力をかける。切換ハンドル47が回動シャフト125を軸にして回動して、回動シャフト125と一体にレバー124が揺動する。
レバー124が揺動することで、左右の連結ピン128,129が回動シャフト125側に移動する。左右の連結ピン128,129が回動シャフト125側に移動することで、左右の移動体122,123が回動シャフト125側に移動する。
【0053】
左右の移動体122,123が回動シャフト125側に移動することで、左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aから抜け出してスライド位置に退避するとともに、右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aから抜け出してスライド位置に退避する。
【0054】
よって、左ロアポスト部54に沿わせて左アッパポスト部58をスライド移動させるとともに、右ロアポスト部55に沿わせて右アッパポスト部59をスライド移動させることが可能になる。
これにより、ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52を上下方向に昇降可能なスライド状態に切り換えることができる。
【0055】
アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する場合には、切換ハンドル47から回動力を解除する。切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138のばね力で、左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aに進入するとともに、右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aに進入する。
すなわち、左右のロックピン126,127がロック位置に進入する。
【0056】
これにより、アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができる。
このように、切換ハンドル47を操作(回動)させるだけで、アッパ昇降ポスト52をスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができるので、ハンドルポスト45の高さを容易に調整することができる。
【0057】
なお、左右のロック孔54a…,55a…の個数は任意に決めることが可能である。左右のロック孔54a…,55a…の個数に基づいて、アッパ昇降ポスト52の昇降段階が決まる。
例えば、左右のロック孔54a…,55a…の個数がそれぞれ9個の場合、アッパ昇降ポスト52は9段階の昇降調整が可能である。
【0058】
図6は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルユニットを示す側面図、図7は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す側面図、図8は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す平面図である。
揺動切換手段66は、支持部材64の左右の支持孔144,145(図8参照)に支持ロッド132が貫通され、左右の支持孔144,145から突出した支持ロッド132に左右のガイドブラケット133,134(図8も参照)が設けられ、左ガイドブラケット133から突出した支持ロッド132に切換レバー135がねじ結合されている(図8も参照)。
【0059】
切換レバー135は、操作ハンドル65の近傍に配置される。切換レバー135を操作ハンドル65の近傍に配置することで、切換レバー135を操作しやすい位置に配置できる。
よって、操作者は切換レバー135を簡単に操作して、操作ハンドルを容易に揺動させることができる。
【0060】
左右のガイドブラケット133,134は、図8に示すように、ハンドル支軸部74の略中央に一定間隔をおいて取り付けられている。
左ガイドブラケット133には左ガイド孔133aが形成されている。左ガイド孔133aは、ハンドル支軸部74を中心として円弧状に形成され、左支持孔144から左側に突出した支持ロッド132にスライド自在に嵌入されている。
右ガイドブラケット134には右ガイド孔134aが形成されている。右ガイド孔134aは、ハンドル支軸部74を中心として円弧状に形成され、右支持孔145から右側に突出した支持ロッド132にスライド自在に嵌入されている。
【0061】
切換レバー135は、保持位置P1に位置するとき基部135aが作業機本体幅方向の中央寄りに配置され、揺動位置P2に位置するとき基部135aが中央寄りから作業機本体の幅方向に離れるように配置される。
よって、切換レバー135を保持位置P1に位置させることで、基部135aおよび支持ロッド132の頭部132a(図8参照)で左右のガイドブラケット133,134を支持部材64に押圧することができる。
よって、操作ハンドル65を所定位置に保持することができる。
【0062】
一方、切換レバー135を揺動位置P2に位置させることで、基部135aおよび頭部132aによる左右のガイドブラケット133,134の押圧を解除することができる。
この状態において、操作ハンドル65を、図6に示すように、ハンドル支軸部74を支点にして前後方向に矢印の如く揺動させることができる。
【0063】
操作ハンドル65が前後方向に揺動する際に、左右のガイド孔133a,134aが支持ロッド132に沿って移動する。
よって、操作ハンドル65を、作業形態(耕耘、培土、移動など)に応じて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者側の位置P3とその逆側の位置P4との間で無段階に配置することができる。
【0064】
例えば、操作ハンドル65を操作者147(図11参照)の逆側の位置P4に配置することで、操作ハンドル65を作業機本体前方(トランスミッションケース12の前方)に向けて水平線69に対して角度θ1の上り勾配に配置できる。
したがって、操作ハンドル65を操作者147に臨む位置に配置できるので、図1に示す歩行型耕耘機10の前部に荷重を容易にかけることができる。
歩行型耕耘機10の前部に荷重をかける例については図11で詳しく説明する。
【0065】
また、操作ハンドル65を操作者147(図12参照)側の位置P3に配置することで、操作ハンドル65を後方に向けて水平線69に対して角度θ2の下り勾配に配置できる。
この状態において、操作ハンドル65をトランスミッションケース12(図1参照)から後方に離すことができる。
【0066】
したがって、トランスミッションケース12と操作者147との間に十分な空間を確保できるので、トランスミッションケース12の後端部に、例えば培土器を取り付けることができる。
トランスミッションケース12の後端部に培土器を取り付ける例については図12で詳しく説明する。
【0067】
図8に示すように、操作ハンドル65は、ハンドル支軸部74、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77で略矩形のループ状に形成されている。
ハンドルグリップ部77は、左ハンドル湾曲部77a、右ハンドル湾曲部77bおよび中央ハンドル湾曲部(中央湾曲部)77cを有する。
左ハンドル湾曲部77aは、ハンドルグリップ部77の左端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
【0068】
右ハンドル湾曲部77bは、ハンドルグリップ部77の右端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
中央ハンドル湾曲部77cは、作業機本体幅方向の中央において、ループ内側に向けて隆起するように湾曲状に形成された部位である。
すなわち、ハンドルグリップ部77は、その内周壁77dにおいて、トランスミッションケース12の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央ハンドル湾曲部77cが設けられている。
【0069】
クラッチ操作レバー68は、樹脂カバー82が、左ハンドル側部75に重なる左レバー側部85と、右ハンドル側部76に重なる右レバー側部86と、ハンドルグリップ部77に重なるレバーグリップ部87とを有する。
レバーグリップ部87は、左レバー湾曲部87a、右レバー湾曲部87bおよび中央レバー湾曲部(中央湾曲部)87cを有する。
左レバー湾曲部87aは、レバーグリップ部87の左端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
【0070】
右レバー湾曲部87bは、レバーグリップ部87の右端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
中央レバー湾曲部87cは、トランスミッションケース12の幅方向中央において、ループ内側に向けて隆起するように湾曲状に形成された部位である。
すなわち、レバーグリップ部87は、その内周壁87dにおいて、作業機本体幅方向の中央に、ループ内側に向けて隆起する中央レバー湾曲部87cが設けられている。
【0071】
すなわち、クラッチ操作レバー68の樹脂カバー82は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77に重なり合うように形成されている。
中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを、操作ハンドル65のループ内側に向けて隆起させた。
よって、操作者147(図11参照)が、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを手148で握った際に、握った感覚で中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを確認することができる。
【0072】
これにより、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを握った感覚だけで中央位置を確認することができる。
加えて、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを設けることで、操作ハンドル65およびクラッチ操作レバー68を手148で握った際に、握った手148が操作ハンドル65やクラッチ操作レバー68に沿って滑らないようにできる。
【0073】
さらに、左ハンドル湾曲部77aおよび左レバー湾曲部87aは、それぞれループ外側に向けて大きな湾曲状に形成されている。
加えて、右ハンドル湾曲部77bおよび右レバー湾曲部87bは、それぞれループ外側に向けて大きな湾曲状に形成されている。
よって、ハンドルグリップ部77およびレバーグリップ部87の全域を、操作者が握りやすい形状に形成できる。
操作者は、例えば作業形態に応じて、握りやすい位置を好適に選択することができる。
【0074】
図9は図8の9−9線断面図である。
走行用のクラッチ操作レバー68は、操作ハンドル65に揺動自在に金属製のレバー部81が設けられ、レバー部81が樹脂カバー82で覆われている。
クラッチ操作レバー68に金属製のレバー部81を採用することで、クラッチ操作レバー68の剛性を確保することができる。
【0075】
加えて、金属製のレバー部81を樹脂カバー82で覆うことで、樹脂カバー82を握りやすい形状に簡単に形成することができる。
これにより、クラッチ操作レバー68の剛性を確保することができ、かつ、クラッチ操作レバー68の握り心地を良好に確保することができる。
【0076】
例えば、樹脂カバー82を用いることで、外形を湾曲状に形成するとともに、ハンドルグリップ部77に臨む部位に凹部141を形成することで一対の脚部142,142を有する。
凹部141には金属製のレバー部81が収納されている。このレバー部81は、一対の脚部142,142がハンドルグリップ部77に当接した状態において、ハンドルグリップ部77に対して所定間隔Sだけ離れた位置に配置される。
【0077】
一対の脚部142,142は、内壁の下端部に当接面142a,142aが形成されている。それぞれの当接面142a,142aは、ハンドルグリップ部77の外周に当接可能に湾曲状に形成されている。
よって、ハンドルグリップ部77およびレバーグリップ部87を握ったとき、それぞれの当接面がハンドルグリップ部77に当接する。
これにより、クラッチレバーをハンドルグリップ部77に安定させた状態で押し付けることができ、握り心地を良好に確保することができる。
【0078】
樹脂カバー82の外形が湾曲状に形成されている。よって、クラッチ操作レバー68をハンドルグリップ部77に押し付けた状態において、ハンドルグリップ部77および樹脂カバー82の外形が略楕円状になる。
楕円状は握りやすい形状なので、クラッチ操作レバー68およびハンドルグリップ部77の握り心地を良好に確保することができる。
【0079】
図10(a),(b)は本発明に係るハンドル装置のハンドルポストの高さを調整する例を説明する図である。
(a)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、左右のロックピン126,127をロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
アッパ昇降ポスト52を最下位まで下降させることで、ハンドルポスト45を最小高さH1にする。
切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138(図4参照)のばね力で、左右のロックピン126,127をロック位置に進入させる。
よって、ハンドルポスト45を最小高さH1に保持することができる。
【0080】
(b)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、左右のロックピン126,127をロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
アッパ昇降ポスト52を最上位まで上昇させることで、ハンドルポスト45を最大高さH2にする。
切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138(図4参照)のばね力で、左右のロックピン126,127をロック位置に進入させる。
よって、ハンドルポスト45を最大高さH2に保持することができる。
【0081】
図10(a)、(b)で説明したように、切換ハンドル47を操作(回動)させるだけで、ハンドルポスト45の高さを容易に調整することができる。
これにより、操作者の体格(身長や手の握力など)や作業形態に合わせて操作ハンドル65を最適の高さ位置に容易に配置することができる。
【0082】
図11は本発明に係る作業機の前部に荷重をかける例を説明した図である。
操作ハンドル65を前方に揺動させて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147の逆側の位置P4に配置した。よって、操作ハンドル65を作業機本体前方に向けて角度θ1の上り勾配に配置することができる。
【0083】
操作ハンドル65を作業機本体側に配置するとともに、上り勾配に配置することで、操作ハンドル65を操作者147に臨む位置に配置できる。
よって、操作者147は操作ハンドル65を握った状態で、歩行型耕耘機10の前部(すなわち、ロータリ作業部17)に操作者147の体重を矢印Fの如く容易にかけることができる。
これにより、耕耘の作業形態に容易に対応することができ、ロータリ作業部17で土壌152を良好に耕耘作業をおこなうことができる。
【0084】
図12は本発明に係る作業機の後部に培土器を取り付ける例を説明した図である。
操作ハンドル65を後方に揺動させて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147側の位置P5に配置した。この状態で、操作ハンドル65が略水平に配置される(すなわち、位置P5は、図6に示す水平線69上の位置である)。
よって、操作ハンドル65をトランスミッションケース12の後端部12bから後方に離すことができる。
操作ハンドル65をトランスミッションケース12の後端部12bから後方に離すことで、トランスミッションケース12と操作者147との間に十分な空間149を確保できる。
【0085】
これにより、トランスミッションケース12と操作者147との間の空間149を利用して、トランスミッションケース12の後端部12b、例えば培土器151を取り付けることができる。
したがって、培土の作業形態に容易に対応することができ、培土器151で土壌152を良好に培土作業をおこなうことができる。
【0086】
加えて、操作ハンドル65をハンドルポスト45の支持梁部(ハンドルポストの上端部)61に揺動自在に構成することで、操作ハンドル65を移動の作業形態に容易に対応させることができる。
このように、作業機の作業形態(耕耘、培土、移動など)に合わせて操作ハンドル65を最適の位置に選択することができるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0087】
なお、前記実施の形態では、作業機として歩行型耕耘機10を例示したが、これに限らないで、歩行型芝刈機や歩行型草刈機などの他の作業機に適用することも可能である。
【0088】
また、前記実施の形態では、トランスミッションケース12の後端部12bにハンドルポスト45を設けた例について説明したが、これに限らないで、トランスミッションケース12の上部などの他の部位にハンドルポスト45を設けることも可能である。
【0089】
さらに、前記実施の形態では、ハンドルポスト45をロア固定ポスト51、アッパ昇降ポスト52の2個に分割した例について説明したが、これに限らないで、3個などの他の複数個に分割することも可能である。
【0090】
また、前記実施の形態では、トランスミッションケース12の後端部12bに培土器151を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、整地レーキなどの他の作業器を取り付けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルが連結された作業機への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係る作業機を示す側面図である。
【図2】本発明に係る作業機のハンドル装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係るハンドルユニットからハンドルポストカバーを外した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るハンドル装置のスライド切換手段を示す断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルユニットを示す側面図である。
【図7】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す側面図である。
【図8】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す平面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係るハンドル装置のハンドルポストの高さを調整する例を説明する図である。
【図11】本発明に係る作業機の前部に荷重をかける例を説明した図である。
【図12】本発明に係る作業機の後部に培土器を取り付ける例を説明した図である。
【符号の説明】
【0093】
10…歩行型耕耘機(作業機)、12…トランスミッションケース(作業機本体)、45…ハンドルポスト、46…スライド切換手段、49…ハンドルポストの延長線、51…ロア固定ポスト(分割ポスト)、52…アッパ昇降ポスト(分割ポスト)、61…支持梁部(ハンドルポストの上端部)、65…操作ハンドル、68…クラッチ操作レバー、74…ハンドル支軸部(支軸)、147…操作者、77c…中央ハンドル湾曲部(中央湾曲部)、77d…ハンドルグリップ部の内周壁、87c…中央レバー湾曲部(中央湾曲部)、87d…レバーグリップ部の内周壁、81…レバー部、82…樹脂カバー、P3…操作者の逆側の位置、P4…操作者側の位置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルが連結された作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘機のなかには、作業機本体の後部にハンドルポストを設け、ハンドルポストの上端部に操作ハンドルを前後方向に揺動自在に支持し、操作ハンドルを前後方向に揺動することでグリップの位置を調整するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−178401号公報 特許文献1の耕耘機によれば、操作ハンドルを作業機本体前方側に揺動させてグリップを前方に移動したり、操作ハンドルを作業機本体後方側に揺動させてグリップを後方に移動したりすることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、耕耘機の作業形態のなかには、耕耘機の前部に操作者の体重をかけたい場合がある。しかし、特許文献1の耕耘機では、グリップを作業機本体前方側に移動しても、グリップをハンドルポストの前方側まで移動することはできない。
加えて、グリップを作業機本体前方側に移動した場合に、グリップは作業機本体前方に向けて下り勾配になる。
【0004】
このように、グリップがハンドルポストの後方側で、かつ、グリップが作業機本体前方に向けて下り勾配になるため、操作者はグリップを握った状態で、操作者の体重を耕耘機の前部にかけることは難しい。
【0005】
また、特許文献1の耕耘機では、操作者の体格に合わせてグリップの高さを調整することはできない。
このため、操作者の体格に合わせてグリップの高さを調整することが可能な技術の実用化が望まれていた。
【0006】
本発明は、作業機の前部に操作者が体重を容易にかけることができ、グリップの高さを操作者の体格に合わせて調整することで使い勝手のよい作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルを連結した作業機において、前記ループ状の操作ハンドルは、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる支軸を支点にして、前記ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に揺動自在としたことを特徴とする。
【0008】
ここで、作業機を使用する場合、作業形態(移動、耕耘、培土など)に合わせて操作ハンドルを最適の位置に選択可能であることが好ましい。
そこで、請求項1において、操作ハンドルを、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる軸を支点にして、ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に回動可能とした。
【0009】
請求項2において、前記ハンドルポストは、長手方向において複数個に分割された複数の分割ポストを有し、前記複数の分割ポストが長手方向にスライド可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
ここで、作業機を使用する場合、操作者の体格(身長や握力など)や作業形態に合わせて操作ハンドルの高さを最適の位置に選択可能であることが好ましい。
そこで、請求項2において、ハンドルポストを、複数の分割ポストに分割し、分割ポストを長手方向にスライド可能とした。
【0011】
請求項3では、前記ループ状の操作ハンドルは、その内周壁において、作業機本体の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央湾曲部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記操作ハンドルに、走行用のクラッチレバーが揺動自在に設けられ、前記クラッチレバーは、前記操作ハンドルに揺動自在に設けられた金属製のレバー部と、前記レバー部を覆う樹脂カバーとを有することを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるスライド切換手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、操作ハンドルを、ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側(すなわち、作業機本体側)との双方の位置に揺動自在とした。
この構成によれば、ハンドルポストの延長線上を境に、操作ハンドルを操作者の逆側の位置に揺動することで、操作ハンドルを作業機本体前方に向けて上り勾配に配置することができる。
【0015】
操作ハンドルを作業機本体側に配置するとともに、上り勾配に配置することで、操作ハンドルを操作者に臨む位置に配置できる。
よって、操作者は操作ハンドルを握った状態で、作業機の前部に体重を容易にかけることが可能になり、耕耘の作業形態に容易に対応することができる。
【0016】
また、操作ハンドルを操作者側の位置に配置することで、作業機本体と操作者との間に十分な空間を確保することができる。
よって、作業機本体と操作者との間の空間を利用して、作業機本体の後部に、例えば培土器を取り付けることが可能になり、培土の作業形態に容易に対応することができる。
【0017】
さらに、操作ハンドルをハンドルポストの上端部に揺動自在に構成することで、移動の作業形態に容易に対応することができる。
このように、作業機の作業形態(耕耘、培土、移動など)に合わせて操作ハンドルを最適の位置に選択することができるので、使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
【0018】
請求項2に係る発明では、複数の分割ポストを長手方向にスライドすることで、ハンドルポストの高さを調整することができる。
これにより、操作ハンドルの高さを操作者の体格や作業形態に合わせて最適の位置に調整することが可能になり、使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
【0019】
請求項3に係る発明では、操作ハンドルの内周壁において、作業機本体の幅方向中央に中央湾曲部を設けた。中央湾曲部は、ループ内側に向けて隆起されている。
操作ハンドルの中央に中央湾曲部を設けることで、操作者は操作ハンドルを握った感覚で中央湾曲部を確認することができる。
【0020】
これにより、操作ハンドルを握った感覚だけで中央位置を確認することができるという利点がある。
加えて、操作ハンドルに中央湾曲部を設けることで、操作ハンドルを握った状態において、握った手が操作ハンドルに沿って滑らないようにできるという利点がある。
【0021】
請求項4に係る発明では、走行用のクラッチレバーが、操作ハンドルに揺動自在に金属製のレバー部が設けられ、レバー部が樹脂カバーで覆われている。
クラッチレバーに金属製のレバー部を採用することで、クラッチレバーの剛性を確保することができる。
【0022】
加えて、金属製のレバー部を樹脂カバーで覆うことで、樹脂カバーを握りやすい形状に簡単に形成することができる。
これにより、クラッチレバーの剛性を確保することができ、かつ、クラッチレバーの握り心地を良好に確保することができるという利点がある。
【0023】
請求項5に係る発明では、スライド切換手段を備えた。このスライド切換手段は、複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができる。
これにより、スライド切換手段を操作することで、ハンドルポストの高さを容易に調整することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は操作者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
なお、本実施の形態では作業機として歩行型耕耘機を例示するが、作業機は歩行型耕耘機に限定するものではない。
【0025】
図1は本発明に係る作業機を示す側面図である。
作業機としての歩行型耕耘機10は、作業機本体を兼ねるトランスミッションケース12の上部12aに搭載されたエンジン13と、トランスミッションケース12内に設けられた変速機構(図示せず)と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられた左右の駆動輪15,15と、トランスミッションケース12の前端部12cに設けられたロータリ作業部17および補助輪18と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドル装置20と、ハンドル装置20側の部材およびトランスミッションケース12側の部材を連結/接続する線状部材の配設構造22とを備える。
【0026】
エンジン13は、出力軸であるクランクシャフト31を備え、このクランクシャフト31を縦置き、すなわち下方に延ばした形式のバーチカルエンジンである。
このエンジン13は、始動用のスタータモータ32を備え、スロットル弁33の開度を調整するスロットルレバー34を備える。
【0027】
クランクシャフト31の下端部は、走行クラッチ35を介して前記変速機構に連結されている。この変速機構および走行クラッチ35はトランスミッションケース12の内部に設けられている。
走行クラッチ35は、走行クラッチ35をオン状態とオフ状態とに切り換えるクラッチレバー36を備える
【0028】
走行クラッチ35をオン状態にすることで、エンジン13の回転を前記変速機構を介して左右の駆動輪15,15やロータリ作業部17に伝える。
これにより、左右の駆動輪15,15で走行しながら、ロータリ作業部17を回転させる。ロータリ作業部17が回転することで、耕耘爪37…が回転して土壌を耕耘する。
【0029】
一方、走行クラッチ35をオフ状態にすることで、エンジン13の回転を前記変速機構に伝わらないようにする。
これにより、左右の駆動輪15,15を静止状態に保つとともに、ロータリ作業部17を静止状態に保つ。
以下、図2〜図9においてハンドル装置20について詳しく説明する。
【0030】
図2は本発明に係る作業機のハンドル装置を示す分解斜視図、図3は本発明に係るハンドルユニットからハンドルポストカバーを外した状態を示す斜視図である。
ハンドル装置20は、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドルポストユニット41と、ハンドルポストユニット41の上端部に揺動自在に設けられた操作ハンドルユニット42と、ハンドルポストユニット41を覆うとともに操作ハンドルユニット42の一部を覆うハンドルポストカバー43とを備える。
【0031】
ハンドルポストユニット41は、トランスミッションケース12の後端部12bに伸縮可能(可変可能)に設けられたハンドルポスト45と、ハンドルポスト45を伸縮可能に切り換えるスライド切換手段46とを備える。
ハンドルポスト45は、長手方向において複数個(2個)に分割されたロア固定ポスト(分割ポスト)51およびアッパ昇降ポスト(分割ポスト)52を有する。
【0032】
ロア固定ポスト51は、トランスミッションケース12の後端部12bに、左ロアポスト部54が左取付ブラケット56を介してボルト止めされるとともに、右ロアポスト部55が右取付ブラケット57を介してボルト止めされている。
左右のロアポスト部54,55は、それぞれパイプで形成され、トランスミッションケース12の後端部12bから後方に向けて上り勾配で延出されている。
【0033】
左ロアポスト部54は、右ロアポスト部55に臨む壁部に左ロック孔54a…(図4も参照)が所定の間隔をおいて複数個形成されている。
右ロアポスト部55は、左ロアポスト部54に臨む壁部に右ロック孔55a…が所定の間隔をおいて複数個形成されている。
【0034】
アッパ昇降ポスト52は、左ロアポスト部54の上半分54bにスライド自在に嵌合された左アッパポスト部58と、右ロアポスト部55の上半分55bにスライド自在に嵌合された右アッパポスト部59と、左右のアッパポスト部58,59のそれぞれの上端部に連結された支持梁部(ハンドルポストの上端部)61と、左右のアッパポスト部58,59のそれぞれの下端部に架け渡されたポスト連結部材62を有する。
【0035】
左右のアッパポスト部58,59および支持梁部61は、パイプで略逆U字状に曲げ形成された部材である。
左アッパポスト部58は、右アッパポスト部59に臨む壁部に左保持孔58c(図4も参照)が形成されている。
右アッパポスト部59は、左アッパポスト部58に臨む壁部に右保持孔59cが形成されている。
【0036】
すなわち、ハンドルポスト45は、トランスミッションケース12の後端部12bから後方に向けて上り勾配で延出され、ロア固定ポスト51およびアッパ昇降ポスト52が長手方向にスライド可能に構成されている。
【0037】
スライド切換手段46は、ポスト連結部材62に設けられ、アッパ昇降ポスト52を長手方向にスライド可能なスライド状態と、アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する保持状態とに切り換えるものである。
なお、スライド切換手段46については図4〜図5で詳しく説明する。
【0038】
操作ハンドルユニット42は、ハンドルポスト45の支持梁部61に取り付けられた支持部材64と、支持部材64に揺動自在に設けられた操作ハンドル65と、支持部材64に設けられた揺動切換手段66と、操作ハンドル65に揺動自在に設けられた走行用のクラッチ操作レバー68とを備える。
【0039】
支持部材64は、支持梁部61に支持ブラケット71が取り付けられ、支持ブラケット71に収納凹部72(図6参照)が設けられている。
収納凹部72は、操作ハンドル65のハンドル支軸部(支軸)74を回動自在に支持するものである。
揺動切換手段66は、操作ハンドル65を揺動可能な揺動状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるものである。
なお、揺動切換手段66については図6で詳しく説明する。
【0040】
操作ハンドル65は、トランスミッションケース12の幅方向(以下、「作業機本体幅方向」という)に延びたハンドル支軸部74と、ハンドル支軸部74の左端部から後方に延出された左ハンドル側部75と、ハンドル支軸部74の右端部から後方に延出された右ハンドル側部76と、左右のハンドル側部75,76のそれぞれの後端部に連結されたハンドルグリップ部77とを有する。
この操作ハンドル65は、ハンドル支軸部74、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77で略矩形のループ状に形成されている。
【0041】
操作ハンドル65には走行用のクラッチ操作レバー68が揺動自在に設けられている。
クラッチ操作レバー68は、操作ハンドル65に揺動自在に設けられた金属製のレバー部81と、レバー部81を覆う樹脂カバー82とを有する。
レバー部81は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77に重なり合うように形成され、左右の端部81a,81aが支持ピン83,83で左右のハンドル側部75,76にそれぞれ回動自在に支持されている。
【0042】
レバー部81および樹脂カバー82は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77にそれぞれ重なり合うように形成されている。
レバー部81は、右端部81a近傍にケーブルブラケット91が設けられている。ケーブルブラケット91はクラッチケーブル92を介してクラッチレバー36(図1参照)に連結されている。
【0043】
クラッチ操作レバー68を操作ハンドル65と一緒に握ることで、クラッチ操作レバー68が操作ハンドル65に重ねられる。クラッチケーブル92が引っ張られ、走行クラッチ35がオン状態になる。
クラッチ操作レバー68の握りを解放することで、クラッチ操作レバー68が操作ハンドル65から離れる。クラッチケーブル92の引っ張り状態が解除され、走行クラッチ35がオフ状態になる。
【0044】
図2に示すように、ハンドルポストカバー43は、上カバー部93と、下カバー部94とを備える。
上カバー部93は、略矩形状の外周壁95を有するとともに、略矩形状の内周壁96を有することで、中央に略矩形状の中央開口部97が形成され、上端部に操作パネル98が形成されている。
上カバー部93を、アッパ昇降ポスト52、スライド切換手段46、ハンドル支軸部74および揺動切換手段66に被せることで、これらの部材を覆う。
上カバー部93の底部開口93a(図5も参照)に下カバー部94がボルト止めされる。
中央開口部97にスライド切換手段46の切換ハンドル47が配置される。
【0045】
操作パネル98には、スタータスイッチ101やスロットル操作レバー102が設けられている。
スタータスイッチ101は、図3に示すワイヤハーネス103を介してエンジン13のスタータモータ32(図1参照)に接続されている。
スタータスイッチ101を押すことにより、スイッチがオン状態になり、スタータモータ32が作動する。スタータモータ32が作動することでエンジン13が始動する。
【0046】
スロットル操作レバー102は、図3に示す支軸105を介してレバー106に連結されている。レバー106は、スロットルケーブル107を介してスロットルレバー34(図1参照)に連結されている。
スロットル操作レバー102を前後方向に操作することで、スロットルレバー34を操作する。スロットルレバー34を操作することで、スロットル弁33の開度を調整する。
【0047】
図3に示すように、線状部材の配設構造22は、クラッチ操作レバー68およびクラッチレバー36(図1参照)を連結するクラッチケーブル92と、スロットル操作レバー102およびスロットルレバー34(図1参照)を連結するスロットルケーブル107と、スタータスイッチ101およびスタータモータ32を接続するワイヤハーネス103とを有する。
【0048】
この線状部材の配設構造22は、クラッチケーブル92がクラッチ操作レバー68およびクラッチレバー36間においてループ状に巻かれ、スロットルケーブル107がスロットル操作レバー102およびスロットルレバー34間においてループ状に巻かれ、ループ状に巻いたクラッチケーブル92およびスロットルケーブル107がハンドルポストカバー43の内部空間に収納されている。
【0049】
また、線状部材の配設構造22は、ワイヤハーネス103が相対的に硬い硬ハーネス部(図示せず)と軟らかい軟ハーネス部112とで形成され、軟ハーネス部112が、少なくともハンドルポスト45が伸びきった状態を除いてハンドルポストカバー43に収納される。
【0050】
図4は本発明に係るハンドル装置のスライド切換手段を示す断面図、図5は図4の5−5線断面図である。
スライド切換手段46は、ポスト連結部材62にハンドルブラケット121が設けられ、ハンドルブラケット121の左側に左移動体122が配置され、ハンドルブラケット121の右側に右移動体123が配置され、左右の移動体122,123にそれぞれ左右の連結ピン128,129を介してレバー124が連結され、レバー124が回動シャフト125を介して切換ハンドル47に連結されている。
左連結ピン128は、左移動体122の長孔122aにスライド自在に嵌入されている。右連結ピン129は、右移動体123の長孔123aにスライド自在に嵌入されている。
【0051】
このスライド切換手段46は、左移動体122の左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aに進退自在に配置され、右移動体123の右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aに進退自在に配置されている。
回動シャフト125は、ポスト連結部材62の中央部位およびハンドルブラケット121の中央部位に回動自在に支持されている。
【0052】
スライド切換手段46によれば、切換ハンドル47を手で握って切換ハンドル47に回動力をかける。切換ハンドル47が回動シャフト125を軸にして回動して、回動シャフト125と一体にレバー124が揺動する。
レバー124が揺動することで、左右の連結ピン128,129が回動シャフト125側に移動する。左右の連結ピン128,129が回動シャフト125側に移動することで、左右の移動体122,123が回動シャフト125側に移動する。
【0053】
左右の移動体122,123が回動シャフト125側に移動することで、左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aから抜け出してスライド位置に退避するとともに、右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aから抜け出してスライド位置に退避する。
【0054】
よって、左ロアポスト部54に沿わせて左アッパポスト部58をスライド移動させるとともに、右ロアポスト部55に沿わせて右アッパポスト部59をスライド移動させることが可能になる。
これにより、ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52を上下方向に昇降可能なスライド状態に切り換えることができる。
【0055】
アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する場合には、切換ハンドル47から回動力を解除する。切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138のばね力で、左ロックピン126が左保持孔58cおよび左ロック孔54aに進入するとともに、右ロックピン127が右保持孔59cおよび右ロック孔55aに進入する。
すなわち、左右のロックピン126,127がロック位置に進入する。
【0056】
これにより、アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができる。
このように、切換ハンドル47を操作(回動)させるだけで、アッパ昇降ポスト52をスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えることができるので、ハンドルポスト45の高さを容易に調整することができる。
【0057】
なお、左右のロック孔54a…,55a…の個数は任意に決めることが可能である。左右のロック孔54a…,55a…の個数に基づいて、アッパ昇降ポスト52の昇降段階が決まる。
例えば、左右のロック孔54a…,55a…の個数がそれぞれ9個の場合、アッパ昇降ポスト52は9段階の昇降調整が可能である。
【0058】
図6は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルユニットを示す側面図、図7は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す側面図、図8は本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す平面図である。
揺動切換手段66は、支持部材64の左右の支持孔144,145(図8参照)に支持ロッド132が貫通され、左右の支持孔144,145から突出した支持ロッド132に左右のガイドブラケット133,134(図8も参照)が設けられ、左ガイドブラケット133から突出した支持ロッド132に切換レバー135がねじ結合されている(図8も参照)。
【0059】
切換レバー135は、操作ハンドル65の近傍に配置される。切換レバー135を操作ハンドル65の近傍に配置することで、切換レバー135を操作しやすい位置に配置できる。
よって、操作者は切換レバー135を簡単に操作して、操作ハンドルを容易に揺動させることができる。
【0060】
左右のガイドブラケット133,134は、図8に示すように、ハンドル支軸部74の略中央に一定間隔をおいて取り付けられている。
左ガイドブラケット133には左ガイド孔133aが形成されている。左ガイド孔133aは、ハンドル支軸部74を中心として円弧状に形成され、左支持孔144から左側に突出した支持ロッド132にスライド自在に嵌入されている。
右ガイドブラケット134には右ガイド孔134aが形成されている。右ガイド孔134aは、ハンドル支軸部74を中心として円弧状に形成され、右支持孔145から右側に突出した支持ロッド132にスライド自在に嵌入されている。
【0061】
切換レバー135は、保持位置P1に位置するとき基部135aが作業機本体幅方向の中央寄りに配置され、揺動位置P2に位置するとき基部135aが中央寄りから作業機本体の幅方向に離れるように配置される。
よって、切換レバー135を保持位置P1に位置させることで、基部135aおよび支持ロッド132の頭部132a(図8参照)で左右のガイドブラケット133,134を支持部材64に押圧することができる。
よって、操作ハンドル65を所定位置に保持することができる。
【0062】
一方、切換レバー135を揺動位置P2に位置させることで、基部135aおよび頭部132aによる左右のガイドブラケット133,134の押圧を解除することができる。
この状態において、操作ハンドル65を、図6に示すように、ハンドル支軸部74を支点にして前後方向に矢印の如く揺動させることができる。
【0063】
操作ハンドル65が前後方向に揺動する際に、左右のガイド孔133a,134aが支持ロッド132に沿って移動する。
よって、操作ハンドル65を、作業形態(耕耘、培土、移動など)に応じて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者側の位置P3とその逆側の位置P4との間で無段階に配置することができる。
【0064】
例えば、操作ハンドル65を操作者147(図11参照)の逆側の位置P4に配置することで、操作ハンドル65を作業機本体前方(トランスミッションケース12の前方)に向けて水平線69に対して角度θ1の上り勾配に配置できる。
したがって、操作ハンドル65を操作者147に臨む位置に配置できるので、図1に示す歩行型耕耘機10の前部に荷重を容易にかけることができる。
歩行型耕耘機10の前部に荷重をかける例については図11で詳しく説明する。
【0065】
また、操作ハンドル65を操作者147(図12参照)側の位置P3に配置することで、操作ハンドル65を後方に向けて水平線69に対して角度θ2の下り勾配に配置できる。
この状態において、操作ハンドル65をトランスミッションケース12(図1参照)から後方に離すことができる。
【0066】
したがって、トランスミッションケース12と操作者147との間に十分な空間を確保できるので、トランスミッションケース12の後端部に、例えば培土器を取り付けることができる。
トランスミッションケース12の後端部に培土器を取り付ける例については図12で詳しく説明する。
【0067】
図8に示すように、操作ハンドル65は、ハンドル支軸部74、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77で略矩形のループ状に形成されている。
ハンドルグリップ部77は、左ハンドル湾曲部77a、右ハンドル湾曲部77bおよび中央ハンドル湾曲部(中央湾曲部)77cを有する。
左ハンドル湾曲部77aは、ハンドルグリップ部77の左端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
【0068】
右ハンドル湾曲部77bは、ハンドルグリップ部77の右端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
中央ハンドル湾曲部77cは、作業機本体幅方向の中央において、ループ内側に向けて隆起するように湾曲状に形成された部位である。
すなわち、ハンドルグリップ部77は、その内周壁77dにおいて、トランスミッションケース12の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央ハンドル湾曲部77cが設けられている。
【0069】
クラッチ操作レバー68は、樹脂カバー82が、左ハンドル側部75に重なる左レバー側部85と、右ハンドル側部76に重なる右レバー側部86と、ハンドルグリップ部77に重なるレバーグリップ部87とを有する。
レバーグリップ部87は、左レバー湾曲部87a、右レバー湾曲部87bおよび中央レバー湾曲部(中央湾曲部)87cを有する。
左レバー湾曲部87aは、レバーグリップ部87の左端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
【0070】
右レバー湾曲部87bは、レバーグリップ部87の右端部がループ外側に向けて大きな湾曲状に形成された部位である。
中央レバー湾曲部87cは、トランスミッションケース12の幅方向中央において、ループ内側に向けて隆起するように湾曲状に形成された部位である。
すなわち、レバーグリップ部87は、その内周壁87dにおいて、作業機本体幅方向の中央に、ループ内側に向けて隆起する中央レバー湾曲部87cが設けられている。
【0071】
すなわち、クラッチ操作レバー68の樹脂カバー82は、平面視において、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77に重なり合うように形成されている。
中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを、操作ハンドル65のループ内側に向けて隆起させた。
よって、操作者147(図11参照)が、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを手148で握った際に、握った感覚で中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを確認することができる。
【0072】
これにより、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを握った感覚だけで中央位置を確認することができる。
加えて、中央ハンドル湾曲部77cおよび中央レバー湾曲部87cを設けることで、操作ハンドル65およびクラッチ操作レバー68を手148で握った際に、握った手148が操作ハンドル65やクラッチ操作レバー68に沿って滑らないようにできる。
【0073】
さらに、左ハンドル湾曲部77aおよび左レバー湾曲部87aは、それぞれループ外側に向けて大きな湾曲状に形成されている。
加えて、右ハンドル湾曲部77bおよび右レバー湾曲部87bは、それぞれループ外側に向けて大きな湾曲状に形成されている。
よって、ハンドルグリップ部77およびレバーグリップ部87の全域を、操作者が握りやすい形状に形成できる。
操作者は、例えば作業形態に応じて、握りやすい位置を好適に選択することができる。
【0074】
図9は図8の9−9線断面図である。
走行用のクラッチ操作レバー68は、操作ハンドル65に揺動自在に金属製のレバー部81が設けられ、レバー部81が樹脂カバー82で覆われている。
クラッチ操作レバー68に金属製のレバー部81を採用することで、クラッチ操作レバー68の剛性を確保することができる。
【0075】
加えて、金属製のレバー部81を樹脂カバー82で覆うことで、樹脂カバー82を握りやすい形状に簡単に形成することができる。
これにより、クラッチ操作レバー68の剛性を確保することができ、かつ、クラッチ操作レバー68の握り心地を良好に確保することができる。
【0076】
例えば、樹脂カバー82を用いることで、外形を湾曲状に形成するとともに、ハンドルグリップ部77に臨む部位に凹部141を形成することで一対の脚部142,142を有する。
凹部141には金属製のレバー部81が収納されている。このレバー部81は、一対の脚部142,142がハンドルグリップ部77に当接した状態において、ハンドルグリップ部77に対して所定間隔Sだけ離れた位置に配置される。
【0077】
一対の脚部142,142は、内壁の下端部に当接面142a,142aが形成されている。それぞれの当接面142a,142aは、ハンドルグリップ部77の外周に当接可能に湾曲状に形成されている。
よって、ハンドルグリップ部77およびレバーグリップ部87を握ったとき、それぞれの当接面がハンドルグリップ部77に当接する。
これにより、クラッチレバーをハンドルグリップ部77に安定させた状態で押し付けることができ、握り心地を良好に確保することができる。
【0078】
樹脂カバー82の外形が湾曲状に形成されている。よって、クラッチ操作レバー68をハンドルグリップ部77に押し付けた状態において、ハンドルグリップ部77および樹脂カバー82の外形が略楕円状になる。
楕円状は握りやすい形状なので、クラッチ操作レバー68およびハンドルグリップ部77の握り心地を良好に確保することができる。
【0079】
図10(a),(b)は本発明に係るハンドル装置のハンドルポストの高さを調整する例を説明する図である。
(a)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、左右のロックピン126,127をロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
アッパ昇降ポスト52を最下位まで下降させることで、ハンドルポスト45を最小高さH1にする。
切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138(図4参照)のばね力で、左右のロックピン126,127をロック位置に進入させる。
よって、ハンドルポスト45を最小高さH1に保持することができる。
【0080】
(b)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、左右のロックピン126,127をロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
アッパ昇降ポスト52を最上位まで上昇させることで、ハンドルポスト45を最大高さH2にする。
切換ハンドル47から回動力を解除することで、左右の復帰ばね137,138(図4参照)のばね力で、左右のロックピン126,127をロック位置に進入させる。
よって、ハンドルポスト45を最大高さH2に保持することができる。
【0081】
図10(a)、(b)で説明したように、切換ハンドル47を操作(回動)させるだけで、ハンドルポスト45の高さを容易に調整することができる。
これにより、操作者の体格(身長や手の握力など)や作業形態に合わせて操作ハンドル65を最適の高さ位置に容易に配置することができる。
【0082】
図11は本発明に係る作業機の前部に荷重をかける例を説明した図である。
操作ハンドル65を前方に揺動させて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147の逆側の位置P4に配置した。よって、操作ハンドル65を作業機本体前方に向けて角度θ1の上り勾配に配置することができる。
【0083】
操作ハンドル65を作業機本体側に配置するとともに、上り勾配に配置することで、操作ハンドル65を操作者147に臨む位置に配置できる。
よって、操作者147は操作ハンドル65を握った状態で、歩行型耕耘機10の前部(すなわち、ロータリ作業部17)に操作者147の体重を矢印Fの如く容易にかけることができる。
これにより、耕耘の作業形態に容易に対応することができ、ロータリ作業部17で土壌152を良好に耕耘作業をおこなうことができる。
【0084】
図12は本発明に係る作業機の後部に培土器を取り付ける例を説明した図である。
操作ハンドル65を後方に揺動させて、ハンドルポスト45の延長線49上を境に操作者147側の位置P5に配置した。この状態で、操作ハンドル65が略水平に配置される(すなわち、位置P5は、図6に示す水平線69上の位置である)。
よって、操作ハンドル65をトランスミッションケース12の後端部12bから後方に離すことができる。
操作ハンドル65をトランスミッションケース12の後端部12bから後方に離すことで、トランスミッションケース12と操作者147との間に十分な空間149を確保できる。
【0085】
これにより、トランスミッションケース12と操作者147との間の空間149を利用して、トランスミッションケース12の後端部12b、例えば培土器151を取り付けることができる。
したがって、培土の作業形態に容易に対応することができ、培土器151で土壌152を良好に培土作業をおこなうことができる。
【0086】
加えて、操作ハンドル65をハンドルポスト45の支持梁部(ハンドルポストの上端部)61に揺動自在に構成することで、操作ハンドル65を移動の作業形態に容易に対応させることができる。
このように、作業機の作業形態(耕耘、培土、移動など)に合わせて操作ハンドル65を最適の位置に選択することができるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0087】
なお、前記実施の形態では、作業機として歩行型耕耘機10を例示したが、これに限らないで、歩行型芝刈機や歩行型草刈機などの他の作業機に適用することも可能である。
【0088】
また、前記実施の形態では、トランスミッションケース12の後端部12bにハンドルポスト45を設けた例について説明したが、これに限らないで、トランスミッションケース12の上部などの他の部位にハンドルポスト45を設けることも可能である。
【0089】
さらに、前記実施の形態では、ハンドルポスト45をロア固定ポスト51、アッパ昇降ポスト52の2個に分割した例について説明したが、これに限らないで、3個などの他の複数個に分割することも可能である。
【0090】
また、前記実施の形態では、トランスミッションケース12の後端部12bに培土器151を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、整地レーキなどの他の作業器を取り付けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルが連結された作業機への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係る作業機を示す側面図である。
【図2】本発明に係る作業機のハンドル装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係るハンドルユニットからハンドルポストカバーを外した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るハンドル装置のスライド切換手段を示す断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルユニットを示す側面図である。
【図7】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す側面図である。
【図8】本発明に係るハンドル装置の操作ハンドルを手で握った状態を示す平面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係るハンドル装置のハンドルポストの高さを調整する例を説明する図である。
【図11】本発明に係る作業機の前部に荷重をかける例を説明した図である。
【図12】本発明に係る作業機の後部に培土器を取り付ける例を説明した図である。
【符号の説明】
【0093】
10…歩行型耕耘機(作業機)、12…トランスミッションケース(作業機本体)、45…ハンドルポスト、46…スライド切換手段、49…ハンドルポストの延長線、51…ロア固定ポスト(分割ポスト)、52…アッパ昇降ポスト(分割ポスト)、61…支持梁部(ハンドルポストの上端部)、65…操作ハンドル、68…クラッチ操作レバー、74…ハンドル支軸部(支軸)、147…操作者、77c…中央ハンドル湾曲部(中央湾曲部)、77d…ハンドルグリップ部の内周壁、87c…中央レバー湾曲部(中央湾曲部)、87d…レバーグリップ部の内周壁、81…レバー部、82…樹脂カバー、P3…操作者の逆側の位置、P4…操作者側の位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルを連結した作業機において、
前記ループ状の操作ハンドルは、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる支軸を支点にして、前記ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に揺動自在としたことを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記ハンドルポストは、
長手方向において複数個に分割された複数の分割ポストを有し、
前記複数の分割ポストが長手方向にスライド可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記ループ状の操作ハンドルは、その内周壁において、作業機本体の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央湾曲部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の作業機。
【請求項4】
前記操作ハンドルに、走行用のクラッチレバーが揺動自在に設けられ、
前記クラッチレバーは、前記操作ハンドルに揺動自在に設けられた金属製のレバー部と、前記レバー部を覆う樹脂カバーとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の作業機。
【請求項5】
前記複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるスライド切換手段を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の作業機。
【請求項1】
作業機本体に設けられたハンドルポストの上端部にループ状の操作ハンドルを連結した作業機において、
前記ループ状の操作ハンドルは、作業形態に応じて、作業機本体の幅方向に延びる支軸を支点にして、前記ハンドルポストの延長線上を境に操作者側とその逆側との双方の位置に揺動自在としたことを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記ハンドルポストは、
長手方向において複数個に分割された複数の分割ポストを有し、
前記複数の分割ポストが長手方向にスライド可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記ループ状の操作ハンドルは、その内周壁において、作業機本体の幅方向中央に、ループ内側に向けて隆起する中央湾曲部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の作業機。
【請求項4】
前記操作ハンドルに、走行用のクラッチレバーが揺動自在に設けられ、
前記クラッチレバーは、前記操作ハンドルに揺動自在に設けられた金属製のレバー部と、前記レバー部を覆う樹脂カバーとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の作業機。
【請求項5】
前記複数の分割ポストを長手方向にスライド可能なスライド状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるスライド切換手段を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−131895(P2008−131895A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320526(P2006−320526)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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